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情報パケットは 1 つのパケット・ヘッダで始まり,次に複数のデータ・フィールドが続きます。データ・フィールドには,固定長データ,可変長データ,可変長データまでのオフセットのいずれかを格納できます。オフセットは,パケットの先頭から可変長データまでの距離をバイト数で表したものです。
すべての可変長データは,長さを指定された文字列で表現されます。可変長データは,パケット内の最後の固定長データ・フィールドの後に続きます。 図 C-2 は,情報パケットの標準形式を示しています。すべてのデータ・フィールドが値を持つとは限りません。
情報パケットのデータ・フィールドの詳細については, 付録 C.1.2.2 項 から 付録 C.1.2.7 項 までを参照してください。
すべての情報パケットは,ACR$W_LENGTH フィールドと ACR$W_TYPE フィールドで構成されるパケット・ヘッダで始まります。 表 C-5 と 表 C-6 を参照してください。
図 C-2 情報パケットの形式
シンボリック・オフセット | 説明 |
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ACR$W_TYPE | パケット・タイプを示す。 表 C-6 に示す 5 つのフィールドに分割される。(ワード) |
ACR$W_LENGTH | バイト単位によるパケット長。(ワード) |
シンボリック・オフセット | 説明 | ||||||||||||||
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ACR$V_PACKET | パケット・ヘッダであることを示す。 1 でなければならない。(1 ビット) | ||||||||||||||
ACR$V_TYPE | パケット・タイプを示す。現在,次の 6 種類がある。(7 ビット)
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ACR$V_SUBTYPE | パケット・サブタイプを示す。今後のため予約されている。(4 ビット) | ||||||||||||||
ACR$V_VERSION | 表 C-3 を参照 | ||||||||||||||
ACR$V_CUSTOMER | 表 C-3 を参照 |
C.1.2.2 ファイル名パケット (ACR$K_FILENAME)
ファイル名パケットは,会計情報ファイルの名前を格納します。 図 C-3 はファイル名パケットの形式, 表 C-7 はパケット・フィールドを示しています。パケット・ヘッダについては, 付録 C.1.2.1 項 を参照してください。
図 C-3 ファイル名パケットの形式
シンボリック・オフセット | 説明 |
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ACR$T_FILENAME | ファイルの名前。(完全なファイル指定を示す,指定された長さの ASCII 文字列) |
識別パケットは,レコードを記録させたプロセスを格納します。
図 C-4 は識別パケットの形式, 表 C-8 はパケット・フィールドを示しています。パケット・ヘッダについては, 付録 C.1.2.1 項 を参照してください。
図 C-4 識別パケットの形式
シンボリック・オフセット | 説明 |
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ACR$L_PID | プロセスのプロセス識別子 (PID)。 (ロングワード) |
ACR$L_OWNER | 親プロセスの PID。(ロングワード) |
ACR$L_UIC | プロセスの UIC。メンバ番号を ACR$W_MEM で,グループ番号を ACR$W_GRP で定義できる。(ロングワード) |
ACR$Q_PRIV | プロセスが持つ特権。(クォドワード) |
ACR$B_PRI | プロセスの基本優先順位。(バイト) |
ACR$B_IDFLGS | フラグ・バイト。下位ビットが設定されている場合は完全なアドレスと完全な名前。 |
ACR$W_USERNAME | プロセスのユーザ名を格納する指定された長さの ASCII 文字列までのオフセット。(ワード) |
ACR$W_ACCOUNT | プロセスのアカウント名を格納する指定された長さの ASCII 文字列までのオフセット。(ワード) |
ACR$W_NODENAME | 遠隔プロセスの Phase W ノード名を格納する指定された長さの ASCII 文字列までのオフセット。(ワード) |
ACR$W_TERMINAL | ターミナル名を格納する指定された長さの ASCII 文字列までのオフセット。(ワード) |
ACR$W_JOBNAME | ジョブ名を格納する指定された長さの ASCII 文字列までのオフセット。(ワード) |
ACR$L_JOBID | 印刷ジョブまたはバッチ・ジョブの識別子 (キュー・エントリ番号)。(ロングワード) |
ACR$W_QUEUE | バッチ・ジョブまたは印刷ジョブが対応するキューの名前を格納する指定された長さの ASCII 文字列までのオフセット。(ワード) |
ACR$W_NODEADDR | Phase W 遠隔ノード・アドレスを格納する指定された長さの ASCII 文字列までのオフセット。(ワード) |
ACR$W_REMOTEID | 遠隔プロセスの遠隔 ID を格納する指定された長さの ASCII 文字列までのオフセット。ネットワークのインプリメンテーションと用途によって異なる。(ワード) |
ACR$W_FULLADDR | 完全な遠隔ノード・ネットワーク・アドレスを格納する指定されたバイナリ文字列までのオフセット。DECnet-Plus システムでは,遠隔ノードの NSAP アドレス。 |
ACR$W_FULLNAME | 完全な遠隔ノード名を格納する指定された ASCII 文字列までのオフセット。DECnet/OSI システムでは,遠隔ノードの完全な名前。 |
C.1.2.4 イメージ名パケット (ACR$K_IMAGENAME)
イメージ名パケットは,プロセスが実行したイメージの名前を格納します。
図 C-5 はイメージ名パケットの形式, 表 C-9 はパッケージ・フィールドを示しています。パケット・ヘッダについては, 付録 C.1.2.1 項 を参照してください。
図 C-5 イメージ名パケットの形式
シンボリック・オフセット | 説明 |
---|---|
ACR$T_IMAGENAME | イメージの名前。(完全なファイル指定を示す,指定された長さの ASCII 文字列) |
C.1.2.5 印刷資源パケット (ACR$K_PRINT)
印刷資源パケットは,印刷ジョブに関する情報を格納します。
図 C-6 は印刷資源パケットの形式, 表 C-10 はパケット・フィールドを示しています。パケット・ヘッダについては, 付録 C.1.2.1 項 を参照してください。
図 C-6 印刷資源パケットの形式
シンボリック・オフセット | 説明 |
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ACR$L_PRINTSTS | 印刷ジョブの状態。(ロングワード) |
ACR$Q_QUETIME | ジョブがキューに登録された時間。 (64 ビットの絶対時刻) |
ACR$Q_BEGTIME | ジョブが開始された時間。 (64 ビットの絶対時刻) |
ACR$L_SYMCPUTIM | シンビオント CPU 時間 (常に 0)。 (ロングワード) |
ACR$L_PAGECNT | 印刷されたページ数。(ロングワード) |
ACR$L_QIOCNT | プリンタに送られた QIO 数。(ロングワード) |
ACR$L_GETCNT | 印刷されたファイルの GET 数。 (ロングワード) |
C.1.2.6 資源パケット (ACR$K_RESOURCE)
資源パケットは,プロセスに関する情報を格納します。
図 C-7 は資源パケットの形式, 表 C-11 はパケット・フィールドを示しています。パケット・ヘッダについては, 付録 C.1.2.1 項 を参照してください。
図 C-7 資源パケットの形式
シンボリック・オフセット | 説明 |
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ACR$Q_LOGIN | 64 ビットの絶対時刻による,イメージが実行された時間またはプロセスが作成された時間。 (クォドワード) |
ACR$L_STATUS | イメージの最終終了状態,またはプロセスで最後に実行されたイメージの最終状態。(ロングワード) |
ACR$L_IMGCNT | プロセスが実行したイメージ数。 (ロングワード) |
ACR$L_CPUTIME | イメージまたはプロセスが使用した CPU 時間。10 ミリ秒単位。ベクタ CPU 時間も含まれる。(ロングワード) |
ACR$L_FAULTS | イメージまたはプロセスが起因したハード・ページ・フォルトとソフト・ページ・フォルトの数。 (ロングワード) |
ACR$L_FAULTIO | イメージまたはプロセスが起因したハード・ページ・フォルト数。(ロングワード) |
ACR$L_WSPEAK | イメージまたはプロセスが使用した最大ワーキング・セット・サイズ。(ロングワード) |
ACR$L_PAGEFL | ページ・ファイル最大使用量。 (ロングワード) |
ACR$L_DIOCNT | イメージまたはプロセスが行った直接入出力数。(ロングワード) |
ACR$L_BIOCNT | イメージまたはプロセスが行ったバッファード入出力数。(ロングワード) |
ACR$L_VOLUMES | イメージまたはプロセスがマウントしたボリューム数。(ロングワード) |
ACR$L_VP_CPUTIME | イメージまたはプロセスが使用したベクタ CPU 時間。10 ミリ秒単位。(ロングワード) |
C.1.2.7 ユーザ・データ・パケット (ACR$K_USER_DATA)
ユーザ・データ・パケットは,$SNDJBC システム・サービスが送信した会計情報メッセージを格納します。
図 C-8 はユーザ・データの形式, 表 C-12 はパケット・フィールドを示しています。パケット・ヘッダについては, 付録 C.1.2.1 項 を参照してください。
図 C-8 ユーザ・データ・パケットの形式
シンボリック・オフセット | 説明 |
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ACR$T_USER_DATA | 最大 255 バイトのデータ (指定された長さの文字列) |
ANALYZE/DISK_STRUCTURE がボリュームやボリューム・セットに対して行うチェックは,8 つの段階に分かれます。この 8 つの段階において,エラーのレポートとその処置に使用する情報が集められます。
ANALYZE/DISK_STRUCTURE によるディスク・チェックの 8 つの段階について,以降で説明します。/REPAIR 修飾子が指定されていることを前提として説明を進めます。 ANALYZE/DISK_STRUCTURE の出力例を,注釈を付けて最後に記載します。
D.1 段階 1
段階 1 では,クラスタ・サイズ,ボリューム・ラベル,ボリューム・セットを構成しているボリューム数など,各種のボリューム情報を複数の予約ファイルから取り出し,情報が正確であるかどうかをチェックし,矛盾点があればすべてレポートし,この段階で検出した問題を解決します。
ANALYZE/DISK_STRUCTURE は,INDEXF.SYS のホーム・ブロックのパラメータを使用してボリュームとその特性を識別します。情報を確認すると,現在のバージョンの VOLSET.SYS をメモリに作成し,BITMAP.SYS の状態制御ブロック (SCB) を読み込み,チェックします。
次に,メモリに格納された VOLSET.SYS のボリューム・セット属性を,ボリュームに常駐している VOLSET.SYS のボリューム属性と比較し,矛盾点をレポートし,エラーを修正します。
D.2 段階 2
段階 2 では,現在のバージョンの QUOTA.SYS をワーキング・メモリにコピーし,もう 1 つの QUOTA.SYS ファイルを段階 3 以降で作成するときに使用する構造を設定します。これらのコピー・ファイルは,段階 7 で比較され,非整合性がレポートされます。
D.3 段階 3
段階 3 では,予約ファイル INDEXF.SYS を使用する ANALYZE/DISK_STRUCTURE 動作の構成をチェックします。まず INDEXF.SYS をオープンし,各ファイル・ヘッダを読み込み,次の処理を行います。
段階 3 では,次の処理も行います。
ANALYZE/DISK_STRUCTURE は,これらのチェックを行うときに,段階 4 以降で使用するマップを作成します。 表 D-1 は,段階 3 で作成するマップを示しています。
ビットマップ | 機能 |
---|---|
ファイル番号 | INDEXF.SYS のビットマップの現在の状態 |
紛失ファイル番号 | ディレクトリでまだ検出されていないすべてファイル番号 |
ディレクトリ・ファイル | すべてのディレクトリ・ファイルのリスト |
拡張リンケージ | すべての拡張ヘッダのリスト |
マルチ設定クラスタ | 複数のヘッダで参照されるすべてのクラスタのリスト |
設定クラスタ | ボリュームまたはボリューム・セットに割り当てられているすべてのクラスタ |
システム・マップ | 新しい記憶ビットマップ |
有効なファイル・バックリンク | 有効なすべてのファイル・バックリンクのマップ |
誤ったバックリンク | 誤ったすべてのバックリンクのマップ |
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