日本語Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS
システム・マネージャーズ・ガイド


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第 2 章
プリンタの設定

DECprint Supervisor を初めてインストールする場合,または新しいプリンタをインストールする場合は,この章を参照してください。既存のプリンタの設定を変更する場合も,この章が役立ちます。次の節では, DECprint Supervisor を使用してプリンタを作動させる方法を説明します。

PrintServer以外のプリンタ 第 2.1 節
DIGITAL PrintServerプリンタ 第 2.2 節

注意

すでに日本語DECprint Supervisor キューが存在するプリンタの設定を変更する場合は,まず STOP/QUEUE/NEXT,または STOP/QUEUE/RESETコマンドを使用して,関連のキューを停止する必要があります。

2.1 PrintServer以外のプリンタ

DIGITAL PrintServerプリンタ以外のPostScriptプリンタは,複数の方法でOpenVMSシステムに接続することができます。

プリンタがネットワーク経由で接続されている場合,複数のシステムがプリンタにアクセスすることができます。

DECprint Supervisorソフトウェアで使用できる装置は,『ソフトウェア仕様書 (SPD)』に記載されています。

注意

DCPSでは,OpenVMSシステムとプリンタの間の通信パス全体が双方向でなければなりません。ネットワーク・プリンタについては,この通信パスにプリンタとネットワーク装置の間の通信だけでなく,ネットワーク装置とOpenVMSシステムの間の接続も含まれます。 LATやAppleTalkのネットワーク装置およびシリアル・インタフェースは,通常,双方向通信を提供します。プリンタ,ターミナル・サーバ,またはプリント・サーバ上の raw TCP/IPネットワーク装置,およびパラレル・ポートは,この必要条件を満たさない場合があります。 DCPSソフトウェアは,プリンタからOpenVMSシステムに,ステータス・メッセージやその他の情報を送信できない接続では作動しません。

CSA0 (VAXstation IIおよびVAXstation II/GPXシステム上のプリンタ・ポート0)は,シリアル・プリンタ用にサポートされるインタフェースではありません。

DECconnectシリアル・ケーブルを使用している場合, DEClaserプリンタにH8571--Eアダプタが必要なことがあります。詳細については,プリンタのインストレーション・ガイドを参照してください。

2.1.1 直接接続のシリアル・プリンタ

プリンタとOpenVMSシステムが通信できるためには,プリンタとシステムのシリアル・インタフェースのボー・レートを同じ値に設定する必要があります。また,プリンタを8ビット・キャラクタ,パリティなしに設定します。

注意

ボー・レートに省略時の9600ボー以外を選択する場合,次の制限を考慮する必要があります。

  • OpenVMSのドライバは,3600および7200のボー・レートはサポートしません。

  • DMZ32シリーズ・インタフェースのリビジョンE以下では,ボー・レートを4800以下に設定する必要があります。

  • 選択した速度が誤っている場合,プリンタが動作しなかったり,突然停止したりすることがあります。

プリンタのシリアル・インタフェースについての詳細は,プリンタのインストレーション・ガイドを参照してください。必要な変更を行ったら,プリンタの電源をいったん切断して,再度投入します。次に,テスト・ページを手動で印刷し,印刷された設定と行った設定が一致することを確認します。

OpenVMSシステムのシリアル・インタフェースのボー・レートは, 第 3.3.6 項 に説明するように,対応するDCPSプリント・キューを設定するとき,P6 に値を指定して設定します。

2.1.2 ネットワーク・プリンタ

プリンタは,ネットワーク・インタフェース・カード(NIC)が用意されているか,ターミナル・サーバのプリント・サーバ経由でネットワークにアクセスできます。

プリンタは,次の場合にネットワーク・プリンタとして構成できます。

ネットワーク・プリンタは,次のように動作します。

2.1.2.1 raw TCP/IPプリンタ

raw TCP/IPは,TCPデータ・ストリームを別途解釈することなく, TCP/IPプロトコルを直接使用するネットワーク・プロトコルです。これは,多くのネットワーク・インタフェース・カード(NIC),プリント・サーバ,およびターミナル・サーバによってサポートされています。

この他,CPAP(Common Printer Access Protocol),LPD,およびTelnetのように, TCP/IPの上位レイヤーのプリンタ・プロトコルがあります。 DCPSは,CPAPを使用して,DIGITAL PrintServerプリンタと通信を行います。

注意

DCPSは,TelnetもLPDプロトコルもサポートしません。

raw TCP/IPを使用してプリンタと通信を行うには,プリンタに接続するために使用するNIC,プリント・サーバ,またはターミナル・サーバが, raw TCP/IPポートを提供する必要があります。さらに,この raw TCP/IPポートが,プリンタとOpenVMSシステムの間の双方向通信をサポートしなければなりません。 DCPSは,DEClaser 3500や5100のNIC,RapidPrint 200,およびXIOスロット(MIOではなく)でプリンタとインタフェースするHewlett-Packard JetDirectカードで見られるような単方向ポートでは動作しません。

TCP/IP経由でプリンタと通信できるようにするには,そのIPアドレスを定義する必要があります。また,アドレスに名前を関連づけることもできます。プリンタのIPアドレスの設定については,プリンタのドキュメントを参照してください。 OpenVMSシステムのTCP/IP環境の構成については, Compaq TCP/IP Services for OpenVMS,Process Software MultiNet for OpenVMS,またはProcess Software TCPware のドキュメントを参照してください。

プリンタがプリント・サーバまたはターミナル・サーバによって接続されている場合,サーバのIPアドレスを構成する必要があります。また,プリンタとサーバの間の接続も構成しなければなりません(たとえば,LATプリンタの場合, 第 2.1.2.2.2 項 の説明と同様の設定が必要になることがあります)。ネットワークおよびプリンタのインタフェースの構成については,ターミナル・サーバまたはプリンタ・サーバのドキュメントを参照してください。

2.1.2.2 LATプリンタ

2.1.2.2.1 LATアクセスのためのプリンタの構成

シリアル・プリンタをLATによってEthernetに接続されるネットワーク・プリンタとして構成するには,次の設定を変更します。

  1. ターミナル・サーバ経由で接続されたシリアル・プリンタを使用している場合,必要なポート属性およびサーバ属性をプリンタに設定します (DECserver 装置については, 第 2.1.2.2.2 項 を参照してください)。

  2. SYS$STARTUP:LAT$SYSTARTUP.COMに必要な変更を行います ( 第 2.1.2.2.3 項 を参照してください)。

  3. 通信速度を設定します( 第 2.1.2.2.4 項 を参照してください)。

プリンタのパスワードとプリンタ名も変更できます。これらの変更はオプションで, 第 2.1.3.3 項 および 第 2.1.3.4 項 で説明されています。

2.1.2.2.2 DECserver LATポート属性の設定

注意

ここでは,DECserver以外のLAT 装置を構成する手順については説明しませんが,多くの LAT 装置が DECserver 装置で使用されるものと同じコマンドを使用します。詳細については,NIC,ターミナル・サーバ,またはプリントサーバのオンライン・ヘルプその他のドキュメントを参照してください。

DECserverのポート属性を変更するには,DECserver 装置での特権が必要です。特権を持っている場合は,DEFINE PORTおよびSET PORTコマンドを使用します。

DEFINEコマンドは,サーバのパーマネント・データベースにおけるポート属性を変更します。変更内容は,次にそのポートでログインするまで有効になりません。

SETコマンドは,その場で有効になりますが,現在のセッションについてのみ,ポート属性を変更できます。たとえば,(DECserver 200で) PORT_6のINPUT SPEED およびOUTPUT SPEEDを19200ボーに変更するには,コンソール・サーバ・マネージャから次のコマンドを入力します。


LOCAL> SET PRIVILEGED
PASSWORD> password
 
LOCAL> SET PORT 6 SPEED 19200
LOCAL> DEFINE PORT 6 SPEED 19200

注意

LATを使用する場合, DECprint Supervisor には,このためのサンプル・コマンド・ファイルが用意されています。このコマンド・ファイルは,ターミナル・サーバ・マネージャ(TSM)を使用して, DECserverの属性を設定し,データをTSMデータベースに記録します (TSMというソフトウェア製品は,弊社から別途入手してください)。コマンド・ファイルは,次のとおりです。


SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]DCPS$CONFIG-PRINTER-PORT.COM 

このコマンド・ファイルは, DECserver 100,DECserver 200,およびDECserver 500 装置について,属性の例を示します。

DECserver 装置のコマンドおよび手続きについての詳細は, DECserverの管理ガイドを参照してください。

DECserverのポート属性がプリンタの設定と一致していることを確認します。 表 2-1 および 表 2-2 に,プリンタの設定と一致する必要があるDECserverのポート属性を示します

表 2-1 DECserverのポート属性
キャラクタ・サイズ 8
パリティ なし
入力速度 9600
出力速度 9600

キュー・リミットを0に設定していないことを確認します。 0に設定すると,キュー登録ができなくなります。

表 2-2 プリンタが要求するDECserverのポート属性
属性 省略時の設定
ACCESS REMOTE
AUTOBAUD DISABLED
AUTOCONNECT DISABLED
AUTOPROMPT DISABLED
BREAK DISABLED
BROADCAST DISABLED
FLOW CONTROL XON
INPUT FLOW CONTROL 1 ENABLED
OUTPUT FLOW CONTROL 1 ENABLED
INACTIVITY LOGOUT DISABLED
LOSS NOTIFICATION DISABLED
MESSAGE CODES DISABLED
QUEUING ENABLED
VERIFICATION DISABLED


1DECserver 500サーバでサポートされていない属性。

注意

DECserver 装置の多くのバージョンでは, QUEUINGはポート属性ではなくサーバ属性で,省略時の値はENABLEDです。

2.1.2.2.3 LAT構成ファイルの編集

LAT構成ファイル(SYS$STARTUP: LAT$SYSTARTUP.COM) は,ホスト・ノード・サービス属性を定義します。プリント・キューを起動する前に,LATドライバが動作しており,ポートが利用可能であることを確認します。

注意

この項で参照するコマンドは,LATCPコマンドです。LATCPコマンドについての詳細は,『 OpenVMS System Management Utilities Reference Manual 』を参照してください。

  1. LAT$SYSTARTUP.COMを編集して次のコマンドを追加し,プリンタをサポートするホスト・ノード(サービス・ノード)上にアプリケーション・ポートを作成します。


    $ CREATE PORT LTAd:/NOLOG/APPLICATION 
    


    このコマンド形式では,dのアプリケーション・ポートの数を指定します。これは,1〜9999までの一意の数でなければなりません。

    注意

    LTA 装置は,常にプリンタ専用というわけではなく,他の装置と共有することもあります。他の装置からLTA 装置への接続は,優先順位が最も低いポートの間で動的に確立されます。プリンタに大きなポート番号を割り当てると,そのポートをプリンタ用に確保しやすくなり,他の装置への接続から生じる干渉を避けることができます。


  2. LAT$SYSTARTUP.COMで,次のコマンドを追加して,アプリケーション・ポートをサーバ上のリモート・ポートに関連づけます。


    $ SET PORT LTAd:/NODE=server_name/PORT=port_name/QUEUE/APPLICATION 
    


    このコマンド形式では,次の値を指定します。

    LTA d: アプリケーション・ポート名
    server_name LAT装置に割り当てる名前
    port_name LAT装置のポート名


    次の例は,LTA9000:というアプリケーション・ポートを LN03RDS:という名前のリモートDECserver 200のPORT_7に関連づけます。


    $ SET PORT LTA9000:/NODE=LN03RDS/PORT=PORT_7/QUEUE/APPLICATION 
    


    LAT装置が印刷サービス専用であれば,プリンタ用のLAT接続をDCPS$STARTUP.COMファイルで定義することができます。これにより,すべての情報が1つのファイルに存在するので,構成についての問題解決が容易になります。ただし,LAT装置がプリンタ以外の装置も同時にサポートする場合は,ポートをLAT$SYSTARTUP.COMファイルに定義する必要があります。

  3. LAT接続を正しく行うためには,次のリストのグループが,少なくとも1つのLATグループを共通に持っていることを確認する必要があります。


    これらのグループが正しく設定されていない場合,プリント・ジョブをキューに登録したときに,次のエラー・メッセージが出力されます。


    %DCPS-E-LRJACCESSDENIED, Access denied 
    


    LATCPコマンドを使用して,必要なLATグループ指定を含めることができます。詳細については,『 OpenVMS System Management Utilities Reference Manual 』を参照してください。

    注意

    この情報は,DECserver 90Lには不要です。


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