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使用可能なすべての言語バリアントを認識するようにログイン画面が変更されました。現在では,オプション・メニューから言語を選択すると,使用可能なすべての言語バリアントが表示されて選択することができます。これにより,ログインすると,選択した言語に関連するオプションに従って,フロント・パネル,デスクトップ,およびメニュー項目が表示される,ローカライズされた New Desktop セッションを作成できるようになります。
2.2.1.3 [ファイル/廃棄] メニュー項目によるマルチレベル・ディレクトリの処理
現在では,ファイル・マネージャを使用することにより,1つ以上のサブディレクトリを含む項目を削除することができます。一度[選択/ごみ箱に捨てる]オプションを使用して,ごみ箱にドラッグしたかまたは置いた場合, [ファイル/廃棄]を選択することにより,項目およびその内容を,その下のサブディレクトリおよびファイルを含めて,直ちに処理することができます。
2.2.1.4 [アイコンセット検索]ダイアログ・ボックスからのアイコン・ファイルの表示
アクション作成アプリケーションでアプリケーション・アイコンを定義または編集している場合,現在では,ユーザは関連する[アイコンセット検索]ダイアログ・ボックスから使用可能なアイコン・ファイルの一覧を参照して選択することができます。
2.2.1.5 アプリケーション起動時の画面の選択
V1.2--5
フロントパネル,ファイル・マネージャ,アプリケーション・マネージャのいずれかからアプリケーションを起動する場合に,新しいアプリケーションを表示する画面をグラフィカルに選択できます。省略時の設定では,新しいアプリケーションは現在の画面 (マウス・ポインタのある画面) に表示されます。この機能により,ユーザは, [省略時の画面の設定]ウィンドウの番号付き画面コントロールのいずれかに,ファイル・マネージャまたはアプリケーション・マネージャからアプリケーション・アイコンをドロップできるようになります。これで,現在の画面を変更することなく,選択した画面でアプリケーションを起動することができます。
[省略時の画面の設定]ウィンドウを以前のようにアクティブにしたい場合は,アプリケーション・マネージャのデスクトップ・ツール・フォルダにある [省略時の画面の設定] アプリケーションを選択してください。各画面で省略時の画面ウィンドウのインスタンスを個別に起動することができます。省略時の画面の強調表示は, [省略時の画面の設定]ウィンドウのすべてのインスタンスに適用されます。
2.2.1.6 フロントパネル・アイコンでの MB3 操作のサポート
V1.2--4
New Desktopのフロントパネルでは,マウスの右ボタン (MB3) を使用することができます。カーソルをフロントパネルのアイコンに移動してMB3を押すと,サブパネル(メニュー)が表示されます。このメニューには次の項目があります。
三番目の項目が [サブパネルの削除] になっている場合,これを指定するとキットを再インストールしなければ元に戻らないことに注意してください。 |
フロントパネルあるいはdtifileからアプリケーションを起動すると,新しく独立プロセスが作成され,ユーザ名,$CDE,3桁の数値の識別子で構成されたプロセス名が付けられます。
たとえば,SMITHというユーザがアプリケーションを起動すると, SMITH$CDE001というプロセス名になり,このプロセスを終了しないで次のアプリケーションを起動すると SMITH$CDE002というプロセス名になります。プロセスを終了すると, SMITH$CDE001というプロセス名は未使用となり,再度別のプロセスで使用されます。
2.2.1.8 リファレンス・ページの表示
DECwindowsには,New Desktop用の新しいヘルプ・ファイルであるリファレンス・ページ (マニュアル・ページとも呼ばれます) が含まれています。リファレンス・ページは章別に分かれ, OpenVMSではファイルの拡張子が章番号を表しています。本バージョンに組み込まれているものは次の各章です。
タイトル | 内容 | 拡張子 |
---|---|---|
1 | アプリケーション | filename.1 |
3 | ライブラリおよびプログラミング | filename.3 |
4 | プログラミング | filename.4 |
5 | ファイルのフォーマットを含む | filename.5 |
dthelpview には,マニュアル・ページの表示に必要な動作が定義されています。プロセス論理名 MANPATHは,全リファレンス・ページが入っているCDE$SYSTEM_DEFAULTS:[MAN]ディレクトリを指すように定義されています。
次のいずれかの方法で dthelpview を起動し,リファレンス・ページを表示することができます。
漢字端末エミュレータから次のようにdthelpviewを起動して, dtaction.1 という名称のリファレンス・ページを表示します。
$ dthelpview :== - _"$ sys$sysdevice:[sys0.syscommon.cde$defaults.system.bin]dthelpview.exe" |
$ dthelpview -"manPage" dtaction.1 |
次の方法でアプリケーション・マネージャからdthelpviewを起動し, dtaction.1という名称のマニュアル・ページを表示します。
以前のバージョンではエラーになり回避策が必要であった New Desktop 環境に固有の問題の解決について,次に説明します。
2.2.2.1 特権のないアカウントからセッションを保存した場合にセッション・マネージャが適切に終了する
SYS$LOGIN:[.DT]ディレクトリ内のファイル名を変更する特権を持たないアカウントから New Desktop セッションを起動して終了しても,セッション・マネージャはもうハングしません。この問題は修正され,セッション・マネージャはセッションを適切に終了して,ログイン画面に戻ります。
2.2.2.2 ファイル・マネージャでACLを使用するファイルおよびディレクトリにアクセスできる
以前のバージョンでは,ファイル・マネージャ・アプリケーションは,アクセス制御リスト (ACL)でアクセスが許可されていても,特権のないユーザのファイルおよびディレクトリへのアクセスを拒否していました。この問題は解決され,dtfile を使用すると,ユーザは,関連する ACL エントリで指定されたように,ファイルやディレクトリにアクセスすることができます。
2.2.2.3 マルチヘッド・システムで画面ロックが正しく機能する
マルチヘッド・システムで New Desktop を実行する場合, [バックグラウンドのロック使用]オプションを有効にして画面ロックを使用すると,正しく動作しませんでした。リモート・システムから画面をロックしたのち,ロックされたワークステーションのバックグラウンド上にアプリケーションを表示することができました。この問題は修正されています。
2.2.2.4 マルチヘッド・システム上で省略時の画面が設定できる
以前のバージョンでは,マルチヘッド・システムで省略時の画面が 0 以外の値に設定されていた場合,次のような問題が発生していました。
これらの問題は解決され,すべてのアプリケーションおよびリターン値は,正しい表示デバイスに表示されるか,または関連します。
2.2.2.5 サブパネルからカレンダ・アイコンを削除できる
以前のバージョンでは,サブパネルからカレンダ・アイコンを削除すると,ウィンドウ・マネージャがクラッシュしていました。この問題は解決され,アプリケーション・サブパネルからアイコンを問題なく削除することができます。
2.2.2.6 ワークスペース間で切り替えができる
以前のバージョンでは,ワークスペースを変更すると,ユーザが新しいワークスペースでウィンドウをクリックしてフォーカスを移動するやいなや,システムがクラッシュしていました。この問題は修正され,2 つ以上のワークスペース間で切り替えることができます。
2.2.2.7 640x480 表示モードでログイン画面が正しい位置に表示される
ログイン画面は,640 x 480の画面解像度を使用するCompaq Alpha システム (Cirrus グラフィック・カードを含むものなど)で,オペレータ・メッセージおよびログイン・テキストの両方について,十分なスペースが確保されるように,センタリングし直されました。
2.2.2.8 ユーザ名やパスワードで無効な文字が入力されてもログインが停止しない
ログイン画面のユーザ名またはパスワード・テキスト・フィールドのいずれかに無効な文字 (空白など) を入力しても,ログイン画面が消えてログイン・プロセスが停止することはなくなりました。この問題は解決されています。無効な文字が検出された場合には,処理を行う前に,警告メッセージが表示されて,ユーザ名およびパスワードを修正するように求められます。
2.2.2.9 ウェルカム・メッセージのアップデード
以前のバージョンでは,DECnet ネットワーク・トランスポートが構成されていない場合,ログイン画面のウェルカム・メッセージでホスト名が表示されませんでした。この問題は修正されています。 TCP/IPがネットワーク・トランスポートの場合は,TCP/IP ホスト名が表示されます。どちらのトランスポートも構成されていない場合には,省略時のメッセージの "Welcome to OpenVMS"が表示されます。
2.2.3 問題点と制限事項
New Desktop 環境に関する既知の問題と制限事項について,次に説明します。
2.2.3.1 ホーム・セッションを設定するとデスクトップ・アプリケーションが消える
V1.2--6
スタイル・マネージャで[起動]を選択したのちに[ホームセッションを設定]を選択すると,アプリケーション・マネージャを使用して以前に起動したアプリケーションが消えます。これは,アプリケーション・マネージャでこれらのアプリケーションを起動したのち,ホーム・セッションを設定する前にアプリケーション・マネージャをクローズした場合に起こることがあります。
解決策として,[アプリケーション・マネージャ]ウィンドウをオープンしたままにしておいてください。
2.2.3.2 DECwriteプログラムを起動しないDECwriteアイコン
V1.2--5
DECwindows に DECwrite プログラムは含まれていませんが, New Desktop には DECwriteアイコンがあらかじめ用意されています。 DECwrite製品をインストールしていない場合, DECwriteアイコンをクリックすると,次のエラー・メッセージが表示されます。
> RCV'D (pid 000000CA): %DCL-W-IVVERB, unrecognized command verb - check validity and spelling -> RCV'D (pid 000000CA): \DECWRITE\ -> RCV'D (pid 000000CA): TESTER logged out at 29-JUL-1998 17:56:44.63 |
DECwrite製品をインストールしているにも関わらずこのエラーが発生する場合は, SYSTARTUP_VMS.COM で DECwrite を起動しているかどうかを確認してください。
2.2.3.3 dximageview による TIFファイルの参照
V1.2--4
dximageviewを使用して, CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APPCONFIG.HELP.C.GRAPHICS] ディレクトリからTIFフォーマットのファイルを表示しようとした場合,次の警告メッセージが表示されます。
TIFFOpen: Warning, unknown field with tag 34209 (0x85a1) ignored. TIFFOpen: XResolution: Rational with zero denominator (num = 200). |
このエラーは, CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APPCONFIG.HELP.C.GRAPHICS] ディレクトリ内にあるTIFファイルが対象の場合にのみ発生します。これは単なる警告メッセージで,ファイルはイメージ・ビューアによって正しく表示されます。
2.2.3.4 スタンドアローン・モードのみをサポートするテキスト・エディタ
V1.2--4
テキスト・エディタのマニュアル・ページに,「テキスト・エディタにはクライアント/サーバ機能が備わっている」という説明がありますが,本バージョンのテキスト・エディタは「スタンドアローン」オプションのみをサポートし,クライアント/サーバ・アプリケーションとしては構成されていません。
2.2.3.5 スペルチェック機能をサポートしないテキスト・エディタ
V1.2--4
New Desktopに組み込まれているテキスト・エディタについては,『共通デスクトップ環境: ユーザーズ・ガイド』の第10章で説明しています。「スペルミスの語を修正するには」の節で説明しているスペルチェック機能は,本バージョンのテキスト・エディタには組み込まれていません。
2.2.3.6 テキスト・エディタのタブ幅が8文字以上
V1.2--4
New Desktopのテキスト・エディタのベースであるテキスト・ウィジェットは,タブ幅を厳密に8文字に設定しているわけではありません。通常,8文字よりやや多くなります。スペースとタブの組み合わせでテキストを表示すると,行が縦に揃わなくなることがあります。
2.2.3.7 UNIX形式で表示されるファイル名
V1.2--4
アプリケーション・マネージャの[検索]ダイアログ・ボックスおよびヘルプ・ビューアによって報告されるエラー・メッセージは,ファイル名がOpenVMS標準形式でなくUNIX形式で表示されます。たとえば,SYS$SYSROOT:[SYSMGR]LOGIN.COMは, /sys$sysroot/sysmgr/login.comと表示されます。
2.2.3.8 TPU ウィンドウをオープンしたままでのセッション終了時の遅延
V1.2--4
セッション終了時またはホーム・セッション保存時に, DECwindows テキスト・プロセッシング・ユーティリティ(TPU)のウィンドウが表示されるまでに1分間の遅延が発生します。
TPU (EVEエディタ) のDECwindowsインタフェースの状態を保存する必要がある場合,このインタフェースは通知を要求しますが,セッション・マネージャから送信される通知には応答しません。 New Desktop セッション・マネージャは, 1分間だけ応答を待ってから処理を継続します。このために遅延が発生します。
2.2.3.9 フロントパネルの時計はアイコンのみ
New Desktop のフロントパネルの時計は,アナログ時計表示でシステムの現時刻を表示するアイコンです。このアイコンにはその他の機能はなく,このアイコンをクリックまたはダブル・クリックしても何も起こりません。
2.2.3.10 ToolTalkアクションの未サポート
『共通デスクトップ環境: 上級ユーザー及びシステム管理者ガイド』の説明にある,アクション定義ファイル(*.dt)へのToolTalk アクションの定義は,サポートされていません。本バージョンでインストールされているアクション定義ファイルには, ToolTalkアクションの一部が入っていますが,これらのアクションの変更はサポートされていません。このため,変更した場合には New Desktopの一部の機能が動作しなくなる原因となる可能性があります。
2.2.3.11 セッション・マネージャの保存および復元の制約
New Desktopに装備されているセッション・マネージャは,ブックリーダ,漢字端末エミュレータ,カレンダの各DECwindowsアプリケーションについて, WM_SAVE_YOURSELFプロトコルをサポートしています。このプロトコルを活用するよう作成されたアプリケーションでは,次の処理が可能です。
New Desktopの各アプリケーションは保存および復元機能をサポートしていますが,既存のDECwindows Motif アプリケーションの多くは, WM_SAVE_YOURSELFプロトコルをサポートするよう変更されていません。
既存のアプリケーションと新しいアプリケーションの違いは,次のようなログインおよびログアウト時に見られます。
既存の DECwindows Motif アプリケーションであっても, DECwindows 電子メールなど保存および復元機能をサポートしているものがあります。
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