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ファイル・マネージャ・アプリケーションには次のような制約があります。
2.2.3.13 [ログイン]画面と[一時停止]画面のテキスト・フィールド
V1.2--4
以降の各項では, [ログイン]画面と[一時停止]画面のテキスト・フィールドについて説明します。
2.2.3.13.1 ユーザ名入力時に認識されない制御文字
New Desktopは,ログイン・ユーザ名のテキスト・フィールドに制御文字の入力を受け付けません。制御文字を入力しても破棄されます。これに対して,DECwindowsのログイン・ユーザ名テキスト・フィールドは,次のキー・シーケンスをサポートしています。
New Desktopは,Ctrl/Uをサポートしています。ログインでのパスワード入力時または画面の一時停止の解除時にCtrl/Uを入力すると,その位置までの入力文字がすべて消去されます。
2.2.3.13.2 RETURNキーを使用した[ログイン]テキスト・フィールド間の移動
New Desktopでは,[ユーザ名]テキスト・フィールドと [パスワード]テキスト・フィールドは異なるダイアログ・ボックスであるため, [ユーザ名]から[パスワード] のテキスト・フィールドに移動する場合は, RETURNキーを使用します。 Tabキーでは,次のテキスト・フィールドにカーソルが移動しません。 Tabキーでは,[確認]ボタンが強調表示されるだけです。
2.2.3.13.3 [一時停止]画面でのパスワード入力時の最初の文字の無視
ワークステーションが一時停止しており, [パスワード]ダイアログ・ボックスが表示されていない場合,入力した最初の文字は無視されます。これに対して,DECwindowsの[一時停止]画面では,入力した文字はすべて受け付けられます。
New Desktopの使用時には,実際の文字を入力しない Shift などのキーを使用するか,あるいはマウスを使用して [一時停止]ダイアログ・ボックスを再表示させてから,パスワードを入力してください。入力した文字が不明な場合には, Ctrl/Uを使用して[パスワード]テキスト・フィールドに入力した文字を消去することができます。
2.2.3.13.4 最初の画面に文字が表示されない
Xサーバのフォント・パスに100 dpiフォントが入っていない場合,ログイン直後の青い最初の画面に「ようこそ」の文字が表示されません。リモートのXサーバにセッションを表示している場合にも,この問題が発生する可能性があります。
2.2.3.14 漢字端末エミュレータ・ウィンドウ内でのSET DISPLAY/CREATEの使用
V1.2--4
特権アカウントから,漢字端末エミュレータ・ウィンドウ内で /CREATE修飾子を指定しないで SET DISPLAYコマンドを使用した場合,その時点以降に作成されるアプリケーション用のディスプレイ設定が変更されます。ログアウト後にログイン・ボックスを表示するディスプレイ設定も再定義されます。
ディスプレイがまだ未設定の際に漢字端末エミュレータからディスプレイを設定する場合は,必ず /CREATE 修飾子を指定してください。
2.2.3.15 フォント選択の制約
New Desktopでは,フォント・サイズを選択するダイアログ・ボックスを表示する機能が備わっています。これで設定した新しいフォント・サイズは New Desktopのアプリケーションにのみ適用され,既存のDECwindows Motif のアプリケーションには適用されません。
2.2.3.16 省略時のワークスペースの制約
New Desktopでは省略時の4枚のワークスペースに対して省略時の背景が設定されています。ワークスペースの背景は,スタイル・マネージャの [背景] 機能で変更したり, [背景なし] を選択することができます。
[背景なし] を選択すると,デスクトップの背景にアイコンをドラッグしてドロップすることができなくなります。アイコンをドラッグしてボタンを放しても,そのアイコンはファイル・マネージャあるいはアプリケーション・マネージャに戻ってしまいます。
[背景なし] を選択する前に背景にドロップされたアイコンはそのまま残り,正常に機能します。
2.2.3.17 Alt + Spaceキーでのウィンドウ・メニューの非表示
New Desktopでは, Alt+Spaceキーの組み合わせは省略時の設定で Compose Character 機能に割り当てられています。これは,特定の Compose Character キーをサポートしていないキーボードで,その機能を可能にするためです。ウィンドウ・メニューを表示する機能を使用する場合は,次の手順に従ってください。
Alt<Key>space icon|window f.post_wmenu |
この節は,従来のDECwindowsデスクトップ環境のみに関連するリリース・ノートです。
2.3.1 問題点と制限事項
従来のDECwindows デスクトップ環境に関する既存の問題点と制限事項について,次に説明します。
2.3.1.1 Alt + Spaceキーでのウィンドウ・メニューの非表示
DECwindows Motif では,Alt+Spaceキーの組み合わせは省略時の設定で Compose Character 機能に割り当てられています。これは,特定の Compose Character キーをサポートしていないキーボードで,その機能を可能にするためです。ウィンドウ・メニューを表示する機能を使用する場合は,次の手順に従ってください。
Alt<Key>space icon|window f.post_wmenu |
この節は,ブックリーダ・アプリケーションに関するリリース・ノートです。
2.4.1 変更および拡張
この項では,ブックリーダ・アプリケーションに対して行われた変更および拡張について説明します。
2.4.1.1 ブックリーダの印刷の改善
ブックリーダ・アプリケーションでは,ブックまたはトピックの印刷は,ドラフト印刷程度の品質しかありません。しかし,ブックリーダの印刷機能が改善され,行や語の消失,図と文字の重複,不適切な行間処理などの問題が解消されました。
2.4.2 修正事項
この項では,以前のバージョンでエラーになり,回避策が必要であった問題の解決について説明します。
2.4.2.1 最後のログイン状態が正しく復元される (New Desktop のみ)
New Desktop セッションを起動するたびに,ブックリーダは,ユーザの最後の New Desktop セッション時のアプリケーション状態を正しく復元します。以前のバージョンでは,アプリケーション状態とデスクトップ上の位置は部分的にのみ復元されていました。
2.4.2.2 ファイルビューから直接DECW$BOOKファイルをオープンできる (Alpha のみ)
ファイルビューでブックリーダのファイル名(.DECW$BOOK)を強調表示したのち,現在オープンしているアプリケーション・メニューからブックリーダを起動し,指定のブックを表示します。
以前のバージョンでは,省略時のライブラリのあるメインのブックリーダ・ウィンドウのみ表示されていました。この問題は OpenVMS Alphaプラットフォーム上でのみ起こっていました。
2.4.2.3 空白行のあるDECW$BOOKSHELFファイルを指定できる
ブックリーダでは,空白行があったり,スラッシュ(\)で終了していない DECW$BOOKSHELFファイルを選択してオープンすることができます。 DECW$BOOKSHELFファイルの解析が向上し,この動作ではもうアクセス違反は起こりません。
2.4.3 問題点と制限事項
この項では,ブックリーダ・アプリケーションに関連する既存の問題点と制限事項について説明します。
2.4.3.1 Display PostScriptのサポートの終了
V1.2--6
DECwindows Motif の現在のバージョンでは Display PostScript がサポートされていないため,ブックリーダでは,オンライン・マニュアルの PostScript の図の表示がサポートされていません。ブックリーダが PostScript の図を検出すると,フルサイズの図のウィンドウに大きな "X" を表示するとともに,エラー・メッセージ・ボックスに次のメッセージを表示します。
Unable to display PostScript(R) graphic. This feature is no longer available. |
これに対する解決策はありません。
2.4.3.2 DECW$BOOKSHELFファイルへのコメント文字の追加
DECW$BOOKSHELFファイルの最終行にコメント文字(!または#)を追加した場合,予約オペランド・フォルトでブックリーダは異常終了します。これを避けるために,ファイルの最終行にはコメント文字を追加しないようにしてください。
2.5 CDA
この節は,DECwindows MotifのCDA (Compound Document Architecture) ランタイム・サービスおよび CDA ビューア構成要素に関するリリース・ノートです。
2.5.1 変更および拡張
CDAランタイム・サービスおよびCDAビューア・アプリケーションに対して行われた変更および拡張について,次に説明します。
2.5.1.1 動的フォント・サポート
V1.2
このバージョンの CDA ランタイム・サービスでは, DECfonts Typeface Collection バージョン 1.2でサポートされているフォント用の静的テーブルだけでなく,動的なフォント索引もサポートしています。これにより,システムに新しくフォントがインストールされると, CDAビューアがこれを利用できるようになっています。
動的フォント・サポートは, WRITE$FONTS.INIファイルにより実現されており, DECwrite あるいは DECpresentのいずれかにより提供されているフォント・ユーティリティを使用して保守することができます。文書に静的テーブルでは見つからないフォントが含まれている場合は, CDAビューアあるいは PostScript のバックエンド・コンバータが WRITE$FONTSファイルを開いてフォントを捜します。それでもフォントが見つからない場合,またはシステムにWRITE$FONT.INIファイルがない場合, CDAビューアはフォールバック・フォントを使用します。
2.5.1.2 WRITE$FONTS 論理名
V1.2
WRITE$FONTS.INIファイルが存在する省略時の場所はSYS$LIBRARYですが,論理名 WRITE$FONTS が定義されている場合は, CDAビューアは,この定義された論理名を使用して WRITE$FONTS.INI ファイルを捜します。
完全なパス・サポートが含まれているため,次の定義はすべて有効です。
WRITE$FONTS 論理名 | 定義後ファイル |
---|---|
未定義 | SYS$LIBRARY:WRITE$FONTS.INI |
DISK:[DIRECTORY] | DISK:[DIRECTORY]WRITE$FONTS.INI |
SYS$LOGIN: | SYS$LOGIN:WRITE$FONTS.INI |
.TMP | SYS$LIBRARY:WRITE$FONTS.TMP |
DISK:[DIRECTORY]FILE | DISK:[DIRECTORY]FILE.INI |
V1.2
現在のバージョンのCDA ランタイム・サービスでは性能が向上しており, CDA文書の最初のページを表示するまでの時間が短縮されています。このため,CDAビューアを使用してCDA文書を参照する他のアプリケーション (たとえばDECwindows メール) の性能も向上しています。
CDAビューアは省略時の設定でこの性能向上機能をオンにしますが,次のように無効にすることもできます。
$ DEFINE CDA_QUICK_FIRST_PAGE FALSE |
この機能がオンになっていると, CDAビューアは一部の文書を正しく表示しない場合があります。このような問題が生じた場合は,この機能をオフにしてCDAビューアを再度呼び出します。
2.5.1.4 パックおよびアンパック・アプリケーション
V1.2
CDA ランタイム・サービスには, 2つの新しい独立したアプリケーションがあり,これらを使用してCDA文書をネットワーク全体に転送することができます。 CDA パック・アプリケーションによって, CDA文書をその外部参照されたすべてのファイルとともに 1 つのファイルにまとめることができます。このファイルは,各システム間でコピーしたり他のユーザに電子メールで送信することができます。 CDA アンパック・アプリケーションは, CDA パック・アプリケーションによってまとめられたファイルを読み,もとの文書ファイルとすべての外部参照ファイルのコピーを作成するものです。
これらのアプリケーションにより,外部参照されたファイルの個別のコピー,および文書のコピー後の外部ファイル参照情報の修正を行うことなく,システム間でCDA文書をコピーすることができます。
これらのアプリケーションを使用するには,次の各行をLOGIN.COMファイルに追加します (または,各行をSYS$MANAGER:SYLOGIN.COM に追加します) 。
$ PACK == "$SYS$SYSTEM:CDA$PACK.EXE" $ UNPACK == "$SYS$SYSTEM:CDA$UNPACK.EXE" |
これらの行によって,パックおよびアンパックの各アプリケーションを, PACK および UNPACK というシンボルによって呼び出すことができるようになります。
2.5.1.4.1 パック・アプリケーションの構文
CDA パック・アプリケーションは, .DDIFまたは.DTIF入力ファイルの内容を含む単一の出力ファイルを作成します。この出力ファイルには, .DDIFまたは.DTIFファイルによって参照されたファイルも含まれます。
PACKコマンドのフォーマットは次のとおりです。
$ PACK input-file-spec output-file-spec |
次では,PACKコマンドのフォーマットについて説明します。
input-file-spec
DDIFまたはDTIF入力ファイルの名前を指定します。output-file-spec
パック・アプリケーションによって作成される出力ファイルの名前を指定します。装置またはディレクトリを指定しないと,出力ファイルは現在の省略時のディレクトリに作成されます。修飾子
/[NO]SKIP_MISSING
パック・アプリケーションが,入力ファイルに外部参照としてリストされているファイルを発見できない場合に処理を続行するかどうかを制御します。発見できないファイル名はすべて,パック・アプリケーション終了時にSYS$ERRORに通知されます。 /NOSKIP_MISSINGを指定すると,発見できない外部参照ファイルが 1 つでもある場合,パック・アプリケーションは出力ファイルを作成しません。省略時の設定は /SKIP_MISSING です。/[NO]CONTROLLED_COPY
入力ファイルのERF_CONTROL項目の値が COPY_REFERENCEに指定されている外部参照ファイルだけを,出力ファイルに入れるかどうかを制御します。 /NOCONTROLLED_COPYを指定した場合,パック・アプリケーションは ERF_CONTROL項目の値に関係なくすべての参照されたファイルを出力ファイルに入れます。省略時の設定は,/NOCONTROLLED_COPYです。/ALWAYS_ENCODE
入力ファイルに外部参照ファイルがない場合,または外部参照ファイルが 1 つも見つからない場合に,出力ファイルを作成するかどうかを制御します。いずれの場合も,省略時の設定は出力ファイルを作成しないことです。いずれかの理由により出力ファイルを作成しない場合,パック・アプリケーションはCDA_W_NOOUTFIL状態コードを返します。
次の例を参照してください。
$ PACK MYFILE.DDIF TEST.PACK |
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