日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS
リリース・ノート


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2.5.1.4.2 アンパック・アプリケーションの構文

CDA アンパック・アプリケーションは,パック・アプリケーションによって作成された入力ファイルをアンパックします。出力ファイルは,パック・アプリケーションによってパックされたDDIFまたはDTIFファイルであり, DDIFまたはDTIFファイルからの外部参照用ファイルです。アンパック・アプリケーションは,作成されたすべてのファイルのリストをSYS$ERRORに通知します。

UNPACKコマンドのフォーマットは次のとおりです。


$ UNPACK input-file-spec

次では,UNPACKコマンドのフォーマットについて説明します。

input-file-spec

パック・アプリケーションによって作成された入力ファイルの名前を指定します。

修飾子

/OUTPUT=output-file-spec

アンパック・アプリケーションによって作成されたファイルのファイル名と場所を指定します。

ディレクトリ名なしで出力ファイル名を指定した場合,アンパック・アプリケーションは,指定されたファイル名でメインの.DDIFまたは.DTIFファイルを現在の省略時のディレクトリに作成し,またすべての外部参照ファイルを現在の省略時のディレクトリに作成します。

また,ファイル名なしでディレクトリ名を指定した場合,アンパック・アプリケーションは,メインの.DDIFまたは.DTIFファイルおよびすべての外部参照ファイルを,指定されたディレクトリに作成します。メインの.DDIFまたは.DTIFファイルは,パック・アプリケーションによってパックされたファイル名と同一のファイル名になります。

ディレクトリ名とファイル名を指定した場合,アンパック・アプリケーションは,メインの.DDIFまたは.DTIFファイルおよびすべての外部参照ファイルを,指定されたディレクトリに作成し,メインの.DDIFまたは.DTIFファイルは指定されたファイル名となります。

次の例を参照してください。


$ UNPACK TEST.PACK
Output file DISK$:[SMITH]MYFILE.DDIF created. 
Output file DISK$:[SMITH]FIGURE_1.DDIF created. 
 
$ UNPACK TEST.PACK/OUTPUT=[SMITH.UNPACK]
Output file DISK$:[SMITH.UNPACK]MYFILE.DDIF created. 
Output file DISK$:[SMITH.UNPACK]FIGURE_1.DDIF created. 
 
$ UNPACK TEST.PACK/OUTPUT=[SMITH.UNPACK]NEW_FILE.DDIF
Output file DISK$:[SMITH.UNPACK]MYFILE.DDIF renamed NEW_FILE.DDIF 
Output file DISK$:[SMITH.UNPACK]FIGURE_1.DDIF created.

2.5.1.4.3 エラー・メッセージ

この項では, CDAのパックおよびアンパック・アプリケーションに関連したメッセージについて説明します。

FILESPEC, Missing filespec : file-name

重大度: 通知
説明: パック・アプリケーションは, .DDIFまたは.DTIFファイル,あるいは .DDIFまたは.DTIFファイルから参照されたファイルのいずれかを発見することができます。
NOOUTFIL, No output file was created

重大度: 警告
説明: パック・アプリケーションは,パックするDDIFまたはDTIF文書の外部参照を発見できませんでした。また,/ALWAYS_ENCODE修飾子が指定されていません。
OUTFILE, Output file created : file-name

重要度: 警告
ソース: CDA_UNPACK
説明: アンパック・アプリケーションは,パック・アプリケーションによって作成されたファイルのアンパック中に,指定されたファイルを作成しました。

2.5.1.5 [紙サイズ] ボタン名の変更

V1.2

CDAビューアで, [オープン] ダイアログ・ボックスのボタンの 1 つの名前が [紙サイズ]から[表示オプション]に変更されました。ただし,ボタンによって呼び出される機能に変更はありません。

2.5.1.6 新しいCDAビューアのエラー・メッセージ

V1.2

CDAビューアは,アプリケーション・コンテキストを作成できない場合,次のようなメッセージを表示します。

DRMCTXFAIL, DVR could not create application context, aborting

レベル: エラー
説明: リソース・マネージャを使用してアプリケーション・コンテキストを作成しようとしましたが,失敗したため,CDAビューアを終了します。
ユーザの措置: システムの負荷を軽減して再度アプリケーションを起動してください。

2.5.2 問題点と制限事項

この項では,CDA ランタイム・サービスまたは CDA ビューア・アプリケーションに関する既知の問題と制限事項について説明します。

2.5.2.1 Display PostScript のサポートの終了

V1.2--6

DECwindows Motif の現在のバージョンでは Display PostScript がサポートされていないため,CDA は PostScript ソースの表示をサポートしていません。 PostScript オプションは CDA ビューアから削除されています。文字セル・インタフェースの CDA ビューアから PostScript ファイルを表示しようとすると,ビューアは次のようなメッセージを表示します。


%CDA-E-UNSUPFMT, unsupported document format. 

これに対する解決策はありません。

2.6 時計

この節は,時計アプリケーションに関するリリース・ノートです。

2.6.1 変更および拡張

時計アプリケーションに対して行われた変更と拡張について,次に説明します。

2.6.1.1 DECsoundアラーム機能

V1.2

時計アプリケーションにはアラーム機能があり,システムにサウンド機能があれば使用できます。サウンド機能がないシステムでは,キーボードのベルだけを選択することができます。 [オプション]メニューからアラームを選択すると,ポップアップ・ウィンドウが表示されます。このポップアップ・ウィンドウでアラーム時間を設定し,鳴らすサウンドの種類を選び,アラーム・メッセージを表すことができます。システムがこの機能をサポートしているかどうか調べるには, DECW$EXAMPLESディレクトリにあるサウンドの 1 つ (たとえばBELLS.AUD) を試してください。

2.6.2 修正事項

この項では,以前のバージョンではエラーになり回避策が必要であった時計アプリケーションの問題の解決について説明します。

2.6.2.1 DECW$CLOCK.EXE プロセスが正しくインクリメントする

V1.2--6

時計は,現在では時間と分の値を正しく増やしていきます。以前のバージョンでは,DECW$CLOCK.EXE プロセスは,61分間ごとに,分と時間の値の両方を増やすために,2つのタイマ・キュー・エントリ (XtTimeout)を生成していました。スケジューリングの問題により,これらの複製エントリは,時々時間をロスしていました。この問題を取り除くために, XtTimeoutの満了値が調整されています。

2.7 漢字端末エミュレータ

この節では,漢字端末エミュレータのアプリケーションについて説明します。

2.7.1 変更および拡張

この項では,漢字端末エミュレータのアプリケーションに対して最近行われた変更と拡張について説明します。

2.7.1.1 バッチ・スクロールの改善

V1.2--6

バッチ・スクロールの全体的な性能が改善されて,長いファイルやマルチスクリーンの出力を素早くかつ容易に移動することができるようになりました。現在では,[表示]ダイアログ・ボックスの[スクロール]行の値を変更すると,表示の性能が向上したことが見てわかります。

2.7.1.2 新しいデフォルトのフォント・サイズ

V1.2--4

以前のバージョンでは,漢字端末エミュレータの拡大フォントと縮小フォントの省略時のフォント・サイズはポイント単位で選択しましたが,これはフォント・パスに最初にインストールされているフォントが, 75 dpi あるいは100 dpi に応じて異なりました。日本語 DECwindows Motif V1.2-4 for OpenVMS では,漢字端末エミュレータのデフォルトのフォント・サイズはピクセル単位で選択します。次の表はその違いをまとめたものです。

  以前のバージョン   V1.2--4 以降
デフォルトのフォント・サイズ (ピクセル) 100 751   100 75
拡大フォント 25 18   18 18
縮小フォント 18 14   14 14


115 インチのモニタ上の75 dpi フォントまたは100 dpiフォント

また100 dpiのディスプレイでは,省略時に拡大フォントを使用するようになりました。これにより100dpiでは,以前のバージョンの漢字端末エミュレータと同一フォント・サイズ(18ピクセル)を使用することになりました。幅325 mm以下のディスプレイでも,省略時のフォント・サイズは大きくなりました。

以前のバージョンと同一サイズのフォント(14ピクセル)を使用する場合は,次の手順に従ってください。

  1. [オプション]メニューで,[ウィンドウ...]を選択します。
  2. [縮小フォント]を選択して,[適用]をクリックします。
  3. 新しい省略時のフォントが小さい場合は, [拡大フォント]ボタンをクリックして, [その他]の入力領域のピクセルのサイズを18から25に変更します。

2.7.1.3 漢字端末エミュレータのリソース・ファイル名

V1.2--4

本バージョンでは,ディスプレイのロケールを使用して,漢字端末エミュレータのリソース・ファイル名を作成します。たとえば,ロケールが「ja_JP」に設定されている場合は,デフォルトのリソース・ファイル名はDECW$TERMINAL_DEFAULT_JA_JP.DATになります。

ただし,ユーザが特定のロケールで1回以上「保存」オプションを選択するまで,漢字端末エミュレータでは古いリソース・ファイル名を使用します。漢字端末エミュレータのデフォルトのリソース・ファイル名はロケールが次のものである場合,継続して DECW$TERMINAL_DEFAULT.DAT となります。

2.7.1.4 エスケープ・シーケンス

V1.2--3

漢字端末エミュレータ・アプリケーションは, ReGIS 入力カーソルとして次のものをサポートするようになりました。

n が 1 に等しい場合の菱形以外のものについては, SYS$LIBRARY:DECW$CURSOR ファイル内に定義されている数値の 1 つとして論理名 DECW$TERM_REGIS_CURSOR を定義してください。

V1.2

漢字端末エミュレータでは,次のエスケープ・シーケンスをサポートするようになりました。

DECwindows Motif ソフトウェアでのエスケープ・シーケンスについての詳細は, 第 4.4.1.1 項, ReGIS 入力カーソル を参照してください。これらのシーケンスの使用法ならびに制約については, 第 4 章 を参照してください。

2.7.1.5 キーボードを使用したスクロール

V1.2--3

キーボードのCtrlキーと矢印キーを押して,あるいは編集キーパッドでPrevまたはNextキーを使用して,画面をスクロールすることができます。

2.7.1.6 漢字端末エミュレータ・ウィンドウ・サイズの報告

V1.2--3

ウィンドウ・マネージャの [ワークスペース・オプション]ダイアログ・ボックスで [フィードバックを表示]オプションを有効にして,漢字端末エミュレータ・ウィンドウのサイズを変更すると,ピクセル値ではなく文字数でウィンドウ・サイズが報告されます。

2.7.1.7 端末のサイズ変更

V1.2--3

[端末ウィンドウの自動サイズ変更]オプションを有効にして漢字端末エミュレータ・ウィンドウを最大化すると,最も近いセル境界までウィンドウが拡大しますが,必ずしも全画面に拡大されるわけではありません。 [元のサイズに戻す]オプションの機能は従来どおりです。

2.7.1.8 著作権についての注意書きの表示のタイムアウト

V1.2--3

著作権についての注意書きは,端末に表示されてから10秒間キーボードとマウスの操作がないと,漢字端末エミュレータの画面から消えます。

2.7.2 修正事項

この項では,以前のバージョンでエラーになり,回避策が必要であった漢字端末エミュレータ・アプリケーションの問題の解決について説明します。

2.7.2.1 標準でないフォント・セットが指定できる

V1.2--6

[ウィンドウ]ダイアログ・ボックスでは,現在,[拡大フォント], [縮小フォント],および[標準フォント]にリストされている標準のフォント・セットのサブセットを指定することができます。

たとえば,[縮小フォント]を選択して[その他]をクリックします。テキスト入力ボックスで,標準サイズと表示オプションが,次のように,現在のフォント・セットから代替値に置き換えられます。

フォントの指定についての詳細は, 第 2.7.3.4 項 を参照してください。システムで使用可能なフォントに関する情報については,システム管理者にお問い合わせください。

2.7.2.2 複数の漢字端末エミュレータ・ウィンドウで使用されるデバイス出力ファイルが正しく更新される

V1.2--6

複数の漢字端末エミュレータのプリンタ出力またはウィンドウ出力を同じデバイス・ファイルにリダイレクトすると,現在では,各漢字端末エミュレータ・セッションごとに1つずつ,別々のバージョンのファイルが生成されます。以前のバージョンでは,このデバイス・ファイルで OPEN/READ INPUT コマンドを実行すると,エラーが生じて,ファイルのクローズ後に,すべてのオープン・セッションに対して1つのバージョンだけが作成されていました。

2.7.2.3 クォータを超える印刷操作で警告メッセージが生成される

V1.2--6

漢字端末エミュレータの利用可能なディスク・クォータを超える印刷操作では,現在,次のような警告メッセージが表示されます。


write to printer failed, write returned -1 

2.7.2.4 ボタンおよびメニュー・バーの背景色が正しく設定される ( New Desktop のみ)

V1.2--6

漢字端末エミュレータのカスケード・ボタンおよびメニュー・バー項目の色は,スタイル・マネージャを使用して [デスクトップ用にもっと多くの色数] オプションを起動した場合,現在では,他のデスクトップ・アプリケーションと一致します。

2.7.3 問題点と制限事項

この項では,漢字端末エミュレータ・アプリケーションに関する既存の問題点と制限事項について説明します。

2.7.3.1 漢字端末エミュレータのウィンドウ数の上限

V1.2--4

漢字端末エミュレータのコントローラは,漢字端末エミュレータのウィンドウを最高23枚まで作成できます。これは,使用する各ウィンドウについてイベント・フラグ1個が必要で,漢字端末エミュレータは23個までイベント・フラグを使用できるためです。イベント・フラグ0とイベント・フラグ24〜32は,漢字端末エミュレータには使用することができません。

ウィンドウを24枚以上必要とする場合は,新しいコントローラを作成する必要があります。新しいコントローラを作成するには,次のコマンドを入力してください。


$ MCR DECW$TERMINAL

このコマンドは最後のウィンドウが閉じるまで返されないため,このコマンドを実行するウィンドウはこれ以外の用途には使用できないことに注意してください。この方法でコントローラを起動したあとは, DCLコマンドのCREATE/TERMINALで新たに23枚のウィンドウを作成することができます。

2.7.3.2 オート・リピート設定の変更

V1.2--3

漢字端末エミュレータの[キーボード・オプション]ダイアログ・ボックスでは, [オート・リピート]設定を変更することはできません。設定を変更する場合は,セッション・マネージャの [キーボード]ダイアログ・ボックスを使用してください。

2.7.3.3 漢字端末エミュレータ・ウィンドウの配置

V1.2--3

Mwm*clientAutoPlaceリソースがTrueに設定されている場合は, DECW$TERMINAL.xとDECW$TERMINAL.yリソースが指定されている場所に漢字端末エミュレータ・ウィンドウは表示されません。解決策としては,このリソースをFalseに設定して,MWMを再起動してください。


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