この章では,日本語EVEを初めて使用するユーザを対象に, セットアップとTAROキーパッドでの簡単な入力について説明します。
セットアップとは,日本語EVEを使う前の簡単な準備のことです。ここで TAROキーパッドを使うことができるようにします。ここでセットアップを行ってから, 次に進んでください。
入力方法の選択では,起動→入力→終了という一連の流れを説明します。 TAROキーパッドを使って,簡単な入力をしてみましょう。
日本語EVEには,5つの変換キーパッドがあります。ユーザは, 日本語EVEを初めて使用する際に,まず変換キーパッドを選択する必要があります。 この操作をセットアップと呼びます。
セットアップは,日本語EVEを初めて使用する際に一度だけ行ってください。 それ以降,日本語EVEを起動するたびに行う必要はありません。
本書では,TAROキーパッドを使用した編集操作について説明しますので,以下に, TAROキーパッドを選択する方法を説明します。
セットアップを開始します。まず,DCLのEDIT/XTPUコマンドを入力して 日本語EVEを起動してください。
$プロンプトに続けて[E] [D] [I] [T] [/] [X] [T] [P] [U] と入力して,[Return]キーを押してください。
$ EDIT/XTPU [Return]
すると,図 1-1のような初期画面が表示されます。
注意
この初期画面は,日本語EVEを初めて起動したときにだけ表示されます。2度目以降は, 起動後すぐに編集画面が表示されます。
この画面が表示されないときは,この章の最後にある "変換キーパッドの再設定"をお読みください。
[T] [A] [R] [O]と入力して [Return]キーを押してください。
すると,図 1-3のような編集画面が表示されます。
(1) | テキスト・ウィンドウ | テキストを入力する部分です。 |
(2) | ステータス・ライン | 現在のモードを表します。表 1-1 を参照してください。 |
(3) | コマンド・ウィンドウプロンプト・ウィンドウ | 日本語EVEのコマンドを入力する部分です。日本語EVEが入力を要求するときに, プロンプトが表示されます。 |
(4) | メッセージ・ウィンドウ | 日本語EVEからのメッセージが表示されます。 |
(2)のステータス・ラインを見てください。"ローマ字漢字"という表示があります。 これはTAROキーパッドにある入力モードのことを意味します。
TAROキーパッドには,表 1-1の5つの文字入力モード があります。
文字入力モード | 説明 |
---|---|
ローマ字漢字 | ローマ字で入力するモードです。日本語EVE起動時のモードです。 |
カナ漢字 | カナで入力するモードです。 |
記号 | 画面下の方に表示される記号の中から選んで, 入力するモードです。 |
半角英数 | 入力する文字はすべて半角英数字になり,変換されません。 |
コード | コード番号を入力して,文字や記号を入力します。 |
現在どのモードが選択されているかは,(2)のステータス・ラインの表示を見ると わかります。それぞれのモードが特有の入力方法を持っていますので,文字を入力す る前にはステータス・ラインを見てモードを確かめるようにしてください。
なお,モードは[F10]キーで切り替わります。文字入力(ローマ字漢字モード, カナ漢字モード)については,第1.2節を参照してください。
TAROキーパッドが使えるようになりました。これでセットアップは終わりです。 次のキーを押して,セットアップを終了させてください。
[Ctrl/Z]
[Ctrl]キーを押しながら,[Z]を押します。
再び,$プロンプトが表示されます。
ここで選択したキーパッドは,2度目以降の起動にも反映されます。次に日本語EVE を起動するときには,すぐに編集画面が表示され,変換キーパッド名を聞かれません。
変換キーパッドを変更したいときは,この章の最後にある "変換キーパッドの再設定"を参照してください。
TAROキーパッドで文字を入力する方法は,2つあります。キーボードのアルファベット に従って入力する"ローマ字入力"と,カナに従って入力する"カナ入力"です。
次のように,入力方法とモードが対応しています。
ローマ字で入力する → ローマ字漢字モード
カナで入力する → カナ漢字モード
それぞれのモードの特徴は次のとおりです。
キーボードのアルファベットに従って入力します。ローマ字での入力に慣れている 方には,このモードをおすすめします。入力するときには,カナ表示ランプが解除さ れていることを必ず確認してください。カナ表示ランプが点灯している場合は,[カナ] キーを押して解除します(カナ表示ランプが付いていないキーボードもあります)。
キーボードのカナに従って入力します。カナの配列に慣れている方には, このモードをおすすめします。入力するときには,[カナ]キーを押し, カナ表示ランプを点灯させます(カナ表示ランプが付いていないキーボードもあります)。
日本語EVEを起動して,それぞれのモードで入力の練習をしてみましょう。
日本語EVEの編集セッションを開始するために,DCLのEDIT/XTPUコマンドを入力します。 ここでは,ファイル名を指定して日本語EVEを起動してみましょう。
以下のコマンドを入力して,日本語EVEを起動し, TARO.TXTというファイルを作成します。
$ EDIT/XTPU TARO.TXT [Return]
EDIT/XTPUコマンドの次にスペースを空け,ファイル名を入力して, [Return]キーを押してください。以下のような画面が表示されます。
●ローマ字で入力してみましょう
ステータス・ラインを見て,ローマ字漢字モードになっているか 確認してください。日本語EVEの起動時のモードは,ローマ字漢字モードです。 他のモードのときには,[F10]キーを何回か押して, ローマ字漢字モードにしてください。
カナ表示ランプが点灯していたら,[カナ]キーを押して解除します。
次のキーを入力してみましょう。ローマ字漢字モードでは, キーボードのアルファベットに従って入力すると,画面にはひらがなが表示されます。
入力が終了したら,[Return]キーを続けて2回押してください。
●カナで入力してみましょう
まず,モードを切り替えます。[F10]キーを押して,ステータス・ラインの表示を カナ漢字にします。
[カナ]キーを押して,カナ表示ランプを点灯させます。
次のキーを入力してください。カナ漢字モードでは,キーボードのカタカナを押すと, 画面上にひらがなが表示されます。
[Ctrl/Z]を押してください。
起動のときに指定したTARO.TXTというファイルに,入力した文字が書き込まれました。
ローマ字とカナの両方で入力してみました。これからは, 入力しやすい方を選んでモードを切り替えて入力するようにしましょう。 ローマ字とカナのどちらの方が入力しやすいですか。入力しやすい方を選んでください。
決まったら下記の表に従って,次の章へ進んでください。
★変換キーパッドの再設定★
《編集作業中に変換キーパッドを変更するには》
初期画面で設定したキーパッドは,次の起動からずっと反映されます。ただし, SET KEYPAD コマンドを使えば,1度設定したあとでも編集画面が 表示されているときに変換キーパッドを変更できます。
日本語EVEを起動して初期画面が表示されなかったときや,あとからキーパッドを 変更したいときには次の操作を実行してください。
★バッファについて★
日本語EVEを使って文書を編集している間,入力している文字はバッファ と呼ばれる内部処理用のメモリに書き込まれています。このメモリは, 日本語EVEで編集している間に限って有効な,一時的な記憶領域です。したがって, 日本語EVEを終了するときに,編集内容をファイルに保存しないと, バッファに書かれた内容は消えてしまいます。
《起動時にファイル名を指定した場合》
[Ctrl/Z]キーを押してください。
日本語EVEを起動する際に,$ EDIT/XTPU TARO.TXTなどのようにファイル名を 指定した場合は,[Ctrl/Z]を押して終了するときに, 指定したファイルにバッファの内容が書き込まれます。
《起動時にファイル名を指定しなかった場合》
[Ctrl/Z]キーを押したあと,ファイル名を入力してください。
ファイル名を指定しないで日本語EVEを起動した場合, テキスト・ウィンドウに文字を入力して,[Ctrl/Z]キーを押すと, コマンド・ウィンドウに"MAINバッファのファイル名を入力してください (キャンセル→RETURN):"というプロンプトが表示されます。
プロンプトに続けてファイル名を入力し,[Return]キーを押してください。 指定したファイルにバッファの内容が書き込まれます。