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本章では,デバッガのPCクライアント・インタフェースについて説明します。
OpenVMSデバッガ・バージョン7.2には,デバッガをデバッグ・クライアントとデバッグ・ サーバの2つの構成要素に分割する,クライアント/サーバ・ インタフェースというオプション機能があります。デバッグ・サーバは,OpenVMS システム上で実行されます。デバッグ・クライアントには,OpenVMS システム上で実行されるものと,Microsoft Windows 95,またはMicrosoft Windows NT 上で実行されるものがあります。Windows 95とWindows NT では,インタフェースは共通です。
PCクライアント・インタフェースには,実質的にDECwindows Motif クライアント・インタフェースと同じ機能が備わっています(第9.8節を参照)。
クライアントとサーバは,次のいずれかのトランスポート経由で,DCE RPCを使用して通信を行います。
PCクライアント/サーバ・インタフェースを実行するために必要なソフトウェアについては, 第9.8.1項を参照してください。
OpenVMS上で実行される構成要素については,特別なインストール・プロシージャは必要ありません。 本節では,PC上のデバッグ・クライアントのインストール手順について説明します。
システム管理者はOpenVMSデバッガ・クライアント・キットをOpenVMS配布メディアからPC ユーザがアクセスできるような,PATHWORKSシェアやFTPサーバに移す必要があります。 次の表に,PCの構成に応じて,どのクライアント・ キットを使用するかを示します。
CPU | オペレーティング・ システム | クライアント・キット |
---|---|---|
Intel | Microsoft Windows 95, 98 | [DEBUG_CLIENTS010.KIT]DEBUGX86010.EXE |
Intel | Microsoft Windows NT | [DEBUG_CLIENTS010.KIT]DEBUGX86010.EXE |
Alpha | Microsoft Windows NT | [DEBUG_CLIENTS010.KIT]DEBUGALPHA010.EXE |
クライアント・キットは自動解凍型の.EXEファイルになっています。
適切な実行ファイルをPCに転送したら,そのファイルを実行することによって, デバッグ・クライアントをPC上にインストールできます。 INSTALLSHIELDインストール・プロシージャによって,インストールの手順が示されます。
省略時の設定では,デバッグ・クライアントは,\Program
Files\OpenVMS Debugger
フォルダにインストールされます。
「Browse」をクリックして,別の場所を選択することもできます。
次のオプションのいずれかを選択することが可能です。
インストール・ オプション | 説明 |
---|---|
Typical | デバッグ・クライアントと『OpenVMS デバッガ説明書』の,HTML 形式のマニュアル。 |
Compact | デバッグ・クライアントのみ。 |
Custom | デバッグ・クライアントと『OpenVMSデバッガ説明書』の, HTML形式のマニュアルの一方,または両方。 |
Typicalインストール・オプションを選択すると,OpenVMS Debuggerのプログラム・ フォルダに,次のものに対するショートカットが作成されます。
プライマリ・クライアントは,サーバに最初に接続されたクライアントです。 セカンダリ・クライアントは,同じサーバに後から接続されたクライアントです。 プライマリ・クライアントによって,サーバにセカンダリ・ クライアントを接続できるようにするかどうかを制御することができます。
デバッグ・セッションに接続できるセカンダリ・クライアント数の指定の詳細については, 第11.5節を参照してください。
PCクライアント・ワークスペースは,Motifクライアントのワークスペースと同様のものです( 第8章を参照)。クライアント・ ワークスペースには,動的な情報を表示するビューと,デバッガ・ コマンドに対するショートカットが入ったツールバーが含まれています。 必要に応じて,ビューとツールバーを設定したり,ショートカットを作成したり, 設定を保存したりすることができます。
これらのトピックについては,PCクライアントのヘルプ・ファイルで詳しく説明されています。PC クライアントのヘルプには,PCクライアントのインストール時に作成したOpenVMS Debugger フォルダ(第11.2節を参照)から直接アクセスするか, クライアントの「Help」メニューからアクセスします。次のトピックを参照してください。
OpenVMSシステムに直接ログインしてからデバッグ・サーバを起動することもできますが,eXcursion のような製品やTelnetのようなターミナル・ エミュレータを使用して,リモートでログインするほうが便利です。
DBG$ENABLE_SERVER識別子を許可する前に,システム管理者はライト・ データベースに書き込み(write)アクセスができるアカウントからDEBUG/SERVER コマンドを入力することによって識別子を作成しなければなりません。 この作業を行うのは一度のみです。この作業の後,システム管理者はDBG$ENABLE_SERVER 識別子をユーザに許可するためのAuthorizeユーティリティを実行できます。
デバッグ・サーバを起動するには,次のコマンドを入力します。
$ DEBUG/SERVER
サーバのネットワーク・バインド文字列が表示されます。サーバのポート番号は, 角括弧([])で囲まれて表示されます。例を示します。
$ DEBUG/SERVER %DEBUG-I-SPEAK: TCP/IP: YES, DECnet: YES, UDP: YES %DEBUG-I-WATCH: Network Binding: ncacn_ip_tcp:16.32.16.138[1034] %DEBUG-I-WATCH: Network Binding: ncacn_dnet_nsp:19.10[RPC224002690001] %DEBUG-I-WATCH: Network Binding: ncadg_ip_udp:16.32.16.138[1045] %DEBUG-I-AWAIT: Ready for client connection...
クライアントから接続する場合は,サーバを指定するために, いずれかのネットワーク・バインド文字列を使用します(第9.8.4項を参照)。
nodnam[1034]
がその例です。
PCから接続を確立するには,「File」プルダウン・メニューで,または「Main 」ツールバーの「C/S」ボタンを選択して,「Connection」ダイアログを表示します。 ダイアログには,クライアントが認識しているサーバと, クライアントで現在アクティブになっているセッションが表示されます。
新規の接続についてサーバを指定したり,使用する特定のセッションを選択したりできます。
ダイアログ下部のボタンでは,次のことを行えます。
また,「Advanced」ボタンは使用するネットワーク・プロトコルを選択したり( 第11.5.1項を参照), 確立するクライアント/ サーバ接続で使用できるセカンダリ・クライアントの数(0 〜30)を選択したりできます(第11.5.2 項を参照)。
「Connection」ダイアログでは,クライアント/サーバ接続に使用するネットワーク・ プロトコルを,次から選択できます。
「Connection」ダイアログでは,サーバに接続するセカンダリ・クライアント( 最大30)を有効にすることができます。ただし,設定はプライマリ・ クライアント(最初にサーバに接続したクライアント)から,次の手順に従って行ってください。
デバッガによって「Connection」ダイアログが消去されて,接続が確立されて, 接続に成功(または失敗)したことが「Command」ビューに表示されます。 これで,デバッグ・プロシージャを開始することができます。
サーバを実行しているノード上でCtrl-Yを入力すると,サーバを停止することができます。 この方法でサーバを停止したら,DCL STOPコマンドを入力してください。
サーバをクライアントから停止するには,次の手順に従ってください。
次の手順でも,サーバを停止することができます。
サーバとクライアントの両方を停止するには,次の手順に従ってください。
クライアントのみを停止するには,次の手順に従ってください。
サーバのみを停止するには,次の手順に従ってください。
PCクライアントのヘルプ・ファイルに加えて,『OpenVMSデバッガ説明書』がHTML 形式で,オンラインで提供されます。クライアントからマニュアルにアクセスするには, 次の手順に従ってください。
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