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構成マネージャの終了後,構成プロシージャは,サーバ構成設定のリストを表示し,それらが変更できるようプロンプトを表示します。次に例を示します。
Advanced Server for OpenVMS is presently configured to run as follows: 1. Run the License Server: NO 2. Enable Timesource service: NO 3. Enable Alerter service: YES 3a. Alert user names: Administrator 4. Enable Netlogon service: YES 5. Advanced Server domain: LANGROUP 6. Advanced Server role: PRIMARY 7. Advanced Server computer name: COBRAZ 7a. Advanced Server OpenVMS Cluster alias: COBRAZ_ALIAS 8. Server announce comment: Advanced Server V7.3 for OpenVMS 9. Advanced Server language: English (USA) 10. Enable NT style printing: NO Enter item number, or RETURN to use these values [DONE]: |
設定 | 取りうる値 |
---|---|
1. Run the License Server: | YES---License Serverを実行する場合
NO---省略時の値を使用し,License Serverを実行しない場合 |
2. Enable Timesource service: | YES---Timesourceサービスを有効にする場合
NO---Timesourceサービスを有効にしない場合 |
3. Enable Alerter service: | YES---省略時の値を使用し,Alerterサービスを有効にする場合
NO---Alerterサービスを無効にする場合 |
3a. Alert user names: 1 | 警告メッセージを受け取れるユーザーの名前(各ユーザ名は最大20文字)が,カンマで区切られて記載されているリスト |
4. Enable Netlogon service: 2 | YES---省略時の値を使用し,Netlogonサービスを有効にする場合
NO---Netlogonサービスを無効にする場合 |
5. Advanced Server domain: | 最大15文字のドメイン名。
Returnキーを押して省略時の値を使用する。省略時のドメイン名は,LANGROUPである。会社やグループの名前を付けることができる。 |
6. Advanced Server role: | PRIMARY---サーバをPDCとして指定する場合
BACKUP---サーバをBDCとして指定する場合 MEMBER---サーバをメンバ・サーバとして指定する場合 ドメインの役割を構成する方法についての詳細は,「 第 3.7 節,Advanced Server のドメインの役割の構成 」を参照。 |
7. Advanced Server computer name: | 最大15文字のコンピュータ名。
省略時の値を使用するには,Returnキーを押す。構成プロシージャを実行するのが初めての場合,省略時の値は,システムのSCSNODE名である。 |
7a. Advanced Server for OpenVMS Cluster alias: 3 | サーバが属するOpenVMS Clusterについての,Advanced Serverのクラスタ・エイリアス。
省略時の値を使用するには,Returnキーを押す。 DECnetが実行されるよう構成する場合,省略時の値は,DECnetのクラスタ・エイリアスである。 DECnetが実行されるよう構成しない場合,省略時の値は, nodename_ALIASである。 |
8. Server announce comment: | サーバがネットワーク上でその存在をアナウンスするために使用する最大48文字のテキスト文字列。
省略時の値を使用するには,Returnキーを押す。 |
9. Advanced Server language: | Advanced Server が使用する言語のオプション番号。省略時の設定は英語(USA)。
省略時の設定を使用するには,Returnキーを押す。 サーバの言語を構成する方法についての詳細は,「 第 3.8 節, サーバの言語の構成 」を参照。 |
10. Enable NT style printing: | YES---Windows NTからのサーバ・プリンタのリモート管理を有効にする
NO---省略時の設定を使用する。つまり,ADMINISTERコマンド・インタフェースを使用して,サーバ・プリンタをローカルに管理する。 Windows NT のプリンタ管理を構成する方法についての詳細は,「 第 3.9 節, Windows NT プリンタ管理の構成 」を参照。 |
ドメインのタイプにより, Advanced Server は,PDC,BDC,またはメンバ・サーバのいずれかとしてドメインに加わることができます。
Advanced Server が加わるドメインには,次の 3 つの種類があります。
「 表 3-3, 各ドメインのタイプにおけるサーバの役割 」に,各ドメインのタイプについてサーバがとることができる役割をリストします。
ドメイン・タイプ | Advanced Server がとることができる役割 | ||
---|---|---|---|
PDC | BDC | メンバ・サーバ | |
Windows NT | ○ | ○ | ○ |
Windows 2000
混在モード |
○ | ○ | |
Windows 2000
ネイティブ・モード |
○ |
各Windows NT ドメインには 1 つのPDCがなければなりません。 PDCはセキュリティ・アカウント・データベースのドメインのマスタ・コピーを保存します。
Advanced Server をインストールして新しい Windows NT ドメインを作成する場合,その新しいサーバは省略時の設定により PDC になります。サーバ・ソフトウェアをインストールし,既存のドメイン名を指定した場合,サーバは既存のドメインにBDC またはメンバ・サーバとしてのみ加わることができます。
ドメインには BDCがなくてもかまいませんが,1 つ以上の BDCを持つことを推奨します。 BDCは,ドメインのマスタ・セキュリティ・アカウント・データベースのコピーを保持します。 BDCに保持されているセキュリティ・アカウント・データベースのコピーは, PDCのマスタ・データベースと同期がとられます。 PDC および BDCは,ドメイン内のログオン要求を認証します。
メンバ・サーバは,ドメインのセキュリティ・アカウント・データベースのコピーを保持せず,ログオン要求を認証しません。メンバ・サーバは,ドメイン・コントローラに依存して,メンバ・サーバ共有へのアクセスを要求するユーザのクレデンシャルを認証します。 Advanced Server をメンバ・サーバとして構成することの利点を「 第 3.7.1 項,Advanced Server のメンバ・サーバとしての構成 」にリストしています。
OpenVMS Clusterでは,クラスタ上のすべてのノードは同じ役割を持たなくてはなりません。 1 つのノードの役割を変更すると,他のノードも自動的に同じ役割に変更されます。
Advanced Server を始めて構成する場合,サーバがドメイン内で実行する役割を選択します。何度かサーバの役割を変更する必要があるかもしれません。サーバを変更する方法は,サーバの現在の役割と変更したい役割によって異なります。 BDC から PDCへ,またはその逆へサーバの役割を変更するには, ADMINISTER SET COMPUTER/ROLEコマンドを使用します。サーバを BDC からメンバ・サーバに変更するには,「 第 3.7.1 項,Advanced Server のメンバ・サーバとしての構成 」で説明しているPWRK$CONFIGを使用する必要があります。 PDC からメンバ・サーバに変更するには,まず,別の BDCを PDCに昇格します。すると,元 PDC が自動的に BDCに降格され,その後,PWRK$CONFIG を使用してそれをメンバ・サーバに変更することができます。メンバ・サーバを BDCに変更する場合にも PWRK$CONFIG を使用します (この制限は,Windows NTの制限に似ています。 Windows NTでは,ドメイン・コントローラをメンバ・サーバに変更したり,その逆を行う場合,オペレーティング・システムを再インストールする必要があります)。サーバを BDC から PDCへ変更したり,その逆の変更を行う方法についての詳細は,『 Compaq Advanced Server for OpenVMS Server Administrator's Guide 』を参照してください。 「 表 3-4, サーバの役割を変更する方法 」に,PWRK$CONFIGで許可されている役割の変更と許可されていない役割の変更を示します。
変更前 | 変更後 | 方法 |
---|---|---|
BDC | PDC | ADMINISTER SET COMPUTER/ROLE コマンドを使用して BDC を PDCへ昇格する |
BDC | メンバ | PWRK$CONFIGを使用する |
メンバ | PDC | PWRK$CONFIG を使用してこのサーバをBDCへ変更したのち,ADMINISTER SET COMPUTER/ROLE コマンドを使用して BDC を PDCへ昇格する |
メンバ | BDC | PWRK$CONFIGを使用する |
PDC | BDC | ADMINISTER SET COMPUTER/ROLE を使用して,ドメイン内のBDC を PDC に昇格すると,この昇格により,元の PDC が BDCに降格される |
PDC | メンバ | ADMINISTER SET COMPUTER/ROLE を使用して,既存のBDC を PDCに昇格すると,この昇格により,PDC が BDC に降格され,PWRK$CONFIGを使用して,それをメンバ・サーバに変更することができる |
BDC をメンバ・サーバとして再構成すると,PWRK$CONFIGはドメイン・コントローラのドメイン・ユーザ・アカウント・データベースを自動的に削除します。 メンバ・サーバを BDCに再構成すると,PWRK$CONFIG はメンバ・サーバのローカル・ユーザ・アカウント・データベースを自動的に削除します。 どちらの場合も,ローカル・グループ情報が失われるため,リソースへのアクセスに影響を及ぼします。リソースの許可がローカル・グループを使用して設定されている場合,これらの許可を再設定する必要があります。リソースの許可がグローバル・グループまたはグローバル・ユーザ・アカウントを使用して設定されている場合には,これらの許可は役割を変更しても有効なままです。 |
Advanced Server を構成して,ドメインにメンバ・サーバとして加わるようにするには, PWRK$CONFIG.COM 構成プロシージャを使用します。 ADMINISTER SET COMPUTER/ROLE コマンドを使用して,日本語 Compaq Advanced Server for OpenVMS ドメイン・コントローラをメンバ・サーバの役割に変更したり,メンバ・サーバをドメイン・コントローラの役割に変更したりすることはできません。
Advanced Server が,動作中の PDC のある既存のドメインに加わっている場合,それをメンバ・サーバとして構成することができます。ドメインがネイティブ・モードの Windows 2000環境 (ピュア Windows 2000 ドメインとも呼ばれ,これは,すべてのドメイン・コントローラが Windows 2000 システムであるドメイン)で構成される場合,まず,ドメインに少なくとも 1 つのドメイン・コントローラが含まれるようにする必要があり,その後 Advanced Server をメンバ・サーバとして構成できます。
次のような理由により,日本語 Compaq Advanced Server for OpenVMS を BDC (または PDC) ではなく,メンバ・サーバとして構成したいことがあります。
次の「 第 3.7.1.1 項, 新しい日本語 Compaq Advanced Server for OpenVMS のメンバ・サーバとしての構成 」および「 lreference oldasovms_ms Section 3.7.1.2, 既存の日本語 Compaq Advanced Server for OpenVMS のBDC のメンバ・サーバとしての構成」の2 つの項で, Advanced Server をメンバ・サーバとして構成する方法について説明します。
3.7.1.1 新しい日本語 Compaq Advanced Server for OpenVMS のメンバ・サーバとしての構成
新しい日本語 Compaq Advanced Server for OpenVMS を既存のドメインにインストールしている場合, PWRK$CONFIG.COM 構成プロシージャの実行中にそれをメンバ・サーバとして構成することができます。ドメインには 1 つのアクティブな PDCを含んでいる必要があります。つまり,ネイティブ・モードの Windows 2000 ドメインには,少なくとも 1 つのドメイン・コントローラがなければなりません。
次の PWRK$CONFIG.COM 出力は,日本語 Compaq Advanced Server for OpenVMS サーバをメンバ・サーバとして構成する方法を示しています。プロシージャのこの前の部分で項目 5 が選択されて,ドメインとして UPTIME が選択されています。この例では,UPTIME ドメインは,すでに 1 つ以上のドメイン・コントローラのあるネイティブ・モードの Windows 2000 ドメインであると想定しています。
Reading current configuration parameters ... Your Advanced Server for OpenVMS is presently configured to run as follows: 1. Run the License Server: NO 2. Enable Timesource service: NO 3. Enable Alerter service: YES 3a. Alert user names: Administrator 4. Enable Netlogon service: YES 5. Advanced Server domain: UPTIME 6. Advanced Server role: PRIMARY 7. Advanced Server computer name: GRATDA 7a. Advanced Server OpenVMS Cluster alias: GRATDA_ALIAS 8. Server announce comment: Advanced Server V7.3 for OpenVMS 9. Advanced Server language: English (USA) 10. Enable NT style printing: NO Enter item number, or RETURN to use these values [DONE]: 6 [Return] The Advanced Server role is the part the server will play in its domain. A primary domain controller maintains the domain's master user accounts database and validates logins. A backup domain controller receives copies of the master database, validates logins, and can be promoted to primary. A member server does not receive copies of the master database or validate logins. It relies on domain controllers to validate user credentials. Enter the role of this server (P)rimary/(B)ackup/(M)ember [P]: M [Return] Before joining a domain, the computer must be added to the domain. This can be done in one of two ways: - the administrator of the domain uses the administrative tools to add this computer to the domain, or - the computer is added automatically by this procedure; you must supply an administrator account and password Are you going to supply account/password information [Y]/N YES [Return] Enter the name of the primary domain controller for domain UPTIME: SUNDA [Return] Enter the name of the administrator account: [Administrator] [Return] Enter the account password in the required case: [Return] Re-enter to verify password: [Return] Process NETBIOS created with identification 206010B5 Process PWRK$NBDAEMON created with identification 206010B7 Process PWRK$KNBDAEMON created with identification 206010B9 Confirming domain name with SUNDA Successfully retrieved domain name from SUNDA ... Your Advanced Server for OpenVMS is presently configured to run as follows: 1. Run the License Server: NO 2. Enable Timesource service: NO 3. Enable Alerter service: YES 3a. Alert user names: Administrator 4. Enable Netlogon service: YES 5. Advanced Server domain: UPTIME 6. Advanced Server role: MEMBER 7. Advanced Server computer name: GRATDA 7a. Advanced Server OpenVMS Cluster alias: GRATDA_ALIAS 8. Server announce comment: Advanced Server V7.3 for OpenVMS 9. Advanced Server language: English (USA) 10. Enable NT style printing: NO Enter item number, or RETURN to use these values [DONE]: [Return] Saving parameters to the OpenVMS Registry... Creating SAM datafiles... . . . The Advanced Server Administrator account is used to administer the server. The Administrator account is mapped by default to the OpenVMS SYSTEM account. The Administrator account password can be up to 14 characters long and the case of the characters used will be preserved. Enter a password for this Member Server's local Administrator account: [Return] Re-enter to verify password: [Return] Changing password for Administrator account... Setting character set information in databases as needed ... ... Setting share database character set information. ... Setting ACL database character set information. Checking system resources... |
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