日本語Compaq DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS

日本語Compaq DECprint Supervisor
(DCPS) for OpenVMS

インストレーション・ガイド

AA-PZCGF-TE


2001 年 11 月

本書は,日本語 Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアのインストレーション方法について説明します。

オペレーティング・システム: 日本語OpenVMS Alpha V6.2,V7.2-1,V7.3
日本語OpenVMS VAX V5.5-2,V7.2,V7.3
ソフトウェア・バージョン: 日本語Compaq DECprint Supervisor (DCPS) V2.0 for OpenVMS


2001 年 11 月

(c) 2001 Compaq Computer K.K.

Compaq,VAX,VMS および Compaq ロゴは,U.S. Patent and Trademark Office に登録されています。DECnet および OpenVMS は,Compaq Information Technologies Group, L.P. の商標です。

Microsoft および Windows は米国 Microsoft 社の商標です。

このドキュメントに記載されているその他の会社名および製品名は,各社の商標または登録商標です。

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まえがき

対象読者

本書は,日本語Compaq DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS プリンティング・システムをインストールするシステム管理者を対象にしています。プリンティング・システムをインストールするには,次のことに関しての経験が必要です。

プリンティング環境がネットワークを使用してプリンタと通信する場合には,ネットワーク管理ツールについても知識が必要です。

『日本語 Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS システム・マネージャーズ・ガイド』には,キューの作成およびプリンティング環境のカスタマイズなどのインストレーション後の作業についての情報を記述しています。

表記法

本書では次の表記法を使用します。

表記法 意味
大文字 大文字はDCLコマンド,修飾子,およびパラメータを示します。
イタリック体 コマンドの例で使用するイタリック体の文字は,その部分に適切な単語,または値を指定しなければならないことを示します。
太字 太字はPostScriptオペレータまたはエラー・メッセージの接頭辞文字列です。オンライン表示の例で使用されている太字は,操作の一部として入力しなければならない文字を示します。
[ ] 大括弧は省略可能な項目を囲むために使用します。
[Ctrl/x] このシンボルは制御キー・シーケンスを示します。 Ctrlキーを押した状態で, [ x ]によって示される別のキーを同時に押さなければなりません。
[Return] このシンボルはReturnキーを押さなければならないことを示します。
『 』 参照文献の書籍名を示します。


第 1 章
ソフトウェアのインストレーションの準備

日本語DECprint Supervisor は,日本語 OpenVMS Alpha および日本語 OpenVMS VAX システム上で動作します。この 2 つのタイプのシステムへのインストレーションでは,いくつかの小さな相違があります。

注意

DCPS V2.0 からは DCPS-OPEN および DCPS-PLUS のライセンスは必要ありません。現在では,DCPS のすべての機能を使用する権利は, OpenVMS オペレーティング・システムのライセンスに含まれています。

1.1 ディスク容量のチェック

日本語DECprint Supervisor を Alpha プロセッサにインストールするのか VAX プロセッサにインストールするのかに応じて,ディスク容量の必要条件が異なります。 表 1-1 に必要なディスク容量を示します。

表 1-1 必要なディスク容量
  Alpha システム VAX システム
インストレーション時 12,000 ブロック 11,000 ブロック
システム運用時 9,500 ブロック 9,400 ブロック

これらのディスク容量は概算であり,実際の値はシステム環境,ディスク・クラスタ・サイズ,構成,ソフトウェア・オプションに応じて異なります。

1.2 関連するソフトウェア

日本語Compaq DECprint Supervisor は他のソフトウェアとともに動作することにより,完全なプリンティング・システムを構成します。日本語Compaq DECprint Supervisor をインストールする前に,他のソフトウェアとプリンティング・ソフトウェアとの互換性があることを確認してください。

以降の各項では,必要なソフトウェアについての詳細を説明します。特定のバージョンについての必要条件については,『日本語 Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェア仕様書 (SPD)』を参照してください。

1.2.1 DEC C 実行時ライブラリ

DCPS は,システムに DEC C 実行時ライブラリがインストールされていることを必要とします。このライブラリは,OpenVMS V6.1 以降の OpenVMS オペレーティング・システムの DEC C/C++ Run-Time Components キットに含まれています。

DEC C 実行時ライブラリがシステムにインストールされているかどうかを判定するには, SYS$LIBRARY:DECC$SHR.EXE ファイルが存在しているかどうかを確認してください。このファイルが存在している場合は, DEC C/C++ Run-Time Components キットをインストールする必要はありません。

DEC C/C++ Run-Time Components キットは V1.6 以降の DCPS CD-ROM に含まれています。また,弊社の OpenVMS VAX ソフトウェア製品ライブラリ CD-ROM にも含まれています。このキットのインストレーション情報については,まず DEC C/C++ Run-Time Components ドキュメントの『Read Before Installing or Using DEC C/C++ Run-Time Components Version 6.0 for OpenVMS VAX Systems』を参照してください。

1.2.2 PrintServer ソフトウェア

弊社の PrintServer プリンタに出力するには,プリンティング環境に, PrintServer ソフトウェア製品を動作させるサポーティング・ホスト・システムが含まれていなければなりません。

1.2.3 TCP/IP ネットワーク

CPAP (Common Printer Access Protocol) を使用した PrintServer プリンタへの TCP/IP 接続,あるいは raw TCP/IP ソケット・プロトコルを使用したその他のプリンタへの接続では,次のいずれかを必要とします。

1.2.4 AppleTalk ネットワーク

AppleTalk ネットワークに接続されたプリンタは,日本語 Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアからアクセスすることができ,したがって OpenVMS システムの一般ユーザからは共有ネットワーク・プリンタとして使用することができます。このプリンティング・システム構成では, PATHWORKS for OpenVMS (Macintosh) ソフトウェアを必要とします。

1.2.5 DDIF 印刷

DDIF エンコード 2 値イメージを印刷するには, DCPS はシステムに DECwindows あるいは DAS (DECimage Application Services) がインストールされていることを必要とします。 DAS は OpenVMS VAX システムだけで使用可能です。

1.2.6 DEC Image Print-PLUS (ICPS)

DCPS V1.1 以降のバージョンは, ICPS V1.x ソフトウェアと共存することができません。 DCPS をインストールすると,SYS$LIBRARY:TRN$DDIF_IMAGE.EXE イメージを置き換えてしまいます。この新しいイメージは,ICPS ソフトウェアとの互換性がありません。

1.3 すべての実行可能コンポーネントの互換性の保証

すべての DCPS 実行可能コンポーネントは,相互に互換性を持つ組み合わせであることを保証しようとします。互換性がない場合,キューの起動時に DCPS がエラーを通知します。互換性を持たないソフトウェアの古いバージョンのコンポーネントが SYS$SPECIFIC 領域に存在し,新しいコンポーネントが SYS$COMMON 領域にインストールされた場合に,このエラーが発生します。発生するエラーは,どのコンポーネントのどのバージョンを実行するかに応じて異なります。

たとえば,次のようなエラーが発生します。


第 2 章
ソフトウェアのインストレーション

この章では,VMSINSTAL ユーティリティを使用した日本語Compaq DECprint Supervisor ソフトウェアのインストレーション方法について説明します。 VMSINSTAL ユーティリティに精通していない場合は,『 OpenVMS Upgrade and Installation Manual 』を参照してください。

2.1 概要

次の手順に従って,日本語 DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS ソフトウェアをインストールします。

  1. すべてのリリース・ノートに目を通します。

  2. 既にキューが存在していて DCPS のインストレーション・プロシージャの実行時に自動的にそのキューを停止させたくない場合,あるいは SYS$SPECIFIC システム領域に DCPS 実行イメージが存在している場合,あるいは DCPS に影響を与える OpenVMS あるいはその他のパッチを当てる必要がある場合, STOP/QUEUE/NEXTあるいは STOP/QUEUE/RESETコマンドを使用して各 DCPS キューを停止させます。

  3. SYS$SPECIFIC システム領域から DCPS 実行イメージを削除します。

  4. DCPS リリース・ノートあるいはその他の情報によりパッチが必要な場合は, DCPS に影響を与える OpenVMS あるいはその他のパッチを当てます。必要な場合は,パッチを当てた後にシステムを再ブートします。

  5. DCPS をインストールします。

  6. 『日本語 Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS システム・マネージャーズ・ガイド』に記述されているように, DCPS$STARTUP.COM を作成あるいは更新します。たとえば,キュー定義をファイルに追加し,プロシージャに記述されている例に従って DCPS$MAX_STREAMS 論理名の値を設定します。

  7. DCPS$STARTUP.COM を起動することにより, DCPS プリント・キューを起動します。停止させたキューを再起動するように指示した場合, DCPS インストレーション・プロシージャはキューを再起動します。 DCPS インストレーション・プロシージャが自動的にいくつかのキューを再起動した後に, DCPS 環境あるいは DCPS$STARTUP.COM を変更した場合は,その変更を有効にするためにすべての DCPS キューを一旦停止させた後に再起動する必要があります。

2.2 VMSINSTAL の表記法

VMSINSTAL は,システム固有の情報について問い合わせます。質問の先頭にアスタリスク (*) が表示され,大括弧 ([]) で囲まれた省略時の応答が最後に表示されます。応答を入力した後,[Return] キーを押してください。

省略時の応答をそのまま使用する場合には, [Return] キーだけを押します。応答が分からない場合は,疑問符 (?) を入力します。 VMSINSTAL は応答に関する説明を表示し,プロンプトを再度表示します。

VMSINSTAL から出力されるメッセージについては,『 OpenVMS Upgrade and Installation Manual 』に記述されています。日本語Compaq DECprint Supervisor のインストレーションに固有のメッセージについては, 付録 B に示されています。

2.3 ソフトウェアのインストレーション

注意

日本語DECprint Supervisor ソフトウェアのインストレーション時に画面に表示されるすべてのテキストが,この節に示されているわけではありません。 VMSINSTALプロシージャの例については 付録 A を参照してください。

次の手順に従って,ソフトウェアをインストールします。

  1. VMSINSTAL プロシージャの起動
    次のコマンドを入力します。


    $ @SYS$UPDATE:VMSINSTAL DCPSpppnnn device-id [OPTIONS N]
    


    このコマンド行に指定する情報は次のとおりです。


    最初に VMSINSTAL は日付と時刻を含むバナー行,および対話的な処理を行うための指示を表示します。 VMSINSTAL の起動時に,次に示す警告メッセージが表示される場合があります。この場合は,プロシージャを終了し,警告メッセージの原因を修正した後, VMSINSTALプロシージャを再起動してください。


    他のプロセスが実行されている場合は, HELP のインストレーションに失敗する可能性があります。上記のいずれかのメッセージが表示された場合,続いて次の問い合わせが表示され, VMSINSTAL を停止して問題を修正することができます。


    * Do you want to continue anyway [NO]? 
    


    操作を継続する場合はYESと入力してください。NOと応答した場合には, VMSINSTALはただちに終了します。
    ここで疑問符(?)を入力すると, VMSINSTAL ソフトウェアからアドバイスが表示されます。次の例を参照してください。


    The above conditions may cause VMSINSTAL to function improperly. 
    In particular, problems may occur with file ownership if you are not 
    logged into the SYSTEM account.
    

  2. 既存のソフトウェアの保存の確認
    VMSINSTAL は次のような問い合わせを表示します。


    * Are you satisfied with the backup of your system disk [YES]?
    


    操作を継続する場合はYESと入力してください。NOと入力すると,VMSINSTALは終了します。バックアップを作成した後,VMSINSTALを再度実行してください。
    この問い合わせに対する応答として疑問符(?)を入力した場合には, VMSINSTALは次の説明を表示します。


    VMSINSTAL attempts to ensure that a power failure or system crash 
    will not corrupt your system disk.  However, for absolute safety we 
    recommend that you back it up before installing new products.  Please 
    see the documentation for more information on crashes during 
    installation.
    

  3. ディストリビューション・メディアのロードの確認
    VMSINSTAL は,ディストリビューション・メディアがマウントされたかどうかの確認のための問い合わせを表示します。


     Please mount the first volume of the set on device-id:
    * Are you ready? 
    

  4. インストールされる製品の通知
    続いて VMSINSTAL はインストールしようとしている製品を表示します。次の例で,ppp にはプラットフォーム, n.n にはバージョンが表示されます。


    The following products will be processed: 
     
    DCPSppp Vn.n
     
            Beginning installation of DCPSppp Vn.n at 13:45 
     
    %VMSINSTAL-I-RESTORE, Restoring product saveset A
    

  5. リリース・ノートの出力
    VMSINSTALコマンド行にOPTIONS Nを指定した場合には,次のリリース・ノート・オプションが表示されます。


    Release notes included with this kit are always copied to SYS$HELP. 
     
    Additional Release Notes Options: 
     
       Release Notes Options: 
              (1) Display release notes 
              (2) Print release notes 
              (3) Both 1 and 2 
              (4) None of the above 
    


    リリース・ノート・オプションを入力した後,VMSINSTALはインストレーション・プロシージャを継続するかどうかを問い合わせます。


    Do you want to continue the installation [NO]?
    


    VMSINSTALコマンド行にOPTIONS Nを指定しなかった場合には, VMSINSTALはこの問い合わせを表示しません。そのかわりに次のメッセージが表示されます。


    %VMSINSTAL-I-RELMOVED, Product's release notes have been moved to SYS$HELP
    

  6. 動作中の DCPS キューの確認
    VMSINSTAL を実行中に DCPS キューが動作している場合は,次のようなメッセージが表示されます。


    %DCPSVAX-W-QUEACTIVE, The following DCPS queues are still active: 
     
    Queue                     Device                                    Status 
    -----                     ------                                    ------ 
    LN09                      DAN::LTA9000:                             IDLE 
    LN17                      DAN::"AppleTalk/Dan's LN17+ps"            IDLE 
    LN40                      DAN::"IP_RawTCP/ln40:6869"                IDLE 
    LPS32                     DAN::"IP_CPAP/lps32.office.genicom.com"   IDLE 
     
    %DCPSVAX-I-NUMQUEUES, 4 existing DCPS queues, with 4 active 
     
            Previously installed DCPS queues are still running. 
            Continuing this installation without entering 
            STOP/QUEUE/RESET for each such queue can cause 
            inconsistent behavior among queues and can cause 
            the IVP to fail. 
     
            Note that if you choose to have this installation 
            procedure automatically stop such queues, and the 
            installation subsequently aborts, this procedure 
            will not automatically restart them. 
     
    * Do you want these queues automatically stopped and restarted [YES]? 
     
    


    それらのキューをインストレーション・プロシージャが自動的に停止しないようにする場合は,インストレーション処理を中断するオプションが用意されています。また,キューが動作中のままインストレーション処理を継続するオプションも用意されています。継続オプションを使用しないことを推奨します。

  7. 十分なディスク容量があることの確認
    VMSINSTAL は,インストレーションを実行するのに必要なディスク容量を使用できるかどうかを確認します。十分な容量が使用できない場合は,必要なディスク容量のサイズを示すメッセージが表示され,インストレーションは強制終了されます。この場合は,十分なディスク容量を確保してから, VMSINSTALプロシージャを再起動しなければなりません。十分なディスク容量を使用できる場合には,インストレーション・プロシージャは継続されます。

  8. ファイルの余分なバージョンのパージ
    VMSINSTALは置換されたファイルをパージするかどうかを問い合わせます。


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