日本語Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS
システム・マネージャーズ・ガイド


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第 8 章
フォーム定義の作成および保守

管理者はフォーム定義を作成することができます。一般ユーザはこのフォーム定義を PRINT コマンドに含めることにより,ファイルの印刷の外観を修正することができます。フォーム定義では,プリント・ジョブを印刷する用紙のタイプ,幅,長さ,マージン,および長いテキスト行を途中で切り詰めるか改行するかどうか,および暗黙にプリンタに送信するセットアップ・モジュールなど,プリント・ジョブについてのいくつかの属性を指定することができます。

PRINT コマンドで不明なフォーム名を指定した場合, DECprint Supervisor は直ちにそれを通知します。逆に,PRINT コマンドで不明なセットアップ・モジュールを指定した場合, DECprint Supervisor はそのジョブの印刷を開始し,そのセットアップ・モジュールにアクセスする必要が発生するまで,その問題を通知することはありません。

フォームの作成,保守,削除を行うコマンドを実行するにはオペレータ特権が必要です。

8.1 セットアップ・モジュールとフォームとの対応

セットアップ・モジュールをフォームと対応させるには, DEFINE/FORM コマンドで /SETUP 修飾子を指定します。

例 8-1 では, PRIVATE と呼ばれるセットアップ・モジュールを使用する CONFIDENTIAL と呼ばれるフォームを定義しています。

例 8-1 フォーム定義の例,CONFIDENTIAL

$  DEFINE/FORM CONFIDENTIAL 101-       
	/DESCRIPTION="prints the word CONFIDENTIAL on each page"-       
        /STOCK=DEFAULT-       
        /SETUP=PRIVATE

フォームを定義する場合は,次の修飾子と情報を指定してください。

注意

セットアップ・モジュールが存在しているかどうかは,そのフォームが実際に使用されるまでチェックされません。

8.2 フォームとプリント・キューとの対応付け

一般ユーザが特定のセットアップ・モジュールを頻繁に起動する場合は,そのセットアップ・モジュールをフォームに対応させ,そのフォームをキューに対応させることができます。この方法により,そのキューに登録されたプリント・ジョブは,自動的に対応するセットアップ・モジュールを使用することができます。フォームをキューに対応するには,次の手順に従ってください。

  1. 第 8.1 節 で説明したように,セットアップ・モジュールをフォームに対応させます。

  2. 次のように DCPS$STARTUP.COM のパラメータ5 (p5) を編集して,フォームを実行キューに対応させます。


    次は,CONFIDENTIAL と呼ばれるフォームを XLR8 と呼ばれる実行キューに対応させる例です。


    $ @SYS$STARTUP:EXECUTION_QUEUE.COM - 
      XLR8-                    !P1 - Execution queue name 
      "DECNET/XLR8" -          !P2 - Device name 
      DCPS_LIB -               !P3 - Logical name for /LIBRARY 
      "" -                     !P4 - Not used 
      "/FORM_MOUNTED=CONFIDENTIAL/DEFAULT=(FORM=CONFIDENTIAL,NOFEED)" 
                               !P5 - Queue default qualifiers 
    

8.3 ANSI ファイル用のフォーム定義の作成

ANSI ファイル用のフォームを定義する場合は,ページ・レイアウトに影響を与える各種の修飾子を使用することができます。たとえば,次のコマンドは,トップ・マージンが 6 で左マージンが 10 である CENTER というフォームを定義します。


$ DEFINE/FORM /MARGIN=(TOP=6,LEFT=10) CENTER 3

ANSI ファイル用のフォーム定義にかぎり, 表 8-1 の修飾子を使用することができます。

表 8-1 ANSI ファイル用の DEFINE/FORM 修飾子
修飾子 機能
/LENGTH= n 各ページの長さを行数で指定します。
/MARGIN= keyword= n マージンを設定します。

次のキーワードのいずれかあるいは複数を指定することができます。

  • TOP= n

  • BOTTOM= m

  • RIGHT= y

  • LEFT= z

複数のマージン・キーワードを指定する場合は,次のようにそれぞれを括弧で囲みます。

/MARGIN=(TOP=n,BOTTOM=m)

/PAGE_SETUP= module ジョブの各ページにページ・セットアップ・モジュールを指定します。
/[NO]TRUNCATE ページ幅に適合しない長い行を途中で切り詰めます。
/WIDTH= n ページ幅を文字数で指定します。
/[NO]WRAP ページ幅よりも長い行を次の行に改行します。

注意:

8.4 フォームおよびその属性の表示

次のコマンドを使用すると,システムにすでに存在しているフォームを表示することができます。


$ SHOW QUEUE/FORM

次のようにフォーム定義が表示されます。


Form name                            Number   Description 
---------                            ------   ----------- 
A4_12 (stock=PLAIN_PAPER)              1129   A4 12-Pitch with margins 
A4_LPT_GRAY (stock=PLAIN_PAPER)        1118   A4 DP line printer with gray bars 
A4_LPT_PLAIN (stock=PLAIN_PAPER) 
                                       1119   A4 Plain DP line printer format 
BOOT_CHART (stock=DEFAULT)               37   BOOT_CHART 
BSS$LANDSCAPE (stock=DEFAULT)          3301   BSS Specific Landscape 
BSS$PORTRAIT (stock=DEFAULT)           3302   BSS Specific Portrait 

SHOW QUEUE/FORM/FULL コマンドを使用することで,フォームの属性を表示することができます。たとえば,次のコマンドは DCPS$DEFAULT の属性を表示します。


$ SHOW QUEUE/FORM/FULL DCPS$DEFAULT


Form name                            Number   Description 
---------                            ------   ----------- 
DCPS$DEFAULT (stock=DEFAULT)           1115   DCPS default 
    /LENGTH=66 /STOCK=DEFAULT /TRUNCATE /WIDTH=80 

8.5 フォームの削除

フォーム定義をシステムのフォーム・テーブルから削除するには, DELETE/FORMコマンドを使用します。このコマンドの形式は次のとおりです。


$ DELETE/FORM form-name

このコマンドには form-name を指定してください。これは,使用中のフォームに割り当てた名前です。

DELETE/FORMコマンドを使用する前に, SHOW QUEUE/FULL/ALLコマンドを実行してください。フォームに対する参照は動作中のプリント・キューの属性として存在するか,またはプリント要求に対する修飾子として存在します。まだ参照されているフォームを削除しようとした場合には,そのことが通知され,フォームは削除されません ( 付録 A を参照してください)。

8.6 省略時の ANSI フォーム定義の使用

PRINT コマンドでフォーム定義を省略し,次の修飾子のいずれかを指定した場合,日本語DECprint Supervisor は ANSI ファイルを省略時のフォーム定義である DCPS$DEFAULT とリンクします。

/HEADER
/SPACE
/PARAMETERS=[NO]TAB


第 9 章
ユーザに対するプリンタ資源の料金請求

この章では, DECprint Supervisor ソフトウェアによって OpenVMSアカウンティング・ファイルに出力されるアカウンティング情報について説明します。

OpenVMS アカウンティング・ユーティリティはシステム資源の使用に関する情報を SYS$MANAGER:ACCOUNTING.DATファイルから読み込みます。 DECprint Supervisor ソフトウェアはプリンタの使用状況に関する情報をこのファイルに記録します。OpenVMS アカウンティング・ユーティリティについての詳しい説明は『 OpenVMS System Manager's Reference Manual 』を参照してください。

9.1 DECprint Supervisor ソフトウェアによるアカウンティング情報

プリント・シンビオントは各プリント・ジョブごとにアカウンティング・ファイルに次の情報を記録します。

プリント・ジョブが正常終了した場合には,プリント・シンビオントは特定のアカウンティング・データ・フィールドをアカウンティング・ログ・ファイルに記録することを,ジョブ・コントローラに要求します。正常終了したジョブと DELETE/ENTRYコマンドによって終了したジョブの場合には,アカウンティング・ファイルには次のメッセージも記録されます。


%SYSTEM-S-NORMAL, normal successful completion

プリント・ジョブが異常終了した場合には,プリント・シンビオントがアカウンティング・ログに記録する情報は,不完全になる可能性があります。このようなジョブを除外するには,正常終了状態メッセージを受信したジョブだけを数えます。次の場合には,ジョブは異常終了します。

9.2 ジョブ・コントローラが記録するアカウンティング情報

ジョブ・コントローラはプリント・ジョブに関して次の情報をアカウンティング・ファイルに記録します。

9.2.1 ジョブ・コントローラが空白のままにしておくアカウンティング・フィールド

ジョブ・コントローラはプリント・ジョブに対して,アカウンティング・ファイルの次のフィールドを空白にします。

9.2.2 ジョブ・コントローラが0に設定するアカウンティング・フィールド

ジョブ・コントローラはプリント・ジョブに対してアカウンティング・ファイルの次のフィールドを0に設定します。

9.3 機械的なページ・カウンタとの互換性

PrintServerプリンタには機械的なページ・カウンタがあります。

このページ・カウンタは,PostScriptの pagecount オペレータを通じてアクセスできるカウンタとは異なります。

通常の方法で使用している場合には,どちらのカウンタも同じ割合で増加しますが,これらの2つのカウンタの値はかなり違う可能性があります。プリンタのテスト・ページはプリンタのテスト・ボタンを押すことにより印刷されます。機械的なカウンタではこのページも記録されますが,PostScriptカウンタでは記録されません。また,部品の交換によってカウンタが影響を受けることがあります。たとえば,コントローラの不揮発性メモリを交換すると,PostScriptカウンタはリセットされますが,機械的なカウンタは変化しません。

2種類のカウンタは異なるイベントを記録するため,それぞれ異なる目的で使用しなければなりません。


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