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システム管理者はフォーム定義を作成することができ,一般ユーザはそれを PRINT コマンドに含めることによりファイルの印刷結果を変更することができます。不明なフォームを指定した場合は, DECprint Supervisor は直ちにそのことを通知します。ファイルの印刷結果を変更するために不明なセットアップ・モジュールを指定した場合は, DECprint Supervisor がそのジョブの印刷を開始し,セットアップ・モジュールにアクセスする必要が発生するまで,問題を通知しません。
例 13-1 に,LANDSCAPE という名前のフォームを指定した PRINT コマンドの例を示します。
例 13-1 PRINT コマンドでのフォームの指定 |
---|
$ PRINT/QUEUE=LPS20/FORM=LANDSCAPE |
以降の各節では,フォームの使用法について説明します。
13.1 システム上のフォームの一覧
使用可能なフォームを一覧するには,次のコマンドを実行します。
$ SHOW QUEUE/FORM |
フォームの一覧およびその機能が表示されます。
Form name Number Description --------- ------ ----------- PITCH12 (stock=DEFAULT) 122 12 Characters per Inch PITCH13 (stock=DEFAULT) 121 13.2 Characters per Inch PITCH16 (stock=DEFAULT) 120 16.5 Characters per Inch PITCH6 (stock=DEFAULT) 125 6 Characters per Inch PITCH660 (stock=DEFAULT) 124 6.6 Characters per Inch PITCH8 (stock=DEFAULT) 123 8.25 Characters per Inch PORTRAIT (stock=DEFAULT) 20 80 by 60 (portrait) PS (stock=LASER) 2001 Postscript Form |
SHOW QUEUE/FORM/FULL コマンドを使用して,フォームの属性を表示することができます。次の例では,DCPS$DEFAULT の属性を表示しています。
$ SHOW QUEUE/FORM/FULL DCPS$DEFAULT |
Form name Number Description --------- ------ ----------- DCPS$DEFAULT (stock=DEFAULT) 1115 DCPS default /LENGTH=66 /STOCK=DEFAULT /TRUNCATE /WIDTH=80 |
このフォームは,ページ長およびページ幅を設定し,長い行を切り捨て,省略時の用紙を使用します。
たいていの場合,フォーム定義の修飾子の多くが ANSI ファイルだけに適用されるため,フォーム定義は ANSI ファイルに対して使用します。この修飾子を使用することにより,ページ長およびマージンを設定したり,長い行を切り捨てたり,改行したりすることができます。 ANSI 以外のデータ・タイプ,たとえば PostScript ファイルなどは,ページ属性を設定する内部制御を持っています。
表 13-1 には,ANSI ファイルだけに影響を与える修飾子を示します。
修飾子 | 機能 |
---|---|
/LENGTH= n | 各ページの長さを行数として指定します。 |
/MARGIN= keyword= n | ページ・マージンを設定します。 |
/PAGE_SETUP= module | ジョブの各ページにページ・セットアップ・モジュールを適用します。 |
/[NO]TRUNCATE | ページ幅に収まらない長い行を切り捨てます。 |
/WIDTH= n | ページ幅を文字数で設定します。 |
/[NO]WRAP | ページ幅に収まらない行を改行します。 |
別のタイプのファイルは,これらの属性について内部制御を持っているため,上記のフォーム定義は ANSI ファイルについてのみ有効です。 |
システム管理者がすべてのタイプのファイルで使用することができる 2 つの修飾子 (/SETUP および /STOCK) があります。以降の各項では,これらの修飾子の動作について説明します。
13.2.1 セットアップ・モジュールを起動するフォームの使用 (/SETUP)
システム管理者はセットアップ・モジュールをフォームに対応付けることができます。フォーム定義にセットアップ・モジュールが含まれているかどうかを確認するには, SHOW QUEUE/FORM/FULL コマンドを実行して,フォームの説明の /SETUP 修飾子の部分を見てください。次の例を参照してください。
$ SHOW QUEUE/FORM/FULL |
Form name Number Description --------- ------ ----------- CONFIDENTIAL (stock=DEFAULT) 15 Prints CONFIDENTIAL on each page /LENGTH=66 /SETUP=(PRIVATE) /STOCK=DEFAULT /TRUNCATE /WIDTH=80 |
この例では,PRIVATE という名前のセットアップ・モジュールがフォーム定義に含まれています。
13.2.2 用紙タイプを指定するフォームの使用 (/STOCK)
システム管理者は /STOCK 修飾子を使用して,フォームの起動時に使用される用紙タイプを指定することができます。そのフォームを使用する場合は,指定された用紙タイプが装着されていることを確認しなければなりません。指定された用紙タイプが装着されていない場合,指定された用紙タイプが装着されるまで,あるいは異なるフォーム定義を使用するまで,ジョブはキュー内で "Hold" 状態となります。
フォームが特殊な用紙タイプを必要としているかどうかを確認するには, SHOW QUEUE/FORM/FULL コマンドを実行して,フォームの説明の /STOCK 修飾子の部分を見てください。
$ SHOW QUEUE/FORM/FULL LANDSCAPE |
Form name Number Description --------- ------ ----------- LANDSCAPE (stock=DEFAULT) 10 132 by 66 (landscape) /LENGTH=66 /MARGIN=(TOP=2,BOTTOM=4) /SETUP=(LANDSCAPE) /STOCK=DEFAULT /TRUNCATE /WIDTH=132 |
/STOCK 修飾子の部分に DEFAULT パラメータが指定されている場合は,任意のタイプの用紙を使用することができます。
13.3 省略時のフォーム定義の使用
印刷要求時にフォーム定義を省略し,次の修飾子のいずれかを指定した場合,省略時のフォーム定義である DCPS$DEFAULT が自動的に ANSI ファイルに対して適用されます。
省略時のフォーム定義の属性を表示するには,次のコマンドを実行します。
$ SHOW QUEUE/FORM/FULL DCPS$DEFAULT |
Form name Number Description --------- ------ ----------- DCPS$DEFAULT (stock=DEFAULT) 1115 DCPS default /LENGTH=66 /STOCK=DEFAULT /TRUNCATE /WIDTH=80 |
この章では,セットアップ・モジュールを使用するための一般的な情報,およびいくつかのプリンタで使用可能なセットアップ・モジュールについての情報を提供します。プリンタ固有のモジュールについての情報は, 第 19 章 を参照してください。
第 13 章 で説明されているように,フォームを使用することで暗黙のうちにセットアップ・モジュールを使用することもできます。
14.1 セットアップ・モジュールの概要
セットアップ・モジュールは,プリント・ジョブの文書の印刷結果を修正したりプリント・ジョブ内の命令を再定義する命令を含むファイルです。
PRINT コマンドの /SETUP 修飾子を指定することで,プリント・ジョブにセットアップ・モジュールを含めることができます。次の例では,600 dpi の解像度を指定するセットアップ・モジュールを使用しています。
$ PRINT/QUEUE=LPS32$2SIDES/SETUP=RES_600X600 IMAGE.PS |
Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS には各種のセットアップ・モジュールが組み込まれており,インストレーション時に次の装置制御ライブラリに置かれます。
SYS$LIBRARY:DCPS$DEVCTL.TLB
セットアップ・モジュールの一覧を表示するには,次のコマンドを使用します。
$ LIBRARY/LIST SYS$LIBRARY:DCPS$DEVCTL.TLB |
次の例のようなセットアップ・モジュールの一覧が表示されます。
DCW1000_DISPLAY DCW1000_ENHANCED DCW1000_HIGHRES LPS$$APPLE360_INITPSDEVICE LPS$$APPLE360_SETINPUTTRAY RES_1200X1200 RES_1200X600 |
セットアップ・モジュールあるいは装置制御モジュールを変更してはなりません。 |
いくつかのセットアップ・モジュールは特定のプリンタ専用に作成されています。これらのセットアップ・モジュールは,そのファイル名にプリンタ名が含まれています。たとえば,セットアップ・モジュールの DL3500_RET_DARK は, DEClaser 3500 プリンタ用です。
いくつかのセットアップ・モジュールについての説明は, 第 14.4 節 以降の節を参照してください。
14.2.1 ユーザ独自のセットアップ・モジュールの位置
ユーザ独自のセットアップ・モジュールは特殊な装置制御ライブラリにまとめて, .TLB (テキスト・ライブラリ) ファイルという名前で SYS$LIBRARY に置かれなければなりません。次のコマンドは,SYS$LIBRARY にあるすべてのテキスト・ライブラリの一覧を表示します。どのサブセットが DCPS で使用される特殊な装置制御ライブラリであるかを判定するには,システム管理者に問い合わせるか,システムの DCPS プリント・キューの /LIBRARY 修飾子に対応したライブラリおよびライブラリ検索リストと .TLB ファイル名との関係を調べてください。
$ DIRECTORY SYS$LIBRARY:*.TLB |
セットアップ・モジュールに含まれている命令を見るには,次の手順に従ってください。
$ LIBRARY/EXTRACT=(DI_ON)/OUT=MYSETUP SYS$LIBRARY:DCPS$DEVCTL.TLB |
$ TYPE MYSETUP.TXT |
このセットアップ・モジュール DI_ON は DECimage 拡張機能を有効とするもので,次の命令を含んでいます。
%! % ~~~~~~~~~~ DI_on ~~~~~~~~~~ statusdict begin false setDECimage end systemdict /languagelevel known {languagelevel} {1} ifelse 2 ge {currentpagedevice /Install get exec} if statusdict begin true setDECimage end % ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ |
いくつかのセットアップ・モジュールは,TYPE コマンドを使用しても表示することのできないエスケープ・シーケンスあるいはグラフィックスを含んでいる場合があります。 |
セットアップ・モジュールを作成するには,次の手順に従ってください。
$ PRINT/QUEUE=PS$A14/SETUP=module-name MYFILE.DAT |
14.4 セットアップ・モジュールを使用した DECimage パラメータの変更
次に示すセットアップ・モジュールは DECimage を起動したり, DECimage パラメータを変更するためのものです。次のように分類されています。
セットアップ・モジュール | 説明 |
---|---|
DI_ON | DECimage を ON に切り替えます |
DI_OFF | DECimage を OFF に切り替えます |
セットアップ・モジュール | 説明 |
---|---|
DI_HICONTRAST | Punch0 = 0.2, Punch1 = 0.8 |
DI_LOCONTRAST | Punch0 = -.1, Punch1 = 1.1 |
DI_BRIGHTER | Punch0 = -.2, Punch1 = 0.8 |
DI_DARKER | Punch0 = 0.2, Punch1 = 1.2 |
DI_NORMAL | Punch0 = 0, Punch1 = 1 |
セットアップ・モジュール | 説明 |
---|---|
DI_PUNCH0_0 | Punch0 = 0 |
DI_PUNCH0_0P1 | Punch0 = 0.1 |
DI_PUNCH0_0P2 | Punch0 = 0.2 |
DI_PUNCH0_M0P1 | Punch0 = -.1 |
DI_PUNCH0_M0P2 | Punch0 = -.2 |
DI_PUNCH1_1 | Punch1 = 1 |
DI_PUNCH1_0P8 | Punch1 = 0.8 |
DI_PUNCH1_0P9 | Punch1 = 0.9 |
DI_PUNCH1_1P1 | Punch1 = 1.1 |
DI_PUNCH1_1P2 | Punch1 = 1.2 |
DI_SHARP_0P5 | Sharpness = 0.5 |
DI_SHARP_1 | Sharpness = 1.0 |
DI_SHARP_1P5 | Sharpness = 1.5 |
DI_SHARP_2 | Sharpness = 2.0 |
DI_SHARP_2P5 | Sharpness = 2.5 |
次の例では,鮮明度を増し,グレイ・レベルにシフトさせています。
$ PRINT/NOTIFY/QUEUE=queue/SETUP=(DI_SHARP_2,DI_DARKER) file |
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