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この章では日本語OpenVMS Alphaオペレーティング・ システムのインストール前の準備について説明します。
日本語OpenVMS Alphaオペレーティング・ システムで提供されるキットはイニシャル・キットであり,標準版OpenVMS Alpha V7.2 を日本語化するためのモジュールのみを含んでいます。 次のユーザはこのキットを使用してください。
日本語OpenVMS Alpha V7.2は,キットの形態が従来のセーブセットから,PCSI キットに変更になりました。キットのファイル名は以下のとおりです。
POLYCENTERユーティリティでのインストール作業中に,オプションを選択するための質問が表示されることがありますが, 日本語OpenVMS Alpha V7.2は選択可能なオプションはありません。
日本語OpenVMS Alpha V7.2を使用するユーザは,必ずソフトウェア・ ライセンスを登録しなければなりません。ライセンスの登録は, 日本語OpenVMS Alphaのインストール時に行ってください。 ライセンスを登録するための情報は,日本語OpenVMS Alphaと一緒に出荷される, プロダクト・オーソライゼーション・キー(PAK) に含まれています。PAK はライセンス情報が記載されている用紙です。
日本語OpenVMS Alphaのライセンスは, インストレーションの前でも後でも登録できますが,インストレーションの前に行うことをお勧めします。 日本語OpenVMS Alpha ではインストレーション中に,ライセンスを登録しキーをロードしたかどうかを確認するようになっています。 ライセンスの登録とキーのロードを行っていない場合は, インストレーションを行うことはできますが, 日本語OpenVMS Alphaを使用したり,IVP を実行したりすることはできません。ライセンスを登録し, キーをロードして初めて,日本語OpenVMS Alpha を使用したり,IVPを実行したりすることができます。
ライセンスを登録する方法には,次の2つがあります。
詳細は『OpenVMS License Management Utility Manual』を参照してください。
日本語OpenVMS Alpha V7.2は,Alpha AXPアーキテクチャの機種で動作します。 また,日本語OpenVMS Alpha V7.2が動作するためには以下の環境が必要です。
システムをインストールするのに十分な容量を持った,RA,RFまたはRZ シリーズのディスク装置が必要です。
最低64MB以上のメイン・メモリが必要です。
コンソールおよび漢字ディスプレイ端末装置が必要です。ただし,ワークステーションの場合には, これらは不要です。
日本語OpenVMS Alpha V7.2 をインストールするためには, 標準版OpenVMS AlphaがV7.2であることが必要です。 インストレーションの方法については『OpenVMS Alpha Version 7.2 Upgrade and Installation Manual』を参照してください。
標準版OpenVMS Alpha V7.2のインストール後,XPG4 ロケール・データ・ファイル・キットのインストレーションが必要です。 ロケール・データ・ファイルは,標準版OpenVMS Alpha V6.2 からサポートされるようになった,XPG4ランタイム・ライブラリおよびユーテリティで使用されるもので, 独立したキットで提供されています。
キット名はVMSI18N072で,標準版OpenVMS VAX & Alpha V7.2に付属のLayered Products CD-ROM および日本語OpenVMS Alpha V7.2 CD-ROMの両方に含まれていますので,どちらからでもインストールすることが可能です。 日本語OpenVMS Alpha V7.2 CD-ROMからインストールする場合の手順は次のとおりです。
$ MOUNT/OVER=ID ddcu:
ここでddcu: CD-ROMドライブの装置名を指定します。
$ @SYS$UPDATE:VMSINSTAL VMSI18N072 ddcu:[VMSI18N_ALPHA072.KIT]
* Do you want European and US support [YES]?
* Do you want Chinese support [YES]?
* Do you want Japanese support [YES]?
* Do you want Korean support [YES]?
* Do you want Thai support [YES]?
* Do you want the Unicode converters [YES]?
日本語サポートのみを選択した場合,インストール時に必要なディスク容量は約10,000 ブロックです。
インストレーションの例を付録 B に示しますので参照してください。
日本語OpenVMS V7.2でサポートされる日本語DECwindows Motifはバージョン1.2-3 以上です。ただし,いずれのバージョンも修正キットのインストレーションが必須です。
詳しくは,第1.11節の日本語DECwindows Motif のインストレーションの項を参照してください。
標準版キーボード・ドライバ (SYS$IKBDRIVER.EXE) には, 日本語キーボード使用時に「カナ」キーが正常に動作しない問題があります。 そのため日本語 DECwindows Motif を使用する場合は, 修正キットのインストールが必要です。
修正キットは,日本語 OpenVMS CD-ROM の [OPENVMS_PATCH] ディレクトリに含まれています。 詳しくは修正キットに付属のドキュメントをご覧ください。
日本語OpenVMS Alpha V7.2すべてをインストールするためには, 約15分かかります (DEC3000 Model 400 AXPの場合)。
日本語OpenVMS Alpha V7.2をインストールするために必要なディスクの空きブロックは, インストール時に約95,000ブロック,インストール後で約88,000 ブロックです。ディスクの空きブロックが十分でないときは, 不必要なファイルを消すなどの処置をとってください。
なお,現在のディスクの空きブロックは,次のようにして調べることができます。
$ SHOW DEVICE device-name
日本語システムのユーティリティは,インストレーション後に次表の値のグローバル・ ページ,およびグローバル・セクションを必要とします。
| ユーティリティとイメージ | グローバル・ページ | グローバル・セクション |
|---|---|---|
| CMGR
|
240 256 |
2 2 |
| FIP
|
320 48 48 112 48 48 48 272 |
2 1 1 2 1 1 1 2 |
| IMLIB
|
48 176 |
1 2 |
| JMAIL
|
352 64 432 464 |
2 1 3 3 |
| 日本語共有イメージ
|
368 48 384 |
4 1 2 |
| 日本語画面制御ライブラリ
| 1,024 | 3 |
| KANJIGEN
| 128 | 2 |
| KINQUIRE
| 48 | 1 |
| JSORT
|
48 128 |
1 2 |
| TYPE
|
80 176 |
1 2 |
| DEC XTPU
|
2,704 48 192 1,632 48 240 64 |
1 1 1 2 1 2 1 |
| 日本語ファイル名サポート
|
1,232 112 |
6 1 |
| Total | 11,680 | 62 |
注意
日本語OpenVMS Alpha V7.2のインストールには,グローバル・ページの空きが約12,000 ページ,グローバル・セクションの空きが63セクション必要です。 日本語OpenVMS Alpha V7.2のインストレーション・プロシージャは, グローバル・ページおよびグローバル・セクションの空きを調べ, その値が上の数字に満たない場合はインストレーションを中断します。
現在のシステムのグローバル・ページおよびグローバル・セクションの空きは, 次のようにして調べることができます。
$ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLPAGES")
$ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLSECTS")
グローバル・ページ,およびグローバル・セクションの値は次のようにして変更することができます。
次の行をSYS$SYSTEM:MODPARAMS.DATに加えてください。
GBLPAGES=<グローバル・ページの値(ページレット)>
GBLSECTIONS=<グローバル・セクションの値>
あるいは,次の行でもかまいません。
ADD_GBLPAGES=<追加するグローバル・ページの値(ページレット)>
ADD_GBLSECTIONS=<追加するグローバル・セクションの値>
次のようにAUTOGEN を実行してください。
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA REBOOT NOFEEDBACK
システムがシャット・ダウンされリブートされます。グローバル・ページとグローバル・ セクションの値は,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DATに書かれた値に変更されます。
インストレーションの最初に,システム・ディスクをバックアップしたかどうかを尋ねてきます。 インストレーション中に問題が発生したときのために, システム・ディスクのバックアップをとっておくことをお勧めします。 バックアップ実行の詳細については,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。
日本語OpenVMS Alpha V6.1, V6.2,V7.0またはV7.1から日本語OpenVMS Alpha V7.2にアップグレードする場合は, 必ず以下の手順で行うようにしてください。
日本語DECwindows Motifを実行していない場合は,この作業は必要ありませんので2 の作業へ進んでください。
日本語OpenVMS V7.2でサポートされる日本語DECwindows MotifのバージョンはV1.2-3 以上です。次の表に従って,必要な作業を決定してください。
| 現在の日本語DECwindows Motifのバージョン | 日本語OpenVMS V7.2アップグレード前に必要な作業 |
|---|---|
| V1.2-3より前 | 日本語DECwindows Motif V1.2-3以上のバージョンへのアップグレード |
| V1.2-3 | 英語版DECwindows V1.2-3の2000
年対応キット (ALPDWMW02_U3012.A) のインストールが必要です
日本語DECwindows V1.2-3 修正キットのインストールをお勧めします |
| V1.2-4 | 英語版DECwindows V1.2-4
の2000年対応キット (ALPMOTF03_U4012.A) のインストールが必要です
日本語DECwindows V1.2-4修正キットのインストールをお勧めします |
| V1.2-5 | 英語版DECwindows Motif V1.2-5 の修正キットのインストールが必要です |
SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COMをエディタで編集して,日本語OpenVMS Alpha のスタートアップ・プロシージャの行を以下のようにコメント・ アウトしてください。
$! @SYS$STARTUP:JSY$STARTUP.COM
この作業を行わないと,後の作業で警告メッセージが表示されます。
ワークステーションで日本語DECwindows Motifを実行していない場合は, この作業は必要ありませんので,4の作業へ進んでください。
ワークステーションで日本語DECwindows Motifを実行していて, SYSTEMアカウントのセッション・マネージャの言語設定が「日本語」になっている場合は, 「US English」に変更してください。
日本語OpenVMS Alpha V6.2,V7.0またはV7.1からアップグレードする場合は, 以下の作業は必要ありません。システムをシャットダウンし,5 の作業へ進んでください。
日本語OpenVMS Alpha V6.1 (-1H1,-1H2)で稼動しているシステムをアップグレードするためには, 一度システムを標準版OpenVMS Alpha V6.1 (-1H1,-1H2)の設定にもどす必要があります。この作業を行うためには,SYSGEN パラメータの変更などのいくつかの設定が必要となります。 以下のコマンド・プロシージャを実行してください。
$ @JSY$SYSTEM:JSY$RESETPARAMS.COM
なお,このコマンド・プロシージャを実行すると,AUTOGENが実行されシステムはシャット・ ダウンされます。この状態から標準版OpenVMS Alpha V7.2 へのアップグレードを行ってください( 標準版OpenVMS Alpha V7.2へのアップグレードは,ディストリビューションCD-ROM からブートして作業を行いますので,リブートの必要はありません) 。
標準版OpenVMS Alpha V7.2のキットを用いて, 標準版OpenVMS Alphaのアップグレードを行ってください。 アップグレードの方法については『OpenVMS Alpha Version V7.2 Upgrade and Installation Manual』を参照してください。
ロケール・データ・ファイル・キットVMSI18N072をインストレーションを行ってください。 インストレーションの手順は第1.5.2項を参照してください。
日本語OpenVMS Alpha V7.2のインストレーションを行ってください。 以後の作業については,第2 章"日本語インストレーション"およびそれ以降の章を参照してください。
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