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デバッガ・コマンド・ディクショナリには,すべてのデバッガ・コマンドに関する詳細情報があります。 その構成は次のとおりです。
デバッガ・コマンドはキーボードで会話形式で入力するか,または実行プロシージャ(@) コマンドにより,あとで実行されるコマンド・プロシージャの中に保存することができます。
この節では次の情報について記述します。
コマンド文字列はデバッガ・コマンドの完全な指定です。1つのコマンドを2 行以上に続けることもできますが,コマンド文字列という用語はデバッガに渡されるコマンド全体を定義する際に使用されます。
デバッガ・コマンド文字列は動詞で構成され,パラメータと修飾子が付くこともあります。
動詞は実行の対象となるコマンドを指定します。デバッガ・コマンド文字列の中には, 次の例のように1つの動詞だけか,1対の動詞だけで構成されるものもあります。
DBG> GO DBG> SHOW IMAGE
パラメータは指定された動詞が作用する対象(たとえばファイル指定)を指定します。 修飾子は動詞による処理を記述または変更するものです。コマンド文字列によっては, パラメータまたは修飾子を1つまたは複数入れられるものがあります。 次の例では,COUNT,I,J,K,OUT2,PROG4.COMはパラメータで(@ は実行プロシージャ・コマンド),/SCROLLと /OUTPUTが修飾子です。
DBG> SET WATCH COUNT DBG> EXAMINE I,J,K DBG> SELECT/SCROLL/OUTPUT OUT2 DBG> @PROG4.COM
コマンドの中には,省略可能なWHEN句またはDO句を受け付けるものもあります。DO 句はある種の画面表示定義の中でも使用されます。
WHEN句の構成はキーワードのWHENを記述し,続いて現在の言語で評価結果が真か偽かになる条件式を( 括弧で囲んで)指定します。DO句の構成はキーワードのDO を記述し,続いて1つまたは複数の(括弧で囲まれた)コマンド文字列を指定します。 これらのコマンドは指定した順に実行されます。複数のコマンド文字列があるときは, それぞれをセミコロン(;)で区切らなければなりません。 これらの点について次の例で説明します。
次のコマンド文字列はSWAPというルーチンにブレークポイントを設定します。 実行時にJの値が4になるといつでもブレークポイントが検出されます。 ブレークポイントが検出されると,デバッガは指示された順番で2つのコマンド,SHOW CALLS とEXAMINE I,Kを実行します。
DBG> SET BREAK SWAP WHEN (J = 4) DO (SHOW CALLS; EXAMINE I,K)
デバッガはDO句の実行時にDO句の中のコマンドの構文を調べます。DO句の中でコマンドをネストできます。
キーボードで会話形式でコマンドを入力するとき,すべてのデバッガ・キーワード群にわたって固有であるために最低必要な文字数までキーワード( 動詞,修飾子,パラメータ)を短縮できます。ただし,よく使用されるコマンドのいくつか( たとえばEXAMINE,DEPOSIT,GO,STEP)は最初の文字だけに短縮できます。 また,固有でない短縮形でもデバッガが状況に基づいて正しく解釈できる場合もあります。
Returnキーを押すと,現在の行が終了し,デバッガはその行を処理します。 長いコマンド文字列を次の行に続けるには,Returnキーを押す前にハイフン(-) を入力します。こうすると,デバッガ・プロンプトにはアンダスコア文字(_DBG>) が接頭辞として付き,まだコマンド文字列の入力中であることを示します。
各コマンド文字列をセミコロン(;)で区切ることにより,1行に複数のコマンド文字列を入力できます。
コメント(デバッガ・ログ・ファイルには記録されているが,その他の点ではデバッガから無視される説明文) を入力するには,入力するコメント・ テキストの前に感嘆符(!)を入れます。コメントが次の行に続く場合には, 新しい行を感嘆符で始めてください。
DCLプロンプト($)が表示された状態で使用できるコマンド行編集機能は, 上向き矢印キーと下向き矢印キーによるコマンドの再呼び出しも含めて, デバッガ・プロンプト(DBG>)が表示された状態でも使用できます。たとえば, 左向き矢印キーを押すとカーソルが左に1文字移動し,右向き矢印キーを押すと右に1 文字移動します。Ctrl/Hを押すとカーソルは行頭に移動し,Ctrl/E を押すと行末に移動します。Ctrl/Uを押すと,カーソルの左側にある文字がすべて削除されます。
デバッガで処理中のコマンドに割り込みをかけるには,Ctrl/Cを押します。Ctrl/C コマンドを参照してください。
コマンドを読みやすくするために,コマンド・プロシージャの中ではコマンド・ キーワードを短縮しないでください。将来のリリースでの潜在的な矛盾を避けるために, コマンド・キーワードを(否定の/NO . . . を数えずに) 有意文字3文字以下に短縮しないでください。
デバッガ・コマンド行は左マージンから始めます。(DCLコマンド・プロシージャを記述するときのように, ドル記号($)でコマンド行を始めないでください。)
新しい行を開始すると以前のコマンド行が終結します(ファイルの終端文字によっても以前のコマンド行は終結します) 。コマンド文字列を次の行に続けるには, 新しい行を開始する前にハイフン(-)を入力してください。
セミコロン(;)で各コマンド文字列を区切ることにより,1行に複数のコマンド文字列を入力できます。
コメント(コマンド・プロシージャの実行には影響しない説明文)を入力するには, 入力するコメント・テキストの前に感嘆符(!)を入れます。コメントが次の行に続く場合には, 新しい行を感嘆符で始めてください。
次のコマンドは,デバッガへのDECwindows Motifインタフェースでは使用できません。 このうちの多くはコマンド・インタフェースの画面モードにだけ関係があります。
ATTACH | SELECT |
CANCEL MODE | (SET,SHOW) ABORT_ KEY |
CANCEL WINDOW | (SET,SHOW) KEY |
DEFINE/KEY | (SET,SHOW) MARGINS |
DELETE /KEY | SET MODE [NO]KEYPAD |
DISPLAY | SET MODE [NO]SCREEN |
EXAMINE/SOURCE | SET MODE [NO]SCROLL |
EXPAND | SET OUTPUT [NO]TERMINAL |
EXTRACT | (SET,SHOW) TERMINAL |
HELP[1] | (SET,SHOW) WINDOW |
MOVE | (SHOW,CANCEL) DISPLAY |
SAVE | SHOW SELECT |
SCROLL | SPAWN |
[1]コマンドに関するヘルプはデバッガ・ウィンドウのHelpメニューから入手できます。 |
コマンド・プロンプトに対して上記の使用できないコマンドを入力しようとした場合, またはデバッガが上記のコマンドのうちのどれか1つでも含むコマンド・ プロシージャを実行すると,デバッガはエラー・メッセージを発行します。
MONITORコマンドはDECwindows Motifインタフェースでだけ作用します(このコマンドはモニタ・ ビューを使用するためです)。
次のコマンドは,(DECwindows Motifではなく) VWSを実行中のワークステーションでデバッガを使用しているときにだけ認識されます。
次の例でデバッガ診断メッセージの要素を示します。
%DEBUG-W-NOSYMBOL, symbol 'X' is not in the symbol table 【1】【2】【3】 【4】
識別子を使用すれば,デバッガのオンライン・ヘルプから診断メッセージの説明を( 必要ならそのメッセージに対するアクションも)見つけられます。
デバッガ・メッセージについてのオンライン・ヘルプを獲得するには,次のコマンド形式を使用します。
HELP MESSAGES message-identifier
診断メッセージの重大度として考えられるものは次のとおりです。
正常終了メッセージと情報メッセージは,デバッガが要求を実行したことをユーザに通知します。
警告メッセージは,要求の一部しか実行しなかったため結果を調べる必要があるということを通知します。
エラー・メッセージは,デバッガが要求を実行できなかったが,デバッグ・ セッションの状態は変更されなかったことを示します。ただし,メッセージ識別子がDBGERR またはINTERRだった場合は例外です。これらの識別子は内部デバッガ・ エラーを意味するため,その場合には弊社のサポート要員にご連絡ください。
回復不可能なエラー・メッセージは,デバッガが要求を実行できなかったことと, デバッグ・セッションが不確定な状態になって,その状態からユーザが抜け出せないかもしれないということを示します。 通常,このエラーが発生するとデバッグ・ セッションは終了します。
デバッガ・コマンド・ディクショナリはデバッガ・コマンドの1つ1つを詳しく説明します。 コマンドはアルファベット順に並んでいます。各コマンドごとに説明, 形式,パラメータ,修飾子,例を示します。ドキュメントの表記法については, 本書のまえがきを参照してください。
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