[ 前のページ ] [ 次のページ ] [ 目次 ] [ DOC Home ]

19 System Dump Analyzer (SDA)

この章では,共用メモリとOpenVMS Galaxy構造体を表示できるように, System Dump Analyzer (SDA)がどのように強化されたかについて説明します。

SDAの使い方の詳細については, 『OpenVMS Alpha System Analysis Tools Manual』を参照してください。

19.1 SDAコマンド・インタフェースの変更または追加

  1. SHOW SHM_CPPの追加。デフォルトでは,すべてのSHM_CPPの簡略な情報が表示されます。 次の修飾子を使用できます。
    /ALLはすべてを詳細表示します。
    /IDENT=nは1つを詳細表示します。
    /ADDRESS=xは1つを詳細表示します。
    /PFNはPFNデータも表示します(デフォルトでは,すべてのリストと全体が表示されます。)
    /PFN=FREEは空きリストを表示します。
    /PFN=BADは不良ページ・リストを表示します。
    /PFN=UNTESTEDはテストされていないページ・リストを表示します。
    /PFN=ALL_FRAGMENTSはPMAPからすべてのPFNを表示します。
    /PFN=PFNDBはPFNデータベース・ページのすべてのPFNを表示します。
    /PFN=(x,y)は複数のリストを表示します。

    /PFNを指定し,/ALL,/IDENT,/ADDRESSを指定しなかった場合は,最後にアクセスされたSHM_CPP からPFNリストが表示されます。

  2. VALIDATE SHM_CPPの追加。すべてのSHM_CPPと,接続されているPFN の数と範囲が確認されますが,各PFNに対してデータベースの内容は確認されません。 このコマンドには次の修飾子があります。
    /ALLはデフォルトと同じ。
    /IDENT=nは1つのSHM_CPPの数と範囲を確認します。
    /ADDRESS=xは1つのSHM_CPPの数と範囲を確認します。
    /PFNは接続されている各PFNのPFNdbの内容も確認します(デフォルトではすべてのリストと全体) 。
    /PFN=FREEは空きリスト内の各ページに対してPFNdbを確認します。
    /PFN=BADは不良リスト内の各ページに対してPFNdbを確認します。
    /PFN=UNTESTEDは,テストされていないリスト内の各ページに対してPFNdb を確認します。
    /PFN=ALL_FRAGMENTSは,PMAP内の各ページに対してPFNdbを確認します。
    /PFN=PFNDBは,各PFNデータベース・ページに対してPFNdbを確認します。
    /PFN=(x,y)は複数のリストを確認します。

    /PFNを指定し,/ALL,/IDENT,/ADDRESSを指定しなかった場合は,最後にアクセスされたSHM_CPP からPFNリストが確認されます。

  3. SHOW SHM_REGの追加。デフォルトでは,すべてのSHM_REGに関する簡略な情報が表示され, 次のパラメータまたは修飾子を使用できます。
    /ALLはすべてを詳細表示します。
    /IDENT=nは1つを詳細表示します。
    /ADDRESS=xは1つを詳細表示します。
    <NAME>は1つを詳細表示します。

  4. SHOW GSDへの/GLXSYSと/GLXGRPの追加。

  5. GMDBとNODEBの内容を表示するためのSHOW GMDBの追加。デフォルトでは,GMDB が詳細表示されます。
    /ALLはGMDBとすべてのノード・ブロックを詳細表示します。
    /NODE[=name|=number]は指定されたノードのノード・ブロックを詳細表示します( デフォルトは現在のノード)。
    /ADDRESS=nと/NODEを組み合わせて指定すると,ノード・ブロックを指定できます。
    /SUMMARYはGMDBとすべてのノード・ブロックを簡略表示します。

  6. SHOW GALAXYはGMDBとすべてのノード・ブロックを簡略表示します。
    修飾子なし

  7. SHOW GLOCKはgalaxyロック構造を表示します。デフォルトでは, ベースGLOCK構造が表示されます。
    /GMDB_TABLEは,GMDBと接続されているすべてのロックのロック・ テーブルを表示します。
    /SYSTEM_TABLE[=n]は,1つまたはすべてのシステム・ロック・ テーブルと接続されているすべてのロックを表示します。
    /PROCESS_TABLE[=n]は,1つまたはすべてのプロセス・ロック・ テーブルと接続されているすべてのロックを表示します。
    /ALLは,galaxyロック構造とすべてのロック・テーブルおよび接続されているロック(GMDB ,システム,プロセス)を表示します。
    /HANDLE=nは,指定されたロックを表示します。
    /LINKEDと/HANDLEを組み合わせて指定すると,このロック・テーブルに対して残されているすべてのロックを表示します。
    /ADDRESS=nは指定されたロックを表示します。
    /PHYSICALと/ADDRESSを組み合わせて指定すると,物理アドレスを指定することを示します。
    /BRIEFは他の表示で各ロックに関して簡略情報だけを表示します。

  8. SHOW GCTはgalaxy構成ツリーを表示します。デフォルトは/SUMMARY です。
    /SUMMARYはツリーの1つのページ階層だけを表示します。
    /ALLはツリー内のすべてのノードを詳細表示します。
    /ADDRESS=nは指定されたノードを詳細表示します。
    /HANDLE=nは指定されたノードを詳細表示します。
    /OWNER=nは指定されたノード・ハンドルが所有しているすべてのノードを詳細表示します。
    /TYPE=nは指定されたタイプのすべてのノードを詳細表示します。

  9. SHOW PAGE_TABLEとSHOW PROCESS/PAGE_TABLE:
    /NONMEMORY_PFN[=type]と/INVALID_PFN[=type]が追加されました。
    メモリ以外のページ(たとえばI/Oページ)や不正なページ(たとえば別のパーティションが所有しているページ) を参照するページ・ テーブル・エントリだけを表示します。

    <TYPE>はREADONLYとWRITABLEのどちらか一方または両方であり, デフォルトでは両方です。

19.2 System Dump Analysis (SDA) Galaxyコマンド

ここでは,Galaxy固有のSDAコマンドについて説明します。

SHOW GALAXY

Galaxyの状態とGalaxy内のすべてのインスタンスの情報を1ページにまとめて要約表示します。

フォーマット

    SHOW GALAXY

パラメータ

なし

修飾子

なし

SHOW GCT

Galaxy構成ツリー(GCT)の内容を要約形式(階層構造)またはノード別の詳細形式で表示します。

フォーマット

    SHOW GCT   [/ADDRESS=n|/ALL|/HANDLE=n
              |/OWNER=n|/SUMMARY(default)|=/TYPE=type]

パラメータ

なし

修飾子

/ADDRESS=n
指定されたアドレスにあるGCTノードを詳細表示します。

/ALL
GCT内のすべてのノードを詳細表示します。

/HANDLE=n
指定されたハンドルが割り当てられているGCTノードを詳細表示します。

/OWNER=n
指定されたハンドルが割り当てられているノードが所有しているGCT 内のすべてのノードを詳細表示します。

/SUMMARY
GCTを階層形式で要約表示します。この修飾子はデフォルトです。

/TYPE=type
指定されたタイプのGCT内のすべてのノードを詳細表示します。タイプは次のいずれかです。

BUS CAB COMMUNITY CPU
CPU_MODULE EXP_CHASSIS FRU_DESC FRU_ROOT
HOSE HW_ROOT IO_CTRL IOP
MEMORY_CTRL MEMORY_DESC MEMORY_SUB PARTITION
POWER_ENVIR PSEUDO ROOT SBB
SLOT SMB SW_ROOT SYS_CHASSIS
TEMPLATE_ROOT

指定されたタイプが正確に一致する場合は,そのタイプだけが表示されます( たとえば/TYPE=CPU)。部分的に一致する場合は,一致するすべてのタイプが表示されます( たとえば/TYPE=CPの場合は,CPUとCPU_MODULEノードの両方が表示されます) 。

SHOW GLOCK

Galaxy管理データベース(GMDB),プロセス・テーブル,システム・テーブルに対するGalaxy ロックを表示します。

フォーマット

    SHOW GLOCK  [/BRIEF]
                [/GMDB_TABLE]
                [/PROCESS_TABLE [=n]]
                [/SYSTEM_TABLE [=n]]
                [/ALL]
                [/ADDRESS=n [/PHYSICAL]]
                [/HANDLE=n [/LINKED]]

パラメータ

なし

修飾子

/BRIEF
他の修飾子と組み合わせて使用した場合,各Galaxyロックに対して1 行を表示します。

/GMDB_TABLE
埋め込まれ,接続されたGalaxyロックを含むGMDBのGalaxyロック・テーブルを表示します。

/PROCESS_TABLE [=n]
埋め込まれ,接続されたGalaxyロックを含むすべてのプロセスGalaxy ロック・テーブルと要約ページを表示します。/PROCESS_TABLE=n修飾子を指定すると,1 つのGalaxyロック・テーブルだけが表示され,要約ページは表示されません。

/SYSTEM_TABLE [=n]
埋め込まれ,接続されたGalaxyロックを含むすべてのシステムGalaxy ロック・テーブルを表示し,要約ページも表示します。/SYSTEM_ TABLE=n修飾子を指定すると,1つのGalaxyロック・テーブルだけが表示され, 要約ページは表示されません。

/ALL
/GMDB_TABLE,/PROCESS_TABLE,/SYSTEM_TABLE修飾子から提供される情報を表示します。/ALL 修飾子はベースGMDB Galaxyロックからの情報も表示します。

/ADDRESS= n [/PHYSICAL]
アドレスnにある1つのGalaxyロックを表示します。プロセスGalaxy ロックの場所は物理アドレスによって示されるため,このようなアドレスを入力する場合は,/PHYSICAL 修飾子を使用しなければなりません。

/HANDLE= n [/LINKED]
nというハンドルが割り当てられた1つのGalaxyロックを表示します。 オプション修飾子/LINKEDを指定すると,SDAは,指定されたハンドルにリンクされているすべてのGalaxy ロックを表示します。

注意
/GMDB_TABLE,/PROCESS_ TABLE,/SYSTEM_TABLEはさまざまな組み合わせで使用することができ, /PROCESS_TABLEと/SYSTEM_TABLEでは,=nは指定しても省略してもかまいません。

SHOW GMDB

Galaxy管理データベース(GMDB)の内容とGalaxyシステム内のインスタンスのノード・ ブロックの内容を表示します。

フォーマット

    SHOW GMDB   [/ALL|/NODE[=name|=n|/ADDRESS=n]|/SUMMARY]

修飾子

/ADDRESS=n
/NODE修飾子を指定した場合は,表示する1つのノード・ブロックのアドレスを指定します。/NODE 修飾子の説明を参照してください。

/ALL
Galaxy管理データベースと,これまで使用された(つまり内容が0 以外である)すべてのノード・ブロックの内容を表示します。

/NODE [=name|=n|/ADDRESS=n]
インスタンスの名前,パーティション番号,ノード・ブロックのアドレスのいずれかが指定された場合は, 指定されたノード・ブロックの内容を表示します。/NODE 修飾子を単独で指定した場合は,現在のインスタンスのノード・ ブロックが表示されます。

/SUMMARY
GMDBとすべてのノード・ブロックの1ページの要約を表示します。

注意
デフォルト・アクションでは,Galaxy 管理データベースの内容が表示されます。

SHOW SHM_CPP

共用メモリ内の共通のプロパティ・パーティション(CPP)の内容を要約形式で表示するか,CPP ごとに詳細形式で表示します。

フォーマット

    SHOW SHM_CPP   [/ADDRESS=n|/ALL|/IDENT=n]
                  [/PFN [=pfn_type]]

パラメータ

なし

修飾子

/ADDRESS=n
指定された共用メモリCPPに関する詳細情報を表示します。

/ALL
すべての共用メモリCPPに関する詳細情報を表示します。

/IDENT=n
指定された共用メモリCPPに関する詳細情報を表示します。

/PFN [=pfn_type]
基本的な共用メモリCPPデータの他に,PFNデータも表示します。デフォルトでは, すべてのリスト(空きリスト,不良リスト,未テスト・リスト) の他に,PFNデータベース・ページとCPP内のPFNの完全な範囲も表示されます。

CPP内のPFNの完全な範囲だけを表示するには,/PFN=ALL_FRAGMENTSを使用します。

不良ページ・リストだけを表示するには,/PFN=BADを使用します。

空きページ・リストだけを表示するには,/PFN=FREEを使用します。

PFNデータベースを格納したPFNを表示するには,/PFN=PFNDBを使用します。

未テスト・ページ・リストだけを表示するには,/PFN=UNTESTEDを使用します。

複数のリストを表示するには,/PFN修飾子と組み合わせて複数のキーワードを使用します。 たとえば,/PFN=(FREE,PFNDB)と指定します。


注意
SHOW SHM_CPPコマンドに修飾子を指定しなかった場合は, デフォルト表示として,すべての共用メモリCPP の要約が表示されます。

/PFNだけを指定し,/ALL,/IDENT,/ADDRESSを指定しなかった場合は,最後にアクセスされた共用メモリCPP からPFNリストが表示されます。


SHOW SHM_REG

共用メモリ領域構造体の内容を要約形式で表示するか,または領域ごとに詳細表示します。

フォーマット

    SHOW SHM_REG   [/ALL|/IDENT=n|/ADDRESS=n|name]

パラメータ

name

指定された領域を詳細形式で表示します。

修飾子

/ALL
すべての領域の構造体を詳細形式で表示します。

/IDENT=n
指定された領域の構造体を詳細形式で表示します。

/ADDRESS=n
指定された領域の構造体を詳細形式で表示します。

注意
SHOW SHM_REGコマンドにパラメータや修飾子を指定しなかった場合には, デフォルト表示として,すべての共用メモリ領域の要約情報が表示されます。

VALIDATE SHM_CPP

すべての共用メモリ共通プロパティ・パーティション(CPP)と,接続されているPFN の数と範囲を確認します。オプションとして,各PFNデータベース・ エントリの内容を確認することもできます。

フォーマット

    VALIDATE SHM_CPP   [/ADDRESS=n|/ALL|/IDENT=n]
                      [/PFN [=pfn_type]]

パラメータ

なし

修飾子

/ADDRESS=n
指定された共用メモリCPPの数と範囲を確認します。

/ALL
すべての共用メモリCPPの数と範囲を確認します。これはデフォルトです。

/IDENT=n
指定された共用メモリCPPの数と範囲を確認します。

/PFN [=pfn_type]
接続されている各PFNのPFNデータベースの内容を確認します。デフォルトでは, すべてのリスト(空きリスト,不良リスト,未テスト・リスト) と,PFNデータベース・ページおよび共用メモリCPP内のPFNの完全な範囲が確認されます。

CPP内のPFNの完全な範囲だけを確認するには,/PFN=ALL_FRAGMENTSを使用します。

不良ページ・リストだけを確認するには,/PFN=BADを使用します。

空きページ・リストだけを確認するには,/PFN=FREEを使用します。

PFNデータベースを格納しているPFNを確認するには,/PFN=PFNDBを使用します。

未テスト・ページ・リストだけを確認するには,/PFN=UNTESTEDを使用します。

複数のリストを確認するには,/PFN修飾子と組み合わせてキーワードを指定します。 たとえば/PFN=(FREE,FNDB)と指定します。


注意
/PFNだけを指定し,/ALL, /IDENT,/ADDRESSを指定しなかった場合には,最後にアクセスされた共用メモリCPP からPFNリストが確認されます。



[ 前のページ ] [ 次のページ ] [ 目次 ] [ DOC Home ]