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3 ローマ字・かな漢字変換型INQUIRE (KINQUIRE)

この章では,ローマ字・かな漢字変換型 INQUIRE コマンドについて説明します。


3.1 機能概要

KINQUIREはDCLのINQUIREコマンドの「ローマ字・かな漢字変換版」です。 INQUIREコマンドと同様に,プロンプトの表示, 文字列の入力およびシンボルへの代入を行います。このとき,文字列の入力中に 「ローマ字・かな漢字変換」を行うことができます。 KINQUIREコマンドを使用することにより, コマンド・プロシージャ内でも簡単に漢字の入力を行うことができます。また, 画面上の位置指定機能を備えていますので, コマンド・プロシージャによるメニュー処理にも有効です。


3.2 KINQUIREコマンド

この節では,KINQUIREコマンドの形式,パラメータ,修飾子について説明します。


KINQUIRE

ローマ字・かな漢字変換機能を起動します。

形式

    KINQUIRE   シンボル名[プロンプト文字列]

コマンド修飾子 省略時設定
/GLOBAL /LOCAL
/LOCAL /LOCAL
/[NO]PUNCTUATION /PUNCTUATION
/[NO]PASSALL /PASSALL
/LINE =行位置 (無し)
/COLUMN =けた位置/COLUMN = 1
/END_OF_FILE =ラベル(無し)
/[NO]KANJI_DICTIONARY/NOKANJI_DICTIONARY

パラメータ

シンボル名

入力された文字列を代入するシンボル名を指定します。

プロンプト文字列

ターミナルに表示するプロンプト文字列を指定します。 /NOPUNCTUATION修飾子を指定していなければ,": "が文字列の最後に表示されます。

修飾子

/GLOBAL

シンボルをグローバル・シンボル・テーブルに置くことを指定します。

/LOCAL

シンボルをローカル・シンボル・テーブルに置くことを指定します。

/PUNCTUATION (省略時設定)

": "をプロンプト文字列に続けて表示するかどうかを指定します。 省略時の設定は/PUNCTUATIONで": "が表示されます。

/LINE=行位置

プロンプト文字列を表示するときの画面上の行位置を指定します。 省略時の設定では/COLUMNが指定されている場合は1, 指定されていなければ次の行になります。

/COLUMN=けた位置

プロンプト文字列を表示するときの画面上のけた位置を指定します。 省略時の設定は1です。

/PASSALL

英大文字変換などを行わず, 入力された文字列そのままを指定されたシンボルへ代入します。 省略時の設定は/NOPASSALLで,英大文字変換などが行われます。

/END_OF_FILE=ラベル

[CTRL/Z]のみが入力された場合, 指定されたラベルをもつコマンド行に制御が移ります。 コマンド・プロシージャ内でのみ有効です。

/KANJI_DICTIONARY[=個人辞書名]

かな漢字変換に個人辞書を使用するかどうかを指定します。

/KANJI_DICTIONARYで辞書名が省略された場合は,論理名 JSY$KOJINで定義されている辞書が使用されます。JSY$KOJINが未定義の場合は, SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHOが使用されます。

省略時の設定では,/NOKANJI_DICTIONARYで,個人辞書は使用せず, システム辞書のみを使用して変換を行います。/NOKANJI_DICTIONARYの場合には, 個人辞書を開く必要がない分, /KANJI_DICTIONARYに比べて動作が早くなります。

変換機能

     入力  ローマ文字/ひらがな(カナ・シフト時))
     変換  漢字/ひらがな/カタカナ/ローマ文字全角/記号/無変換)

入力方法

     $ KINQUIRE  SYM  " 文字列"

                 ↓  初期状態("文字列"というプロンプト表示に対
                     し,入力待ち状態になります)。

     文字列:

                 ↓  ローマ字入力(ローマ字で読みを入力します)。

     文字列: ro-ma

                 ↓  カタカナ変換(カタカナ変換キーを押します)。

     文字列: ローマ

                 ↓  ひらがな入力(カナ・シフト・キーを押すと,
                     ひらがな入力ができます。ひらがな入力で読
                     みを入力します)。

     文字列: ローマじ

                 ↓  漢字変換(漢字変換キーを押します)。

     文字列: ローマ字


3.3 制限事項

ブロードキャスト・メッセージ(REPLYコマンド,メールの着信など)を受けた場合に, プロンプトおよび入力文字列の再表示を行いません。この場合は [CTRL/R]により再表示を行ってください。


3.4 使用例

"Country>>"というプロンプトに対し,"日本"を入力し,シンボルABCに代入します。

     $ KINQUIRE/NOPUNCTUATION ABC "Country >>"
     Country >> 日本
     $ SHOW SYMBOL ABC
        ABC = "日本"
     $


3.5 かな漢字変換キー配列

かな漢字変換キー配列は日本語エディタと同じです。

詳しくは,『日本語ライブラリ 利用者の手引き』の付録Aを参照してください。


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