この章では,ローマ字・かな漢字変換型 INQUIRE コマンドについて説明します。
KINQUIREはDCLのINQUIREコマンドの「ローマ字・かな漢字変換版」です。 INQUIREコマンドと同様に,プロンプトの表示, 文字列の入力およびシンボルへの代入を行います。このとき,文字列の入力中に 「ローマ字・かな漢字変換」を行うことができます。 KINQUIREコマンドを使用することにより, コマンド・プロシージャ内でも簡単に漢字の入力を行うことができます。また, 画面上の位置指定機能を備えていますので, コマンド・プロシージャによるメニュー処理にも有効です。
この節では,KINQUIREコマンドの形式,パラメータ,修飾子について説明します。
ローマ字・かな漢字変換機能を起動します。
KINQUIRE シンボル名[プロンプト文字列]
| コマンド修飾子 | 省略時設定 |
|---|---|
| /GLOBAL | /LOCAL |
| /LOCAL | /LOCAL |
| /[NO]PUNCTUATION | /PUNCTUATION |
| /[NO]PASSALL | /PASSALL |
| /LINE =行位置 | (無し) |
| /COLUMN =けた位置 | /COLUMN = 1 |
| /END_OF_FILE =ラベル | (無し) |
| /[NO]KANJI_DICTIONARY | /NOKANJI_DICTIONARY |
/KANJI_DICTIONARYで辞書名が省略された場合は,論理名 JSY$KOJINで定義されている辞書が使用されます。JSY$KOJINが未定義の場合は, SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHOが使用されます。
省略時の設定では,/NOKANJI_DICTIONARYで,個人辞書は使用せず, システム辞書のみを使用して変換を行います。/NOKANJI_DICTIONARYの場合には, 個人辞書を開く必要がない分, /KANJI_DICTIONARYに比べて動作が早くなります。
入力 ローマ文字/ひらがな(カナ・シフト時))
変換 漢字/ひらがな/カタカナ/ローマ文字全角/記号/無変換)
$ KINQUIRE SYM " 文字列"
↓ 初期状態("文字列"というプロンプト表示に対
し,入力待ち状態になります)。
文字列:
↓ ローマ字入力(ローマ字で読みを入力します)。
文字列: ro-ma
↓ カタカナ変換(カタカナ変換キーを押します)。
文字列: ローマ
↓ ひらがな入力(カナ・シフト・キーを押すと,
ひらがな入力ができます。ひらがな入力で読
みを入力します)。
文字列: ローマじ
↓ 漢字変換(漢字変換キーを押します)。
文字列: ローマ字
ブロードキャスト・メッセージ(REPLYコマンド,メールの着信など)を受けた場合に, プロンプトおよび入力文字列の再表示を行いません。この場合は [CTRL/R]により再表示を行ってください。
"Country>>"というプロンプトに対し,"日本"を入力し,シンボルABCに代入します。
$ KINQUIRE/NOPUNCTUATION ABC "Country >>"
Country >> 日本
$ SHOW SYMBOL ABC
ABC = "日本"
$
かな漢字変換キー配列は日本語エディタと同じです。
詳しくは,『日本語ライブラリ 利用者の手引き』の付録Aを参照してください。