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1 バージョン 7.2 の新機能の概要

OpenVMS バージョン 7.2 では,既存の機能が改善され,重要な新機能が追加されています。 OpenVMS バージョン 7.2 の主な新機能には次のものがあります。

また,OpenVMS バージョン 7.2 には,OpenVMS バージョン 7.1 と,OpenVMS バージョン 7.1-1Hx ハードウェア・リリースのすべての機能が含まれています。

OpenVMS Alpha および OpenVMS VAX バージョン 7.2 で提供される各機能の概要を表 1-1 に示します。 一般ユーザ,システム管理,プログラミングに分けて,これらの機能を紹介します。

表 1-1 OpenVMS VAX および OpenVMS Alpha バージョン 7.2 ソフトウェアの機能の概要

一般ユーザ機能
DCL コマンドと修飾子 新しい DCL コマンドが追加された。

  • SET PREFERRED_PATH - コマンド・ラインから優先パス QIO の機能を実行できる。

さらに,Extended File Specifications,Hierarchical Storage Management (HSM) およびクラスタ単位の論理名をサポートする DCL コマンドおよび修飾子がいくつか追加されている。

ドキュメンテーション ドキュメント・セットに『OpenVMS Alpha Galaxy Guide』,『Guide to OpenVMS Extended File Specifications』,および『OpenVMS Alpha System Analysis Tool Manual』の 3 冊の新しいマニュアルが追加された。

バージョン 7.2 では,OpenVMS ドキュメンテーション CD-ROM は OpenVMS および Windows ベース PC のデュアル・フォーマットをサポートしている。

MIME Interpretation and Composition Editor MIME Interpretation and Composition Editor ユーティリティ (MICE) により,MIME エンコードされたメール・メッセージの表示と作成を行うことができる。
システム管理機能
BACKUP ユーティリティ OpenVMS バージョン 7.2 BACKUP ユーティリティには,次のような改善が加えられている。

  • 新しい BACKUP 修飾子 (/NOINCREMENTAL) により,ディレクトリに含まれているすべてのファイルとサブディレクトリのセーブを行わなくても,変更されたディレクトリを 1 回の操作でバックアップすることができる。

  • BACKUP の性能が改善された。
ビットマップ制限の緩和 OpenVMS バージョン 7.2 以降,ストレージ・ビットマップおよびインデックス・ファイル・ビットマップの制限が緩和されている。
DECnet インストレーションのオプション OpenVMS バージョン 7.2 以降,OpenVMS Alpha と OpenVMS VAX のインストレーション・メニューには,ネットワーキング・ソフトウェアのオプションとして DECnet-Plus と DECnet Phase IV の両方が含まれるようになった。 OpenVMS のインストレーションまたはアップグレードの際には,DECnet-Plus と DECnet Phase IV のどちらかをインストールすることができる。
AlphaServer 4100 コンピュータ上でのデファード・メモリ・テスト システムの電源投入からユーザ・ログインまでの時間を短縮するために,システム管理者は AlphaServer 4100 コンピュータ上でのメモリ・テストの一部を後回しにすることができる。 このオプションにより,コンソールが行うメモリ・テストは最小限に抑えられ,残りの部分のテストはオペレーティング・システムに任せられる。
OpenVMS 上にインプリメントされた DIGITAL Server MIB (DSM) サブエージェント (Alpha システムのみ) OpenVMS Alpha バージョン 7.2 は,AlphaServer 800,1000,4000,4100,8200 および 8400 システム上で DSM サブエージェントをインプリメントしている。 DSM サブエージェントにより,次のような重要な情報を遠隔地から判定し,管理することができる。
ファームウェアのリビジョン番号
ベース・システムの記述
FRU (field replaceable unit) の情報と記述
プロセッサとキャッシュの状態
インタフェース構成
ハードウェアに害を及ぼす可能性のあるシステム筐体の中の環境条件
イーサネットおよび Fast Ethernet のサポート (Alpha システムのみ) OpenVMS Alpha バージョン 7.2 では,DE500-BA PCI イーサネット・ネットワーク・インタフェース・カード (NIC) と DE500-FA PCI Fast Ethernet ネットワーク・インタフェース・カードのランタイムおよびブート・サポートを提供している。 DE500-BA PCI イーサネット・ネットワーク・インタフェース・カードでは最長 100 メートル,DE500-FA PCI Fast Ethernet ネットワーク・インタフェース・カードでは最長 2000 メートルをサポートする。
Extended File Specifications (Alpha システムのみ) Extended File Specifications は,現在 OpenVMS 上に存在するさまざまなファイル名の制約を緩和するファイル処理環境である。 この環境は,PATHWORKS 環境の中の OpenVMS および Windows NT システムの両方で,一貫性のあるファイル処理を可能にする。
SCSI テープ装置用の高速スキップ SET MAGTAPE コマンドに新しい修飾子 /FAST_SKIP が追加された。 この修飾子を使用すると,ファイル・マークまたはレコードでスキップすることができる。 オプションは,PER_IO (省略時の設定),ALWAYS,NEVER。
FastTrack Web Server (Alpha システムのみ) FastTrack Web Server for OpenVMS Alpha は,Web ページおよびアプリケーションの作成,構築,公開,サービスを行う方法を提供する。
Fibre Channel サポート (Alpha システムのみ) Fibre Channel は,多数の利点を持つ ANSI 規格のネットワークおよびストレージ・インターコネクトである。 利点としては,高速伝送,長距離インターコネクト,複数のプロトコルのサポートなどがある。

OpenVMS Alpha は,Fibre Channel を,単一システムではストレージ・インターコネクトとして,マルチホストの OpenVMS Cluster クラスタ・システムでは共用ストレージ・インターコネクトとしてサポートする予定である。 このサポートは,OpenVMS バージョン 7.2 のリリース後間もなく利用可能になる。

ファームウェア・リビジョン・チェック (Alpha システムのみ) OpenVMS Alpha バージョン 7.2 では,ブート操作の際のシステムのファームウェア・チェックが強化されている。 OpenVMS Alpha オペレーティング・システム CD-ROM をブートすると,システムはコンピュータ上で実行されているコンソール・ファームウェア (PALcode を含む) のバージョンを自動的にチェックするようになった。
InfoServer Service Listing (ISL) OpenVMS バージョン 7.2 では,システム管理者は Compaq InfoServer のサービスをより簡単に表示し,選択できるようになった。 サービス情報はサーバごとにグループ化され,アルファベット順に表示される。
LANCP コマンドによる ATM 上での Classical IP の管理 (Alpha システムのみ) Alpha システムでは,Define Device および Set Device に Classical IP のための新しい修飾子が追加され,/CLIP 修飾子に新しいキーワードが追加された。
MONITOR ユーティリティ: TCP/IP サポートの追加 Monitor ユーティリティが強化され,トランスポートとして TCP/IP (利用可能な場合) または DECnet のいずれかが使用できるようになった。
OpenVMS Cluster Systems OpenVMS Cluster の新機能は次のとおり。

新しい CIPCA アダプタのサポート OpenVMS バージョン 7.1 のリリース以降,新しい CIPCA アダプタの認定が行われてきた。
クラスタ単位の論理名 クラスタ単位の論理名サポートには,$TRNLNM および $GETSYI システム・サービス用の新しい属性と,OpenVMS Cluster の簡単なシステム管理を可能にする $CRELNT システム・サービスの動作の変更が含まれている。
クラスタ・インターコネクトとしての Gigabit イーサネット (Alpha システムのみ) Gigabit イーサネットは OpenVMS バージョン 7.1-2 用の OpenVMS Cluster インターコネクトとしてサポートされている。 OpenVMS バージョン 7.2 でも,リリース後間もなく同じサポートが利用できるようになる。
クラスタ内通信 (ICC) ICC システム・サービスは,クラスタ内通信の新しいアプリケーション・プログラミング・インタフェース (API) である。
ロック・マネージャの性能の改善 ロック・マネージャ・ソフトウェアの強化により,ロック・マネージャ要求を多数発行するアプリケーションの性能が改善される。 また,アプリケーションのスケーリングも改善される。
MEMORY CHANNEL MEMORY CHANNEL の強化により,より大規模な構成のサポート,新しい MEMORY CHANNEL ハードウェアのサポート,より堅牢な性能が実現された。
マルチパス SCSI のサポート (Alpha システムのみ) OpenVMS Alpha のマルチパス SCSI サポートでは,デバイスへのパスを同じデバイスへの別のパスにフェイルオーバする。 フェイルオーバは複数の直接接続された SCSI パス間で提供される。 直接接続された SCSI パスと MSCP でサービスされているパスの間のフェイルオーバは,OpenVMS バージョン 7.2 のリリース後間もなく利用できるようになる。 同じデバイスへ複数のパスがあると,そのデバイスの I/O 操作の可用性が増し,特定の構成では性能が向上する。

マルチパスのサポートは,並列 SCSI 構成で利用できる。OpenVMS バージョン 7.2 のリリース後間もなく,Fibre Channel 構成でもマルチパスのサポートが利用可能になる。

SCSI OpenVMS Cluster システムによる 4 ノードのサポート SCSIハブ DWZZH-05 の導入により,SCSI マルチホストの OpenVMS Cluster システムにおける最大ノード数が 3 から 4 に増加した。
Ultra SCSI 構成サポート OpenVMS バージョン 7.2 は,シングルホストおよびマルチホスト構成で Ultra SCSI 操作をサポートしている。
保証サポートと移行サポート OpenVMS Alpha バージョン 7.2 および OpenVMS VAX バージョン 7.2 では,複合バージョンと複合アーキテクチャに対して,保証と移行の 2 レベルのサポートを提供している。

OpenVMS Management Station OpenVMS Management Station は,複数の OpenVMS Cluster システムに渡るディスク・ストレージ装置の管理を容易にする。
OpenVMS レジストリ OpenVMS と Windows NT の相互運用のため,Compaq では OpenVMS 上でレジストリを提供している。
PCI Gigabit イーサネットのサポート (Alpha システムのみ) OpenVMS Alpha バージョン 7.2 では,Digital PCI-to-Gigabit イーサネット・アダプタのランタイム・サポートを提供している。 このアダプタは,データを 1 ギガビット/秒の速度 (Fast Ethernet アダプタの 10 倍の速度) で転送する新しいテクノロジを取り入れている。 Gigabit イーサネット技術は,今日のネットワークによるバックボーンおよびサーバ・レベルでの混雑を解決する。
PCSI 修飾子 OpenVMS バージョン 7.2 以降,POLYCENTER Software Installation (PCSI) ユーティリティには,多数の PRODUCT コマンドとともに使用できる 2 つの新しい修飾子がある。
RMS CONVERT ユーティリティの強化 OpenVMS V7.2 では,CONVERT ユーティリティがいくつかの点で強化されている。
SYSMAN RESERVED_MEMORY 連続するページ・フレーム番号(PFN)のブロックを予約するためのサブコマンドと修飾子が追加および変更されている。
システム・パラメータ OpenVMS Alphaバージョン7.2では,新しいシステム・パラメータをいくつか取り入れている。
テープ密度のサポートの強化 (Alpha システムのみ) テープ密度のサポートが強化されて,テープ装置でサポートされている任意の密度と圧縮が選択できるようになった。
TCP/IP サービス OpenVMS バージョン 7.2 では,DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS バージョン 5.0 がバージョン4.2 (UCX とも呼ばれる) に取って代わる。 バージョン 5.0 では,製品名が ULTRIX Connection (UCX) から DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS に変更されたときから始まった変更が完了する。 今回のリリースでは,新しいカーネルやゲートウェイ・ルーティング (GATED) デーモンのサポートを含めて,いくつかの新しい TCP/IP の機能が利用できるようになる。
西暦 2000 年対応 OpenVMS バージョン 7.2 には,OpenVMS バージョン 7.1 とバージョン 7.1-1H1 のキットで出荷された 2000 年対応のすべての機能強化が含まれている。 これらの 2000 年対応の機能強化は,OpenVMS の徹底的なテストを含め,OpenVMS オペレーティング・システム全体を対象とした厳密かつ包括的な分析の結果である。
プログラミング機能
新しいネットワーク・アダプタ (Alpha システムのみ) OpenVMS Alpha バージョン 7.2 では,次のアダプタが新たにサポートされている。
ATMWORKS 351 アダプタ (ATM ネットワーク上での通信)
DE500-BA アダプタと DE504-BA アダプタ (PCI イーサネット・ネットワーク経由での通信)
DE500-FA アダプタ (PCI FastEthernet ネットワーク経由での通信)
DEGPA-SA アダプタ (Alpha システムのみ - PCI Gigabit イーサネット・ネットワーク経由での通信)
クラスタ単位の論理名のサポート クラスタ単位の論理名のサポートとして,$TRNLNM および $GETSYI システム・サービスの新しい属性が追加され,$CRELNT システム・サービスの動作が変更された。
COM for OpenVMS COM (Component Object Model) は,開発者が分散ネットワーク・オブジェクトを作成できるようにする Microsoft 社の技術である。 DIGITAL と Microsoft は共同で COM の仕様を開発した。 最初は NetOLE (Network Object Linking and Embedding) としてリリースされ,のちに DCOM (Distributed COM) と改称された。 現在では,COM の仕様にネットワーク・オブジェクトが含まれる。 COM for OpenVMS は,COM のドラフト規格をサポートする Microsoft のコードのインプリメンテーションである。
共通ファイル修飾子ルーチン 新しい共通ファイル修飾子ルーチン (UTIL$CQUAL) を使用すると,特定のファイル属性に関連する修飾子についてコマンド行を解析し,処理中のファイルをコマンド行から検索した選択基準について照合することができる。
DECthreads DECthreads for OpenVMS バージョン 7.2 には,次のような新機能がある。

  • スタック・オーバフローの事前検出 - アプリケーションがスタック・オーバフロー状態をキャッチして,回復を試みたり,適切に終了できるようにするメモリの領域。

  • 読み込み/書き込みロック - 1 つのスレッドだけに書き込みアクセスを許可しておき,多数のスレッドにデータへの読み込み専用アクセスを同時に許可する。

  • デバッグ・サポートの改善
DIGITAL DCE Remote Procedure Call (RPC) OpenVMS バージョン 7.2 から,Remote Procedure Call (RPC) の機能はオペレーティング・システムに統合された。 RPC は,異機種システム上で動作しているアプリケーション内の個々のプロシージャを透過的に接続する手段を提供する。 アプリケーションは,RPC を使って,DIGITAL DCE または Microsoft RPC アプリケーションと相互運用を行うことができる。
Fast I/O とグローバル・セクション用のバッファ・オブジェクト (Alpha システムのみ) OpenVMS Alpha バージョン 7.2 では,VLM アプリケーションは,グローバル・セクションのプロセスで共用されているメモリについて Fast I/O を使用することができる。 OpenVMS Alpha の以前のバージョンでは,バッファ・オブジェクトは,プライベート仮想アドレス空間のプロセスについてのみ作成できた。
SCSI テープ装置での高速スキップ ユーザ作成のプログラムでテープ装置をアクセスする場合は,新しい修飾子 IO$M_ALLOWFAST を使用して,IO$_SKIPFILE 機能の動作を制御することができる。
Fast Path サポート (Alpha システムのみ) OpenVMS Alpha バージョン 7.1 から,Fast Path は CIXCD と CIPCA ポートのディスク I/O をサポートしている。
Hypersort ユーティリティ (Alpha システムのみ) OpenVMS バージョン 7.2 の Hypersort ユーティリティでは,次の機能をサポートしている。

  • スレッド

  • 索引順編成出力ファイル構成

  • 出力ファイルの重ね書き

  • 統計要約情報
クラスタ内通信 Intra-cluster communications (ICC) は,既存のプロセス間通信サービス (IPC) へのアプリケーション・プログラミング・インタフェース (API) を構成する新しいシステム・サービスを提供する。 これにより,アプリケーション・プログラム開発者は,1 つの OpenVMS Cluster 内の同じまたは異なるシステム上に存在する複数のプロセス間に接続を作成することができる。
Java Development Kit (Alpha システムのみ) Java Development Kit が OpenVMS オペレーティング・システムの標準コンポーネントになった。 このキットを使って,OpenVMS Alpha システム上で Java のアプレットおよびプログラムを開発し,実行することができる。
カーネル・スレッドの強化 (Alpha システムのみ) カーネル・スレッドが強化され,プロセス当たりのスレッドの数の増加,1 回の呼び出しですべてのカーネル・スレッドの基本優先順位を変更できる機能,スレッド・スタック・オーバフローの検出などがサポートされた。
OpenVMS デバッガの強化 OpenVMS バージョン 7.2 では,OpenVMS デバッガに次の機能が追加されている。

  • 新しいクライアント/サーバ・インタフェース - この新しいインタフェースにより,Windows ベースのクライアント・アプリケーションを使って,OpenVMS VAX または Alpha システム上に存在し,実行されているプログラムをデバッグすることができる。

  • C++ バージョン 5.5 以降のサポート (Alpha システムのみ) - OpenVMS バージョン 7.2 では,OpenVMS Alpha デバッガを使って C++ プログラムをデバッグすることができる。

  • 新しい DECthreads コマンド - DECthreads バージョン 3.13 以降を使用しているプログラムをデバッグしているときには,PTHREAD コマンドを使って DECthreads デバッガに直接アクセスすることができる。
OpenVMS RTL ルーチン LIB$GET_LOGICAL OpenVMS バージョン 7.2 では,RTL ルーチン LIB$GET_LOGICAL は,$TRNLNM システム・サービスへの効率的なアクセスを提供する。
レコード管理サービスの強化 OpenVMS バージョン 7.2 では,RMS が次のように強化された。

  • 協定世界時 (UTC) 形式のサポート - RMS と FAL は,ファイルの日付と時刻の情報の交換に,128 ビットの UTC 形式をサポートするようになった。

  • 新しいファイル長ヒント属性のサポート - RMS は,いくつかの条件が満たされれば,ユーザが項目リスト XAB を使用して取り出せるファイル長ヒント・データ (レコード・カウントとユーザ・データ・バイト・カウント) を保持するようになった。

  • Analyze/RMS_File ユーティリティの新しい修飾子 /UPDATE_HEADER が追加された。

  • RMS の項目リスト XAB (XABITM) のファイル・ユーザ特性について XAB$_UCHAR_PRESHELVED 項目が使用できるようになった。

  • グローバル・バッファの性能の強化 - RMS では,ハッシング付きのシーケンシャルなバッファ・ルックアップの代わりにグローバル・バッファ・ハッシングが採用され,グローバル・キャッシュ内でのルックアップの性能が改善された。
ソフト・アフィニティによるプロセスのスケジューリング (Alpha システムのみ) OpenVMS Alpha バージョン 7.2 では,ソフト・アフィニティのスケジューリング・アルゴリズムが改善されている。
セキュリティ機能 (Alpha システムのみ) OpenVMS バージョン 7.2 では,セキュリティが次のように変更された。

ペルソナのサポート Windows NT スタイルのセキュリティ・セマンティクスをサポートするために,$PERSONA システム・サービスに変更と追加が施されている。
スレッドごとのセキュリティ マルチスレッド・プロセス内の各実行スレッドが,個別のセキュリティ・プロファイルを持つことができる。

共用アドレス・データ (Alpha システムのみ) 共用アドレス・データを使用すると,イメージの起動の際のフィックスアップの CPU 時間と I/O を減らすことで,物理メモリを節約することができる。 共用イメージによって必要な物理メモリの量が削減されるので,性能が改善される。
System Dump Analyzer の強化 (Alpha システムのみ) OpenVMS バージョン 7.2 では,SDA が次のように強化されている。

  • SDA コマンドの強化 - SHOW および VALIDATE コマンドに新しい修飾子が多数追加された。

  • SDA CLUE Dump Off System Disk - SDA CLUE では,システム・ダンプ・ファイルを,システム・ディスク以外のデバイスに書き込めるようになった。

  • SDA の強化 - OpenVMS Alpha SDA エクステンションは,System Dump Analyzer に新しいルーチンを追加する。
システム・サービス OpenVMS バージョン 7.2 をサポートするために,いくつかの新しいシステム・サービスが追加され,いくつかのシステム・サービスが変更された。
Compaq Galaxy Software Architecture on OpenVMS Alpha
Compaq Galaxy Software Architecture (Alpha システムのみ) OpenVMS Alpha バージョン 7.2 では,複数の OpenVMS のインスタンスが 1 台のコンピュータ上で協調的に動作できるコンピューティング・モデルが導入されている。 Adaptive Partitioned Multiprocessing (APMP) により,複数のプロセッサ (およびその他の物理リソース) が,オペレーティング・システムの複数のインスタンスを実行できるように,複数のグループに分割される。
OpenVMS システム・メッセージ
新しいシステム・メッセージ システムが完全に機能するようになるまで,つまり,Help Message データベースにアクセスできるようになる前に表示される可能性のある新しいメッセージを,アルファベット順に付録に掲載している。


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