[ 前のページ ]
[ 次のページ ]
[ 目次 ]
[ 索引 ]
[ DOC Home ]
VAXシステムでは,Crash Log Utility Extractor (CLUE)を使用することにより, クラッシュ履歴ファイルの内容を表示することができます。 クラッシュ履歴ファイルは,CLUEによって作成および更新されるファイルであり, クラッシュ・ダンプ・ファイルから抽出した重要なパラメータが格納されます。 クラッシュ・ダンプはシステム障害(クラッシュ) が発生するたびに上書きされるため,通常は最後に発生した障害に対してのみ有効ですが, クラッシュ履歴ファイルはシステム障害を永続的に記録したファイルです。CLUE/DISPLAY コマンドを使用してクラッシュ履歴ファイルの内容を確認すれば, クラッシュの原因を突き止め,解決するのに役立ち, また,その他にも役立つデータを入手できます。
Alphaシステムでは,CLUEと同様の機能をSystem Dump Analyzer (SDA) ユーティリティのコマンドによって行うことができます。詳細については, 『OpenVMS Alpha System Dump Analyzer Utility Manual』を参照してください。
システム障害が発生すると,物理メモリの内容はクラッシュ・ ダンプ・ファイルにコピーされ,CLUEは関連パラメータをCLUE$OUTPUT:CLUE$HISTORY.DATA という名前のファイルに自動的に追加します。CLUE を使用すれば,このファイルに記録されたデータを表示し, 確認できます。
CLUE /DISPLAY
$ CLUE :== $CLUE
CLUEを起動するには,CLUE/DISPLAYコマンドを使用します。CLUEを終了するには,CLUE_DISPLAY> プロンプトに対してEXITコマンドを入力するか, またはCtrl/Zを押します。
次の例に示すように,CLUE/DISPLAYコマンドはDCLレベルから直接入力することもできます。
$ CLUE/DISPLAY = DIR/TYPE=INVEXCEPTN/SINCE=21-NOV-1998/OUT=CLUE.LIS
この節では,CLUE /DISPLAYコマンドについて説明し,使用例を示します。 あいまいにならない範囲内であれば,コマンド,キーワード,修飾子は短縮できます。 ユーザ名,ノード名,UICを指定する場合,アスタリスクとパーセント記号をワイルドカード文字として使用できます。
次の表は,この節で説明するコマンドを示しています。
コマンド | 説明 |
---|---|
DELETE | クラッシュ履歴ファイルからエントリを削除する。 |
DIRECTORY | クラッシュ履歴ファイルからエントリのリストを表示する。 |
EXIT | CLUEを終了する。 |
EXTRACT | クラッシュ履歴ファイル内のエントリからデータをファイルに書き込む。 |
HELP | CLUE/DISPLAYコマンドに関するオンライン・ ヘルプを表示する。 |
SHOW | クラッシュ履歴ファイル内のエントリの特定の情報を表示する。 |
リストからエントリを削除し,残りのエントリをバイナリ・ファイルに書き込みます。
DELETE n
CLUE_DISPLAY> DELETE 44番目のエントリを削除します。
クラッシュ履歴ファイル内の各エントリを簡略形式で表示します。
DIRECTORY
DIRECTORYコマンドに1つ以上の修飾子を指定すれば,表示するクラッシュ・ エントリを制限できます。また,同じコマンド行に複数の修飾子を指定できます。 たとえば,DIRECTORY/SINCE=18-APR-1998/MODULE=NETACPコマンドを使用した場合には,1998 年4月18日以降に発生し,モジュールがNETACP であるクラッシュ・エントリだけが表示されます。
CLUE_DISPLAY> DIRECTORYこの例では,クラッシュ履歴ファイル内のすべてのエントリが表示されます。# Time Type Process name Module Offset ==== ========== ============ ====== ====== 1 11-JUL-1998 09:07:45.78 INVEXCEPTN batman NETACP 14B9 2 01-JAN-1998 11:32:55.23 SSRVEXCEPT startrek SYSLOA 10A8 3 15-MAY-1998 07:26:12.34 BADFID evolushun NONE NONE 4 22-APR-1998 10:45:20.60 INVEXCEPTN aprocess IOBUF 015D
CLUE_DISPLAY> DIRECTORY /MODULE=SYSLOAこの例では,モジュールがSYSLOAであるエントリが表示されます。# Time Type Process name Module Offset ==== ========== ============ ====== ====== 2 01-JAN-1998 11:32:55.23 SSRVEXCEPT startrek SYSLOA 10A8
CLUEを終了します。
EXIT
CLUE_DISPLAY> EXIT $この例はCLUEを終了します。
クラッシュ履歴ファイル内のエントリから,すべてのデータをASCIIファイルまたはバイナリ・ ファイルに書き込みます。
EXTRACT n
CLUE_DISPLAY> EXTRACT 3 /OUTPUT=15MAYCRASH.TXTこのコマンドでは,クラッシュ履歴ファイル内のエントリ番号3のデータが15MAYCRASH.TXT という名前のASCIIファイルに書き込まれます。
CLUEコマンドに関するオンライン・ヘルプを表示します。
HELP [コマンド]
CLUE_DISPLAY> HELP DIRECTORYこのコマンドでは,CLUEのDIRECTORYコマンドのオンライン・ヘルプが表示されます。
クラッシュ履歴ファイル内のエントリの情報を表示します。
SHOW 情報タイプn
SDAコマンドについて詳しい説明は,『OpenVMS VAX System Dump Analyzer Utility Manual 』を参照してください。
クラッシュ番号を指定しなかった場合には,クラッシュ履歴ファイル内で最新のエントリの情報が表示されます。 しかし,情報タイプに対してキーワードを1 つ,必ず指定しなければなりません。
クラッシュ履歴リストから特定のエントリを要求した場合には(SHOW nコマンドを使用して) ,弊社のサポート要員だけが解釈できる一部のパラメータも表示されます。
CLUE_DISPLAY> SHOW ISTREAM 4この例では,クラッシュ履歴ファイルのエントリ番号4に関して,障害が発生したPC の前後の命令ストリーム情報が表示されます。Instructions around the failing PC: 80A9F841 RSB 80A9F842 BUG_CHECK #019C 80A9F846 BUG_CHECK #019C 80A9F84A PUSHL R4 80A9F84C MOVL R5,R4 80A9F84F BEQL 00002C88 80A9F851 JSB @#-7FFFCC48 80A9F857 MOVL (SP)+,R4 80A9F85A RSB 80A9F85B BUG_CHECK #019C PC->80A9F85F BUG_CHECK #019C => CLUSTRLOA + 09B6F 80A9F863 MOVL #00,R1 80A9F866 MOVB #01,R0 80A9F869 RSB 80A9F86A INCL 00002301 80A9F86E TSTW 000022FF 80A9F872 BLSS 00002CA5
CLUE_DISPLAY> SHOW CRASH 4この例では,障害が発生した時刻のシステムの状態情報が表示されます。 このコマンドからの実際の出力には,この例に示した情報より重要な情報が表示されることもあります。Time of system crash: 21-MAR-1998 15:21:33.72 Version of system: VAX/VMS VERSION V7.0 System Version Major ID/Minor ID: 1/0 VAXcluster node: HERMES, a VAX 6000-420 Crash CPU ID/Primary CPU ID: 03/01 Bitmask of CPUs active/available: 0000000A/0000000A CPU bugcheck codes: CPU 03 INCONSTATE 1 other CPUEXIT Current Process name: OPCOM Current IPL: 8 CPU database address: 801AA000 General registers: R0 = 80A9F85B R1 = 00000002 R2 = 80A15B08 R3 = 00010008 R4 = 80A15AD0 R5 = 00000000 R6 = 00000001 R7 = 00000042 R8 = 00022520 R9 = 00020F18 R10 = 00021000 R11 = 00020EC0 . . .
[ 前のページ ]
[ 次のページ ]
[ 目次 ]
[ 索引 ]
[ DOC Home ]