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この章では,コントロール・コードやエスケープ・シーケンスを含んだテキスト・ データを解釈して,PostScriptに変換する,テキスト・トランスレータについて説明します。
日本語DECprint製品群では,従来のプリンタ装置に出力していたテキスト・ ファイルを,ユーザがPostScriptを意識せずに,従来のプリンタ装置と同様のインターフェイスで出力できるように, 以下の4種のデータ・タイプをサポートしています。 これらの4種類のデータ・タイプは,弊社が提供している実際のプリンタ装置と対応しています。 データ・タイプを適当に選択することによって, たとえば,従来漢字LA86に出力していたテキスト・ ファイルを,内容を変更することなしに日本語PostScriptプリンタに出力することができます。 機能の詳細な違いは次節以降で説明しますので, ここではおおまかな相違点のみを説明します。
弊社のLN03およびDEClaser2100/2200プリンタに対応したインターフェイスを提供します。 すなわち,ISO/ANSI標準のコントロール機能により, 文字セット,フォント,タブ,マージン,文字間隔/行間隔などを変えたり, 文字列に対してアンダーライン,反転,網掛けなどの属性を指定することができます。 このデータ・タイプでの機能はKANJIデータ・ タイプと同じですが,初期状態での文字セット,フォント,文字間隔などが異なります。 たとえば,このデータ・タイプでの初期文字セットは,ASCII とDECサプリメンタル文字セットです。初期状態の詳細は 付録 C "テキスト・ トランスレータの初期設定値" を参照してください。また, 英語版ANSIトランスレータとの違いは,第2.2 節"拡張された機能" で説明します。
弊社の漢字LN03およびDEClaser2300(漢字LN05)レーザ・プリンタに対応したインターフェイスを提供します。 より正確には,DEClaser2300 のLN05モードに対応したインターフェイスです。機能はANSIデータ・ タイプと同じですが,初期状態が異なります。たとえば,このデータ・ タイプでの初期文字セットはJISローマ字とDEC漢字です。初期状態の詳細は 付録 C "テキスト・ トランスレータの初期設定値" を参照してください。
弊社の漢字LN03およびDEClaser2300レーザ・プリンタに対応したインターフェイスを提供します。KANJI データ・タイプとの違いは, KANJIデータ・タイプがDEC漢字1983年版をサポートするのに対して, KANJI78はDEC漢字1978年版をサポートすることです。その他の機能には違いはありません。
弊社の漢字LA86ドットインパクト・プリンタに対応したインターフェイスを提供します。 正確には,DEClaser2300のLA86モードに対応したインターフェイスです。DEC 漢字1983年版をサポートします。
ANSIデータ・タイプ,KANJIデータ・タイプとの違いは,第2.2節で説明します。
これらのデータ・タイプでサポートされる命令(エスケープ・シーケンス, コントロール・シーケンス)の一覧を付録 A に示します。
日本語テキスト・トランスレータは英語版のANSIトランスレータを日本語のために拡張したものです。 ここではこのANSIトランスレータとの相違を,4 つのデータ・タイプごとに説明します。ここで説明されていない部分については英語版ANSI トランスレータと同じなので,次の2冊,
「Digital ANSI-Compliant Printing Protocol Level 3 Programming Reference Manual」
「Digital ANSI-Compliant Printing Protocol Level 3 Programming Supplement」
を参照してください。
以下の項目が拡張されています。
日本語フォントとして以下のフォントがサポートされています。
ANSIおよびKANJIデータ・タイプでサポートされる,すべてのフォントのフォントID とサンプル文字列を付録 Bに示します。
文字セット指示命令SCS(Select Character Set)でサポートされる文字セットとして,JIS カタカナ・セットとDEC漢字指示セットが追加されています。DEC 漢字指示セットについては,「DEC漢字コード表」(AA- A056C-TE-JO)を参照してください。それ以外の文字セットのコード表は「Digital ANSI-Compliant Printing Protocol Level 3 Programming Reference Manual」のAppendix Aを参照してください。
JISカタカナは標準の94文字セットのSCSシーケンスを用いてG0,G1, G2,G3 のいずれかのコード・テーブルに指示(designate)することができます。 文字セット識別コードは"I"(4/9)です。
漢字を使用するときは必ず,DEC漢字指示セットがG3コード・テーブルに指示(designate) されていなければなりません。以下のシーケンスは, すべてDEC漢字指示セットをG3コード・テーブルに指示します。G3 に指示された漢字セットは通常の文字セットの呼び出し(invoke)と同様に,GL またはGRコード・テーブルに呼びだして用います。
ESC 1/11 | $ 2/4 | + 2/11 | 3 3/3 | DEC漢字指示セット1983年版 |
ESC 1/11 | $ 2/4 | + 2/11 | B 4/2 | JISX0208漢字指示セット1983年版 |
以下の1978年版の指示シーケンスもサポートします。ただし,実際に指示されるのは1983 年版です。
ESC 1/11 | $ 2/4 | + 2/11 | 1 3/1 | DEC漢字指示セット1978年版(新コマンド) |
ESC 1/11 | $ 2/4 | + 2/11 | @ 4/0 | JISX0208漢字セット1978年版 |
ESC 1/11 | + 2/11 | " 2/2 | 0 3/0 | DEC漢字指示セット1978年版(旧コマンド) |
DEC漢字1978年版は,KANJI78データ・タイプでサポートされています。
DEC漢字1983年版では,DEC拡張罫線文字(コードFE21〜FE2B(16進))はサポートされません。
フォントがタイプ・ファミリで指定されているときには,文字サイズ変更命令GSM (Graphic Size Modification) を用いて,いわゆる横倍角,縦倍角,4 倍角文字(縦横倍角)が出力できます。
GSMでは文字の高さと幅の2つのパラメータを指定できますが,どちらのパラメータも, 現在有効なフォントのタイプ・サイズを基準にして,拡大率を百分率で指定します。 指定された大きさに該当するフォントが存在しない場合, その大きさよりも小さくて最も近いフォントを選びます。このとき, 既存のフォントの高さや幅を2倍に拡大すると目的のサイズに近いフォントが得られる場合,GSM は倍角文字を生成します。以下に例を示します。
CSI 200 ; 100 SP B
9/11 3/11 2/0 4/2
DEC BUILTIN1ファミリで,10ポイント・フォントが現在有効なとき, 上記のGSM命令に続くテキストは10ポイント・フォントが縦に2倍に拡大されたものになります。DEC BUILTIN1 ファミリの10ポイント・フォントでは,10, 10.3, 12, 15cpi ( 文字/インチ)といった複数のフォントが存在しますが,10cpi が,10ポイントの場合の文字幅100%を意味します。
CSI 100 ; 200 SP B
同じくDEC BUILTIN1ファミリで,10ポイント・フォントが現在有効なとき, 上記のGSM命令に続くテキストは10ポイント10cpiフォントが横に2 倍に拡大されたものになります。すなわち,5cpiになります。
CSI 100 ; 140 SP B
同じくDEC BUILTIN1ファミリで,10ポイント・フォントが現在有効なとき, 上記のGSM命令に続くテキストは10ポイント15cpiフォントが横に2 倍に拡大されたものになります。10cpiを100%の文字間隔とすると, ここで指定した文字幅パラメータ140%という値は約7.1cpiになり, このようなフォントは存在しません。そこで7.1cpiより文字幅が小さくて最も近いフォントを探しますが,15cpi フォントの横倍角が7.5cpi ですので,このフォントが選ばれます。
CSI 200 ; 200 SP B
縦も横も2倍に拡大されたものを4倍角といいます。DEC BUILTIN1ファミリで,10 ポイント・フォントが現在有効なとき,上記のGSM命令に続くテキストは10 ポイント10cpiフォントが縦横に2倍に拡大されたものになります。
フォントがタイプ・ファミリで指定されていて,文字ピッチが現在有効なフォントの本来の文字ピッチから決まるのではない時, すなわち文字ピッチが明示的に指定されている時,DEC 漢字(2バイト文字セット)は常に1バイト文字セットの半分の文字ピッチで, すなわち倍の文字間隔で出力されます。 これがいわゆる全角/半角の文字関係です。
さらに,既存の漢字プリンタとの互換性のために,文字ピッチ指定命令, DECSHORP (Set Horizontal Pitch)に6.38cpiが追加されました。
CSI Ps w
9/11 7/7
Ps | cpi |
---|---|
0 | 現在有効なフォントの文字ピッチ |
1 | 10文字/インチ |
2 | 12文字/インチ |
3 | 13.2文字/インチ |
4 | 16.5文字/インチ |
5 | 5文字/インチ |
6 | 6文字/インチ |
7 | 6.6文字/インチ |
8 | 8.25文字/インチ |
9 | 15文字/インチ |
10 | 12.77文字/インチ |
11 | 17.1文字/インチ,または6.38文字/インチ |
12 | 8.55文字/インチ |
13 | 18.0文字/インチ |
14 | 9.0文字/インチ |
15 | 10.3文字/インチ |
16 | 6.38文字/インチ |
Psが11のとき,ANSIデータ・タイプでは17.1cpiに,KANJI,KANJI78, LA_KANJIデータ・タイプでは6.38cpiになります。これは漢字LN03等との互換性を維持するための処理です。 将来,Psの11はどのデータ・タイプでもすべて17.1cpi として解釈されるようになる予定です。6.38cpiを使う場合は,Ps を16にしてください。
文字属性指定命令,SGR(Select Graphic Rendition)に反転,網掛けが追加されました。
CSI Ps ; ...;Ps m
9/11 3/11 6/13
Ps | 文字属性 |
---|---|
0 | すべての属性解除 |
1 | 太字(ボールド) |
2 | 細字 |
3 | 斜体(イタリック) |
4 | 下線(アンダーライン) |
?4 | スーパースクリプト(上付き) |
?5 | サブスクリプト(下付き) |
?6 | 上線(オーバーライン) |
7 | 白黒反転 |
?7 | 網掛け |
9 | 消去線(ストライクスルー) |
10から19 | フォント選択 |
21 | 二重下線 |
22 | 太字/細字解除 |
23 | 斜体解除 |
24 | 下線/二重下線解除 |
?24 | スーパースクリプト/サブスクリプト解除 |
?26 | 上線解除 |
27 | 白黒反転解除 |
29 | 消去線解除 |
漢字縦書き指定命令,DECKVPM(Kanji Vertical Printing Mode)を用いて,DEC 漢字(2バイト文字)を縦書きにすることができます。この命令を生成した次のページから縦書きになります。 縦書きの解除は,縦書き解除命令によって行います。 縦書きの解除も,命令を生成した次のページから有効になります。
この命令では,印字方向と印字開始位置の両方が変更されるので, ページのオリエンテーションは変化しません。図 2-1 を参照してください。
CSI 9/11 | ? 3/15 | 7 3/7 | 5 3/5 | h 6/8 | 縦書き指定 |
CSI 9/11 | ? 3/15 | 7 3/7 | 5 3/5 | 1 6/12 | 縦書き解除 |
フォーム・オーバーレイとは,あらかじめ見出しや罫線などのフォーム・ データをトランスレータに登録し,後で入力したデータを重ねて印刷する機能です。 フォームの登録および設定は,以下のシーケンスを使用します。
フォーム・データには,見出しなどに使用する文字の他,直線(DECVEC)や印刷位置設定(VPA など)のシーケンスを含めることができます。ただし, フォームに重ねて印刷するデータと区別するために,フォーム・データはシクセル形式で登録します。 フォーム・データは,ジョブごとに最高16ページまで登録して使用することができます。DECLKF および,DECKSPPのシーケンスを以下に示します。
0 | = ページ番号1 |
1-16 | = ページ番号1-16 |
Pn2: フォーム・データ削除(省略時0)
0 | = 登録済みのフォーム・データを全て削除 |
1 | = 登録するページのフォーム・データのみ削除 |
(ロックされているデータは,削除することができない) |
Pn3: フォーム・データ ロック(省略時0)
0 | = ロックする( 以後発行するDECLKFを無視する) |
1 | = ロックしない |
D....D: フォーム・データ(シクセル形式)
0 | = フォーム・オーバーレイを解除 |
1-16 | = ページ番号Psのフォーム・データを使用してオーバーレイを行う |
DECの他の漢字プリンタと同様に,ユーザ定義文字を印字することができます。 以下に,VMSとULTRIXでのユーザ定義文字の利用方法を示します。
日本語VMSではユーザ定義文字の作成,管理のために,FEDITユーティリティを提供していますが, 日本語VMS V5.5ではさらにCHARACTER_MANAGERユーティリティV2.0 ( 以下CMGRユーティリティと記述します)も提供されるようになりました。 このため,テキスト・トランスレータは,DEC拡張漢字領域の文字コードに遭遇した場合, そのときのシステム環境によって, 以下のような動作を行います。
JSY$SYSTEM:TRN$KANJI_FONT_MINCHO40.DAT 明朝体40×40ドット
JSY$SYSTEM:TRN$KANJI_FONT_MINCHO32.DAT 明朝体32×32ドット
JSY$SYSTEM:TRN$KANJI_FONT_GOTHIC40.DAT ゴシック体40×40ドット
テキスト・トランスレータが遭遇したユーザ定義文字の文字コードに対応する字形が登録されていれば, その文字が印字されます。該当する文字が登録されていないか, 該当するフォント・ファイルが存在しない場合,逆クエスチョンマークが印字されます。
ユーザ定義文字の作成は,CMGRユーティリティか,またはFEDITユーティリティを使用します。CMGR ユーティリティの使用方法に関しては,『フォント管理ユーティリティ利用者の手引き』第5 章および付録Aを参照してください。 また,FEDITユーティリティの使用方法に関しては,『日本語VMS 漢字フォント・ユーティリティ利用者の手引き』第9章または,『フォント管理ユーティリティ利用者の手引き』付録C を参照してください。
CMGRユーティリティでは,システム・フォント・データベースとしてCMGR_DEFAULT とGOTHICの2つが提供されます。テキスト・トランスレータは, 明朝体としてCMGR_DEFAULTデータベース(40×40ドット,32×32ドット) を,またゴシック体としてGOTHICデータベース(40×40ドット)を使用します。 これ以外のデータベース名およびサイズで登録されているユーザ定義文字を使用することはできません。
2. FEDITユーティリティによるユーザ定義文字の使用方法
FEDITユーティリティで作成したフォント・ファイルはシーケンシャル・ ファイルですが,テキスト・トランスレータで利用するためには, CONVERTユーティリティで漢字コードをキーとしたインデクス・ファイルに変換する必要があります。 日本語DECprint プリンティング・サービスでは,この変換のためのFDLファイルを提供します。 ファイル名はSYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.CPS]TRN$KANJI_CONVERT.FDL です。以下に,ユーザ定義文字を使用できるようにするまでの流れを,例をとって説明します。
$ CONVERT/FDL=SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.CPS]TRN$KANJI_CONVERT - KANJI_FILE.TMP JSY$SYSTEM:TRN$KANJI_FONT_MINCHO40.DAT
これだけで,定義した文字が使えるようになります。
つぎに,FEDITユーティリティによる外字機能から,CMGRユーティリティによる外字機能への移行方法について説明します。
JSY$SYSTEM:TRN$KANJI_FONT_MINCHO40.DAT 明朝体40×40ドット
JSY$SYSTEM:TRN$KANJI_FONT_MINCHO32.DAT 明朝体32×32ドット
JSY$SYSTEM:TRN$KANJI_FONT_GOTHIC40.DAT ゴシック体40×40ドット
日本語DECprintプリンティング・サービスでは,この変換のためのFDL ファイルを堤供します。ファイル名は, SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.CPS]TRN$CMGR_CONVERT.FDL です。この例では,明朝体40×40ドットのフォント・ファイルをシーケンシャル・ ファイルに変換し,KANJI_FILE.TMPに出力します。
$ CONVERT/FDL=SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.CPS]TRN$KANJI_CONVERT.FDL - JSY$SYSTEM:TRN$KANJI_FONT_MINCHO40.DAT KANJI_FILE.TMP
注意
$ CHARACTER_MANAGER CONVERT FONT_FILE KANJI_FILE.TMP KANJI_FILE.PRE
$ CHARACTER_MANAGER SET DATABASE CMGR_DEFAULT
$ CHARACTER_MANAGER UPDATE/SIZE=40 KANJI_FILE.PRE
日本語ULTRIX/UWSでは,テキスト・トランスレータはDEC拡張漢字領域の文字コードに遭遇すると, そのときの漢字フォントに対応して,以下のフォント・ ファイルを探します。
/usr/jsy/etc/trn_kanji_font_mincho40.{dir,pag} 明朝体40×40ドット
/usr/jsy/etc/trn_kanji_font_mincho32.{dir,pag} 明朝体32×32ドット
/usr/jsy/etc/trn_kanji_font_gothic40.{dir,pag} ゴシック体40×40ドット
このファイルの中に,該当する文字コードの字形が登録されていればその文字を印字します。 該当する文字が登録されていないか,該当するフォント・ ファイルが存在しない場合,逆クエスチョンマークが印字されます。
ユーザ定義文字の作成は日本語ULTRIXでサポートされているfeditユーティリティを用います。fedit ユーティリティの使用方法に関しては, 『日本語ULTRIXリファレンス・マニュアル』fedit(1)を参照してください。fedit ユーティリティで作成したフォント・ファイルはシーケンシャル・ ファイルですが,テキスト・トランスレータで利用するためには, lpsfgen(8)ユーティリティで漢字コードをキーとしてハッシュをかける必要があります。 以下に,ユーザ定義文字を使用できるようにするまでの流れを, 例をとって説明します。
# /usr/jsy/etc/lpsfgen kanji_file.tmp mincho40
既存の日本語プリンタとの互換性のために,sixelモードのマクロパラメータ(Ps1) として,グリッド・サイズ0.0056, 0.0167, 0.0111が追加されています。
DCS Ps1 ; Ps2 ; Ps3 q picture_definition ST
9/0 3/11 7/1 9/12
Ps1 | 水平グリッド・サイズ | 解像度 縦:横 | 垂直グリッド・サイズ |
---|---|---|---|
0 | 0.0067インチ | 200:100 | 0.0133インチ |
1 | 0.0067インチ | 200:100 | 0.0133インチ |
2 | 0.003インチ | 450:100 | 0.0133インチ |
3 | 0.0045インチ | 300:100 | 0.0133インチ |
4 | 0.0053インチ | 250:100 | 0.0133インチ |
5 | 0.0075インチ | 183:100 | 0.0133インチ |
6 | 0.009インチ | 150:100 | 0.0133インチ |
7 | 0.0105インチ | 130:100 | 0.0133インチ |
8 | 0.0120インチ | 112:100 | 0.0133インチ |
9 | 0.0153インチ | 100:100 | 0.0133インチ |
10 | 0.0056インチ | 100:100 | 0.0056インチ |
11 | 0.0167インチ | 100:100 | 0.0167インチ |
12 | 0.0111インチ | 150:100 | 0.0167インチ |
KANJIデータ・タイプは,DEClaser2300レーザ・プリンタの基本モードであるLN05 モードとの互換性を保つように,日本語拡張版ANSIトランスレータの初期状態を変更したものです。 使用できる命令(コントロール・コード, コントロール・シーケンス,エスケープ・シーケンス)およびその機能においては, 拡張ANSIデータ・タイプとの違いはありません。
表 2-4に初期状態での主な相違点を示します。 詳しくは,付録 C " テキスト・ トランスレータの初期設定値" を参照してください。
ANSI | KANJI | |
---|---|---|
文字セット | ||
GL, | ASCII | JISローマ字 |
GR, | DECサプリメンタル | DEC漢字指示 |
G0, | ASCII | JISローマ字 |
G1, | ASCII | VT100ラインドローディング |
G2, | DECサプリメンタル | JISカタカナ |
G3, | DECサプリメンタル (厳密には,DECサプリメンタルはUser Preferenceセットとして指定されている) | DEC漢字指示 |
フォント | SGR 10 =DEC BUILTIN 1 | SGR 10 =DEC BUILTIN 1 (同じタイプ・ファミリだが,初期文字ピッチが異なるので使用されるフォントも異なる。 実際はANSIではクーリエ書体になり,KANJIでは明朝体になる) |
SGR17 | DEC BUILTIN 1ファミリ | 明朝体10ポイント |
SGR18 | DEC BUILTIN 1ファミリ | 明朝体8ポイント(パラメータ17,18以外のフォント割当ての初期設定値は同じ) |
ポートレートでの文字ピッチ | 10 cpi(フォントの値) | 12.77 cpi(固定) |
DECSHORP 11 | 17.1 cpi | 6.38 cpi |
KANJI78データ・タイプは,1978年版DEC漢字コードをサポートするために, 提供しているものです。DEC漢字コード以外の機能に関しては,KANJI と変わりありません。以下の文字セット指示シーケンスは,すべてDEC漢字1978 年版をG3コード・テーブルに指示します。
ESC | $ | + | 1 |
1/11 | 2/4 | 2/11 | 3/1 |
ESC | $ | + | @ |
1/11 | 2/4 | 2/11 | 4/0 |
ESC | + | " | 0 |
1/11 | 2/11 | 2/2 | 3/0 |
ESC | $ | + | 3 |
1/11 | 2/4 | 2/11 | 3/3 |
ESC | $ | + | B |
1/11 | 2/4 | 2/11 | 4/2 |
KANJI78データ・タイプは,DEC漢字1983年版文字セットを用いて,DEC漢字1978 年版文字セットを表現しています。1983年版で文字コードが変わったものについては,1978 年版のコードを変換して,同じ文字が出力されるようにしていますが,1983 年版で字形が変わった文字もあるため,完全には1978 年版と同一にならない場合があります。付録 E "JIS漢字1978年版と1983年版の違い" を参照してください。
LA_KANJIデータ・タイプは,漢字LA86/LA280/LA380プリンタおよび漢字LN03/LN05 レーザプリンタのLA86モードとの互換機能を提供します。この節ではANSI およびKANJIとの相違点を説明します。
KANJIデータ・タイプと同様に,LA_KANJIデータ・タイプでは,DEC漢字1983 年版のみをサポートします。
LA_KANJIでの縦書きは,文字属性指定命令(SGR)のパラメータ10/11で行います。 縦書き指定命令(DECKVPM)はLA_KANJIでは無視されます。初期状態は横書き(SGR パラメータ=10)です。
Ps | 意味 |
---|---|
10 | 縦書き解除 |
11 | 縦書き |
12から19 | 無視されます |
このSGRでの縦書き指定/解除は,DECKVPMとは異なり,印字方向も印字開始位置も変えません。DEC 漢字(2バイト・コード)だけが,左に90度回転させられたようにみえます。 さらに,DECKVPMと異なり,命令指定時点からすぐに有効になります。 図 2-2を参照してください。
LA_KANJIでは,文字サイズ変更命令(GSM)のパラメータ値として,100または200 のみが有効です。パラメータ値200が指定されると,文字を縦または横に倍に拡大します。 すでに倍角になっている場合はさらに倍にはなりません。LA_KANJI では,GSMの他に,文字ピッチ指定命令(DECSHORP),行拡大命令(DECDWL ,DECDHLT,DECDHLB)を使用しても倍角文字が表示できます。
文字ピッチ指定命令(DECSHORP)はANSIおよびKANJIのDECSHORPとは機能が異なり, フォントの変更と横倍角の選択ができます。ポートレート・ オリエンテーションとランドスケープ・オリエンテーションで,使用されるフォントは変わります。 表 2-5と表 2-6 をご覧ください。
Ps | cpi | 使用されるフォント | ||
---|---|---|---|---|
0 | 10文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 10ポイント | 10cpi |
1 | 10文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 10ポイント | 10cpi |
2 | 12文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 10ポイント | 12cpi |
3 | 13.2文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 10ポイント | 15cpi |
4 | 16.5文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 8ポイント | 18.75cpi |
5 | 5文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 10ポイント | 10cpi横倍角 |
6 | 6文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 10ポイント | 12cpi横倍角 |
7 | 6.6文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 10ポイント | 15cpi横倍角 |
8 | 8.25文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 8ポイント | 18.75cpi横倍角 |
9 | 15文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 10ポイント | 15cpi |
10 | 12.77文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 10ポイント | 15cpi |
11 | 6.38文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 10ポイント | 15cpi横倍角 |
12 | 8.55文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 8ポイント | 18.75cpi横倍角 |
13 | 18文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 8ポイント | 18.75cpi |
14 | 9文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 8ポイント | 18.75cpi横倍角 |
15 | 10.3文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 10ポイント | 10.3cpi |
16 | 6.38文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 10ポイント | 15cpi横倍角 |
Ps | cpi | 使用されるフォント | ||
---|---|---|---|---|
0 | 13.6文字/インチ | DEC BUILTIN1 | 6.7ポイント | 13.6cpi(フォントの値) |
1 | 10文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi |
2 | 12文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi |
3 | 13.2文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi |
4 | 16.5文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi |
5 | 5文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi横倍角 |
6 | 6文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi横倍角 |
7 | 6.6文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi横倍角 |
8 | 8.25文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi横倍角 |
9 | 15文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi |
10 | 12.77文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi |
11 | 6.38文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi横倍角 |
12 | 8.55文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi |
13 | 18文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi |
14 | 9文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi |
15 | 10.3文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi |
16 | 6.38文字/インチ | DEC BUILTIN 1 | 6.7ポイント | 13.6cpi横倍角 |
LA_KANJIでは,VTシリーズ・ビデオ端末の機能である4つの行拡大命令をサポートしています。
DECDHLT | ESC 1/11 |
# 2/3 |
3 3/3 |
4倍角文字(この行のみ有効) |
DECDHLB | ESC 1/11 |
# 2/3 |
4 3/4 |
空白行(この行のみ有効) |
DECSWL | ESC 1/11 |
# 2/3 |
5 3/5 |
倍角解除(この行のみ有効) |
DECDWL | ESC 1/11 |
# 2/3 |
6 3/6 |
横倍角文字(この行のみ有効) |
LA_KANJIでは行ピッチ指定命令のパラメータ値0は,6行/インチです。一方,ANSI およびKANJIではパラメータ値0は,現在有効なフォントの持つ行間隔の値を反映させます。
データ・タイプはいずれも,既存のDEC社のプリンタ製品との互換性を保つようにしていますが, いくつかの相違点もあります。ここでは, データ・タイプごとに,対応するプリンタとの機能の違いを述べます。ANSI データ・タイプと他の英語版プリンタとの違いは「Digital ANSI-Compliant Printing Protocol Level 3 Programming Supplement」で述べられていますので, ここでは弊社の漢字プリンタとの違いのみを述べます。
KANJIデータ・タイプは,DEClaser2300レーザ・プリンタのLN05モードに対応しています。 表 2-7に両者の相違点を示します。
相違点 | 漢字LN05 | KANJI |
---|---|---|
紙サイズ | A4,B4,B5,*A5,*官製はがき,*自由(*手差しのみ) | A3,A4,A5,B4,B5レター,リーガル,B(11"×17"),エグゼクティブ(7.5"×10.5") |
ページ・オリエンテーション | 1. PFS/DECVPFS命令で設定 2.ハードウェアのSET_UPで設定 |
1. PFS/DECVPFS命令による 2. PRINTコマンドのパラメータ(PAGE_ORIENTATIONによる。 トランスレータのランドスケープ・オリエンテーションでは, 文字サイズなどの初期設定値がポートレート・オリエンテーションとは異なる) |
オートラップ/トランケート | 1. DECAWMモードで設定 2. SET_UPで設定 3.フォーム定義で設定 |
1. DECAWMモードによる 2.初期設定は必ずオートラップ 3.フォーム定義による |
初期文字セット GL GR 漢字コード |
SET_UPで設定 SET_UPで設定 SET_UPで1978年版と1983年版切り換え可能 |
常にG0 常にG3(ANSIではG2) 常に1983年版(1978年版は,KANJI78による) |
ユーザ指定文字セット(User Preference) | SET_UPでDECサプリメントとISOLATIN1 サプリメントの切り換え可能 | 常にDECサプリメント |
フォント | ||
英文書体 | ビットマップ クーリエ,エリート,PI |
アウトライン クーリエ |
和文書体 | ビットマップ 明朝体OCR-B カタカナ |
アウトライン 明朝体・ゴシック体 OCR-Bカタカナ(OCR-Bカタカナフォントのないプリンタに対してはゴシック体カタカナで代用する) (トランスレータでは,エリートフォント,PI フォントはクーリエフォントで代用している。クーリエ,明朝も書体デザインはLN05 と異なる) |
エラー文字 | ||
未定義コード | 逆クエスチョンマーク | 逆クエスチョンマーク |
未定義フォント | ブロッブ(黒い四角) | 逆クエスチョンマーク |
未定義ユーザ文字 | 四角 | 逆クエスチョンマーク |
縦書き文字 | SET_UPによって以下の文字も縦書き用にできる( , .−÷≠<>≦≧) | これらの文字は縦書き用にならない |
文字ピッチの変更 | 文字間隔を変えるだけ | 同時に適当なピッチのフォントに変える(サイズも変わることがある) |
斜字体(イタリック)の代用 | アンダライン | 正体フォントから計算によって作成 |
オンデマンド・ローディング | SET_UPで有効/無効を選択可能 | 常に有効ただしプリント・ジョブごとにリセットされる |
プリローディング(漢字) | 可 | 不可 |
フォームオーバーレイ | あり | あり ただしプリント・ジョブごとにリセットされる |
テキストとTektronixの混在 | 可 | 不可 |
SGR | スーパースクリプト,サブスクリプト,オーバーラインが使用できる | |
DECSHORP | パラメータ11はSET_UPで6.38CPIまたは17.1CPIに設定できる | パラメータ11は常に6.38CPI(ANSIでは常に17.1CPI) パラメータ12〜16が追加されている |
DECSHORP 0の時の漢字のピッチ | SET_UPによって,漢字フォント本来のピッチか1byte文字フォントの半分のピッチかを選択できる | 常に漢字フォント本来のピッチ |
DECVERP | パラメータ12〜16が追加されている |
LA_KANJIデータ・タイプは,漢字LA86/LA280/LA380プリンタに対応しています。 また,漢字LN03/DEClaser2300レーザ・プリンタのLA86モードにも対応します。 これらの相違点を表 2-8に示します。
相違点 | LA86 | LA280 /LA380 | 漢字LN03/LN05 LA86 mode | LA_KANJI |
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紙サイズ | 連続紙最大幅16インチ | 連続紙最大幅16インチ | カット紙A4,レター(LN03)A4, B4, B5(LN05) | カット紙A4,レター,リーガル, B,A3,A5,B4,B5 |
解像度 | 180dpi | 180dpi | 300dpi | 300dpiまたは400dpi(LN82R) |
初期設定文字ピッチ | SET_UP | SET_UP | 12.77cpi | 12.77cpi(ポートレート) 13.6cpi(ランドスケープ) |
行ピッチ | SET_UP | SET_UP | 6.25cpi | 6.25cpi(ポートレート) 8.33cpi(ランドスケープ) |
オートラップモード | SET_UP | SET_UP | SET_UP | オートラップ |
文字セット G0 G1 GR |
JISローマ字 DECVT100 SET_UP |
SET_UP[1] SET_UP[1] SET_UP[1] |
JISローマ字 DECVT100 漢字[2] |
JISローマ字 DECVT100 漢字 |
DEC漢字 | SET_UP[3] | SET_UP[3] | SET_UP[3] | 1983年版 |
ESC + " 0 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯(1983年版) |
ESC $ + 1 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯(1983年版) |
ESC $ + @ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯(1983年版) |
ESC $ + 3 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ESC $ + B | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
SGRでの淡印字 | 可 | 可 | 不可 | 不可 |
DECSHORPパラメータ | ||||
3 | 13.33cpi | 13.33cpi | 6.7ポイント13.6cpiフォント | 10ポイント15cpiフォント |
7 | 6.67cpi(横倍角) | 6.67cpi | 6.7ポイント13.6cpiの横倍角 | 10ポイント15cpiの横倍角 |
8 | 8.18cpi(横倍角) | なし | 8ポイント18.75cpiの横倍角 | 8ポイント18.75cpiの横倍角 |
BELL(0/7) | あり | あり | なし | なし |
リセット命令 | なし | なし | あり | あり |
セルフテスト命令 | あり | あり | なし | なし |
印字濃度選択命令 | あり | あり | なし | なし |
ページオリエンテーション | なし | なし | SET_UP | あり(初期値が異なる) |
sixelデフォルトグリッド・サイズ(インチ) | 横 縦 .0056 .0056 |
横 縦 .0056 .0056 |
横 縦 .0067 .0133 |
横 縦 .0067 .0133 |
[1] LA380では,G0〜G3に各種文字セットをSET_UPで設定可能。
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