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1 日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアをインストールする前に

この章では,必要なハードウェアとソフトウェア,および日本語Advanced Server for OpenVMS ソフトウェアをインストールする前に完了すべき手順を説明します。

この章は,次の節から構成されます。

1.1 Advanced Serverソフトウェア・ キットについて

日本語Advanced Server for OpenVMSキットには, 次のサーバ・ソフトウェアを実行するのに必要なソフトウェアが入っています。

1.1.1 VAXシステムについて

日本語Advanced Server for OpenVMS製品は,OpenVMS Alpha 上でのみサポートされます。日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアをOpenVMS VAXシステムにインストールすることはできません。VAXシステム上では, 現在のサーバ・ソフトウェアを引き続き使用しなければなりません。

1.1.2 Advanced Serverにアップグレードする場合

Advanced Server for OpenVMSソフトウェアは,OpenVMS V7.2システム上でのみ稼動します。 したがって,サーバ・ソフトウェアとともにオペレーティング・ システムもアップグレードする必要がある場合があります。

1.1.2.1 サーバーの移行

日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアは,PATHWORKS V6 for OpenVMS (Advanced Server)がインストールされているシステムにインストールすることができます。 構成プロシージャ(PWRK$CONFIG.COM) が,サーバ・コンポーネントとパラメータを自動的にアップグレードします。 システムがPATHWORKS V6.0B for OpenVMS (Advanced Server) より前のバージョンのサーバを実行している場合,日本語Advanced Server for OpenVMS をインストールする前に, オペレーティング・システムをOpenVMSバージョン7.2にアップグレードしてから, サーバをV6.0Bにアップグレードする必要があります。V6.0B にアップグレードする前に,『Server Migration Guide』を参照して必ずサーバの移行作業を行ってください。

OpenVMSバージョン6.2システム上でPATHWORKS V5 for OpenVMS(LAN Manager)ファイル・サーバを実行するシステムについては,できるだけ次の移行パスに従ってください。

  1. オペレーティング・システムをOpenVMSバージョン7.1にアップグレードする。

  2. PATHWORKS V5からV6への移行作業を行う。

  3. V5ファイル・サーバをPATHWORKS V6.0B for OpenVMS (Advanced Serverにアップグレードする。

  4. オペレーティング・システムをOpenVMSバージョン7.2にアップグレードする。

  5. V6.0Bファイル・サーバをAdvanced Server V7.2 for OpenVMS にアップグレードする。

各バージョンのPATHWORKS for OpenVMSおよび日本語Advanced Server for OpenVMS がサポートするOpenVMS のバージョンについては,適切な『ソフトウェア仕様書(SPD)』を参照してください。

1.1.2.2 LANMAN.INIパラメータの移行

Advanced Serverは,サーバの構成パラメータのためのレジストリとして,OpenVMS レジストリに依存します。旧バージョンのサーバ・ ソフトウェア(たとえば,PATHWORKS for OpenVMSサーバ) では,サーバ・パラメータを格納するのにLANMAN.INIファイルが使用されています。Advanced Server は,パラメータをWindows NT レジストリに似たOpenVMSレジストリに格納します。

システムをPATHWORKS V6 for OpenVMS (Advanced Server)からAdvanced Server V7.2 for OpenVMSにアップグレードする場合, 既存のLANMAN.INIファイルにあるパラメータと設定は,PWRK$CONFIG.COM 初期構成プロシージャを実行したときにレジストリ・ パラメータに移行されます。詳細については,「第3.2節, LANMAN.INI パラメータのOpenVMSレジストリへの移行 」を参照してください。

1.1.2.3 OpenVMSクラスタのアップグレード

Advanced Serverは,他のクラスタ・メンバがPATHWORKS for OpenVMS を実行していない限り,OpenVMS Alphaバージョン7.2 を実行するどのOpenVMSクラスタ・メンバの上にもインストールすることができます。Advanced Server をクラスタ・ メンバ・ノードにインストールする場合,同じクラスタの他のノードでPATHWORKS V6 for OpenVMS (Advanced Server) またはPATHWORKS V5 for OpenVMS (LANマネージャ)を実行することはできません。

Advanced Serverは,OpenVMS Alpha システム上でのみ稼動します。Advanced Serverを混合アーキテクチャ・クラスタ(AlphaとVAXメンバの両方があるクラスタ) にインストールする場合,VAXメンバ上でPATHWORKS for OpenVMSを実行することはできません。ただし,「第5.6節,外部認証のセットアップ」に説明するように,VAX ノードに外部認証を設定することにより, クラスタのすべてのノードで外部認証をサポートすることができます。

1.2 DECprintソフトウェアのインストレーション

DECprint Supervisor for OpenVMSは,PostScriptプリンタ用のキュー管理と印刷機能を提供する印刷システムです。

DECprint Supervisor for OpenVMSを使用しようとする場合,できるだけAdvanced Server をインストールする前にそれをインストールしてください。DECprint ソフトウェアをインストールした後, システムを再起動しなければなりません。起動は,DECprint Supervisorのインストレーション・プロシージャの一部として行うことも,Advanced Server をインストールした後, それを構成する前に行うこともできます。

1.3 ライセンスについて

次の節では,Advanced Serverのライセンシング・ ソフトウェアとライセンスの必要条件について説明します。

1.3.1 ライセンスの必要条件

Advanced Serverは,ファイル・サービスおよびプリント・ サービスにアクセスするクライアントが適切にライセンスされていることを要します。 この必要条件に準拠するには,次のいずれかに該当しなければなりません。

いずれの場合も,Advanced Serverのサービスへのアクセスに必要なライセンスは,PWLMXXXCA07.02 というクライアント・ アクセス・ライセンスです。

PATHWORKS V6 for OpenVMS (Advanced Server)からアップグレードする場合,クライアント・ライセンスの必要条件についての詳細については, 『Advanced Server for OpenVMS Guide to Managing Advanced Server Licenses』を参照してください。

1.3.2 ライセンス・サーバについて

Advanced Serverライセンス・サーバは,OpenVMSシステム上で実行して, クライアントにライセンスを付与するオプションのソフトウェア・プログラムです。

ライセンス・サーバは,次のようにインストールできます。

いずれの場合も,ライセンス・サーバが次のプロトコルのどれを使ってクライアントをサポートするようにも構成することができます。

Advanced Serverのない指定されたOpenVMS システム上にライセンス・サーバをインストールすることを推奨します。 したがって,日本語Advanced Server for OpenVMSキットにより,ファイル・サーバとは別にスタンドアロン・ ライセンス・サーバをインストールすることができます。また,この代わりに,Advanced Server のあるOpenVMSクラスタ上でライセンス・ サーバを実行すれば,クラスタ・フェイルオーバにより信頼性が向上します。

LANはそれぞれ,アクティブ・ライセンス・サーバを1つだけ必要とします。 ライセンス・サーバを実行するシステムにライセンスのProduct Authorization Key (PAK)をロードする必要があります。OpenVMSクラスタでは,PAK を共有ライセンス・データベースにロードしなければなりません。

必要な情報 参照するマニュアル
ライセンスのロード 『OpenVMS License Management Utility Manual』
ライセンス・サーバの構成 第4章,スタンドアロン・ライセンス・サーバの構成と起動
ライセンスの管理 『Advanced Server for OpenVMS Guide to Managing Advanced Server Licenses』

1.4 外部認証について

外部認証は,OpenVMSシステムのオプション機能で,これにより,システム管理者はOpenVMS セキュリティ以外のセキュリティ・メカニズムに基づくログイン認証に応じてユーザ・ アカウントを設定できるようになります。

Advanced Serverは,Advanced ServerまたはWindows NT互換のユーザ認証メカニズムを使用してOpenVMS ユーザ・ログインを認証する能力を提供することにより, この機能を利用します。これにより,ユーザはOpenVMSログイン・ プロンプトでAdvanced Serverのユーザ名とパスワードを使用してログインすることができ, また,ユーザ・アカウントに自動的にパスワードが同期化されます。COM for OpenVMS 製品を使用している場合, 外部認証が必要な場合があります。

Advanced Serverのインストール時に,外部認証をサポートするために必要なファイルが自動的にインストレーション・ プロセスに含まれます。

Advanced ServerをOpenVMSクラスタにインストールし,Advanced Server がインストールされていないOpenVMS クラスタ・メンバ・ノードで外部認証を有効にしようとする場合, 外部認証ソフトウェアのみをインストールすることができます。

外部認証の有効化についての詳細は,「第5.6節,外部認証のセットアップ 」を参照してください。

1.5 リリース・ノートの確認

次の節では,製品のリリース・ノートおよび日本語Advanced Server for OpenVMS をインストールする前にそれをソフトウェア・ キットから抽出する方法について説明します。

1.5.1 リリース・ノートについて

インストレーションを開始する前に,リリース・ノートを印刷して確認してください。

インストレーション・プロシージャにより,リリース・ノートがSYS$HELP: エリアにコピーされるので,サーバのインストレーション後はそこから利用することができます。

1.5.2 リリース・ノートのアクセス方法

1.6 インストレーション・チェックリストの使用

付録 A,インストレーションおよびアップグレードのチェックリスト 」には,インストレーション/構成チェックリストが用意されています。 このチェックリストを複写し,本書で説明するインストレーションと構成手順の完了を追跡するために使用することができます。

1.7 Advanced Server for OpenVMSソフトウェアをインストールするための必要条件

次の節では,日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアのインストール時に必要なハードウェアおよびソフトウェアについて説明します。

1.7.1 ハードウェアの必要条件

サーバがサポートするハードウェアの一覧については,『ソフトウェア仕様書(SPD) 』を参照してください。

1.7.2 ソフトウェアの必要条件

日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアを正常にインストールするには, システムに次のソフトウェアを正しくインストールし, 構成しなければなりません。

1.7.3 サポートされるクライアント・ソフトウェア

日本語Advanced Server for OpenVMSは, 次のタイプのクライアントからの接続をサポートします。

1.7.4 メモリの必要条件

OpenVMS Alphaシステム上でAdvanced Serverを実行するためには、最低限64 MBの物理メモリが必要です。

1.8 インストレーション前の手順

表 1-1にあるチェックリストを使用して, この節で説明するインストレーション前の手順を完了します。

表 1-1 インストレーション前のチェックリスト

[ ] 1. パーツ一覧を確認します。
[ ] 2. ネットワーク・ハードウェアがインストールされ, 接続されていることを確認します。
[ ] 3. 必要なソフトウェアがインストールされていることを確認します。
[ ] 4. OpenVMSレジストリ・サーバを起動します。
[ ] 5. SYSTEMアカウントにログインします。
[ ] 6. システム・ディスクをバックアップします。
[ ] 7. リリース・ノートを確認します。
[ ] 8. インストレーションのために十分なディスク容量があることを確認します。
[ ] 9. システム・パラメータを確認します。
[ ] 10. キュー・マネージャを確認します。
[ ] 11. タイム・ゾーンの構成を確認します。
[ ] 12. DECnetトランスポートを使用しようとする場合は, DECnetまたはDECnet-Plusが稼動していることを確認します。 DECnetが必要な状況については, 「第1.8.12項,ステップ12: DECnetの状態の確認」を参照してください。
[ ] 13. TCP/IPトランスポートを使用しようとする場合は, TCP/IPが稼動していることを確認します。
[ ] 14. クラスタ上にAdvanced Serverをインストールする場合は, OpenVMSクラスタ構成を確認します。

日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアをインストールする前に, 次の手順を行います。

1.8.1 ステップ1: パーツ一覧の確認

ソフトウェアのパーツ一覧は,入手したキットの内容の明細です。キットの内容をこの情報に照らして確認します。 パーツが不足していたり,破損している場合は, 弊社の担当者にご連絡ください。

1.8.2 ステップ2: ネットワーク・ハードウェアの確認

日本語Advanced Server for OpenVMSは, ソフトウェアの必要条件を満足するOpenVMS Alphaシステム上で稼動します。PC ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)には次のものが必要です。

1.8.3 ステップ3: 必要なソフトウェアの確認

日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアには, 次のものが必要です。

1.8.4 ステップ4: OpenVMSレジストリ・サーバの起動

OpenVMSレジストリは,OpenVMSバージョン7.2のインストレーションの一部としてインストールされます。 レジストリ・サービスを提供するには, 次の手順を行います。

  1. レジストリ・サーバのファイルが格納されるディスク位置をポイントするSYS$REGISTRY 論理名を定義します

    たとえば,レジストリ・ファイルをディレクトリ[SYS$REGISTRY]のデバイスDKA100: に格納するには,次のコマンドを入力します。

         $ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE SYS$REGISTRY DKA100:[SYS$REGISTRY]
    

    OpenVMSクラスタでは,必ずAdvanced Serverを実行するすべてのクラスタ・メンバが利用可能なディスクおよびディレクトリを指定します。

  2. レジストリ・サーバを起動します。

    レジストリサーバを手動で起動しなければならない場合は,次のコマンドを入力します。

         $ @SYS$STARTUP:REG$STARTUP.COM
    

    できるだけAdvanced Serverを起動するコマンド行の前のSYS$STARTUP_VMS.COM プロシージャにこのコマンドを追加してください。 これにより,スタートアップとともにレジストリ・サーバが起動され, レジストリを必要とするあらゆるAdvanced Serverユーティリティ(PWRK$REGUTL や構成マネージャ)が正しく操作されることが保証されます。

OpenVMSレジストリの管理についての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

1.8.5 ステップ5: SYSTEMアカウントへのログイン

日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアをインストールする前に,SYSTEM アカウント,すなわちインストレーション・ プロシージャを実行するために十分な特権を持つアカウントにログインします。

SYSTEMアカウントにログインするには,次の手順を行います。

  1. Username:プロンプトでSYSTEM:と入力します。
         Username: SYSTEM
    

  2. Password:プロンプトでSYSTEMアカウントへのパスワードを入力します。 入力したパスワードは表示されません。

1.8.6 ステップ6: システムのバックアップ

貴重なデータの損失を防ぐため,レイヤード・プロダクトをインストールする前に, できるだけシステム上のすべてのディスクをバックアップしてください。

システム・バックアップを行うには,OpenVMS BACKUPコマンドを使用します。BACKUP コマンドについての詳細は,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・ マニュアル』を参照してください。

1.8.7 ステップ7: リリース・ノートの印刷と確認

リリース・ノートをまだ読んでいない場合,ソフトウェアをインストールする前に読む必要があります。 詳細については,「第1.5節,リリース・ ノートの確認」を参照してください。

1.8.8 ステップ8: ディスク容量の必要条件の確認

インストレーション・プロシージャには,システム・ディスク上に最低139,500 ブロックの空き容量が必要です。

システム・ディスク上の空きブロック数を確認するには,次のコマンドを入力します。

     $ SHOW DEVICE SYS$SYSDEVICE

OpenVMSシステムが,空きブロック数など,システム・ディスクについての情報を表示します。 次に例を示します。

     Device     Device     Error    Volume    Free  Trans Mnt
      Name      Status     Count     Label   Blocks Count Cnt
     DUA0:      Mounted        0  AXP072     724856   280   1

1.8.9 ステップ9: システム・パラメータの確認

次のOpenVMSシステム・パラメータが正しく設定されていることを確認します。


注意
これらのパラメータが正しく設定されていなければ, インストレーション・プロシージャを完了した後で, サーバを構成することができません。

1.8.9.1 GBLPAGESパラメータ

GBLPAGESパラメータの最低値は,少なくとも7500ページでなければなりません。

システムに十分な未使用グローバル・ページがあることを確認するには, 次の手順を行います。

  1. 次のコマンドを入力します。
         $ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLPAGES")
    

    GBLPAGESパラメータの値が表示されます。次に例を示します。

         7500
    

  2. 値が必要な値を下回る場合は,システム・パラメータ・ファイルSYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT を編集して,次のような行を追加します。
         ADD_GBLPAGES = 7500
    

1.8.9.2 GBLSECTIONSパラメータ

Advanced Serverをインストールする場合,GBLSECTIONS パラメータの最低値は75です。

スタンドアロン・ライセンス・サーバのみをインストールする場合,最低値は50 です。

システムに十分な未使用グローバル・セクションがあることを確認するには, 次の手順を行います。

  1. 次のコマンドを入力します。
         $ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLSECTS")
    

    GBLSECTIONSパラメータの値が表示されます。次に例を示します。

         75
    

  2. 値が必要な値を下回る場合は,システム・パラメータ・ファイルSYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT を編集して,次のような行を追加します。
         ADD_GBLSECTIONS = 75
    

1.8.9.3 PROCSECTCNTパラメータ

Advanced Serverをインストールする場合,PROCSECTCNT パラメータの最低値は40です。

スタンドアロン・ライセンス・サーバのみをインストールする場合,最低値は32 です。

システム・パラメータPROCSECTCNTの値が十分であることを確認するには, 次の手順を行います。

  1. 次のコマンドを入力します。
         $ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("PROCSECTCNT")
    

    PROCSECTCNTパラメータの値が表示されます。次に例を示します。

         40
    

  2. 値が必要な値を下回る場合は,システム・パラメータ・ファイルSYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT を編集して,次のような行を追加します。
         MIN_PROCSECTCNT = 40
    

1.8.9.4 SCSNODEパラメータ

SCSNODEパラメータは,システムのコンピュータ名に定義します。DECnet を実行している場合,SCSNODE名は,DECnetノード名と同じでなければなりません。

次に示すように,SCSNODEパラメータのインストール前の状態は,インストレーション後の動作に影響します。

SCSNODEの状態 定義の有無 サーバの動作
未定義 定義せず 起動せず。
定義済み 定義せず 起動する。
未定義 定義する 起動するが,OpenVMSシステムは, プリント・キューおよびバッチ・キューの名前に新しいコンピュータ名が含まれるように名前を変更する。 キュー・データベースの再構築が必要になることもある。 これらのシステム管理作業についての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照。

システム・パラメータSCSNODEがシステムのコンピュータ名に定義されていることを確認するには, システム・プロンプトで次のコマンドを入力します。

     $ SCSNODE = F$GETSYI("SCSNODE")
     $ SHOW SYMBOL SCSNODE

この結果,次のいずれかの状態になります。

SCSNODEが定義されていない場合,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DATを編集して, このパラメータを定義します。たとえば,コンピュータ名がSPEEDYの場合, 次の行が含まれるようにファイルを編集します。

     SCSNODE = "SPEEDY"

ファイルSYS$SYSTEM:MODPARAMS.DATを編集する場合,OpenVMSのコマンド・ プロシージャであるAUTOGENを実行し,すぐに,またはサーバを構成する前にシステムを再起動します。 次に例を示します。

     $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA REBOOT NOFEEDBACK

AUTOGENユーティリティの使用についての詳細は,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・ マニュアル』を参照してください。

1.8.10 ステップ10: キュー・マネージャの確認

インストレーション時にキュー・マネージャを実行する必要はありませんが, サーバーを構成するときには実行しなければなりません。SHOW QUEUE/MANAGERコマンドを入力して,キュー・マネージャが実行されているかどうかを確認することができます。

     $ SHOW QUEUE/MANAGER

キュー・マネージャが実行されている場合,OpenVMSシステムは次のように表示します。

     Queue manager SYS$QUEUE_MANAGER, running, on SPEEDY::

キュー・マネージャが実行されていない場合,次のコマンドを使用して起動することができます。

     $ START/QUEUE/MANAGER

OpenVMS DCLコマンドについての詳細は,『OpenVMS DCL Dictionary』を参照してください。

1.8.11 ステップ11: タイム・ゾーンおよびTDFの確認

Advanced Serverは,内部の時間管理にグリニッジ標準時(GMT) を使用します。ローカル環境で時刻を正確に表示するには, サーバを起動する前にタイム・ゾーン情報を設定する必要があります。

タイム・ゾーンと時差係数(TDF)の設定は,OpenVMSコマンド・プロシージャUTC$TIME_SETUP.COM を実行することにより確認することができます。 SYSTEMアカウントから,次のコマンドを入力して,このプロシージャを起動します。

     $ @SYS$MANAGER:UTC$TIME_SETUP.COM

夏時間のようなタイム・ゾーン情報を変更した場合,時刻を正確に表示するために, サーバを再起動しなければなりません。

コマンド・プロシージャの実行およびタイム・ゾーンとTDFのリセットについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

1.8.12 ステップ12: DECnetの状態の確認

DECnetトランスポートを使用しようとする場合,インストレーション時にDECnet またはDECnet-Plusを実行する必要があります。ただし,システムが構成できるようになるには, その前にDECnetまたはDECnet-Plusをそのシステム上で実行しなければなりません。

サーバ・ソフトウェアをインストールしようとするシステム上でDECnetが実行されているかを確認するには, 次の節で説明するように,DECnet(フェーズIV) かDECnet-Plusのいずれがインストールされているかによって適切なコマンドを入力します。

1.8.12.1 DECnet(フェーズIV)の状態の確認

DECnetの状態を確認するには,次のコマンドを入力します。

     $ MCR NCP SHOW EXECUTOR

1.8.12.2 DECnet-Plusの状態の確認

DECnet-Plusの状態を確認するには,次のコマンドを入力します。

     $ SHOW LOGICAL NET$STARTUP_STATUS

詳細については,DECnet製品のドキュメントを参照してください。

1.8.13 ステップ13: TCP/IPの状態の確認

TCP/IPトランスポートを使用しようとする場合,TCP/IPが実行され,PWIP ドライバがロードされていることを確認します。プロシージャは,どのTCP/IP 製品を使用しているかによって異なります。詳細については,インストールされているTCP/IP 製品のドキュメントを参照してください。

たとえば,日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS V5.0がインストールされている場合, 次のコマンドを入力することにより,PWIPドライバを手動で起動することができます。

     $ @SYS$STARTUP:TCPIP$PWIP_STARTUP.COM

この代わりに,TCP/IPの起動時にPWIPドライバが自動的に起動するよう, 構成プロシージャTCPIP$CONFIG.COMを使用してTCP/IP Services for OpenVMSサービスを構成することができます。

1.8.14 ステップ14: OpenVMSクラスタ構成の確認

Advanced Serverは,複数のOpenVMS Alpha クラスタ・メンバ上で実行することができます。これには,次の手順を行います。

  1. Advanced Serverを実行する各システム・ ディスク上で次の手順を行います。

    複数のシステム・ディスクを使用するクラスタ構成では,OpenVMS レジストリ・サーバが共通レジストリ・データベースを使用するように構成しなければなりません。 詳細については,「第1.8.4項,ステップ4: OpenVMS レジストリ・サーバの起動 」を参照してください。

  2. ファイル・サーバおよびプリント・サーバとして使用するそれぞれのクラスタ・ メンバで,Advanced Server構成プロシージャ(PWRK$CONFIG.COM)を実行します。これにより, 各ノードが適切なパラメータ・セットとサーバを実行するに十分なリソースを持つようになります。

OpenVMSクラスタには,VAXとAlphaの両方のメンバを含めることができます。 日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアはOpenVMS Alphaバージョン7.2メンバ上でのみ稼動します。OpenVMS クラスタは,Advanced Serverと同じクラスタにある旧バージョンのファイル・サーバをサポートすることができません。 したがって,この環境をサポートするには,Advanced Server をAlphaメンバ上で実行します。VAX メンバでは,ファイルおよびプリント・サーバを実行しないでください。

ただし,「第5.6節,外部認証のセットアップ」に説明するように, 外部認証を提供するために,できるだけ外部認証ソフトウェアをクラスタ内のすべてのノードにセットアップしてください。

1.9 次のステップ

Advanced Serverをインストールするには, 「第2章, Advanced Server for OpenVMSソフトウェアのインストレーション 」の手順に従います。


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