1999 年 6 月
本書は『DIGITAL PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server) Server Migration Guide』の翻訳です。 DIGITAL PATHWORKS V5 for OpenVMS (LAN Manager) ソフトウェアを DIGITAL PATHWORKS V6 for OpenVMS (Advanced Server) ソフトウェアにアップグレードする方法を説明します。 また,効率的な移行を計画するための基本的事項を説明します。
コンパックコンピュータ株式会社
1999 年 6 月
本書の著作権はコンパックコンピュータ株式会社が保有しており, 本書中の解説および図,表はコンパックの文書による許可なしに, その全体または一部を,いかなる場合にも再版あるいは複製することを禁じます。
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以下は,米国 Compaq Computer Corporation の商標です。
Alpha,AlphaGeneration,AlphaServer,AlphaStation, Compaq,DEC,DECdirect,DECnet-Plus,DECprint, DIGITAL,OpenVMS,PATHWORKS,VAX,VAX DOCUMENT,VAXcluster, VMS,および Compaq ロゴ。
以下は他社の商標です。
AT&Tは米国American Telephone and Telegraph社の商標です。
Apple,LaserWriter,AppleShare,Macintosh,TRUETYPEは米国Apple Computer社の商標です。
DEC Rdbは米国Oracle社の商標です。
Hewlett-Packard,HP,LaserJet,PCLは米国Hewlett-Packard社の商標です。
IBM,OS/2は米国International Business Machines社の商標です。
Microsoft,MS-DOS,Windows,Windows 95,Windows 98,Windows NTは米国Microsoft社の商標です。
MultiNet,TCPWareは米国Process Software社の商標です。
Novell,NetWareは米国Novell社の商標です。
PostScriptは日本および各国で登録されたアドビシステムズ社の商標です。
すべての他の商標と登録商標はそれぞれの保有者に属します。
DIGITAL PATHWORKS for OpenVMS ドキュメンテーションセットは CD-ROM に含まれています。
目次 | 索引 |
このガイドでは、 PATHWORKS LAN Manager から PATHWORKS Advanced Server にサーバーを移行させる手順を解説します。 更にこのガイドでは、既存の PATHWORKS LAN Manager 構成をアップグレードする際の問題の対処方法を説明し、 PATHWORKS Advanced Serverにおいて追加のシステム管理作業が必要となる分野を紹介します。
注意深く計画し、段階を追って作業を実行することによって、 ユーザへの影響を最小限に押さえながら移行作業が実現できます。 このようにすることによって、既存のサービスを継続させながら、 新しいサービスを導入することが可能になります。
章の構成 | 説明 |
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第1章、Advanced Server への移行について | PATHWORKS Advanced Server ソフトウェアを紹介し、PATHWORKS LAN Manager と PATHWORKS Advanced Server 間の相違点を要約します。 |
第2章、移行作業について | 移行作業を手順毎に説明します。 |
第3章、サーバーのタイプとドメイン名の変更 | いつどのようにしてサーバーのタイプを変更するか説明します。 |
第4章、アップグレードユーティリティのインストレーション | アップグレード・ユーティリティをインストールする方法を説明します。 |
第5章、サーバー情報のアップグレード | どのようにアップグレードレポートを作成して、サーバーをアップグレードするかを説明します。 |
第6章、移行作業の終了 | サーバー情報をアップグレードした後で行う作業を説明します。 |
第7章、移行作業の検証 | インタフェース、サービスおよびイベント・ログをチェックすることによって、移行作業を検証する方法を説明します。 |
付録 A、アップグレードユーティリティによって作成されるファイル | アップグレード・ユーティリティによって作成されたファイルについて説明します。 |
付録 B、ログファイル中のエラーメッセージに関する修正方法 | アップグレードユーティリティのエラーメッセージと警告メッセージについて説明します。 |
付録 C、アップグレードレポートの編集 | アップグレードレポートの中のエラーの解決方法を説明します。 |
付録 D、移行作業ワークシート | アップグレードに必要な情報を集めるために使うことができるワークシートです。このドキュメントの印刷版にのみついています。 |
ドキュメント | 説明 |
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PATHWORKS for OpenVMS Server Installation and Configuration Guide | PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server) ソフトウェアを、インストールし、設定する手順を解説します。 |
Advanced Server for OpenVMS Concepts and Planning Guide | システム管理者とオペレーターのために、 PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server) ソフトウェアの概要を紹介し、ネットワーク・システムの基本的なコンセプトを解説します。 |
PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server) Server Administrator's Guide | PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server) ソフトウェアの管理方法と設定方法を説明します。 |
Advanced Server for OpenVMS Commands Reference Manual | すべての ADMINISTER コマンドと NET コマンドに関する詳細情報を提供します。 |
Advanced Server for OpenVMS Guide to Managing Advanced Server Licenses | ライセンスサーバーソフトウェアと PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server) のライセンス管理の方法を説明します。 |
次の表は、関連する OpenVMS ドキュメントを一覧にしたものです。
OpenVMS ドキュメント | 説明 |
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OpenVMS Alpha V7.1 アップグレード/インストレーション・マニュアル | OpenVMS Alpha V7.1 システムソフトウェアをインストールする方法を説明します。 |
OpenVMS Alpha V7.2 アップグレード/インストレーション・マニュアル | OpenVMS Alpha V7.2 システムソフトウェアをインストールする方法を説明します。 |
OpenVMS VAX V7.1 アップグレード/インストレーション・マニュアル | OpenVMS VAX V7.1 システムソフトウェアをインストールする方法を説明します。 |
OpenVMS VAX V7.2 アップグレード/インストレーション・マニュアル | OpenVMS VAX V7.2 システムソフトウェアをインストールする方法を説明します。 |
OpenVMS システムマネジャー・マニュアル | OpenVMS システムの管理業務の解説書です。 |
OpenVMS システム管理ユーティリティー・リファレンス・マニュアル | OpenVMS システムを管理するためのユーティリティーとツールに関するリファレンス・ガイドです。 |
OpenVMS ライセンス管理ユーティリティ・マニュアル | ライセンス・キー (PAK) を、どのようにロードし、管理するべきか説明します。 |
表記法 | 意味 |
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Ctrl/x | Ctrl/xという表記は, Ctrlキーを押しながら別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押すことを示します。 |
PF1 xまたは
GOLD x |
PF1 xまたはGold xという表記は,PF1またはGOLDに定義されたキーを押してから,別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押すことを示します。
EVEコマンドでは,GOLDキーのあとにスラッシュ(/),ダッシュ(-), またはアンダースコア(_)を区切り文字として使用できます。 |
[Return] | 例の中で,キー名が四角で囲まれている場合には,キーボード上でそのキーを押すことを示します。 テキストの中では,キー名は四角で囲まれていません。 |
. . . | 例の中の水平方向の反復記号は,次のいずれかを示します。
|
.
. . |
垂直方向の反復記号は, コードの例やコマンド形式の中の項目が省略されていることを示します。 このように項目が省略されるのは, その項目が説明している内容にとって重要ではないからです。 |
( ) | コマンドの形式の説明において,括弧は,複数のオプションを選択した場合に, 選択したオプションを括弧で囲まなければならないことを示しています。 |
[ ] | コマンドの形式の説明において,大括弧で囲まれた要素は任意のオプションです。 オプションをすべて選択しても,いずれか1つを選択しても, あるいは1つも選択しなくても構いません。 ただし,OpenVMSファイル指定のディレクトリ名の構文や, 割り当て文の部分文字列指定の構文の中では,大括弧に囲まれた要素は省略できません。 |
{ } | コマンドの形式の説明において,中括弧で囲まれた要素は必須オプションです。 いずれか1のオプションを指定しなければなりません。 |
太字 | 太字のテキストは,新しい用語,引数,属性,条件を示しています。 |
italic text | イタリック体のテキストは,重要な情報を示します。 また,システム・メッセージ(たとえば内部エラーnumber), コマンド・ライン(たとえば/PRODUCER=name), コマンド・パラメータ(たとえばdevice-name) などの変数を示す場合にも使用されます。 |
UPPERCASE TEXT | 英大文字のテキストは,コマンド,ルーチン名,ファイル名, ファイル保護コード名,システム特権の短縮形を示します。 |
Monospace type | モノスペース・タイプの文字は,コード例および会話型の画面表示を示します。
Cプログラミング言語では,テキスト中のモノスペース・タイプの文字は, キーワード,別々にコンパイルされた外部関数およびファイルの名前,構文の要約, または例に示される変数または識別子への参照などを示します。 |
- | コマンド形式の説明の最後,コマンド・ライン,コード・ラインにおいて, ハイフンは,要求に対する引数がその後の行に続くことを示します。 |
数字 | 特に明記しない限り,本文中の数字はすべて10進数です。 10進数以外(2進数,8進数,16進数)は,その旨を明記してあります。 |
PATHWORKS Advanced Server は、 LAN Manager クライアントとサーバーソフトウェアとの相互運用性を提供します。 段階を追って、 PATHWORKS Advanced Server を既存のネットワークに統合して、計画的に新しい技術に移行することができます。
ドメインを構成する必要最小条件は、 PATHWORKS Advanced Server(OpenVMS版 あるいは DIGITAL UNIX版)あるいは Windows NT Server ソフトウェアが動作している1つのサーバーが存在することです。 このコンピュータは PDC の役割を果たし、そのドメインのユーザーとグループデータベースの原本を保持します。1つのドメインにはPDCは1つだけです。ドメインは、BDCまたはメンバーサーバーとなるその他の PATHWORKS Advanced Server(OpenVMS版 あるいは DIGITAL UNIX版)、Windows NT Server、LAN Manager 2.xサーバーを含むことができます。クライアントは Windows NT ワークステーションまたは PATHWORKS を使用している Windows for Workgroup , MS-DOS 等のクライアントです。
PATHWORKS Advanced Server ドメインについてのさらに詳しい情報は 、『Advanced Server for OpenVMS Concepts and Planning Guide』を参照してください。
Compaq は、ライセンスサービスが中断しないように LAN Manager とNetWareサーバーをアップグレードする前に、スタンドアロンのライセンスサーバーをインストールすることをお勧めします。 |
PATHWORKS LAN Manager | PATHWORKS Advanced Server |
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サーバーのタイプ | |
サーバーを以下のいずれかとして設定します。
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サーバーを以下のいずれかとして設定します。
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移行による影響: 現在、メンバーサーバーまたはスタンドアロンサーバーを PDC あるいは BDC に変える必要があります。
詳細は、本書の第3章、サーバーのタイプとドメイン名の変更を見てください。 |
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ドメイン信頼関係 | |
サーバーは、ローカル・ドメイン内のユーザにのみ、ファイル・サービスとプリント・サービスへのアクセスを提供します。信頼関係をサポートしません。 | サーバーは、ファイル・サービスとプリント・サービスへのアクセスを、他のドメインのユーザへ提供するために、信頼関係を定義することができます。 |
移行による影響: もっと柔軟にドメイン管理をできます。また移行の過程でも、サービスを提供し続けることができます。
信頼関係は、サーバーが PATHWORKS Advanced Server を起動した後、定義することができます。
詳細は『Advanced Server for OpenVMS Concepts and Planning Guide』を参照してください。 |
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ユーザーとグループ | |
ドメインのサービスへのアクセスを提供しているグローバル・グループの中にユーザを組織化することができます。 | ローカルなドメインのサービスにアクセスするためにグローバル・グループの中にユーザを組織化することができます。 他のドメインのユーザーがローカルなドメインのサービスやリソースにアクセスするために、オプションとしてローカル・グループに所属させることが可能です。 |
移行による影響: もっと柔軟にドメイン管理をできます。移行作業が完了した後で、ローカル・グループを設立することができます。 詳しくは『Advanced Server for OpenVMS Concepts and Planning Guide』を見てください。 | |
サーバーアドミニストレーション | |
次の方法でサーバーを管理できます:
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次の方法でサーバーを管理できます:
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移行による影響: あなたは PATHWORKS
Advanced Server コマンドラインインタフェース(CLI) を理解する必要があります。
詳しくは、『PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server) Server Administrator's Guide』および 『Advanced Server for OpenVMS Commands Reference Manual』を見てください。 |
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ドメインログオンサーバー | |
特定のログオンサーバーがそれぞれのユーザ・アカウントで指定されるかもしれません。 ユーザのドメインログオンのリクエストは、ユーザーが接続するサーバーによって処理されます。 | クライアントアカウント・インフォメーションには、ログオンサーバーを含みません。 その時点で最適なサーバーが、のユーザードメインログオンのリクエストを処理します。 |
移行による影響: 管理者がどのドメインサーバーがクライアント・ドメインログオンのリクエストを認証するか明示的に指定することはできません。
詳しくは、 『PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server) Server Administrator's Guide』を参照してください。 |
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セキュリティ | |
次のどれかのセキュリティモデルを設定できます:
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セキュリティモデルを次のどちらかに設定できます:
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移行による影響: サーバーが Advanced
Server のみのセキュリティ・モデルか、あるいは OpenVMS と Advanced Server
セキュリティ両方を行うかどうか決定しなくてはなりません。 PATHWORKS Advanced
Serverのみがデフォルトセキュリティモードです。 もし OpenVMS と Advanced
Server セキュリティ方式両方を選択するなら、 PATHWORKS Advanced Server アカウントに対応するOpenVMS
アカウントによって、実際のセキュリティが決定されます。
より詳しくは、『Advanced Server for OpenVMS Concepts and Planning Guide』を参照してください。 |
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共有サービスアクセス | |
共有サービス専用のパスワードを共有することによって、共有サービスへのアクセスを管理することができます。
サポートされる共有サービスアクセス・モードは次の通り:
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サポートされる共有サービスアクセス・モードは次の通り:
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移行による影響: V5 サーバーが共有レベル・セキュリティを使用している場合、アップグレード後、あなたは共有サービスにアクセスするためのグループを定義しなくてはなりません。共有サービスを個別のユーザーに対して許可することもできます。
PATHWORKS Advanced Server ソフトウェアは共有サービスパスワードを求めません。
詳しくは本書の 1.3.5.2節、共有サービスセキュリティを参照するか、または 『PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server) Server Administrator's Guide』を参照してください。 |
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アカウント特権 | |
特権は個別につけられます。 それぞれのユーザアカウントに特権を付与することができます。 | 特権はグループメンバーシップによって設定されます。 前もって定められたユーザ・グループがシステム資源へのアクセスレベルに関連づけられます。 |
アドミニストレータ特権とオペレータ特権は、ユーザアカウントに Admin Operator 特権を割り当てることによって定義されます。 | デフォルトのアドミニストレータグループとオペレータグループが、 Advanced Server のインストール時に、作られます。適切なグループにユーザを加えることによって、ユーザーにアドミニストレータ特権あるいはオペレータ特権を与えます。 |
移行による影響: 現在割り当てられた特権を持っているユーザーは、それぞれの特権を与えられたグループにアップグレードされます。
PATHWORKS LAN Manager と PATHWORKS Advanced Server の間の相違について詳しくは 『Advanced Server for OpenVMS Concepts and Planning Guide』を参照してください。 |
Advanced Server の相違点についてのより詳しい情報は『Advanced Server for OpenVMS Concepts and Planning Guide』を参照してください。
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