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17 バージョン1.3/1.3Aの情報

17.1 バージョン1.3/1.3Aのハイライト

日本語DECprint Supervisor V1.3/1.3Aでの重要な変更点を次に掲げます。 これらの変更点については本書で詳しく解説します。

17.2 DCPSバージョン1.3Aのインストレーション

日本語DECprint Supervisor V1.3Aのインストールの手順は次のとおりです。

  1. バージョン1.3Aのリリース・ノートをすべて読んで理解してください。

  2. 次のコマンドを実行して,DCPSプリント・キューを停止します。
         $ STOP/QUEUE/NEXT <queue-name>
         または
         $ STOP/QUEUE/RESET <queue-name>
    

  3. システム・ディスクのSYS$SPECIFICディレクトリから,すべてのDCPS 実行可能ファイルを削除します。

  4. DCPSバージョン1.3Aをインストールします。

  5. DCPS$STARTUP.COM内で論理名DCPS$MAX_STREAMSの値を定義します( 第18.4節を参照)。 定義の例はリリース・ ノートとDCPS$STARTUP.TEMPLATEにあります。

  6. 可能であれば,Queue Manager Remedial Updateをインストールしてください。 この時点でインストールできない場合は,近い将来インストールするように計画しておいてください。

  7. Queue Manager Remedial Updateをインストールした場合は, システムをリブートしてください。それ以外の場合は,DCPSプリント・ キューを実行するすべてのノードで論理名DCPS$MAX_STREAMSを定義してください。

  8. すべてのプリント・キューをスタートさせてください。

17.3 DCPSバージョン1.3で解決された問題

DCPSバージョン1.3で解決された問題を次に揚げます。

17.3.1 CIDfontをサポートしたプリンタへの出力

CIDfontをサポートしたプリンタへの漢字トランスレータの出力は,次のようなエラー・ メッセージにより印字することはできませんでした。

     %DCPS-W-TYPCHK, typechek: Argument of wrong type - offending
     command is definefont; ErrorInfo: FDepVector -- nostringval --

この問題は解決されましたが,JISカタカナ文字セットの未定義部分はリバース・ クエスチョン文字にはならず,他の文字が印字されてしまいます。

17.3.2 不正なLATデバイスに対応したキューに対するメッセージ

自動的に起動されたDCPSキューについて,対応するLTAデバイスが正しく定義されていない場合, 次のメッセージが繰り返し表示されました。

     %DCPS-F-LRJNAMEUNKNOWN, Port name is unknown

17.3.3 DEClaser 5100についての不正な接続終了エラー

DCPSはNICカードを介してDEClaser 5100と通信することができず,常にCONTERMINATED エラーが発生していました。

17.3.4 ドキュメントの最後の出力時のキューの停止

まれに,ドキュメントの最後のページの出力時あるいは出力直前にDCPSキューが停止した状態になり, 出力を再開できないことがありました。

17.3.5 DCPSのインストレーションで繰り返し発生する%DCL-W-SYMOVF エラー

DCPSインストレーション・プロシージャが既存のDCPSプリント・キューを検出し, システムに名前が同一の論理名(たとえばSYS$PRINT)およびキュー名が含まれていた場合, 次のようなエラー・メッセージを繰り返し表示していました。 この場合,インストレーションが完了せず,Ctrl/Yを入力して処理を強制終了させる必要がありました。

     %DCL-W-SYMOVF, no room for symbol definitions - delete some symbols

17.3.6 STRTOOLONエラー表示でのシンビオントの停止

すべてのメッセージ・フィールドがdisabledの状態でジョブ・コントロールが起動され, ジョブ識別情報を含む-DCPS-I-JOB_IDメッセージを作成しようとした場合,DCPS シンビオントは%STR-F-STRTOOLONメッセージを表示して停止していました。 この場合,次のようなメッセージがOPCOMに通知されていました。

     %%%%%%%%%%%  OPCOM  21-MAR-1996 20:28:01.70  %%%%%%%%%%%
     Message from user SYSTEM on DANTOO
     Process SYMBIONT_15: %F-STRTOOLON, string is too long (greater than 65535)

メッセージ・フィールドのdisabled状態により発生していたシンビオントの停止は,DCPS V1.1 では解決されているものと間違って認識されていました( 第12.2.5節)。

17.3.7 オンライン・ヘルプの問題の解決と機能拡張

PRINT_PARAMETERSに関するオンライン・ヘルプのいくつかの問題が解決されました。 また,LN17psおよびColorwriter LSR 2000プリンタに関するオンライン・ ヘルプが追加されました。

17.3.8 キューがPAGE_SIZEおよび SHEET_SIZEパラメータを持つ場合の自動的なサイズの変更

次の状態の場合,現在DCPSは暗黙にNUMBER_UP=1であると想定します。

NUMBER_UP=1では,論理的なページ・サイズを物理的なシート・サイズに適合するようにサイズを変更します。 この問題の解決により,コマンド行でNUMBER_UP あるいはLAYUP_DEFINITIONを指定しないで PAGE_SIZEおよびSHEET_SIZE に異なる値を指定した場合と同様の結果となります。

従来のDCPSのバージョンでは,暗黙のサイズの変更はキューのパラメータではなくコマンド行のパラメータに対して想定されていました。 従来のバージョンでの対処は, キューのパラメータに明示的にNUMBER_UP=1を指定することでした。

17.3.9 指定した排紙トレイへのジョブ・ログおよびジョブ・ トレーラ・ページの出力

ジョブ・ログおよびジョブ・トレーラ・ページがある場合は,現在OUTPUT_TRAY パラメータで指定した排紙トレイに通常出力されます。 しかし,DCPSが最初に指定された排紙トレイに出力しようとした場合に, NOOUTTRAY,OUTTRAYNOTAVL,OUTTRAYMISMATCHエラーなどが検出されると, ジョブ・ログおよびジョブ・トレーラ・ページは代わりにプリンタの省略時の排紙トレイに出力され, 排紙トレイに問題があることを通知します。

従来のDCPSのバージョンでは,非PrintServerプリンタについてはジョブ・ ログおよびジョブ・トレーラ・ページは常にプリンタの省略時の排紙トレイに出力されていました。 従来のドキュメントでは,たとえばHP LaserJet 4SiMXプリンタにOUTPUT_TRAY=FACE_UPを指定した場合,トレーラ・ ページはフェースアップ排紙トレイには出力されないと記述されていました。 この制限はもはやなくなりました。

17.4 DCPSバージョン1.3Aで解決された問題

DCPSバージョン1.3Aで解決された問題を次に揚げます。

17.4.1 B5用紙サイズ

PAGE_SIZEパラメータにB5を指定したときに,印字できる桁数や行数が少なくなっていました。

17.4.2 ANSI/KANJIトランスレータのエラー

テキスト・データ中にLoad Font File (DECLFF)シーケンスが含まれていた場合, 一部のDECLFFによりANSI/KANJIトランスレータ内でエラーが発生し,DCPS シンビオントが停止してしまうことがありました。

17.5 DCPSバージョン1.3の変更点

17.5.1 新規C6用紙サイズ

DCPSは現在C6 (326mm x 460mm)用紙サイズをサポートしています。すべてのプリンタの論理PAGE_SIZE にC6を指定することができ,LN17psプリンタの物理SHEET_SIZE にC6を指定することができます。

17.5.2 新規A3NOBI用紙サイズ

DCPSは現在A3NOBI (328mm x 453mm)用紙サイズをサポートしています。すべてのプリンタの論理PAGE_SIZE にA3NOBIを指定することができ,EPSON EsperLaser LP-9200PS2およびOKI MICROLINE 803PSIIV,903PSIIの物理SHEET_SIZE にA3NOBIを指定することができます。

17.5.3 UNRECOGNIZEDプリンタについてのセットアップ・ モジュールの変更

別のプリンタ同様UNRECOGNIZEDプリンタについての4つのセットアップ・ モジュールが変更されました。従来の弊社提供のセットアップ・モジュールに変更を加えていた場合は, 再度変更をやり直す必要があります。詳細については LPS$$UNRECOGNIZED_* モジュール内のコメント行を参照してください。

17.6 制限事項

以下の節では日本語DECprint Supervisor V1.3/1.3Aの制限事項を記述します。

17.6.1 LISTトランスレータで作成されるグレイ・バーの見やすさ

300x300 dpiより高い解像度のプリンタでは,行を強調表示するためにLIST トランスレータにより生成されるグレイ・バーが見にくい場合があります。

17.6.2 EPSON EsperLaser LP-9200PS2での制限事項

  1. A3ノビ+,GOVT LEGAL,GOVT LETTER用紙サイズはサポートされません。

  2. Ethernetインタフェースを使用してのDCPSからAppleTalk経由の印刷はサポートされません。


+ DCPS V1.3で新たに追加されたA3NOBI用紙サイズはLP- 9200PS2ではA3Wに相当します。

17.6.4 OKI MICROLINE 801PSIIV-LT,802PSIIV,803PSIIV での制限事項

  1. B4 DIN,B5 DIN用紙サイズはサポートされません。

  2. オプションのEthernetボードによるDCPSからAppleTalk経由の印刷はサポートされません。

  3. 給紙トレイにA4用紙を横置きに装着できる803PSIIVにおいて, A4用紙を横置きに装着した場合,SHEET_SIZEパラメータにはA4Lを指定してください。

17.6.4 OKI MICROLINE 900PSII LT,903PSIIでの制限事項

  1. B4 DIN,B5 DIN用紙サイズはサポートされません。

  2. オプションのEthernetボードによるDCPSからAppleTalk経由の印刷はサポートされません。

  3. 給紙トレイにA4用紙を横置きに装着できる903PSIIにおいて, A4用紙を横置きに装着した場合,SHEET_SIZEパラメータにはA4Lを指定してください。

  4. プリント・キューにジョブ・セパレータ・ページを対応付ける場合, 次のコマンドを使用して次の論理名を定義してください。
         $ DEFINE/SYSTEM DCPS$queue-name_SEPARATOR_TRAY n
    

    このコマンドでは,実行キューの名前(queue-name)と給紙トレイ番号( n:通常は1)を指定しなければなりません。この論理名の定義がされていない場合, 印刷実行時にINPUT_TRAY=MANUAL_FEEDパラメータが指定された場合に次のようなエラーが発生し, 印刷できません。

         %DCPS-W-RANGECHK, rangecheck: Argument out of bounds - offending
         command is setpapertray
         %DCPS-E-FLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored
    

  5. 印刷実行時にINPUT_TRAY=MANUAL_FEEDパラメータを指定する場合, プリント・ジョブに対してファイル・セパレータ・ページを指定することはできません。 次のようなエラーが発生し,印刷できません。
         %DCPS-W-RANGECHK, rangecheck: Argument out of bounds - offending
         command is setpapertray
         %DCPS-E-FLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored
    

17.6.5 RICOH PC Laser NX-500での制限事項

  1. OT1用紙サイズはサポートされません。

  2. オプションの拡張RS-232CボードによるDCPSからの印刷はサポートされません。

17.6.6 RICOH PC Laser NX-1000での制限事項

ジョブ毎に排紙トレイ上の排紙される位置をシフト出力することはできません。


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