[ 前のページ ] [ 次のページ ] [ 目次 ] [ 索引 ]


6 PostScriptファイルの印刷

6.1 複数のPostScriptファイルの印刷

アプリケーションで作成したPostScriptファイルは,プリンタのPostScript インタプリンタの状態を変更します。DECprint Supervisorソフトウェアでは, プリント・ジョブ内の各ファイルに対してではなく,プリント・ ジョブごとにプリンタの状態をクリアします。したがって,アプリケーションのプロローグやフォントを含むデータ・ ファイルなど,最初から同時に印刷する予定のファイルは正しく印刷されます。 しかし,相互に無関係な複数のファイルを含むプリント・ ジョブでは,ファイルを印刷した後のプリンタの状態が後続のファイルの印刷に悪影響を与える可能性があります。

この結果,PostScriptエラーが発生したり,文書の印刷結果が期待しないものとなる可能性があります。 複数のPostScriptファイルを印刷する場合や,PostScript ファイルを2部以上印刷しなければならない場合には, 別々のプリント・ジョブとしてキューに登録してください。

6.2 テキストおよびPostScriptを含むファイルの印刷

DCPS-Plusライセンスがシステムにインストールされている場合,DECprint Supervisor ソフトウェアはファイルの先頭のテキスト・ ファイルに続くPostScriptデータを検出することができます。 これは,電子メッセージ・システムでPostScriptファイルを受信した場合など,PostScript ファイルの前にテキストが置かれているものを印刷する際に有用です。

たとえば,ANSIテキストを作成するソフトウェア・ユーティリティでメッセージを受信し, そのメッセージにPostScriptファイルが含まれている場合は, データ・タイプを指定することなくそのファイルを印刷することができます。

6.3 プリンタ固有のPostScriptファイルの作成

各PostScriptプリンタには,標準PostScript言語として定義されていないオペレータが格納されています。 各PostScriptプリンタ固有のPostScript 言語の拡張機能については,各プリンタのマニュアルを参照してください。

PCおよびMacintoshシステムで動作する,市販されている多くのアプリケーションおよびプリンタ・ ドライバを使用した場合,プリンタ固有の拡張機能に依存したプリンタ機能を指定することができます( 第4.3節を参照)。 たとえば, 特定のプリンタの上段給紙トレイを使用するPostScriptファイルを作成することができます。 そのファイルを別のタイプのプリンタに印刷しようとした場合, 別のトレイに印刷される可能性がありますし,印刷に失敗する可能性もあります。

6.4 識別されないPostScriptオペレータ・ エラーの解決方法

プリンタで定義されていないPostScript拡張オペレータを使用したファイルを印刷した場合には, 次のエラー・メッセージが出力されます。

     %DCPS-W-UNDEF, undefined: Name not known -
     offending command is operator

operatorは,プリンタで識別できないPostScript拡張オペレータです。

この問題は,次のいずれかの方法で解決することができます。

  1. アプリケーションでPostScriptファイルを再作成します。印刷設定オプションを調べ, すべてのPostScriptプリンタに汎用的なオプションでないオプションを無効とします( 第6.5 節を参照)。

  2. 印刷に失敗するPostScriptファイルを印刷する必要がある場合は, 第6.6節の説明を参照して,プリント・ ジョブを変更してください。

6.5 汎用的なPostScript文書の作成

プリンタ・タイプに依存しない文書を作成する場合は,PostScriptファイルを作成するために使用するアプリケーションがDECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアで指定するPRINT パラメータと矛盾していないことを確認してください。できるだけPostScript 文書が汎用的なものとなるように,オプションの設定を行ってください。

次の手順に従って,広範囲の各種プリンタで印刷可能である汎用的な文書をアプリケーションで作成するようにしてください。

  1. 両面印刷機能あるいは複数の給紙トレイを持たないタイプのプリンタを選択します。

  2. ファイルへの出力を可能とするアプリケーションの機能を選択します。

  3. プロンプトが表示されたら,特定の装置およびディレクトリ名を含むPostScript ファイルのファイル名を入力します。こうすることにより, プリント・セットアップ・ファイルおよびPRINTパラメータの調整後に, 再度印刷するためのファイルの位置と場所を特定することができます。

6.5.1 Microsoft Windows PSCRPTドライバを使用した印刷

Microsoft WindowsアプリケーションからMicrosoft PSCRPT.DRVドライバを使用して正しく印刷するには, 次の手順に従ってください。

  1. PostScript文書を印刷する前に,WIN.INIファイルの各[ printer, port]の組み合わせについて,次の変数を入力してください。
         LandscapeOrient=270
         CtrlD=0
    

  2. プリンタ設定の[高度なオプション]というダイアログ・ボックスに次のオプションを設定します。

この手順により,多くのプリンタに印刷可能なPostScript文書を作成することができます。

6.5.2 Adobe Windowsプリンタ・ドライバを使用した印刷

Adobe Windowsプリンタ・ドライバを使用したPostScript出力ファイルを印刷する場合の改行の問題を避けるには, 次の手順に従ってください。

  1. ドライバのセットアップ・ウィンドウのPSオプション・メニューを選択します。

  2. プロトコル・オプション項目を「なし(AppleTalk)」に変更します。

  3. バイナリ・データ送信機能を無効にします。

6.6 PostScriptオペレータを制限するためのサンプル・ファイルの使用

DECprint Supervisor for OpenVMSソフトウェアでは, 一般的に使用されるPostScript拡張オペレータを制限するためのサンプル・ ファイルを提供しています。

6.6.1 デスクトップ・プリンタでのPostScriptオペレータの制限

デスクトップ・プリンタを使用している場合,印刷に失敗するPostScript オペレータを制限するためのセットアップ・モジュールを作成することができます。 次のサンプル・ファイルがDECprint Supervisor for OpenVMSソフトウェアで提供されています。

     SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]LPS$STATUSDICT.PS

これは多くのPostScriptルーチンの集合であり,特定のPostScriptオペレータに関する問題を解決するルーチンだけを取り出して利用することができます。 新たに作成したファイルは,セットアップ・モジュールとして指定することができ, 印刷に失敗するファイルとともに印刷することができます。

セットアップ・モジュールについての詳細は,『 日本語DECprint Supervisor for OpenVMSシステム・マネージャーズ・ガイド』を参照してください。

6.6.2 PrintServerプリンタでのPostScriptオペレータの制限

PS_SUPPLEMENTファイルはPrintServerプリンタにロードでき,多くの識別されないPostScript 拡張オペレータを無視することができるようにするものです。PrintServer Software V4.2 以降のバージョンでは,このファイルが自動的にプリンタにダウンロードされます。


[ 前のページ ] [ 次のページ ] [ 目次 ] [ 索引 ]