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5 DCLディクショナリ - D -


DEALLOCATE

占有している装置を,他のプロセスで使用できるようにします (ただしその装置に対応付けられている論理名の解除は行いません)。 DEALLOCATEコマンドは,使用中の装置は占有を解除しません。

フォーマット

     DEALLOCATE  装置名[:] 

パラメータ

装置名[:]

占有を解除する装置の名前を指定します。 ここで指定する装置名は,物理装置名でも使用していない論理名でも構いません。 物理装置名を指定する場合,省略時のコントローラはA,省略時のユニットは0です。 このパラメータは/ALL修飾子と同時に指定できません。

修飾子

/ALL

ユーザのプロセスで現在占有している装置のうち, 現在使用されていないすべての装置の占有を解除します。 この修飾子は,装置名パラメータと同時に指定できません。

  1. $ DEALLOCATE  DMB1:
    
    この例のDEALLOCATEコマンドは, コントローラBのRK06/RK07装置のユニット1の占有を解除します。

  2. $ ALLOCATE   MT:   TAPE
    %DCL-I-ALLOC, _MTB1:  allocated
       .
       .
       .
    $ DEALLOCATE  TAPE:
    
    この例のALLOCATEコマンドは,すべての磁気テープ・ドライブを占有し, それに論理名TAPEを割り当てるよう要求しています。 ALLOCATEコマンドの応答は,装置MTB1の占有に成功したことを示しています。 DEALLOCATEコマンドは, 論理名TAPEを指定してテープ・ドライブの占有を解除することを指定しています。

  3. $ DEALLOCATE/ALL
    
    この例のDEALLOCATEコマンドは, 現在占有しているすべての装置の占有を解除します。


DEASSIGN

ALLOCATEコマンド,ASSIGNコマンド,DEFINEコマンド, またはMOUNTコマンドによって設定された論理名の割り当てを解除します。 また,DEASSIGNコマンドは, CREATE/NAME_TABLEコマンドで作成された論理名テーブルを削除します。

フォーマット

     DEASSIGN  [論理名[:]] 

パラメータ

論理名[:]

割り当てを解除する論理名を指定します。論理名は,1文字から255文字までの長さです。 論理名に英数字,ドル記号($), あるいはアンダースコア(_)以外の文字が含まれている場合には, 引用符(" ")で囲みます。 /ALL修飾子を使用する場合を除き,論理名パラメータは必ず指定します。

論理名パラメータの最後にコロン(:)を指定しても, コマンド・インタプリタはそのコロンを無視します (ASSIGNコマンドおよびALLOCATEコマンドは, コロンが指定されている場合でも論理名を論理名テーブルに登録するときに, 論理名からそのコロンを削除します)。 実際の論理名の中にコロンを含んでいる場合には, DEASSIGNコマンドに対する論理名パラメータの最後に, 連続する2つのコロン(たとえば,DEASSIGN FILE::)を指定します。

論理名テーブルを削除するには,論理名パラメータとしてテーブル名を指定します。 またそのテーブル名が登録されている論理名ディレクトリ・テーブルを指定するために, /TABLE修飾子を使用します。

説明

DEASSIGNコマンドは,ALLOCATE,ASSIGN,DEFINE, またはMOUNTコマンドのいずれかで行った論理名の割り当てを解除します。 また,DEASSIGNコマンドは, CREATE/NAME_TABLEコマンドで作成した論理名テーブルを削除します。 DEASSIGNで/ALL修飾子を使用すると, 指定したテーブルのすべての論理名の割り当てを解除できます。 テーブルを指定しないで/ALL修飾子を使用すると, (コマンド・インタプリタで作成された名前を除いて) プロセス・テーブル内のすべての名前の割り当てが解除されます。つまり, 指定したアクセス・モードまたは外側のアクセス・モードで入力されたすべての名前の割り当てが解除されます。

論理名の割り当てを解除したい論理名テーブルを指定するには,/PROCESS,/JOB, /GROUP,/SYSTEM,または/TABLE修飾子を使用します。 複数の修飾子を指定した場合は,最後に指定した修飾子だけが有効です。 指定した論理名のエントリが複数の論理名テーブルに存在する場合, コマンド行に指定した最後の論理名テーブルだけから名前が削除されます。 論理名テーブルを指定しない場合,省略時の設定は/TABLE=LNM$PROCESS修飾子です。

共有可能論理名を削除するには, 論理名テーブルに対する書き込み(W)アクセス権が必要です。 共有可能論理名テーブルを削除するには, 親テーブルに対する書き込み(W)アクセス権と, 対象とする論理名テーブルに対する削除(D)アクセス権が必要です。

割り当てを解除したい論理名のアクセス・モードを指定するには, /USER_MODE,/SUPERVISOR_MODE,または/EXECUTIVE_MODE修飾子を使用します。 複数の修飾子を指定した場合は,最後に指定した修飾子だけが有効です。 モードを指定しないと,スーパバイザ・モード名が削除されます。 論理名の割り当てを解除すると, 同じ論理名テーブル内に外側のアクセス・モードで作成された同じ名前も削除されます。

エグゼクティブ・モード論理名の割り当てを解除するには, SYSNAM(システム論理名)特権が必要です。

SYSMAN特権を持たないで/EXECUTIVE_MODE修飾子を指定すると, 修飾子は無視され,スーパバイザ・モード論理名の割り当てが解除されます。

システムからログアウトすると, すべてのプロセス・プライベート論理名と論理名テーブルが削除されます。 イメージを終了すると, プロセス論理名テーブル内の利用者モード・エントリの割り当てが解除されます。 システムからログオフすると, ジョブ・テーブル内の論理名とジョブ・テーブル自体が削除されます。

他のすべての共有可能論理名テーブル内の名前は,利用者モード名, スーパバイザモード名,エグゼクティブ・モード名のいずれであっても, 明示的に割り当てが解除されるまで残っています。 共有可能論理名テーブル内の名前を削除するには, そのテーブルに対する書き込み(W)アクセス権が必要です。

論理名テーブルを削除すると,テーブル内のすべての論理名も削除されます。 子孫テーブルも削除されます。共有可能論理名テーブルを削除するには, そのテーブルに対する削除(D)アクセス権が必要です。

修飾子

/ALL

指定した論理名テーブルと同じアクセス・モード, またはそれより外側の(特権の低い)アクセス・モードで登録された, すべての論理名が削除されることを指定します。 論理名テーブルを指定しない場合には,省略時の値として, プロセス・テーブルである LNM$PROCESS が使用されます。 /ALLを指定する場合には,論理名パラメータは入力できません。

/EXECUTIVE_MODE

エグゼクティブ・モードの論理名の割り当てを解除するためには, SYSNAM(システム論理名)特権が必要です。

指定したアクセス・モード, またはそれより外側の(特権の低い)アクセス・モードで登録された, エントリだけが削除されることを指定します。 エグゼクティブ・モードに対するSYSPRV(システム特権)特権を持たない場合には, スーパバイザ・モードの論理名の割り当てを解除します。

/GROUP

グループ論理名テーブルからエントリを削除するためには, GRPNAM(グループ論理名)またはSYSPRV特権が必要です。

指定した論理名が,グループ論理名テーブルに登録されていることを示します。 /GROUP修飾子は,/TABLE=LNM$GROUP修飾子の同意語です。

/JOB

指定した論理名が,ジョブ論理名テーブルに登録されていることを示します。 /JOB修飾子は,/TABLE=LNM$JOB修飾子の同意語です。 論理名テーブルを明示的に指定しない場合には, 省略時の設定として/PROCESS修飾子が使用されます。

ログイン時にシステムが作成するジョブ論理名,たとえば,SYS$LOGIN, SYS$LOGIN_DEVICE,およびSYS$SCRATCHなどの割り当ては,解除してはいけません。 ただし,これらの論理名に対して,ユーザ自身が新しい等価名を割り当てている場合 (つまり,より特権の低いアクセス・モードで新しい論理名を作成している場合)には, 明示的に作成した論理名の割り当てを解除することが可能です。

/PROCESS (省略時の設定)

指定した論理名が,プロセス論理名テーブルに登録されていることを示します。 /PROCESS修飾子は/TABLE=LNM$PROCESS修飾子と同意語です。

コマンド・インタプリタが作成した論理名,たとえばSYS$INPUT,SYS$OUTPUT, およびSYS$ERRORなどの割り当ては,解除することができません。 ただし,これらの論理名に対して新しい等価名を割り当てている場合(つまり, より特権の低いアクセス・モードで新しい論理名を作成している場合)には, 明示的に作成した論理名の割り当てを解除することが可能です。

/SUPERVISOR_MODE (省略時の設定)

指定した論理名テーブルに登録されている論理名の中で, スーパバイザ・モードで作成された論理名を削除します。 /SUPERVISOR_MODE修飾子を指定すると,DEASSIGNコマンドは, ユーザ・モードの同じ名前の論理名の割り当ても解除します。

/SYSTEM

指定した論理名が,システム論理名テーブルに登録されていることを示します。 /SYSTEM修飾子は,/TABLE=LNM$SYSTEM修飾子の同意語です。

/TABLE=テーブル名

削除する論理名が含まれている論理名テーブルの名前を指定します。 省略時の設定はLNM$PROCESSです。プロセス・テーブル,ジョブ・テーブル, グループ・テーブル,システム・テーブル,あるいはディレクトリ・テーブルの1つ, または利用者定義テーブルの名前を指定することができます(プロセス,ジョブ, グループ,システムの各論理名テーブルは,それぞれLNM$PROCESS,LNM$JOB, LNM$GROUP,LNM$SYSTEMという論理名で指定しなければなりません)。

/TABLE修飾子を使用すれば,論理名テーブルを削除することもできます。 プロセスに固有なテーブルを削除するためには,次のように指定します。

     $ DEASSIGN/TABLE=LNM$PROCESS_DIRECTORY  テーブル名

共有可能テーブルを削除するためには,次のように指定します。

     $ DEASSIGN/TABLE=LNM$SYSTEM_DIRECTORY  テーブル名

共有可能な論理名テーブルを削除するためには, そのテーブルに対して削除(D)アクセスが可能であるか, または共有可能テーブルの名前が登録されているディレクトリ・テーブルに対して書き込み(W)アクセスが可能でなければなりません。

/TABLE修飾子を指定しない場合には, 省略時の設定として/TABLE=LNM$PROCESS修飾子が使用されます。

/USER_MODE

ユーザ・モードで作成されたプロセス論理名テーブルの論理名を削除します。 /USER_MODE修飾子を指定する場合,DEASSGINコマンドは, ユーザ・モードの論理名の割り当てのみを解除します。 また,ユーザ・モード論理名は,コマンド・プロシージャの起動および実行中に, 自動的に削除されます。

  1. $ DEASSIGN MEMO
    
    この例では,プロセス論理名MEMOを解除しています。

  2. $ DEASSIGN/ALL
    
    この例では, ユーザ・モードおよびスーパバイザ・モードの論理名をすべて解除しています。しかし, コマンド・インタプリタによってプロセス論理名テーブルに登録されたエグゼクティブ・モードの論理名 (たとえば,SYS$INPUT, SYS$OUTPUT, SYS$ERROR, SYS$DISK,およびSYS$COMMAND等) は消しません。

  3. $ DEASSIGN/TABLE=LNM$PROCESS_DIRECTORY TAX
    
    この例では,論理名テーブルTAXとその下層のテーブルを削除します。 論理名テーブルを削除するには,/TABLE=LNM$PROCESS_DIRECTORYまたは /TABLE=LNM$SYSTEM_DIRECTORY修飾子を指定しなければなりません。 これは,すべてのテーブル名はこれらのディレクトリに格納されているためです。

  4. $ ASSIGN USER_DISK:   COPY
    $ SHOW LOGICAL COPY
       "COPY" = "USER_DISK:" (LNM$PROCESS_TABLE)
    $ DEASSIGN COPY
    
    このASSIGNコマンドは,論理名COPYと装置USER_DISKを等価にし, プロセス論理名テーブルに置きます。DEASSIGNコマンドは,論理名を削除します。

  5. $ DEFINE SWITCH:  TEMP
    $ DEASSIGN SWITCH::
    
    このDEFINEコマンドは,SWITCH:という論理名を,プロセス論理名テーブルに登録します。 最後のコロンは,論理名の一部として保存されます。 この論理名をDEASSIGNコマンドで削除するためには,2つのコロンが必要です。 これは,DEASSIGNコマンドが最後のコロンを1つ削除してしまうので, 論理名に含まれる文字と一致するようにもう1つのコロンが必要なためです。

  6. $ ASSIGN/TABLE=LNM$GROUP DBA1: GROUP_DISK
    $ DEASSIGN/PROCESS/GROUP GROUP_DISK
    
    この例では,グループ論理名GROUP_DISKを作成しています。 次のDEASSIGNコマンドの修飾子は矛盾していますが, /GROUP修飾子が後に指定されているためうまく論理名が削除されています。

  7. $ ASSIGN DALLAS::USER_DISK:   DATA
       .
       .
       .
    $ DEASSIGN DATA
    
    このASSIGNコマンドは,DALLASという遠隔ノードのUSER_DISKという装置指定に対して, DATAという論理名を割り当てます。この後,DATAという論理名を参照すると, DALLASという遠隔ノードのUSER_DISKというディスクが参照されます。 DEASSIGNコマンドは,このDATAという論理名の割り当てを解除します。


DEASSIGN/QUEUE

プリント・キューまたはターミナル・キューから,論理キューの割り当てを解除し, 論理キューを停止します。バッチ・キューには使用できません。

キューに対する管理(M)アクセス権が必要です。

フォーマット

     DEASSIGN/QUEUE  論理キュー名[:] 

パラメータ

論理キュー名[:]

特定のプリント・キュー,またはターミナル・キューから割り当てを解除する, 論理キューの名前を指定します。

説明

DEASSIGN/QUEUEコマンドを入力すると,論理キュー内のジョブは, ASSIGN/QUEUEコマンドでキューを別のプリント・キューまたは装置に再割り当てされるまで, 待ち状態になります。

  1. $ ASSIGN/QUEUE LPA0  ASTER
       .
       .
       .
    $ DEASSIGN/QUEUE  ASTER
    $ ASSIGN/MERGE LPB0  ASTER
    
    このASSIGN/QUEUEコマンドは, ASTERという論理キューをLPA0というプリント・キューに割り当てます。 このあとDEASSIGN/QUEUEコマンドを使用して,この論理キューの割り当てを解除します。 ASSIGN/MERGEコマンドは,ASTERに含まれるジョブを, LPB0というプリント・キューに再割り当てします。


DEBUG

OpenVMS Debuggerを起動します。

OpenVMS Debuggerについての詳細は『OpenVMSデバッガ説明書』を参照してください。

DCLレベルからデバッガ・コマンドのヘルプを参照したい場合は, 次のコマンドを入力します。

     $ HELP/LIBRARY=SYS$HELP:DBG$HELP DEBUG

フォーマット

     DEBUG 

ヒープ・アナライザ

ヒープ・アナライザには,メモリの使用状況をリアルタイムで図に示す機能があります。 示された図を検討することで, 性能を改善できる可能性のあるアプリケーション部分を素早く判別することができます。 たとえば回数の多すぎるメモリ割り当て,大きなメモリ・ブロック, フラグメンテーションの顕在化,あるいはメモリ・リークなどに気付きます。

デバッガからのヒープ・アナライザの実行についての詳細は, 『OpenVMSデバッガ説明書』を参照してください。

スタンドアロンでヒープ・アナライザを実行する場合は, 次のコマンドを実行してください。

     $ DEFINE/USER/NAME=CONFINE LIBRTL SYS$LIBRARY:LIBRTL_INSTRUMENTED
     $ RUN/NODEBUG program

修飾子

/CLIENT

DEBUG クライアントの MOTIF インタフェースを起動します。 クライアントから,サーバによって表示されるネットワーク・バインディング文字列を使用して接続します。 サーバに最初に接続したクライアントは 1 次クライアントであり, そのサーバに接続できる 2 次クライアントの数を制御します。

/KEEP

保持デバッガ(Kept Debugger)を起動します。 保持デバッガは,1つのイメージを何度もデバッグしたり, デバッガを終了せずに特定の複数のイメージをデバッグしたりすることができます。

保持デバッガを起動するには,DEBUG/KEEPコマンドを実行します。

/RESUME (省略時の設定)

デバッグしているプログラムの実行をCtrl/Yで中断した後, 非保持デバッガを再起動します( LINKコマンドで /NOTRACEBACK修飾子を指定してリンクしたプログラムを中断することはできません)。

Ctrl/Yでプログラムの中断をしていない場合は, DEBUG/RESUMEコマンドを実行しても何も起こりません。

/SERVER [=( [BINDING_INFO=ファイル指定] [,PROTOCOLS=(プロトコル[,...])] )]

DEBUGサーバを起動します。 DEBUGサーバには,同一のOpenVMSノードあるいは遠隔OpenVMSノード, またはMicrosoft Windows 95あるいはMicrosoft Windows NTが稼動しているPCノード上の最大30までのクライアントが同時に接続することができます。

省略可能なBINDING_INFOキーワードを指定する場合は, サーバ・バインディング識別文字列が書き込まれるファイル指定を指定します。 このキーワードを指定しない場合は,ファイルは作成されません。

省略可能なPROTOCOLSキーワードを指定する場合は, DEBUGサーバに接続するために有効とするネットワーク・プロトコルを指定します。 指定されたプロトコルだけが有効となります。 このキーワードを指定しない場合は,すべてのプロトコルが有効となります。 プロトコル引数には, 次のキーワードのいずれか1つあるいは複数を指定することができます。


ALL
[NO]DECNET
[NO]TCP_IP
[NO]UDP

サーバに最初に接続したクライアントは1次クライアントとなります。 1次クライアントの接続後に接続したクライアントは2次クライアントとなります。 1次クライアントは,そのサーバに接続できる2次クライアントの数を制御します。

サーバは,一連のRPCバインディング文字列を表示して, クライアントがサーバに接続するために経由するポート番号を識別します。 ポート番号は,識別文字列の最後の角括弧([])の中に表示されます。 クライアントから接続する場合の最も簡単なポート識別文字は, サーバのノード名と角括弧に囲まれたポート番号で構成されます。 次の例はすべて正しいバインディング識別文字列です。


NODNAM[1234]
NCACN_IP_TCP:16.32.16.25[1112]
16.32.16.25[1112]
NCACN_DNET_NSP:63.1004[RPC20A020DD0001]


注意
デバッグ・サーバを起動するには, ライト・データベースにDBG$ENABLE_SERVER識別子を持っている必要があります。 デバッグ・サーバを使用する場合は注意してください。一度デバッグ・ サーバを起動すると,ネットワーク上の任意のクライアントがそのデバッグ・ サーバに接続することができます。


システム管理者は,DBG$ENABLE_SERVER識別子を許可する前に, ライト・データベースにアクセスするための書き込みアクセスを持つアカウントから DEBUG/SERVERコマンドを実行してこの識別子を作成しておかなければなりません。 システム管理者は一度だけこの識別子を作成する必要があります。 以降は,Authorizeユーティリティを起動して, ライト・データベースのユーザ・アカウントにDBG$ENABLE_SERVER識別子を許可することができます。

  1. $ FORTRAN/DEBUG/NOOPTIMIZE WIDGET
    $ LINK/DEBUG WIDGET
    $ RUN WIDGET
    
                    [ Debugger Banner and Version ]
    
    %DEBUG-I-INITIAL, language is FORTRAN, module set to WIDGET
    DBG>
    
    FORTRANおよびLINKコマンドは/DEBUG修飾子を指定して, デバッガ・シンボル・テーブル情報とプログラムWIDGET.FORをコンパイルしています。 このプログラムはデバッグ情報でコンパイルおよびリンクされているので, RUNコマンドでプログラムが開始されるとイメージ・アクティベータは自動的にデバッガを起動します。 デバッガが起動された時点では,プログラム・コードは展開されていません。

  2. $ FORTRAN/DEBUG/NOOPTIMIZE WIDGET
    $ LINK/DEBUG WIDGET
    $ RUN/NODEBUG WIDGET
    
      NAME:
      NAME:
      NAME:
    ^Y
    $ DEBUG/RESUME
    
                 [ Debugger Banner and Version ]
    
      %DEBUG-I-INITIAL, language is FORTRAN, module set to WIDGET
      DBG>
    
    FORTRANおよびLINKコマンドは/DEBUG修飾子を指定して, デバッガ・シンボル・テーブル情報でプログラムWIDGET.FORをコンパイルしています。 RUNコマンドはイメージWIDGET.EXEの実行を始めます。 このイメージはループし,制御不可能です。 Ctrl/Yでプログラムに割り込みをかけ,DEBUG/RESUMEコマンドで制御をデバッガに移します。

  3. $ CC/DEBUG/NOOPTIMIZE ECHOARGS
    $ LINK/DEBUG ECHOARGS
    $ ECHO == "$ sys$disk:[]echoargs.exe"
    $ DEBUG/KEEP
    
                       [ Debugger Banner and Version ]
    
    DBG> RUN/COMMAND="ECHO"/ARGUMENTS="fa sol la mi"
    %DEBUG-I-INITIAL, language is C, module set to ECHOARGS
    %DEBUG-I-NOTATMAIN, type GO to get to start of main program
    DBG>
       .
       .
       .
    DBG> RERUN/ARGUMENTS="fee fii foo fum"
    %DEBUG-I-INITIAL, language is C, module set to ECHOARGS
    %DEBUG-I-NOTATMAIN, type GO to get to start of main program
    DBG>
       .
       .
       .
    DBG> RUN/ARGUMENTS="a b c" ECHOARGS
    %DEBUG-I-INITIAL, language is C, module set to ECHOARGS
    %DEBUG-I-NOTATMAIN, type GO to get to start of main program
    DBG>
    
    CCおよびLINKコマンドは/DEBUG修飾子を指定して, デバッガ・シンボル・テーブル情報でプログラムECHOARGS.Cをコンパイルしています。

    シンボル定義コマンドは, デバッグ・セッション中にフォーリン・コマンドを定義します。

    DEBUG/KEEPコマンドは,保持デバッガを起動します。

    最初のRUNコマンドは, /COMMAND修飾子を使用してイメージ・ファイルを起動するフォーリン・コマンドを指定し, /ARGUMENTS修飾子を使用して引数の文字列を指定します。

    RERUNコマンドは同一イメージ・ファイルを再起動し, /ARGUMENTS修飾子を使用して新しい引数の文字列を指定します。

    2番目のRUNコマンドは新しいイメージ・ファイル, および新しい引数の文字列を指定します。

  4. $ PASCAL/DEBUG/NOOPTIMIZE 8QUEENS
    $ LINK/DEBUG 8QUEENS
    $ DEFINE/USER/NAME=CONFINE LIBRTL SYS$LIBRARY:LIBRTL_INSTRUMENTED
    $ RUN/NODEBUG 8QUEENS
    
            [Heap Analyzer window is displayed]
    
    PASCALおよびLINKコマンドは/DEBUG修飾子を指定して, デバッガ・シンボル・テーブル情報でプログラム8QUEENS.PASをコンパイルします。

    DEFINEコマンドにより, ヒープ・アナライザはメモリ割り当てとメモリ割り当ての解除に関する情報を収集する LIBRTLにアクセスします。

    RUN/NODEBUGコマンドはヒープ・アナライザを起動しますが,デバッガは起動しません。

  5. $ DEBUG/SERVER=(PROTOCOLS=(TCP_IP,DECNET))
    
    %DEBUG-I-SPEAK: TCP/IP: YES, DECnet: yes, UDP: NO
    %DEBUG-I-WATCH: Network Binding: ncacn_ip_tcp:16.32.16.25[1112]
    %DEBUG-I-WATCH: Network Binding: ncacn_dnet_nsp:63.1004[RPC20A020DD0001]
    %DEBUG-I-AWAIT: Ready for client connection...
    

    DEBUG/SERVERコマンドは, ネットワーク・プロトコルのTCP/IPおよびDECnetを指定して,デバッグ・サーバに接続します。 バイディング文字列はTEMP.TMPファイルに保存されることに注意してください。 TYPEコマンドを使用して,TEMP.TMPの内容を表示することができます。


DECK

コマンド,またはプログラムの入力ストリームの先頭を示します。

フォーマット

     DECK 

説明

DECKコマンドは,コマンドまたはプログラムの入力になるデータに印を付けます。 DECKコマンドを使用できるのは, 入力データが必要なコマンドまたはプログラムを実行する要求の後だけです。

コマンド・プロシージャでは, 入力ストリーム内の任意のデータ・レコードの空白でない最初の文字がドル記号の場合, このコマンドが必要です。また,コマンド・プロシージャでは, DECKコマンドの前にドル記号を付けなければなりません。 ドル記号は,入力レコードの最初の文字位置(カラム1)になければなりません。

DECKコマンドは, 単一データ・ストリームに対してだけファイルの終端(EOF)指示子を定義します。 DECKコマンドを使用すると, ドル記号で始まるデータ・レコードを入力ストリームに入れることができます。 入力ストリームに1つまたは複数のデータの集合を入れるには, DECKコマンドの後にそれぞれをEOF指示子で終了させたデータの集合を続けます。

/DOLLARS修飾子で指定したEOF指示子が検出されると, EOF指示子は省略時の設定,つまりドル記号で始まるレコードに再設定されます。 現在のコマンド・レベルの実際のEOF指示子が検出された場合も, 省略時の設定が再設定されます。

修飾子

/DOLLARS[=文字列]

指定した1〜15文字の文字列を,ファイル終了(EOF)指示子として設定します。 $EODという文字列から始まる1つまたは複数のレコードが, 入力データに含まれている場合に,文字列を指定します。リテラルとしての小文字や, 複数の空白あるいはタブを含むファイル終了指示子を指定する場合には, 引用符(" ")で囲まなければなりません。/DOLLARS修飾子を指定しない場合や, /DOLLARS修飾子だけを指定して文字列を省略する場合には, ファイルの終了(EOF)を示すために,EODコマンドを使用しなければなりません。


  1. この例のFORTRANおよびLINKコマンドは,プログラムAをコンパイルしリンクします。 プログラムAが実行されると, 論理装置SYS$INPUTからプログラムAが読み込んだすべてのデータは, コマンド・ストリームから読み込まれたデータです。DECKコマンドは, 入力ストリームのレコードの最初の文字位置(カラム1) にドル記号を入れられることを示しています。 EODコマンドは,データの終端(end-of-file)を示します。


  2. この例のCREATEコマンドは, 入力ストリームに入力された行からコマンド・プロシージャ・ファイル TEST.COM を作成します。DECL/DOLLARSコマンドは,パーセント記号(%)がCREATEコマンドの EOF指示子であることを示しています。 これにより文字列$EODは入力レコードとして読み込まれ, RUNコマンドに対する入力の終わりを示します。


DEFINE

フォーマット

     DEFINE  論理名 等価名[,...] 

パラメータ

論理名

論理名文字列を指定します。 論理名文字列には,1文字から255文字までを含むことができます。 次の規則が適用されます。

等価名[,...]

1文字から255文字までの文字列を指定します。

DEFINEコマンドでは,同じ論理名を複数の等価名に割り当てることができます。 たとえば,同じ論理名を使用して異なるディスクの異なるディレクトリを, アクセスすることができ, また異なるディレクトリの異なるファイルをアクセスできます。

説明

DEFINEコマンドは,1つまたは複数の等価名を表わす論理名を定義して, 論理名テーブル内のエントリを作成します。 等価名には,装置名,別の論理名,ファイル指定,または他の文字列を使用できます。

論理名の使用を, 特定のプロセス,特定のジョブ,特定のグループに制限することができます。 また,論理名をシステム全体あるいはOpenVMS Clusterシステム全体で使用することもできます。これは,論理名が作成されるテーブルに依存します。 テーブルを指定するには, /PROCESS,/JOB,/GROUP,/SYSTEM,/TABLEの修飾子のいずれかを使用します。

最初の4つの修飾子は, それぞれプロセス,ジョブ,グループ,システムの修飾子テーブルを表わしています。 /TABLE修飾子は,任意のタイプのテーブルを指定するために使用されます。 /TABLE修飾子は,クラスタ全体の論理名テーブルを指定する場合に使用される唯一のものです。

/PROCESS,/JOB,/GROUP,/SYSTEM,/TABLEの修飾子の複数を指定した場合は, 最後に指定した修飾子だけがが有効となります。 これらの修飾子のいずれも指定しない場合は, 論理名はユーザのプロセス論理名テーブルに追加されます。

作成する論理名のアクセス・モードを指定するには, /USER_MODE,/SUPERVISOR_MODE,または/EXECUTIVE_MODE修飾子を使用します。 複数の修飾子を指定した場合は,最後に指定した修飾子だけが有効です。 アクセス・モードを指定しないと,スーパバイザ・モード名が作成されます。 名前を入れるテーブルと同じモードまたは外側のモードで,論理名を作成できます (利用者モードが一番外側のモードで,エグゼクティブ・モードが一番内側のモードです)。

それぞれの論理名のアクセス・モードが異なる限り, 同じ論理名テーブルに同じ名前を持つ複数の論理名をいれることができます (ただし,テーブル内の既存の論理名がNO_ALIAS属性を持つ場合は, このテーブルで同じ名前を使用して外側のモードの論理名を作成できません)。

既存の名前と同じモードで,同じテーブルに同じ名前を持つ論理名を作成すると, 新しい論理名で既存の論理名が置き換えられます。

ASSIGNコマンドを使用して,論理名を作成することもできます。 テーブルから論理名を削除するには,DEASSIGNコマンドを使用します。


注意
SYS$SYSTEM:内の実行可能イメージのファイル名と同じ論理名を割り当てないでください。 そのイメージが起動できなくなります。

等価名を指定しない(すなわちインデックスを指定しない)で論理名を作成する場合は, $CRELNMシステム・サービスを使用します。

等価名としてODS-5ファイル名を指定する場合は, 『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

アプリケーションでの使用を除く, 論理名および論理名テーブルについての完全な説明については, 『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』を参照してください。 アプリケーションでの論理名の使用については, 『OpenVMS Programming Concepts Manual』を参照してください。 クラスタ全体の論理名の管理については, 『OpenVMS Cluster Systems』を参照してください。 また, 論理名の変換に使用されるレキシカル関数F$TRNLNMについての本書の説明も参照してください。

修飾子

/EXECUTIVE_MODE

エグゼクティブ・モードの論理名を作成するためには, SYSNAM(システム論理名)特権が必要です。

指定したテーブルに,エグゼクティブ・モードの論理名を作成します。

/EXECUTIVE_MODE修飾子を指定しても,SYSNAM特権を持たない場合には, DEFINEコマンドはその修飾子を無視し,スーパバイザ・モードの論理名を作成します。 論理名のアクセス・モードは,論理名を登録するテーブルのモードと同じか, それより低いものでなければなりません。

/GROUP

グループ論理名テーブルに論理名を登録するためには, GRPNAM(グループ論理名)特権またはSYSNAM(システム論理名)特権が必要です。

論理名をグループ論理名テーブルに登録します。 登録者のUIC(利用者識別コード)のグループ番号が同じである他の利用者は, この論理名をアクセスできます。 /GROUP修飾子は, /TABLE=LNM$GROUP修飾子の同意語です。

/JOB

論理名を,ジョブ論理名テーブルに登録します。 この論理名を作成したプロセスと同じジョブ階層構造に含まれるプロセスはすべて, この論理名をアクセスできます。/JOB修飾子は,/TABLE=LNM$JOB修飾子の同意語です。

/LOG (省略時の設定)
/NOLOG

既存の名前を無効にする論理名の定義時に,メッセージを表示するか否かを制御します。

/NAME_ATTRIBUTES[=(キーワード[,...])]

論理名に対して,属性を指定します。省略時の設定では,属性は設定されません。 属性に対して指定できるキーワードは,次のとおりです。

CONFINE 論理名が, SPAWNコマンドによって生成されたサブプロセスにコピーされないことを指定します。 このキーワードは,プロセス固有のテーブルに論理名を作成する場合にだけ意味をもちます。

CONFINE属性は,論理名が登録される論理名テーブルの属性からも与えられます。 論理名テーブルが"CONFINE"属性を持つ場合には, そのテーブルに含まれる論理名もすべて"CONFINE"属性をもちます。

NO_ALIAS より低い特権の(外側の)アクセス・モードでは, 同じ名前の論理名をこのテーブルに登録できないことを指定します。 同じ名前を持つ他の論理名が,より低い特権のアクセス・モードで, このテーブルにすでに登録されている場合には,その名前は削除されます。

キーワードを1つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。 また,指定した属性だけが設定されます。

/PROCESS (省略時の設定)

論理名を,プロセス論理名テーブルに登録します。 /PROCESS修飾子は,/TABLE=LNM$PROCESS修飾子の同意語です。

/SUPERVISOR_MODE (省略時の設定)

指定したテーブルに,スーパバイザ・モードの論理名を作成します。 論理名のアクセス・モードは,論理名を登録するテーブルのモードと同じか, それより低いものでなければなりません。

/SYSTEM

システム論理名テーブルに名前を登録するためには, 書き込み(W)アクセス権またはSYSNAM(システム論理名)特権が必要です。

論理名をシステム論理名テーブルに登録します。 システム上のすべてのユーザが,この論理名をアクセスできます。 /SYSTEM修飾子は,/TABLE=LNM$SYSTEM修飾子の同意語です。

/TABLE=テーブル名

共有可能な論理名テーブルの名前を指定するには, テーブルへの書き込み(W)アクセス権が必要です。

論理名を登録する論理名テーブルの名前を指定します。/TABLE修飾子を使用すれば, 利用者定義論理名テーブル(CREATE/NAME_TABLEコマンドによって作成されたもの) を指定できます。また,プロセス論理名テーブル,ジョブ論理名テーブル, グループ論理名テーブル,システム論理名テーブル,クラスタ論理名テーブルと, プロセスまたはシステムの論理名ディレクトリ・テーブルを指定できます。

複数の等価文字列が与えられている論理名を使用して,テーブル名を指定する場合には, 論理名は最初に検出されたテーブルに登録されます。 たとえば,DEFINE/TABLE=LNM$FILE_DEVを指定し,LNM$FILE_DEV が LNM$PROCESS, LNM$JOB,LNM$GROUP,およびLNM$SYSTEMと等しいと定義されている場合には, その論理名は LNM$PROCESS に登録されます。

省略時の設定では,/TABLE=LNM$PROCESSが使用されます。

/TRANSLATION_ATTRIBUTES[=(キーワード[,...])]

等価名修飾子。

論理名の等価文字列に,1つまたは複数の属性を指定します。 変換属性に対して指定できるキーワードは,次のとおりです。

CONCEALED 等価文字列が隠し装置名であることを示します。 隠し装置名を定義した場合,システムは,その装置を参照するメッセージの中で, 等価文字列ではなく,論理名を表示します。
TERMINAL 等価文字列が,反復変換されないことを示します。 したがって,論理名変換は,現在の等価文字列の変換で終了しなければなりません。

キーワードを1つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。 また,指定した属性だけが設定されます。

1つの論理名に対して複数の等価文字列が存在する場合,各等価文字列は, それぞれ異なる変換属性を持つことができます。

/USER_MODE

指定したテーブルに,ユーザ・モードの論理名を作成します。

プロセス論理名テーブル(1つまたは複数)に作成されるユーザ・モードの論理名は, 1つのイメージの実行のためだけに使用されます。 たとえば,コマンド・プロシージャ内で, 実行中のイメージがSYS$INPUTを再定義できるように, ユーザ・モードの論理名を作成できます。 ユーザ・モードの論理名は,プロセス内で実行されているイメージが終了する時 (つまり,イメージを実行しているDCLコマンドまたは利用者のプログラムが実行を終了した後で), プロセス論理名テーブルから削除されます。 また,ユーザ・モードの論理名は, コマンド・プロシージャを起動および実行している時に自動的に削除されます。

  1. $ DEFINE/USER_MODE TM1 $DISK1:[ACCOUNTS.MEMOS]WATER.TXT
    
    この例では,DEFINEコマンドでTM1をファイル指定に等価なものとして定義しています。 次のイメージ実行後に,論理名TM1は自動的に削除されます。

  2. $ DEFINE CHARLIE XXX1:[CHARLES]
    $ PRINT  CHARLIE:TEST.DAT
    Job 274 entered on queue SYS$PRINT
    
    この例では,DEFINEで論理名CHARLIEを, ディスクXXX1のディレクトリ名[CHARLES]に関連付けています。 PRINTコマンドは, ファイルXXX1:[CHARLES]TEST.DATのコピーをシステム・プリンタのキューに登録します。

  3. $ DEFINE PROCESS_NAME  LIBRA
    $ RUN WAKE
    
    このDEFINEコマンドは, PROCESS_NAMEという論理名をプロセス論理名テーブルに登録し, LIBRAという等価名に割り当てます。 この論理名は,スーパバイザ・モードで作成されます。 WAKEというプログラムは,PROCESS_NAMEという論理名を変換し, LIBRAという名前のプロセスに対して特殊な動作を実行します。

  4. $ DEFINE TEMP:  XXX1:
       .
       .
       .
    $ DEASSIGN TEMP::
    
    このDEFINEコマンドは,TEMP:という論理名にXXX1:という等価文字列を割り当て, この論理名をプロセス論理名テーブルに登録します。 コロンは,論理名の一部として扱われます。DEASSIGNコマンドは,論理名を削除します。 DEASSIGNコマンドでは,この論理名を指定するために2つのコロンが必要です。 1つのコロンが,DEASSIGNコマンドによって削除されるためです。 したがって,もう1つのコロンは論理名の一部として処理されます。

  5. $ DEFINE PORTLAND PRTLND::YYY0:[DECNET.DEMO.COM]
    
    このDEFINEコマンドは,PRTLND::YYY0:[DECNET.DEMO.COM]という等価文字列を使用して, プロセス論理名テーブルにPORTLANDという論理名を登録します。 その後の論理名PORTLANDの参照では,指定されたノード,ディスク, サブディレクトリが参照されます。

  6. $ DEFINE LOCAL "BOSTON""JAY_SABLE JKS""::"
    
    このDEFINEコマンドは,BOSTON"JAY_SABLE JKS"::という遠隔ノード等価名を使用して, プロセス論理名テーブルにLOCALという論理名を登録します。 現在のノードでのDCLコマンド文字列処理に関する規則にしたがって, 3組の引用符を使用しています。引用符によって, 等価名に含まれるアクセス制御情報が1組の引用符で囲まれるようにしています。

  7. $ DEFINE MYDISK XXX0:[MYDIR], YYY0:[TESTDIR]
    
    この例では,論理名MYDISKをXXX0:[MYDIR]とYYY0:[TESTDIR]のサーチ・リストとして, プロセス論理名テーブルに登録しています。

  8. $ DEFINE/TABLE=LNM$CLUSTER_TABLE FIRENZE::FIESOLE:[ETRUSCAN]
    
    この例では, DEFINEコマンドがFIRENZEをディレクトリ指定FIRENZE::FIESOLE:[ETRUSCAN]に対応させ, 新しい論理名(FIRENZE)およびその等価文字列(FIRENZE::FIESOLE:[ETRUSCAN])を省略時のクラスタ全体のテーブルに置きます。 新しい論理名は,クラスタ内のすべてのノードに自動的に通知されます。

  9. $  CREATE/NAME_TABLE TABLE1
    $  DEFINE/TABLE=LNM$PROCESS_DIRECTORY LNM$FILE_DEV -
    _$ TABLE1,LNM$PROCESS,LNM$JOB,LNM$GROUP,LNM$SYSTEM
    $  DEFINE/TABLE=TABLE1 -
    _$ /TRANSLATION_ATTRIBUTES=CONCEALED   WORK_DISK DBA1:
    
    この例では,プロセス固有の論理名テーブルTABLE1を作成しています。

    最初のDEFINEコマンドは, TABLE1が装置名やファイル指定の検索時に最初に検索されるように, LNM$FILE_DEVを定義しています。 これは,TABLE1が論理名LNM$FILE_DEVの等価名の最初の項目だからです。 論理名LNM$FILE_DEVは,装置やファイル指定の検索時には常に, 論理名テーブルの検索順序の省略時設定を決定します。

    次のDEFINEコマンドは, 論理名WORK_DISKを物理装置DBA1の等価名として TABLE1に登録しています。 論理名WORK_DISKは,隠し装置名の属性を与えられているので, システム・メッセージにもそのまま変換されずに表示されます。

  10. $ CREATE/NAME_TABLE SPECIAL
    $ DEFINE/TABLE=LNM$PROCESS_DIRECTORY LNM$FILE_DEV -
    _$ SPECIAL,LNM$PROCESS,LNM$JOB,LNM$GROUP,LNM$SYSTEM
    $ DEFINE/TABLE=LNM$PROCESS_DIRECTORY TAB SPECIAL
    $ DEFINE/TABLE=TAB REPORT [CHELSEA]STORES
    $ SHOW LOGICAL/TABLE=SPECIAL REPORT
      "REPORT" = "[CHELSEA]STORES" (SPECIAL)
    
    この例では, CREATE/NAME_TABLEコマンドでSPECIALという論理名テーブルを作成しています。 このテーブルは,プロセス・ディレクトリLNM$PROCESS_DIRECTORYに登録されます。

    最初のDEFINEコマンドは, SPECIALが装置名やファイル指定の検索時に最初に検索されるように, LNM$FILE_DEVを定義しています。 これは,SPECIALが論理名 LNM$FILE_DEVの等価名の最初の項目だからです。 論理名LNM$FILE_DEVは,装置やファイル指定の検索時には常に, 論理名テーブルの検索順序の省略時設定を決定します。 論理名LNM$FILE_DEVは,プロセス・ディレクトリLNM$PROCESS_DIRECTORYに登録しています。

    次のDEFINEコマンドでは,論理名TABを定義しています。 TABは,論理名テーブルを示すSPECIALという文字列に変換されます。 TABは論理名テーブルに繰り返し変換されるので, プロセス・ディレクトリに登録しなければなりません。

    次に,論理名REPORTが,論理名テーブルTABに登録されています。 TABは,テーブルSPECIALに翻訳されるので,論理名REPORTはテーブルSPECIALに登録されています。 SHOW LOGICALコマンドで,論理名REPORTがどこに登録されたか確認できます。

    TABは,別のテーブルを指すように再定義できるので, テーブル名TABを使用する別のプログラムを走らせる場合に, 実際のテーブルを別のテーブルに変更することもできます。


DEFINE/CHARACTERISTIC

キュー属性に数値を割り当てます。/CHARACTERISTIC修飾子は,省略できません。 すでに属性に数値が定義されている場合には,既存の属性の割り当てを変更するには, その属性の定義を削除して再定義しなければなりません。

OPER(オペレータ)特権が必要です。


注意
属性番号1つに1つの属性名のみ定義できます。

フォーマット

     DEFINE/CHARACTERISTIC  属性名 属性番号 

パラメータ

属性名

定義する属性に名前を割り当てます。 属性名は,既存の属性名であるか,1文字から31文字までの長さの新しい属性名です。 アルファベットの大文字と小文字,数字,ドル記号($), およびアンダースコア(_)を含むことができます。 ただし,属性名には,アルファベットを少なくとも1文字は含まなければなりません。 各数値に対して定義できる属性名は1つだけです。

属性番号

定義する属性に,番号を割り当てます。番号は,0から127までの範囲です。

説明

システム管理者またはオペレータは,DEFINE/CHARACTERISTICコマンドを使用して, システムのキューの特定の特性に名前と番号を割り当てます。特性は, 環境に対して意味を持つ印刷ジョブまたはバッチ・ジョブの任意の属性を参照できます。 特性の名前と番号は任意ですが,その特性に対して一意でなければなりません。

注意
V6.0より前のバージョンのOpenVMSは,DEFINE/CHARACTERISTICコマンドを使用すると, 複数の特性名を1つの番号に定義できました。 ただし,この機能はサポートされていませんでした。

DEFINE/CHARACTERISTICコマンドでは, 複数の特性名を1つの番号に定義できなくなりました。 ただし,キューの構成によって単一の番号に複数の特性名を定義する必要がある場合, 論理名を定義することで同じ結果を得ることができます。 たとえば,次のようなコマンドを入力できます。

  $ DEFINE/CHARACTERISTIC SECOND_FLOOR 2
  $ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE_MODE SALES_FLOOR SECOND_FLOOR
  $ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE_MODE SALES_DEPT SECOND_FLOOR
この例では,特性名SECOND_FLOORが,特性番号2に割り当てられます。次に, 論理名SALES_FLOORとSALES_DEPTが,特性名SECOND_FLOORと等価であると定義されます。 その結果,論理名SALES_FLOORとSALES_DEPTが, それぞれで特性名SECOND_FLOORと特性番号2と等価になります。 これらの論理名は,任意の/CHARACTERISTIC=属性名修飾子に対して, 属性名の値として指定できます。

OpenVMS Cluster環境では,論理名が必要なすべてのノードで, 論理名を定義しなければなりません。


特性を定義すると,印刷ジョブまたはバッチ・ジョブ, および実行キューに対応付けることができます。 ジョブに特性を指定する場合についての詳細は, PRINTおよびSUBMITコマンドの/CHARACTERISTICS修飾子の説明を参照してください。

現在システムに定義されている特性を調べるには, SHOW QUEUE/CHARACTERISTICSコマンドを使用します。 特定のキューに指定されている特性を調べるには, SHOW QUEUE/FULLコマンドを使用します。 キューに特性を対応付ける場合についての詳細は,INITIALIZE/QUEUE,SET QUEUE, およびSTART/QUEUEコマンドの/CHARACTERISTICS修飾子の説明を参照してください。

DELETE/CHARACTERISTICコマンドは,定義済みの特性を削除します。

キュー特性を指定する場合についての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

  1. $ DEFINE/CHARACTERISTIC REDINK 3
    
    この例では,属性REDINKを属性番号3に定義しています。 PRINT/CHARACTERISTICS=REDINK (またはPRINT/CHARACTERISTICS=3)コマンド実行時には, プリンタ・キューがREDINKまたは 3の属性を定義されている場合にのみジョブは出力されます。


DEFINE/FORM

プリンタのフォーム名に対して,フォーム番号と属性を定義します。 /FORM修飾子は省略できません。 フォーム名または番号を変更する場合には, 一度削除してから再定義しなければなりません。 DEFINE/FORM修飾子の値のみを変える場合には,フォーム名と番号が同じであれば, DEFINE/FORMコマンドで新しい値を指定すれば変更できます。

OPER(オペレータ)特権が必要です。

フォーマット

     DEFINE/FORM  フォーム名 フォーム番号 

パラメータ

フォーム名

定義するフォームに名前を割り当てます。フォーム名は, 既存のフォーム・タイプか,または1文字から31文字までの長さの文字列です。 文字列には,アルファベットの大文字と小文字,数字,ドル記号($), およびアンダースコア(_)を含むことができます。ただし, 名前にはアルファベット文字が少なくとも1文字含まれていなければなりません。

フォーム番号

定義するフォームに,0〜9999の範囲の番号を割り当てます。 省略時のDEFAULTフォーム, つまりシステムのブートストラップ時に自動的に定義されるフォームには, 0という番号が割り当てられます。

説明

システム管理者または,オペレータは,DEFINE/FORMコマンドを使用して, プリンタ・キューまたは端末キューで使用するために, 用紙の種類と印刷領域に名前と番号を割り当てます。 新しいキュー・ファイルを作成した場合,システムは,フォーム番号が0で, すべて属性が省略時の設定になっているDEFAULTフォームを定義します。

一部のDEFINE/FORM修飾子は,印刷領域を指定します。 /MARGIN修飾子と/WIDTH修飾子のLEFTオプションとRIGHTオプションは, 1行当り文字数を決定します。 /MARGIN修飾子と/WIDTH修飾子のRIGHTオプションを使用すると, テキスト行を折り返す位置を指定できます(ただし,テキストを埋めるため, またはフォーマッティグのために,/MARGIN修飾子と/WIDTH修飾子の LEFTオプションとRIGHTオプションを使用することはできません)。

DEFINE/FORMコマンドを使用して,異なる用紙の種類を指定することもできます。 /DESCRIPTION修飾子を使用すると,フォーム名をより完全に記述できます。

フォームを定義すると, プリント・ジョブおよび出力実行キューと対応付けることができます。 ジョブにフォームを指定する場合についての詳細は, PRINT/FORMコマンドの説明を参照してください。

システムに定義されているフォームを調べるには, SHOW QUEUE/FORMコマンドを使用します。 特定のキューに現在マウントされているフォームと, そのキューの省略時のフォームとして指定されているフォームを調べるには, SHOW QUEUE/FULLコマンドを使用します。 キューにフォームを対応付ける場合についての詳細は, INITIALIZE/QUEUE,SET QUEUE,およびSTART/QUEUEコマンドの /DEFAULTおよび/FORM_MOUNTED修飾子の説明を参照してください。

プリント・ジョブを制御するためにフォームを使用する方法についての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

修飾子

/DESCRIPTION=文字列

最大255文字の文字列を指定します。 この文字列はフォームに関する情報をオペレータに提供するために使用されます。 省略時の文字列は,指定されたフォーム名です。

ここで指定される文字列は,フォーム・タイプを詳しく定義するために使用します。 たとえば,LETTER1,LETTER2, およびLETTER3というフォーム名を定義している場合には, /DESCRIPTION修飾子を使用することでLETTER1は標準的なレター用紙(8.5×11インチ) であり,LETTER2は小さなレター用紙(6×9インチ)であり, LETTER3は社長個人用のレター用紙であることを, 利用者およびオペレータに知らせることができます。

小文字,空白,または他の非アルファベット文字を含む文字列は, 二重引用符(" ")で囲みます。

/LENGTH=n

フォーム・ページの1ページの物理的な長さを,行数で指定します。 省略時設定のページ長は,66行です。これは,標準的なページの長さが11インチであり, 1インチに6行が印字されると考えた場合の値です。 パラメータnは,1から255までの正の整数です。

プリント・シンビオントは,装置の1ページの長さをこの値に設定します。 これは,機械的な改ページ機能のないプリンタに対して改ページ (フォーム・フィード)を行う際に, 何行の空白行を出力するかを計算するのに用いられます。

/MARGIN=(オプション[,...])

BOTTOM,LEFT,RIGHT,およびTOPという4つの余白オプションの中から, 1つまたは複数を指定します。

BOTTOM=n 1ページにおいて,印刷された最後の部分から物理的なページの (紙の)最後までの間に残す空白行の行数を指定します。 nの値は正の整数であり, /LENGTH修飾子の値より小さな値でなければなりません。 省略時の値は6であり,これは一般に用紙の下余白が1インチであることを示します。
LEFT=n 印字可能な左端の位置と実際の印字領域の間に,余白として残す桁数を指定します。 nの値は正の整数であり,/WIDTH修飾子の値より小さな値でなければなりません。 省略時の値は0であり, これは実際の印字領域がプリンタで印字できる用紙の左端から始まることを示します。
RIGHT=n /WIDTH修飾子の設定と実際の印字領域の間に,余白として残す桁数を指定します。 nの値は正の整数であり,/WIDTH修飾子より小さい値でなければなりません。 RIGHTオプションの値は,/WIDTHの値から左側へ順にカウントされます。 省略時の値は0であり,これは/WIDTHの値の桁位置まで印字されることを示します。
TOP=n 用紙上の物理的なページの上端と実際に印字される領域の上端との間に残す, 空白行の行数を指定します。nの値は正の整数で,/LENGTH修飾子の値までの範囲です。 省略時の値は0で,これは用紙の上余白が作成されないことを示します。

/PAGE_SETUP=(モジュール[,...])
/NOPAGE_SETUP (省略時の設定)

各ページの前に,装置を設定する1つまたは複数のモジュールを指定します。 モジュールは,装置制御ライブラリに登録されていなければなりません。 フォームがマウントされている間は,システムは各ページを印刷する前に, 装置制御ライブラリから指定されたモジュールを取り出し, そのモジュールをプリンタにコピーします。

/SETUP=(モジュール[,...])

各ファイルの印刷開始時に装置を適切にセット・アップする, 1つまたは複数のモジュールを指定します。 モジュールは,装置制御ライブラリに登録されているものです。 フォームがマウントされている間は,システムは各ファイルを印刷する前に, 装置制御ライブラリから指定されたモジュールを取りだし, そのモジュールをプリンタにコピーします。

装置制御モジュールについての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』の "Batch and Print Operations"の章を参照してください。

/SHEET_FEED
/NOSHEET_FEED (省略時の設定)

各物理ページの最後で,プリント・ジョブを一時停止し, 新しい用紙を挿入できるようにすることを指定します。

/STOCK=文字列

フォームに対応する用紙の種類(ストック)を指定します。 /STOCK修飾子に指定できる文字列パラメータは,1文字から31文字までの長さであり, ドル記号,アンダースコア,およびすべての英数字を含むことができます。 /STOCK修飾子を指定する場合には, フォームに対応させるストックの名前を指定しなければなりません。 /STOCK修飾子を指定しない場合には,ストック名はフォーム名と同じになります。

どのような文字列でも指定できますが, 同じ種類の用紙を使用するフォームを作成する場合には, 同じ種類の用紙を参照するDEFINE/FORMコマンドで, /STOCKに対する文字列がすべて同じになるようにしてください。

同じ種類の用紙を複数のフォームが使用し, それらフォームでは余白指定や自動改行の位置, あるいはページ・サイズなどが各用紙ごとに異なる場合に,この修飾子は便利です。 これらのフォームの1つを要求するジョブは,同じキューで印刷されます。 フォームに対応したストック文字列の変更は, そのフォームがそのジョブまたはキューでも参照されていない場合にのみ, 行うことができます。

/TRUNCATE (省略時の設定)
/NOTRUNCATE

現在の行の長さ(/WIDTHまたは/MARGIN=RIGHT修飾子で指定された長さ) を越える文字を切り捨てます。 /TRUNCATE修飾子を指定する場合には,/WRAP修飾子は指定できません。 /NOTRUNCATE修飾子と/NOWRAP修飾子のどちらも指定した場合には,プリンタは, 可能な位置までなるべく多くの文字を1行に印字します。 この修飾子の組み合わせは,ある種のグラフィックス出力に対して効果的です。

/WIDTH=n

用紙上の桁位置または文字の位置によって,用紙の物理的な幅を指定します。 パラメータnは,1から65,535までの正の整数で,省略時の値は132です。

この値を越える行は,/WRAP修飾子が有効であれば自動改行して次の行に印刷され, /TRUNCATE修飾子が有効であれば切り捨てられます (/NOTRUNCATEと/NOWRAP修飾子の両方が有効な場合には, 可能な位置まで行は印刷されます)。

行の改行(ラップ)を判断する時には, /MARGIN=RIGHT修飾子の指定が/WIDTH修飾子に優先されます。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

現在の行の長さ(/WIDTHまたは/MARGIN=RIGHT修飾子で指定された長さ)を越える文字を, 次の行に改行して印刷(ラップ)します。 /WRAP修飾子を指定する場合には,/TRUNCATE修飾子は指定できません。 /NOWRAP修飾子と/NOTRUNCATE修飾子のどちらも指定した場合には,プリンタは, 可能な位置までなるべく多くの文字を1行に印字します。 この修飾子の組み合わせは,ある種のグラフィックス出力に対して効果的です。

  1. $ DEFINE/FORM /MARGIN=(TOP=6,LEFT=10) CENTER 3
    
    この例では,上余白6行で左余白10桁のフォームCENTERを定義しています。 下余白(6行)と右余白(10桁)は,省略時設定のままです。 また,フォームは番号3に割り当てられます。


DEFINE/KEY

等価文字列およびいくつかの属性を,ターミナル・キーボードのキーに割り当てます。

フォーマット

     DEFINE/KEY  キー名 等価文字列 

パラメータ

キー名

定義するキーの名前を指定します。VT52ターミナルの定義可能なキーは, すべて数値キーパッドにあります。VT100シリーズのターミナルでは, 数値キーパッドのすべてのキーと4つの矢印キーを定義できます。 また,LK201キーボードを備えたターミナルでは,以下の3種類のキーを定義できます。

次に示す表は,最初のカラムにキー名が示されています。残りの3つのカラムは, キー定義が可能な3種類のターミナル・キーボード上でのキーの名称を示したものです。

キー名 LK201 VT100
シリーズ
VT52
PF1 PF1 PF1 [青色]
PF2 PF2 PF2 [赤色]
PF3 PF3 PF3 [灰色]
PF4 PF4 PF4 - -
KP0, KP1, ..., KP9 0, 1, ..., 9 0, 1, ..., 9 0, 1, ..., 9
Period . . .
Comma , , (なし)
Minus - - (なし)
Enter Enter ENTER ENTER
Left
Right
Find (E1) Find - -
Insert Here (E2) Insert Here - -
Remove (E3) Remove - -
Select (E4) Select - -
Prev Screen (E5) Prev Screen - -
Next Screen (E6) Next Screen - -
Help Help - -
Do Do - -
F6, F7, ..., F20 F6, F7, ..., F20 - -

定義可能なキーの中には,常に定義できるキーがあります。 また,KP0からKP9までのキーや,PERIOD,COMMAおよびMINUSのように, 定義できるように前もって設定しなければならないキーもあります。 これらのキーを使用する場合には,前もって,SET TERMINAL/APPLICATIONコマンド, またはSET TERMINAL/NONUMERICコマンドを入力しなければなりません。

LK201キーボードでは,上および下矢印キーと, F1からF5までのキーに定義することはできません。右および左矢印キーと, F6からF14までのキーは,コマンド行の編集のために予約されています。 これらのキーを定義する前には, SET TERMINAL/NOLINE_EDITINGコマンドを入力しなくてはなりません。 また,CTRL/Vを押せばF7からF14のキーを使用可能にすることができます。 F6はCTRL/Vで使用可能にはならないので注意してください。

等価文字列

キーを押した時に処理される文字列を指定します。 文字列にスペースや小文字が含まれる場合には, 等価文字列を引用符(" ")で囲まなければなりません。

説明

DEFINE/KEYコマンドを使用すると, 特定の端末のキーに定義を割り当てることができます。 端末には,VT52,VT100シリーズ,およびLK201キーボードの端末があります。

これらの端末のキーパッドにあるキーを定義するには, まずSET TERMINAL/APPLICATIONまたはSET TERMINAL/NONUMERICコマンドを入力します。 このように端末を設定した場合, システムはキーパッド・キーからのキーストロークを異なる方法で解釈します。 たとえば,SET TERMINAL/NONUMERICが有効になっていると, キーパッドの1キーを押してもシステムに文字"1"は送信されません。

等価文字列定義には,各種の情報を入れることができます。 通常,等価文字列定義は,DCLコマンドで構成します。 たとえば,0キーにSHOW TIMEコマンドを割り当てることができます。 0を押すと,システムは,現在の日付と時刻を表示します。 他の定義は,コマンド行に追加するテキスト文字列で構成することができます。 テキスト文字列を挿入するようにキーを定義する場合, 文字列を挿入した後にさらにデータを入力できるように/NOTERMINATE修飾子を使用します。

多くの場合,エコー機能を使用したいことがあります。省略時の設定は,/ECHOです。 /ECHOが設定されている場合,キーを押すたびに画面にそのキーの定義が表示されます。

/STATE修飾子を使用すると,端末で使用できるキー定義の数を増やすことができます。 定義ごとに対応する状態が異なる限り, 同じキーに任意の数の定義を割り当てることができます。状態の名前には, 任意の英数字,ドル記号,およびアンダスコアを使用することができます。 状態に対応する定義の種類を記憶しやすいように, できるだけ覚えやすく入力しやすい状態名を作成してください。 たとえば,SETSHOWという状態を作成できます。 この状態のキー定義は,各種のDCL SETおよびSHOWコマンドを参照できます。 EDTエディタに慣れている場合は,状態をGOLDとして定義できます。 次に,/IF_STATE修飾子を使用して, GOLDとして定義されたキーと組み合わせて使用するキーに異なる定義を割り当てることができます。

SET KEYコマンドは,キーパッド状態を変更します。 キーの定義と状態を表示するには,SHOW KEYコマンドを使用します。

修飾子

/ECHO (省略時の設定)
/NOECHO

キーを押した後,等価文字列が画面に表示されるかどうかを指定します。 /NOECHO修飾子を/NOTERMINATE修飾子とともに使用することはできません。

/ERASE
/NOERASE (省略時の設定)

キーを押し,等価文字列がスクリーンに表示される際, 同じコマンド行にすでに入力されていた文字列が消去されるかどうかを指定します。

/IF_STATE=(状態名,...)
/NOIF_STATE

1つまたは複数の状態を指定します。 その状態の中の1つは,キー定義に対して有効でなければなりません。 /NOIF_STATE修飾子は,/IF_STATE=現在の状態の指定と同じ意味です。 状態名は英数字文字列です。 状態は,/SET_STATE修飾子またはSET KEYコマンドによって設定されます。 状態名を1つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。 複数の状態名を指定することにより, 指定したすべての状態で同じ機能を持つキーを定義できます。

/LOCK_STATE
/NOLOCK_STATE (省略時の設定)

/SET_STATE修飾子によって設定した状態を, 他の状態に明示的に変更されるまで有効のままにすることを指定します (省略時の設定では,/SET_STATE修飾子は,次に押された定義可能キーに対してか, あるいは次に入力された読み込み終了キーに対してのみ有効です)。 /LOCK_STATE修飾子は, /SET_STATE修飾子がともに指定されている場合にだけ使用できます。

/LOG (省略時の設定)
/NOLOG

キー定義が正しく作成されたことを示すメッセージを, システムが表示するか否かを制御します。

/SET_STATE=状態名
/NOSET_STATE (省略時の設定)

キーが押された時,指定された状態名が設定されます(省略時の設定では, キーが押された時に現在のロック状態はリセットされます)。 キー定義にこの修飾子を指定しない場合には, SET KEYコマンドを使用して現在の状態を変更することができます。 状態名は,任意の英数字文字列で,引用符で囲んだ文字列で状態を指定します。

/TERMINATE
/NOTERMINATE (省略時の設定)

キーを押した時に, 現在の等価文字列が即時処理されるかどうかを指定します(文字列を入力し, RETURNキーを押すのと同等です)。 省略時の設定では,等価文字列が処理される前に,他のキーを押すことができます。 したがって,コマンド行の中や,プロンプトの後, あるいは入力しているテキスト中に他の文字を挿入できる, キー定義を作成することができます。

  1. $ DEFINE/KEY PF3 "SHOW TIME" /TERMINATE
    %DCL-I-DEFKEY, DEFAULT key PF3 has been defined
    $ <PF3>
    $ SHOW TIME
      14-DEC-1994 14:43:59
    
    このDEFINE/KEYコマンドは,キーパッドのPF3キーが, SHOW TIMEコマンドを実行するよう定義します。 DEFAULTとは,省略時の状態のことです。

  2. $ DEFINE/KEY PF1 "SHOW " /SET_STATE=GOLD/NOTERMINATE/ECHO
    %DCL-I-DEFKEY, DEFAULT key PF1 has been defined
    $ DEFINE/KEY PF1 " DEFAULT" /TERMINATE/IF_STATE=GOLD/ECHO
    %DCL-I-DEFKEY, GOLD key PF1 has been defined
    $ <PF1>
    $ <PF1>
    $ SHOW DEFAULT
    DISK1:[JOHN.TEST]
    
    最初のDEFINE/KEYコマンドは,PF1キーがSHOWという文字列であると定義しています。 後続のキーに対して,状態がGOLDに設定されます。/NOTERMINATE修飾子は, キーが押されたときに文字列を処理しないようにシステムに指示を与えます。 2番目のDEFINE/KEYコマンドは, キーパッドがGOLD状態の時のPF1キーの等価文字列を定義します。 キーパッドがGOLD状態の場合にPF1を押すと, このコマンド行での読み込み操作が終了します。

    PF1キーを2回押すと,システムはSHOW DEFAULTコマンドを表示し, このコマンドを処理します。

    この例の2行目のDEFAULTという単語は, PF1キーがすでに省略時の状態で定義されていることを示しています。 2番目のDEFINE/KEYコマンドのDEFAULTという単語の前のスペースに注意してください。 このスペースが省略されていると,システムは, DEFAULTをSHOWコマンドに対するキーワードとして認識できません。

  3. $ SET KEY/STATE=ONE
    %DCL-I-SETKEY, keypad state has been set to ONE
    $ DEFINE/KEY PF1 "ONE"
    %DCL-I-DEFKEY, ONE key PF1 has been defined
    $ DEFINE/KEY/IF_STATE=ONE PF1 "ONE"
    %DCL-I-DEFKEY, ONE key PF1 has been defined
    
    上記の例は,ONE状態に対するPF1キーに"ONE"を定義する2つの方法を示しています。

    キー定義の望ましい方法は,2番目のDEFINE/KEYコマンドです。 この方法では,キー定義と同じコマンドに状態を指定することで, エラーの発生する可能性を無くしています。


DELETE

大容量記憶ディスク・ボリュームから,1つまたは複数のファイルを削除します。

ファイルに対する削除(D)アクセス権と, 親ディレクトリに対する書き込み(W)アクセス権が必要です。 削除するファイルがディレクトリである場合には, そのディレクトリは空でなければなりません。

フォーマット

     DELETE  ファイル指定[,...] 

パラメータ

ファイル指定[,...]

大容量記憶ディスク・ボリュームから削除する, 1つまたは複数のファイルの名前を指定します。 最初のファイル指定には,省略時のディレクトリまたは特定のディレクトリと, ファイル名,ファイル・タイプ,バージョン番号を含めなければなりません。 2番目以降のファイル指定には,バージョン番号を含めなければなりません。 この場合は,前に処理したファイル指定から省略されたフィールドが適用されます。 ファイル指定のどのフィールドにも,ワイルドカード文字を使用できます。

ディレクトリや装置名を省略する場合には, 現在の省略時の装置および省略時のディレクトリが使用されます。

セミコロン(;)の後にファイル・バージョン番号が指定されていない場合や, バージョン番号が0の場合,あるいはファイル指定のバージョン番号に 1つまたは複数のスペースが含まれている場合には, ファイルの最新バージョンが削除されます。

複数のファイルを削除するためには,ファイル指定を,コンマ(,), またはプラス記号(+)で区切ります。

修飾子

/BACKUP

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻の属性を指定します。 この修飾子は,最新のバックアップの日付により,ファイルを選択します。 この修飾子を/CREATED修飾子,/EXPIRED修飾子, および/MODIFIED修飾子と同時に指定することはできません。 これらの修飾子も,時刻属性によってファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/BEFORE[=時刻]

指定された時刻以前の日付のファイルを選択します。時刻は, 絶対時刻として,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせとして,指定できます。 BOOT, LOGIN, TODAY(省略時の設定),TOMORROW,および YESTERDAYというキーワードも指定できます。 時刻が指定されていない場合には,TODAYであると解釈されます。 選択基準の時刻属性を指定するために,/BACKUP, /CREATED(省略時の設定), /EXPIRED,または/MODIFIED修飾子のいずれかを指定してください。

時刻の指定方法は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BY_OWNER[=uic]

ファイルの所有者の利用者識別コード(UIC)が,指定した所有者UICと一致する場合に, ファイルを選択します。 /BY_OWNER修飾子だけが指定されており,UICが省略されている場合には, 現在のプロセスのUICが省略時の値として使用されます。

UICは,『OpenVMS Guide to System Security』 に説明されている標準的なUIC形式で指定します。

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)

各ファイルに対してのDELETE操作の実行を確認するために, DELETE操作の前に,プロンプトが表示されるかどうかを制御します。 システムがプロンプトを表示したら,次のいずれの応答を入力します。

YES NO QUIT
TRUE FALSE Ctrl/Z
1 0 ALL
  [Return]  

単語で応答する場合には,大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。 また単語による応答は,1文字または複数の文字に短縮できます (たとえば,TRUE は T,TR,または TRU に省略できます)が, 短縮しても一意でなければなりません。肯定応答は,YES,TRUE,および1です。 否定応答は,NO,FALSE,0,および<RET>です。 QUITと入力したりCTRL/Zを押すと,その時点でコマンドの処理の停止を要求します。 ALLを応答した場合には,コマンドは処理は継続しますが, その後プロンプトは表示されなくなります。 上記のリストに示されていない応答を入力すると, DCLはエラー・メッセージを発行し,同じプロンプトが再表示されます。

/CREATED (省略時の設定)

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻の属性を指定します。 この修飾子は,作成日をもとにファイルを選択します。 この修飾子を/BACKUP修飾子,/EXPIRED修飾子, および/MODIFIED修飾子と同時に指定することはできません。 これらの修飾子も,時刻属性によってファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/ERASE
/NOERASE (省略時の設定)

ファイルを削除すると,そのファイルが記憶されていた領域は, 将来使用するためにシステムに戻されます。 新しいデータがもう一度書き込まれるまで,その位置に記憶されていたデータは, まだシステムに存在したまま残ります。/ERASE修飾子を使用すると, データが記憶されていた場所にシステムが指定したパターンが上書きされるため, データはシステムから完全に消去されます。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])

指定したファイルを,DELETE操作から除外することを指定します。ファイル指定には, ディレクトリを含むことができますが,装置は含むことはできません。 ファイル指定には,ワイルドカード文字(*と%)を使用できますが, 特定のバージョンを除外するための相対バージョン番号の使用はできません。 ファイルを1つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。

/EXPIRED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻の属性を指定します。 この修飾子は,満了日をもとにファイルを選択します (満了日は,SET FILE/EXPIRATION_DATEコマンドで設定できます)。 この修飾子を/BACKUP修飾子,/CREATED修飾子, および/MODIFIED修飾子と同時に指定することはできません。 これらの修飾子も,時刻属性によってファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

削除したあとで, 各ファイルのファイル指定をDELETEコマンドが表示するか否かを制御します。

/MODIFIED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻の属性を指定します。 この修飾子は,最後に変更された日付をもとにファイルを選択します。 この修飾子を/BACKUP修飾子,/CREATED修飾子, および/EXPIRED修飾子と同時に指定することはできません。 これらの修飾子も,時刻属性によってファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/SINCE[=時刻]

指定された時刻以後の日付のファイルを選択します。時刻は, 絶対時刻として,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせとして,指定できます。 BOOT, LOGIN, TODAY(省略時の設定),TOMORROW, およびYESTERDAYというキーワードも指定できます。 時刻が指定されていない場合には,TODAYであると解釈されます。 選択基準の時刻属性を指定するために,/BACKUP, /CREATED(省略時の設定), /EXPIRED,または/MODIFIED修飾子のいずれかを指定してください。

時刻の指定方法は,『OpenVMS Guide to System Security』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/STYLE=キーワード

ファイル削除中に表示するファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED
(省略時の設定)
ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。

キーワードCONDENSEDとEXPANDEDを同時に指定することはできません。 このコマンドは,確認が要求された場合に, 出力メッセージに表示されるファイル名の書式を指定します。

EXPANDEDキーワードが指定されていない場合,ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

  1. $ DELETE   COMMON.SUM;2
    
    このDELETEコマンドは,現在の省略時のディスクおよびディレクトリから, COMMON.SUM;2というファイルを削除します。

  2. $ DELETE *.OLD;*
    
    このDELETEコマンドは,ファイル・タイプがOLDであるすべてのファイルの, すべてのバージョンを,省略時のディスク・ディレクトリから削除します。

  3. $ DELETE  ALPHA.TXT;*, BETA;*, GAMMA;*
    
    この例は,ファイルALPHA.TXT, BETA.TXTとGAMMA.TXTの全バージョンを削除します。 ファイル・タイプは, 最初のファイルのものが一時的な省略時の設定として使用されますが, バージョン番号は必ず指定しなければなりません (ここではワイルドカードとして指定されています)。

  4. $ DELETE /BEFORE=15-APR/LOG *.DAT;*
    %DELETE-I-FILDEL, DISK2:[MALCOLM]ASSIGN.DAT;1 deleted (5 block)
    %DELETE-I-FILDEL, DISK2:[MALCOLM]BATCHAVE.DAT;3 deleted (4 blocks)
    %DELETE-I-FILDEL, DISK2:[MALCOLM]BATCHAVE.DAT;2 deleted (4 blocks)
    %DELETE-I-FILDEL, DISK2:[MALCOLM]BATCHAVE.DAT;1 deleted (4 blocks)
    %DELETE-I-FILDEL, DISK2:[MALCOLM]CANCEL.DAT;1 deleted (2 blocks)
    %DELETE-I-FILDEL, DISK2:[MALCOLM]DEFINE.DAT;1 deleted (3 blocks)
    %DELETE-I-FILDEL, DISK2:[MALCOLM]EXIT.DAT;1 deleted (1 block)
    %DELETE-I-TOTAL, 7 files deleted (23 blocks)
    
    この例では,ファイル・タイプがDATで,今年の4月15日以前に作成もしくは更新された, 全ファイルの全バージョンを削除しています。/LOG修飾子を指定すれば, ファイル名だけでなく,削除されたファイルの総数も表示されます。

  5. $ DELETE A.B;
    
    このDELETEコマンドは,ファイルA.Bの最新バージョンを削除します。

  6. $ DELETE/CONFIRM/SINCE=TODAY [MALCOLM.TESTFILES]*.OBJ;*
    DISK0:[MALCOLM.TESTFILES]AVERAG.OBJ;1, delete? [N]:Y
    DISK0:[MALCOLM.TESTFILES]SCANLINE.OBJ;4, delete? [N]:N
    DISK0:[MALCOLM.TESTFILES]SCANLINE.OBJ;3, delete? [N]:N
    DISK0:[MALCOLM.TESTFILES]SCANLINE.OBJ;2, delete? [N]:N
    DISK0:[MALCOLM.TESTFILES]WEATHER.OBJ;3, delete? [N]:Y
    
    このDELETEコマンドは,[MALCOLM.TESTFILES]というサブディレクトリに含まれる, ファイル・タイプがOBJであるファイルのすべてのバージョンを調べ, その中で今日作成または変更されたファイルを見つけます。各ファイルを削除する前に, そのファイルを削除するかどうかを確認するプロンプトを表示します。 省略時の応答であるNが,かぎ括弧に囲まれて示されます。

  7. $ DIRECTORY [.SUBTEST]
    %DIRECT-W-NOFILES, no files found
    $ SET PROTECTION SUBTEST.DIR/PROTECTION=OWNER:D
    $ DELETE SUBTEST.DIR;1
    
    ディレクトリ・ファイルSUBTEST.DIRの削除前に, DIRECTORYコマンドでディレクトリ下にファイルがないことを確認しています。 SET PROTECTIONコマンドでディレクトリ・ファイルの保護を再定義し, 削除可能にしています。その後,DELETEコマンドで削除しています。

  8. $ DELETE DALLAS"THOMAS SECRET"::DISK0:[000,000]DECODE.LIS;1
    
    このDELETEコマンドは,遠隔ノードDALLASの, 装置DISK0上の[000,000]というディレクトリから,ファイルDECODE.LIS;1を削除します。 遠隔ノード名のあとに,ユーザ名とパスワードが指定されています。

  9. $ DELETE NODE12::"DISK1:DEAL.BIG"
    $ DELETE NODE12::DISK1:DEAL.BIG;
    
    この2つのDELETEコマンドは, ともに遠隔ノードQUEBEC上の装置ZZZ1のファイルDEAL.BIGを削除します。 DELETEコマンドはそのファイル指定にバージョン番号を必要としますが, バージョン番号をサポートしないノード上にファイルがあるため (QUEBECは,RT-11ノードです), ファイル指定を二重引用符で囲む(" ")かセミコロン(;)だけを指定します。


DELETE/CHARACTERISTIC

DEFINE/CHARACTERISTICコマンドを使用してすでに設定されている, キュー属性の定義を削除します。/CHARACTERISTIC修飾子は省略できません。

OPER(オペレータ)特権が必要です。

フォーマット

     DELETE/CHARACTERISTIC  属性名 

パラメータ

属性名

削除する属性の名前を指定します。

説明

DELETE/CHARACTERISTICコマンドは,システム属性テーブルから属性を削除します。

属性の名前または番号を変更するには, その属性を一度削除して再定義する必要があります。

修飾子

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

削除された属性名を削除後に表示するかどうかを制御します。

  1. $ DEFINE/CHARACTERISTIC BLUE 7
       .
       .
       .
    $ DELETE/CHARACTERISTIC BLUE
    $ DEFINE/CHARACTERISTIC BLUE_INK 7
    
    このDEFINE/CHARACTERISTICコマンドは,属性BLUEを属性番号7で, プリンタの青インクを表すようにします。 この属性名を変更するため,DELETE/CHARACTERISTICコマンドを入力し, その後でDEFINE/CHARACTERISTICコマンドに同じ属性番号7を使用して, 属性名をBLUE_INKに変更しています。


DELETE/ENTRY

キューから,1つまたは複数のプリント・ジョブまたはバッチ・ジョブを削除します。 /ENTRY修飾子は省略できません。

キューに対する管理(M)アクセス権, または指定ジョブに対する削除(D)アクセス権が必要です。

フォーマット

     DELETE/ENTRY =(エントリ番号[,...]) [キュー名[:]] 

パラメータ

エントリ番号[,...]

キューから削除するジョブのエントリ番号(またはエントリ番号のリスト)を指定します。 エントリ番号を1つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。 キュー名を省略した場合は,複数のキューからエントリを削除できます。

プリントおよびバッチ・ジョブには,システムで一意のエントリ番号が与えられます。 PRINTやSUBMITコマンドは,省略時の設定では, ジョブが正常にキューに登録された場合にエントリ番号を表示し, ローカル・シンボル$ENTRYを最新のジョブのエントリ番号に設定します。 ジョブのエントリ番号を確認するには, SHOW ENTRYまたはSHOW QUEUEコマンドを使用します。

キュー名[:]

ジョブが存在するキューの名前を指定します。キュー名には, ジョブが登録されたキュー,またはジョブが実行されているキューを指定できます。 キュー名は省略可能ですが,指定された場合には, エントリが指定キューにあるかどうかが削除前にチェックされます。

説明

DELETE/ENTRYコマンドは,キューから1つまたは複数のジョブを削除します。 DELETE/ENTRYコマンドでキュー名と複数のエントリ番号を指定する場合, すべてのジョブが同じキューに入っている必要があります。

ジョブは,現在実行中であっても他の状態であっても,削除できます。 たとえばDELETE/ENTRYは,保留状態や待ち状態のジョブを削除できます。

修飾子

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

削除するバッチまたはプリント・ジョブのエントリ番号を表示するかどうかを制御します。

  1. $ PRINT/HOLD   ALPHA.TXT
    Job ALPHA (queue SYS$PRINT, entry 110) holding
       .
       .
       .
    $ DELETE/ENTRY=110  SYS$PRINT
    
    このPRINTコマンドは,ALPHA.TXTというファイルを印刷するジョブを, 保留状態でキューに登録します。 このジョブの実行は,SET ENTRY/RELEASEコマンドが入力されるまで延期されます。 システムは,ジョブ名,エントリ番号,ジョブが登録されたキュー名, および状態を表示します。その後, DELETE/ENTRYコマンドでキューSYS$PRINTからそのエントリを削除することを指定しています。

  2. $ SUBMIT/AFTER=18:00  WEATHER
    Job WEATHER (queue SYS$BATCH, entry 203) holding until 14-DEC-1998
    18:00
    $ SUBMIT/HOLD/PARAMETERS=SCANLINE  DOFOR
    Job DOFOR (queue SYS$BATCH, entry 210) holding
       .
       .
       .
    $ DELETE/ENTRY=(203,210)/LOG
    %DELETE-W-SEARCHFAIL, error searching for 203
    -JBC-E-NOSUCHENT, no such entry
    %DELETE-I-DELETED, entry 210 aborting or deleted
    
    SUBMITコマンドは, コマンド・プロシージャWEATHER.COMとDOFOR.COMをバッチ・キューに登録しています。 WEATHER.COMのは,午後6:00に実行するように,DOFOR.COMは, SET ENTRY/RELAESEコマンドを入力するまで実行されないように保留状態で, それぞれ登録されています。 その後,DELETE/ENTRY/LOGコマンドで両方のエントリをキューから削除しています。 エントリが削除されたことを示すメッセージが表示されます。

    DELETE/ENTRY/LOGコマンドが入力される前に, ジョブWEATHER(エントリ203)は終了していたため, このエントリは既に存在していません。 キューにエントリがないことを示すメッセージが表示されています。 一方,ジョブDOFOR(エントリ210)は, DELETE/ENTRY/LOGコマンドの入力時には保留状態であったため, このエントリはキューから削除され,そのことを示すメッセージが表示されています。

  3. $ PRINT CHAPTER8.MEM
    Job CHAPTER8 (queue SYS$PRINT, entry 25) pending on queue
    SYS$PRINT
       .
       .
       .
    $ SHOW QUEUE SYS$PRINT
    Printer queue SYS$PRINT, on PARROT::PARROT$LPA0,
    mounted form DEFAULT
    
    Entry  Jobname         Username             Status
    --  ---         ---             --
       24  CHAPTER7        MACKRILL                Pending
       25  CHAPTER8        MACKRILL                Pending
    $ DELETE/ENTRY=25
    
    このPRINTコマンドは,CHAPTER8.MEMというファイルを印刷するジョブを, SYS$PRINTというプリント・キューに登録します。 この後でMACKRILLというユーザは,このファイルを印刷する前に, もう一度編集しなければならないことに気付きました。そこでユーザMACKRILLは, SHOW QUEUEコマンドを使用して,ジョブがまだ実行されていないことと, そのジョブのエントリ番号が25であることを確認し, その後DELETE/ENTRYコマンドを入力することにより, キューからそのジョブを削除しています。


DELETE/FORM

DEFINE/FORMコマンドによってすでに設定されている, プリント・キューまたはターミナル・キューのフォーム・タイプの定義を削除します。 /FORM修飾子は省略できません。

OPER(オペレータ)特権が必要です。

フォーマット

     DELETE/FORM  フォーム名 

パラメータ

フォーム名

削除するフォーム名を指定します。

説明

DELETE/FORMコマンドは,システム・フォーム・テーブルからフォーム定義を削除します。 フォームを削除する場合には,フォームでマウントされたキュー内のフォーム, またはそのフォームを要求するジョブでマウントされたキュー内のフォームに対する, 未解決の参照があってはいけません。 フォームのすべての参照を調べるには,SHOW QUEUE/FULLコマンドを使用します。

フォームの名前または番号を変更するには, フォームを削除して再定義しなければなりません。 フォームの名前と番号を変更しない限り, 異なる値でDEFINE/FORMコマンドを再入力すると, 任意のDEFINE/FORM修飾子の値を修正することができます。

修飾子

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

削除後に削除されたフォーム名を表示するかどうかを制御します。

  1. $ DELETE/FORM CENTER
    
    このDELETE/FORMコマンドは,フォームCENTERを削除しています。

  2. $ DEFINE/FORM -
    _$ /DESCRIPTION="letter size continuous form paper" CFLET 7
       .
       .
       .
    $ DELETE/FORM CFLET
    $ DEFINE/FORM -
    _$ /DESCRIPTION="letter size continuous form paper" LETTER_CONT 7
    
    このDEFINE/FORMコマンドは,8.5×11インチの連続用紙を意味するように, フォームCFLETを7番に定義しています。 その後,フォーム名を変更するために,フォームCFLETを削除してから, LETTER_CONTという新しいフォームを定義しています。


DELETE/INTRUSION_RECORD

侵入データベースからエントリを削除します。

CMKRNL(カーネルへのモード変更)とSECURITY特権が必要です。

フォーマット

     DELETE/INTRUSION_RECORD  侵入元 

パラメータ

侵入元

ログ・インしようとしているユーザの装置または遠隔システムの名前を指定します。 侵入元は, 他のオペレーティング・システム・ドメインの形式で表現される可能性があります。 たとえば,大文字と小文字の区別があったり, DCLの文法規則に従わなかったりするかも知れません。 このような場合には,侵入元パラメータを引用符で囲みます。

説明

侵入データベースからエントリを削除するには, DELETE/INTRUSION_RECORDコマンドを使用します。 たとえば,ユーザHAMMERが期限切れのパスワードを使用して端末TTA24 に何度もログインしようとすると,SHOW INTRUSIONコマンドは次のエントリを表示します。
     Intrusion   Type      Count    Expiration    Source

     TERM_USER   INTRUDER    9      10:29:39.16   TTA24:HAMMER

ログイン失敗の上限に到達しているため,端末はシステムからロックアウトされます。 ユーザHAMMERがシステム管理者に連絡し, ログイン失敗の原因がパスワードの期限切れであることが確認できれば, DELETE/INTRUSIONコマンドを使用して侵入データベー スからレコードを削除することができます。

  1. $ DELETE/INTRUSION_RECORD TTC2:
    
    このDELETE/INTRUSION_RECORDコマンドは, TTC2への侵入の試みによって作成されたすべての侵入レコードを削除します。 正当なユーザは誰もログインに失敗しないため,ユーザ名は指定されていません。

  2. $ DELETE/INTRUSION_RECORD "AV34C2/LC-2-10":FORGETFUL
    
    この例では,侵入元はターミナル・サーバに接続されたローカル・ターミナルです。 侵入データベースから記録を削除するには,ターミナル・ポート名を引用符で囲みます。 これにより,オペレーティング・システムが, スラッシュ(/)を修飾子では無い異質の文字であることを認識できます。

  3. $ DELETE/INTRUSION_RECORD NODE1::HAMMER
    
    このコマンドは, NODE1ノードのHAMMERというユーザによって作成されたすべてのエントリを削除します。


DELETE/KEY

DEFINE/KEYコマンドによって設定されたキー定義を削除します。 /KEY修飾子は省略できません。

フォーマット

     DELETE/KEY  [キー名] 

パラメータ

キー名

定義を削除するキーの名前を指定します。 このパラメータは,/ALL修飾子と同時に指定することはできません。

修飾子

/ALL

指定された状態のすべてのキー定義が削除されることを指定します。 省略時には,現在の状態のすべてのキー定義が削除されます。 /ALL修飾子を使用した場合には,キー名は指定できません。 /STATE修飾子を使用すれば,1つまたは複数の状態を指定できます。

/LOG (省略時の設定)
/NOLOG

指定されたキー定義が削除されたことを示すメッセージが, 表示されるかどうかを制御します。

/STATE=(状態名[,...])
/NOSTATE (省略時の設定)

指定されたキー定義が削除される,状態の名前を指定します。 省略時には,現在の状態のキー定義が削除されます。 状態名を1つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。 状態名は,任意の英数字文列です。

  1. $ DELETE/KEY/ALL
    %DCL-I-DELKEY, DEFAULT key PF1 has been deleted
    %DCL-I-DELKEY, DEFAULT key PF2 has been deleted
    %DCL-I-DELKEY, DEFAULT key PF3 has been deleted
    %DCL-I-DELKEY, DEFAULT key PF4 has been deleted
    $
    
    この例では, 省略時の状態に対してPF1キーからPF4キーまでがすでに定義されていると仮定しています。 このDELETE/KEYコマンドは,省略時の状態である現在の状態の, すべてのキー定義を削除します。

  2. $ DEFINE/KEY PF3 "SHOW TIME" /TERMINATE
    %DCL-I-DEFKEY, DEFAULT key PF3 has been defined
    $ <PF3>
    $ SHOW TIME
     14-DEC-1994 14:43:59
       .
       .
       .
    $ DELETE/KEY PF3
    %DCL-I-DELKEY, DEFAULT key PF3 has been deleted
    $ <PF3>
    $
    
    このDEFINE/KEYコマンドは, キーパッドのPF3キーに SHOW TIMEコマンドを定義しています。 その後で,DELETE/KEYコマンドの使用により,PF3キーに対する定義を削除します。 したがって,この後PF3キーを押しても,システム・プロンプトが表示されるだけです。


DELETE/QUEUE

INITIALIZE/QUEUEコマンドで作成されたプリント/バッチ・キューを削除します。 キュー内のジョブは同時に全て削除されます。 キューは,停止状態でなければなりません。/QUEUE修飾子は省略できません。

キューに対する管理(M)アクセス権が必要です。

フォーマット

     DELETE/QUEUE  キュー名[:] 

パラメータ

キュー名[:]

削除されるキューの名前を指定します。

説明

キューを削除するには,次の手順に従ってください。

  1. STOP/QUEUE/NEXTコマンドを使用して,指定されたキューを停止します。

    STOP/QUEUE/NEXTコマンドは,すべての実行中のジョブが終了してから, 指定されたキューを停止させます。 すべての実行中のジョブが終了するまで待ってください。

  2. 指定されたキューの未解決の参照がないことを確認します。

    汎用キューが,指定されたキューをターゲットとする実行キューを参照する場合は, ターゲットとする実行キューのリストから指定されたキューを削除しなければなりません。

    論理キューが,指定されたキューを参照する場合は, 論理キューの割り当てを解除しなければなりません。

    指定されたキューが汎用キューである場合,当初汎用キューに入れられ, そのターゲットとするキューにまだ存在しているジョブは, 指定されたキューの参照に含まれます。 指定されたキューを削除する前に,当初指定されたキューに受け渡され, 現在そのターゲットとするキューで実行されているジョブを削除するか, またはこれらのジョブが終了するまで待たなければなりません。

  3. 指定されたキューから別のキューにジョブを移動するには, SET ENTRY/REQUEUEまたはASSIGN/MERGEコマンドを使用します。 指定されたキューを削除した場合, そのキューに残っているすべてのジョブも削除されます。

  4. DELETE/QUEUEコマンドを入力します。

修飾子

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

指定されたキューが削除されたことを示すメッセージが, 表示されるかどうかを制御します。

  1. $ INITIALIZE/QUEUE/DEFAULT=FLAG/START/ON=LPA0 LPA0_QUEUE
       .
       .
       .
    $ STOP/QUEUE/NEXT LPA0_QUEUE
    $ DELETE/QUEUE LPA0_QUEUE
    
    最初のコマンドは,LPA0_QUEUEというプリンタ・キューを初期化し,スタートします。 STOP/QUEUE/NEXTコマンドは,キューを停止します。 次に,DELETE/QUEUEコマンドを実行することにより,キューを削除します。


DELETE/QUEUE/MANAGER

1ノードまたはVMSclusterシステムからキュー・マネージャを削除します。 削除するキュー・マネージャが管理しているキューおよびジョブはすべて削除されます。 最初にキュー・マネージャを止めます。/NAME_OF_ MANAGER修飾子は省略できません。

OPER (オペレータ)およびSYSNAM (システム論理名)特権が必要です。

フォーマット

     DELETE/QUEUE/MANAGER/NAME_OF_MANAGER=キュー・マネージャ名 

パラメータ

なし

説明

キュー・マネージャを削除するには,次の手順に従ってください。

  1. STOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTER/NAME_OF_MANAGER=キュー・マネージャ名 コマンドを使用して,指定されたキュー・マネージャを停止します。

  2. キュー・マネージャの名前を指定して, DELETE/QUEUE/MANAGER/NAME_OF_MANAGERコマンドを入力します。

修飾子

/NAME_OF_MANAGER=文字列

削除するキュー・マネージャを指定します。/NAME_OF_MANAGER修飾子は省略できません。 キュー・マネージャには,最大31文字の文字列または論理名を指定します。

  1. $ DELETE/QUEUE/MANAGER/NAME_OF_MANAGER=BATCH_MANAGER
    
    このDELETE/QUEUE/MANAGER/NAME_OF_MANAGERコマンドは, BATCH_MANAGERというキュー・マネージャを削除します。 キュー・データベースの共有マスタ・ファイルからの指定キュー・マネージャへの参照を削除し, BATCH_MANAGERに関係付けられたキューおよびジャーナル・ファイルを削除します。


DELETE/SYMBOL

ローカル・シンボル・テーブル,またはグローバル・シンボル・テーブルから, 1つまたはすべてのシンボル定義を削除します。/SYMBOL修飾子は省略できません。

フォーマット

     DELETE/SYMBOL  [シンボル名] 

パラメータ

シンボル名

削除するシンボルの名前を指定します。 /ALL修飾子が指定されていない限り,シンボル名パラメータは必ず指定しなければなりません。 シンボル名パラメータを指定する場合には,/ALL修飾子は指定できません。 シンボル名は,1文字から255文字までの長さです。 省略時の設定では,DELETE/SYMBOLコマンドは, シンボルが現在のコマンド・プロシージャのローカル・シンボル・テーブルに登録されていると仮定します。

説明

DELETE/SYMBOLコマンドは,シンボル・テーブルからシンボル定義を削除します。 グローバル・シンボル・テーブルもローカル・シンボル・テーブルも指定しないと, ローカル・シンボル・テーブルからシンボルが削除されます。 /GLOBAL修飾子と/LOCAL修飾子の両方を指定した場合は, 最後に指定した修飾子だけが有効になります。 /SYMBOL修飾子は,必ずDELETEコマンドの直後に指定しなければなりません。

修飾子

/ALL

指定されたシンボル・テーブルの,すべてのシンボル名が削除されることを指定します。 /LOCALまたは/GLOBAL修飾子を指定しない場合には, 現在のコマンド・レベルで定義された,すべてのシンボルが削除されます。 /ALL修飾子を指定する場合には,シンボル名パラメータは指定できません。

/GLOBAL

シンボル名が, 現在のプロセスのグローバル・シンボル・テーブルから削除されることを指定します。

/LOCAL (省略時の設定)

シンボル名が, 現在のプロセスのローカル・シンボル・テーブルから削除されることを指定します。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

削除された各シンボルを示す,情報メッセージが表示されるか否かを制御します。

  1. $ DELETE/SYMBOL/ALL
    
    このDELETE/SYMBOLコマンドは, 現在のコマンド・レベルのすべてのシンボル定義を削除します。

  2. $ DELETE/SYMBOL/LOG KUDOS
    %DCL-I-DELSYM, LOCAL symbol KUDOS has been deleted
    
    このDELETE/SYMBOLコマンドは,現在のプロセスのローカル・シンボル・テーブルから, シンボルFOOを削除します,さらに,/LOG修飾子が指定されているため, 削除されたシンボルを示す情報メッセージが表示されます。

  3. $ DELETE/SYMBOL/GLOBAL PDEL
    
    このDELETE/SYMBOLコマンドは,現在のプロセスのグローバル・シンボル・テーブルから, PDELという名前のシンボルを削除します。


DEPOSIT

仮想メモリ中の指定した位置の内容を置換し,新しい内容を表示します。

DEPOSITコマンドと同時にEXAMINEコマンドを使用すると, 会話型でプログラムをデバッグすることができます。 DCLコマンドのDEPOSITコマンドは,OpenVMS DebuggerのDEPOSITコマンドに似ています。

内容を変更したい仮想メモリ位置へのユーザ・モード読み込み(R)権および書き込み(W)アクセス権が必要です。

フォーマット

     DEPOSIT  位置=データ[,...] 

パラメータ

位置

内容を変更したい仮想メモリ中の仮想アドレスの開始点, または仮想アドレスの範囲(2番目に指定するアドレスは, 最初に指定したアドレスより大きくなければなりません)を指定します。 ここでは整数値,シンボル名,レキシカル関数, またはこれらの任意の組み合わせを含む,有効な整数式を指定します。 基数修飾子は,アドレスを解釈する基数を決めます。省略時の設定は16進形式です。 シンボル名は常に,それが定義された基数で解釈されます。 基数演算子%X,%D,または%Oは,位置の前に指定できます。 16進値は数字(または前に%Xをつけた数字)で始めなければなりません。

ここで指定する位置は,プロセスで現在実行中のイメージの, 仮想アドレス領域内でなければなりません。

DEPOSITおよびEXAMINEコマンドは,現在のメモリ位置へのポインタを保守します。 DEPOSITコマンドはこのポインタを,修正した最後のバイトの次のバイトに設定します。 後続のEXAMINEおよびDEPOSITコマンドでピリオド(.)を使用すると, このポインタを参照することができます。 DEPOSITコマンドを使用して指定したデータを格納できない場合は, ポインタは変更しません。EXAMINEコマンドは,ポインタの値を変更しません。

データ[,...]

指定した位置に格納するデータを指定します。 省略時の設定では,データは16進形式で指定されているとみなします。 あとで2進形式に変換したり,指定した位置に書き込むことができます。

複数のデータを指定する場合は,各データをコンマ(,)で区切ります。 DEPOSITコマンドは,指定されたアドレスから連続的な位置にデータを書き込みます。

ASCII以外のデータを格納する場合は, 有効な整数式を使用して複数のデータ項目を指定することができます。

ASCIIデータを格納する場合は,データ項目は1つしか指定できません。 等号の右にあるすべての文字は,文字列であるとみなされます。 これらの文字は大文字に変換され,空白は圧縮されます。

説明

DEPOSITコマンドの実行が終了すると,データが格納された仮想メモリアドレスと, その位置の新しい内容が表示されます。次の例を参照してください。
     address:  contents

現在のアクセス・モードで, 指定したアドレスの読み込みはできても書き込みができない場合, DEPOSITコマンドはその位置の元の内容を表示します。 指定したアドレスからの読み込みも書き込みもできない場合は, DEPOSITコマンドはデータ・フィールドにアスタリスク(*)を表示します。 DEPOSITコマンドは, その位置(修正した最後のバイトの次のバイト)にポインタを設定します。

数値のリストを指定すると,アクセス違反が発生する前に, いくつかの値は正常に格納されます。 ASCIIデータを格納している間にアクセス違反が発生すると,何も格納されません。

基数修飾子: DEPOSITまたはEXAMINEコマンドで, コマンド・インタプリタが数値リテラルを解釈する基数です。 省略時の基数は,16進です。この場合, コマンド行に指定されたすべての数値リテラルは,16進数であるとみなされます。 コマンド行で基数修飾子を変更すると,その基数が, 後続のEXAMINEおよびDEPOSITコマンドの省略時の基数になります。 これは,他の修飾子でその設定を変更するまで続きます。次の例を参照してください。

     $ DEPOSIT/DECIMAL 900=256
     00000384:  256

DEPOSITコマンドは,位置900と値256の両方を,10進数として解釈しています。 後続のすべてのDEPOSITおよびEXAMINEコマンドは, アドレスやデータに指定した数字を10進数とみなします。 DEPOSITコマンドは,常にアドレス位置を16進数で表示することに注意してください。

= (割り当て文)コマンドで定義されたシンボル値は, 常にそれが定義された基数で解釈されます。

格納位置または格納データとして指定する16進数値は, 数字(0〜9)で始めなければなりません。 数字(0〜9)で始めないとコマンド・インタプリタは, シンボル名が入力されたとみなし,シンボルを置換しようとします。

DEPOSITコマンドを入力する時に基数演算子%X,%D,または%Oを使用すると, 現在の省略時の設定を変更することができます。次の例を参照してください。

     $ DEPOSIT/DECIMAL %X900=10

このコマンドは,16進数900として指定した位置を,10進数値10として格納します。

長さ修飾子: DEPOSITコマンドの,省略時の長さの単位はロングワードです。 データ値のリストを指定した場合, データは指定した位置から始まる連続したロングワードに格納されます。 コマンド行で長さ修飾子を変更すると,その長さが, 後続のEXAMINEおよびDEPOSITコマンドの省略時の長さになります。 これは,他の修飾子でその設定を変更するまで続きます。

ASCII値を格納する場合,長さ修飾子は無視されます。

修飾子の位置に関する制限事項: DEPOSITコマンドは,式を算術的に分析します。 そのため,前にスラッシュ(/)が必要な修飾子は,正確に解釈されるためには, コマンド名の直後に指定しなければなりません。

修飾子

/ASCII

指定したデータがASCIIであることを示します。

データ項目は1つだけ指定できます。 等号(=)の右にあるすべての文字は,文字列であるとみなされます。 引用符(" ")で囲まないと,メモリに書き込まれる前にこれらの文字は, すべて大文字に変換され複数の空白は1つ空白に圧縮されます。

DEPOSITコマンドは,仮想メモリに格納する前に,データを2進形式に変換します。 /ASCIIが指定されている場合,または省略時の設定がASCIIモードの場合, ユーザが指定した位置は16進形式であるとみなされます。

/BYTE

一度に1バイトずつデータを格納するよう要求します。

/DECIMAL

データが10進形式であることを示します。 DEPOSITコマンドは,仮想メモリに格納する前に,データを2進形式に変換します。

/HEXADECIMAL

データが16進形式であることを示します。 DEPOSITコマンドは,仮想メモリに格納する前に,データを2進形式に変換します。

/LONGWORD

一度に1ロングワードずつデータを格納するよう要求します。

/OCTAL

データが8進形式であることを示します。 DEPOSITコマンドは,仮想メモリに格納する前に,データを2進形式に変換します。

/WORD

一度に1ワードずつデータを格納するよう要求します。

  1. $ RUN MYPROG
       .
       .
       .
    
    [Ctrl/Y]
    $ EXAMINE %D2145876444
    7FE779DC:  0000000000
    $ DEPOSIT .=17
    7FE779DC:  0000000017
    $ CONTINUE
    
    RUNコマンドで,イメージMYPROG.EXEを実行します。 次にCtrl/Yを押してプログラムを中断します。 /HEXADECIMALおよび/LONGWORD修飾子の省略時の設定が有効であるとみなされ, DEPOSITコマンドは仮想メモリ位置2145876444にロングワード値17(10進数で23) を格納します。

    EXAMINEコマンドは, 現在のメモリ位置(ここでは仮想アドレス2145876444)にポインタを設定しているので, DEPOSITコマンドでピリオド(.)を使用して,この位置を参照することができます。

    CONTINUEコマンドで,イメージの実行を再開させます。

  2. $ DEPOSIT/ASCII   2C00=FILE: NAME: TYPE:
    00002C00:  FILE: NAME: TYPE:...
    
    この例でDEPOSITコマンドは,16進形式で位置2C00に文字データを格納し, 修正した後でこの位置の内容を表示します。 現在の省略時の長さはロングワードなので,DEPOSITコマンドからの応答は, 完全なロングワードを表示します。 反復記号( . . . )は,DEPOSITコマンドにより修正されなかった情報を含むデータの, 最後のロングワードより後にロングワードがあることを示します。

  3. $ EXAMINE 9C0             !  Look at Hex location 9C0
    000009C0:  8C037DB3
    $ DEPOSIT .=0             !  Deposit longword of 0
    000009C0:  00000000
    $ DEPOSIT/BYTE .=1        !  Put 1 byte at next location
    000009C4:  01
    $ DEPOSIT .+2=55          !  Deposit 55 next
    000009C7:  55
    $ DEPOSIT/LONG .=0C,0D,0E !  Deposit longwords
    000009C8:  0000000C 0000000D 0000000E
    
    上記の例の一連のDEPOSITコマンドは, DEPOSITコマンドで現在の位置ポインタを変更する方法を示しています。 /BYTE修飾子を指定した後,すべてのデータは格納されバイトで表示されます。 これは/LONGWORD修飾子がシステムの省略時の設定を格納するまで続きます。

  4. $ BASE=%X200               !  Define a base address
    $ LIST=BASE+%X40           !  Define offset from base
    $ DEPOSIT/DECIMAL LIST=1,22,333,4444
    00000240:  00000001 00000022 00000333 00004444
    $ EXAMINE/HEX LIST:LIST+0C !  Display results in hex
    00000240:  00000001 00000016 0000014D 0000115C
    
    割り当て文は基底アドレスを16進形式で定義し, 基底アドレスから16進オフセットにラベルを定義します。 DEPOSITコマンドは値のリストを読み込み, 指定した位置から各値をロングワードに格納します。 EXAMINEコマンドは,これらの値を16進数で表示するよう要求しています。


DIAGNOSE (Alphaのみ)

Alphaシステム上で,DIAGNOSEコマンドはDECevent管理ユーティリティを起動し, 1つまたは複数のログ・ファイルの内容を選択的にレポートします。

DECeventユーティリティについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプを参照してください。

フォーマット

     DIAGNOSE  [修飾子...] [ファイル指定][,...] 


DIFFERENCES

2つのディスク・ファイルの内容を比較し,一致しないレコードのリストを表示します。

フォーマット

     DIFFERENCES  第1ファイル [第2ファイル] 

パラメータ

第1ファイル

比較のために入力する最初のファイルの名前を指定します。 ファイルには,ファイル名とファイル・タイプを指定しなければなりません。 ファイルの中で,ワイルドカード文字は使用できません。

第2ファイル

比較のために2番目に入力するファイルの名前を指定します。 省略したフィールドに対しては,第1ファイルの対応するフィールドが使用されます。 ファイルの中で,ワイルドカード文字は使用できません。

第2ファイルを指定しない場合には,DIFFERENCESコマンドは, 第1ファイルの1つ前のバージョンを使用します。

説明

2つのファイルが同じかどうか,また異なる場合どのように異なるかを判定するには, DIFFERENCESコマンドを使用します。 DIFFERENCESコマンドは,指定された2つのファイルをレコードごとに比較し, 異なる場合は差をリストする出力ファイルを生成します。

DIFFERENCESコマンドの修飾子は,次のように機能別に分類できます。

省略時の設定では,DIFFERENCESコマンドの出力は, 現在のSYS$OUTPUT装置に書き出されます。 出力を別のファイルまたは装置に書き出すには,/OUTPUT修飾子を使用します。

DIFFERENCESコマンドは,終了状態で終了します。 比較の結果は,次の重大度で示されます。

SUCCESS ファイルは同じです。
INFORMATIONAL ファイルは異なります。
WARNING DIFFERENCESの利用者指定最大数を超えました。
ERROR 仮想メモリの不足のため,比較を完了できません。

SUCCESS以外のすべての重大度は,2つの入力ファイルが異なることを表します。

修飾子

/CHANGE_BAR[=([変更バー文字][,[NO]NUMBER])]

指定された文字を使用して違いをマークします。 /CHANGE_BAR修飾子が表示する出力は, /CHANGE_BAR修飾子を指定した位置により異なります。 次の例では,/CHANGE_BAR修飾子の位置による結果について説明します。

次の例では, 前のバージョンinput.fileとは異なる行すべての先頭にシャープ記号(#) の付いた最新のバージョンを表示します。

     $ DIFFERENCES input.file/CHANGE_BAR=#

次の例では,input.file;1 と異なる行すべての先頭にシャープ記号(#)の付いたinput.file;2を表示します。

     $ DIFFERENCES input.file;1  input.file;2 /CHANGE_BAR=#

次の例では,input.file;2と異なる行すべての先頭にシャープ記号(#) を付けたinput.file;1を表示します。

     $ DIFFERENCES input.file;1/CHANGE_BAR=#  input.file;2

次の例では,input.file;2と異なる行すべての先頭にパーセント記号(%) を付けたinput.file;1と,input.file;1 と異なる行すべての先頭にシャープ記号(#)を付けたinput.file;2を表示します。

     $ DIFFERENCES input.file;1/CHANGE_BAR=% input.file;2/CHANGE_BAR=#

/COMMENT_DELIMITER[=(区切り文字[,...])]

指定されたコメント区切り文字より右の文字を無視します。

1文字だけ指定する場合は,括弧は省略できます。 引用符で囲んでいない小文字は,自動的に大文字に変換されます。 英数字以外の文字(たとえば!や,)は,引用符で囲まなければなりません。 複数文字のコメント文字は使用できません。 文字自体,または次に示すキーワードのいずれか1つをタイプすることにより, 最大32のコメント文字を指定できます。 一意に認識できれば,キーワードは2文字までに短縮できます (1文字だと,区切り文字であると認識されます)。

キーワード 文字
COLON コロン(:)
COMMA コンマ(,)
EXCLAMATION 感嘆符(!)
FORM_FEED フォーム・フィード
LEFT 左かぎかっこ([)
RIGHT 右かぎかっこ(])
SEMI_COLON セミコロン(;)
SLASH スラッシュ(/)
SPACE スペース
TAB 水平タブ

/COMMENT_DELIMITER修飾子を指定すると,/IGNORE=COMMENTS修飾子も暗黙に含まれます。

ある文字の大文字と小文字のどちらも区切り文字として使用する場合には, その文字を2回指定し,1回は大文字で,もう1回は小文字で指定します。 /COMMENT_DELIMITER修飾子にコメント文字もキーワードも指定しないと, DIFFERENCESコマンドはファイル・タイプにより省略時の設定のコメント文字を想定します。 あるファイル・タイプ(.COBおよび.FOR)では,行の1桁目にある場合のみ, 省略時の設定のコメント文字は有効な区切り文字とみなされます。

ファイル・タイプと,省略時の設定のコメント文字を次の表に示します。

ファイル・タイプ 省略時の設定のコメント文字
.B2S, .B32, .BAS, .BLI !
.CBL, .CMD ! and ;
.COB 1桁目の * または /
.COM, .COR !
.FOR 任意の位置の !,および1桁目の C,D,c,d
.HLP !
.MAC, .MAR ;
.R32, .REQ !

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 正確に一致する文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符("")で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合は, Find(E1)キーを押すと文字列検索が有効になります。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに指定し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 キーワードにはBOLD,BLINK,REVERSE,およびUNDERLINEを指定できます。 省略時の設定は BOLDです。

/IGNORE=(オプション[,...])

比較するときに,指定した文字,文字列,またはレコードを無視することを指定します。 /IGNORE修飾子は, 比較レコードが入力ファイルに記憶されている形と同じようにリスト・ファイルに出力されるのか, 指定した文字を無視して編集されたレコードとして出力されるのかも制御します。 キーワードを1つだけ指定する場合は,括弧は省略できます。 キーワード・パラメータは,文字またはキーワードを参照します。 最初のキーワードは,(無視する文字があれば)比較の際に無視する文字を決め, 2番目のキーワードは無視した文字を出力に含めるかどうかを決めます。 /IGNORE修飾子のオプションとして指定できるキーワードを次に示します。

キーワード 無視される項目
BLANK_LINES データ間のブランク行
CASE 比較されるテキストの大文字小文字
COMMENTS コメント区切り文字の後に続くデータ(/COMMENT_DELIMITER修飾子を使用して, 1つまたは複数のコメント区切り文字を指定します)。
FORM_FEEDS フォーム・フィード文字
HEADER[=n] 最初の文字がフォーム・フィードであるレコードから順に, 最初のnレコード(そのレコードに含まれる文字がフォーム・フィードだけの場合には, 最初のレコードは無視されません)。n の省略時の値は2です。
SPACING データ行の内部に含まれる複数のスペース, またはタブ(連続するスペースまたはタブは1つのスペースに変更されます)。
TRAILING_SPACES データ行の最後のスペース文字およびタブ文字
キーワード 出力で無視される項目の状態
EDITED 無視された文字が,削除された状態で出力レコードが作成される。
EXACT 入力ファイルと正確に同じ状態で出力レコードが作成される。
PRETTY 出力レコードは,形式化される。

各データ行に対して,まずCOMMENTS,FORM_FEEDS,HEADER, およびSPACINGがチェックされ, そのあとTRAILING_SPACESとBLANK_LINESがチェックされます。 したがって,COMMENTS,TRAILING_SPACES, およびBLANK_LINESを無視することをDIFFERENCESに指示すると, コメントのあとに続くいくつかのスペース,またはブランク行のレコードは, 完全に無視されます。

省略時の設定では,DIFFERENCESコマンドは,各ファイルのすべての文字を比較し, すべての相違点を報告します。 また,無視された文字をすべて削除した状態で,出力ファイルにレコードを出力します。

/PARALLELを指定すると,出力の形式化は常に実行されます。 レコードの形式を選択するためには,/IGNORE修飾子に対して, 次のキーワードを定します。

文字 形式化された出力
タブ (Ctrl/I) 1個から8個のスペース
Return (Ctrl/M) <CR>
ライン・フィード(Ctrl/J) <LF>
垂直タブ(Ctrl /K) <VT>
フォーム・フィード(Ctrl/L) <FF>
他のプリントされない文字 . (period)

/MATCH=サイズ

一致していることを解釈するために,必要なレコード数を指定します。 省略時の設定では,DIFFERENCESは一致しないレコードを検出したあと, 一致するレコードが3つ連続して検出されると, そのファイルは一致しているものとして処理を続けます。 この省略時の値である3を変更するには,/MATCH修飾子を使用します。

DIFFERENCESが相違点を検出したあとで, 誤った位置を「一致している」と解釈している場合は,/MATCHの値を大きくします。

/MAXIMUM_DIFFERENCES=n

一致しないレコードが指定された数だけ検出されると, DIFFERENCESが終了することを指定します。

一致しないレコード総数は,異なる各セクションごとに異なるレコードの最大数を求め, それを加算することによって判断できます。

DIFFERENCESは,指定した一致しないレコードの最大数に到達すると, その最大数に到達する前に検出したレコードだけを出力します。 また1つのリスト形式だけを出力し,警告メッセージを表示します。

省略時の設定では,一致しないレコードの最大数は設定されていません (指定された入力ファイルに含まれるすべてのレコードが比較されます)。

/MERGED[=n]

出力ファイルに相違点のマージされたリストが含まれることを要求します。nの値は, 一致しないレコードの各リストのあとで,出力される一致したレコード数を示します。 この値は,一致サイズに等しい, あるいはそれより小さい値で10進数でなければなりません (/MATCH=サイズ修飾子を参照)。省略時の値では,DIFFERENCESコマンドは, 一致しないレコードの各セットのあとで,一致した1つのレコードを含む, マージされた(相違点について2つのレコードが記録された)リストを作成します (/MERGED=1)。/MERGED, /SEPAREATEDおよび/PARALLELのいずれも指定されない場合は, 一致しないレコードの各セットのあとで,一致した1つのレコードを含む, マージされたリストを作成します

省略時のnの値を変更する場合や,他のタイプの出力と相違点についての 2つのレコードが記録されたリストを作成する場合には,/MERGED修飾子を使用します。

/MODE=(基数[,...])

出力リストの形式を指定します。次のキーワードを指定することにより, 1つまたは複数の基数モードによる出力を作成できます。ASCII (省略時の設定), HEXADECIMAL,OCTALキーワード(1つまたは複数)は括弧で囲みます。 これらのキーワードは,1文字または複数の文字に省略できます。

省略時の設定では,DIFFERENCESは出力をASCIIモードで作成します。 複数の基数モードを指定する場合には,出力リストには,指定した各基数で, ファイルの比較が示されます。 複数の基数モードを指定する場合には,各モードをコンマで区切らなければなりません。

/PARALLEL修飾子,または/SLP修飾子を指定すると,それらの形式に対して, /MODE修飾子は無視されます。

/NUMBER (省略時の設定)
/NONUMBER

リストに含まれるレコードに,行番号を付けるかどうかを制御します。 省略時の値では,行番号はリストに含まれます。

/OUTPUT[=ファイル指定]

相違点を示した出力リストが書き込まれる,出力ファイルを指定します。 /OUTPUT修飾子を省略する場合には,出力は現在のSYS$OUTPUT装置に書き込まれます。 /OUTPUT修飾子だけを使用しファイル推定を省略すると,出力は, 第1ファイルと同じ名前のファイルに書き込まれます。 この場合のファイル・タイプはDIFになります。 ファイル指定に,ワイルドカード文字は使用できません。

/OUTPUTを指定すると,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』に説明されているような, 出力ファイル指定に対して適用される,省略時の値を使用できます。 省略時の出力ファイル・タイプはDIFです。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

画面上の差分情報の表示を制御します。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページ・モードで表示(毎回画面を消去する)。
SCROLL スクロール・モードで表示(毎回画面を消去しない)。
SAVE[=n] n ページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)。

/PAGE=SAVE修飾子を使用すると, 最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では,次のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 意味
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロール・アップ
Down arrow key 1行スクロール・ダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切り替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なることがあります)。
Help(F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)の画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は,/OUTPUT修飾子と同時に指定できません。

/PARALLEL[=n]

一致しないレコードのパラレル・リスト(横に並べた形式のリスト) を出力することを指定します。n の値は, 一致しないレコードの各リストのあとに出力される,一致したレコード数を示します。 この値は10進正数であり,MATCHに指定されている値以下でなければなりません (/MATCH=サイズ修飾子を参照)。

省略時の設定では,DIFFERENCESコマンドは,一致しないレコードの各リストのあとに, 一致したレコードを加えたリストを作成しません。 またDIFFERENCESは,マージされた相違点のリストだけを作成します。

/SEARCH="文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに指定して, 表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 スペース文字等を含む場合は,検索文字列は引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFind(E1)キーを押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。 この場合は,引用符は必要ありません。

/SEPARATED[=MASTER,REVISION]

違いを含む指定したファイルから,レコードだけを順番にリストします。 指定した最初の入力ファイルの違いをリストするには,キーワードMASTERを指定します。 指定した2番目の入力ファイルの違いをリストするには,キーワードREVISIONを指定します。

省略時の設定では,DIFFERENCESは,相違点のマージされたリストだけを作成します。

/SLP

DIFFERENCESが, SLPエディタへの入力に適した出力ファイルを作成することを指定します。 /SLP修飾子を指定する場合には,/MERGED修飾子,/PARALLEL修飾子, /SEPARATED修飾子および/CHANGE_BAR修飾子という出力ファイル修飾子は指定できません。

SLP修飾子によって作成される出力ファイルは,第1入力ファイルを更新するために, SLPへの入力として使用できます (第1入力ファイルを第2入力ファイルと一致するように変更できます)。

/SLPだけを指定し,/OUTPUT修飾子を指定しない場合には,DIFFERENCESは, 第1入力ファイルと同じファイル名でファイル・タイプがDIFであるファイルに, 出力ファイルを書き込みます。

/WIDTH=n

出力リストの1行の幅を指定します。省略時の設定では出力は132文字の幅ですが, 出力がターミナルに送られるときは例外です。 この場合には,出力の幅は,ターミナルの行の幅によって制御されます。

ターミナルの1行の幅を変更するには,SET TERMINALコマンドを使用します。

/WINDOW=サイズ

一致しないレコードのリストを作成し, 第1入力ファイルの次のレコードに対して処理を継続する前に, 検索するレコードの数を制御します。省略時の設定では,DIFFERENCESは, 一致しないレコードをリストする前に,両方の入力ファイルの最後まで検索します。

ウインドゥ・サイズは,相違セクションの最小サイズであり, これはDIFFERENCESコマンドが2つの入力ファイル間の同期を失う原因となります。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに指定し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 /WRAP修飾子を指定した場合は,はみだす部分は次の行にラップされます。

/NOWRAP修飾子を指定した場合は, はみだした部分は左右にスクロールしながら見ることができます。

  1. $ DIFFERENCES EXAMPLE.TXT
    ************
    File DISK1:[GEORGE.TEXT]EXAMPLE.TXT;2
        1   DEMONSTRATION
        2   OF V3.0 DIFFERENCES
        3   UTILITY
    ******
    File DISK1:[GEORGE.TEXT]EXAMPLE.TXT;1
        1   DEMONSTRETION
        2   OF VMS DIFFERENCES
        3   UTILITY
    ************
    Number of difference sections found: 1
    Number of difference records found: 2
    DIFFERENCES/MERGED=1-
           DISK1:[GEORGE.TEXT]EXAMPLE.TXT;2
           DISK1:[GEORGE.TEXT]EXAMPLE.TXT;1
    
    このDIFFERENCESコマンドは, 現在の省略時のディレクトリのEXAMPLE.TXTというファイルの, 2つの最新バージョンの内容を比較します。DIFFERENCESは, 各レコードのすべての文字を比較し,その結果をターミナルに表示します。

  2. $ DIFFERENCES/PARALLEL/WIDTH=80/COMMENT_DELIMITER="V" EXAMPLE.TXT
    -------------------------------------------------------------------------------
    File DISK1:[GEORGE.TEXT]EXAMPLE.TXT;2  |  File DISK1:[GEORGE.TEXT]EXAMPLE.TXT;1
    ------------------- 1 ------------------------------------- 1 -----------------
    DEMONSTRATION                          |  DEMONSTRETION
    -------------------------------------------------------------------------------
    Number of difference sections found: 1
    Number of difference records found: 1
    DIFFERENCES/IGNORE=(COMMENTS)/COMMENT_DELIMITER=("V")/WIDTH=80/PARALLEL-
           DISK1:[GEORGE.TEXT]EXAMPLE.TXT;2-
           DISK1:[GEORGE.TEXT]EXAMPLE.TXT;1
    
    上記の例と同様にファイルを比較します。 ただし,行の最初に"V"のつくすべての文字列は無視されます。 また,違いのパラレル・リストを80桁で表示します。

  3. $ DIFFERENCES/WIDTH=80/MODE=(HEX,ASCII) EXAMPLE.TXT/CHANGE_BAR
    ************
    File DISK1:[GEORGE.TEXT]EXAMPLE.TXT;2
        1 ! DEMONSTRATION
        2 ! OF V3.0 DIFFERENCES
        3   UTILITY
    ************
    ************
    File DISK1:[GEORGE.TEXT]EXAMPLE.TXT;2
    RECORD NUMBER 1 (00000001) LENGTH 14 (0000000E)  ***CHANGE***
         204E 4F495441 5254534E 4F4D4544 DEMONSTRATION .. 000000
    RECORD NUMBER 2 (00000002) LENGTH 19 (00000013)  ***CHANGE***
     4E455245 46464944 20302E33 5620464F OF V3.0 DIFFEREN 000000
                                  534543 CES............. 000010
    RECORD NUMBER 3 (00000003) LENGTH 7 (00000007)
                         595449 4C495455 UTILITY......... 000000
    ************
    Number of difference sections found: 1
    Number of difference records found: 2
    DIFFERENCES /WIDTH=80/MODE=(HEX,ASCII)
           DISK1:[GEORGE.TEXT]EXAMPLE.TXT;2/CHANGE_BAR-
           DISK1:[GEORGE.TEXT]EXAMPLE.TXT;1
    
    例1と同様にファイルを比較します。 ただし,違いを16進形式とASCII形式でリストします。 また,省略時の設定の変更バーを出力で使用するよう指定しています。 16進形式での省略時の設定の変更バーは,***CHANGE***です。 ASCII形式での省略時の設定の変更バーは,感嘆符です。

  4. $ DIFFERENCES/OUTPUT BOSTON::DISK2:TEST.DAT OMAHA::DISK1:[PGM]TEST.DAT
    
    このDIFFERENCESコマンドは, 遠隔ノードにある2つのファイルを比較し違いを表示します。 第1ファイルは,遠隔ノードBOSTONにあるTEST.DATです。 第2ファイルは,遠隔ノードOMAHAにあるTEST.DATです。 出力ファイルはDISK1:[PGM]TEST.DIFです。


DIRECTORY

ファイルのリスト,またはファイルやファイル・グループに関する情報を表示します。

ファイル名が既知のファイルを見るには, ファイルに対する実行(E)アクセス権が必要です。 ファイルを読んだり,ファイルのリストを表示したり, ファイル名にワイルドカード文字を使用する場合には, ファイルに対する読み込み(R)アクセス権が必要です。

フォーマット

     DIRECTORY  [ファイル指定[,...]]

     DIRECTORY/FTP  ディレクトリ指定 

パラメータ

ファイル指定[,...]

表示する1つまたは複数のファイルを指定します。 ファイル指定の構文によって,どのファイルが表示されるかが,次のように決定されます。

ファイル指定のディレクトリ,ファイル名,ファイル・タイプ, またはバージョン番号には, アスタリスク(*)およびパーセント・サイン(%)のワイルドカード文字が使用できます。 この時には,条件を満たすすべてのファイルが表示されます。 複数のファイルを指定する場合には, 各ファイルをコンマ(,)またはプラス記号(+)で区切ります。

ディレクトリ指定

標準のDECnet遠隔ファイル指定を行います。 UNIXシステムのように大文字と小文字の区別をつける場合や外部文字情報を保存するには, また,装置あるいはディレクトリ指定は, 二重引用符で囲まれたファイル指定を行ってください。 詳細は,/FTP修飾子の説明を参照してください。

説明

DIRECTORYコマンドは,ディレクトリに入っているファイルをリストします。 修飾子を使用すると,ファイル名とともに追加情報が表示されます。

DIRECTORYコマンドの出力は,特定の書式修飾子とその省略時の設定に依存します。 修飾子には,/COLUMNS,/DATE,/FULL,/OWNER,/PROTECTION,および/SIZEがあります。 ただし,ファイルは常にアルファベット順にリストされ, 最高バージョンが最初にリストされます。

修飾子とその機能を学習する際には,組み合わせて動作する修飾子と, 一方が他方を上書きする修飾子に注意してください。たとえば, /FULL修飾子を指定すると,システムは複数のカラムにすべての情報を表示できません。 したがって,/COLUMNS修飾子と/FULL修飾子を同時に指定すると, 要求したカラム数は無視されます。

また,実行時ライブラリに提供されている国際日時書式ルーチンを使用して, システムに定義されている他の言語と書式を選択することもできます。 『OpenVMS RTL Library (LIB$) Manual』を参照してください。

修飾子

/ACL

各ファイルのアクセス制御リスト(ACL)が,表示されるかどうかを制御します。 指定がなければ,DIRECTORYコマンドはファイルごとにACLを表示しません。 隠しオプションを付けて作成されたアクセス制御エントリ(ACE)は, SECURITY特権が有効になっている場合にのみ表示されます。 /ACL修飾子は,/COLUMNS修飾子に優先します。

詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

/BACKUP

/BEFOREまたは/SINCE修飾子に指定された時刻の属性を指定します。 この修飾子は,最後のバックアップの日付をもとに,ファイルを選択します。 /BACKUP修飾子は,/CREATED修飾子, /EXPIRED修飾子および/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も時刻属性によりファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/BEFORE[=時刻]

指定した時刻以前の日付のファイルを選択します。時刻は, 絶対時刻として,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせとして指定できます。 また,BOOT,LOGIN,TODAY (省略時の設定), TOMORROWおよびYESTERDAYというキーワードも使用できます。 /BEFORE修飾子の指定時には,/BACKUP,/CREATED (省略時の設定),/EXPIRED,または /MODIFIED修飾子を指定して,選択基準として使用する時刻の属性を指定します。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BRIEF (省略時の設定)

各ファイルのファイル名,タイプおよびバージョン番号だけを出力することを指定します。 この簡略形式では,ファイルは各行の左から右に, アルファベット順でバージョン番号の大きい順に出力されます。 /ACL,/DATE,/FILE_ID,/FULL,/NOHEADING,/OWNER,/PROTECTION,/SECURITY, および/SIZE修飾子を使用して,簡略形式の表示を拡張することができます。

/BY_OWNER[=uic]

ファイル所有者の利用者識別コード(UIC)が, 指定した所有者UICと一致するファイルだけを選択します。 /BY_OWNER修飾子だけを指定しUICを省略すると, 現在のプロセスのUICが省略時の値として使用されます。

UICは,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 に説明されている標準的なUIC形式で指定します。

詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

/COLUMNS=n

簡略表示のカラム数を指定します。省略時の設定では,カラム数は4です。 必要な数だけカラムを要求できますが,/WIDTH修飾子の値によって制限されます。 /COLUMNS修飾子は,/ACL修飾子や/FULL修飾子, /SECURITY修飾子とともに使用することはできません。

実際に表示されるカラム数は, 各カラムに対して指定した情報の量と/WIDTH修飾子で指定した表示値により決定されます。 システムは,/COLUMNS修飾子に対して指定したカラム数とは無関係に, 省略時の値の範囲内または指定された表示幅の範囲内で表示できるだけのカラムを表示します。

複数のカラムを指定し,各カラムに追加情報を表示することを要求した場合にだけ, DIRECTORYコマンドは長いファイル名を途中で切り捨てます。 省略時のファイル名サイズは19文字です。 この省略時の値を変更するためには,/WIDTH修飾子を使用します。 ファイル名が途中で切り捨てられる場合には, システムはファイル名フィールド・サイズより 1文字だけ少ない文字数でファイル名を表示し,最後の位置に縦線を挿入します。 たとえば,ファイル名がSHOW_QUEUE_CHARACTERISTICSであり, 各カラムにファイル名とサイズの両方を表示することを DIRECTORYコマンドに対して要求した場合には, そのファイルは"SHOW_QUEUE_CHARACT| 120"として表示されます。

/CREATED (省略時の設定)

/BEFOREまたは/SINCE修飾子に指定された時刻の属性を指定します。 この修飾子は,作成日をもとにファイルを選択します。 /CREATED修飾子は,/BACKUP修飾子,/EXPIRED修飾子, および/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も時刻属性によりファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/DATE[=オプション]
/NODATE (省略時の設定)

指定したファイルごとに,作成日,最終変更日,満了日,バックアップ日,有効日, あるいは記録日を表示することを指定します。 この修飾子を省略すると,/NODATE修飾子が使用されます。 /DATE修飾子だけを指定し,オプションを省略すると,作成日が表示されます。 次のオプションが指定できます。

オプション 説明
ALL CREATED(作成日),MODIFIED(最終変更日), EXPIRED(満了日),BACKUP(バックアップ日),EFFECTIVE(有効日), RECORDING(記録日)という順序で,すべての日付を表示する。
BACKUP 各ファイルの最新のバックアップ日を表示する。
CREATED 各ファイルの作成日を表示する。
EFFECTIVE ファイルの内容が正しい有効日を表示する(ISO 9660)。
EXPIRED 各ファイルの満了日を表示する。
MODIFIED ファイルが最後に変更された日を表示する。
RECORDING 記憶媒体上の記録日を表示する(ISO 9660)。

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合,"Findキー" (E1) を押すと文字列検索が有効になります。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])

指定したファイルを,DIRECTORYコマンドの操作から除外することを指示します。 ファイル指定にディレクトリを含めることはできますが, 装置名を含めることはできません。 ファイル指定には,ワイルドカード文字(*と%)を使用できますが, 特定のバージョンを除外するために相対バージョン番号を指定することはできません。 1つのファイルしか指定しない場合には,括弧を省略できます。

/EXPIRED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子に指定された時刻の属性を指定します。 この修飾子は,満了日をもとにファイルを選択します (満了日は,SET FILE/EXPIRATION_DATEコマンドで設定します)。 /EXPIRED修飾子は,/BACKUP修飾子,/CREATED修飾子, および/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も時刻属性によりファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/FILE_ID

ファイル識別番号(FID)を表示するかどうかを制御します。省略時には, DIRECTORYコマンドは,/FULL修飾子が指定された場合を除き,FIDを表示しません。

/FTP

FTPユーティリティのdirectory (dirあるいはls)コマンドを実行します。 DIRECTORY/FTPコマンドはFTPユーティリティを用いて,TCP/IP接続を介して, 指定した遠隔ディレクトリの内容のリストをローカル・ホストに出力します。

/FULL

ファイルごとに,次の項目を表示します。
ファイル名
ファイル・タイプ
バージョン番号
ファイル識別番号(FID)
使用されているブロック数
割り当てられているブロック数
ファイル所有者ユーザ識別子(UIC)
作成日
最新の変更日とリビジョン番号
満了日
最新のバックアップ日
使用の有効日
メディア上への記録日
ファイル編成
シェルブ状態
キャッシング属性
ファイル属性
レコード形式
レコード属性
RMS属性
ジャーナル情報
ファイル保護
アクセス制御リスト(ACL)
クライアント属性
セマンティクス・タグ値(適用されている場合)

/GRAND_TOTAL

選択されたすべてのファイルとディレクトリの総数だけを表示します。 ディレクトリごとの総ファイル数と,個々のファイル情報の両方は,出力されません (ディレクトリ数の合計の表示については,/TRAILING修飾子を参照してください)。

/HEADING
/NOHEADING

装置とディレクトリ指定から構成される見出し行の表示を制御します。 省略時の出力形式では,この見出し行は表示されます。 /NOHEADINGを指定する場合,出力は1カラムの形式になります。 さらに,どのファイルに関しても, 出力に装置とディレクトリ指定を含んだ完全なファイル指定が表示されます。 /NOHEADING修飾子の指定は,/COLUMNS修飾子に優先します。

コマンド・プロシージャの中で完全なファイル指定のリストを作成して, 後でそのリストを操作できるようにする場合は,/NOHEADING修飾子と /NOTRAILING修飾子を組み合わせて使用すると便利です。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE,およびUNDERLINEを指定できます。 省略時の設定はBOLDです。

/MODIFIED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子に指定された時刻の属性を指定します。 この修飾子は,最後に変更された日付をもとにファイルを選択します。 /MODIFIED修飾子は,/BACKUP修飾子,/CREATED修飾子, および/EXPIRED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も時刻属性によりファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力の送り先を制御します。省略時には, 出力は,現在のSYS$OUTPUT装置に送られます。ワイルドカード文字は使用できません。

/OUTPUT修飾子に部分的なファイル指定(たとえば/OUTPUT=[JONES])を入力すると, DIRECTORYが省略時のファイル名となり,LISが省略時のファイル・タイプになります。 /NOOUTPUTを指定すると,何も出力されません。

出力が,表示するディレクトリと同じディレクトリ下のファイルに書かれる場合, 出力ファイルもディレクトリ・リストに表示されます。

/OWNER
/NOOWNER (省略時の設定)

ファイルの所有者のユーザ識別コード(UIC)が表示されるかどうかを制御します。

所有者フィールドの省略時のサイズは20文字です。 ファイル所有者のUICがこの長さを越える場合には,情報の一部が切り捨てられます。 このフィールドのサイズは/WIDTH=OWNERを指定し, OWNERフィールドの値を与えることによって変更できます。 詳細は/WIDTH修飾子の説明を参照してください。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

ディレクトリ情報の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/PRINTER

表示をファイルに落とし, このファイルを/OUTPUT修飾子によって指定したファイル名でキューSYS$PRINTに登録します。 /PRINTER修飾子だけを指定し/OUTPUT修飾子を省略すると, 出力はDIRECTORY.LISという名前の一時ファイルに送られます。 このファイルは,印刷するためにキューに登録され,その後削除されます。

/PROTECTION
/NOPROTECTION (省略時の設定)

各ファイルのファイル保護が,表示されるかどうかを制御します。

/SEARCH="文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 文字列にスペース文字等を入れたい場合は, 検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFind(E1)キーを押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。 この場合は,引用符は必要ありません。

/SECURITY

ファイルの機密保護に関する情報が表示されるかどうかを制御します。 /SECURITY修飾子を使用した場合,/ACL修飾子,/OWNER修飾子, および/PROTECTION修飾子の3つをすべて指定した時と同じ情報が表示されます。 隠しオプションを付けて作成されたアクセス制御エントリ(ACE)は, SECURITY特権が有効になっている場合にのみ表示されます。

詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

/SELECT=(キーワード[,...])

表示するファイルを選択します。次に示すキーワードのいずれか1つを指定します。

ACL
NOACL
ACLが設定されている/いない(NOACL)ファイルを選択
FILE=(オプション[,...]) ファイル指定の1部のみを表示。表示する/しない部分を以下の中から指定します。 [NO]NODE
[NO]DEVICE
[NO]DIRECTORY
[NO]NAME
[NO]TYPE
[NO]VERSION

/SELECT=FILEと/FULL修飾子は同時に指定できません。

ONLINE
NOONLINE
オンライン/シェルブドのファイルを選択
PRESHELVED
NOPRESHELVED
プリシェルブド/プリシェルブドでないファイルを選択
SHELVABLE
NOSHELVABLE
シェルブ可能/不能なファイルを選択
SIZE=(オプション[,...]) サイズに基づいてファイルを選択。有効なオプションを次に示します。
オプション
説明
MAXIMUM=n 指定したパラメータ(n)よりブロック数が少ないファイルを選択します。 nの省略時の値は,1,073,741,823です。MINIMUM=nを同時に指定すれば, 表示するファイルのサイズの範囲を指定できます。
MINIMUM=n 指定したパラメータ(n)よりブロック数の多いファイルを選択します。 nの省略時の値は,0です。 MAXIMUM=nを同時に指定すれば,表示するファイルのサイズの範囲を指定できます。
MINIMUM=n,
MAXIMUM=n
ブロック・サイズがMAXIMUMとMINIMUM で指定される範囲内であるファイルを選択します。

/SHELVED_STATE

ファイルがシェルブド,プリシェルブド,オンラインのいずれであるかを表示します。

/SINCE[=時刻]

指定した時刻より後の日付のファイルを選択します。時刻は, 絶対時刻として,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせとして指定できます。 また,BOOT,LOGIN,TODAY (省略時の設定),TOMORROW,および YESTERDAYというキーワードも使用できます。 /SINCE修飾子の指定時には,/BACKUP,/CREATED (省略時の設定),/EXPIRED,または /MODIFIED修飾子を指定して,選択基準として使用する時刻の属性を指定します。

時刻の指定方法についての詳細,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/SIZE[=オプション]
/NOSIZE (省略時の設定)

各ファイルのブロック・サイズを表示します。 /SIZEだけを指定し,オプションを省略した場合は, ファイルが使用している(USED)ブロック・サイズが表示されます。 指定できるオプションは,次のとおりです。

ALL 使用されているブロック数と割り当てられているブロック数の両方を, ファイル・サイズとして表示します。
ALLOCATION 割り当てられているブロック数を,ファイル・サイズとして表示します。
USED 使用されているブロック数を,ファイル・サイズとして表示します。

このフィールドの幅は,/WIDTH修飾子のSIZEの値を与えることにより変更できます。

/STYLE=キーワード,[キーワード]

ディレクトリ内容を表示する場合に,表示するファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED
(省略時の設定)
ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。このファイル名の場合, ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。

CONDENSEDおよびEXPANDEDの両方のキーワードを指定した場合, ファイル指定が2列で表示されます。 列のサイズは表示の幅に依存していて, ファイル名は各列の内部で自動改行されます。

EXPANDEDキーワードが指定されていない場合,ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

/TIME[=オプション]
/NOTIME (省略時の設定)

/DATE修飾子と同じく,各々の指定されたファイルごとに,バックアップ日, 作成日,満了日および変更日があります。省略時の設定は/NOTIME修飾子です。 オプションを指定しないで/TIME修飾子を使用した場合は,作成日が表示されます。 使用可能なオプションを次に示します。

オプション 説明
ALL CREATED(作成日),EXPIRED(満了日), BACKUP(バックアップ日),およびMODIFIED(最終変更日)を指定する。
BACKUP 各ファイルの最新のバックアップ日を表示する。
CREATED 各ファイルの作成日を表示する。
EFFECTIVE ファイルの内容が正しい有効日を表示する。
EXPIRED 各ファイルの満了日を表示する。
MODIFIED ファイルが最後に変更された日を表示する。
RECORDING 記憶媒体上の記録日を表示する。

/TOTAL

ディレクトリ名とファイルの総数だけを表示します。

省略時には,出力形式は/BRIEF修飾子によって決定されます。 この場合には,総数だけでなくファイル名,ファイル・タイプ, バージョン番号もすべて表示されます。

/TRAILING
/NOTRAILING

下記の情報が要約された形で,後続行に出力されるかどうかを制御します。

省略時の出力形式には,この要約情報のほとんどが含まれます。 /SIZE修飾子と /FULL修飾子は, 要約情報の中にどの情報を表示するかをより正確に指定します。

/TRAILING修飾子が単独で使用されると, ディレクトリ内のファイルの数が表示されます。 /SIZE修飾子を同時に指定する場合には, /SIZE修飾子に指定したサイズ・オプション(FULLまたはALLOCATIONのどちらか) に応じて,ブロック数も表示されます。/FULL修飾子を同時に指定すると, 使用されているブロック数および割り当てられているブロック数も表示されます。 複数のディレクトリを表示する場合,要約情報にはディレクトリの総数, 使用されているブロック数,割り当てられているブロック数が含まれます。

/VERSIONS=n

選択された各ファイルの最新のnバージョンが表示されることを指定します。 /VERSIONS修飾子を省略した場合には,各ファイルのすべてのバージョンが表示されます。 指定できる値は,1以上の値です。

/WIDTH=(キーワード[,...])

表示の幅を規定します。 キーワードを1つだけしか指定しない場合には,括弧を省略できます。 次のキーワードを指定できます。

DISPLAY=n DIRECTORY表示の全体の幅を指定します。n の値は,1〜255までの範囲の整数です。 n の省略時の値は0で,DIRECTORYコマンドが, その表示の幅をターミナルの幅に設定することを示します。 表示幅がターミナルの幅を越えている場合には,情報は途中で切り捨てられます。
FILENAME=n ファイル名を指定するためのフィールドの幅を指定します。省略時の値は19文字です。 各カラムに,ファイル名の他の情報も表示することを指定した場合, ファイル名がnを越えると,ファイル名を切り捨てずに表示したあとで次の行に改行し, 他の情報を表示します(/COLUMNS修飾子を参照してください)。
OWNER=n 所有者を指定するためのフィールドの幅を指定します。省略時の値は20文字です。 所有者のユーザ識別子(UIC)が所有者フィールドの長さを越える場合には, 情報は途中で切り捨てられます。
SIZE=n サイズ・フィールドの幅を指定します。 V6.0より前のバージョンのOpenVMSでは,省略時の値は6です。 OpenVMS V6.0およびそれ以降では,省略時の値は7です。 ファイル・サイズがサイズ・フィールドの長さを越える場合には, 情報は途中で切り捨てられます。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 /WRAP修飾子を指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAPを指定した場合, はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。

  1. $ DIRECTORY AVERAGE.*
    
    Directory DISK$DOCUMENT:[MACKRILL]
    
    AVERAGE.EXE;6    AVERAGE.FOR;6    AVERAGE.LIS;4   AVERAGE.OBJ;12
    
    Total of 4 files.
    
    この例では,DIRECTORYコマンドで AVERAGE というファイル名のすべてのファイル・タイプのファイルを表示します。

  2. $ DIRECTORY/SIZE=USED/DATE=CREATED/VERSIONS=1/PROTECTION -
    _$ AVERAGE
    
    Directory DISK$DOCUMENT:[MACKRILL]
    
    AVERAGE.EXE;6       6        19-APR-1998 15:43:02.10 (RE,RE,RWED,RE)
    AVERAGE.FOR;6       2        19-APR-1998 10:29:53.37 (RE,RE,RWED,RE)
    AVERAGE.LIS;4       5        19-APR-1998 16:27:27.19 (RE,RE,RWED,RE)
    AVERAGE.OBJ;6       2        19-APR-1998 16:27:44.23 (RE,RE,RWED,RE)
    
    Total of 4 files, 15 blocks.
    
    この例では,DIRECTORYコマンドは,現在の省略時のディレクトリに含まれる AVERAGE という名前のすべてのファイルの最新バージョンの, ファイルの使用ブロック数,作成日と保護コードを表示します。

  3. $ DIRECTORY/FULL DISK$GRIPS_2:[VMS.TV]DEMO.EXE
    
    Directory DISK$GRIPS_2:[VMS.TV]
    
    DEMO.EXE;1                      File ID:  (36,11,0)
    Size:           390/390         Owner:    [0,0]
    Created:  12-NOV-1998 11:45:19.00
    Revised:  14-DEC-1998 15:45:19.00 (34)
    Expires:   <None specified>
    Backup:   28-NOV-1998 04:00:12.22
    Effective: <None specified>
    Recording: <None specified>
    File organization:  Sequential
    Shelved state:      Online
    Caching attribute:  Writethrough
    File attributes:    Allocation:390, Extend:0, Global buffer count:0,
                        Version limit: 0, Backups disabled, Not shelvable
    Record format:      Fixed length 512 byte records
    Record attributes:  None
    RMS attributes:     None
    Journaling enabled: None
    File protection:    System:RE, Owner:RE, Group:RE, World:RE
    Access Cntrl List:  None
    Client attributes:  None
    
    Total of 1 file, 390/390 blocks.
    
    この例は,DIRECTORY/FULLコマンドを説明しています。

  4. $ DIRECTORY/VERSIONS=1/COLUMNS=1 AVERAGE.*
    
    このDIRECTORYコマンドは,現在の省略時のディレクトリ内でファイル名 AVERAGE を持つ最高バージョンの各ファイルだけを表示します。 1カラムの簡略形式で表示され,見出し行と後続行が付きます。

  5. $ DIRECTORY BLOCK%%%
    
    このDIRECTORYコマンドは, 省略時の装置およびディレクトリに含まれるファイルの中から, 名前がBLOCKから始まり, そのあとに任意の3文字が続くファイルのすべてのバージョンとすべてのファイル・タイプを表示します。 省略時の出力形式は簡略形式であり,4つのカラムが表示され,見出し行と後続行も表示されます。

  6. $ DIRECTORY/EXCLUDE=(AVER.DAT;*,AVER.EXE;*) [*...]AVER
    
    このDIRECTORYコマンドは,省略時の装置の全ディレクトリにあって, ファイル名AVERを持つすべてのファイルの全バージョンを表示します。 ただし,AVER.DATとAVER.EXEを除いています。

  7. $ DIRECTORY/SIZE=ALL FRESNO::DISK1:[TAYLOR]*.COM
    
    遠隔ノードFRESNOの装置DISK1のディレクトリTAYLOR下にある, ファイル・タイプCOMのファイルの全バージョンを表示します。 このリストには,ファイルの使用しているブロック・サイズ, および割り当てられているブロック・サイズも含まれます。

  8. $ DIRECTORY-
    _$ /MODIFIED/SINCE=14-DEC-1998:01:30/SIZE=ALL/OWNER-
    _$ /PROTECTION/OUTPUT=UPDATE/PRINTER [A*]
    
    省略時の装置のAで始まる名前のトップ・ディレクトリ下で, 1998年12月14日の午前1時30分以降に更新されたファイルを表示します。 全バージョンのファイルが,使用サイズ,割り当てサイズ,最新更新日付,所有者, 保護コードとともに表示されます。この出力は,ファイルUPDATE.LISに書かれ, 自動的に省略時のプリンタ・キューに登録された後,削除されます。

  9. $ DIRECTORY/SHELVED_STATE
    
    Directory MYDISK:[SMITH]
    
    MYFILE.TXT;2            Online
    NOT_SHELVED.TXT;1       Online
    SHELVED.TXT             Shelved
    
    Total of 3 files.
    
    この例ではファイルがシェルブド,プリシェルブド,オンライン,遠隔かを表示しています。


DISABLE AUTOSTART

1ノード上で,特定のキュー・マネージャが管理する, すべての自動起動キューの自動起動機能を禁止します。 省略時の設定では,このコマンドは/QUEUES修飾子を使用します。

OPER (オペレータ)特権が必要です。

自動起動キューについての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』 のバッチ・キューおよびプリント・キューに関する章を参照してください。

フォーマット

     DISABLE AUTOSTART[/QUEUES] 

パラメータ

なし

説明

DISABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドが入力されると, キュー・マネージャは該当ノードで次の操作を行います。

フェールオーバ・リストのないノード上の自動起動キュー, または自動起動のためのフェールオーバ・ノードでない自動起動キューは, 現在のジョブが終了すると停止します。 このような停止したキューは,自動起動機能は残ります。 該当ノード,またはキューがフェールオーバするノードに ENABLE AUTOSTARTコマンドを入力されると, キュー・マネージャはこのような停止した自動起動キューを再起動させます。

省略時の設定では,このコマンドは,コマンドを入力したノードに対して有効です。 異なるノード上の自動起動を禁止するには,/ON_NODE修飾子を使用します。

DISABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドは, ノードをシャットダウンするコマンド・プロシージャSHUTODWN.COMに含まれています。 SHUTDOWN.COMを使用せずにあるノードをシャットダウンし, そのノードで自動起動キューが有効な場合は, まずDISABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドを入力します。

DISABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドは,自動起動キューに対してのみ影響があります。

修飾子

/NAME_OF_MANAGER=名前

禁止したい自動起動キューを制御しているキュー・マネージャ名を指定します。 この修飾子を使用すると, キューの集合に対して異なる自動起動機能を使用することができます。

/NAME_OF_MANAGER修飾子を省略すると,省略時のキュー・マネージャ名 SYS$QUEUE_MANAGERが使用されます。複数のキュー・マネージャについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

/ON_NODE=ノード名

OpenVMS Clusterシステム内のノードを指定します。この修飾子を使用すると, このコマンドを入力したノード以外のノード上の,自動起動を禁止することができます。

/QUEUES

キューの自動起動を禁止することを指定します (この修飾子は省略時の設定により使用されます)。

  1. $ INITIALIZE/QUEUE/BATCH/START/AUTOSTART_ON=SATURN:: BATCH_1
    $ ENABLE AUTOSTART/QUEUES
       .
       .
       .
    $ DISABLE AUTOSTART/QUEUES
    
    この例ではINITIALIZE/QUEUEコマンドは, ノードSATURNで実行できる自動起動キューBATCH_1を作成します。 /START修飾子は,キューの自動起動を有効にします。(ノードSATURN上で実行される) ENABLE/AUTOSTART/QUEUESコマンドは該当ノードの自動起動を許可します。 これによりキュー(および該当ノード上で有効な他の自動起動キュー) はジョブの実行を開始します。

    (ノードSATURN上で実行される) DISABLE AUTOSTARTコマンドは該当ノード上の自動起動キューを停止し, 他のキューが該当ノードにフェールオーバするのを抑止します。

    /NAME_OF_MANAGER修飾子が指定されていないので, これらのコマンドは省略時のキュー・マネージャSYS$QUEUE_MANAGER が管理するキューにのみ有効です。

    BATCH_1は1つのノードでのみ実行するよう設定されているので, キューは他のノードにフェールオーバできず停止します。 ただしキューは自動起動が有効であり, ノードSATURNに対してENABLE AUTOSTARTコマンドが入力されると, このキューはスタートします。 STOP/QUEUE/NEXTまたは STOP/QUEUE/RESETコマンドでキューの自動起動を無効にしない限り, BATCH_1をリスタートさせるためにSTART/QUEUEコマンドを実行する必要はありません。

  2. $DISABLE AUTOSTART/QUEUES/ON_NODE=JADE
    
    この例のDISABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドは, OpenVMS ClusterノードJADEの自動起動を禁止します。 このコマンドは,クラスタ内の任意のノードから入力できます。


DISCONNECT

物理端末と仮想端末の間の接続を切断します。物理端末の接続が切断された後, その物理端末を使用する仮想端末およびプロセスはシステムに残ります。

物理端末と仮想端末が接続していなければなりません。

フォーマット

     DISCONNECT 

パラメータ

なし

説明

DISCONNECTコマンドを使用して, 仮想端末および対応するプロセスから物理端末との接続を切断します。 仮想端末とプロセスはシステム上に残るので, CONNECTコマンドを使用して後でそのプロセスに再接続することができます (仮想端末,および仮想端末への接続方法についての詳細は, ONNECTコマンドの説明を参照してください)。 仮想端末と接続しているプロセスを終了するには,LOGOUTコマンドを使用します。

仮想端末との接続を切断した後,物理端末を使用して再度ログインすることができます。

使用している物理端末が仮想端末に接続している時のみ, DISCONNECTコマンドを使用できます。

修飾子

/CONTINUE
/NOCONTINUE (省略時の設定)

他のプロセスに接続する直前に, 現在のプロセスでCONTINUEコマンドを実行するかどうかを制御します。 この修飾子を指定すると,プロセスが端末からの入力を必要とする, または端末に書き込みを行おうとするまで, 接続を切断した後も割り込みをかけられたイメージの実行を続けることができます。 プロセスが端末からの入力を必要とする時, または端末に書き込みを行おうとする時は,物理端末が仮想端末に再度接続するまで, プロセスは待ち状態になります。

  1. $ DISCONNECT
    
    このコマンドは物理端末と仮想端末との接続を切断しますが, プロセスをログ・アウトしません。 接続を切断した後でも,物理端末を使用して再度ログ・インできます。

  2. $ RUN PAYROLL
    [Ctrl/Y]
    $ DISCONNECT/CONTINUE
    
    この例でRUNコマンドは,仮想端末に接続している物理端末から発行されています。 イメージPAYROLL.EXEに割り込みをかけられた後,DISCONNECTコマンドを使用して, プロセスをログ・アウトせずに物理端末と仮想端末の接続を切断します。 /CONTINUE修飾子を指定しているので,プロセスが端末からの入力を必要とする, または端末への書き込みを行おうとするまで, イメージPAYROLL.EXEの実行を続けることができます。 プロセスが端末からの入力を必要とする時,または端末に書き込みを行おうとする時は, 物理端末が仮想端末に再度接続するまで,プロセスは待ち状態になります。 ただし,物理端末を使用して再度ログインし,他の操作を行うことができます。


DISMOUNT

マウントしたディスクまたはテープ・ボリュームをクローズし, その装置に対応する論理名を削除します。

グループおよびシステムのボリュームをディスマウントするには, GRPNAM (グループ論理名)およびSYSNAM (システム論理名)特権が必要です。

フォーマット

     DISMOUNT  装置名[:] 

パラメータ

装置名[:]

ボリュームを含む装置名を指定します。論理名または物理名で指定します。 物理名を指定した場合は,制御装置の省略時の設定はAに, ユニットの省略時の設定は0になります。

現在装置にマウントされているボリュームが, ディスク・ボリューム・セットまたはテープ・ボリューム・セットのメンバである場合は, /UNIT修飾子を指定しない限り,セットのボリュームはすべてディスマウントされます。

説明

($DISMOUシステム・サービスを起動する) DISMOUNTコマンドは, Files-11構造のボリュームがディスマウントされないようにする条件について調べます。 この条件は,次の4つに分類できます。

これらの条件が1つも満たされない場合,DISMOUNTコマンドは次の操作を実行します。

オープンされたファイル, またはボリュームがディスマウントできない他の条件が検出されると, DISMOUNTコマンドはボリュームにディスマウントのマークをつけません。 その代わりに,ボリュームがディスマウントできないことを示すメッセージを表示し, その後でディスマウントできない条件と各条件のインスタンス数を示すメッセージを表示します。

/OVERRIDE=CHECKS修飾子を指定すると, オープンされたファイルやその他の条件に関係なく, ボリュームにマークをつけてディスマウントできます。 たとえば,ボリュームにディスマウントのマークをつけると, 新しいファイルはオープンできなくなります。 また,ファイル・システムのキャッシュもフラッシュされます。 システムをシャットダウンして, ファイル・システムのキャッシュをディスクに書き込まなければならない場合, この処理は特に重要になります。

ボリュームがFiles-11ボリューム・セットの一部であり, /UNIT修飾子を指定していない場合, ボリューム・セット全体がディスマウントされます。

/SHARE修飾子を指定してボリュームをマウントした場合, そのボリュームをマウントしたユーザがそのボリュームをディスマウントする, またはログアウトするまで,実際にはそのボリュームはディスマウントされません。 ただし,DISMOUNTコマンドは,装置に対応する論理名を削除します。

ALLOCATEコマンドを使用して割り当てた装置は, DISMOUNTコマンドを使用してボリュームをディスマウントしても割り当てられたままです。 装置がMOUNTコマンドで暗黙に割り当てられた場合は, DISMOUNTコマンドを使用してその割り当てを解除します。

/GROUPまたは/SYSTEM修飾子を使用してマウントしたボリュームは, 他のユーザが現在そのボリュームにアクセス中であってもディスマウントされます。 グループおよびシステムのボリュームをディスマウントするには, それぞれGRPNAM特権とSYSNAM特権が必要です。

修飾子

/ABORT

/GROUP修飾子も /SYSTEM修飾子も指定せずにマウントしたボリュームに対してこの修飾子を指定するには, ボリュームの所有権,またはVOLPRO (ボリューム保護)ユーザ特権が必要です。 別のプロセスがプライベートにマウントしているボリュームの場合には, さらにSHAREユーザ特権が必要です。

マウントしたユーザに関係なく,ディスマウントするボリュームを指定します。 /ABORT修飾子の主な目的は,マウント・チェックを終了することです。 DISMOUNT/ABORTコマンドは,未処理の入出力要求もすべて取り消します。 /SHARE修飾子を指定してボリュームをマウントした場合, /ABORT修飾子はマウントしたユーザに関係なく,ボリュームをディスマウントします。

/CLUSTER

デュアル・アーキテクチャのOpenVMS Clusterシステムを介して, ボリュームをディスマウトします。DISMOUNT/CLUSTERを指定すると, DISMOUNTコマンドは,ローカル・ノードの Files-11構造のボリュームのディスマウントを妨げるような, オープンされたファイルやその他の条件がないかどうかを調べます。 オープンされたファイルや他の条件が検出されなかった場合は, DISMOUNTコマンドはOpenVMS Clusterの他のノードについて条件を調べます。 DISMOUNTコマンドがいずれかのノードで条件を検出した場合は, エラー・メッセージを表示して,エラーが発生した装置およびノードを示し, その後でオープンされたファイルまたはその他の条件を示すエラー・メッセージを表示します。

ローカル・ノードでボリュームを正常にディスマウントした後, DISMOUNTコマンドは既存の OpenVMS Cluster環境内にある他のすべてのノードのボリュームをディスマウントします。 システムがクラスタのメンバでない場合は,/CLUSTER修飾子は作用しません。

/OVERRIDE=CHECKS

そのボリューム内でファイルがオープンされている場合でも, File-11構造のボリュームにディスマウントのマークをつけます。 DISMOUNT/OVERRIDE=CHECKSを指定すると,DISMOUNTコマンドは, ディスマウントを妨げるオープンされたファイルまたはその他の条件を示すメッセージを表示し, その後で, ボリュームにディスマウントのマークをつけたことを示すメッセージを表示します。

このコマンドは,装置上のオープンされたファイルをクローズしません。 ファイルをオープンしているすべてのプロセスがファイルを正しくクローズするまで, あるいはそれらのプロセスが完全にランダウンされるまで, 装置を正しくディスマウントすることはできません。

DISMOUNT/OVERRIDE=CHECKS コマンドを実行してからディスマウント操作が終了するまでには, かなりの時間を要する場合があります。 必ず,ディスマウントが終了するまで待ってから,ボリュームを取り外してください。 SHOW DEVICEコマンドで,ディスマウントが終了したかどうか確認できます。 ボリュームのディスマウントの最終処理はファイル・システムで行われ, 実際にディスマウントできるのはそのボリュームのオープンされたファイルをすべてクローズしてからです。 また,そのボリュームに既知ファイル・リストのエントリがある場合, そのボリュームをディスマウントすることはできません。

このコマンドを使用することにより,装置にはディスマウントのマークがつけられます。 これにより,すでにオープンされたファイルのクローズ中に, その装置上のファイルをプロセスがオープンすることを防ぎます。

/UNIT

指定した装置のボリューム・セットから,ボリュームを1つだけディスマウントします。 省略時の設定では,セット内のボリュームをすべてディスマウントします。

注意
ボリューム・セットのルート・ボリュームにはマスタ・ファイル・ディレクトリ(MFD) があるので,ディスマウントしないでください。MFDにアクセスできない場合は, ボリューム・セット内のファイルにアクセスできないことがあります。


/UNLOAD
/NOUNLOAD

ボリュームがマウントされている装置を, 物理的にアンロードするかどうかを決定します。 /UNLOADまたは/NOUNLOAD修飾子を指定せずにDISMOUNTコマンドを指定した場合は, MOUNTコマンドで指定した修飾子(/UNLOADまたは/NOUNLOAD)により, ボリュームを物理的にアンロードするかどうかが決まります。

  1. $ MOUNT MTA0: PAYVOL TAPE
       .
       .
       .
    $ DISMOUNT TAPE
    
    この例でMOUNTコマンドは, PAYVOLというボリュームIDを持つテープを装置MTA0:にマウントし, その装置に論理名TAPEを割り当てます。 省略時の設定では,ボリュームは共有可能ではありません。

    このDISMOUNTコマンドはボリュームへのアクセスを解放し,装置の割り当てを解除して, 論理名TAPEを削除します。

  2. $ MOUNT/SHARE DBA3:  DOC_FILES
       .
       .
       .
    $ DISMOUNT DBA3:
    
    この例でMOUNTコマンドは, DOC_FILESというラベルのボリュームを装置DBA3にマウントします。 他のユーザは,MOUNTコマンドを実行してその装置にアクセスできます。 DISMOUNTコマンドを実行すると, このコマンドを発行したプロセスはその装置にアクセスできません。 他のユーザがこのボリュームにアクセスできる場合,このボリュームは, そのユーザのプロセスによりマウントされたままになっています。

  3. $ DISMOUNT/NOUNLOAD  DMA2:
    
    この例のDISMOUNTコマンドは,このボリュームをディスマウントします。 /NOUNLOAD修飾子を指定しているので,このボリュームはレディ状態になります。

  4. $ MOUNT/BIND=PAYROLL  DMA1:,DMA2:  PAYROLL01,PAYROLL02
       .
       .
       .
    $ DISMOUNT/UNIT  DMA2:
    
    この例のMOUNTコマンドは,2つのボリューム・セットPAYROLLをマウントします。 DISMOUNTコマンドはPATROLL01にはアクセスできるようにして, PAYROLL2だけをディスマウントします。 ボリューム・セットのマスタ・ファイル・ディレクトリ(MFD) はルート・ボリュームにあるため, ボリューム・セットのルート・ボリューム(この場合はPAYROLL1) をディスマウントしてはいけません。

  5. $ DISMOUNT $10$DJA100
    %DISM-W-CANNOTDMT, $10$DJA100: cannot be dismounted
    %DISM-W-INSWPGFIL, 4 swap or page files installed on volume
    %DISM-W-SPOOLEDEV, 3 devices spooled to volume
    %DISM-W-INSTIMAGE, 7 images installed on volume
    %DISM-W-USERFILES, 6 user files open on volume
    
    この例でDISMOUNTコマンドは,装置$10$DJA100のディスマウントを妨げている, オープンされたファイルやその他の条件を表示します。

  6. $ DISMOUNT/CLUSTER $10$DJA100
    %DISM-W-RMTDMTFAIL, $10$DJA100: failed to dismount on node SALT
    %DISM-W-FILESOPEN, volume has files open on remote node
    %DISM-W-RMTDMTFAIL, $10$DJA100: failed to dismount on node PEPPER
    %DISM-W-FILESOPEN, volume has files open on remote node
    %DISM-W-CANNOTDMT, $10$DJA100: cannot be dismounted
    
    この例でDISMOUNTコマンドは,エラーが発生した装置$10$DJA100, およびノードSALTとPEPPERを示すメッセージを表示した後に, ボリュームのオープンされたファイルを示すメッセージを表示します。


DUMP

10進,16進,8進形式,ASCII形式,または書式付きデータ構造で,ファイル, ディレクトリ,ディスク・ボリューム,磁気テープ・ボリューム,または CD-ROMボリュームの内容を表示します。

フォーマット

     DUMP  ファイル指定[,...] 

パラメータ

ファイル指定[,...]

ダンプするファイルまたは装置名を指定します。

ここで指定した装置がディスクでも,テープでも, またはネットワーク装置でもない場合, あるいは装置が/FOREIGN修飾子を指定してマウントされている場合には, ファイル指定には装置名だけが使用できます。

指定した装置が/FOREIGN修飾子を指定しないでマウントされているネットワーク装置, ディスク装置,またはテープ装置の場合には, ファイル指定にワイルドカード文字のアスタリスク(*) とパーセント記号(%)を使用できます。

Files-11 C/D形式の規格は,マウントされているボリューム, およびフォーリン・マウントされているボリュームでインプリメントされています。

説明

省略時の設定では, DUMPコマンドはASCII文字と16進ロングワードの両方で出力を編集します。 基数修飾子(/OCTAL,/DECIMAL,/HEXADECIMAL), または長さ修飾子(/BYTE,/WORD,/LONGWORD)を使用すると,別の形式を指定できます。

ファイルのダンプ

入力媒体が,/FOREIGN修飾子を指定せずにマウントしたネットワーク装置, ディスク装置,またはテープ装置である場合,DUMPコマンドはファイルに作用します。 ファイルは,レコード単位またはブロック単位でダンプできます。 ワイルドカード文字のアスタリスク(*)とパーセント記号(%)を指定して, 処理する複数のファイルを選択することもできます。

ボリュームのダンプ

入力媒体がディスク装置でもテープ装置でもない場合, または/FOREIGN修飾子を指定してマウントされている場合,DUMPコマンドは, 非ファイル構造(NFS)媒体としての入力装置に作用します。 ディスク装置は,512バイトの論理ブロックごとにダンプされます。 その他の装置は,物理ブロックごとにダンプされます。 入力媒体の再位置付けは行われません。そのため, 1つのDUMPコマンドでテープの連続したブロックをダンプすることができます。

LOG_IO (論理入出力)特権を持っている場合には, File-11構造のボリュームのどのブロックでもダンプできます。たとえば, /BLOCKS修飾子を使用して,システム・ディスクの100番ブロックをダンプできます。

ダンプの読み込み

ASCII形式では,読み込みは左から右に行われます。 16進表現,10進表現,および8進表現では,読み込みは右から左に行われます。

修飾子の数値指定

/BLOCKS,/RECORDS,および/NUMBER修飾子の数値は10進数で指定するか,または 16進数,8進数,10進数を表すためにそれぞれの先頭に %X,%O,%Dを付けて指定します。 たとえば,10進数の値24を指定する有効な方法を次に示します。

24
%X18
%O30
%D24

修飾子

/ALLOCATED

ファイルに割り当てられたすべてのブロックをダンプに含めます。 省略時の設定では,ファイルの終端[EOF]に続くブロックはダンプに含まれません。

入力が/FOREIGN修飾子を指定しないでマウントされているディスクの場合には, /ALLOCATE修飾子を指定できます。 /ALLOCATE修飾子と/RECORDS修飾子は,同時に指定できません。

/BLOCKS[=(オプション[,...])]

指定された1つまたは複数のブロックを,一度に1ブロックずつダンプします。 ネットワーク装置を除くすべての装置では,これが省略時の設定の動作です。

ブロック番号は,ファイルの先頭を基準にした整数値を指定します。 通常,ブロックには1から始まる番号が付いています。 ディスク装置が/FOREIGN修飾子を使用してマウントされている場合は, ブロックには0から始まる番号が付けられます。 次のオプションのいずれかを指定して,ダンプするブロックの範囲を選択します。

START:n ダンプする最初のブロックの番号を指定します。 省略時の設定は,最初のブロックです。
END:n ダンプする最後のブロックの番号を指定します。 省略時の設定は,最後のブロック,またはファイルの終端(EOF)ブロックです。 これは,/ALLOCATE修飾子を指定したかどうかによって決まります。
COUNT:n ダンプするブロック数を指定します。 COUNTオプションは,ENDオプションの代わりに使用できます。 両方を同時に指定することはできません。

オプションを1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。

/BLOCKS修飾子と/RECORDS修飾子を同時に指定することはできません。

Files-11構造のボリュームの任意のブロックをダンプするには, /BLOCKS修飾子を使用します。 この操作を行うためには,LOG-IO (論理入出力)特権が必要です。

/BYTE

ダンプをバイト単位で編集します。 /BYTE,/LONGWORD,および/WORD修飾子を同時に指定することはできません。 省略時の形式は,ロングワードです。

/DECIMAL

ファイルを10進数でダンプします。/DECIMAL,/HEXADECIMAL (省略時の設定), および/OCTAL修飾子を同時に指定することはできません。

/DESCRIPTOR[=(オプション[,...])]

指定したISO 9660ボリューム記述子をダンプします。 /NOFORMATTEDを指定している場合,ブロック単位で編集します。

指定できる記述子オプションを次に示します。

BOOT:n n番目のBoot Recordを検索します。
PVD:n n番目のPrimary Volume Descriptorを検索します。
SVD:n n番目のSupplementary Volume Descriptorを検索します。
VPD:n n番目のVolume Partition Descriptorを検索します。
VDST:n n番目のVolume Descriptor Set Terminatorを検索します。

オプションを1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。

ISO 9660記述子は,ボリュームの最初からの位置で指定します。 特に指定しない限り,省略時の値は1です。 ISO 9660ボリュームは,指定した記述子を探し編集して出力するために, ボリューム記述子セット・シーケンスの最初から最後まで順番に検索されます。

/DIRECTORY

指定したファイルのデータ・ブロックを,Files-11ディスク構造レベル1, またはディスク構造レベル2ディレクトリ・レコード,ISO 9660,あるいは High Sierraディレクトリ・レコードのいずれかの書式付きディスク構造としてダンプします。

/EXACT

/PAGE=SAVE修飾子と/SEARCH修飾子とともに使用し, 正確に一致した文字列を検索することを指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符(" ")で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXTRACT修飾子を指定した場合は, Find (E1)キーを押すと文字列検索が有効になります。

/FILE_HEADER

有効なFiles-11ヘッダの各データ・ブロックを,選択した基数と長さの形式ではなく, Files-11ヘッダ形式でダンプします。

/FORMATTED (省略時の設定)
/NOFORMATTED

Files-11形式でファイル・ヘッダをダンプします。 /NOFORMATTED修飾子は,8進形式でファイル・ヘッダをダンプします。 /HEADER修飾子を指定した場合,この修飾子は便利です。

/HEADER

ファイル・ヘッダとアクセス制御リスト(ACL)をダンプします。 ファイル・ヘッダだけをダンプするには,/BLOCK=(COUNT:0)も指定します。 /HEADER修飾子は,/FOREIGN修飾子を使用してマウントされた装置に対しては無効です。

表示形式を変更するには,/FORMATTED修飾子を使用します。

/FILE_HEADER修飾子とともに/HEADER修飾子を指定すると, 解釈された形式でFile-11ファイル・ヘッダを出力できます。

省略時の設定では,ファイル・ヘッダは表示されません。

/HEXADECIMAL (省略時の設定)

ファイルを16進数でダンプします。 /DECIMAL,/HEXADECIMAL (省略時の設定),および /OCTAL修飾子は同時に指定できません。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVE修飾子および/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列がの強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調表示されます。 キーワードにはBOLD,BLINK,REVERSE,UNDERLINEが指定できます。 省略時の設定はBOLDです。

/IDENTIFIER=ファイル識別子

指定したボリュームから, ファイル識別子(FID)番号によって選択されたファイルをダンプします。 詳細は,DIRECTORYコマンドの/FILE_ID修飾子を参照してください。

/LONGWORD (省略時の設定)

ダンプをロングワード単位で編集します。 /BYTE,/LONGWORDlおよび/WORD修飾子を同時に指定することはできません。

/MEDIA_FORMAT=キーワード

データ構造をダンプする形式を指定します。 この修飾子を指定した場合は,次のキワードのいずれか1つを使用しなければなりません。

CDROM ISO 9660メディア形式でダンプすることを指定します。 これは,/MEDIA_FORMAT修飾子を指定しなかった場合の省略時の設定です。
CDROM_HS High Sierraメディア形式でダンプすることを指定します。

/NUMBER[=n]

出力行へのバイト・オフセットの割り当て方法を指定します。 /NUMBER修飾子を指定すると, バイト・オフセットはnから始まり,ダンプ中継続的に増加します。 /NUMBER修飾子を省略すると,最初のバイト・オフセットはゼロになります。 省略時の設定では,各ブロックまたはレコードの先頭で, バイト・オフセットはゼロに再設定されます。

/OCTAL

ファイルを8進数でダンプします。/DECIMAL,/HEXADECIMAL (省略時の設定), および/OCTAL修飾子を同時に指定することはできません。

/OUTPUT[=ファイル指定]

ダンプ用の出力ファイルを指定します。 ファイルを指定しないと,省略時の設定により, ダンプするファイルのファイル名とファイル・タイプ.DMPが指定されます。 /OUTPUT修飾子を指定しない場合は,ダンプはSYS$OUTPUTに出力されます。 /OUTPUTおよび/PRINTER修飾子は同時に指定できません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

ダンプ情報の画面表示を制御します。

/PAGE修飾子とともに次のキーワードを使用できます。

CLEAR_SCREEN 各ページが表示される前に,画面を消去します。
SCROLL 情報を一度に1行ずつ表示します。
SAVE[=n] 情報の画面を移動できるようにします。 nは,格納するページ数です。

/PAGE=SAVE修飾子を使用すると,画面上の情報の間を移動できます。 /OAGE=SAVE修飾子では,最大255カラムの情報を5画面まで格納できます。 /PAGE=SAVE修飾子を使用する場合には,次のキーを使用して情報間を移動できます。

キー 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行上にスクロールします。
Down arrow key 1行下にスクロールします。
Left arrow key 1つ左にスクロールします。
Right arrow key 1つ右にスクロールします。
Find (E1) 情報が表示された時に探す文字列を指定します。
Insert Here (E2) 半画面右にスクロールします。
Remove (E3) 半画面左にスクロールします。
Select (E4) 80カラム・モードと132カラム・モードを切り替えます。
Prev Screen (E5) 1つ前のページの情報を表示します。
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次のページの情報を表示します。
F10, Ctrl/Z 終了します(設定が異なるユーティリティもあります)。
Help (F15) ユーティリティのヘルプ・テキストを表示します。
Do (F16) 最も古いページと最新のページの表示を切り替えます。
Ctrl/W 再表示します。

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子と同時に指定できません。

/PATH_TABLE

ISO 9660パス・テーブル形式でデータ・ブロックをダンプします。

/PRINTER

ファイル名がダンプするファイルのファイル名で, ファイル・タイプが.DMPであるファイルのSYS$PRINTにダンプをキュー登録します。 /PRINTER修飾子を指定しない場合は,ダンプはSYS$OUTPUTに送られます。 ワイルドカード文字のアスタリスク(*)とパーセント記号(*)は使用できません。 /OUTPUT修飾子と/PRINTER修飾子は同時に指定できません。

/RECORDS[=(オプション[,...])]

1度に1ブロックずつではなく,1度に1レコードずつファイルをダンプします。 省略時の設定では,入力はネットワーク装置を除くすべての装置で, 一度に1ブロックずつダンプします。

各レコードには,1から始まる番号が付けられます。

次のいずれかのオプションを指定して,ダンプするレコードの範囲を選択します。

START:n ダンプする最初のレコードの番号を指定します。 省略時の設定は,最初のレコードです。
END:n ダンプする最後のレコードの番号を指定します。 省略時の設定は,最後のレコードです。
COUNT:n ダンプするレコードの数を指定します。 COUNTオプションは,ENDオプションの代わりに使用できません。 両方を同時に指定することはできません。

オプションを1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。

/RECORDS修飾子を指定する場合は,/ALLOCATED修飾子や/BLOCKS修飾子は指定できません。

/SEARCH="文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに指定して, 表示された情報の中で検索したい文字列を指定します。 文字列にスペース文字等を入れたい場合は, 文字列全体を二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている間にFindキー(E1)を押すと, 検索文字列も動的に変更することができます。 この場合は,二重引用符は必要ありません。

/STYLE=キーワード

ファイル・ダンプ中に表示するファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED (省略時の設定) ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。このファイル名の場合, ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。

キーワードCONDENSEDとEXPANDEDを同時に指定することはできません。 このコマンドは,出力ヘッダに表示されるファイル名の書式を指定します。

EXPANDEDキーワードが指定されていない場合,ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

/VALIDATE_HEADER

Files-11の/DIRECTORYレコードを確認します。

/WIDTH=n

nに80または132を指定して,ダンプ出力を80または132カラムに編集します。

/WORD

ダンプをワード単位で編集します。 /BYTE,/LONGWORD,および/WORD修飾子を同時に指定することはできません。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに指定して,画面幅を制限し, 画面幅を越える行を次の行へ自動的に改行します。

/NOWRAP修飾子は画面の幅以上に行を拡張しますが, /PAGE=SAVE修飾子で用意された(左右の)スクロール機能を使用すれば, 画面に表示されていない部分も見ることができます。

  1. $ DUMP TEST.DAT
    Dump of file DISK0:[NORMAN]TEST.DAT;1 on 14-DEC-1998 15:43:26.08
    File ID (3134,818,2)   End of file block 1 / Allocated 3
    Virtual block number 1 (00000001), 512 (0200) bytes
     706D6173 20612073 69207369 68540033 3.This is a samp 000000
     73752065 62206F74 20656C69 6620656C le file to be us 000010
     61786520 504D5544 2061206E 69206465 ed in a DUMP exa 000020
     00000000 00000000 0000002E 656C706D mple............ 000030
     00000000 00000000 00000000 00000000 ................ 000040
     00000000 00000000 00000000 00000000 ................ 000050
     00000000 00000000 00000000 00000000 ................ 000060
              .
              .
              .
     00000000 00000000 00000000 00000000 ................ 0001E0
     00000000 00000000 00000000 00000000 ................ 0001F0
    
    このDUMPコマンドは,16進ロングワード形式とASCII形式の両方で, ファイルの先頭のブロックから始まるTEST.DATの内容を表示します。

  2. $ DUMP TEST.DAT/OCTAL/BYTE
    Dump of file DISK0:[NORMAN]TEST.DAT;1 on 14-DEC-1998 15:45:33.58
    File ID (74931,2,1)   End of file block 1 / Allocated 3
    Virtual block number 1 (00000001), 512 (0200) bytes
     151 040 163 151 150 124 000 063 3.This i 000000
     160 155 141 163 040 141 040 163 s a samp 000010
     040 145 154 151 146 040 145 154 le file  000020
     163 165 040 145 142 040 157 164 to be us 000030
     040 141 040 156 151 040 144 145 ed in a  000040
     141 170 145 040 120 115 125 104 DUMP exa 000050
     377 377 000 056 145 154 160 155 mple.... 000060
     000 000 000 000 000 000 000 000 ........ 000070
     000 000 000 000 000 000 000 000 ........ 000100
     000 000 000 000 000 000 000 000 ........ 000110
              .
              .
              .
     000 000 000 000 000 000 000 000 ........ 000760
     000 000 000 000 000 000 000 000 ........ 000770
    
    このDUMPコマンドは,8進バイトとASCII文字の両方で編集して, ファイルの最初のブロックから始まるTEST.DATのイメージを表示します。

  3. $ DUMP NODE3::DISK2:[STATISTICS]RUN1.DAT
    
    このコマンド行では,遠隔ノードNODE3にあるファイルRUN1.DATをダンプします。 省略時のDUMP形式が使用されます。

  4. $ DUMP/HEADER/BLOCK=COUNT=0 SYS$SYSTEM:DATASHARE.EXE
    
    Dump of file SYS$SYSTEM:DATASHARE.EXE on  12-NOV-1998 16:06:46.75
    File ID (16706,59,0)   End of file block 410 / Allocated 411
    
                                 File Header
    
    Header area
        Identification area offset:           40
        Map area offset:                      100
        Access control area offset:           255
        Reserved area offset:                 255
        Extension segment number:             0
        Structure level and version:          2, 1
        File identification:                  (16706,59,0)
        Extension file identification:        (0,0,0)
        VAX RMS attributes
            Record type:                      Fixed
            File organization:                Sequential
            Record attributes:                <none specified>
            Record size:                      512
            Highest block:                    411
            End of file block:                410
            End of file byte:                 414
            Bucket size:                      0
            Fixed control area size:          0
            Maximum record size:              512
            Default extension size:           0
            Global buffer count:              0
            Directory version limit:          0
        File characteristics:                 Contiguous best try
        Caching attribute:                    Writethrough
        Map area words in use:                3
        Access mode:                          0
        File owner UIC:                       [1,4]
        File protection:                      S:RWED, O:RWED, G:RE, W:
        Back link file identification:        (7149,80,0)
        Journal control flags:                <none specified>
        Active recovery units:                None
        Highest block written:                411
        Client attributes:                    None
    
    Identification area
        File name:                            DATASHARE.EXE
        Revision number:                      1
        Creation date:                        12-AUG-1998 14:06:49.84
        Revision date:                        12-AUG-1998 14:06:53.20
        Expiration date:                      <none specified>
        Backup date:                          <none specified>
    
    Map area
        Retrieval pointers
            Count:        411        LBN:    1297155
    
    Checksum:                                 30710
    
    この例でDUMPコマンドは,指定したファイルのファイル・ヘッダをダンプします。 このファイルはFiles-11 ODS-2 9660媒体に記録されているため, ファイル・ヘッダはFiles-11 File Header形式で表示されます。 Files-11 Headerに埋め込まれているのは,VAX RMS属性ブロックです。

  5. $ DUMP/HEADER/BLOCK=COUNT=0 DISK$GRIPS_2:[000000]AAREADME.TXT;
    Dump of file DISK$GRIPS_2:[000000]AAREADME.TXT;1 on 15-DEC-1998
    10:07:29.70
    
       File ID (4,6,0)   End of file block 29 / Allocated 29
    
                                ISO 9660 File Header
    
       Length of Directory Record:              48
       Extended Attribute Length:               1
       Location of Extent (LSB/MSB):            312/312
       Data Length of File Section (LSB/MSB):   14640/14640
       Recording Date and Time                  10-DEC-1998 16:22:30 GMT(0)
       File Flags                               RECORD, PROTECTION
       Interleave File Unit size:               0
       Interleave Gap size:                     0
       Volume Sequence # of extent (LSB/MSB):   1/1
       File Identifier Field Length:            14
       File Identifier:                         AAREADME.TXT;1
       System Use
    5458542E 454D4441 45524141 0E010000 01000018 001E1610 100B5930 39000000
    ...90Y..............AAREADME.TXT 000000
                                                                     00313B
    ;1.............................. 000020
    
    Extended Attribute record
       Owner Identification (LSB/MSB):        7/7
       Group Identification (LSB/MSB):        246/246
       Access permission for classes of users S:R, O:R, G:RE, W:RE
       File Creation Date/Time:               5-OCT-1998 14:17:49.29 GMT(0)
       File Modification Date/Time:           6-NOV-1998 16:22:30.96 GMT(0)
       File Expiration Date/Time:             00-00-0000 00:00:00.00 GMT(0)
       File Effective Date/Time:              00-00-0000 00:00:00.00 GMT(0)
       Record Format                          Fixed
       Record Attributes                      CRLF
       Record Length (LSB/MSB):               80/80
       System Identifier:
       System Use
       Extended Attribute Version:            1
       Escape Sequence record length:         0
       Application Use Length (LSB/MSB):      0/0
       Application Use
    
       VAX RMS attributes
           Record type:                      Fixed
           File organization:                Sequential
           Record attributes:                Implied carriage control
           Record size:                      80
           Highest block:                    29
           End of file block:                29
           End of file byte:                 304
           Bucket size:                      0
           Fixed control area size:          0
           Maximum record size:              80
           Default extension size:           0
           Global buffer count:              0
           Directory version limit:          0
    
    DUMP/HEADERコマンドは,指定したファイルのファイル・ヘッダをダンプします。 このファイルはISO 9660媒体に記録されているため, フィル・ヘッダはISO 9660 File Header形式で表示されます。 またオプションのISO 9660 Extended Attribute Record (XAR)もあるため, それも表示されます。 最後に,DUMP/HEADERコマンドの要求どおりに,VAX RMS属性が表示されます。


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