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9 DCLディクショナリ - H -


HELP

HELPコマンドを実行すると,HELP機能が起動します。 HELP機能は,コマンドの形式や説明,パラメータ,修飾子, およびシステム・メッセージを含め,システムの使用に関する情報を表示します。 Topic?というプロンプトに対して,次の指示ができます。

すべてのトピック名は短縮することができます。 一意にトピックを選択できない場合は,あてはまるすべてのトピックが表示されます。

フォーマット

     HELP  [トピック[サブトピック...]] 

パラメータ

トピック[サブトピック...]

ヘルプ・ライブラリの情報が必要なトピック, またはトピックとサブトピックを指定します。

説明

ヘルプ・ライブラリ内の情報は,階層構造になっています。 階層構造の各レベルは,次のとおりです。

  1. なし - キーワードを指定しない場合には,HELPコマンドの説明, ルート・ライブラリに含まれているトピックのリストが表示されます。 リストに含まれる各項目は,階層構造の第1レベルのキーワードです。

  2. トピック名 - キーワードとしてトピック名を指定した場合は,ルート・ライブラリ, または他の使用可能な省略時のライブラリに含まれているトピックの説明が表示されます。 また,このトピックに関する追加情報を要求するためのキーワードも表示されます。

  3. トピック名とサブトピック - トピックのあとにサブトピックを指定した場合は, 指定したサブトピックの説明が表示されます。

  4. 上記のいずれかの後の@ファイル指定 - 現在のルート・ライブラリと置き換えるためにHELPライブラリを指定した場合は, 指定されたトピックまたはサブトピックの説明を,指定されたライブラリから検索します。 ファイル指定の形式は,/LIBRARY修飾子に指定されるファイル指定と同じ形式です。 しかし,指定されたライブラリが使用可能な省略時のユーザ定義ライブラリである場合には, ファイル指定は,省略時のライブラリの論理名変換の中で, それぞれ一意に識別できる文字列まで省略できます。

OpenVMS上で最も簡単な形式でHELP機能を使用する方法は, ターミナルからHELPコマンドを入力することです。 HELPコマンドを入力すると,HELP機能はユーザのターミナルにトピックの一覧と Topic?というプロンプトを表示します。 あるトピックに関する情報を表示したい場合は, Topic?プロンプトに対してトピック名を入力します。 システムは,そのトピックに関する情報を表示します。

トピックにサブトピックがある場合は, サブトピックの一覧とSubtopic?というプロンプトが表示されます。 あるサブトピックに関する情報を表示したい場合は, Subtopic?プロンプトに対してサブトピック名を入力します。 他のトピックの情報を見たい場合は,RETURNキーを押します。 Topic?プロンプトが表示されている時は, 他のトピックの情報を表示させることができます。 HELP機能を終了しDCLレベルに戻るには,RETURNキーを押します。

キーワードの代わりにアスタリスク(*)を使用すると, HELPコマンドはアスタリスクを指定したレベルで使用可能な, すべての情報を表示します。 たとえば,HELP COPY *と入力すると,COPY以下のすべてのサブトピックを表示します。

主キーワードのすぐ後に反復記号( . . . )を使用すると, 指定したトピックとそのトピックのすべてのサブトピックに関する, すべての情報が表示されます。たとえばHELP COPY . . . と指定すると, COPYというトピックに関する情報と, COPYの下のすべてのサブトピックに関する情報が表示されます。

アスタリスク(*)とパーセント記号(%)ワイルドカード文字を, キーワードに指定することはできません。

修飾子

/EXACT

正確に一致する文字列を検索する場合, /PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用します。 この時,検索文字列は引用符(" ")で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合は, Findキー(E1)を押して検索文字列を設定すると正確に一致する文字列を検索できます。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用して, 検索文字列が見つかった時に強調表示する方法を指定します。 文字列が見つかると,その行全体が強調表示されます。 キーワードには,BOLD,BLINK,REVERSE,UNDERLINEがあり,省略時の設定はBOLDです。

/INSTRUCTIONS (省略時の設定)
/NOINSTRUCTIONS

(トピックが指定されていない場合)トピックの一覧とともに, HELPコマンドの説明を表示します。 省略時の設定では,HELP機能の説明と形式,およびトピックの一覧が表示されます。 /NOINSTRUCTIONS修飾子を指定すると,トピックの一覧だけが表示されます。

/LIBLIST (省略時の設定)
/NOLIBLIST

使用できるすべてのヘルプ・ライブラリを表示します。

/LIBRARY=ファイル指定
/NOLIBRARY

省略時の設定のライブラリSYS$HELP:HELPLIB.HLBの代わりに, 代替のヘルプ・ライブラリを使用することを指定します。 ここで指定したヘルプ・ライブラリはメイン(ルート)・ヘルプ・ライブラリとして使用され, 省略時のユーザ定義のヘルプ・ライブラリを検索する前に, このライブラリからHELP情報を検索します。

装置とディレクトリの指定を省略すると,省略時の値としてSYS$HELPが使用されます。 SYS$HELPは,システム・ヘルプ・ライブラリの位置を示す論理名です。 省略時のファイル・タイプは.HLBです。

省略時のヘルプ・ライブラリを検索しないようにするには, /NOLIBRARY修飾子を指定します。

/MESSAGE

システム・メッセージの説明を表示します。 詳細は,HELP/MESSAGEコマンドの説明を参照してください。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力を送る場所を制御します。 省略時の設定では,出力はSYS$OUTPUTに送られます。 SYS$OUTPUTは,現在のプロセスの省略時の設定の出力ストリームまたは装置です。

/OUTPUT修飾子で部分ファイル指定を行う(たとえば/OUTPUT=[JONES])と, 省略時のファイル名はHELP,省略時のファイル・タイプは.LISになります。 アスタリスク(*)およびパーセント記号(%)ワイルドカード文字を使用することはできません。

/NOOUTPUT修飾子を指定すると,どこにも出力されません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

画面での情報の表示を制御します。

/PAGE修飾子とともに次のキーワードを指定することができます。

CLEAR_SCREEN 各ページを表示する前に画面をクリアします。
SCROLL 一行ずつ情報を表示します。
SAVE[=n] 情報の表示を制御することができます。 nは履歴を保持するページ数です。

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると, 最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 /PAGE=SAVE修飾子を使用すると,次のキーを使用して画面を移動することができます。

キー 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行ずつスクロールアップ
Down arrow key 1行ずつスクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切り替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティにより異なる場合があります)
Help (F15) ユーティリティ・ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の入れ替え
Ctrl /W 再表示

/PAGE修飾子と/OUTPUT修飾子を同時に指定することはできません。

/PROMPT (省略時の設定)
/NOPROMPT

最初のHELP要求が処理された後, HELPが会話型モードのセッションを開始するかどうかを制御します。 /NOPROMPT修飾子を指定すると,要求した情報が表示された後, DCLコマンド・レベルに戻ります。

/PROMPT修飾子が有効な場合は, 特定のヘルプ・トピックまたはサブトピックを指定するよう要求する, プロンプト(4つのプロンプトのうちいずれか1つ)が表示されます。 ヘルプ情報の階層構造のレベルにより,異なるプロンプトが表示されます。 次のその4つのプロンプトを示します。

  1. Topic? - ルート・ライブラリはメイン・ライブラリであり,現在, 特定のトピックに関する情報を表示するためにHELPを調べていないことを示します。

  2. [ライブラリ指定] Topic? - ルート・ライブラリは,メイン・ライブラリ以外のライブラリです。現在, 特定のトピックに関する情報を表示するためにHELPを調べていないことを示します。

  3. [キーワード] Subtopic? - ルート・ライブラリがメイン・ライブラリであり,現在, 特定のトピック(または)サブトピックに関する情報を表示するために, HELPを調べていることを示します。

  4. 上記の2と3の組み合わせ。

これらのプロンプトのいずれか1つが表示されたら, 次の表のいずれか1つの応答を入力します。

応答 現在の
プロンプト
動作
キーワード[...] 1,2 使用可能なすべてのライブラリから,指定したキーワードを検索する。
3,4 現在のトピックおよびサブトピックの両方, またはどちらかに関する追加のヘルプ・ライブラリから, 指定したキーワードを検索する。
@ファイル指定キーワード[...] 1,2 上記と同じ。 ただし@ファイル指定で指定したライブラリが,ルート・ライブラリである点が異なる。 指定したライブラリが存在しない場合は, HELPは@ファイル指定を普通のキーワードとして扱う。

ルート・ライブラリで使用できるトピックの一覧を表示する。

3,4 上記と同じ。@ファイル指定を普通のキーワードとして扱う。

ヘルプが存在する現在のトピック(またはサブトピック) のサブトピックのリストを表示する。

[Return] 1 HELPを終了する。
2 ルート・ライブラリをメイン・ライブラリに変更する。
3,4 1つ上のレベルで,トピックまたはサブトピックを要求するプロンプトを表示する。
[Ctrl/Z] 1,2,3,4 HELPを終了する。

/SEARCH="文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 文字列中にスペース文字を入れたい場合は, 検索文字列を二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時に, Findキー(E1)を押して検索文字列を動的に変更することができます。 この場合,二重引用符は必要ありません。

/USERLIBRARY=(レベル[,...])
/NOUSERLIBRARY

使用可能なライブラリで情報を検索するレベルを指定します。 次のレベルを指定できます。

PROCESS プロセス・レベルで定義したライブラリ
GROUP グループ・レベルで定義したライブラリ
SYSTEM システム・レベルで定義したライブラリ
ALL すべてのライブラリ(省略時の設定)
NONE ライブラリなし(/NOUSERLIBRARY修飾子を指定した場合と同じ)

使用可能なヘルプ・ライブラリは,論理名HLP$LIBRARY,HLP$LIBRARY_1, HLP$LIBRARY_2...で定義されたライブラリです。 各ライブラリは,この順序で検索されます。つまりルート(現在の)ライブラリ, メイン・ライブラリ(ルート・ライブラリと異なる場合), プロセス・レベルで定義されたライブラリ, グループ・レベルで定義されたライブラリ, システム・レベルで定義されたライブラリ,ルート・ライブラリの順序です。 検索した結果,指定したトピックを見つけられなかった場合には, ルート・ライブラリがもう一度検索され,コンテキストは, 検索が開始されたルート・ライブラリに戻されます。 省略時の設定は,/USERLIBRARY=ALLです。 検索のためのレベルを1つしか指定しない場合は,括弧は省略できます。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,画面のカラム数を制限し, 画面の幅を超える行を改行することを指定します。

/NOWRAP修飾子を指定すると,画面の幅以上に行を続けます。 /PAGE=SAVE修飾子により提供されるスクロール機能(右および左)を使用すれば, 行すべてを読むことができます。

  1. $ HELP
    HELP
      .
      .  (HELP message text and list of topics)
      .
    Topic?
    
    この例では修飾子やパラメータを指定せずにHELPコマンドを入力しています。 ここではルート・ヘルプ・ライブラリSYS$HELPLIB.HLB で使用できるヘルプ・トピックが表示されます。

    Topic?というプロンプトに対して,いずれか1つのトピックを入力すると, HELPはそのトピックに関する情報と, サブトピックが存在する場合にはそのリストを表示します。 1つまたは複数のサブトピックが存在する場合は, サブトピックを要求するプロンプトが表示されます。

    
    Topic? ASSIGN
    ASSIGN
      .
      .  (HELP message text and subtopics)
      .
    ASSIGN Subtopic?
    

    サブトピック名をタイプすると,HELPはそのサブトピックに関する情報を表示します。 次の例を参照してください。

    
    ASSIGN Subtopic? Name
    ASSIGN
      Name
      .
      .  (HELP message text and subtopics, if any)
      .
    ASSIGN Subtopic?
    

    1つまたは複数のサブ・サブトピックが存在する場合は, HELPはサブ・サブトピックを要求するプロンプトを表示します。 この例のようにサブ・サブトピックが存在しない場合は,現在調べているトピックの, 別のサブトピックの入力を要求するプロンプトが表示されます。

    疑問符(?)タイプすると, 現在のレベルのHELPメッセージとオプションが再表示されます。 RETURNを押すと,次のいずれかの操作が行われます。

    Ctrl/Zを押すと,どのレベルでもHELPは終了します。

  2. $ HELP COPY...
    
    このHELPコマンドを入力すると,COPYコマンド, およびCOPYコマンドのパラメータや修飾子の説明が表示されます。 反復記号( . . . )は,トピック・レベルでしか使用できない点に注意してください。 サブトピック・レベルで使用することはできません。

  3. $ HELP/NOPROMPT ASSIGN/GROUP
      .
      .  (ASSIGN/GROUP HELP message)
      .
    $
    $ HELP/NOPROMPT/PAGE EDIT *
      .
      .  (HELP messages on all first-level EDIT subtopics)
      .
    $
    
    2つのHELPコマンドは,特定のトピックに関する情報を要求しています。 どちらの場合も,HELPコマンドはユーザが要求したヘルプ・メッセージを表示し, その後,DCLコマンド・レベルに制御を戻し,ドル記号プロンプト($)が表示されます。

    最初のコマンドは,ASSIGNコマンドの/GROUP修飾子に関する情報を要求しています。 2番目の例のアスタリスク(*)は,ワイルドカード文字です。 これは,すべてのEDITサブトピックに関する情報を要求しており,これらの情報は, アルファベット順に表示されます。 /NOPROMPT修飾子を指定しているので,どちらの場合もプロンプトは表示されません。 2つめのHELPコマンドでは/PAGE修飾子を指定しているので, 画面に情報が表示されると,そこで表示が一時止まります。

  4. $ HELP FILL
    Sorry, no documentation on FILL
    Additional information available:
     .
     .  (list of first-level topics )
     .
    Topic? @EDTHELP FILL
    FILL
     .
     .  (FILL HELP message)
     .
    @EDTHELP Topic?
    
    省略時のヘルプ・ライブラリに含まれていないトピックに関するヘルプ情報を要求する場合いは, そのトピックを他のヘルプ・ライブラリから検索するよう, HELPに指示を与えることができます。 この例では,@EDTHELP FILLというコマンドを入力することにより, EDTエディタ・コマンドであるFILLに関する情報を,SYS$HELP:EDTHELP.HLB というヘルプ・ライブラリから検索するよう HELPに指示しています。 HELPはメッセージを表示し, 他のEDTエディタ・トピックを指定するよう要求するプロンプトを表示します。

  5. $ SET DEFAULT SYS$HELP
    $ DEFINE HLP$LIBRARY EDTHELP
    $ DEFINE HLP$LIBRARY_1 MAILHELP
    $ DEFINE HLP$LIBRARY_2 BASIC
    $ DEFINE HLP$LIBRARY_3 DISK2:[MALCOLM]FLIP
    $ HELP REM
    
    論理名を使用してライブラリを定義しておくと, 指定したトピックをOpenVMSルート・ヘルプ・ライブラリで見つけられない場合, HELPは自動的にこれらのライブラリを検索します。 この例では,省略時のルート・ライブラリSYS$HELP:HELPLIB.HLBに加え, これらのライブラリも検索するようHELPに指示しています。

    DEFINE文でユーザ定義のヘルプ・ライブラリに論理名を割り当てています。 HELPは,ルート・ライブラリを検索した後, これらのユーザ定義のヘルプ・ライブラリを検索します。 最初の3つのエントリは,現在の省略時のディレクトリにあるヘルプ・ライブラリです。 省略時の設定では,HELPは, 論理名SYS$HELPで定義されるディレクトリ内のヘルプ・ライブラリを検索します。 4つ目のエントリは, ディレクトリDISK2:[MALCOLM]内のヘルプ・ライブラリ FLIP.HLBです。 ヘルプ・ライブラリを定義するために使用する論理名は, 連続的に指定しなければならない点に注意してください。 つまり,論理名の数字をスキップさせることはできません。

    この例ではHELPは,まずルート・ライブラリでREMを検索します。 次に,HLP$LIBRARY,HLP$LIBRARY_1,HLP$LIBRARY_2という順に検索します。 これはREMが見つかるまで, またはすべてのライブラリで見つけられなかったと分かるまで,検索を続けます。 BASIC.HLBライブラリでREMが見つかった場合HELPは,REMに関する情報を表示し, BASIC.HLBライブラリ内のサブトピックを指定するよう要求します。 BASIC.HLBライブラリにないトピックを指定すると,HELPは, 定義したヘルプ・ライブラリでそのトピックを検索します。


HELP/MESSAGE

システム・メッセージの説明を表示します。

フォーマット

     HELP/MESSAGE  [/修飾子[...]] [検索文字列] 

パラメータ

検索文字列

メッセージ識別子, またはメッセージ・テキスト中の1つまたは複数の単語を指定します。 省略時の設定では, HELP/MESSAGEは最後に実行したコマンドにより生成されたメッセージ (つまり,現在CLIシンボル$STATUSに格納されている値に関連するメッセージ) の説明を表示します。

Help Messageユーティリティ(MSGHLP)は,次の規則に従って検索文字列を扱います。

説明

Help Messageユーティリティは, テキスト・ファイル中のメッセージの説明にアクセスします。 このテキスト・ファイルは,最新の『OpenVMS system messages documentation』 から派生したファイルです。 またオプションで(ユーザが指定したメッセージ・ドキュメントを含む) 他のソース・ファイルから派生させることもできます。 省略時の設定ではHelp Messageは,最後に終了したコマンドに関する情報を提供します。

1つまたは複数の指定したファシリティにより生成される, すべてのメッセージを抽出することができます。この出力をファイルに書き込むと, ユーザ独自のメッセージ・ドキュメントを作成し印刷することができます。

Help Messageデータベースにコメントまたはメッセージを追加する方法についての詳細は, 『OpenVMS System Messages: Companion Guide for Help Message Users』 を参照してください。

修飾子

/BRIEF

メッセージ・テキストだけを表示します。

/DELETE=ファイル名.MSGHLP

以下のファイルの1つから指定した最初に見つかった .MSGHLPファイル内のすべてのメッセージを削除します。

弊社が提供したデータベースからメッセージを削除するには, 弊社が提供した.MSGHLP$DATAファイルに対する書き込みアクセス権が必要です。


注意
検索文字列を指定して.MSGHLPファイルを作成する場合は, 出力される.MSGHLPファイルをチェックして, データベースから削除したくない意図しないメッセージが, 検索されなかったことを確認してください。 このようなメッセージは,削除操作を行う前に.MSGHLPファイルの外で編集してください。


/EXTRACT=ファイル名.MSGHLP

データベースからメッセージを取り出し,編集可能な.MSGHLPファイルを作成します。 このファイルは,/INSERTおよび/DELETE操作の入力としても使用できます。 /EXTRACT修飾子は,.MSGHLP$DATAファイル, /LIBRARY修飾子で指定される論理検索順序, または論理名MSGHLP$LIBRARYで定義される省略時の検索順序から, データを取り出します。/EXTRACT修飾子を指定しない場合は, Help Messageは省略時の標準的な形式で出力します(/OUTPUTを参照してください)。

/FACILITY=?
/FACILITY=(ファシリティ名[,...])
/FACILITY=ALL

データベース内で一致するかどうかが検索されるファシリティを指定します。

省略時のデータベースまたは /LIBRARY で指定されたデータベース内のすべてのファシリティのリストを出力するには, /FACILITY=?と入力します。

検索範囲を狭めるために,1つまたは複数のファシリティ名を/FACILITYに指定します (複数のファシリティを指定する場合には,コンマで区切り括弧で囲みます)。 Help Messageは, 指定されたファシリティで生成されるメッセージの中で一致するものだけを出力します。

データベース内のすべてのファシリティのメッセージを出力するには, /FACILITY=ALLを指定します。他のファシリティが暗黙的に指定されない限り, /FACILITY=ALLが省略時の設定になります。これは,たとえば/STATUSを指定したり, $STATUSというCLIシンボルの値を使用する場合などで, この場合には特定のファシリティが自動的に指定されます。 同様に,ファシリティ名を含んだメッセージのカット・アンド・ペーストは, /FACILITY修飾子の使用を無効にします。

/FACILITY修飾子の使用についての詳細は, 『OpenVMS System Messages: Companion Guide for Help Message Users』 を参照してください。

/FULL (省略時の設定)

完全なメッセージの説明を出力します。メッセージ・テキスト, ファシリティ名,説明,ユーザ処置,ユーザのコメントが表示されます。

/INSERT=ファイル名.MSGHLP
/INSERT=TT:

指定された .MSGHLPファイルで最初に見つかったファイル内の新しいまたは変更された情報で, 以下のファイルのうち1つを更新します。 または,/INSERT=TT:が指定された場合端末から入力されたデータを直接変更します。

弊社が提供する.MSGHLP$DATAファイルにデータを挿入するには, このファイルに対する書き込みアクセス権が必要です。 ユーザが指定したデータは,Help Messageの出力中で,変更バーが付けられます。

/LIBRARY=ディスク:[ディレクトリ]ファイル名.MSGHLP$DATA
/LIBRARY=ディスク:[ディレクトリ]
/LIBRARY=論理名

現在のコマンドに対するメッセージ・データベースに, 特定の.MSGHLP$DATAファイル,指定ディレクトリ内の全.MSGHLP$DATAファイル, または論理名による特定の検索パスを定義します。

大部分の操作では,省略時のデータベースは SYS$HELP:MSGHLP$LIBRARY.MSGHLP$DATAであるか, 論理名MSGHLP$LIBRARYで定義された .MSGHLP$DATA ファイルの検索パスです。

/DELETEおよび/INSERT操作では,省略時のデータベースは, SYS$HELP:MSGHLP$LIBRARY.MSGHLP$DATAであるか, 論理名MSGHLP$LIBRARYで定義された検索パスの最初のファイルです。

/OUTPUT=ファイル指定

指定したファイルに出力を書き込みます。 省略時の設定では,Help Messageは SYS$OUTPUT に出力します。 これは通常,ターミナルです。 /OUTPUT=ファイル指定と/PAGEは同時に指定することはできません。

/PAGE (スクリーン表示の際の省略時の設定)
/NOPAGE

1度に1画面分のターミナル出力を表示します。ページ長は, SET TERMINAL/PAGEで指定した値よりも1行だけ短い値に,自動的に設定されます。 /PAGEと/OUTPUT=ファイル指定は,同時に指定することはできません。

/SECTION_FILE=*
/SECTION_FILE=ファイル指定

Help Messageが,ファイル中のメッセージの$STATUS値を解釈できるよう, メッセージ・セクション・ファイルを指定します。 省略時のファイル指定はSYS$MESSAGE:.EXEです。/SECTION_FILE=*を指定すると, OpenVMSが提供するすべてのメッセージ・セクション・ファイルも自動的に含まれます。 詳細は『OpenVMS System Messages: Companion Guide for Help Message Users』 を参照してください。

注意
この修飾子を使用した結果は,SET MESSAGEコマンドによる結果とは関係ありません。 Help MessageユーティリティとMessageユーティリティは, 互いに影響を与えることはありません。結果を得るためには, 各ユーティリティをそれぞれコーディングしなければなりません。


/SORT
/NOSORT (省略時の設定)

出力をアクファベット順にソートします。 ソートに失敗した場合は,/WORK_FILES修飾子を使用して再試行してください。

/STATUS=状態コード
/STATUS='シンボル'
/STATUS='$STATUS' (省略時の設定)

指定した状態コードに相当するメッセージを出力します。 状態コードは10進数,16進数,またはアポストロフィで囲んだシンボルで指定します。 先行する0は省略できますが,16進数の前には"%X"を付けなければなりません。

HELP/MESSAGEコマンドに検索文字列が含まれない場合,Help Message は $STATUS というCLIシンボルに相当するメッセージを,省略時の値として出力します。 つまり,Help Messageは, 最後に実行したコマンドがどのように終了したかを示す情報を表示します。

/STATUS修飾子を指定した場合は,検索文字列や/FACILITY修飾子は指定できません。 検索文字列を省略し,/STATUS='$STATUS'という省略時設定を使用する場合は, /FACILITYを指定することはできません。

/WORD_MATCH=INITIAL_SUBSTRING (省略時の設定)
/WORD_MATCH=WHOLE_WORD

/WORD_MATCH=INITIAL_SUBSTRINGは, 検索文字列に指定した単語で始まるすべての単語を検索します。 検索文字列には,複数の単語を指定することができます。 すべての単語が一致するメッセージだけが出力されます。 この時,単語の順序には関係がありません。

/WORD_MATCH=WHOLE_WORDは,単語全体が一致するものを検索し, 指定した単語を細かに検索します。 たとえば,ACCに関する精密な検索は,ACCという文字で始まる単語を持つ, 多数の他のメッセージを表示します。

/WORK_FILES=nn
/WORK_FILES=0 (修飾子が省略された場合の省略時の設定)
/WORK_FILES=0 (値なしで修飾子が指定された場合の省略時の設定)

/SORT修飾子を指定した時,使用する作業ファイルを指定します。 nnには,0から10の値を指定します。 /SORT修飾子が指定されていない場合は,この修飾子は無視されます。

  1. $ SHOW DEVICE KUDOS
    %SYSTEM-W-NOSUCHDEV, no such device available
    $ HELP/MESSAGE
    
    最初のコマンドはエラーになります。修飾子のない省略時のHELP/MESSAGEコマンドは, NOSUCHDEVというSYSTEMファシリティ・メッセージの説明を表示します。

  2. $ HELP/MESSAGE ACCVIO
    $ HELP/MESSAGE/BRIEF ACCVIO
    $ HELP/MESSAGE/FACILITY=SYSTEM ACCVIO
    $ HELP/MESSAGE VIRTUAL ACCESS
    $ HELP/MESSAGE/STATUS=12
    $ HELP/MESSAGE/STATUS=%XC
    
    これらのコマンドは, ACCVIOメッセージにアクセスし表示するためのいろいろな修飾子を, 異なる形式で使用する方法を示しています。

  3. $ HELP/MESSAGE/BRIEF ACC
    $ HELP/MESSAGE/BRIEF/WORD_MATCH=WHOLE_WORD ACC
    
    最初のコマンドでは,Help Messageは省略時の設定により "ACC" という文字列で始まる多くの単語を検索します。 /WORD_MATCH=WHOLE_WORD修飾子を指定すると, 単語だけに厳密に一致するよう検索処理を改良することができます。

  4. $ HELP/MESSAGE/FACILITY=(BACKUP,SHARED)/SORT/OUTPUT=MESSAGES.TXT
    
    このコマンドは,BACKUPファシリティから発行されるすべてのメッセージと, "Shared by several facilities," と記載されているメッセージを選択し, アルファベット順に並べ,印刷可能なMESSAGES.TXTというファイルを出力します。

    メッセージを選択し,それらをファイルに出力することによって, ユーザ独自の変更したメッセージ・ドキュメントを作成, および印刷することができます。

  5. $ HELP/MESSAGE/EXTRACT=BADMESSAGE.MSGHLP BADMESSAGE
    $ HELP/MESSAGE/DELETE=BADMESSAGE.MSGHLP-
    _$ /LIBRARY=SYS$LOGIN:MYMESSAGES.MSGHLP$DATA
    $ CONVERT SYS$LOGIN:MYMESSAGES.MSGHLP$DATA-
    _$ SYS$LOGIN:MYMESSAGES.MSGHLP$DATA
    $ PURGE SYS$LOGIN:MYMESSAGES.MSGHLP$DATA
    $ HELP/MESSAGE/INSERT=BADMESSAGE.MSGHLP
    
    最初のコマンドは, BADMESSAGEという仮のメッセージを省略時のデータベースから取り出し, それをBADMESSAGE.MSGHLPというファイルに出力します。

    2番目のコマンドは, /LIBRARY修飾子に指定したMYMESSAGES.MSGHLP$DATAというファイルから, BADMESSAGEの説明を削除するために, このBADMESSAGE.MSGHLPというファイルを使用しています。

    次の2つのコマンドは,削除後にディスク領域を節約するために, ファイル MYMESSAGES.MSGHLP$DATAファイルを圧縮しています。

    最後のコマンドは, 省略時の.MSGHLP$DATAファイルにBADMESSAGEメッセージを挿入するために, ファイルBADMESSAGE.MSGHLPを使用しています。 ファイル BADMESSAGE>MSGHLPは,編集されている可能性があります。

  6. $ HELP/MESSAGE/EXTRACT=NOSNO.MSGHLP NOSNO
    $ EDIT/EDT NOSNO.MSGHLP
    1NOSNO, can't ski; no snow
    2XCSKI, XCSKI Program
    3Your attempt to ski failed because there is no snow.
    4Wait until there is snow and attempt the operation again.
    5If you don't want to wait, go to a location where there is
    5snow and ski there.
    5
    5Or, try ice skating instead!
    [EXIT]
    $ HELP/MESSAGE/INSERT=NOSNO.MSGHLP
    
    このコマンドは,弊社が提供する .MSGHLP$DATAファイルに書き込みアクセス権を持つユーザが, 弊社の提供しているメッセージにコメントを追加する様子を示しています。

    最初のコマンドは, NOSNOという仮のメッセージをファイルNOSNO.MSGHLPに出力しています。 2番目のコマンドで,その.MSGHLPファイルを編集し, メッセージの最後にコメントを追加しています。各コメント行には, それが空白行であっても,"5"という文字が最初に付けられています。 次のコマンドでNOSNO.MSGHLPを使用してデータベースを更新し, 省略時の.MSGHLP$DATAファイルに変更したメッセージを挿入しています。


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