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2 一般ユーザに関する機能

本章では,OpenVMS オペレーティング・システムのすべてのユーザを対象にして,新機能に関する情報を説明します。

2.1 DCL コマンド,修飾子およびレキシカル関数

この節では,OpenVMS バージョン 7.2 で追加または変更された DCL コマンド,修飾子およびレキシカル関数について説明します。

2.1.1 SET PATH_PREFERRED コマンドの追加

OpenVMS バージョン 7.2 では,ディスクおよびテープ・ドライブの QIO 機能へのコマンド・ライン・インタフェースとして,SET PATH_PREFERRED コマンドが導入されました。 SET PATH_PREFERRED には次の修飾子があります。

SET PATH_PREFERRED とその修飾子の詳細については,『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。

2.1.2 変更された DCL コマンドと修飾子

Extended File Specifications,Hierarchical Storage Management およびクラスタ単位の論理名をサポートするために,いくつかのコマンドと修飾子が変更されています。 これらの変更点の概要を次の表に示します。変更されたコマンドと修飾子の詳細については,『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。

表 2-1 変更された DCL コマンドと修飾子

DCLコマンド 新機能
COPY Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。
DEBUG CLIENT/SERVER のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /CLIENT および /SERVER が追加された。
DELETE Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。
DIRECTORY Hierarchical Storage Management (HSM) プロジェクトのためのサポートの追加。

  • /SELECT 修飾子の新しいキーワード,PRESHELVED と NOPRESHELVED が追加された。

  • /SHELVED_STATE 修飾子に PRESHELVED ディスプレイ情報が追加された。

Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。

  • /FULL にディスプレイ項目が追加され,クライアント属性を表示できるようになった。
DUMP Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • /DIRECTORY にディスプレイ項目が追加され,名前タイプ属性を表示できるようになった。

  • /HEADER にディスプレイ項目が追加され,新しい属性を表示できるようになった。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。
EXCHANGE NETWORK Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。
INITIALIZE Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子,/STRUCTURE=5 が追加された。

DECram 割り当て増加のためのサポートが追加された。

  • DECram サイズ割り当て増加のための /SIZE 修飾子に関する情報が新しく追加された。
Java Java Development Kit (JDK) のためのサポートの追加。

  • 新しい DCL コマンドと修飾子が追加された。
MIME MIME ユーティリティのためのサポートの追加。
PRINT Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。
PURGE Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。
RENAME Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。
SEARCH Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。
SET DEFAULT Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • directory-spec 項目が変更された。

  • /PARSE_STYLE 修飾子の例が追加された。
SET DEVICE Fast Path のためのサポートの追加。

マルチパス並列 SCSI および Fibre Channel 構成のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /PATH, /ENABLE, /NOENABLE, /POLL, /NOPOLL, /SWITCH が追加された。
SET DIRECTORY Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。
SET FILE Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。
SET MAGTAPE 高速スキップのためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /FAST_SKIP と,そのキーワード PER_IO,ALWAYS,および NEVER が追加された。
SET PROCESS Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子,/PARSE_STYLE=(keyword) が追加された。keyword は TRADITIONALとEXTENDED。
SET SECURITY Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。

クラスタ内通信 (ICC) のためのサポートの追加。

  • 新しいオブジェクト・クラス ICC-ASSOCIATION が追加された。
SET VOLUME Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子,/STRUCTURE_LEVEL=5 device-name[:][,...] が追加された。
SHOW CPU Fast Path のためのサポートの追加。
SHOW DEVICES マルチパスのためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /MULTIPATH が追加された。
SHOW DEVICE/FULL Fast Path のためのサポートの追加。

Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • ディスプレイ情報が,ディスク構造レベルを示すように更新された。
SHOW MEMORY/POOL
SHOW MEMORY/POOL/FULL
ロック・マネージャのためのサポートの追加。

  • SHOW MEMORY/POOL と SHOW MEMORY/POOL/FULL に Lock Manager Dynamic Memory および Bus Addressable Memory 属性が追加された。
SHOW SECURITY クラスタ内通信 (ICC) のためのサポートの追加。

  • 新しいオブジェクト・クラス ICC-ASSOCIATION が追加された。
SHOW SYSTEM スレッドのためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /MULTITHREAD が追加された。
SUBMIT Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。
TYPE Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい修飾子 /STYLE と,そのキーワード EXPANDED および CONDENSED が追加された。

2.1.3 追加および変更された DCL レキシカル関数

次の表に,追加および変更された DCL レキシカル関数をまとめて示します。 詳細については,『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。

表 2-2 DCL レキシカル関数の変更の概要

レキシカル関数 新機能
F$FILE_ATTRIBUTES Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい項目コード,FILE_LENGTH_HINT,VERLIMIT,DIRECTORY が追加された。
F$GETDVI Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • ACPTYPE 項目コードに新しい属性が追加された。
F$GETENV 新しいレキシカルのためのサポートの追加。

  • 指定されたコンソール環境変数の値を返す。
F$GETJPI Extended File Specifications のためのサポートの追加。

  • 新しい項目コード,PARSE_STYLE_PERM と PARSE_STYLE_IMAGE が追加された。
F$GETSYI クラスタ単位の論理名のためのサポートの追加。

  • CWLOGICALS 項目コードが追加された。

  • いくつかのローカル・ノード専用の項目コードへの参照が削除された。
F$TRNLNM クラスタ単位の論理名のためのサポートの追加。

  • case 引数が変更された。

  • CLUSTERWIDE 項目コードが追加された。

  • 2 つの新しい例が追加された。

2.2 ドキュメンテーション機能

OpenVMS バージョン 7.2 には,ドキュメンテーションに関するいくつかの重要な新機能が含まれています。

本リリースの OpenVMS には,新機能と機能強化を扱った次のマニュアルが同梱されています。

バージョン 7.2 の『OpenVMS システム管理者マニュアル』には,次の新しい付録が含まれています。

また,ドキュメンテーションには統合レイヤード・プロダクトに関するいくつかの選定されたマニュアルと,OpenVMS のアーカイブ・マニュアルも同梱されます。

バージョン 7.2 の OpenVMS ドキュメンテーション CD-ROM は,OpenVMS と Windows ベース PC のデュアル形式をサポートしています。 つまり,この CD-ROM は,OpenVMS VAX および Alpha システムと,Windows 95 または Windows NT システムの両方でマウントし,内容を見ることができます。

表 2-3 は,2 つのパーティション上に用意されているファイルとマニュアルについての情報を示しています。

表 2-3 ドキュメンテーション CD-ROM のファイル・タイプ

ファイル・タイプ プラットフォーム マニュアルのタイプ
HTML OpenVMS/Windows OpenVMS マニュアル
PostScript OpenVMS OpenVMSマニュアル
アーカイブ・マニュアル
レイヤード・プロダクトのリリース・ノートとインストール・ガイド
Bookreader OpenVMS アーカイブ・マニュアル
レイヤード・プロダクトの選定されたマニュアル
PDF Windows アーカイブ・マニュアル
Text OpenVMS/Windows リリース・ノート,新機能,インストール・ガイド

また今回の OpenVMS から,次のブラウザとビューアの実行可能ファイルが同梱されています。

2.3 MIME ユーティリティ

MIME ユーティリティにより,MIME エンコードされたメール・メッセージの表示と作成を行うことができます。 Multipurpose Internet Mail Extension (MIME) は,メール・メッセージにテキスト・ファイル以外のファイルを添付するために使用される標準です。 MIME を使うと,グラフィックスやサウンド・ファイルなどの非テキスト・ファイルを (人間には読めない) プレーン・テキストにエンコードし,送信することができます。 MIME ユーティリティは MIME ファイルを元の形式にデコードするユーティリティです。 これにより,MIME エンコードされたファイルを作成し,OpenVMS Mail ユーティリティを使ってメール・メッセージとして送信することができます。

ファイルのエンコードやデコードのために MIME ユーティリティを使用する方法については,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に詳しい説明があります。

MIME ユーティリティのインストレーションおよび管理についての情報は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』にあります。


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