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バックアップ・ユーティリティ(BACKUP)は,ファイル,ディレクトリ,ディスクのコピーを作成することにより, データの消失や破損を防止します。 たとえばディスク・ドライブなどに障害が発生しても,バックアップ・ コピーを復元して作業を続けることができます。
BACKUPでファイルをセーブすると,これらのファイルは,セーブ・ セットと呼ばれる特殊ファイルに書き込まれます。セーブ・セットは,BACKUP だけが解釈できる形式で書かれています。ただし,Files-11ディスクに格納されているセーブ・ セットはOpenVMS標準ファイルなので, コピー,名前の変更,削除,およびバックアップが行えます。磁気テープ上のセーブ・ セットには必ずBACKUPコマンドを使用するようにし,DCLのCOPY コマンドでディスクにコピーしないようにしてください。
BACKUPで行う作業は,次のとおりです。
これら作業の実行についての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。
BACKUPにより,ディスクのフラグメンテーションも防止できます。ディスク上にファイルを作成し拡張していくと, フラグメンテーションが発生する恐れがあります。 連続ブロックにファイルを格納できなくなると,ファイル・ システムは,非連続ブロックにファイルを格納します。結果的に, ディスクのフラグメンテーションが進み,システムの性能が劣化します。 このフラグメンテーションを避けるには,ディスクのイメージ・バックアップをとり, バックアップ・コピーを復元します。イメージ・バックアップを復元したとき,BACKUP がファイルを連続的にディスクに格納します。
通常のファイル,ディレクトリ,またはディスクだけでなく,OpenVMSシステム・ ディスクもバックアップするようにしてください。ユーザ各自が自分のシステム・ ディスクのバックアップをとるようにしてもよいし,大規模なシステムでは, オペレータやシステム管理者の役割としてもよいでしょう。
システム・ディスクをバックアップするには,2通りの方法があります。
スタンドアロンBACKUPおよびメニュー方式のプロシージャについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。
バックアップ処理には,次の種類があります。
完全バックアップとも呼ばれ,ディスク上またはボリューム上のすべてのファイルをセーブ・ セットにセーブします。ディスクで行う最初のバックアップは, イメージ・バックアップでなければなりません。 追加型バックアップを最初に行うことはできません。
出力ディスクを初期化し,ボリューム全体を復元します。
出力ディスクを初期化し,ボリューム全体をコピーします。イメージ・ バックアップは,ディスク内容の論理複製です。
ボリューム全体の内容を比較します。
イメージを出力するボリュームがディスクである場合,BACKUPはすべてのファイルを連続的に格納するので, ディスクのフラグメンテーションが発生せず, 連続した空きブロックが作成されます。
/RECORD修飾子を使用して,最も最近に行ったバックアップ以降に作成または変更されたファイルだけをセーブします。/RECORD 修飾子は,ファイルをバックアップしたときの日時を記録します。
追加型セーブ・セットを復元します。この処理では,コマンド修飾子/INCREMENTAL を指定します。
個々のファイルやディレクトリを処理します。
バージョン番号,ファイル・タイプ,UIC,処理日時,満了日付,変更日付などの基準別に選択したファイルやボリュームを処理します。
選択セーブ処理には,ワイルドカード文字と入力ファイル指定修飾子(/BACKUP ,/BEFORE,/BY_OWNER (/OWNER_UICの代用),/CREATED, /EXCLUDE,/EXPIRED,/MODIFIED,SINCEなど)を使用します。
ファイル構造のいかんにかかわらず,ボリューム全体を論理ブロック単位でコピー, セーブ,復元,比較します。
BACKUPは,索引ファイルとストレージ・ビットマップのコピーを保持するために仮想メモリを割り当てます。 より大きなビットマップの場合は,それに応じて,BACKUP ユーティリティのためにより多くの仮想メモリが必要になります。 大きなビットマップがあるボリューム上でBACKUPを使用するには, ページ・ファイル・クォータを大きくする必要があります。 OpenVMS VAXシステムの場合は,システム・パラメータVIRTUALPAGECNTも大きくする必要があります。
ビットマップのために必要な仮想メモリ・サイズは,ビットマップのブロックごとに,VAX ページ(またはAlpha 512-byteページレット)です。 BACKUPユーティリティでは,ビットマップのために必要な仮想メモリの量は, ボリューム・セット上の全索引ファイル・ビットマップのサイズの合計に等しくなります。 このメモリの必要条件は,BACKUPユーティリティの基本的なバッファ・ プールに追加されるものであることに注意してください。
次にBACKUPコマンド行の形式について説明します。
BACKUP処理を行うには,DCLのBACKUPコマンドを次の形式で入力します。
BACKUP 入力指定子 出力指定子
BACKUPは,入力指定子と出力指定子をもとに,行うべき処理タイプを判断します。 また,入力指定子によって入力対象物の記憶位置を調べ,出力指定子によって出力先を指定します。
BACKUPは,複数の種類の入力と出力を処理できます。入力指定子と出力指定子は処理タイプによって異なりますが,OpenVMS 標準ファイル指定, BACKUPセーブ・セット指定,そして装置指定が指定子として使用できます。 装置指定では,ディスク・ボリュームや磁気テープ・ボリュームが指定できます。
有効なOpenVMSファイル指定であれば,どれでも入力または出力指定子に使用できます。 ただし,ノード名をファイル指定に使用することはできません。 ワイルドカード文字を使用すれば,複数のファイル指定を単一のBACKUP 処理の入力として指定できます。
BACKUPセーブ・セット指定は,BACKUPセーブ・セットを指定するファイル指定です。BACKUP でセーブしたファイルやボリュームは,セーブ・ セットに書き込まれます。セーブ・セットを他のBACKUP処理の入力として指定できます。 セーブ・セット指定については,OpenVMSファイルの指定規則に従ってください。 ディスク・ファイルの指定方法については, 『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』を参照してください。 磁気テープ・ファイルの指定方法については, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。 セーブ・セット指定のファイル・タイプには, 省略時のファイル・タイプはありませんが,通常はBCKまたはSAVを使用します。
セーブ・セット名には,OpenVMSファイル名とファイル・タイプの両方が有効であれば使用できます。 ただし,磁気テープ上にセーブ・セットを作成する場合は, 次の制約があります。
BACKUPの入力または出力指定子に使用する装置指定については,『OpenVMSユーザーズ・ マニュアル』に記述された規則に従ってください。
省略時のBACKUPは,Files-11ディスクを指す入力または出力指定子をファイル指定とみなします。 したがって,Files-11ボリューム上のセーブ・セットを指定するには, 指定子に/SAVE_SET修飾子を含めなければなりません。/SAVE_SET を参照してください。磁気テープを指す入力または出力指定子は, セーブ・セットとして扱われます。
表 7-1に,入力指定子と出力指定子を処理タイプ別に示します。
処理 | 形式 |
---|---|
セーブ | BACKUP ファイル指定 セーブ・セット指定 |
セーブ(イメージ) | BACKUP/IMAGE 装置指定 セーブ・セット指定 |
セーブ(物理からディスクへ) | BACKUP/PHYSICAL 装置指定 装置指定 |
復元 | BACKUP セーブ・セット指定 ファイル指定 |
復元(イメージ) | BACKUP/IMAGE セーブ・ セット指定 装置指定 |
復元(ディスクから物理へ) | BACKUP/PHYSICAL 装置指定 装置指定 |
復元(テープから物理へ) | BACKUP/PHYSICAL セーブ・セット指定 装置指定 |
コピー | BACKUP ファイル指定 ファイル指定 |
コピー(イメージ) | BACKUP/IMAGE 装置指定 装置指定 |
コピー( 物理からテープへ) | BACKUP/PHYSICAL装置指定 セーブ・セット指定 |
比較 | BACKUP/COMPARE ファイル指定 ファイル指定
BACKUP/COMPARE セーブ・セット指定 ファイル指定 |
比較(イメージ) | BACKUP/COMPARE/IMAGE セーブ・
セット指定 装置指定
BACKUP/COMPARE/IMAGE 装置指定 装置指定 |
比較(物理) | BACKUP/COMPARE/PHYSICALデバイス指定デバイス指定
BACKUP/COMPARE/PHYSICALセーブ・セット指定デバイス指定 |
リスト[1] | BACKUP/LIST[=ファイル指定]
セーブ・セット指定
BACKUP/LIST[=ファイル指定] 装置指定 |
ジャーナルの作成 | BACKUP/JOURNAL[=ファイル指定] ファイル指定 セーブ・セット指定 |
ジャーナル・ リスト | BACKUP/JOURNAL[=ファイル指定] /LIST[=ファイル指定] |
[1]この表内の他の処理にも使用できる。 |
要素リストとは,コマンドや修飾子で指定する引数のリストのことです。 引数すなわち要素は,コンマで区切ります。入力または出力指定子について要素リストを使用できるのは, 次の場合に限定されます。
次のように,OpenVMS標準ファイル指定をもとにリストを作成できます。
$ BACKUP _From: DUA0:[DATA]A.DAT,B.DAT,[PROGRAMS]TEST.EXE _To: MSA0:TEST.SAV/LABEL=DLY101
この場合,処理に使用する装置名を複数指定できます。このため,使用する順序で装置を指定すれば, マルチボリューム・セーブ・セットを効率よく処理できます。 最初のボリュームは,一杯になるまで処理されます。2 番目以降のボリュームが処理されるとき,直前のボリュームの媒体が変更されます。 ただし,セーブ・セット名は,2番目以降の要素ではなく, 最初の要素としなければなりません。
次の例では,まずドライブMSA0のテープにデータが格納され,次にドライブMSA1 のテープに格納されます。MSA1のテープが一杯になると, MSA0の別のテープにデータがセーブされます。
$ BACKUP _From: DUA0:[DATA]*.*,DUA0:[PROGRAMS]*.* _To: MSA0:TEST.SAV,MSA1:/LABEL=WKLY01
この場合入力指定子と出力指定子に要素リストを指定できます。次の例では, まずドライブMSA0のテープからセーブ・セットTEST.SAVが復元され, 次に,ドライブMSA1のテープからセーブ・セットが復元されます。 このセーブ・セットは,まずDUA0に復元されます。DUA0が一杯になると,DUA1 に復元されます。
$ BACKUP/IMAGE _From: MSA0:TEST.SAV,MSA1: _To: DUA0:[DATA...],DUA1:
BACKUP処理には,修飾子を指定することもできます。使用できる修飾子は, 次の5種類です。
BACKUPコマンドの省略時の動作を変更します。コマンド修飾子は,コマンド行のどこに入力してもよく, 入力または出力指定子に指定されているすべてのファイルに作用します。
入力指定子からファイルを選択します。入力指定子の直後に入力します。
復元処理時の入力セーブ・セットの取り扱い方を指定します。入力指定子の直後に入力します。
出力ファイルの復元方法を定義します。出力指定子の直後に入力します。
セーブ処理時に出力セーブ・セットを処理する方法を定義します。出力指定子の直後に入力します。
それぞれの修飾子の使用方法を,充分理解するようにしてください。 BACKUPコマンド行のどこに修飾子を入力するかによって,結果が異なります。 コマンド修飾子は,コマンド行のどこにでも入力できますが,入力指定子と出力指定子の修飾子は, 位置によって意味が決まります。入力指定子修飾子は入力指定子の直後, 出力指定子修飾子は出力指定子の直後に入力してください。
また,BACKUP修飾子には,入力指定子修飾子としても出力指定子修飾子としても使用できる修飾子がいくつかあります。 正常に動作させるため,位置によって意味が決まる修飾子は, 必ず正しい位置に入力してください。 たとえば/SAVE_SET修飾子は,BACKUPセーブ処理の出力セーブ・セット修飾子としても,BACKUP 復元処理の入力セーブ・セット修飾子としても使用します。
BACKUP修飾子の組み合わせ方法の詳細については,付録 G を参照してください。
BACKUPでは,ディレクトリ,ファイル名,ファイル・タイプ,およびバージョン番号を示すファイル指定で, ワイルドカード文字を使用できます。 ファイル名,ファイル・タイプ,バージョン番号のいずれかを省略すると, ワイルドカード文字のアスタリスク(*)が使用されます。 たとえばバージョン番号を省略すると,すべてのバージョンが処理されます。 ワイルドカード文字の概要については,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』を参照してください。
有効なDCLワイルドカード文字であれば,Files-11媒体である入力指定子や/SELECT ,/EXCLUDEの修飾子に使用できます。ただし,ファイルの最新バージョンを示す記号(;) やファイルの相対バージョンを示す記号(;-n) を/EXCLUDE,/SELECT修飾子で使用した場合,これらの記号はワイルドカード文字のアスタリスク(;*) として処理されます。
セーブ・セットがテープ上の入力指定子でないかぎり,BACKUPセーブ・セット指定にワイルドカード文字を使用することはできません。
次の表は,Files-11媒体である出力指定子に使用できるディレクトリ・ワイルドカード文字の種類です。
ディレクトリ・ ワイルドカード文字 | 結果 |
---|---|
省略 | ディレクトリ名を省略した場合, ファイルは現在の省略時のディレクトリ[]に格納される。 |
[* . . . ] | ファイルは, セーブ元のディレクトリに復元される。 |
[ディレクトリ] | ファイルは,指定ディレクトリに復元される。 |
[ディレクトリ . . . ] | 入力ファイルの指定に使用したワイルドカード文字により, ファイルの復元先ディレクトリが決まる。 |
次は,入力指定子と出力指定子におけるディレクトリ・ワイルドカードの形式[ ディレクトリ . . . ]の使用例です。
$ BACKUP [OSCAR...] [JOE.RECEIVED...]
ディレクトリ[JOE.RECEIVED] (まだ存在しない場合)のほか,[OSCAR]のサブディレクトリに対応するサブディレクトリが作成されます。 ディレクトリ[OSCAR]とそのサブディレクトリのすべてのファイルが[JOE.RECEIVED] とそのサブディレクトリにコピーされます。ただし,[OSCAR] に8レベルのディレクトリがある場合,第9レベルのサブディレクトリは,[JOE.RECEIVED] に作成されません。つまり,[OSCAR]の第8 レベルのサブディレクトリは,コピーされません。
コピー処理で,ワイルドカード文字のアスタリスク(*)を使用して入力指定子のサブディレクトリを表現すると, 入力指定子のサブディレクトリに対応するサブディレクトリが, 出力指定子に指定したディレクトリに対して作成されます。 次に,入力指定子の最下位レベルのサブディレクトリのすべてのファイルが, 出力指定子の最下位レベルのサブディレクトリにコピーされます。 次の例では,MONDAYとTUESDAYというサブディレクトリをアスタリスクで表しています。
$ BACKUP [SAM.WORK.*.WEDNESDAY] [JAMES...]
この例では,[JAMES.MONDAY.TUESDAY.WEDNESDAY]というサブディレクトリが作成されます。MONDAY.DIR ファイルが[JAMES]にコピーされ,TUESDAY.DIR ファイルが[JAMES.MONDAY]にコピーされ, WEDNESDAY.DIRファイルが[JAMES.MONDAY.TUESDAY]にコピーされます。 次に,[SAM.WORK.MONDAY.TUESDAY.WEDNESDAY]のすべてのファイルが,[JAMES.MONDAY.TUESDAY.WEDNESDAY] にコピーされます。
復元処理でセーブ・セット修飾子/SELECTを使用しない場合,入力指定子として[* . . . ] が使用されます。出力指定子に[ディレクトリ . . . ]形式を使用する場合は, この点に注意する必要があります。ワイルドカード文字[* . . . ] の機能は,第1レベルからのディレクトリ名全体を出力指定子の省略記号の前に置くことです。 したがって,たとえば次の例のセーブ・ セットに木構造[SAVE . . . ]があるとすると,復元されるディレクトリ木構造は,[WORK.SAVE . . . ] となります。
$ BACKUP MTA0:SAVE.BCK [WORK...]
出力指定子が入力指定子のディレクトリと同じ名前である場合も,次のように結果は同じです。
$ BACKUP MTA0:SAVE.BCK [SAVE...]
木構造[SAVE . . . ]を[SAVE.SAVE . . . ]という木構造に復元します。
次のコマンドは,木構造[SAVE . . . ]を[WORK . . . ]という木構造に復元します。
$ BACKUP MTA0:SAVE.BCK/SELECT=[SAVE...] [WORK...]
ファイルを復元するときに元のディレクトリを保持するためには,出力指定子に[* . . . ] 形式を使用するか,または入力セーブ・セット修飾子/SELECT を指定します。次の例では,出力指定子に[* . . . ]を使用し, セーブ・セットSAVE.BCKの木構造[SAVE . . . ]を木構造[SAVE . . . ]に復元します。
$ BACKUP MTA0:SAVE.BCK [*...]
入力セーブ・セット修飾子/SELECTは,ファイル指定の省略記号部分だけを, 出力指定子[ディレクトリ . . . ]のディレクトリ木構造に転送します。 次のコマンドは,[SAVE . . . ]を[SAVE . . . ]に復元します。
$ BACKUP MTA0:SAVE.BCK/SELECT=[SAVE...] [SAVE...]
BACKUPユーティリティは,ファイルやファイル・ボリュームの複製を作成することによって, データの消失や破損を防止します。
BACKUPは,公用媒体の保護を目的としてシステム管理者やオペレータが使用することを主な目的としています。 ただし,BACKUPは誰でも利用できるので,VMS システム間でファイルを個人的にコピーしたり転送したりできます。
システム・ディスクは次のいずれかの方法でバックアップをとることができます。
BACKUP input-specifier output-specifier
DECnetノード名は,セーブ・セット指定以外には使用できません。
磁気テープが媒体である場合,OpenVMS標準ファイル指定とセーブ・セット指定にワイルドカード文字を使用できます。
DECnetノード名は,セーブ・セット指定以外には使用できません。
Files-11ボリュームを出力指定子とする場合,ワイルドカード文字を使用できます。BACKUP セーブ・セットを出力指定子とする場合やBACKUP /PHYSICALやBACKUP/IMAGEで作成したボリュームを出力指定子とする場合は, ワイルドカード文字を使用できません。BACKUPコマンドでワイルドカード文字を使用する際の制約については, 第7.3.3 項を参照してください。
BACKUPコマンドを入力すると,入力指定子,出力指定子,および修飾子をもとに, 実行する処理のタイプが決定されます。入力指定子は,ユーティリティに入力を取り込むのに使用され, 出力指定子は,出力先を決めるのに使用されます。 出力指定子は,ファイル,ディスク上のセーブ・セット, 磁気テープ上のセーブ・セットのいずれも指定できます。
コマンドの実行が終了すると,DCLコマンド・レベルに戻ります。BACKUP コマンドの実行を中断するには,Ctrl/Yを押します。作成中のファイルがある場合,Ctrl/Y を押すと同時にそのファイルはクローズされ,クローズされるまでの部分だけが作成されます。
BACKUPをバッチ・モードで使用する場合,オペレータ・ターミナルにメッセージを送るには, ユーザ特権TMPMBXが必要です。順編成ディスクで構成されるボリューム・ セットに対してセーブ処理を行う場合,継続ボリュームに書き込むためには, ユーザ特権PHY_IOまたはLOG_IOが必要です。 BACKUP修飾子を複数使用する場合も,特権が必要となります。どのような特権が必要であるかについては, それぞれの修飾子の項で説明します。
この項では,BACKUPの修飾子について,例を挙げて説明します。 BACKUP修飾子の位置がBACKUP処理にどのように影響するかを,充分理解するようにしてください。BACKUP コマンド行の形式については,第7.2節を参照してください。 表 7-2は,BACKUP修飾子の一覧です。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/ALIAS | 別名ファイル・エントリと1次ファイル・エントリの複数回の処理に関して, 前バージョンの動作を使用するかどうかを指定する。 |
/ASSIST | BACKUP処理時に磁気テープをマウントできなかった場合, オペレータやユーザによる操作を可能とする。 |
/BACKUP | BACKUP/RECORDコマンドでファイル・ヘッダ・レコードに書き込んだBACKUP 日付をもとにファイルを選択する。 |
/BEFORE | 指定した日時より前の日付のファイルを選択する。 |
/BLOCK_SIZE | BACKUPセーブ・ セット内のデータ・レコードの出力ブロック・サイズをバイト数で指定する。 |
/BRIEF | セーブ・ セット内の各ファイルについて,ファイル指定,ブロック数によるサイズ, 作成日付を/LIST修飾子に表示させる。 |
/BUFFER_COUNT | 現在使用されておらず,効果はない。 |
/BY_OWNER | 入力ファイル選択修飾子とした場合,
指定したUICが所有するファイルを処理する。
出力ファイル修飾子とした場合,復元するファイルの所有者UIC (ユーザ識別コード) を再定義する。 出力セーブ・セット修飾子とした場合,セーブ・セットの所有者UIC ( ユーザ識別コード)を指定する。 |
/COMMENT | 出力セーブ・セットのBACKUP要約レコードとする文字列を入力する。 |
/COMPARE | 第1パラメータの内容を第2パラメータの内容と比較する。 |
/CONFIRM | 各ファイルを処理する前に,確認プロンプトをターミナル上に表示する。 |
/CONVERT | ODS-5ファイル名をODS-2 ファイル名に変換する。 |
/CRC | 入力セーブ・セット修飾子とした場合,セーブ・セットのデータ・
ブロックにコード化されているソフトウェア巡回冗長チェック(CRC)
をチェックする。
出力セーブ・セット修飾子とした場合,CRCを実行し,出力セーブ・セットのデータ・ ブロックに結果を格納することを指定する。 |
/CREATED | 各ファイル・ヘッダ・レコードの作成日付フィールド値をもとに, ファイルを選択する。 |
/CREATED | 各ファイル・ヘッダ・レコードの作成日付フィールド値をもとに, ファイルを選択する。 |
/DELETE | BACKUPのセーブ処理やコピー処理において, すべてのファイルの処理が正常終了したとき,選択した入力ファイルを入力ボリュームから削除することを指定する。 |
/DENSITY | 出力磁気テープの記録密度をインチあたりのビット数(bpi) で指定する。 |
/EXACT_ORDER | BACKUP操作で使用するテープ・ ボリューム・ラベルの正確な順序を指定する。 |
/EXCLUDE | セーブ処理やコピー処理の選択基準を満たすファイルを処理対象から除外する。 |
/EXPIRED | 各ファイル・ヘッダ・レコードの満了日付フィールド値をもとに, ファイルを選択する。 |
/FAST | 高速ファイル検索で入力指定子を処理し, 処理時間を短縮する。 |
/FULL | /LISTコマンド修飾子が出力する情報を,DCLのDIRECTORY/FULL コマンドの表示形式で表示する。 |
/GROUP_SIZE | 各冗長グループのブロック数を定義する。 |
/IGNORE | BACKUPのセーブ処理やコピー処理において,ファイルに対する制約を変更すること, またはラベル処理チェックを行わないことを指定する。 |
/IMAGE | ボリューム全体またはボリューム・ セット全体を処理する。 |
/INCREMENTAL | 一連の追加型セーブ・セットから1 つのディスク・ボリュームを復元する。 |
/INITIALIZE | 出力ディスク・ボリュームを初期化し, 以前のすべての内容を使用不能とする。 |
/INTERCHANGE | BACKUPセーブ・セットの読み込みを他のユーティリティやシステムに禁止する情報を除外することにより, データ交換(ソフトウェア配布)に適した方式でファイルを処理する。 |
/JOURNAL | BACKUPセーブ処理でBACKUP ジャーナル・ファイルを作成すること,またはBACKUP ジャーナル・ファイルに情報を付加することを指定する。 |
/LABEL | セーブ・セットの書き込み先である磁気テープまたはディスクに対し, それぞれ6文字または12 文字以内のボリューム・ラベルを指定する。 |
/LIST | BACKUPセーブ・セットとセーブ・セット内ファイルに関する情報をリストする。 |
/LOG | 処理するファイルのファイル指定をSYS$OUTPUT に表示する。 |
/MEDIA_FORMAT | データ・レコードを自動的に圧縮しブロッキングするかどうかを制御する。 |
/MODIFIED | 各ファイル・ ヘッダ・レコードの変更日付フィールド値(ファイルを最後に変更した日付) をもとに,ファイルを選択する。 |
/NEW_VERSION | ファイルの復元先やコピー先に, 同じファイル指定のファイルがすでに存在している場合,新しいバージョンのファイルを作成する。 |
/NOINCREMENTAL | セーブ操作で保存されるデータの量を制御する。 |
/OVERLAY | 復元処理において, 同名のファイルが存在する場合,既存ファイルを上書きする。 |
/OWNER_UIC | /OWNER_ UIC修飾子は/BY_OWNER修飾子に変更された。コマンド・プロシージャとオペレータ命令で使用しているOWNER_UIC は/BY_OWNERに変更することが望ましい。 詳しくは/BY_OWNER修飾子の説明を参照。 |
/PHYSICAL | 入力ボリュームのファイル構造を無視し, 論理ブロック単位で入力ボリュームを処理することを指定する。 |
/PROTECTION | ディスク上にセーブ・ セットを作成する場合,出力セーブ・セットに適用する保護を定義する。 磁気テープ上にセーブ・セットを作成する場合,磁気テープ・ ボリュームに適用する保護を定義する。 |
/RECORD | ファイルのセーブ処理やコピー処理が正常終了したとき, 各ファイル・ヘッダのBACKUP日付フィールドに現在の日時を記録する。 |
/RELEASE_TAPE | BACKUPセーブ操作でセーブ・セットを書き込み,チェックした後,またはテープの最後に到達した後, テープをディスマウントし,アンロードする。 |
/REPLACE | 出力指定子のファイルを, 入力指定子の同名ファイルと置換する。 |
/REWIND | 入力セーブ・セット修飾子とした場合, 入力ボリュームを読み込む前に,入力テープ・リールをテープの先頭マーカまで巻き戻す。 出力セーブ・セット修飾子とした場合, 出力テープをテープの先頭マーカまで巻き戻し,出力テープを初期化する。 |
/SAVE_SET | 入力セーブ・
セット修飾子とした場合,入力ファイルをBACKUPセーブ・セットとして扱う。
出力セーブ・セット修飾子とした場合,出力ファイルをBACKUPセーブ・ セットとして扱う。 |
/SELECT | 指定したファイルを処理対象として選択する。 |
/SINCE | 指定した日時以降の日付のファイルを選択する。 |
/TAPE_EXPIRATION | 現在の日付以外の日付を,セーブ・セットのファイル・ヘッダ・ ラベルに満了日付として書き込む。 |
/TRUNCATE | コピー処理や復元処理において,順編成出力ファイル作成時に, ファイルの終端(EOF)でファイルを切り捨てるかどうかを制御する。 |
/UNSHELVE | バックアップ・ユーティリティがBACKUPセーブ操作のファイルを, unshelvedとshelvedのどちらとして指定するかを制御する。 |
/VERIFY | セーブ処理,復元処理,またはコピー処理が終了した後, 出力指定子の内容を入力指定子の内容と比較することを指定する。 |
/VOLUME | ディスク・ボリューム内の特定のディスク・ボリュームを処理対象とすることを指定する。 |
コマンド修飾子
別名ファイル・エントリと1次ファイル・エントリの複数回の処理に関して, 前バージョンの動作を使用するかどうかを指定します。
/ALIAS セーブ・セット指定 /NOALIAS
/NOALIASを指定すると,別名ディレクトリ・エントリと別名ファイル・エントリは無視されます。 このため,1次ファイルが複数回処理されることはなくなり, 時間とセーブ・セット・ファイルのスペースが節約できます。 セーブ・セットの作成時に/NOALIAS修飾子が使用されたのに,復元操作の際に/ALIAS 修飾子が使用された場合は,/ALIAS修飾子が無視されることを示すメッセージが表示されます。
コマンド修飾子
磁気テープ・マウント要求が失敗した場合や,操作で別のボリュームが必要な場合,BACKUP 操作でオペレータまたはユーザの介入を可能にします。
/[NO]ASSIST 入力指定子 出力指定子
TAPESとCENTRALのメッセージを受信してマウント支援要求に応えられるオペレータ・ ターミナルがない場合,ユーザにその状況を知らせるメッセージが表示されます。 マウント要求したドライブにボリュームが挿入されている場合, オペレータが応答する必要はありません。マウント要求に対するオペレータの応答は, すべてSYS$OUTPUTに書き込まれます。BACKUPを会話形式で実行する場合,SYS$OUTPUT はユーザのターミナルです。BACKUPをバッチ・ モードで実行する場合,SYS$OUTPUTはバッチ・ジョブ・ログ・ファイルです。
/NOASSISTを指定すると,マウント・メッセージは使用中のターミナルには表示されますが, オペレータには送られません。
省略時の値は,/ASSISTです。論理名SYS$COMMANDがターミナル以外の装置を指している場合,/NOASSIST 修飾子の効果はありません。BACKUPをバッチ・ モードで実行する場合,/NOASSISTを指定しても効果はありません。
$ BACKUP/NOASSIST [PAYROLL]*.*;* MTA1:PAYROLL.BCK/LABEL=WKY101この例では,ボリュームWKY101をテープ・ドライブMTA1にマウントし,ディレクトリ[PAYROLL] のすべてのファイルをセーブ・セットPAYRROLL.BCK にコピーしています。/NOASSIST修飾子により,マウント・メッセージは, オペレータ・ターミナルではなくユーザのターミナルに送られます。 WKY101というラベルは,ボリューム番号01,グループ1の週単位のBACKUP テープであることを意味します。テープのボリューム・ラベルがWKY101以外である場合,BACKUP> プロンプトに対してOVERWRITEオプションを指定することにより, セーブ・セットをテープに書き込めます。
入力ファイル選択修飾子
BACKUP/RECORDコマンドでファイル・ヘッダ・レコードに書き込んだBACKUP 日付をもとにファイルを選択します。
入力指定子/BEFORE=日時/BACKUP 出力指定子 入力指定子/SINCE=日時/BACKUP 出力指定子
/BACKUP修飾子は,ファイル・ヘッダ・レコードのBACKUPフィールドに記録されている日時を,/BEFORE 修飾子または/SINCE修飾子で指定した日時と比較することによってファイルを選択します。 ファイル・ヘッダ・レコードに記録される日時は,/RECORD コマンド修飾子でファイルを最後にセーブまたはコピーした日時です。
/BACKUPと/BEFOREを使用した場合,指定した日時よりBACKUP日付が前の( 古い)ファイルが選択されます。BACKUP日付がないファイル,つまり/RECORD を指定せずにセーブまたはコピーしたファイルも選択されます。
/BACKUPと/SINCEを使用した場合,指定した日時よりBACKUP日付が後のファイルが選択されます。BACKUP 日付がないファイル,つまり/RECORDを指定せずにセーブまたはコピーしたファイルは 選択されません。
$ BACKUP/RECORD _From: [PAYROLL]*.*;*/BEFORE=01-SEP-1998/BACKUP _To: MTA1:SEP01.BCK/BACKUP修飾子と/BEFORE修飾子により,ディレクトリ[PAYROLL]内で, BACKUP日付が1998年9月1日より前のすべてのファイルについて,すべてのバージョンがセーブされます。 コマンド修飾子/RECORDが,セーブした日時を各セーブ対象ファイルのファイル・ ヘッダ・レコードに書き込みます。
$ BACKUP/RECORD [ACCOUNTS...]/SINCE=YESTERDAY/BACKUP MTA1:ACC.BCK/BACKUP修飾子と/SINCE修飾子により,[ACCOUNTS]のすべてのサブディレクトリ内で,BACKUP 日付が昨日(昨夜午前0時より前の24時間)以降のすべてのファイルがセーブされます。 コマンド修飾子/RECORDが,セーブした日時を各セーブ対象ファイルのファイル・ ヘッダ・レコードに書き込みます。
入力ファイル選択修飾子
日付が指定した日時より前のファイルを選択します。
入力指定子/BEFORE=日時 出力指定子
/BACKUP | BACKUP/RECORDで最後にセーブまたはコピーした日付が, 指定した日付より前であるファイルを選択する。 BACKUP日付がないファイルも選択する。 |
/CREATED | 指定した日付より前に作成したファイルを選択する。 |
/EXPIRED | 指定した日付に満了しているファイルを選択する。 |
/MODIFIED | 最後に変更した日付が指定した日付より前であるファイルを選択する。 他の修飾子を指定せずに/BEFOREを指定した場合,/MODIFIED が仮定される。 |
日時は,[dd-mmm-yyyy[:]][hh:mm:ss.cc]の形式によるデルタ時間または絶対時刻で指定してください。 次は,日時の指定に使用できる予約語です。
BACKUP | 以前のBACKUP/RECORD処理が書き込んだファイルのBACKUP 日付(Files-11構造レベル2または5ボリューム専用) |
TODAY | 00:00:00.0時における,現在の日,月,年 |
TOMORROW | 昨夜午前0時より24時間後 |
YESTERDAY | 昨夜午前0時より24時間前 |
/BEFORE修飾子は,追加型復元処理では無効です。
$ BACKUP [POLICIES]*.*;*/BEFORE=TODAY/EXPIRED DMA1:OLDPOL.BCK/SAVE_SETディレクトリ[POLICIES]内で,満了日付が今日の日付より前であるすべてのファイルをセーブします。
出力セーブ・セット修飾子
BACKUPセーブ・セットのデータ・レコードの出力ブロック・サイズを,バイト数で指定します。
入力指定子 出力セーブ・セット指定/BLOCK_SIZE=n
磁気テープ・セーブ処理で/BLOCK_SIZEを指定すると,DCLのMOUNTコマンドの/BLOCK_SIZE 修飾子で定義したブロック・サイズは無視されます。
磁気テープ上のセーブ・セットに対し,あまりにも大きな値をブロック・ サイズに指定した場合,1本のテープでは収まらなくなったり,大量のエラーが記録されたりする恐れがあります。 この場合,ブロック・サイズの指定を小さくしてください。 それでも障害がある場合,そのテープは今後,BACKUP 処理に使用しないようにしてください。
磁気テープの省略時のブロック・サイズは,8,192バイトです。ディスクの省略時のブロック・ サイズは,32,256バイトです。
$ BACKUP/RECORD DRA2:[LEE...]/SINCE=BACKUP MTA0:SAVEWORK.BCK/BLOCK_SIZE=10000DRA2上のディレクトリ木構造を,ドライブMTA0にマウントされている磁気テープにセーブします。 入力ファイル選択修飾子/SINCE=BACKUPにより, 指定したディレクトリ木構造内で,最後のBACKUP/RECORD処理以降に変更したファイルだけが処理されます。 出力セーブ・セット修飾子/BLOCK_ SIZEにより,ブロック・サイズ10,240が割り当てられます。指定されているブロック・ サイズ10,000は,10,000より大きい512の倍数で,10,000に最も近い値に丸められます。
コマンド修飾子
セーブ・セット内の各ファイルについて,ファイル指定,サイズ,作成日付をリストします。 ファイルに割り当てられているブロック数ではなく, セーブしたファイルの実サイズがリストされます。/BRIEF修飾子が有効となるのは,/LIST 修飾子と併用した場合だけであり,この形式がBACKUPリストの省略時の形式です。DCL のDIRECTORY/FULLコマンドの表示形式で情報をリストするには,/FULL 修飾子を指定してください。
/LIST/BRIEF セーブ・セット指定
$ BACKUP/LIST/BRIEF DBA2:[SAVE]23MAR98.BCK/SAVE_SET Listing of save set(s) Save set: 23MAR98.BCK Written by: MOROCI UIC: [000200,000200] Date: 23-MAR-1998 14:18:16.99 Command: BACKUP [SAVE] DBA2:[SAVE]23MAR98.BCK/SAVE_SET Operating system: OpenVMS Alpha Version 7.1 BACKUP version: V7.1 CPU ID register: 08000000 Node name: _SUZI:: Written on: _DBA2: Block size: 32,256 Group size: 10 Buffer count: 3 [SAVE]INFO.TXT;4 5 4-FEB-1998 13:12 [SAVE]LAST.DAT;1 1 18-JAN-1998 14:11 [SAVE]WORK.DAT;3 33 1-JAN-1998 10:02 Total of 3 files, 39 blocks End of save setBACKUP要約情報と,セーブ・セット内の各ファイルのファイル名,サイズ, 作成日付をリストしています。入力指定子でFiles-11媒体上のセーブ・ セットを指定するため,/SAVE_SET修飾子を指定しています。
コマンド修飾子
この修飾子は,現在使用されません。指定することはできますが,コマンド・ プロシージャにこの修飾子を指定しても,正しく動作しません。 /BUFFER_COUNT修飾子は,コマンド・プロシージャから削除するようにしてください。
入力ファイル選択修飾子
UIC (ユーザ識別コード)をもとに,処理対象ファイルを選択します。
入力指定子/BY_OWNER [=[ユーザ識別コード]] 出力指定子
8進数による数値UICまたは英数UICを,[g,m]の形式で指定します。ワイルドカード文字を使用できます。 必ず,大括弧で囲むようにしてください。
[g,m]
g | グループ番号を示す0〜37776の8進数または英数字によるグループ名 |
m | メンバ番号を示す0〜177776の8進数または英数字によるメンバ名 |
/BY_OWNERを指定しない場合,入力指定子に指定したすべてのファイルが処理されます。
$ BACKUP [SNOW...]/BY_OWNER MT$DRIVE:SNOW.BCK/LABEL=TAPE01テープTAPE01をドライブMT$DRIVEにマウントし,[SNOW]のディレクトリとサブディレクトリに存在し, 現在の省略時のプロセスUICを持つすべてのファイルを, セーブ・セットSNOW.BCKにセーブしています。
$ BACKUP [SUNDANCE]/BY_OWNER=[727,46] DBA1:STABLE.BCK/SAVE_SETディレクトリ[SUNDANCE]に存在し[727,46]の所有者UICを持つすべてのファイルを,DBA1 上の順編成ディスク・セーブ・セットSTABLE.BCKにセーブ・ セットしています。
出力ファイル修飾子
復元するファイルの所有者UIC (ユーザ識別コード)を再定義します。
入力指定子 出力指定子/BY_OWNER[=オプション]
DEFAULT | ユーザの現在の省略時のUICを所有者UIC に設定する。/BY_OWNER修飾子を指定しない場合の省略時のオプションである。 ただし,イメージ復元処理と追加型復元処理の省略時のオプションは,ORIGINAL である。 |
ORIGINAL | 復元するファイルの所有者UICを保持する。 オプションなしで/BY_OWNER修飾子を指定した場合の省略時のオプションである。 追加型復元処理の省略時のオプションでもある。このオプションを使用するには, 指定のUICが自分のUICであるか,ユーザ特権SYSPRV を持っているか,または出力ボリュームの所有者でなければならない。 |
PARENT | ファイルの復元先やコピー先であるディレクトリの所有者UIC を所有者UICに設定する。 このオプションを使用するには,指定のUICが自分の親UICであるか,ユーザ特権SYSPRV を持っているか,または出力ボリュームの所有者でなければならない。 |
[ユーザ識別子] | 指定したUICを所有者UICに設定する。入力ファイル選択修飾子/BY_ OWNERで説明した[g,m]形式を使用する。このオプションを使用するには, 自分のUICであるか,ユーザ特権SYSPRVを持っているか,または出力ボリュームの所有者でなければならない。 |
コマンド修飾子/IMAGEまたは/INCREMENTALを復元処理で指定する場合,省略時の値は/BY_OWNER=ORIGINAL です。
$ BACKUP DBA2:ACCOUNTS.BCK/SAVE_SET [CLEAVER...]/BY_OWNER=PARENT順編成ディスク・セーブ・セットACCOUNTS.BCKをディレクトリ木構造[CLEAVER...] に復元し,各復元対象ファイルに[CLEAVER]ディレクトリの所有者UIC を割り当てています。
出力セーブ・セット修飾子
セーブ・セットの所有者UIC (ユーザ識別コード)を指定します。
入力指定子 出力セーブ・セット指定/BY_OWNER=ユーザ識別子
8進数による数値UICまたは英数UICを,[g,m]の形式で指定します。ワイルドカード文字を使用できます。 必ず,大括弧で囲むようにしてください。
[g,m]
g | グループ番号を示す0〜37776の8進数または英数字によるグループ名 |
m | メンバ番号を示す0〜177776の8進数または英数字によるメンバ名 |
$ BACKUP [CLEAVER...] MFA2:ACCOUNTS.BCK/BY_OWNER=[301,310]/LABEL=TAPE01TAPE01のテープをドライブMFA2にマウントしています。次に,ディレクトリ木構造[CLEAVER...] をセーブ・セットACCOUNTS.BCKにセーブします。出力セーブ・ セット修飾子/BY_OWNERが,[301,310]の所有者UICをセーブ・ セットに割り当てます。
出力セーブ・セット修飾子
出力セーブ・セットにコメントを挿入します。コメント文字列が2語以上である場合, または英数以外の文字を含んでいる場合,二重引用符(" ") で囲みます。コメントの文字数は,1,024文字までです。
入力指定子 出力セーブ・セット指定/COMMENT=文字列
$ BACKUP [REMARKS] DMA1:20JULREM.BCK/SAVE_SET - _$ /COMMENT="Remote operations for July 20, 1998" $ BACKUP/LIST DMA1:20JULREM.BCK/SAVE_SET Listing of save set Save set: 20JULREM.BCK Written by: WALRUS UIC: [360,054] Date: 20-JUL-1998 15:22:06.62 Command: BACKUP [REMARKS] DMA1:20JULREM.BCK/SAVE_SET/COMMENT=Remote operations for July 20, 1998 Operating system: OpenVMS Alpha Version V7.1 BACKUP version: V7.1 CPU ID register: 0138084C Node name: _ABBEY:: Written on: _ABBEY$DMA1: Block size: 32256 Group size: 10 Buffer count: 3 [REMARKS]BAC.RES;1 2 20-JUL-1998 14:13 [REMARKS]COM.LIS;1 1 20-JUL-1998 14:04 [REMARKS]DTOP.DIR;1 1 20-JUL-1998 14:18 . . . Total of 40 files, 535 blocks End of save set最初のBACKUPコマンドは,ディレクトリ[REMARKS]を順編成ディスク・セーブ・ セットにセーブし,コメントを記録します。BACKUP/LISTコマンドは, 新しく作成したセーブ・セットの内容を表示します。ディスク上にセーブ・ セットを作成する場合は,/SAVE_SET修飾子が必要です。
コマンド修飾子
第1パラメータで指定したセーブ・セット,装置,ファイルを,第2パラメータで指定したFiles-11 装置,ファイルの内容と比較し,両者に違いがあれば, エラー・メッセージを表示します。
/COMPARE ファイル指定 ファイル指定 /COMPARE セーブ・セット指定 ファイル指定 /IMAGE/COMPARE 装置指定 装置指定 /IMAGE/COMPARE セーブ・セット指定 装置指定 /PHYSICAL/COMPARE 装置指定 装置指定 /PHYSICAL/COMPARE セーブ・セット指定 装置指定
比較対象ファイルに違いがある場合,次のエラー・メッセージが表示されます。
%BACKUP-E-VERIFYERR, verification error for . . .
/COMPARE修飾子は,セーブ・セットを元のファイルと比較する場合や, BACKUPでコピーしたファイルやボリュームを元のファイルと比較する場合に使用します。BACKUP ではファイルをブロック単位で処理するので, BACKUPで出力したもの以外のファイルを格納すると,同一のファイル間でも不一致エラーが生じる恐れがあります。
ファイル指定でバージョン番号の省略時の値は,ファイルのすべてのバージョンを処理するワイルドカード文字のアスタリスク;* です。
比較処理のパラメータは,ともに入力指定子です。
2つのFiles-11ボリューム全体を比較する場合は,次のようにイメージ比較処理を行います。
$ BACKUP/IMAGE/COMPARE DBA1: DBA2:
コマンド修飾子/DELETE,/RECORDは,比較処理では使用できません。
出力ファイル修飾子/NEW_VERSIONはバージョン番号を変更するので, /NEW_VERSION修飾子を使って復元またはコピーしたファイルには,比較処理を行わないようにしてください。
$ BACKUP/COMPARE JAZZ.DAT BLUES.DATFiles-11ファイル2つを比較しています。バージョン番号は指定されていないので, 各ファイルのすべてのバージョンを比較します。
$ BACKUP/COMPARE/IMAGE MTA0:SWING.BCK DBA2:磁気テープ上のイメージ・セーブ・セットをFiles-11ボリュームと比較しています。
入力ファイル選択修飾子
各ファイルを処理する前に,確認プロンプトをターミナル上に表示します。 ファイルを処理する場合は,YまたはYESを入力してReturnを押します。
入力指定子/CONFIRM 出力指定子
$ BACKUP *.LIS/CONFIRM/LOG DLA2:LIST.BCK/SAVE_SET DISK$DEFAULT:[WONDER]CRE.LIS;1, copy? (Y or N): Y %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]CRE.LIS;1 DISK$DEFAULT:[WONDER]CRETIME.LIS;1, copy? (Y or N): Y %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]CRETIME.LIS;1 DISK$DEFAULT:[WONDER]EXC.LIS;1, copy? (Y or N): Y %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]EXC.LIS;1 DISK$DEFAULT:[WONDER]REB.LIS;1, copy? (Y or N): N DISK$DEFAULT:[WONDER]SETREB.LIS;1, copy? (Y or N): Y %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]SETREB.LIS;1 DISK$DEFAULT:[WONDER]VERS.LIS;1, copy? (Y or N): N . . . $ファイル・タイプが.LISのすべてのファイルを取り出し,確認プロンプトを表示してから,DLA2 上のLIST.BCKに各ファイルをセーブしています。コマンド修飾子/LOG は,処理する各ファイルに関する情報を表示します。ディスク上にセーブ・ セットを作成するときは,出力セーブ・セット修飾子/SAVE_SET が必要です。
入力ファイル選択修飾子
ODS-5ファイル名をODS-2ファイル名に変換します。出力ボリュームをODS-2 として保持する場合は, /NOINIT修飾子を併用しなければなりません。
ODS-5ファイルをODS-2ボリュームに変換すると,ODS-5ファイル属性のすべてが失われる点に注意してください。
入力指定子/CONVERT 出力指定子
$ BACKUP/LOG/CONVERT/IMAGE DKA500: DKA200:[000000]IMAGE.BCK/SAVEODS-5ディスクから,ODS-2イメージ・セーブ・セットを作成しています。 セーブ・セットは,OpenVMS Version 7.2より前のバージョンを実行しているシステムで読み込むことができます。
入力セーブ・セット修飾子
ソフトウェア巡回冗長チェック(CRC)を行うことを指定します。
入力セーブ・セット指定/[NO]CRC 出力指定子
$ BACKUP MTA2:988SAVE.BCK/NOCRC []([])が示す現在の省略時のディレクトリに,セーブ・セット988SAVE.BCK を復元しています。入力セーブ・セット修飾子/NOCRCは,CRCを禁止します。
出力セーブ・セット修飾子
ソフトウェア巡回冗長チェック(CRC)を実行し,結果を出力セーブ・セットのデータ・ ブロックに格納することを指定します。
入力指定子 出力セーブ・セット指定/[NO]CRC
$ BACKUP/RECORD []/SINCE=BACKUP MTA2:988SAVE.BCK/NOCRC現在の省略時のディレクトリに存在し,最後のBACKUP/RECORD処理以降に作成または変更されたすべてのファイルを, セーブ・セット988SAVE.BCK にセーブしています。出力セーブ・セット修飾子/NOCRCは,巡回冗長チェックを禁止します。
入力ファイル選択修飾子
各ファイル・ヘッダ・レコードの作成日付フィールド値をもとに,ファイルを選択します。
入力指定子/BEFORE=日時/CREATED出力指定子 入力指定子/SINCE=日時/CREATED出力指定子
/CREATEDは,/BACKUP,/MODIFIED,/EXPIREDのいずれかの修飾子と併用することはできません。
$ BACKUP *.SDML/SINCE=YESTERDAY/CREATED DLA2:[SAVEDIR]/SAVE_SET昨日(昨夜午前0時より前の24時間)に作成され,ファイル・タイプが.SDML のすべてのファイルをセーブしています。
コマンド修飾子
すべてのファイルのBACKUPセーブまたはコピー処理が正常終了した後,選択した入力ファイルを入力ボリュームから削除することを指定します。
/DELETE ファイル指定 セーブ・セット指定
/DELETEは,/RECORD,/COMPAREのいずれかのコマンド修飾子と併用することはできません。
$ BACKUP/DELETE BOP.DAT MTA0:BOP.BCK/LABEL=DANCEセーブ・セットBOP.BCKをMTA0上に作成した後,BOP.DATファイルを削除しています。
$ BACKUP/VERIFY/DELETE RAY.DAT,JOE.DAT,ELLA.DAT MTA0:OSCAR.BCK/LABEL=FRIEND選択したファイルのリストをMTA0上のOSCAR.BCKにセーブして出力セーブ・ セットを入力ファイルと比較した後,このファイル・リストを削除しています。 出力セーブ・セットと入力ファイルの内容に違いがある場合, 入力ファイルは削除されません。
出力セーブ・セット修飾子
出力磁気テープの記録密度をインチあたりのビット数(bpi)で指定します。 磁気テープ・ドライブによってサポートされている値を指定してください。
/DENSITY修飾子を指定しない場合,省略時の記録密度は磁気テープ・ドライブの現在の記録密度となります。/DENSITY では,出力セーブ・セット修飾子/REWIND を指定してください。
入力指定子 出力セーブ・セット指定/DENSITY=キーワード
テープおよびディスクについてサポートされる記録密度を,次の表に示します。
キーワード | 意味 |
---|---|
省略時値 | 省略時の記録密度 |
800 | NRZI 800ビット/インチ(BPI) |
1600 | PE 1600 BPI |
6250 | GRC 6250 BPI |
3480 | IBM 3480 HPC 39872 BPI |
3490E | IBM 3480圧縮 |
833 | DLT TK50: 833 BPI |
TK50 | DLT TK50: 833 BPI |
TK70 | DLT TK70: 1250 BPI |
6250 | RV80 6250 BPI相当 |
注意:以上のシンボルのみが,OpenVMS Version 7.2以前のTMSCP/TUDRIVERコードによって解釈される。 この表の以下のシンボルは,Alphaシステムでのみサポートされる。 | |
TK85 | DLT Tx85: 10625 BPI-Cmpt III |
TK86 | DLT Tx86: 10626 BPI-Cmpt III |
TK87 | DLT Tx87: 62500 BPI-Cmpt III |
TK88 | DLT Tx88: (Quantum 4000)- Cmpt IV |
TK89 | DLT Tx89: (Quantum 7000)-Cmpt IV |
QIC | すべてのQICドライブは,ドライブ設定可能なもののみ |
8200 | Exa-Byte 8200 |
8500 | Exa-Byte 8500 |
DDS1 | Digital Data Storage 1-2G |
DDS2 | Digital Data Storage 2-4G |
DDS3 | Digital Data Storage 3-8- 10G |
DDS4 | Digital Data Storage 4 |
AIT1 | Sony Advanced Intelligent Tapes |
/DENSITY修飾子は,出力セーブ・セット修飾子/NOREWINDと互換性がありません。/DENSITY 修飾子を使用する場合は,出力セーブ・セット修飾子/REWIND を指定して磁気テープを初期化する必要があります。/DENSITY /REWINDを指定すると,テープの先頭までテープが巻き戻されます。次に, 新しい密度でテープが初期化され,テープに格納されていた以前のすべてのデータに対するアクセス権が取り消されます。
$ BACKUP *.PAS MTA2:SAVEPAS.BCK/DENSITY=1600/REWIND/LABEL=PASCALMTA2:ドライブ上の磁気テープを初期化しています。現在の省略時のディレクトリに存在しファイル・ タイプがPASのすべてのファイルを,セーブ・ セットSAVEPAS.BCKにセーブします。/DENSITY修飾子は,記録密度を1,600 bpi に設定します。
出力セーブ・セット修飾子
コマンド行に指定する他の修飾子に応じて,/EXACT_ORDER修飾子は次のことを可能にします。
入力指定子出力セーブ・セット指定/EXACT_ORDER
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 1 on MKB100: was not mounted because its label does not match the one requested Volume with label TAPE1 was already used in this save operation specify option (QUIT or NEW tape) BACKUP>
/EXACT_ORDER出力修飾子を使用する場合には,次の制約があります。
%BACKUP-F-INVQUAVAL, value 'label_name' invalid for /LABEL qualifier
省略時の設定は,/NOEXACT_ORDERです。
$ BACKUP/IMAGE/RECORD/VERIFY/NOASSIST _From: DKA100: _To: MKB100:MAR11.SAV/LABEL=(TAPE1,TAPE2,TAPE3)/EXACT_ORDERこの例では,BACKUP操作の正確なレベルの順序を指定するために, /EXACT_ORDER修飾子を使用しています。/ASSIST修飾子を指定した場合には,BACKUP はオペレータ・ターミナルにメッセージを表示し,次の操作を実行します。
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 1 on MKB100: was not mounted because its label does not match the one requested %BACKUP-W-EXLABEER, volume label processing failed because volume TAPE4 is out of order, Volume label TAPE1 was expected specify option (QUIT, NEW tape, OVERWRITE tape, USE loaded tape) BACKUP> OVERWRITE
指定したオプションに応じて,バックアップ操作を終了するか(QUIT) ,古いテープをディスマウントして新しいテープをマウントするか(NEW) ,テープのラベルとデータを上書きするか(OVERWRITE) ,ロードされているテープのラベルを使用してテープにデータを書き込むか(USE) が可能です。
%BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 %BACKUP-I-READYWRITE, mount volume TAPE2 on MKB100: for writing Respond with YES when ready:
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 4 on MKB100: was not mounted because the label was not specified specify EXACT_ORDER label (up to 6 characters) BACKUP>
この後,前に説明したように,テープに記録されているラベルと指定したラベルが比較されます。
$ BACKUP/IMAGE/RECORD/VERIFY/NOASSIST _From: DKA100:[TEST] _To: MKB100:MAR11.SAV/EXACT_ORDERこの例では,/LABEL修飾子を使用していないため,テープの既存のラベルが使用されます。 テープにANSIラベルが記録されておらず,このテープが操作で使用する最初のテープである場合には, 次のエラー・メッセージが表示されます。
%BACKUP-F-NOTANSI, tape is not valid ANSI format
テープにANSIラベルが記録されておらず,このテープが最初のテープでない場合には, 次のエラー・メッセージが表示され,ラベルを指定するように要求するプロンプトが表示されます。
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 2 on MKB100: was not mounted because the label was not specified specify EXACT_ORDER label (up to 6 characters) BACKUP>
入力ファイル選択修飾子
セーブまたはコピー処理の基準を満たすファイルを除外します。除外されたファイルは, 処理されません。
入力指定子/EXCLUDE= (ファイル指定[,...])出力指定子
一時的ファイル指定の省略時の値は,リスト内で適用されません。ファイル指定[000000 . . . ]*.*;* から,各ファイル指定が独立して省略時の値を取り出します。
ディレクトリ・ファイルを指定した場合,つまり,ファイル・タイプがDIR のファイルを指定した場合,コマンドは処理されますが,ディレクトリ・ ファイルは除外されず,処理されます。ディレクトリ・ファイルは, 追加型復元処理で利用されます。
/EXCLUDE修飾子をイメージ復元処理で使用することはできません。
$ BACKUP _From: DRA2:[CONTRACTS]/BEFORE=TODAY/EXCLUDE=(*.OBJ,*.MAI) _To: MFA0:CONTRACT.BCK/LABEL=DLY102ディレクトリ[CONTRACTS]に存在し,変更日付が今日(00:00:00.0時における現在の日, 月,年)より前であり,ファイル・タイプが.OBJや.MAI以外のすべてのファイルを,MFA0 ドライブ上のセーブ・セットCONTRACT.BCKにセーブしています。
入力ファイル選択修飾子
各ファイル・ヘッダ・レコードの満了日付フィールド値をもとに,ファイルを選択します。
入力指定子/BEFORE=日時 /EXPIRED 出力指定子 入力指定子/SINCE=日時 /EXPIRED 出力指定子
/EXPIREDは,/BACKUP,/MODIFIED,/CREATEDのいずれかの入力ファイル選択修飾子と併用することはできません。
$ BACKUP [CONTRACTS]/BEFORE=TOMORROW/EXPIRED MTA1:30DEC.BCK/LABEL=WK04ディレクトリ[CONTRACTS]に存在し,満了日付が明日(昨夜午前0時より後の24 時間)より前のすべてのファイルを,セーブ・セット30DEC.BCKにセーブしています。
コマンド修飾子
高速ファイル検索によって入力指定子を処理し,処理時間を短縮します。 入力指定子は,Files-11ディスクでなければなりません。
/FAST 入力指定子 出力指定子
ディスクのセーブの際に/FAST修飾子を使用すると,ALIASディレクトリ木構造は処理されません。ALIAS が指している1次ファイルだけがセーブされます。 この場合,ディスク上にあるALIASディレクトリ指定の数によっては,BACKUP が検査するファイルの数が減って,処理時間が短縮されることがあります。 処理されないALIASディレクトリまたはファイルが発見されると, そのたびにメッセージが表示されます。
高速ファイル検索を行うには,入力媒体上のINDEXF.SYSファイルに対する書き込みアクセス権が必要です。 書き込みアクセス権がない場合,入力媒体をライト・ ロックしてください。この条件が必要であるのは,更新するかどうかに関わりなく,BACKUP は索引ファイルをオープンしてファイル・ システムと同期化するからです。
高速ファイル検索は,ボリューム上のほとんどのファイルを入力指定子が含んでいて, 日付や所有者を基準とするファイル選択修飾子が指定するファイルが比較的少ない場合に非常に便利です。 イメージ処理では高速ファイル検索を暗黙に使用するので, コマンド修飾子/IMAGEと併用した場合,/FAST 修飾子は無視されます。
/FASTは,復元処理では使用できません。
$ BACKUP/FAST _From: DBA1:[*...]/MODIFIED/SINCE=TODAY _To: MTA0:13NOVBAK.BCK,MTA1:/LABEL=WK201今日変更したディスクDBA1上のすべてのファイルを,マルチリール・セーブ・ セット13NOVBAK.BCKにセーブしています。/FAST修飾子が,処理時間を短縮します。
コマンド修飾子
コマンド修飾子/LISTが出力するファイル情報を,DCLのDIRECTORY/FULLコマンドによる形式でリストします。
/LIST/FULL 入力指定子 [出力指定子]
/FULLを/LISTと併用しない場合,/LISTは省略時のコマンド修飾子/BRIEF を使用し,各ファイルのファイル指定,サイズ,作成日付だけをリストします。/FULL を指定した場合,BACKUP日付,最終変更日付,ファイルに割り当てられているブロック数, ファイルの保護と構成,レコード属性などの情報もファイル・ ヘッダ・レコードから取り出してリストします。
$ BACKUP/LIST/FULL MTA1:ROCK.BCK Listing of save set(s) Save set: ROCK.BCK Written by: RINGO UIC: [000200,000300] Date: 20-AUG-1998 15:39:38.89 Command: BACKUP [.STONES] MTA0:ROCK.BCK/LABEL=BACKUP Operating system: OpenVMS Alpha Version V7.1 BACKUP version: V7.1 CPU ID register: 08000000 Node name: _SUZI:: Written on: _MTA0: Block size: 8192 Group size: 10 Buffer count: 30 [RINGO.STONES]GRAPHITE.DAT;1 Size: 1/1 Created: 18-AUG-1998 14:10 Owner: [000200,000200] Revised: 18-AUG-1998 14:10 (2) File ID: (91,7,1) Expires: [None specified] Backup: [No backup done] File protection: System:RWED, Owner:RWED, Group:RE, World: File organization: Sequential File attributes: Allocation = 1, Extend = 0 Global Buffer Count = 0 Record format: Variable length, maximum 255 bytes Record attributes: Carriage return [RINGO.STONES]GRANITE.DAT;1 Size: 1/1 Created: 18-AUG-1998 14:11 Owner: [000200,000200] Revised: 18-AUG-1998 14:11 (2) File ID: (92,9,1) Expires: [None specified] Backup: [No backup done] File protection: System:RWED, Owner:RWED, Group:RE, World: File organization: Sequential File attributes: Allocation = 1, Extend = 0 Global Buffer Count = 0 Record format: Variable length, maximum 255 bytes Record attributes: Carriage return . . . Total of 4 files, 16 blocks End of save setセーブ・セットMTA1:ROCK.BCK内のファイルを詳細形式でリストしています。
出力セーブ・セット修飾子
各冗長グループに割り当てるブロック数を定義します。
入力指定子 出力セーブ・セット指定/GROUP_SIZE=n
/GROUP_SIZEに0を定義すると,セーブ・セットに対する冗長グループは作成されません。
$ BACKUP/RECORD DBA1:[*...]/SINCE=BACKUP TAPE:SAVEWORK.BCK/GROUP_SIZE=5現在の省略時のディレクトリに存在し,最後のBACKUP/RECORD処理以降に変更されたすべてのファイルを, セーブしています。/GROUP_SIZEは,冗長グループ・ サイズを5ブロックと指定しています。
コマンド修飾子
BACKUPのセーブまたはコピー処理において,ファイルに対する制約を変更すること, またはテープ・ラベル処理チェックを行わないことを指定します。
/IGNORE= オプション 入力指定子 出力指定子
ACCESSIBILITY | ボリューム・アクセス可能文字で保護されているテープ上のファイル, または階層記憶制御装置(HSC)バックアップで作成したテープ上のファイルを処理するテープ専用のオプションである。 セーブ・セット内で最初にマウントしたテープにまず作用し, 次に以降のすべてのテープに作用する。 |
INTERLOCK | ファイル・アクセスが一致しないため処理できないファイルを処理する。
書き込み用に現在オープンしているファイルをセーブまたはコピーするときに使用する。
ファイルに書き込んでいるプロセスとは同期をとらないので,
状況によってはコピー対象ファイルが入力ファイルと整合しない場合がある。
たとえば,別のユーザが同じファイルを編集している場合,
内容が変わる可能性がある。書き込み用にオープンしているファイルを処理するとき,
次のメッセージが表示される。
%BACKUP-W-ACCONFLICT, 'filename' is open for write by another user. |
長時間オープンしていてセーブしない可能性があるファイルがある場合,INTERLOCK オプションは非常に便利である。 このオプションを使用するには,ユーザ特権SYSPRV, システムUIC,ボリュームの所有権のいずれかが必要である。 | |
LABEL_PROCESSING | ボリューム・ヘッダ・ レコードに格納されている情報に関わらず,指定の磁気テープ・ボリュームにファイルの内容をセーブまたはコピーする。 ボリューム・ラベルや満了日付をチェックしないまま, テープ・ボリュームに情報が書き込まれる。 このオプションを使用する場合は/EXACT_ORDER修飾子も使用しなければならない。 |
NOBACKUP | DCLのSET FILEコマンドの/NOBACKUP修飾子がNOBACKUPフラグを設定したファイルのファイル・ ヘッダ・レコードと内容をセーブまたはコピーする。 このオプションを指定しない場合,NOBACKUPフラグが設定されたファイルのファイル・ ヘッダ・レコードだけがセーブされる。 |
$ BACKUP/IGNORE=INTERLOCK _From: DUA0:[SUSAN...] _To: MTA0:SONGBIRD.BCK/LABEL=TAPE01ディレクトリ木構造全体とすべてのサブディレクトリのファイルと,現在オープンしているファイルをセーブしています。
$ BACKUP/IGNORE=LABEL_PROCESSING *.*;* MFA1:MYFILES.BCK/REWINDドライブMFA1のテープをテープの先頭マーカまで巻き戻し,テープを初期化し, ユーザの現在のディレクトリに存在するすべてのファイルを格納するセーブ・ セットを作成しています。コマンド修飾子/IGNORE=LABEL_ PROCESSINGは,テープ・ラベル処理チェックを行わないまま,テープを初期化することを指定します。 テープが初期化されると,テープに格納されていた以前のデータへのアクセス権は取り消されます。
$ INITIALIZE/LABEL=VOLUME_ACCESSIBILITY:"K" MUA1: 29JUN $ BACKUP/IGNORE=(ACCESSIBILITY) _From: DUA0:[BOOKS...] _To: MUA1:BACKUP.SAV /LABEL=29JUNアクセス可能文字(K)とボリューム・ラベル(29JUN)を持つテープを初期化しています。 アクセス可能性に関わらず,テープをマウントし,BACKUP 処理を実行しています。テープ保護の詳細については,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。
$ BACKUP/LOG/IMAGE/CONVERT DKA500:[000000]IMAGE.BCK/SAVE DKA200:/NOINITODS-5ディスクのイメージ・バックアップがあり,それをODS-2ディスクに復元したい場合は, この例の中で示したようなコマンドを使用することができます。%BACKUP-I-ODS5CONV, structure level 5 files will be converted to structure level 2 on DKA200: -BACKUP-I-ODS5LOSS, conversion may result in loss of structure level 5 file attributes %BACKUP-S-CREATED, created DKA200:[000000]000000.DIR;1 %BACKUP-S-CREATED, created DKA200:[000000]BACKUP.SYS;1 %BACKUP-S-CREATED, created DKA200:[000000]CONTIN.SYS;1 %BACKUP-S-CREATED, created DKA200:[000000]CORIMG.SYS;1 %BACKUP-S-CREATED, created DKA200:[000000]SECURITY.SYS;1 %BACKUP-S-CREATED, created MDA2:[000000]TEST_FILES.DIR;1 %BACKUP-S-CREATEDAS, created DKA200:[TEST_FILES]SUB^_^{DIR^}.DIR;1 as DKA200:[TEST_FILES]SUB$$DIR$.DIR;1
この例のコマンド行では,IMAGE.BCKがODS-5セーブ・セットで, DKA200:がODS-2ディスクです。この変換方法を用いる場合は,出力ディスクをODS-2 に事前に初期化しておき,コマンド行に/NOINIT修飾子を含める必要があります。
コマンド修飾子
ボリューム全体またはボリューム・セット全体を処理します。
/IMAGE 入力指定子 出力指定子
ディスクのセーブの際に/IMAGE修飾子を使用すると,ALIASディレクトリ木構造は処理されません。ALIAS が指している1次ファイルだけがセーブされます。 この場合,ディスク上にあるALIASディレクトリ指定の数によっては,BACKUP が検査するファイルの数が減って,処理時間が短縮されることがあります。
出力ボリュームがディスクである場合,すべてのファイルは,出力ボリューム上に連続して格納されます。 この結果,ディスクのフラグメンテーションが発生せず, 連続した空きディスク空間ブロックが作成されます。
入力ボリューム上のすべてのファイルが処理されるので,入力ファイル選択修飾子は使用できません。 ただし,イメージ・セーブ・セットからファイルを復元する場合には, 復元するファイルを選択できます。
ボリューム・セットに対してイメージ処理を行う場合,出力指定子で指定するボリューム数は, 入力ボリューム・セットのボリューム数と同じでなければなりません。
イメージのセーブまたはコピー処理は,削除するファイルや紛失ファイル( ディレクトリ・エントリのないファイル)を含む,入力ディスク・ボリューム上のすべてのファイルをセーブまたはコピーします。 省略時のBACKUP イメージ操作では,属性はセーブまたはコピーされますが,NOBACKUP フラグを設定したファイルの内容はセーブまたはコピーされません。また, 省略時の設定では,イメージ・セーブ操作の時点で別のユーザがオープンして書き込んでいるファイルについては,BACKUP は属性もファイルの内容もセーブしません。 これらのファイルを処理するには,コマンド修飾子/IGNORE をBACKUPコマンド行に指定してください。コマンド修飾子/IGNORE=NOBACKUP は,NOBACKUPのフラグが設定されているファイルをセーブまたはコピーします。 コマンド修飾子/IGNORE=INTERLOCKは,別のユーザが書き込みのためオープンしているファイルをセーブまたはコピーします。
イメージの復元またはコピー処理は,出力ボリュームや出力ボリューム・ セットを初期化します。コマンド修飾子/NOINITIALIZEを指定しないかぎり, 初期化データは,入力ボリュームのセーブ・ボリューム要約レコードから取り出されます。/NOINITIALIZE は,出力ボリュームにすでに存在するボリューム初期化データを使用して, 出力ボリュームを初期化します。
イメージの復元またはコピー処理では,すべてのファイルが復元またはコピー対象となります。 出力ボリュームは,/FOREIGN修飾子を使用してマウントする必要があります。 出力ボリュームの機能は入力ボリュームと同じですが, ファイルの配置は変更されます。出力ボリュームでは,ファイルが連続して格納されます。
イメージの復元またはコピー処理において,出力ボリュームの構造レベルを変更することはできません。 次のコマンドのように,テープとディスクの混合セーブ・ セットへのBACKUP操作はサポートされていません。
$ BACKUP SYS$DISK:/IMAGE dka0:FUN,MKA0:/SAVE/REW
/NOALIAS修飾子を指定せずに/IMAGEを指定すると,ディスクまたはファイルの復元操作が正しく完了しない可能性があります。 したがって,イメージ・ モードのバックアップ操作を行う際,/IMAGE修飾子を指定する場合には/NOALIAS 修飾子も指定することを強く推奨します。
OpenVMSバージョン6.2と7.0,で,/IMAGE修飾子と(明示的,あるいは省略時の指定として) /ALIAS 修飾子を指定した場合,BACKUPユーティリティはただ1つのセーブ・ ファイルを作成します。これは,別名ファイル・エントリ, または一次ファイル・エントリのいずれかです。一次ファイル・エントリがセーブ・ セットに保存されなかった場合,このセーブ・セットに対して以降行なわれる復元操作では, この別名エントリを使用してこのファイルを復元します。 これにより,作成されるファイルのファイル・ヘッダには誤ったファイル名が含まれていることになります。
OpenVMSバージョン6.2または7.0で /ALIAS修飾子を使用して作成されたセーブ・ セットから,/NOALIAS修飾子を指定してボリューム復元すると,ボリュームは正しくリストアされません。BACKUP ユーティリティが以前に一次ファイリ・ エントリの代わりに別名ファイル・エントリを保存した場合, 別名ファイル・エントリは/NOALIAS修飾子を指定して復元されたボリュームからは省略されます。
OpenVMSバージョン6.2または7.0で/ALIAS修飾子を指定して作成されたセーブ・ セットを復元するには,次の手順を行います。
$ RENAME DISK:[000000]VMS$COMMON.DIR DISK:[000000]SYSCOMMON.DIR $ RENAME DISK:[000000]SYSCOMMON.DIR DISK:[000000]VMS$COMMON.DIR
この例では,VMS$COMMON.DIRは一次ファイル・エントリです。 SYSCOMMON.DIR iは別名ファイル・エントリです。
OpenVMSバージョン7.1以降では, /IMAGE修飾子を/NOALIAS修飾子なしで使用すると, BACKUP ユーティリティは一次ファイル・エントリと別名ファイル・ エントリの両方を保存します。
$ MOUNT/FOREIGN DMA1: %MOUNT-I-MOUNTED, mounted on NODE$DMA1: $ BACKUP/IMAGE/LOG DLA2: DMA1: %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]000000.DIR;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]BACKUP.SYS;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]CONTIN.SYS;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]CORIMG.SYS;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]ELLA.DIR;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[ELLA]SCAT.DAT;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]JOE.DIR;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[JOE]STRINGS.DAT;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]OSCAR.DIR;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[OSCAR]KEYS.DAT;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]VOLSET.SYS;1 . . . $MOUNTコマンドにより,イメージ・コピー処理のターゲット・ディスクを用意しています。 コマンド修飾子/LOGは,コピーするファイルに関する情報をターミナル上に表示します。BACKUP コマンドがDMA1を初期化し,DMA1 にディスク・ボリュームDLA2をコピーします。DMA1に格納されるファイルは, すべて連続しています。
$ BACKUP/IMAGE DBA2: MTA0:ET.BCK,MTA1:ディスク・ボリューム全体を,磁気テープ・ドライブ2つを使用してマルチボリューム・ セーブ・セットET.BCKにセーブしています。
$ MOUNT/FOREIGN DBA1: %MOUNT-I-MOUNTED, mounted on NODE$DBA1: $ BACKUP/IMAGE WORKDISK DBA1:28SEP.BCK/SAVE_SETイメージ・セーブ処理のターゲット・ディスクをMOUNTコマンドが用意しています。BACKUP コマンドにより,Files-11セーブ・セット28SEP.BCKに対するイメージ・ セーブ処理が行われます。
コマンド修飾子
追加型セーブ・セットを復元します。
/INCREMENTAL セーブ・セット指定 ディスク装置名
追加型セーブ・セットは,コマンド修飾子/RECORDとファイル選択修飾子/SINCE=BACKUP または/SINCE=日付で作成できます。通常,追加型セーブ処理は毎日行ってその日に作成または変更したファイルのコピーをとり, ディスク・ボリューム上のすべてのファイルのコピーをとるフル・バックアップを定期的に行います。 フル・バックアップでは,コマンド修飾子/IMAGE を使用してください。
ディスク・ボリュームが消失,破損,または破壊されても,次の作業を行えばその内容を再作成できます。
以上のようにセーブ・セットを復元すると,追加型セーブ処理を最後に行ったときと同じファイルが出力ディスク・ ボリュームに格納されます。
/INCREMENTAL修飾子を使用するとき,/BY_OWNER=ORIGINAL修飾子が仮定されます。 したがって,元のUICを変更する場合を除き,/BY_OWNERを指定する必要はありません。/INCREMENTAL 修飾子は,Files-11構造レベル2または5 のボリューム以外では使用できません。
公用ボリュームに対してフル・バックアップと追加型セーブ処理を行っているときに, 公用ボリュームが消失,破損,または破壊された場合は, 次の作業を行って公用ボリュームのコピーを新たに作成してください。 まず,イメージの復元処理により,最新のフル・バックアップからボリュームを復元します。
『OpenVMSシステム管理者マニュアル』のBACKUP の章の"Formulating a Backup Strategy"の節では, 追加型バックアップに先だって,最初にディスクのバックアップを行うときに/IMAGE および/RECORD修飾子を使用する重要性について説明しています。
$ MOUNT/FOREIGN DRA0: %MOUNT-I-MOUNTED, mounted on _DRA0: $ BACKUP/IMAGE/RECORD MTA0:FULLJUN98,MTA1 DRA0: %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 3 %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 4 . . . $ DISMOUNT/NOUNLOAD DRA0:
次に,ファイル構造ボリュームとしてディスクをマウントし,時間的に逆行して追加型セーブ・ セットを復元します。最後に,週次追加型セーブ・ セットを復元します。正しい結果を得るには,次の例のように/INCREMENTAL 修飾子を使用してください。
$ MOUNT DRA0: PUBLIC %MOUNT-I-MOUNTED, PUBLIC mounted on _DRA0: $ BACKUP/INCREMENTAL MTA0:INCD17JUN DRA0: $ BACKUP/INCREMENTAL MTA0:INCD16JUN DRA0: $ BACKUP/INCREMENTAL MTA0:INCD15JUN DRA0: $ BACKUP/INCREMENTAL MTA0:INCW14JUN DRA0: $ BACKUP/INCREMENTAL MTA0:INCW7JUN DRA0:
追加型セーブ・セットをどの順序で指定してもボリュームは正しく復元されますが, 時間的に逆行する方法が最も能率的です。
コマンド修飾子
出力ディスク・ボリュームまたは出力テープ・ボリュームを初期化し,格納されていた以前の内容をすべて使用不能とします。 出力テープの場合は,/REWIND も同じ機能を果たします。
/[NO]INITIALIZE 入力指定子 出力指定子
復元またはコピー処理でコマンド修飾子/IMAGEと併用した場合, /INITIALIZE修飾子は,入力ボリューム上のセーブ・ボリューム要約レコードから取り出したボリューム初期化データを使用して出力ボリュームを初期化します。
/NOINITIALIZE修飾子は,出力ボリュームの既存の初期化データを使用してその出力ボリュームを再初期化します。 出力ボリュームは,Files-11ボリュームとして初期化されているものでなければなりません。 初期化した出力ボリュームの既存データは消失します。 出力ボリュームの構造レベルは, 復元対象セーブ・セットの構造レベルと同じでなければなりません。
Files-11ボリュームに対するイメージの復元またはコピー処理では, /INITIALIZEが省略時の値です。
/INITIALIZE修飾子を使用して順編成ディスク・セーブ・セットを作成すると, 順編成ディスク・セーブ・セットの第1出力ボリュームが初期化され, 次に第2以降のボリュームが初期化されます。省略時には,第1ボリュームは初期化されず, 第2以降のボリュームが初期化されます。
BACKUP/IMAGE/INITIALIZEコマンドは,物理ボリューム全体に合わせて, ストレージ・ビットマップのサイズを変更します。また,OpenVMS Version 7.2以降では,ファイル・システムはストレージ・ビットマップが必要量より小さいボリュームを正しく処理できます。 割り当て可能なボリューム上の領域は, ビットマップが記述する領域となります。この結果, ボリュームが必要とする量よりもビットマップが小さい場合,すべてのボリュームをファイル割り当てに使用できるわけではありません。SHOW DEVICE /FULLコマンドを使うと,実際の物理ボリューム・サイズを引き続き表示することができます。 ただし,表示される空きブロックは,実際に割り当てることのできるブロック数です。
$ BACKUP/IMAGE/NOINITIALIZE DBA0: DBA2:出力ボリュームDBA2に存在するボリューム初期化データを使用して,DBA2 を再初期化しています。次に,DBA0の内容がDBA2にコピーされます。
$ BACKUP/IMAGE/INITIALIZE DBA2:OLDFILES.BCK/SAVE_SET DBA6:DBA2上のセーブ・ボリューム要約レコードのボリューム初期化パラメータを使用して, 出力ボリュームDBA6を初期化しています。次に,イメージ・ セーブ・セットOLDFILES.BCKがDBA6にコピーされます。
コマンド修飾子
他のユーティリティやシステムによるBACKUPセーブ・セットの読み込みを禁止する情報を除外することにより, データ交換(ソフトウェア配布)に適した方式でファイルを処理します。
入力がODS-5のディスクまたはファイルの場合,/INTERCHANGE修飾子は/CONVERT を含みます。
/INTERCHANGE 入力指定子 出力指定子
$ BACKUP/RECORD/INTERCHANGE [ACCOUNTS]/SINCE=BACKUP MFA0:SAVACC.BCKディレクトリ[ACCOUNTS]に存在し,最後のBACKUP/RECORD処理以降に変更されたすべてのファイルをセーブしています。/INTERCHANGE 修飾子により, データ交換可能なファイルとして処理されます。
コマンド修飾子
BACKUPセーブ処理でBACKUPジャーナル・ファイルを作成すること,またはBACKUP ジャーナル・ファイルに情報を追加することを指定します。コマンド修飾子/LIST と併用すると,BACKUPジャーナル・ファイルの内容をリストします。
/JOURNAL [=ファイル指定] 入力指定子 出力指定子 /JOURNAL [=ファイル指定]/LIST[=ファイル指定]
コマンド修飾子/JOURNALのファイル指定の省略時の値は, SYS$DISK:[]BACKUP.BJLです。別のファイル名を指定できますが,ノード名は指定できません。 省略時のファイル・タイプは,BJLです。指定したジャーナル・ ファイルが存在しない場合は,ジャーナル・ファイルが作成されます。 ジャーナル・ファイルが存在する場合は,ジャーナル情報がそのファイルに付加されます。
DCLコマンドCREATEやテキスト・エディタで長さ0のファイルを作成すれば, 新しいバージョンのジャーナル・ファイルが開始されます。
BACKUPジャーナル・ファイルの内容をリストするには,/LIST修飾子とともに/JOURNAL=[ ファイル指定]修飾子を使用しますが,入力または出力指定子は指定しません。 省略時の設定では,リストはSYS$OUTPUTに表示されますが,/LIST でファイルを指定すれば,そのファイルに書き込まれます。
ジャーナル・ファイルをリストする場合,ファイル選択修飾子/BEFORE, /SINCE,/EXCLUDEを指定すれば,特定のファイルを検索できます。ここで,/BEFORE と/SINCEは,セーブ・セットにファイルが作成された時間ではなく, セーブ・セットが作成された時間を基準とします。マルチボリューム・ セーブ・セット内のファイルを指定すると,ジャーナル・ファイルが検索され, どのボリュームにファイルが存在するかが分かります。このボリュームをマウントすれば, 対象ファイルを復元できます。
コマンド修飾子/PHYSICALを使用する物理セーブ処理では,ジャーナル・ ファイルは作成されません。
$ BACKUP/JOURNAL=LAR.BJL [LARRY]*.*;* MFA0:YET.BCKディレクトリ[LARRY]のすべてのファイルのすべてのバージョンを,MFA0 上のセーブ・セットYET.BCKにセーブしています。/JOURNAL修飾子は,現在の省略時のディレクトリにジャーナル・ ファイルLAR.BJLを作成してセーブ対象ファイルのレコードを格納します。
$ BACKUP/LIST/JOURNAL=ARCH.BJL/SELECT=[SMITH.PROGS]/SINCE=5-OCT-1998 Listing of BACKUP journal Journal file _DB1:[SYSMGR]:ARCH.BJL;1 ON 7-OCT-1998 00:45:43.01 Save set WKLY.BCK, created on 6-OCT-1998 00:01:34.54 Volume number 1, volume label WKL101 [SMITH.PROGS]REMINDER.FOR;46 [SMITH.PROGS]RUNTHIS.FOR;4 [SMITH.PROGS]TIMER.PAS;5 . . .ディレクトリ[SMITH.PROGS]に存在し1998年10月5日より後にセーブされたすべてのファイルを表示し, ジャーナル・ファイルARCH.BJLに格納します。
$ BACKUP/JOURNAL/LOG/IMAGE DRA2: MTA0:3OCT.FUL %BACKUP-S-COPIED, copied DRA2:[COLLINS]ALPHA.DAT;4 %BACKUP-S-COPIED, copied DRA2:[COLLINS]EDTINI.EDT;5 . . . %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 %BACKUP-I-READYWRITE, mount volume 2 on _MTA0: for writing Press return when ready: <Return> %BACKUP-S-COPIED, copied DRA2:[LANE]MAIL.MAI;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DRA2:[LANE]MEMO.RNO;5 . . . $ BACKUP/JOURNAL/LIST Listing of BACKUP journal Journal file _DB2:[SYSMGR]BACKUP.BJL;1 on 3-OCT-1998 00:40:56.36 Save set 3OCT.FUL created on 3-OCT-1998 00:40:56.36 Volume number 1, volume label 3OCT01 [COLLINS]ALPHA.DAT;4 [COLLINS]EDTINI.EDT;5 [COLLINS]LOGIN.COM;46 [COLLINS]LOGIN.COM;45 [COLLINS]MAIL.MAI;1 [COLLINS.MAR]GETJPI.EXE;9 [COLLINS.MAR]GETJPI.LIS;14 . . . [LANE]LES.MAI;1 . . . Save set 3OCT.FUL created on 3-OCT-1998 00:40:56.36 Volume number 2, volume label 3OCT02 [LANE]MAIL.MAI;1 [LANE]MEMO.RNO;5 [LANE]MEMO.RNO;4 . . . [WALTERS.VI]KD.RNO;52 End of BACKUP journalBACKUPジャーナル・ファイルの作成方法とその内容の表示方法を示しています。
出力セーブ・セット修飾子
セーブ・セットの書き込み先とする磁気テープのボリューム・ラベルを指定します。
入力指定子 出力セーブ・セット指定/LABEL=(文字列[,...])
/LABEL修飾子では,1つのラベルとラベル・リストのどちらでも指定できます。/LABEL 修飾子を指定しない場合,セーブ・セット名の最初の6文字が第1 テープのボリューム・ラベルとして使用されます。7文字以上の名前を指定すると,7 文字以降が切り捨てられます。
セーブ・セットが複数のテープに渡るときにボリューム・ラベルを指定しない場合, 直前のテープの最初の4文字にボリューム番号を付けたものが使用されます。 たとえば第1テープのラベルがAAAABBである場合,第2テープはAAAA02 ,第3テープはAAAA03となります。
セーブ・セットを磁気テープに書き込む前に,コマンド行に指定されたラベルとテープのボリューム・ ラベルが比較されます。テープにボリューム・ ラベルが付いているときに出力修飾子/REWINDを指定すると,指定したラベルがテープのボリューム・ ヘッダ・レコードに書き込まれます。ボリューム・ ラベルが6文字未満である場合,6文字になるまでブランク文字が追加されます。
ボリューム・ラベルの最初の4文字は,BACKUPコマンド行で指定したラベルの最初の4 文字とまったく同じであるか,または1つ以上のアンダスコア文字で終わらなければなりません。 最初の4文字が1つ以上のアンダスコア文字で終わっていて, アンダスコア文字の前の部分がコマンド行に指定したラベルと同じである場合, 一致しているとみなされます。たとえば, ボリューム・ラベルABN_は,コマンド行ラベルABNと一致していますが, ABNEとは一致していません。ボリューム・ラベルの第5または第6文字が0 〜9の数字である場合,これらの数字は,コマンド行に指定したラベル内で対応する文字と比較されません。 数字でない場合,ボリューム・ラベルの第5 および第6文字は,コマンド行に指定するラベル内で対応する文字と正確に一致しなければなりません。
次に,BACKUPコマンド行に指定するラベルと一致するボリューム・ラベルを示します。
コマンド行に指定するラベル | 一致するボリューム・ ラベル |
---|---|
MAR | MAR, MAR_, MAR_nn |
MAR_ | MAR_ , MAR_nn |
MARK | MARK, MARKnn |
MARKER | MARKER, MARKnn |
指定したラベルがテープのボリューム・ラベルに一致する場合,セーブ処理が実行されます。 複数のラベルを指定した場合,テープのボリューム・ ラベルに一致するラベルが1つ以上あれば,セーブ処理が実行されます。 たとえばテープのボリューム・ラベルがMA1686である場合,次のラベル・ リストを/LABEL修飾子で指定すると,セーブ処理は実行されます。
/LABEL=(MA1684,MA1685,MA1686)
指定したラベルがテープのボリューム・ラベルに一致しない場合,次のメッセージとプロンプトが表示されます。 表示されるターミナルは,コマンド修飾子/NOASSIST を指定した場合は使用中のターミナル,/NOASSISTを指定していない場合はオペレータ・ ターミナルです。
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 'number' on 'device' was not mounted because its label does not match the one requested Specify option (QUIT, NEW tape or OVERWRITE tape) BACKUP>
BACKUP処理を強制終了して磁気テープをアンロードするには,QUITを指定します。 新しいテープのプロンプトを表示するには,NEWを指定します。 ラベルの不一致を無視し,テープをマウントし,出力セーブ・セット修飾子/REWIND が指定されているときにテープを初期化し,セーブ・セットをテープに書き込むには,OVERWRITE を指定します。
コマンド修飾子/IGNORE=LABEL_PROCESSINGを指定すれば,テープのボリューム・ ラベルがチェックされません。また,/EXACT_ORDER修飾子を使用すれば,BACKUP 操作で使用するテープ・ボリューム・ラベルの正確な順序を指定できます。
$ BACKUP [PAYROLL] MTA0:30NOV.BCK/LABEL=PAYドライブMTA0にマウントされているテープのボリューム・ラベルがチェックされます。 ボリューム・ラベルがPAYであれば,ディレクトリ[PAYROLL] をセーブ・セット30NOV.BCKにセーブします。
$ BACKUP DDA1: MTA0:PLAYS.BCK,MTA1,MTA2/REWIND/LABEL=(ACT1,ACT2,ACT3)3本のテープにボリューム・ラベルがないと仮定しています。ディスクDDA1 上のすべてのファイルを,セーブ・セットPLAYS.BCKにセーブします。 セーブ・セット内の第1テープのラベルはACT1,第2テープのラベルはACT2 ,第3テープのラベルはACT3です。
コマンド修飾子
BACKUPセーブ・セットとセーブ・セット内のファイルに関する情報をリストします。 ターミナル上にリストすることも,ファイルに書き込むこともできます。
/LIST [=ファイル指定] セーブ・セット指定
セーブ・セットの内容をリストするには,まず,セーブ・セットを格納している媒体をドライブに挿入しなければなりません。 セーブ・セットがディスクに格納されている場合,Files-11 ボリュームまたはフォーリン・ボリュームとしてディスクをマウントしてください。 磁気テープは,リスト処理の一部として自動的にマウントされます。
省略時の設定では,リスト情報は使用中のターミナルに表示されますが, 指定ファイルに書き込むこともできます。
スタンドアロンBACKUPで/LIST修飾子を使用し,/LIST=ファイル指定で指定したファイルに出力する場合, 指定ファイルはターミナルまたはプリンタでなければなりません。
/LIST修飾子では,コマンド修飾子/BRIEFや/FULLを併用できます。/BRIEF 修飾子は,ブロック数によるファイル・サイズとファイル作成日付をリストします。/FULL 修飾子は,DCLのDIRECTORY/FULLコマンドと同じ形式で, その他のファイル情報もリストします。省略時の値は,/BRIEFです。
/LISTの結果をターミナルに出力する場合,コマンド修飾子/LOGを/LISTと併用してはなりません。 併用すると,混乱した結果が出力されます。
$ BACKUP/LIST DBA2:[SAVE]23MAR98.BCK/SAVE_SET Listing of save set(s) Save set: 23MAR98.BCK Written by: MOROCI UIC: [000200,000200] Date: 23-MAR-1998 14:18:16.98 Command: BACKUP [SAVE] DBA2:[SAVE]23MAR98.BCK/SAVE_SET Operating system: OpenVMS Alpha Version V7.1 BACKUP version: V7.1 CPU ID register: 08000000 Node name: _SUZI:: Written on: _DBA2: Block size: 32,256 Group size: 10 Buffer count: 3 [SAVE]LAST.DAT;1 1 18-JAN-1998 14:11 [SAVE]INFO.TXT;4 5 4-FEB-1998 13:12 [SAVE]WORK.DAT;3 33 1-JAN-1998 10:02 Total of 3 files, 39 blocks End of save setBACKUP要約情報とセーブ・セット内の各ファイルの名前,サイズ,作成日付をリストしています。Files-11 ディスク上のセーブ・セットを入力指定子に指定するため,/SAVE_SET 修飾子を使用しています。
コマンド修飾子
処理するファイルのファイル指定を,処理中にSYS$OUTPUTに表示するかどうかを指定します。 省略時の値は,/NOLOGです。
/[NO]LOG 入力指定子 出力指定子
$ BACKUP/LOG [SAVE]23MAR98.BCK/SAVE_SET DBA2:[PLI.WORK] %BACKUP-S-CREATED, created DBA2:[PLI.WORK]ANOTHER.DAT;1 %BACKUP-S-CREATED, created DBA2:[PLI.WORK]LAST.DAT;1 %BACKUP-S-CREATED, created DBA2:[PLI.WORK]THAT.DAT;1 %BACKUP-S-CREATED, created DBA2:[PLI.WORK]THIS.DAT;2 . . .DBA2上のディレクトリ[PLI.WORK]に復元するファイルのファイル指定が, SYS$OUTPUTに出力されます。
出力セーブ・セット修飾子
データ・レコードを自動的に圧縮してブロッキングするかどうかを制御します。 データを圧縮しレコードをブロッキングすれば,より多くのデータをテープに格納できます。
圧縮比は,データとテープ・ドライブによって異なります。詳細については, テープ・ドライブのマニュアルを参照してください。
BACKUPを使用すると,1つのテープ上の異なるセーブ・セットについて, 異なる圧縮の設定を行うことができます。ただし,すべてのテープ・ドライブが1 つのテープ上の複数の圧縮の設定をサポートしているわけではありません。 混合されたモードのテープが許可されるかどうかは,使用するテープ・ ドライブのモデルに依存します。
入力指定子 出力セーブ・セット指定 /MEDIA_FORMAT=[NO]COMPACTION
Alphaシステムでは,/MEDIA_FORMAT=COMPACTION修飾子を使用して,SCSI テープ・ドライブのハードウェア・データ圧縮を行うことができます。
$ BACKUP WORK$:[TESTFILES...]*.*;* MUA0:TEST.SAV - _$/MEDIA_FORMAT=COMPACTION /REWINDセーブ・セットTEST.SAV内のディレクトリ[TESTFILES]とそのサブディレクトリに存在するすべてのファイルを, テープ・ドライブTA90Eを使用してセーブしています。/MEDIA_FORMAT=COMPACTION 修飾子により,テープ・ ドライブがデータ・レコードを自動的に圧縮しブロッキングします。
入力ファイル選択修飾子
各ファイル・ヘッダ・レコードの変更日付フィールド値(ファイルを最後に変更した日付) をもとに,ファイルを選択します。
入力指定子 /BEFORE=日時 /MODIFIED 出力指定子 入力指定子 /SINCE=日時 /MODIFIED 出力指定子
/MODIFIEDは,/BACKUP,/CREATED,/EXPIREDのいずれかの入力ファイル選択修飾子と併用することはできません。
$ BACKUP [SUNDANCE...]/BEFORE=TODAY/MODIFIED MFA1:MOD.BCKディレクトリ木構造[SUNDANCE]に存在し,変更日付が今日(現在の日, 月,年の00:00:00.0時)より前のすべてのファイルをセーブしています。
出力ファイル修飾子
復元先やコピー先の記憶位置に同名のファイルがすでに存在する場合,新しいバージョンのファイルを作成します。
入力指定子 出力指定子/NEW_VERSION
既存ファイルのバージョン番号以下のバージョン番号を持つファイルを/NEW_VERSION ,/REPLACE,/OVERLAYなしでコピーまたは復元しようとすると, エラーが出力されます。
/NEW_VERSION修飾子を使用してファイルをコピーまたは復元する場合,ファイルはバージョン番号の降順で処理され, 昇順で作成されます。この結果, バージョン番号は逆転します。
このようにしてバージョン番号が変更されるため,この修飾子を/VERIFY 修飾子と併用した場合,結果は予測不能となります。/VERIFY修飾子は, /NEW_VERSION修飾子と併用しないようにしてください。
$ BACKUP MTA1:NOV30REC.BCK/SELECT=*.DAT [RECORDS...]/NEW_VERSIONファイル・タイプが.DATであるすべてのファイルを,磁気テープ・セーブ・ セットNOV30REC.BCKからディレクトリ[RECORDS]に復元します。/NEW_ VERSION修飾子により,同名のファイルがすでに存在しているかどうかに関わりなく, ファイル・タイプ.DATのファイルが復元されます。
コマンド修飾子
OpenVMS 7.2以降では,保存操作において,/NOINCREMENTAL修飾子を使用して保存するデータの量を制御できます。 この修飾子は,すべてのデータではなく特定のファイルを保存したい場合にのみ使用します。
/NOINCREMENTAL 入力指定 出力指定
/NOINCREMENTAL修飾子は,復元操作においては意味をもっていません。
$ BACKUP/ FAST/ NOINCREMENTAL /SINCE="3-MAY-1998" - _$ MAC_DISK:[000000...]*.*;* - _$ TAPE:MCDSK980503.BCK/ SAVE/ REWINDこの例でのバックアップコマンドは,入力指定したボリュームの追加型保存BACKUP 操作を実行します。このコマンドは,現在変更したディレクトリの下のすべてのファイルを保存しないように指示しています。
出力ファイル修飾子
出力位置に存在する同名のファイルに入力ファイルを上書きします。
入力指定子 出力指定子/OVERLAY
ディスク上におけるファイルの物理位置は,変わりません。既存ファイルより新ファイルが大きい場合に/OVERLAY を指定すると,追加ブロックが割り当てられ, ファイルが拡張されます。
処理するファイルのバージョン番号が既存ファイルと同じであるときに/OVERLAY ,/REPLACE,/NEW_VERSIONを指定しない場合,コピーまたは復元処理はエラーを出力します。
$ BACKUP DRA1:MAR30SAV.BCK/SAVE_SET [RECORDS...]/OVERLAY順編成ディスク・セーブ・セットMAR30SAV.BCKをディレクトリ木構造[RECORDS...] に復元しています。セーブ・セットのファイルと同じ識別子を持つファイルが[RECORDS...] に存在する場合,/OVERLAYにより, 既存バージョンが上書きされます。
/OWNER_UIC修飾子は,/BY_OWNERに変更されています。コマンド・プロシージャやオペレータ命令に/OWNER_UIC を使用している場合は,/BY_OWNER に変更してください。詳細については,/BY_OWNERの項を参照してください。
コマンド修飾子
入力ボリュームのファイル構造を無視し,論理ブロック単位でボリュームを処理することを指定します。
/PHYSICAL 入力指定子 出力指定子
物理ボリュームの入力指定子と出力指定子は,異なる装置名でなければなりません。/DELETE ,/IMAGE,/INCREMENTAL,/JOURNAL,/RECORDの各修飾子は,/PHYSICAL と併用した場合,無視されます。
ディスク間で物理コピー処理を行う場合,出力ディスクの装置タイプは入力ディスクと同じでなければなりません。 たとえば,入力ディスクRP05と出力ディスクRP06 との間でBACKUP/PHYSICAL処理を実行することはできません。 出力ディスクには,入力ディスクの正常ブロックに対応する位置に不良ブロックが存在してはなりません。 この制約は,RAシリーズのディスクには適用されません。
ディスク間の物理セーブ処理に使用する出力ディスクは,入力ディスクと同じタイプであるか, または入力ディスクより容量が大きいディスクでなければなりません。 出力ディスクには,入力ディスクの正常ブロックに対応する位置に不良ブロックが存在してはなりません。 この制約は,RAシリーズのディスクには適用されません。
物理処理に使用する出力ディスクは,DCLのMOUNT/FOREIGNコマンドでマウントしてください。 同様に,入力ディスクも,DCLのMOUNT/FOREIGNコマンドでマウントしてください。 あるいはユーザ特権LOG_IOまたはPHY_IOを持っていることが必要です。
物理セーブまたは復元処理に磁気テープを使用できます。磁気テープは, フォーリン装置として自動的にマウントされます。
/PHYSICAL修飾子を使用して書き込んだセーブ・セットは,物理セーブ・ セットとしてのみ読み込みます。同様に,ファイル構造セーブ・セットは, ファイル構造の復元または比較処理でのみ読み込めます。
$ MOUNT/FOREIGN DYA0: $ MOUNT/FOREIGN DYA1: $ BACKUP/PHYSICAL DYA0: DYA1:RX02ディスケットをDYA0とDYA1にフォーリン装置としてマウントし,DYA0 にマウントしたディスケットの内容をDYA1にマウントしたディスケットにコピーしています。
$ MOUNT/FOREIGN DBA1: $ BACKUP/PHYSICAL MTA0:28SEP.BCK DBA1:物理セーブ・セット28SEP.BCKをDBA1に復元しています。
出力セーブ・セット修飾子
ディスク上にセーブ・セットを作成する場合,出力セーブ・セットに適用する保護を定義します。 磁気テープ上にセーブ・セットを作成する場合, 磁気テープ・ボリュームに適用する保護を定義します。テープを初期化しないかぎり, その後テープ上に作成するすべてのセーブ・セット同じ保護が適用されます。
入力指定子 出力セーブ・セット指定/PROTECTION[=(コード)]
保護コードは,システム,所有者,グループ,一般の4種類のユーザが使用できるアクセスのタイプ( 読み込み,書き込み,実行,削除)を示します。 保護コードの指定方法については,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』を参照してください。
/PROTECTIONを指定しないまま,セーブ・セットをFiles-11ディスクまたは順編成ディスクに書き込んだ場合, プロセスの省略時の保護が適用されます。/PROTECTION を指定した場合,指定を省略した保護カテゴリには, 個々のユーザの省略時のプロセス保護が使用されます。
保護情報は,磁気テープのボリューム・ヘッダ・レコードに書き込まれ, そのテープに格納されるすべてのセーブ・セットに適用されます。 /PROTECTIONを指定した場合,指定を省略した保護カテゴリには,個々のユーザの省略時のプロセス保護が使用されます。
磁気テープを初期化して正しく保護するには,/PROTECTION修飾子とともに出力セーブ・ セット修飾子/REWINDを指定する必要があります。/REWIND を/PROTECTIONと併用しない場合,ボリューム・ヘッダ・レコードに格納されている保護情報は変更されません。 ただし,後続のボリュームについては,/REWIND を指定せずに/PROTECTIONだけを指定することによって正しい保護が設定されます。
/PROTECTIONを指定せずにセーブ・セットを磁気テープに書き込むと,保護 なしがテープに適用されます。
以前に/PROTECTION修飾子を使用して初期化した磁気テープ・ボリュームを初期化するには, ボリュームの所有者であること(ユーザのUICがボリュームのUIC と同じ),またはVOLPRO特権を持っていることが必要です。
$ BACKUP _From: [CLEAVER...] _To: MFA2:ACCOUNTS.BCK/BY_OWNER=[301,310]/REWIND/LABEL=BANK01- _$ /PROTECTION=(S:RWE,O:RWED,G:RE,W)磁気テープBANK01上のセーブ・セットACCOUNTS.BCKに,ディレクトリ木構造[CLEAVER...] をセーブしています。出力セーブ・セット修飾子/REWIND により,セーブ処理前にテープが巻き戻され初期化されます。出力セーブ・ セット修飾子/BY_OWNERが,所有者UIC [301,310]を磁気テープに設定します。/PROTECTION 修飾子は,読み込み,書き込み,実行,削除のアクセス権を磁気テープの所有者に設定します。SYSTEM ユーザには読み込み, 書き込み,実行のアクセス,GROUPユーザには読み込みと実行のアクセスが許可され,WORLD ユーザにはアクセスが許可されません。
$ BACKUP/IMAGE _From: DUA0: _To: MFA2:DAILY.BCK/REWIND/LABEL=TAPE1- _$ /PROTECTION=(S:RWED,O:RWED,G,W) $ BACKUP/IMAGE DUA2: MFA2:DAILY2.BCK/PROTECTION=(S:RWED,O:RWED,G,W) %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 %BACKUP-I-READYWRITE, mount volume 2 on _MFA2: for writing Press return when ready: <Return>最初のBACKUPコマンドは,ディスクDUA0のイメージ・バックアップをラベルBANK01 の磁気テープ上のセーブ・セットDAILY.BCKに作成します。出力セーブ・ セット修飾子/REWINDによって,セーブを行う前にテープが巻き戻されて初期化されます。/PROTECTION 修飾子は,磁気テープの所有者およびSYSTEM ユーザに読み込み,書き込み,実行,削除アクセス権を設定します。GROUP ユーザおよびWORLDユーザにはアクセス権は設定されません。
2つめのBACKUPコマンドは,同じテープにディスクDUA2のバックアップを作成します。 テープがいっぱいになると,次のボリュームが要求されます。/PROTECTION 修飾子が指定されているため,後続のボリュームにも適切な保護が適用されます。
コマンド修飾子
ファイルのセーブまたはコピー処理が正常終了した後,各ファイル・ヘッダ・ レコードのBACKUP日付フィールドに現在の日時を記録します。
/RECORD 入力指定子 出力指定子
/RECORDをコピーまたはセーブ処理で使用すると,コピーやセーブ・セットが作成された日時が, 各ファイル・ヘッダ・レコードのBACKUP日付フィールドに書き込まれます。
ディスク・ボリュームに対する追加型セーブ処理で/RECORDを使用する場合, 同じディスク・ボリュームに対しては他のユーザが/RECORDを使用できないようにしてください。 他のユーザが/RECORDを指定すると,ファイル・ ヘッダ・レコードのBACKUP日付フィールドの値が変更されてしまいます。 この結果,最後のセーブ処理以降に作成または変更したファイルをセーブする処理が不可能になります。
コマンド修飾子/VERIFYを/RECORDと併用すると,チェックに失敗したファイルは記録されません。
/RECORDを指定しない場合,処理対象ファイルのBACKUP日付フィールドは変更されません。
/RECORD修飾子は,/DELETE,/COMPAREのいずれかのコマンド修飾子と併用することはできません。
$ BACKUP/RECORD DBA1:[000000...]/SINCE=BACKUP MTA0:13MAY.BCK最後のセーブ処理以降に作成または変更したDBA1上のすべてのファイルをセーブし, 現在の日時を各ファイル・ヘッダ・レコードに記録します。
コマンド修飾子
セーブ処理でセーブ・セットをテープに書き込んだ後,テープをディスマウントしアンロードします。 オプションで,テープ上のセーブ・セット情報を確認します。
/RELEASE_TAPE 入力指定子 出力指定子
/RECORDと/DELETEの修飾子を同時に使用することはできません。
$ BACKUP/IMAGE/RECORD/RELEASE_TAPE DUA1: MUA0:BACK.BCKディスクDUA1をセーブ・セットBACK.BCKにバックアップしています。 /RELEASE_TAPEと/RECORD修飾子を併用しているので,/RECORD修飾子の動作を行う前に,MUA0 のテープがディスマウントされアンロードされます。 この結果,他の処理にテープを使用できます。
$ ALLOCATE MUA0: TAPE $ BACKUP/DELETE/RELEASE_TAPE/LOG DUA1:[MAIN...] MUA0:MAIN.BCK . . . $ DEALLOCATE TAPEDUA1ディスク上のディレクトリを一部バックアップした後,バックアップしたファイルを削除しています。/RELEASE_TAPE 修飾子により,/DELETE修飾子の動作を行う前に, テープがディスマウントされアンロードされます。 この結果,他の処理にテープを使用できます。DEALLOCATEコマンドを実行しないかぎり, テープは割り当てられたままとなります。
出力ファイル修飾子
出力指定子のファイルを,入力指定子と同名のファイルと置換します。
入力指定子 出力指定子/REPLACE
コピー・ファイルは,復元されたバージョンと置換されます。コピー・ファイルは削除されるので, バージョン番号は変わりません。入力指定子と出力指定子のバージョンを保存する場合は, 出力ファイル修飾子/NEW_ VERSIONを使用してください。
復元ファイルのバージョン番号が既存ファイルと同じであるときに/REPLACE ,/OVERLAY,/NEW_VERSIONのいずれも使用しない場合,エラーが出力され, ファイルは復元されません。
$ BACKUP MUA0:SAVEWORK.BCK/SELECT=[LEE...] DUA0:[LEE...]/REPLACEディレクトリ木構造[LEE...]とこのディレクトリ木構造に存在するすべてのファイルを, 磁気テープ・セーブ・セットからディスクに復元しています。 入力セーブ・セット修飾子/SELECTは,セーブ・セットから選択するディレクトリ木構造を指定し, 出力ファイル修飾子/REPLACEは,出力媒体上に同名のファイルが存在する場合, まず入力ファイルの新バージョンを作成し, 次に既存ファイルを削除します。
入力セーブ・セット修飾子
入力ボリュームを読み込む前に,入力テープ・リールをテープの先頭マーカまで巻き戻します。
入力セーブ・セット指定/[NO]REWIND 出力指定子
/REWINDは,入力ボリュームを読み込む前に,テープの先頭マーカまで入力磁気テープを巻き戻します。 巻き戻しが終わってから入力セーブ・セットが取り出されるので, 現在位置より前に存在するセーブ・セットも検出できます。
/NOREWINDは,コマンドを実行する前に入力ボリュームを巻き戻さないことを指定します。 論理的なテープの終端(最後にテープに格納されたセーブ・ セットの終わり)に向かって,処理が行われます。したがって,現在位置より前に存在するセーブ・ セットは検出できません。
省略時の設定では/NOREWINDなので,テープを巻き戻す場合は/REWINDを指定する必要があります。
$ BACKUP MFA1:CONTRACTS.BCK/REWIND DBA2:[*...]/BY_OWNER=ORIGINALDBA2にマウントされているディスク・ボリュームにセーブ・セットCONTRACTS.BCK が復元されます。/REWIND修飾子により,テープの先頭マーカまで磁気テープを巻き戻してから,CONTRACTS.BCK を捜します。出力ファイル修飾子/BY_OWNER は,元の所有者UICを復元します。
出力セーブ・セット修飾子
テープの先頭マーカまで出力テープを巻き戻し,初期化します。 /NOREWIND修飾子は,論理的なテープの終端(テープに最後に格納したセーブ・ セットの終わり)に向かってテープを巻き,その位置からセーブ・ セットの書き込みを始めます。
入力指定子 出力セーブ・セット指定/[NO]REWIND
/REWINDを指定すると,テープの先頭まで磁気テープを巻き戻してからボリューム・ ヘッダ・レコード内のボリューム・ラベルを検索します。ボリューム・ ヘッダ・レコードにボリューム・ラベルが存在しない場合, BACKUPコマンドで指定したラベルがボリューム・ヘッダ・レコードに書き込まれ, テープが初期化され,セーブ・セットがテープ上に作成されます。
コマンド行にラベルを明示的に指定しない場合,マルチボリューム・セーブ・ セットの第1テープのボリューム・ラベルにはセーブ・セット名の最初の6 文字が使用され,第2以降のテープのボリューム・ラベルにはセーブ・ セット名の最初の4文字にボリューム番号を付けたものが使用されます。/LABEL 修飾子を使用して1つのラベル,またはラベル・リストを明示的に指定することもできます。/LABEL 修飾子で指定したラベルが充分でない場合, リスト内の最後のラベルの最初の4文字にボリューム番号を付けたものが, 第2以降のテープのボリューム・ラベルとなります。
ボリューム・ラベルがテープに存在する場合,BACKUPコマンド行に/LABEL 修飾子で明示的に指定したラベル,またはセーブ・セット名をもとに暗黙に指定したラベルと比較され, テープが満了していることが確認されます。
ボリューム・ラベルが6文字未満である場合,6文字になるまでブランク文字が追加されます。 ボリューム・ラベルの最初の4文字は,BACKUPコマンド行で指定したラベルの最初の4 文字とまったく同じであるか,または1つ以上のアンダスコア文字で終わらなければなりません。 最初の4文字が1つ以上のアンダスコア文字で終わっていて, アンダスコア文字の前の部分がコマンド行に指定したラベルと同じである場合, 一致しているとみなされます。 たとえば,ボリューム・ラベルABN_は,コマンド行ラベルABNと一致していますが,ABNE とは一致していません。ボリューム・ラベルの第5 または第6文字が0〜9の数字である場合,これらの数字は,コマンド行に指定したラベル内で対応する文字と比較されません。 数字でない場合,ボリューム・ ラベルの第5および第6文字は,コマンド行に指定するラベル内で対応する文字と正確に一致しなければなりません。 次に,BACKUPコマンド行に指定するラベルと一致するボリューム・ ラベルを示します。
コマンド行に指定するラベル | 一致するボリューム・ ラベル |
---|---|
MAR | MAR, MAR_, MAR_nn |
MAR_ | MAR_ , MAR_nn |
MARK | MARK, MARKnn |
MARKER | MARKER, MARKnn |
複数のラベルを/LABEL修飾子で指定できます。BACKUPコマンド行で指定したラベルのいずれかがテープのボリューム・ ラベルと一致し,テープが満了している場合, テープのボリューム・ラベルは同じボリューム・ラベルで上書きされます。
テープのボリューム・ラベルを上書きすることにより,テープは初期化され, テープに格納されていたデータへのアクセス権が削除されるので,新たなデータをテープに格納できます。 初期化プロセスでは,出力セーブ・ セット修飾子/TAPE_EXPIRATION,/PROTECTION,/BY_OWNERで指定した値がボリューム・ ヘッダ・レコードに書き込まれます。これらの修飾子が指定されていなければ, 満了日付は今日,保護はなし,テープの所有者UICは現在のプロセスのUIC になります。テープを初期化すると,セーブ・セットがテープに書き込まれます。
BACKUPコマンド行に指定したラベルがテープのボリューム・ラベルと一致しない場合, 次のメッセージとプロンプトが表示されます。表示されるターミナルは, コマンド修飾子/NOASSISTを指定した場合は使用中のターミナル,/NOASSIST を指定していない場合はオペレータ・ターミナルです。
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 'number' on 'device' was not mounted because its label does not match the one requested Specify option (QUIT, NEW tape or OVERWRITE tape) BACKUP>
BACKUP>プロンプトにQUITを入力すると,処理が強制終了され,磁気テープがアンロードされ, 次のメッセージが出力されます。
%BACKUP-F-ABORT, operator requested abort on fatal error
BACKUP>プロンプトにNEWを入力すると,磁気テープがアンロードされ,新しいテープをマウントするためのプロンプトが次のように出力されます。
%BACKUP-I-READYWRITE, mount volume 'volume-number' on _'device-name': for writing Enter "YES" when ready:
BACKUP>にOVERWRITEを入力すると,旧ボリューム・ラベルが新ボリューム・ ラベルで上書きされます。OVERWRITEは,テープが満了していないことや両方のラベルが一致しないことを無視します。 テープのボリューム・ ラベルを上書きした後,テープが初期化され,テープに存在していたデータへのアクセス権が取り消されるので, テープに新しいデータを書き込めるようになります。
初期化プロセスでは,出力セーブ・セット修飾子/TAPE_EXPIRATION, /PROTECTION,/BY_OWNERで指定した値がボリューム・ヘッダ・レコードに書き込まれます。 テープを初期化した後,セーブ・セットがテープに書き込まれます。
テープが満了していない場合,次のメッセージとプロンプトが表示されます。 表示されるターミナルは,/NOASSISTを指定した場合は使用中のターミナル,/NOASSIST を指定していない場合はオペレータ・ターミナルです。
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 'number' on 'device' was not mounted because its expiration date is in the future Specify option (QUIT, NEW tape or OVERWRITE tape) BACKUP>
出力テープのラベルがANSIやISO以外である場合や一度も初期化したことがない出力テープの場合は, 必ず/REWINDを指定してください。
/NOREWIND修飾子は,セーブ処理を行う前に,テープのボリューム・ラベルをBACKUP コマンドで指定したラベルと比較します。ラベルは,/LABEL修飾子で明示的に指定できます。 ラベルを指定しない場合,セーブ・セット名の最初の6 文字がボリューム・ラベルとして使用されます。ボリューム・ ラベルが指定ラベルと一致しない場合,次のメッセージとプロンプトが表示されます。 表示されるターミナルは,/NOASSISTを指定した場合は使用中のターミナル,/NOASSIST を指定していない場合はオペレータ・ターミナルです。
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 'number' on 'device' was not mounted because its label does not match the one requested Specify option (QUIT, NEW tape or OVERWRITE tape) BACKUP>
OVERWRITEオプションを選択すると,ボリューム・ラベルが一致していなくても無視されます。 ラベルが一致している場合やOVERWRITEオプションを指定した場合は, 論理的なテープの終端(最後にテープに格納したセーブ・ セットの終わり)に向かってテープが巻かれ,セーブ・セットが書き込まれます。 論理的なテープの終端と物理的なテープの終端が同じである場合, 新しいテープが要求されます。BACKUP処理はデータの終わりを検索するので, 複数のテープに渡るセーブ・セットをテープに格納している場合は, 新しいセーブ・セットを書き込むことはできません。
/NOREWIND修飾子は,マルチボリューム・セーブ・セットの第1テープは初期化しませんが, 第2以降のテープは初期化されます。テープが満了していてテープ・ ラベルが一致している場合にかぎり,第2以降のボリュームが初期化されます。
省略時の値は,/NOREWINDです。磁気テープ・ボリュームを巻き戻して初期化する場合は,/REWIND を指定してください。
$ BACKUP _From: *.PS _To: MTA0:DSRSAVE.BCK/REWIND/LABEL=DSR01/TAPE_EXPIRATION=29-JUN-1998新しい磁気テープを初期化し,ボリューム・ラベルDSR01と満了日付1998 年6月29日をテープのボリューム・ヘッダ・レコードに書き込んでいます。 次に,現在の省略時のディレクトリに存在するファイル・タイプが.PS のすべてのファイルを,磁気テープ・セーブ・セットDSRSAVE.BCKにセーブします。
入力セーブ・セット修飾子
入力ファイルをBACKUPセーブ・セットとして扱います。ディスク上のBACKUP セーブ・セットを入力指定子とする場合は,/SAVE_SETを指定しなければなりません。
入力セーブ・セット指定/SAVE_SET 出力指定子
$ BACKUP DBA2:[BACKUP]1212MAR3.BCK/SAVE_SET DBA1:[*...]セーブ・セット1212MAR3.BCKをDBA2からDBA1に復元しています。
$ BACKUP/LIST DBA2:[SAVE]23MAR98.BCK/SAVE_SETセーブ・セット23MAR98.BCKの各ファイルについて,BACKUP要約情報とファイル名, ファイル・サイズ,作成日付をリストしています。ディスク上のセーブ・ セットを入力指定子とするため,/SAVE_SET修飾子を使用しています。
$ BACKUP/LOG DBA2:[SAVE]23MAR98.BCK/SAVE_SET DBA3:[PLI.WORK]例2のディレクトリを復元しています。ファイルを復元するとき,ファイル指定がSYS$OUTPUT に出力されます。
出力セーブ・セット修飾子
出力ファイルをBACKUPセーブ・セットとして扱います。ディスク上のBACKUP セーブ・セットを出力指定子とする場合,/SAVE_SET修飾子を指定しなければなりません。
入力指定子 出力セーブ・セット指定/SAVE_SET
$ BACKUP [HILL] DBA1:[BACKUP]SEP28.BCK/SAVE_SETFiles-11ディスク上のセーブ・セットSEP28.BCKにディレクトリ[HILL]をセーブしています。
$ BACKUP DBA2:[PLI.WORK]*.*; [SAVE]23MAR98.BCK/SAVE_SETディレクトリ[PLI.WORK]内の各ファイルの最大番号のバージョンを,同じディスク上のセーブ・ セット23MAR98.BCKにセーブしています。
$ BACKUP _From: [] _To: MILO"FRANKIE THISISMINE"::DUA0:[FRANKIE]MYDIR.BCK/SAVE_SET現在の省略時のディレクトリのすべてのファイルを,ノードMIL0上のセーブ・ セットMYDIR.BCKにセーブしています。
$ MOUNT/FOREIGN DBA0: $ BACKUP [SIMS] DBA0:SIMS.BCK/SAVE_SETディレクトリ[SIMS]のすべてのファイルを,順編成ディスク・セーブ・セットSIMS.BCK にセーブしています。
入力セーブ・セット修飾子
指定したファイルを処理対象として選択します。
入力セーブ・セット指定/SELECT=(ファイル指定[,...])出力指定子
一時的ファイル指定の省略時の値は,リスト内で適用されません。ファイル指定[000000 . . . ]*.*;* から,各ファイル指定が独立して省略時の値を取り出します。
$ BACKUP DBA1:JUL20.BCK/SAVE_SET/SELECT=[SNOW]BALL.PAS [WINTER.GAME]BALL.PAS順編成ディスク・セーブ・セットから[SNOW]BALL.PASファイルを選択し, 現在の省略時の装置上のディレクトリ[WINTER.GAME]に復元しています。
入力ファイル選択修飾子
指定した日時以降の日付のファイルを選択します。
入力指定子/SINCE=日時 出力指定子
修飾子 | 機能 |
---|---|
/BACKUP | 指定した日付以降にBACKUP/RECORDで最後にセーブまたはコピーしたファイルを選択する。BACKUP 日付のないファイルも選択する。 |
/CREATED | 指定した日付以降に作成したファイルを選択する。 |
/EXPIRED | 指定した日付以降に満了したファイルを選択する。 |
/MODIFIED | 指定した日付以降で最後に変更したファイルを選択する。 他の修飾子を/SINCEと併用しない場合,/MODIFIED が省略時の値として使用される。 |
日時は,[dd-mmm-yyyy[:]][hh:mm:ss.cc]の形式によるデルタ時間または絶対時刻で指定してください。 次に,日時指定に使用できる予約語を示します。
BACKUP | BACKUP/RECORD処理(Files-11構造レベル2 および5ボリューム専用) |
TODAY | 00:00:00.0時における,現在の日,月, 年 |
TOMORROW | 昨夜午前0時より後の24 時間 |
YESTERDAY | 昨夜午前0 時より前の24時間 |
通常の追加型バックアップを行う前に,BACKUP/IMAGE/RECORDコマンドを使用してイメージ・ バックアップを行うようにしてください。イメージ・ バックアップはディスク全体のコピーをセーブし,各ファイルに対してセーブ済みのマークを付けます。 それ以降に実行される通常の追加型バックアップは, イメージ・バックアップがすでに実行されていると仮定し,新しいファイルと変更されたファイルだけをセーブします。 先にイメージ・ バックアップを行っておかないと,追加型バックアップは,追加型復元の成功を保証するために, 必要以上のファイルをセーブすることになります。
$ BACKUP [PLI.WORK]/SINCE=YESTERDAY/MODIFIED [PLI.SAV]ディレクトリ[PLI.WORK]内で選択したファイルを,ディレクトリ[PLI.SAV] にコピーしています。昨夜午前0時より前の24時間以降に変更されたファイルだけが処理されます。 この例では/MODIFIEDを指定していますが, この修飾子は/SINCE修飾子の省略時の修飾子であるため,指定する必要はありません。
出力セーブ・セット修飾子
現在の日付以外のファイル満了日付を,セーブ・セットのファイル・ヘッダ・ ラベルに書き込みます。
入力指定子 出力セーブ・セット指定/TAPE_EXPIRATION[=日付]
/REWINDを使用して磁気テープ上にBACKUPセーブ・セットを作成する場合は, 必ず満了日付を指定するようにしてください。毎日のBACKUPテープの満了期間は7 日,毎週のBACKUPテープの満了期間は1ヶ月,毎月のBACKUPテープの満了期間は1 年とします。
日付は,次の形式で指定してください。
dd:mmm:yyyy
ここで,
dd | 日付 |
mmm | 月を表す3文字の略称 |
yyyy | 年 |
テープ上のファイルのHDR1 ANSIラベルに満了日付が書き込まれます。 /TAPE_EXPIRATION修飾子を指定しない場合,今日の日付が満了日付となります。
$ BACKUP DBA1: _To: MTA0:13SEPBAK.BCK/REWIND/TAPE_EXPIRATION=20-SEP-1998/LABEL=SEPW02セーブ・セット・ファイル13SEPBAK.BCKの満了日付を,1998年9月20日と設定しています。/REWIND 修飾子を指定しているので,13NOVBAK.BCKはテープ上の第1 ファイルであり,テープの満了期間は7日です。
コマンド修飾子
コピーまたは復元処理において,順編成出力ファイルの作成時にファイルの終端(EOF) で切り捨てるかどうかを制御します。
/[NO]TRUNCATE 入力指定子 出力指定子
$ DIRECTORY/SIZE [FRANKIE]ORIGINAL.DAT Directory DMA0:[FRANKIE] ORIGINAL.DAT 35 Total of 1 file, 35 blocks $ COPY ORIGINAL.DAT EXTENDED.DAT/ALLOCATION=500 $ BACKUP [FRANKIE]EXTENDED.DAT MFA0:20JUL.BCK/LABEL=WKLY03 $ BACKUP/TRUNCATE MFA0:20JUL.BCK/LABEL=WKLY03 DMA0:[FRANKIE]上記のコマンドは,次の処理を行います。
コマンド修飾子
バックアップ・ユーティリティがBACKUPセーブ操作のファイルを, unshelvedとshelvedのどちらとして指定するかを制御します。
/[NO]UNSHELVE 入力指定子 出力指定子
ファイル・シェルビングの詳細については,POLYCENTER File Shelving Facility (HSM)のマニュアルを参照してください。
$ BACKUP/UNSHELVE [INFO] DBA0:INFO.BCK/SAVE_SETこのコマンドは,ディレクトリ[INFO]のすべてのファイルを,INFO.BCKという名前の順編成ディスク・ セーブ・セットにセーブします。[INFO]からセーブされたファイルはアンシェルブドです( データはオンライン状態になっています) 。
コマンド修飾子
セーブ,復元,コピーのいずれかの処理が終了した後,出力指定子の内容を入力指定子の内容と比較することを指定します。
/VERIFY 入力指定子 出力指定子
ファイル構造のコピー処理では,ファイルをコピーしてから比較します。 物理コピー処理では,ボリュームをコピーしてから比較します。セーブまたは復元処理では, 独立したパスでチェックが行われます。チェック開始前に, 次のメッセージが表示されます。
%BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
比較処理で問題が検出されると,次のエラー・メッセージが表示されます。
%BACKUP-E-VERIFYERR, verification error for block 'block-number' of 'disk:[directory]file_name.file_type;version_number'
出力ファイル修飾子/NEW_VERSIONを併用した場合,復元またはコピー処理では,/VERIFY 修飾子は動作しません。/NEW_VERSION修飾子は出力ファイルのバージョンを再設定するため, コピー元である入力ファイルを出力ファイルと正確に対応づけることは不可能となります。
$ BACKUP/VERIFY/LOG *.LIS MFA0:LIST.BCK %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]CRE.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]CRETIME.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]EXC.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]NOREB.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]REB.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]SETREB.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]VERS.LIS;1 %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]CRE.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]CRETIME.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]EXC.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]NOREB.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]REB.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]SETREB.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]VERS.LIS;1磁気テープ・セーブ・セットをMFA0上に作成し,セーブ処理終了後にチェック・ パスを起動します。/LOG修飾子は,ファイルを処理するときにファイル名を表示します。
コマンド修飾子
ディスク・ボリューム・セット内の特定のディスク・ボリュームを処理することを指定します。/VOLUME 修飾子を指定できるのは,/IMAGE修飾子と併用した場合に限定されます。
/IMAGE/VOLUME= n 入力指定子 出力指定子
/VOLUME修飾子を使用してイメージのコピーまたはセーブ処理を行う場合, 入力ボリューム・セット内のすべてのディスクマウントされている必要があります。 ターゲット・ボリューム・セットのボリュームは,一度に1 つずつマウントしてください。入力ボリューム・セットの各ディスクに対し, 別々にBACKUPコマンドを入力します。/VOLUME修飾子で作成したセーブ・ セットは,復元処理でも/VOLUME修飾子を使用する必要があります。
/VOLUME修飾子は,あらゆるイメージ・セーブ・セットの復元に使用できます。 出力ボリューム・セットのディスクは,すべてマウントされている必要があります。 入力ボリューム・セットのディスクは,一度に1つずつマウントしてください。/VOLUME を使用した復元処理にコマンド修飾子/NOINITIALIZE を使用することはできません。
/VOLUME修飾子を使用してディスク・ボリューム・セットを比較する処理では, 両方のボリューム・セットにディスクをすべてマウントしている必要があります。 テープ上のセーブ・セットとディスク・ボリューム・セットを比較する処理では, ディスク・ボリューム・セットのディスクをすべてマウントしている必要があります。
$ BACKUP/IMAGE/VOLUME=3 DISK$PUBLIC DRA1:ボリューム・セットDISK$PUBLICの第3ボリュームと機能的に等しいコピーをDRA1 に作成しています。DRA1にマウントされているディスクが,イメージ・ コピー・ボリューム・セットの第3ボリュームとなります。
表 7-4に,セーブ処理のコマンド形式と, セーブ処理に使用できる修飾子を示します。
コマンドの動作 | コマンド形式と使用例 |
---|---|
磁気テープ上のセーブ・セットにファイルをセーブする | BACKUP ファイル指定 セーブ・
セット指定子/LABEL=ラベル
$ BACKUP STRATDAT1.DAT MTA0:STRATDAT1.BCK/LABEL=TAPE01 |
ディレクトリ内のファイルの最新バージョンを磁気テープにセーブする | BACKUP [ディレクトリ]*.*; セーブ・セット指定子/LABEL=
ラベル
$ BACKUP [LYKINS...]*.*; MTA0:1409MAR17.BCK/LABEL=WKY102 |
磁気テープ上のセーブ・セットにディスク・ボリュームをセーブする | BACKUP/IMAGE ddcu: セーブ・セット指定子/LABEL=
ラベル
$ BACKUP/IMAGE DBA1: MTA0:980FEB4.BCK/LABEL=MTH101 |
複数の磁気テープ・ドライブに格納されているマルチボリューム・ セーブ・セットにディスク・ボリュームをセーブする | BACKUP/IMAGE ddcu: セーブ・セット指定子,ddcu: . . . /LABEL= (
ラベル1, . . . )
$ BACKUP/IMAGE DBA1: MTA0:17MAR.BCK,MTA1:/ - _$ LABEL=(WKY101,WKY102) |
磁気テープ上のセーブ・セットにファイル・リストをセーブする | BACKUP ファイル指定,ファイル指定,... セーブ・
セット指定子/LABEL=ラベル
$ BACKUP DBA1:[LYKINS...]*.PAS,DMA0:[DAKOTA...]*.PAS - _$ MTA0:PAS17MAR.BCK/LABEL=TAPE01 |
追加型バックアップ用ディスク・ボリュームを初めてセーブする | BACKUP/RECORD/IMAGE/LOG ddcu: セーブ・セット指定子/LABEL=
ラベル
$ BACKUP/RECORD/IMAGE/LOG DBA1: MTA0:985FEB4.BCK/ - _$ LABEL=DLY101 |
追加型バックアップ用ディスク・ボリュームをセーブする( 初めてではない) | BACKUP/RECORD/FAST/LOG
ddcu:[*...]/SINCE=BACKUP セーブ・セット指定子/LABEL=ラベル
$ BACKUP/RECORD/FAST/LOG DBA1:[*...]/SINCE=BACKUP - _$ MTA0:988FEB4.BCK/LABEL=DLY101 |
非構造ディスク・ボリュームをセーブする | BACKUP/PHYSICAL ddcu: セーブ・セット指定子/LABEL=ラベル
$ BACKUP/PHYSICAL DMA1: MTA0:985FEB4.BCK/LABEL=MTH101 |
Files-11ディスク上のセーブ・セットにディレクトリをセーブする | BACKUP [ディレクトリ] セーブ・セット指定子/SAVE_SET
$ BACKUP [LYKINS] DBA2:[BACKUP]1609FEB3.BCK/SAVE_SET |
磁気テープ上のセーブ・セットにディレクトリ木構造をセーブする | BACKUP [ディレクトリ...] セーブ・セット指定子/LABEL=
ラベル
$ BACKUP [LYKINS...] MTA0:1612FEB3.BCK/LABEL=TAPE01 |
磁気テープ上のセーブ・セットにディレクトリ木構造をセーブし, リスト・ファイルを作成する | BACKUP/LIST=ファイル指定 [
ディレクトリ...] セーブ・セット指定子/LABEL=ラベル
$ BACKUP/LIST=8SEP.LOG [LYKINS...] MTA0:8SEP.BCK/LABEL= WKL101 |
テープ・カートリッジに多くのデータを格納するため,データ圧縮を使用して, 磁気テープ上のセーブ・セットにディレクトリ木構造をセーブする | BACKUP [ディレクトリ...] セーブ・
セット指定子/MEDIA_FORMAT =COMPACTION
$ BACKUP [TESTFILES...]*.*;* MUA0:TEST.SAV/MEDIA_FORMAT= COMPACTION/REWIND |
表 7-5に,復元処理のBACKUPコマンド形式と, 復元処理に使用できる修飾子を示します。ここに示す例では, 磁気テープとディスクにセーブ・セットがすでに存在していると仮定しています。
コマンドの動作 | コマンド形式と使用例 |
---|---|
ディスク上のセーブ・セットからFiles-11 ディスクに,元のUICを付けて復元する | BACKUP セーブ・セット指定子/SAVE_SET ddcu:[*...]/BY_
OWNER=ORIGINAL
$ BACKUP DBA2:[BACKUP]FEB2.BCK/SAVE_SET DBA1:[*...]- _$/BY_OWNER=ORIGINAL |
磁気テープ上のセーブ・セットからFiles-11ディスクに,元のUIC を付けて復元する | BACKUP セーブ・セット指定子 ddcu:[*...]/BY_OWNER=ORIGINAL
$ BACKUP MTA0:1618FEB2.BCK DBA1:[*...]/BY_OWNER=ORIGINAL |
磁気テープ上のセーブ・セット内の選択したファイルをFiles-11 ディスクに復元する | BACKUP セーブ・セット指定子/SELECT=
ファイル指定 ファイル指定
$ BACKUP MTA0:FEB2.BCK/SELECT=[POUDRE]UPLIFT.PAS - _$ DBA1:[GEO.PAS]UPLIFT.PAS |
特定のUICを持つファイルをFiles-11ディスクに復元する | BACKUP セーブ・セット指定子/BY_OWNER=[ユーザ識別コード]
ファイル指定
$ BACKUP MTA0:1641FEB2.BCK/BY_OWNER=[360,052] - _$ DBA1:[LYKINS...] |
ファイルを新UICを付けてFiles-11ディスクに復元する | BACKUPセーブ・セット指定子 ファイル指定/BY_OWNER=[uic]
$ BACKUP MTA0:1641FEB2.BCK - _$ DBA1:[TESTS...]/BY_OWNER=[100,150] |
ファイルをFiles-11ディスクに復元する。ファイルがすでに存在する場合, 新バージョンを作成する | BACKUP セーブ・
セット指定子 ファイル指定/NEW_VERSION
$ BACKUP MTA0:1641FEB2.BCK DBA1:[LYKINS...]/NEW_VERSION |
ファイルをFiles-11ディスクに復元する。ファイルがすでに存在する場合, 新バージョンと置換する | BACKUP セーブ・
セット指定子 ファイル指定/REPLACE
$ BACKUP MTA0:1641FEB2.BCK DBA1:[LYKINS...]/REPLACE |
特定のファイルを対象として,ファイルをFiles-11ディスクに復元する | BACKUP セーブ・セット指定子/SELECT=
ファイル指定 ファイル指定
$ BACKUP MTA0:1641FEB2.BCK/SELECT=[LYKINS.PAS] - _$ DBA1:[LYKINS...] |
ディレクトリ木構造を復元し,別のディレクトリ木構造にファイルを格納する | BACKUP セーブ・セット指定子/SELECT=[
ディレクトリ...] [ディレクトリ2...]
$ BACKUP MTA0:1641FEB2.BCK/SELECT=[FIELD...] - _$ DBA1:[LYKINS.NEWDATA...] |
Files-11ボリュームを物理セーブ・セットから復元する | BACKUP/PHYSICAL セーブ・セット指定子 ddcu:
$ BACKUP/PHYSICAL MTA0:26MAR.BCK DMA3: |
Files-11ボリュームをイメージ・セーブ・セットから復元する | BACKUP/IMAGE セーブ・セット指定子 ddcu:
$ BACKUP/IMAGE MTA0:17AUG.BCK DRA3: |
DCLコマンドINITIALIZEで指定した初期化パラメータを保持してFiles-11 ボリュームを復元する | INITIALIZE
ddcu: ボリューム名/新パラメータ
MOUNT/FOREIGN ddcu: BACKUP/IMAGEセーブ・セット指定子ddcu:/NOINITIALIZE $ INITIALIZE DBA1: UTTLPACK/CLUSTER=5 $ MOUNT/FOREIGN DBA1: $ BACKUP/IMAGE MTA0:17AUG.BCK DBA1:/NOINITIALIZE |
表 7-6に,コピー処理のBACKUPコマンド形式と, コピー処理に使用できる修飾子を示します。
コマンドの動作 | コマンド形式と使用例 |
---|---|
ディレクトリ木構造を別のディレクトリ木構造にコピーする | BACKUP [ディレクトリ...] [
ディレクトリ...]
$ BACKUP [DAKOTA...] [SUNDANCE...] |
ファイルを別のファイルにコピーする | BACKUP ファイル指定 ファイル指定
$ BACKUP LOGIN.COM [.SAVE]OLDLOGIN.COM |
ディスク・ボリュームを別のディスク・ボリュームにコピーする | BACKUP/IMAGE ddcu: ddcu:
$ BACKUP/IMAGE DBA1: DBA2: |
/PHYSICAL修飾子を使用して,ディスク・ボリュームを別のディスク・ ボリュームにコピーする | BACKUP/PHYSICAL
ddcu: ddcu:
$ BACKUP/PHYSICAL DYA1: DYA2: |
/IMAGE修飾子を使用して,2つのディスク・ボリューム・セットをコピーする | BACKUP/IMAGE ボリュームセット名 ddcu:,ddcu:
$ BACKUP/IMAGE USER$: DBA1:,DBA2: |
表 7-7に,比較処理のBACKUPコマンド形式と, 比較処理に使用できる修飾子を示します。
コマンドの動作 | コマンド形式と使用例 |
---|---|
2つのFiles-11ファイルを比較する | BACKUP/COMPARE ファイル指定 ファイル指定
$ BACKUP/COMPARE UPLIFT.EXE;3 UPLIFT.EXE;2 |
セーブ・セットから選択したファイルをFiles-11ファイルと比較する | BACKUP/COMPARE セーブ・セット指定子/SELECT=
ファイル指定 ファイル指定
$ BACKUP/COMPARE MTA0:FEB2.BCK/SELECT= - _$ [POUDRE]UPLIFT.PAS UPLIFT.PAS |
イメージ・セーブ・セットをFiles-11ファイルと比較する | BACKUP/COMPARE/IMAGE セーブ・セット指定子
ddcu:
$ BACKUP/COMPARE/IMAGE MTA0:12OCT.BCK DRA3: |
表 7-8に,リスト処理のBACKUPコマンド形式と, リスト処理に使用できる修飾子を示します。
コマンドの動作 | コマンド形式と使用例 |
---|---|
セーブ・セット内のファイルをターミナルにリストする | BACKUP/LIST セーブ・セット指定子
$ BACKUP/LIST MTA0:1618FEB2.BCK |
セーブ・セット内のファイルをリストし,ファイルに書き込む | BACKUP/LIST=ファイル指定 セーブ・セット指定子
$ BACKUP/LIST=NEWLIST.LIS MTA0:1618FEB2.BCK |
セーブ・セット内のファイルを詳細形式でリストする | BACKUP/LIST/FULL セーブ・セット指定子
$ BACKUP/LIST/FULL MTA0:1618FEB2.BCK |
選択したファイルをジャーナル・ファイルにリストする | BACKUP/LIST/JOURNAL=ジャーナル名/選択修飾子
$ BACKUP/LIST/JOURNAL=SYS$MANAGER:INCBACKUP - _$ /SELECT=[LYKINS.WORK...]/SINCE=1-JAN-1998 |
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