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5 修正箇所

本章では,ソフトウェアとマニュアルで行われた修正について説明します。 本章は次の2つの節で構成されています。

5.1 ソフトウェアの修正

本節では,本製品の前回のリリース以降に行われた変更と解消された問題について取り上げます。

5.1.1 ヘルプ・メッセージ用のユーティリティ・データベース・ ファイル

TCP/IP Services V5.0Aでは,新しいバージョンのTCP/IP Help Messageユーティリティ・ データベース・ファイル(TCPIP.MSGHLP$DATA)が採用されています。 この新しいデータベース・ファイルでは,メッセージが追加されて各メッセージの説明が改善され, ユーザの操作性もTCP/IP Services V5.0に比べて向上しています。

5.1.2 ヘルプ・ファイル

TCP/IP Services V5.0Aでは,新しいバージョンのTCP/IPヘルプ・ファイルが採用されています。 提供されるヘルプ・ファイルには以下のものがあります。

5.1.3 NFSサーバの修正

NFSサーバについては,次の問題が修正されています。

5.1.4 コンフィギュレーション

コンフィギュレーション・インタフェースのTCPIP$CONFIG.COMについては, 次の問題が修正されています。

5.1.5 プログラミングAPI

APIについては,次の問題が修正されています。

5.1.6 カーネル

カーネルについては,次の問題が修正されています。

5.1.7 管理

管理インタフェースについては,次の問題が修正されています。

5.1.8 TELNETサーバ

TELNETサーバについては,次の問題が修正されています。

5.1.9 DNS/BIND

DNS/BINDについては,次の問題が修正されています。

5.1.10 RCP/RSH

RCP/RSHについては,次の問題が修正されています。

5.1.11 FTP

FTPについては,次の問題が修正されています。

5.1.12 経路選択

動的経路選択については,次の問題が修正されています。

5.1.13 PWIP

PWIPドライバについては,次の問題が修正されています。

5.1.14 SNMP

SNMPについては,次の問題が修正されています。

5.2 前のリリース以降に修正されたPTRケース

本節では,日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS製品の前のリリース以降に修正されたPTR ケースを要約して示します。

表 5-1 前のリリース以降に修正された管理の問題点

PTR番号 説明
70- 5-1058 netstat x コマンド( xはモニタ・タイマを定義する整数)の入力すると,アクセス違反エラーが発生しました。
30-5-274 サーバのリストからサーバを削除した後にSHOW NAME コマンドを実行すると,予期しないアクセス違反エラーが発生しました。
70-5-1034 PINGルーチンが, 終了時に正しいOpenVMSステータス・コードを返しませんでした( つねに正常終了を返しました)。

表 5-2 前のリリース以降に修正されたSNMPの問題点

PTR番号 説明
30- 2-579 OpenVMS 7.2で,サブエージェントが確実にバインドできないため, 終了してしまう場合がありました。

表 5-3 前のリリース以降に修正されたBINDの問題点

PTR番号 説明
30- 5-264 TCPIP CONVERT/CONFIG BINDの/CLUSTER修飾子はオプションであるにもかかわらず, 変換コードは,この修飾子を必須のものとして扱ってしまいました。
30- 5-230 SHOW MX hostコマンドを入力したときに表示されるBIND MX データベース・セクションのサーバ行に無効なサーバ・ アドレスが表示される場合がありました。
30-5-273 TCP/IP Services V5.0に含まれているTCPIP$BINDSETUP.COM で,TCP/IP Services V4.2で修正されたはずの問題が再び発生しました。
70-5- 1004 SHOW HOST /NOLOCALコマンドを実行すると,ゾーン転送が起動し,"information not found" エラーを表示して途中で失敗してしまいました。 この問題は非常に大きなゾーンで発生しました。

表 5-4 前のリリース以降に修正されたBINDリゾルバの問題点

PTR番号 説明
70- 5-1021 70-5-1022 BINDリゾルバを完全に使用不可にできませんでした。 このため,使用不可にした後もリゾルバがそのまま動作を続けようとする孤立したネットワークで( かつ,無効なゲートウェイが省略時のゲートウェイとして定義されている場合に) ,問題を起こしていました。 このような状況では,リゾルバはタイムアウト/リトライ・アルゴリズムに支配されるため, このアルゴリズムに問題があると,ユーザに制御が戻るまでにかなりの時間を費やしました。
75-45-58 BINDデータベース内のホストがMXレコードとA レコードの両方をサポートしているときに,AレコードをIPアドレスに解決できないと,SHOW MX コマンドはAレコードを取得した時点で停止してしまいました。 レコードはラウンド・ロビンの性質を持つため,このコマンドを実行するたびに出力結果が異なるという現象が起きていました。

表 5-5 前のリリース以降に修正されたカーネルの問題点

PTR番号 説明
75- 43-656 75-43-664 PATHWORKSを立ち上げると,プールが破壊されてシステムがクラッシュしました。
75- 3-4136 TCP/IP Servicesをシャットダウンすると, TCPIP$INET_ACPプロセスでシステムがクラッシュしました。
75-43-66 DECCコンパイラのバグのために,VAX がクラッシュしました。
70-5-963 BGDRIVERが,書き込み禁止ページに書き込みを試みると, システムがクラッシュし,カーネル・モードでアクセス違反が発生しました。
70-5-999 DHCP ブロードキャスト要求の着信に関係するメモリ・リークによって,システムが長時間ハングしました。
75-43-351 RSH接続を拒否したときにメモリ・リークが発生し, システムのクラッシュを引き起こしました。
70-5-1003 不正なパケットを受信すると,特に, Alphaシステムで252バイト以上,VAXシステムで388バイト以上のEthernet メッセージを受信し,そのメッセージのEthernetソース・アドレスがEthernet ブロードキャスト・アドレスまたはマルチキャスト・アドレスである場合に, システムがクラッシュしました。

さらに,トラフィックの高いコード・パスの中で冗長なロックおよびロック解除が行われるため(IOLOCK8) ,無用なオーバヘッドが発生しました。

70-5-1023 カーネル・ インタフェース(たとえば,TELNETサーバ)を使用するTCP接続を介して大量のデータを送信すると,TCP/IP Services で,データを誤った順番で送信する, データの一部を送信しない,データの一部を二重送信するといった不具合が起きました。 この問題は,カーネル・インタフェースの実装が想定された同期を実行しなかったことが原因で発生しました。
70-5-1029 TCP/IP Services管理コマンド・インタフェース(UCP)の実行中に, TCPIP$CONFIG.COMプロシージャがハングしました。この問題は以下の状況で発生しました。

  • TCPIP$C_BROADCAST QIOオプションが%SYSTEM-F-BADPARAMを返し,%SYSTEM-F-NOPRIV を返さない場合。

  • SETMODE QIOに不正な形式の記述子を渡すUCPのバグによって, UCPを実行するプロセスがRWAST状態でハングした場合。
70-3-1038 トークン・リングがV5.0 で動作しませんでした。
70-5- 1014 システムがプールが破壊されてクラッシュしました。
70-5-843 TCP/IP管理コマンドのSET NOINTERFACE PP nが原因で,システムがクラッシュする場合がありました。

表 5-6 前のリリース以降に修正されたFTPの問題点

PTR番号 説明
70- 5-1063 IMAGE外部コマンドを送信すると,FTPクライアントがSTRUCT RECORD 転送を中断しました。
70-5-985 VMS_PLUSが使用不可になっているときに( あるいは非OpenVMSシステムに転送しているときに) MPUTコマンドを実行してIMAGE モードでファイル転送を行うFTPクライアントで-RMS-F-CODエラーが発生しました。

表 5-7 前のリリース以降に修正されたコンフィギュレーションの問題点

PTR番号 説明
70- 5-1064 省略時の最大サービス数が200に設定されていました( しかも変更できませんでした)。

このパラメータを変更するTCP/IP管理コマンドが廃止されたため,この設定を動的に変更することはできなくなっています。

省略時の最大サービス数は,現在では10,000に設定されています。

70-5-1054 FINGER スタートアップ・コマンド・プロシージャとMETRICシャットダウン・ コマンド・プロシージャが省略時のディレクトリにあるすべてのファイルをパージしてしまいました。
70-5-996 UICGのサービス・アカウントの変更がうまくできませんでした。 変更されるのはTCPIP$AUX識別番号だけで,その他のサービスは3655 の省略時のUICGを継承しました。
30-5-272 コンフィギュレーション・プロシージャのTCPIP$CONFIG.COM を実行して,表示されたメニューで"Configure All Services"オプションを選択し,すべてのサービスのコンフィギュレーションを行おうとしても,DHCP サービスだけは操作できませんでした。

DHCPは,メニューから個別に選択しない限りコンフィギュレーションできませんでした。

バグが存在すると,ロード・ブローカのコンフィギュレーションを行った直後にエラーが発生し, 次のような画面が表示されます。

           LBROKER SERVER configuration options:

           1 - Disable service on this node

           [E] - Exit LBROKER configuration

     Enter configuration option:

     Invalid configuration option selected, please try again:
30-5-301 ALL ENABLE が選択されていると,コンフィギュレーション・プロシージャのTCPIP$CONFIG.COM は,コンフィギュレーション・データベースへのマウントのコンフィギュレーションを行いませんでした。

TCPIP$CONFIG.COMファイルは,NFSが使用不可と使用可能のどちらに設定されているかに応じて, マウントを使用不可または使用可能にするように変更されました。

表 5-8 前のリリース以降に修正されたNFSサーバの問題点

PTR番号 説明
70- 5-961 70-5-885 70-5-871 30-5-304 /BACKGROUNDを指定してディスクをマウントすると,NFS ディスマウントが動作しませんでした。
70-5-774 ファイルのRDCBロッキングが不正でした。 このため,サーバ・プロセスのハングアップやデータの破損を起こす場合がありました。
70-5-865 30-5-289 名前やIPアドレスが誤って設定されたクライアントが要求を送信すると, サーバの動的データベースからプロキシが事実上消えてしまうことがありました。

この問題は,TCP/IP Services V5.0Aで修正されています。ソフトウェアは, 動的なプロキシをより適切な別名で更新する前に,その別名が実アドレスを持っているか, ホストの別名リストに載っているかどうかを確認するようになっています。

30-5-219 70-5-332 30-2-569 NFSクライアントの一部の実装で,PWD (作業ディレクトリの印刷) コマンド(OpenVMS SHOW DEFAULTコマンドと等価なコマンド) が,現在の省略時のディレクトリがTCP/IP Servicesのサービスを受けているOpenVMS ホスト上のマウント・ポイントのサブディレクトリになっている場合, 不正確な情報を返すことがありました。
70-5-1045 OpenVMSクライアントからOpenVMS サーバに相対ファイルの書き込みを行うと回復不可能なエラーが発生しました。

表 5-9 前のリリース以降に修正されたNFSクライアントの問題点

PTR番号 説明
70- 5-937 30-5-299 SYSGENパラメータのMULTIPROCESSINGが2 に設定されているときに(つねに完全なチェックが行われる),/SHARE マウントを2回行った後にTCPIPディスマウントを実行すると,システムが,"SPLACQERR, Spinlock(s) of higher rank already owned by CPU"エラーを表示してクラッシュしました。
70-5-952 30-5-317 非常に大きなディレクトリが使用されると, NFSクライアントはCPUを100%消費しました。

表 5-10 前のリリース以降に修正されたTELNETサーバの問題点

PTR番号 説明
70- 5-1053 タイマの中で接続を中断すると,システムがクラッシュしました。
75-43-696 VTAを使用可能にしてログイン/ログアウトを実行すると,システムがクラッシュする場合がありました。
70-5- 1023 75-43-488 フォーク・リストが破壊されると,結果的にシステムがループに入り, クラッシュしました。出力データで同期の問題が発生すると, データが壊れ,TNデバイスがハングしました。
75-4-398 TELNETドライバが入力を処理しているときに, 接続が切断されると,システムがクラッシュすることがありました。

表 5-11 前のリリース以降に修正されたTELNETクライアントの問題点

PTR番号 説明
30- 5-257 "TELNET 0"コマンドが"SET HOST 0"コマンドと同じように動作しませんでした。


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