本章では,ソフトウェアとマニュアルで行われた修正について説明します。 本章は次の2つの節で構成されています。
本節では,本製品の前回のリリース以降に行われた変更と解消された問題について取り上げます。
TCP/IP Services V5.0Aでは,新しいバージョンのTCP/IP Help Messageユーティリティ・ データベース・ファイル(TCPIP.MSGHLP$DATA)が採用されています。 この新しいデータベース・ファイルでは,メッセージが追加されて各メッセージの説明が改善され, ユーザの操作性もTCP/IP Services V5.0に比べて向上しています。
TCP/IP Services V5.0Aでは,新しいバージョンのTCP/IPヘルプ・ファイルが採用されています。 提供されるヘルプ・ファイルには以下のものがあります。
NFSサーバについては,次の問題が修正されています。
処置:
TCP/IP Services V5.0Aでは,/INACTIVITY_TIMER修飾子が修正され, 正常に動作するようになっています。
処置:
メッセージ番号は,新しいTCPIP値に変更されています。
コンフィギュレーション・インタフェースのTCPIP$CONFIG.COMについては, 次の問題が修正されています。
たとえば,FTPのコンフィギュレーションを行っているときに,サーバ・ コンフィギュレーション・メニューの表示が次のように不正確になりました。
FTP SERVER Configuration Service is defined in the SYSUAF. Service is defined in the TCPIP$SERVICE database. Service is enabled on specific and cluster nodes. FTP SERVER configuration options: 1 - Enable service on this node 2 - Disable service on all nodes [E] - Exit FTP configuration Enter configuration option:
処置:
メニューが修正されました。新しい表示は次のようになります。
FTP SERVER Configuration Service is defined in the SYSUAF. Service is defined in the TCPIP$SERVICE database. Service is enabled on specific and cluster nodes. FTP SERVER configuration options: 1 - Disable service on all nodes 2 - Disable service on this node [E] - Exit FTP configuration Enter configuration option:
APIについては,次の問題が修正されています。
ioctl FIOASYNC failed, errno = 45 ioctl: FIOASYNC: operation not supported on socket
処置:
コマンドは,現在では正常終了を返すように修正されています。
カーネルについては,次の問題が修正されています。
現在では,正しいステータス・コードが返されるようになっています。
管理インタフェースについては,次の問題が修正されています。
TCPIP> SET SERVICE/ACCEPT=HOST=host
TELNETサーバについては,次の問題が修正されています。
この問題は,ターミナル・セッションでは表面に現れませんでした。 しかし,クライアント・プログラムとTNDRIVERの両方がターミナル・ タイプの交換を無限に繰り返すため,CPUに大きな負担がかかりました。
この問題を解決するためには,クライアントがログオフしなければなりませんでした。
DNS/BINDについては,次の問題が修正されています。
前のバージョンのTCP/IP Servicesでは,この機能が利用できました。
ラウンド・ロビン方式を使用不可にするには,次のように論理名を定義してください。
$ DEFINE TCPIP$BIND_ROUND_ROBIN_OFF /SYSTEM
これは,前のバージョンのBINDサーバで使用されていたものと同じ論理名です。
TCPIP-E-BIND_READERR, error reading/interpreting query response
このメッセージは不適切でした。
現在は,次のように変更されています。
TCPIP-E-BIND_NO_ZONEXFR, zone transfer was unsuccessful
RCP/RSHについては,次の問題が修正されています。
OpenVMS VAXのいくつかの影響を受けるバージョンで,$RCP/PRESERVE が,ファイルの修正日付を元のファイルの修正時刻ではなく現在の時刻に設定してしまうことがありました。
FTPについては,次の問題が修正されています。
動的経路選択については,次の問題が修正されています。
このような書き込みを必要としない操作では,データベースは読み込み専用に開くだけで十分でした。
PWIPドライバについては,次の問題が修正されています。
pwip: interrupt stack pages are low
警告の内容が次のように修正されました。
pwip: SYSGEN parameter, INTSTKPAGES, should be at least 10
SNMPについては,次の問題が修正されています。
現在では,TCP/IP Servicesがサポートしているデバイスは,すべてSNMP によってサポートされます。
本節では,日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS製品の前のリリース以降に修正されたPTR ケースを要約して示します。
PTR番号 | 説明 |
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70- 5-1058 | netstat x コマンド(
xはモニタ・タイマを定義する整数)の入力すると,アクセス違反エラーが発生しました。
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30-5-274 | サーバのリストからサーバを削除した後にSHOW NAME コマンドを実行すると,予期しないアクセス違反エラーが発生しました。 |
70-5-1034 | PINGルーチンが, 終了時に正しいOpenVMSステータス・コードを返しませんでした( つねに正常終了を返しました)。 |
PTR番号 | 説明 |
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30- 2-579 | OpenVMS 7.2で,サブエージェントが確実にバインドできないため, 終了してしまう場合がありました。 |
PTR番号 | 説明 |
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30- 5-264 | TCPIP CONVERT/CONFIG BINDの/CLUSTER修飾子はオプションであるにもかかわらず, 変換コードは,この修飾子を必須のものとして扱ってしまいました。 |
30- 5-230 | SHOW MX hostコマンドを入力したときに表示されるBIND MX データベース・セクションのサーバ行に無効なサーバ・ アドレスが表示される場合がありました。 |
30-5-273 | TCP/IP Services V5.0に含まれているTCPIP$BINDSETUP.COM で,TCP/IP Services V4.2で修正されたはずの問題が再び発生しました。 |
70-5- 1004 | SHOW HOST /NOLOCALコマンドを実行すると,ゾーン転送が起動し,"information not found" エラーを表示して途中で失敗してしまいました。 この問題は非常に大きなゾーンで発生しました。 |
PTR番号 | 説明 |
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70- 5-1021 70-5-1022 | BINDリゾルバを完全に使用不可にできませんでした。 このため,使用不可にした後もリゾルバがそのまま動作を続けようとする孤立したネットワークで( かつ,無効なゲートウェイが省略時のゲートウェイとして定義されている場合に) ,問題を起こしていました。 このような状況では,リゾルバはタイムアウト/リトライ・アルゴリズムに支配されるため, このアルゴリズムに問題があると,ユーザに制御が戻るまでにかなりの時間を費やしました。 |
75-45-58 | BINDデータベース内のホストがMXレコードとA レコードの両方をサポートしているときに,AレコードをIPアドレスに解決できないと,SHOW MX コマンドはAレコードを取得した時点で停止してしまいました。 レコードはラウンド・ロビンの性質を持つため,このコマンドを実行するたびに出力結果が異なるという現象が起きていました。 |
PTR番号 | 説明 |
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75- 43-656 75-43-664 | PATHWORKSを立ち上げると,プールが破壊されてシステムがクラッシュしました。 |
75- 3-4136 | TCP/IP Servicesをシャットダウンすると, TCPIP$INET_ACPプロセスでシステムがクラッシュしました。 |
75-43-66 | DECCコンパイラのバグのために,VAX がクラッシュしました。 |
70-5-963 | BGDRIVERが,書き込み禁止ページに書き込みを試みると, システムがクラッシュし,カーネル・モードでアクセス違反が発生しました。 |
70-5-999 | DHCP ブロードキャスト要求の着信に関係するメモリ・リークによって,システムが長時間ハングしました。 |
75-43-351 | RSH接続を拒否したときにメモリ・リークが発生し, システムのクラッシュを引き起こしました。 |
70-5-1003 | 不正なパケットを受信すると,特に,
Alphaシステムで252バイト以上,VAXシステムで388バイト以上のEthernet
メッセージを受信し,そのメッセージのEthernetソース・アドレスがEthernet
ブロードキャスト・アドレスまたはマルチキャスト・アドレスである場合に,
システムがクラッシュしました。
さらに,トラフィックの高いコード・パスの中で冗長なロックおよびロック解除が行われるため(IOLOCK8) ,無用なオーバヘッドが発生しました。 |
70-5-1023 | カーネル・ インタフェース(たとえば,TELNETサーバ)を使用するTCP接続を介して大量のデータを送信すると,TCP/IP Services で,データを誤った順番で送信する, データの一部を送信しない,データの一部を二重送信するといった不具合が起きました。 この問題は,カーネル・インタフェースの実装が想定された同期を実行しなかったことが原因で発生しました。 |
70-5-1029 | TCP/IP Services管理コマンド・インタフェース(UCP)の実行中に,
TCPIP$CONFIG.COMプロシージャがハングしました。この問題は以下の状況で発生しました。
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70-3-1038 | トークン・リングがV5.0 で動作しませんでした。 |
70-5- 1014 | システムがプールが破壊されてクラッシュしました。 |
70-5-843 | TCP/IP管理コマンドのSET NOINTERFACE PP nが原因で,システムがクラッシュする場合がありました。 |
PTR番号 | 説明 |
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70- 5-1063 | IMAGE外部コマンドを送信すると,FTPクライアントがSTRUCT RECORD 転送を中断しました。 |
70-5-985 | VMS_PLUSが使用不可になっているときに( あるいは非OpenVMSシステムに転送しているときに) MPUTコマンドを実行してIMAGE モードでファイル転送を行うFTPクライアントで-RMS-F-CODエラーが発生しました。 |
PTR番号 | 説明 |
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70- 5-1064 | 省略時の最大サービス数が200に設定されていました(
しかも変更できませんでした)。
このパラメータを変更するTCP/IP管理コマンドが廃止されたため,この設定を動的に変更することはできなくなっています。 省略時の最大サービス数は,現在では10,000に設定されています。 |
70-5-1054 | FINGER スタートアップ・コマンド・プロシージャとMETRICシャットダウン・ コマンド・プロシージャが省略時のディレクトリにあるすべてのファイルをパージしてしまいました。 |
70-5-996 | UICGのサービス・アカウントの変更がうまくできませんでした。 変更されるのはTCPIP$AUX識別番号だけで,その他のサービスは3655 の省略時のUICGを継承しました。 |
30-5-272 | コンフィギュレーション・プロシージャのTCPIP$CONFIG.COM
を実行して,表示されたメニューで"Configure All
Services"オプションを選択し,すべてのサービスのコンフィギュレーションを行おうとしても,DHCP
サービスだけは操作できませんでした。
DHCPは,メニューから個別に選択しない限りコンフィギュレーションできませんでした。 バグが存在すると,ロード・ブローカのコンフィギュレーションを行った直後にエラーが発生し, 次のような画面が表示されます。 LBROKER SERVER configuration options: 1 - Disable service on this node [E] - Exit LBROKER configuration Enter configuration option: Invalid configuration option selected, please try again: |
30-5-301 | ALL ENABLE
が選択されていると,コンフィギュレーション・プロシージャのTCPIP$CONFIG.COM
は,コンフィギュレーション・データベースへのマウントのコンフィギュレーションを行いませんでした。
TCPIP$CONFIG.COMファイルは,NFSが使用不可と使用可能のどちらに設定されているかに応じて, マウントを使用不可または使用可能にするように変更されました。 |
PTR番号 | 説明 |
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70- 5-961 70-5-885 70-5-871 30-5-304 | /BACKGROUNDを指定してディスクをマウントすると,NFS ディスマウントが動作しませんでした。 |
70-5-774 | ファイルのRDCBロッキングが不正でした。 このため,サーバ・プロセスのハングアップやデータの破損を起こす場合がありました。 |
70-5-865 30-5-289 | 名前やIPアドレスが誤って設定されたクライアントが要求を送信すると,
サーバの動的データベースからプロキシが事実上消えてしまうことがありました。
この問題は,TCP/IP Services V5.0Aで修正されています。ソフトウェアは, 動的なプロキシをより適切な別名で更新する前に,その別名が実アドレスを持っているか, ホストの別名リストに載っているかどうかを確認するようになっています。 |
30-5-219 70-5-332 30-2-569 | NFSクライアントの一部の実装で,PWD (作業ディレクトリの印刷) コマンド(OpenVMS SHOW DEFAULTコマンドと等価なコマンド) が,現在の省略時のディレクトリがTCP/IP Servicesのサービスを受けているOpenVMS ホスト上のマウント・ポイントのサブディレクトリになっている場合, 不正確な情報を返すことがありました。 |
70-5-1045 | OpenVMSクライアントからOpenVMS サーバに相対ファイルの書き込みを行うと回復不可能なエラーが発生しました。 |
PTR番号 | 説明 |
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70- 5-937 30-5-299 | SYSGENパラメータのMULTIPROCESSINGが2 に設定されているときに(つねに完全なチェックが行われる),/SHARE マウントを2回行った後にTCPIPディスマウントを実行すると,システムが,"SPLACQERR, Spinlock(s) of higher rank already owned by CPU"エラーを表示してクラッシュしました。 |
70-5-952 30-5-317 | 非常に大きなディレクトリが使用されると, NFSクライアントはCPUを100%消費しました。 |
PTR番号 | 説明 |
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70- 5-1053 | タイマの中で接続を中断すると,システムがクラッシュしました。 |
75-43-696 | VTAを使用可能にしてログイン/ログアウトを実行すると,システムがクラッシュする場合がありました。 |
70-5- 1023 75-43-488 | フォーク・リストが破壊されると,結果的にシステムがループに入り, クラッシュしました。出力データで同期の問題が発生すると, データが壊れ,TNデバイスがハングしました。 |
75-4-398 | TELNETドライバが入力を処理しているときに, 接続が切断されると,システムがクラッシュすることがありました。 |
PTR番号 | 説明 |
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30- 5-257 | "TELNET 0"コマンドが"SET HOST 0"コマンドと同じように動作しませんでした。 |