日本語Compaq DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS
リリース・ノート


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3.15 AppleTalk 使用時のジョブの削除

AppleTalk 接続を使用して出力している場合,ジョブの削除要求 (DELETE/ENTRY) はプリンタとの接続をクローズすることによって実行されます。 AppleTalk プロトコルは PostScript インタプリタへの割り込みを提供しないため,プリンタはそのバッファに含まれているページ記述部分を継続して出力した後に,ジョブの出力を停止します。ジョブのトレーラ・ページは出力されません。

3.16 接続を拒否している PrintServer プリンタに対する STOP/QUEUE/RESET の使用を避けること

ジョブが "Starting" 状態であり,プリンタが接続を拒否している場合 (たとえば,その PrintServer の電源が落ちている,あるいはブート中である場合) に,弊社の PrintServer プリンタのキューに対して STOP/QUEUE/RESET コマンドを実行すると,そのキューは停止します。まれに,そのシンビオント・プロセスが停止する可能性があります。 PrintServer プリンタが使用可能となるまで,このコマンドを実行することは避けてください。ジョブが "Starting" 状態であり, PrintServer プリンタのジョブ・キューに登録されている場合, STOP/QUEUE/RESET コマンドは正しく実行されます。

3.17 DELETE/ENTRY でのジョブのトレーラ・ページの出力

プリンタでジョブのトレーラ・ページ出力中に DELETE/ENTRY コマンドを実行した場合,このページの出力を削除することは可能です。また,ファイルのすべてのデータを転送して PrintServer プリンタにジョブを出力している場合であっても,そのジョブに対する DELETE/ENTRY コマンドを実行して,そのジョブのトレーラ・ページが出力されないようにすることは可能です。

3.18 /COPIES を指定した出力時の PostScript ファイルの問題

PostScript ファイルに /COPIES 修飾子を指定した場合, DCPS は各ファイルの前後に PostScript の "save" および "restore" を追加して,プリンタ内の仮想メモリの消費を避けるようにします。

ただし,まれに不正な restore エラー・メッセージを表示してプリント・ジョブが中断する場合があります。この現象が発生した場合は,/COPIES ではなく /JOB_COUNT 修飾子を使用してください。

3.19 /JOB_COUNT を指定した場合の PAGE_LIMIT 使用の問題

/JOB_COUNT 修飾子を指定した場合に PAGE_LIMIT パラメータを使用すると,期待していない出力となる可能性があります。特に,ジョブの最初の何ページかを出力しないように指定した場合, DCPS は最初のコピーについては指定されたページを出力しませんが,以降のコピーについてはすべてのページを出力してしまいます。ジョブの最後の何ページかを出力しないように指定した場合, DCPS は最初のコピーについては指定されたページを出力しませんが,以降のコピーについては指定を無視して出力してしまいます。

いくつかのページを出力しないで複数のコピーを必要とする場合は, /JOB_COUNT 修飾子を使用するのではなく,必要な回数だけ PRINT コマンドを実行するようにしてください。

3.20 自動検出機能の付いたプリンタ

多くのプリンタでは,プリント・ジョブのデータ・タイプを検出することができます。このようなプリンタでは,フロント・パネルを使用して,接続チャネル毎に現在の自動検出の状態を調べることができます。また,自動検出機能の有効および無効を指定することもできます。

この機能を提供するほとんどのプリンタについては,プリンタが "PostScript" モードあるいは "Automatic" モードに設定されている場合,日本語 DECprint Supervisor ソフトウェアは正しく動作します。このようなプリンタは,DCPS キューを起動する前に,上記のモードのいずれかのモードで動作するように設定しておかなければなりません。プリンタが "PCL" モードに設定されている場合は, DCPS ソフトウェアは正しく動作しません。

詳細については,本書の 第 5 章 および『日本語 Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS システム・マネージャーズ・ガイド』を参照してください。

3.21 I/O バッファ設定が小さすぎる場合の OPCOM エラー発生の可能性

SYSGEN パラメータの MAXBUF で設定された I/O バッファのサイズが小さすぎる場合,プリンタ・キューが停止し,OPCOM に次のメッセージが表示されます。


%SYSTEM-E-EXQUOTA, process quota exceeded 

このエラーが発生した場合は,SYSGEN パラメータの MAXBUF の値を増やしてください。

3.22 PrintServer プリンタのキューの起動不可

弊社の PrintServer ソフトウェアのいくつかのバージョンについての CPAP プロトコルのバグにより,特定のリソースの問い合わせに対して DCPS シンビオントが不正にフォーマットされたパケットを取得する可能性があります。不正なパケットはシンビオントの起動を妨げます。この問題は, 1 つのパケット (ロードされたリソースを戻すことを記述している) に必要なリソースよりも多くの十分すぎるリソースをロードすることにより発生します。推奨される回避策は,より少ないリソースをロードすることです。経験的なテスト結果によると,その制限は 7 フォントです。

この問題は,PrintServer ソフトウェアの S5.0-29 以降で解消されています。


第 4 章
DCPS に影響を与えるその他の制限事項

この章では,日本語 DECprint Supervisor に影響を与えることが確認されているその他の問題,ならびにその問題を処理する必須パッチ・キット ("ECO") についての情報を提供します。

次のような方法で必須パッチ・キットを入手し,アップデートすることが可能です。

4.1 DCPS プロセスがメモリおよびページファイルを消費すること

DCPS プリント・シンビオント・プロセスが徐々にメモリおよびページファイル・スペースを消費する可能性があり,最終的にシステムの性能に影響を与えるという問題があります。この問題は OpenVMS Alpha V7.1-2 システムのみで発生します。

次の DECthreads のパッチ・キットにより,この問題は解決されます。

4.2 マルチストリーム・シンビオントでのキュー起動の問題

マルチストリーム・プロセスとして日本語 DECprint Supervisor を起動している場合は, Queue Manager 必須アップデートを必ずインストールしなければなりません。

Queue Manager 必須アップデート・キットは次のとおりです。

上記のアップデートは,マルチストリーム・シンビオントを起動している特定の環境下で START/QUEUE コマンドがハングするという問題を解消します。キットで提供されているリリース・ノートには,このアップデートによって解消されるすべての問題について記述しています。このアップデートをインストールした後には,システムをリブートして変更を有効にする必要があります。

このアップデートをインストールしていないと,マルチストリーム・プロセスで起動しているキューを STOP/QUEUE/RESET を使用して停止した後,直ちに START/QUEUE を使用して起動した場合に,ハングする可能性があります。さらに,次のメッセージが OPCOM に書き込まれることがあります。


%DCPS-F-STREAMUSE, Request 4 for Stream Id x ignored. 
Not consistent with symbiont state 

ハング状態から回復するには,Ctrl/Y を押して DCL プロンプト表示に戻り,続いて再度 STOP/QUEUE/RESET を実行し,数秒待ってから再度キューを起動するようにします。この問題の回避策は, Queue Manager アップデートをインストールすることです。

4.3 LAT 接続および直接接続プリンタのキュー起動の問題

OpenVMS V7.0 ターミナル・ドライバに問題があり, DCPS で LAT 接続および直接接続プリンタを使用することができない場合があります。現象としては,対応するキューを起動することができず, OPCOM に次のようなメッセージが書き込まれます。


%%%%%%%%%%% OPCOM 31-OCT-1995 21:53:55.73 %%%%%%%%%%% 
Message from user SYSTEM on FUNYET 
Queue SYS$PRINT: %DCPS-E-UNSUPPORTED, unsupported operation or 
function 
 
%%%%%%%%%%% OPCOM 31-OCT-1995 21:53:55.74 %%%%%%%%%%% 
Message from user QUEUE_MANAGE on FUNYET 
%QMAN-I-QUENOTSTART, queue SYS$PRINT could not be started on node 
FUNYET 
 
%%%%%%%%%%% OPCOM 31-OCT-1995 21:53:55.74 %%%%%%%%%%% 
Message from user QUEUE_MANAGE on FUNYET 
-SYSTEM-F-ABORT, abort 

この現象は継続して発生する場合もありますし,断続的に発生する場合もあります。キューの起動を何回か続けて試みると,正しく起動できる場合もあります。

この問題は,次のパッチ・キットで解消されます。

4.4 シリアル接続プリンタの I/O エラー

OpenVMS ターミナル・ドライバに問題があり, OpenVMS システムのシリアル・ポートに接続したプリンタが I/O エラーを通知する場合があります。この問題は,使用しているシリアル・ポートの種類に依存していますが, OpenVMS Alpha V6.2 〜 V7.0 および OpenVMS VAX V5.5 〜 V7.0 で発生します。

問題は,プリンタのデータ消失防止用の XOFF 要求に対して,ターミナル・ドライバの応答が遅くなる場合があることです。

この問題は OpenVMS Alpha V7.1 で解消されました。

この問題は,次のパッチ・キットで解消されます。

4.5 不十分なダイナミック・メモリ・エラーによるシンビオントの強制終了

OpenVMS VAX V7.0 および V7.1 システムの DECthreads に問題があり, INSFMEM エラーを発生して DCPS シンビオントが強制終了する場合があります。 DCPS シンビオントは毎回,前回よりも多くのメモリを消費し,最終的には利用可能なダイナミック・メモリよりも多くのメモリを取得しようとして強制終了します。シンビオントの強制終了が発生する確率は,シンビオントが新たにプリント・ジョブを処理するたびに増加します。

この問題は,次のパッチ・キットで解消されます。

4.6 アクセス違反あるいは不正パラメータ・エラーによるシンビオントの強制終了

1997 年 5 月 19 日以降,場合によっては CMA (DECthreads) 機能に問題があることを示す ACCVIO あるいは BADPARAM エラーが発生して, DCPS シンビオントが強制終了する可能性があります。 DECthreads 機能に基づく DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS およびその他レイヤード製品を含むシステム上のソフトウェアは,この日付以降に障害が発生する可能性があります。

この問題は,デルタ時間が 10,000 日よりも短いという長年の OpenVMS の制限に関連しています。特に,UNIX 基準時間として 1970 年 1 月 1 日を使用している POSIX 関連のソフトウェアは,1997 年 5 月 19 日以降にこの制限を超えます。デルタ時間の制限については, OpenVMS の Web ページ ( http://www.openvms.compaq.com) を参照してください。

この問題は,次のパッチ・キットで解消されます。


第 5 章
プリンタ固有の情報

この章では,特定のプリンタで DCPS を使用する場合の情報を提供します。

5.1 リコー製プリンタ

5.1.1 RICOH IPSiO NX910,NX900

5.1.1.1 制限事項

5.1.1.2 セパレータ・トレイの指定

1 標準の給紙トレイ (上段)
2 標準の給紙トレイ (下段)
3 1000枚給紙テーブル(上段),オプション
4 1000枚給紙テーブル(下段),オプション
5 1500枚増設トレイ・ユニット,オプション

プリント・キューにジョブ・セパレータ・ページを対応付ける場合,次のコマンドを使用して次の論理名を定義してください。


$ DEFINE/SYSTEM DCPS$queue-name_SEPARATOR_TRAY n

このコマンドでは,実行キューの名前(queue-name )と給紙トレイ番号(n: 通常は 1) を指定しなければなりません。この論理名の定義がされていない場合,印刷実行時に INPUT_TRAY=MANUAL_FEED パラメータが指定された場合に次のようなエラーが発生し,印刷できません。


%DCPS-W-RANGECHK, rangecheck: Argument out of bounds - offending 
command is setpapertray 
%DCPS-E-FLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored 

5.1.2 RICOH IPSiO NX800

5.1.2.1 制限事項

5.1.2.2 セパレータ・トレイの指定

1 標準の給紙トレイ (上段)
2 標準の給紙トレイ (下段)
3 500 枚増設トレイ,オプション
1000枚給紙テーブル(上段),オプション
2000枚給紙テーブル,オプション
4 1000枚給紙テーブル(下段),オプション

プリント・キューにジョブ・セパレータ・ページを対応付ける場合,次のコマンドを使用して次の論理名を定義してください。


$ DEFINE/SYSTEM DCPS$queue-name_SEPARATOR_TRAY n

このコマンドでは,実行キューの名前(queue-name )と給紙トレイ番号(n: 通常は 1) を指定しなければなりません。この論理名の定義がされていない場合,印刷実行時に INPUT_TRAY=MANUAL_FEED パラメータが指定された場合に次のようなエラーが発生し,印刷できません。


%DCPS-W-RANGECHK, rangecheck: Argument out of bounds - offending 
command is setpapertray 
%DCPS-E-FLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored 

5.1.3 RICOH IPSiO NX810

5.1.3.1 制限事項

5.1.3.2 セパレータ・トレイの指定

0 手差しトレイ
1 標準の給紙トレイ (上段)
2 標準の給紙トレイ (下段)
3 500 枚増設トレイ,オプション
1000枚給紙テーブル(上段),オプション
2000枚給紙テーブル,オプション
4 1000枚給紙テーブル(下段),オプション

プリント・キューにジョブ・セパレータ・ページを対応付ける場合,次のコマンドを使用して次の論理名を定義してください。


$ DEFINE/SYSTEM DCPS$queue-name_SEPARATOR_TRAY n

このコマンドでは,実行キューの名前(queue-name )と給紙トレイ番号(n: 通常は 1) を指定しなければなりません。この論理名の定義がされていない場合,印刷実行時に INPUT_TRAY=MANUAL_FEED パラメータが指定された場合に次のようなエラーが発生し,印刷できません。


%DCPS-W-RANGECHK, rangecheck: Argument out of bounds - offending 
command is setpapertray 
%DCPS-E-FLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored 

5.1.4 RICOH IPSiO Color 8000


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