日本語Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS
ユーザーズ・ガイド


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14.5 解像度についてのセットアップ・モジュール

次の解像度についてのセットアップ・モジュールを使用することにより,複数の解像度を持つプリンタの解像度を一時的に変更することができます。

注意

すべての解像度がすべてのプリンタでサポートされているわけではありません。


第 15 章
ファイル・セパレータ・ページの制御

プリンティング・システムはジョブ・セパレータ・ページ (ジョブ・フラグ・ページ,ジョブ・バースト・ページ,ジョブ・トレーラ・ページ)とファイル・セパレータ・ページの両方を作成することができます。システム管理者はキューに対して省略時のジョブ・セパレータ・ページとファイル・セパレータ・ページを定義することができます。一般ユーザはジョブ・セパレータ・ページを制御することはできませんが,ファイル・セパレータ・ページを印刷するかどうかを制御することはできます。

プリント・ジョブ内の各ファイルは次のページで分離されます。

一般ユーザは,次の PRINT コマンド修飾子を使用することにより,ファイル・セパレータ・ページの挿入を制御することができます。

15.1 すべてのファイルに対するファイル・セパレータ・ページの制御

PRINT コマンドと最初のファイル指定との間に /[NO]BURST,/[NO]FLAG,/[NO]TRAILER 修飾子を指定することにより,プリント・ジョブ内のすべてのファイルに対する省略時のファイル・セパレータ・ページの動作を指定することができます。

たとえば,次のコマンドは各ファイルの前にファイル・バースト・ページを印刷します。


$ PRINT/BURST FIRST.TXT, SECOND.TXT

ファイル・セパレータ・ページの特定のタイプの動作を指定しない場合 (たとえば,上記のコマンドではフラグ・ページとトレーラ・ページを指定していません),省略時の動作はキューの /DEFAULT 修飾子で指定されます。 /DEFAULT に特定のタイプのセパレータ・ページを指定していない場合,どのセパレータ・ページも印刷されません。

否定型の修飾子 (たとえば,/NOTRAILER) は,キューの省略時の修飾子 (たとえば,/DEFAULT=TRAILER) を無効とするために有用です。

15.2 個別のファイルに対するファイル・セパレータ・ページの制御

各ファイル指定の後に修飾子を指定することにより,プリント・ジョブ内の個々のファイルに対する省略時のファイル・セパレータ・ページの動作を変更することができます。

たとえば,次のコマンドを使用すると,キューの /DEFAULT=BURST 修飾子を無効とし,ジョブ内の 2 番目のファイルを除くすべてのファイルに対してファイル・フラグ・ページを印刷することができます。


$ PRINT/NOBURST/FLAG FIRST.TXT, SECOND/NOFLAG, THIRD

15.3 キューについての省略時のセパレータ・ページの表示

キューの省略時のセパレータ・ページを表示するには,次のコマンドを実行します。


$ SHOW QUEUE/FULL PS20$A14


Printer queue PS20$A14, on STAR::LPS, mounted form DCPS$DEFAULT 
(stock=DEFAULT) 
    /BASE_PRIORITY=4 /DEFAULT=(FLAG,FORM=DCPS$DEFAULT (stock=DEFAULT)) 
    /NOENABLE_GENERIC /LIBRARY=DCPS_LIB Lowercase /OWNER=[SYS,SYSTEM] 
    /PROCESSOR=DCPS$SMB /PROTECTION=(S:E,O:RD,G,W:W) 
    /SCHEDULE=(NOSIZE) 
    /SEPARATE=(BURST,TRAILER) 

この例では,このキューに登録されたプリント・ジョブに対してジョブ・バースト・ページとジョブ・トレーラ・ページが印刷されることが指定されています(/SEPARATE=(BURST,TRAILER))。また,/DEFAULT=FLAG によって指定されているため,ファイル・フラグ・ページは省略時の設定により印刷されます。ただし,フラグ・ページは PRINT コマンド修飾子により無効とすることができます。


第 16 章
出力のホチキス止め

Compaq Laser Printer LN32 および LNM40,GENICOM LNM40 および microLaser 320 および 401 プリンタにオプションのホチキス止め機能が装着されている場合は,これらのプリンタで DCPS ジョブをホチキス止めすることができます。他のプリンタでは,ホチキス止めはサポートされていません。

16.1 DCL 構文

ホチキス止めは,PRINT パラメータ STAPLE を使用して指定します。


$ PRINT /PARAMETERS=(..., STAPLE= 
      LEFT_CENTER 
      TOP_CENTER 
      TOP_LEFT 
      TOP_RIGHT 
      NONE 
      
      ,...) file_name 

これらの値は,用紙上のイメージ方向に対するホチキス止めを行う位置を指定します。 NONE が指定された場合,プリンタの省略時のホチキス止め設定を無効とし,ジョブはホチキス止めされません。

16.2 ホチキス止め可能な位置

用紙が給紙される方向によっては, STAPLE パラメータのいくつかの値は使えない場合があります。ジョブ・ページの方向およびプリンタの給紙方向に応じたホチキス止め可能な位置については, 表 16-1 を参照してください。

表 16-1 LN32,LNM40,mL320 および mL401 でのホチキス止め可能な位置
イメージおよび給紙の方向 TOP_LEFT TOP_CENTER TOP_RIGHT LEFT_CENTER
ポートレート        
横方向給紙 (LEF) Yes     Yes
縦方向給紙 (SEF) Yes Yes Yes  
ランドスケープ        
横方向給紙 (LEF) Yes Yes Yes  
縦方向給紙 (SEF) Yes     Yes

サポートされないホチキス止め位置を指定した場合, DCPS はエラーを表示し,そのジョブは出力されません。

16.3 ホチキス止めに関する詳細

DCPS で LN32,LNM40,mL320 および mL401 の各プリンタのホチキス止め機能を使用する場合は次の事項に注意してください。


第 17 章
デバッグのためのエラー・ハンドラの使用

装置制御ライブラリには,PostScriptプログラムをデバッグするのに役立つエラー・ハンドラが登録されています。エラー・ハンドラは出力の最後のページを印刷するとともに,エラーを特定するための情報も提供します。

17.1 プリント・ジョブへのエラー・ハンドラの組み込み

エラー・ハンドラは通常のプリント・ジョブに自動的に組み込まれるわけではありません(システム管理者がこの省略時の設定を変更した場合を除きます)。したがって,次の方法でエラー・ハンドラを明示的に起動しなければなりません。


$ PRINT/SETUP=LPS$ERRORHANDLER filename

エラー・ハンドラはPostScriptメッセージを返します。 第 18 章 に説明するように, /PARAMETERS=MESSAGES修飾子を使用すれば,これらのメッセージをファイルまたはプリンタに送信することができます。次の例を参照してください。


$ PRINT/QUEUE=PS40$A10/PARAMETERS=MESSAGES=KEEP FILE.PS

PostScriptアプリケーションを開発する場合には, 第 13 章 の説明に従って,エラー・ハンドラ・セットアップ・モジュールを含むようにフォームを定義することにより,エラー・ハンドラをより簡単に起動することができます。

17.2 エラー・ハンドラがPostScript環境に与える影響

エラー・ハンドラはユーザ・プログラムで変更された可能性のある定義を使用するのではなく,ディクショナリ systemdict からオペレータを参照します。

場合によっては,エラー・ハンドラがロードされるときに,プログラムが異なる動作を実行する可能性があります。たとえば,PostScriptサーバ・ループ・コンテキストの外部で exit オペレータを実行すると,エラー・ハンドラがロードされていない場合には, invalidexit エラーが発生します。しかし,エラー・ハンドラがロードされている場合には,プログラムは正しく終了し,エラーは発生しません。

17.3 エラー・ハンドラの例

例 17-1 に示すログ・ファイルの例は,次の PostScriptプログラムを対象にしています。


[/1st-level [/2nd-level [/3rd-level [/4th-level 56 ] ] ] (end)] 
/myproc { [ 8 8 ] 0 0 div setdash } def 
100 200 moveto 
myproc 

次のコマンドにはエラー・ハンドラが指定されており,ログ・ファイルが作成されます。


$ PRINT/PARAMETERS=MESSAGES=KEEP/SETUP=LPS$ERRORHANDLER filename

例 17-1 では,プログラムを実行したときにログ・ファイルに追加されるエラー・ハンドラからの出力を示しています。

例 17-1 エラー・ハンドラによって作成されるログ・ファイルの例

ERROR: undefinedresult (1)
OFFENDING COMMAND: div (2)
 
OPERAND STACK:  (3)
 
0 
0 
[ 8 8 ] 
[/1st-level [/2nd-level [/3rd-level  -array- ] ] (end) ] 
 
EXECUTION STACK: (4)
 
{ setdash } 
 
GRAPHICS STATE:  (5)
Current Matrix: [ 4.16667 0.0 0.0 -4.16667 0.0 3298.0 ]                                                                                                                            
Color: 0.0 
Current position: x = 100.0, y = 200.0 
Line width: 1.0 
Line cap: 0 
Line join: 0 
Flatness: 1.0 
Miter limit: 10.0 
Dash pattern: [ ] 0.0 

ここに示したサンプル・ファイルの先頭に定義されている配列には,最初の要素としてその配列自体を示すポインタが含まれています。これは2レベルの深さに展開されます。配列の最も内部のバージョンは単に-array-として表現されます。

17.4 エラー・ハンドラからの出力の解読

エラーが発生した場合には,エラー・ハンドラは showpage コマンドを実行し,出力の最後のページを印刷します ( 例 17-1 を参照)。また,次の情報も出力します。

  1. エラーの名前

  2. エラーを生じたPostScriptオペレータ

  3. オペランド・スタックの内容
    エラー・ハンドラはスタックに入っている各オブジェクトの値を表示します。その場合,数値は10進数で表示します。配列のすべての要素,文字列,およびプロシージャは再帰的に表示されます。他のオブジェクトは別の方法で記述されます。たとえば,セーブ・オブジェクトの場合は-savelevel-が表示されます。
    最初に表示される項目はスタックの先頭のオブジェクトです。

  4. 実行スタックの内容
    実行スタックには,実行中のプロシージャの一部が示されています。先頭のオブジェクトは実行されつつあるオペレータとオペランドを含むプロシージャです。 2番目のオブジェクトは呼び出しプロシージャのまだ実行されていない部分です。

  5. グラフィック状態に関する情報:
    現在の変換マトリックス
    カラー(currentgray の値)
    現在の位置
    線幅
    線端の形状
    線の結合部の形状
    平滑さ
    結合部の限度
    破線のパターン

PostScriptコードでエラーを検出した場合には,ファイルを作成したアプリケーションを変更するか,またはアプリケーション・プログラマに問題を通知しなければなりません。

17.5 PostScriptデータの出力形式

PostScriptデータは,通常はPostScriptソース・ファイルに記述されたとおりに表現されますが,エラー・ハンドラがPostScriptデータを特別に表現することもあります。

PostScript言語は,エラー・ハンドラでは認識できない新しいデータ・フォーマットを含むように拡張できます。認識できないフォーマットのデータは2つの引用符と認識できないデータ・フォーマットの名前として表現されます。


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