前へ | 目次 | 索引 |
日本語 SMG は,英語版 SMG に対して,基本的に上位互換となっていますが,英語版 SMG を前提に作られているアプリケーションに対して日本語 SMG を使用することはできません。使用した場合,問題が発生することがあります。これは一部サポートされない機能,あるいは動作が異なる場合があるためです。具体的には,
$ DEFINE SMGSHR JSY$SMGSHR |
と論理名を定義してある場合に,英語版のアプリケーションでも日本語の使用が一部可能となります。ただし,これらは結果としてそうなるだけで,サポートされている使用方法ではありません。上記のように論理名を定義してご使用中に,なんらかの問題が生じた場合には,SMGSHR の論理名を以下のように解除してください。
$ DEASSIGN SMGSHR |
日本語 SMG を使用する場合は,日本語 SMG が提供する機能に応じて,アプリケーションを JSY$SMGSHR.EXE とリンクして使用してください。
3.15.3 VT500 端末サポートの制限
日本語SMG では次のルーチンで VT500 端末をサポートしません。これらのルーチンで VT500 固有の属性を引き数で指定しても無視されます。
SMG$GET_KEYBOARD_ATTRIBUTES
SMG$GET_PASTEBOARD_ATTRIBUTES
SMG$SET_TERM_CHARACTERISTICS
3.16 その他の制限事項
3.16.1 KCODE
KCODEユーティリティを使用してファイルのコード変換を行った場合,入力ファイルと出力ファイルの各レコードのバイト数は,変化しません。また,1バイト・コードと漢字コードが混在して使用されている場合,シフト・コードは挿入されませんので,1バイト・コードと漢字コードの区別がつかなくなります。したがって,逆変換を行っても,データはもとには戻りません。
3.16.2 KCONVERT
KCONVERTユーティリティでは,/MODE修飾子によって,変換フィールドの最初が漢字で始まるか,半角カタカナで始まるかを指定しますが,/FIELD修飾子の指定が,漢字の2バイト目から始まるような指定になっている場合であっても, /FIELDで指定された位置から変換します。このような指定が行われた場合,変換結果は保証されません。
3.16.3 KANJIGEN
アプリケーション・キーパッドを使用するアプリケーションで KANJIGEN の設定を文字単位編集機能を有効にして使用する場合,端末の制御文字の設定を 7ビットにしてください。
3.16.4 KANJITERM.COM
KANJITERM.COM は,端末装置の属性を設定するためのコマンド・プロシージャですので,バッチ・ジョブやネットワーク・ジョブで使用することはできません。 KANJITERM.COMは,その中でジョブのモードをチェックし, INTERACTIVEモードでない場合には何も実行せずに終了します。
KANJITERM.COM
は日本語 Compaq OpenVMS VAX ワークステーション・ソフトウェアと日本語DECwindowsのターミナル・エミュレータについてはサポートしていません。
3.16.5 JDICEDIT
JDICEDITをバッチ・ジョブで使用した場合, illegal I/O function codeのエラーでアボートします。
個人辞書にユーザ定義文字を登録した場合,EDITサブコマンド使用時における画面上では正しく表示されません。ただし,登録されたユーザ定義漢字を,かな漢字変換に用いることには問題ありません。
個人辞書に追加登録できる単語の数は,最大約100,000語です。ただし,登録単語数が増加すると,かな漢字変換時の単語の検索に時間がかかるようになります。実用上の登録単語数の上限は,約30,000語と考えてください。
3.16.6 SNAPSHOT ファシリティ(VAX のみ)
日本語 Compaq OpenVMS VAX バージョン 7.3 で SNAPSHOT ファシリティを使用して再立ち上げを行う場合,次のような警告メッセージが表示されますが, システムの運用には差し支えありません。
%SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, FIDRIVER is not certified for a snapshot %SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, FHDRIVER is not certified for a snapshot %SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, ASDRIVER is not certified for a snapshot %SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, SYS$COMMON:[SYS$LDR]JSY$RMS_EXTENSION.EXE is not certified for a snapshot |
日本語OpenVMS VAX バージョン7.3 および日本語OpenVMS Alpha バージョン7.3 が提供する翻訳メッセージおよび翻訳ヘルプの中には,標準版OpenVMS VAX バージョン7.3 または標準版OpenVMS Alpha バージョン7.3 に対応していないものがあります。翻訳メッセージ/翻訳ヘルプと標準版(英語)のメッセージ/ヘルプの内容に差異がある場合は,標準版の内容が優先されます。
3.16.8 Hypersort (高性能 Sort/Merge)
Alpha V7.0
OpenVMS Alpha バージョン 7.0 から提供されるようになった,Hypersort は日本語文字列のソート,マージを行うことができません。日本語文字列のソート,マージを行うには従来のソート,マージ機能をご利用ください(特別な設定を行わない限り,SORT, MERGE コマンドでは従来のソート,マージ機能が呼び出されます)。
3.16.9 JLB$GET_INPUT
日本語ライブラリの漢字変換入力ルーチン,JLB$GET_INPUT では,入力した文字がエコーバックされるのは画面上の 1 行だけで,それを越える場合,次の行にラップされません。1 行に入り切れない分は画面にエコーバックされませんが,第 1 引数で指定した入力文字列の最大サイズまで書き込むことができます。このとき,プロンプト文字列にボールドや下線などのエスケープ・シーケンスが含まれていると,その分画面にエコーバックされる範囲が小さくなり,見かけ上入力できる文字数が少なくなりますが,実際には入力文字列のサイズ分の入力が可能です。
この章では,日本語 Compaq OpenVMS バージョン6.1,バージョン 6.2 でリタイアした機能についてお知らせします。
4.1 リタイアした機能
4.1.1 JEDIT日本語エディタのリタイア
Alpha V6.2, VAX V6.1
JEDITは,VAX/VMS標準エディタであるEDTの日本語版として日本語VMSユーザに広く支持されてきましたが,OpenVMS VAX はバージョン6.0 から, OpenVMS AXP はバージョン6.1から EDTは標準サポートからはずれました。JEDITは,日本語 OpenVMS VAX バージョン 6.1,日本語 OpenVMS Alpha バージョン 6.2 からサポートされません。
4.1.2 KPRINT
V6.2
KPRINT は,VAX バージョン 6.0,AXP バージョン 1.5 以前の日本語OpenVMS で LN80 等の非 DEC 漢字プリンタを使用する際のツールとして提供されてきましたが,バージョン 6.1 から全ての非 DEC 漢字プリンタがサポートからはずれました。これに伴い, KPRINT は,日本語OpenVMS VAX バージョン6.2 および Alpha バージョン6.2からサポートされません。
なお,OpenVMS Freeware CD-ROM バージョン 2.0 には,KPRINT がフリーウェアとして提供されています。
4.1.3 WPMENU
V6.2
WPMENU は,初心者向けの簡易メニューシステムとして提供されてきましたが,日本語エディタ JEDIT や漢字プリンタ LA80/LN80 がサポートからはずれたことに伴い,日本語OpenVMS VAX バージョン6.2 および Alpha バージョン6.2 からサポートされません。
4.1.4 FDESIGN(VAX のみ)
VAX V6.2
FDESIGN は,CMGR ユーティリティ導入後も日本語 VWS サポート用として提供されてきましたが,日本語 VWS が OpenVMS バージョン6.0 以降をサポートしていないことに伴い,日本語OpenVMS VAX バージョン6.2からサポートされません。
4.1.5 FEDIT
V6.2
FEDIT は,CMGR ユーティリティ導入後も日本語 DECwindows/Motif サポート用として提供されてきましたが,日本語 DECwindows/Motif の DECterm ターミナル・エミュレータが DEC DRCS 文字集合をサポートしたことに伴い,日本語OpenVMS VAX バージョン6.2 および Alpha バージョン6.2 からサポートされません。CMGR ユーティリティをご利用ください。
4.1.6 KDUMP(VAX のみ)
VAX V6.2
KDUMP は,日本語OpenVMS Alpha に合わせて日本語OpenVMS VAX バージョン6.2からサポートされません。
なお,OpenVMS Freeware CD-ROM バージョン2.0 には,KDUMP がフリーウェアとして提供されています。
4.1.7 日本語 VAXTPU(JTPU)(VAX のみ)
VAX V6.2
日本語 VAXTPU は,DEC XTPU (eXtended Text Processing Utility) の導入に伴い,日本語OpenVMS VAX バージョン6.2 からサポートされません。DEC XTPU は,DECTPUに複数文字セットを扱う機能を拡張した,新しいテキスト処理ユーティリティです。日本語EVE V3は,DEC XTPU上に作られています。
4.1.8 カナ EDT(VAX のみ)
VAX V6.1
カナ EDT はOpenVMS 標準エディタであるEDTのカナ版として提供されてきましたが, OpenVMS バージョン6.0 からは,DECTPU が標準エディタとなり,EDT は標準サポートからはずれました。これに伴い,カナ EDT はバージョン 6.1 から提供されていません。
4.1.9 カナ DRIVER(VAX のみ)
VAX V6.1
カナカードリーダ・カナラインプリンタがサポートされなくなりました。これに伴い,CRDRIVER,LPDRIVER はバージョン 6.1 から提供されていません。
4.1.10 RUX05,RQX05 8インチ・フロッピ・ドライバおよび IBMFLX のリタイア(VAX のみ)
VAX V6.2
日本語OpenVMS VAX にこれまでバンドルされてきた RUX05,RQX05 8インチ・フロッピ・ディスク・ドライバ,および IBMFLX ソフトウェアは日本語OpenVMS バージョン 6.2 からはサポートされなくなりましたので,日本語OpenVMS のキットから削除されました。
前へ | 索引 | 目次 |