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日本語 OpenVMS VAX V7.2 のインストール時に行なわれる PCSI キット互換用の transition データの登録が,まれに失敗する場合があります。登録に失敗した場合,日本語 OpenVMS 自体は正常に動作しますが,他の日本語プロダクトのインストールができない等の問題が発生します。
transition データが正常に登録されたかどうかを調べるには,以下のコマンドを入力します。
$ product show product jvms |
transition データが正常に登録されている場合は,つぎのように表示されます。
----------------------------------- ----------- ------------ PRODUCT KIT TYPE STATE ----------------------------------- ----------- ------------ DEC VAXVMS JVMS V7.2 Transition Installed ----------------------------------- ----------- ------------ |
JVMS と表示されないか,またはエラーが発生した場合は,登録に失敗しています。失敗していた場合は,transition データ・ファイルを日本語 OpenVMS VAX V7.2 のキットから取り出して,再度登録してください。次のように入力します。
$ backup /log /select=*.pcsi$description jvms072.a /save <device:[directory]> $ product register product jvms /source=<device:[directory]> |
<device:[directory]> には作業用のディレクトリを指定してください。
3.6 /PAGE 修飾子での日本語検索
V7.1
DCL の TYPE や SEARCH コマンド等で /PAGE もしくは /PAGE=SAVE を指定して画面表示を行った場合,Find キーおよび /SEARCH 修飾子による日本語検索はできません。これは,論理名 UTIL$SMGSHR を JSY$SMGSHR と定義した場合でも同様です。
3.7 MAIL,JMAIL
3.7.1 PRINT コマンドの問題
MAILおよびJMAILコマンドには,次に示す制限事項があります。
DEC XTPU等でサポートされているSuper DEC Kanjiコードセットを使用した半角カナを含むメッセージを正しく入力/表示することはできません。
3.7.3 エディタの使用
VAX V6.1
日本語OpenVMS VAX バージョン6.1では,JMAILまたはMAILでEDTを用いて日本語を表示することはできません。
また,JTPUに代わってXTPUがサポートされました。これに伴って JMAIL,MAILからJTPUを使うことができなくなりました。代わりにXTPUをご使用ください。 JMAIL,MAIL で XTPU を使用するには次のようにします。
JMAIL> SET EDITOR XTPU MAIL> SET EDITOR XTPU |
V7.0
MAIL,JMAIL で DDIF 形式などのコンパウンド・ドキュメント・ファイルを送信したり,受信したファイルを EXTRACT/FOREIGN コマンドで取り出すことができません。 MAIL,JMAILでコンパウンド・ドキュメントを取り扱う場合は,MAIL/OLD あるいは JMAIL/OLD コマンドでメール・ユーテリティを起動してください。
3.7.5 /PAGE=SAVE での FIND キーの扱い
V7.0
JMAILのREADサブコマンドなどで /PAGE=SAVE を指定し画面操作モードに入った時, FINDキーを入力しても検索文字列に日本語文字列を入力することができません。日本語文字列を検索するには JMAILのSEARCH /JAPANESE サブコマンドを用いてください。
3.7.6 REPLY コマンドの制限
V7.0
JMAIL の REPLY/LAST/EDIT で最後に発信したメールを編集して送信する機能が動作しません。REPLY/LAST を使ってメールを編集せずに送信するか,SEND/LAST/EDIT で代用してください。
3.8 日本語ユーティリティでの半角カタカナと漢字の混在
日本語 OpenVMS の以下の機能では半角カタカナと漢字が混在したデータを扱えますが,これら以外の機能では扱うことができません。
Super DEC 漢字コード・セットの概要および上記機能における半角カタカナサポートの内容については『日本語 Compaq OpenVMS 概説書』および各々の機能のマニュアルを参照してください。
3.9 かな漢字変換
3.9.1 全角の記号を含む単語の登録
JDICEDIT や DEC XTPU/日本語EVE などで,以下のような記号を含んだ単語を個人辞書に登録する場合,いくつかの制限事項がありますので注意してください。
全角アスタリスク | * |
句読記号 | 。.,、・!?:;(「[{’〜/)」]}” |
空白文字 | 半角スペース,全角スペース,タブ |
読み | こめんと |
表記 | *コメント* |
上のような単語を個人辞書に登録した場合,かな漢字変換を行なうと以下のようになります。
読み | こめんと |
表記 | コメント |
このように,表記に "*" は出てきません。
句読記号 | 。.,、・!?:;(「[{’〜/)」]}” |
空白文字 | 半角スペース,全角スペース,タブ |
かな漢字変換では,文節から句読記号,空白文字を取り除いたものを文節学習辞書に学習します。したがって,句読記号,空白文字を含む単語を個人辞書に登録した場合,句読記号,空白文字が取り除かれた表記が変換結果に現れることがあります。
【例】
読み | こんぱっく |
表記 | (コンパックコンピュータ) |
上のような単語を個人辞書に登録した場合,かな漢字変換を行うと以下のようになります。
2-1.第1回めの変換
登録した単語に句読記号 "。"を付けて変換します。
読み こんぱっく。 表記 (コンパックコンピュータ)。
ここで確定すると,句読記号 "。" と共に句読記号 "( " および " )" が取り除かれた単語が学習されます。
学習される読み こんぱっく 学習される表記 コンパックコンピュータ
2-2.第2回めの変換
第1回めの変換を確定した時に句読記号を取り除いた表記を学習してしまったために,以下のような変換結果になります。
読み こんぱっく。 変換結果 コンパックコンピュータ。 次候補 (コンパックコンピュータ)。
次候補にはユーザが個人辞書に登録した単語が現れます。
文節学習辞書に学習されたデータのうち,古い文節学習データは自動的に消えるように設計されていますが,短い読みで学習された文節が増えた場合,不適切な読みに一致して変換結果に悪影響を与えることがあるので注意してください。文節学習辞書ファイル(JSY$LEARN.DAT)を消すと,文節学習データは失われますが,変換できなくなることはありません。
3.10 日本語入力プロセス(FIP)
3.10.1 横スクロールの問題
表示エリアが 8 文字以下の場所に FIP で入力を行う場合,横スクロール機能が正しく動作しません。
3.11 漢字ターミナル・ドライバ
3.11.1 漢字ターミナル・ドライバの罫線変換機能
KANJIGENユーティリティ で,DEC漢字1978年版に設定されている端末に対しては,漢字ターミナル・ドライバが8 区の罫線を拡張漢字94区の罫線に変換して出力しますが,この変換処理には以下のような制限事項があります。
3.11.2 マルチ・セッション時のオンデマンド・ローディング
1つの端末からターミナル・サーバ経由で,複数のセッションを使ってオンデマンド・ローディングを行う場合は次の制限事項があります。
3.12 PRINT
3.12.1 /WRAP と /WIDTH の組み合せ
PRINTで,/FORM修飾子に指定されたフォームにおいて, /WIDTHと/WRAPが同時に指定されていた場合,/WIDTHで指定された印字数よりも長いラインを印刷すると,ラップされた部分が改行されず,重ねて印字されてしまいます。必ず/NOWRAPを指定したフォームを使用してください。
3.13 ヘルプの制限事項
日本語 OpenVMSでは,日本語 OpenVMS が提供するユーティリティ用のヘルプ・ライブラリとして,ディレクトリJSY$HELPにJSYHELP.HLBを提供しています。日本語 OpenVMS 上で動作するアプリケーション・ソフトウェアの中には,そのソフトウェアのヘルプを,JSY$HELPに日本語で提供するものもあります。
これらのヘルプを,DCLのヘルプ・コマンドから簡単に参照できるように,日本語 OpenVMS ではJSY$HELP:JSYHELPを論理名HLP$LIBRARYに割り当てています。この論理名に割り当てられたヘルプ・ライブラリは,MAILユーティリティなどの HELPサブコマンドからも参照されるようになります。この結果,たとえば, MAILユーティリティの中で,HELP KCODE と入力すると日本語ヘルプの KCODE コマンドについての説明が表示されます。
JSY$SWITCH コマンド・プロシージャでJAPANESE に設定されている場合,日本語に翻訳されたHELPLIB.HLBが最初に参照されるヘルプ・ライブラリになります。このヘルプには,通常よく参照されると思われるトピックの日本語版が入っていますが,すべてのトピックが日本語化されているわけではありません。日本語化されていないトピックについては,オリジナル(標準版)のヘルプが参照されるよう,オリジナルのヘルプ・ライブラリが論理名HLP$LIBRARYに割り当てられます。この次に,前述の日本語 OpenVMS が提供するユーティリティ用のJSYHELP.HLBが割り当てられます。この場合もJSYHELPの場合と同様に,いくつかのユーティリティの HELPサブコマンドから,オリジナルのヘルプ・ライブラリが参照されます。
$ MAIL MAIL> HELP KINQUIRE KINQUIRE ローマ字/かな・漢字変換型 INQUIRE コマンド KINQUIRE は INQUIRE コマンドの「ローマ字/かな・漢字変換版」です。 ・ ・ $ @JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH JAPANESE $ MAIL MAIL> HELP @HELPLIB SHOW SHOW Displays information about the current status of the process, the system, or devices in the system. Format: SHOW option ・ ・ |
3.14 DEC XTPU
3.14.1 XTPU で ISO-2022-JP コードセットを使用する場合
VAX 版 DEC XTPU では,ISO-2022-JP コードセットに無い文字を ISO-2022-JP コードセットで強制的にファイルに出力しようとすると, Access Violation を起こして XTPU がクラッシュします。
ISO-2022-JP コードセットを使う場合は,JIS ローマ字 (ASCII) と漢字 (JIS X0208) のみを使用してください。
3.14.2 XTPU で UCS-2 コードセットを使用する場合
UCS-2 では文字が 2 バイトで表現されるため,OpenVMS では改行文字を正確に処理することができません。そのため Windows NT との間で UCS-2 テキストを交換すると,複数の行が1行に繋がってしまったり,行頭に不正な文字が追加される等の問題が発生する場合があります。
3.14.3 個人辞書の指定
DEC XTPU では,使用する個人辞書を /KANJI_DICTIONARY 修飾子で指定することができますが,個人辞書の論理名 JSY$KOJIN を使用して以下のような指定を行うことはできません。
$ EDIT/XTPU/KANJI_DICTIONARY=JSY$KOJIN |
この指定を行った場合,「%XTPU-E-OPENDIC,error opening the dictionary file」のエラー・メッセージが表示されます。
3.15 日本語画面管理ライブラリに関する制限事項
3.15.1 ルーチンの制限事項
日本語画面管理ライブラリ (日本語 SMG) では,次のルーチンに,以下に述べる制限事項があります。
SMG$READ_COMPOSED_LINE
SMG$READ_STRING
SMG$READ_VERIFY
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