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コマンド・プロシージャを使用して,毎晩ディスクの追加型バックアップを行うことができます。次のいずれかの条件を満たす場合は,夜間の追加型バックアップと毎週のイメージ・バックアップを行う方が好都合です。
金曜の夜以外の毎晩 11:00 に,追加型バックアップを行いたいと仮定します。金曜の夜は,イメージ・バックアップを行うものとします。この後の手順で紹介するコマンド・プロシージャは,金曜の夜を除く毎晩,3 つのディスクの追加型バックアップを行い,自動的に自身を再キュー登録します。
夜間の追加型バックアップ用コマンド・プロシージャを使用する手順は次のとおりです。
$! $! Resubmit this procedure -- $ SUBMIT/AFTER="TOMORROW+23:0" SYS$MANAGER:INCREMENTAL_BACKUP $! $ TODAY = f$cvtime("today",,"weekday") $ IF TODAY .EQS. "Friday" THEN GOTO DONE $! $ ON ERROR THEN GOTO FAILURE $ SET PROC/PRIV=(OPER,BYPASS) $! $ REPLY/ALL - "Incremental Backup About to Begin. Open Files Will Not Be Saved" $! $ BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP DRA0:[000000...] - MIA0:INCREMENT1.SAV /LABEL=INC1 $ BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP DRA1:[000000...] - MIA1:INCREMENT2.SAV /LABEL=INC2 $ BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP DRA2:[000000...] - MIA2:INCREMENT3.SAV /LABEL=INC3 $ DISMOUNT MIA0: $ DISMOUNT MIA1: $ DISMOUNT MIA2: $ EXIT $! $FAILURE: $ WRITE SYS$OUTPUT "---> Backup failed" $ WRITE SYS$OUTPUT "" $ DISMOUNT MIA0: $ DISMOUNT MIA1: $ DISMOUNT MIA2: $ EXIT |
この例では,金曜日には追加型バックアップを行わない。金曜日は,イメージ・バックアップ (完全バックアップ) を行う。
$ SUBMIT/AFTER=23 SYS$MANAGER:INCREMENTAL_BACKUP |
11.15.7.3 会話型コマンド・プロシージャによるバックアップ
ここでは,会話形式で磁気テープにディスクをバックアップするためのコマンド・プロシージャを紹介します。
会話型コマンド・プロシージャを使用する手順は次のとおりです。
$ ! Command procedure DAILYBACK.COM $ ! $ ! Execute this command procedure interactively $ ! by entering the command @[directory]DAILYBACK $ ! at the DCL prompt. $ ! $ ! The BACKUP command in this procedure contains the $ ! output save-set qualifier /REWIND. Therefore, this $ ! command procedure always initializes the output tape. $ ! $ ON ERROR THEN GOTO FAILURE $ INQUIRE DRIVE "Enter the drive name (without a colon)" $ ALLOCATE 'DRIVE' $ INQUIRE SAVESET_SPEC "Enter the save-set specifier" $ INQUIRE LBL "Enter the tape label" $ INQUIRE EXP "Enter the tape expiration date" $ BACKUP/NOASSIST/RECORD/IGNORE=INTERLOCK/SINCE=BACKUP - [...] 'DRIVE':'SAVESET_SPEC'/REWIND/LABEL='LBL'/TAPE_EXPIRATION='EXP' $ DISMOUNT 'DRIVE' $ EXIT $! $FAILURE: $ WRITE SYS$OUTPUT "---> Backup failed" $ WRITE SYS$OUTPUT "" $ DISMOUNT 'DRIVE' $ EXIT |
ボリューム・シャドウイング機能は,同一データのコピーを複数のディスク・ボリュームに作成して管理します。システムでボリューム・シャドウイング機能を使用している場合は,個々のディスク・ボリューム (シャドウ・セット・メンバ) を統合し,1 つのシャドウ・セットを形成することができます。このときボリューム・シャドウイング機能は,シャドウ・セットの各メンバにデータのコピーを作成します。シャドウ・セットに含める各ディスクについて,ディスクごとにライセンスが取得できます。このオプションは,少数のディスクしかシャドウイングしないようなクラスタで効果的です。ただし,シャドウイングを行うディスクが多い大規模なシステムでは,従来の容量ごと (CPUごと) のライセンスの方が適切な場合があります。
シャドウ・セットに含めることができるディスク数の制限を 表 11-7 に示します。
シャドウ・セットのタイプ | サポートされるセット |
---|---|
単一メンバ | セット数無限 |
複数メンバ | 2メンバ・セットおよび 3メンバ・セット,または両方でディスク総数 400 |
これらの制限はクラスタごとに適用されます。たとえば,合計400 のディスクは,各クラスタにおいて, 2メンバ・シャドウ・セット200または, 3メンバ・シャドウ・セット 133に構成することができます。1 つのクラスタに単一メンバ,2メンバ,3メンバのシャドウ・セットが混在している場合には,最高400 のディスクを2メンバと3メンバのシャドウ・セットに入れることができます。
RAID レベル 1 (シャドウイング) のファームウェアのインプリメンテーションでは,単一の SWXCR-xx コントローラにローカルで接続されている SCSI ディスクを使用して,シャドウ・セットを作成することができます。 StorageWorks RAID Array 210 Subsystem (SWXCR-EA または SWXCR-EB EISA Backplane RAID のコントローラ) と StorageWorks PCI Backplane RAID コントローラ (SWXCR-PA または SWXCR-PB) は,独自のファームウェアで RAID レベル 0,1,5 を実現します。
このようなコントローラに接続されている SCSI ディスクも,OpenVMSでホスト・ベースのボリューム・シャドウイングで作成されたシャドウ・セットに入れることができます。たとえば,ホスト・ベースのボリューム・シャドウイングでは,クラスタ内に配置されている別個の SWXCR-xx RAID コントローラに接続されている 2 つの同様のディスクを含む RAID1 シャドウ・セットを作成することができます。 OpenVMS でボリューム・シャドウイングを行うシステムに接続すれば, SCSI ディスクをシャドウ・セットとして構成できます。
電源が落とされているか,ポーリングに応答しない状態の直接接続されている SCSI 装置の場合,装置をシャドウ・セットから取り外すには, 1 分近く時間がかかることがあります。その他の状況では,ほぼ SHADOW_MBR_TMO パラメータで指定された秒数だけかかります。
ボリューム・シャドウイングは,装置上でジオメトリと最大論理ブロック数 (LBN) をチェックします。これによって,RZ28 や RZ28B のような装置が,同じシャドウ・セット中で動作できます。装置 ID が異なっていても,同様のコントローラ (たとえば 2 台の HSJ コントローラ) 上で構成されていれば,ジオメトリや最大 LBN は一致します。
個々のユーザは,1 つの仮想ユニットとして作成されたシャドウ・セットにアクセスすることができます。たとえば,DUA1:,DUA2:,DUA3: という 3 つのディスクをまとめて,DSA1 という 1 つの仮想ユニットを作成したと仮定します。この場合,ユーザはシャドウ・セットのメンバに直接アクセスすることはできません。メンバを操作する場合は,仮想ユニット (DSA1:) にアクセスします。
ボリューム・シャドウイング機能はシャドウ・セットの各ボリュームにデータの複製を作成するため,シャドウ・セットのバックアップには特別な注意が必要です。ここでは,シャドウ・セットをバックアップする 1 つの方法として,BACKUP ユーティリティを使用する方法を簡単に紹介します。
シャドウ・セットのバックアップを行おうとして,シャドウ・セット・メンバを個別にディスマウントしたり,アクティブなシャドウ・セット・メンバをバックアップしたりしないでください。シャドウ・セットは全体としてディスマウントし,メンバを 1 つ除いてシャドウ・セットを再作成します。この制約に従わないと,作成したバックアップ・コピーに矛盾するデータが含まれることがあります。 |
ここでは,BACKUP を使用してシャドウ・セットをバックアップする手順の要約を示します。詳しい手順については,『Volume Shadowing for OpenVMS』を参照してください。
紹介する手順を使用して追加型バックアップをしないでください。バックアップしたディスク・ボリュームを既存のシャドウ・セットに戻すと,バックアップ日付が書き換えられます。 |
11.15.8.1 ホスト・ベースのシャドウ・セットへのディスクのマウント
ホスト・ベースのシャドウ・セットで, StorageWorks RAID Array 110 Subsystem にディスクをマウントするには, MOUNT コマンドに /OVERRIDE=NO_FORCED_ERROR 修飾子を指定します。
StorageWorks RAID Array 110 Subsystem は,SCSI で FORCED ERROR 機能を実現するのに必要なREAD/WRITE LONG SCSI コマンドをサポートしません。 FORCED ERROR 機能がなければ,シャドウイング・ドライバでチェック内容を上書きしなければなりません。
11.15.8.2 混合アーキテクチャ・クラスタでの支援型マージ
支援型マージはミニマージとも呼ばれ,シャドウ・セットが OpenVMS Alpha ノードや同じクラスタ内の他のタイプのノードにマウントされると,使用禁止になります。支援型マージを再び使用可能にするには,シャドウ・セットをマウントする全 OpenVMS Cluster ノードに,CSCPAT (TIMA) キットをインストールします。
ミニマージが使用禁止になっても,シャドウイングは正常に機能し続けます。ただし,マージ処理が必要な場合は,常に完全なマージが行われます。完全なマージは,ミニマージよりかなり時間がかかります。 CSCPAT (TIMA) キットのインストールをおすすめします。
11.16 ユーザ・ディスクの復元
ディスク装置が故障して,ディスクの内容が壊れた場合などは,バックアップ・コピーを使用してディスク全体を復元することができます。ときどき保存したイメージ・バックアップを復元することにより,ディスクのフラグメンテーションを防ぐこともできます。
ディスクを復元する方法は,最後に行ったバックアップがイメージ・バックアップ (完全バックアップ) か,追加型バックアップのどちらであるかによって異なります。次の
第 11.16.1 項 では,イメージ・バックアップの場合のディスクの復元方法について,また
第 11.16.2 項 では,追加型バックアップの場合のディスクの復元方法について説明します。
11.16.1 イメージ・バックアップの復元
この節では,最後に行ったバックアップが /IMAGE 修飾子を使用したイメージ・バックアップの場合の,ディスクのすべての内容の復元手順を紹介します ( 第 11.15.2 項 参照) 。
イメージ・バックアップを復元する手順は次のとおりです。
復元で /IMAGE 修飾子を使用すると,復元先のディスクが初期化され,既存のファイルのリンクが削除されることになります。ディスク全体ではなく,ファイルやディレクトリを個々に復元する場合は, 第 11.14 節 を参照してください。 |
$ DIRECTORY BACKUP_DISK:[BACKUPS] Directory SYS$SYSDEVICE:[BACKUPS] 19APRIL2000.SAV;1 Total of 1 file. |
この例では,セーブ・セット名は 19APRIL2000.SAV である。
$ BACKUP/LIST/REWIND MIA1: Listing of save set(s) Save set: 19APRIL2000.SAV Written by: SYSTEM UIC: [000001,000004] Date: 19-APR-2000 22:03:03.63 . . . |
この例では,セーブ・セット名は 19APRIL2000.SAV である。
BACKUP/IMAGE 装置:セーブ・セット指定 [/SAVE_SET] - 出力装置 |
ディスクまたはディスケット・セーブ・セットの場合は,セーブ・セット指定 (装置: セーブ・セット指定) の直後に/SAVE_SET 修飾子を指定する必要がある。
ここでは,次のことを前提にイメージ・バックアップを復元する例を紹介します。
$ MOUNT/FOREIGN DRA2:(1) %MOUNT-I-MOUNTED, DISK1 mounted on _DRA2: $ BACKUP/IMAGE MIA1:FULL_BACKUP.SAV/REWIND DRA2:(2) $ DISMOUNT/NOUNLOAD DRA2:(3) |
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