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ここでは非自動起動型実行キューの作成と起動の方法について説明します。
次の例は,SYS$BATCH という名前でバッチ・キューを作成し,ノードLILITH: で起動する例です。
$ INITIALIZE/QUEUE/START/BATCH/ON=LILITH::SYS$BATCH |
非自動起動実行キューを作成するには,次の表に示すように, INITIALIZE/QUEUE コマンドに /ON 修飾子を指定します。
キューの種類 | コマンド |
---|---|
出力キュー | INITIALIZE/QUEUE /ON=ノード名:: 装置名: キュー名
ノード名:: には,キューを実行するノード名を指定すること。 装置名: には,キューの出力先となる出力装置名を指定する。 |
バッチ・キュー | INITIALIZE/QUEUE/BATCH /ON=ノード名:: キュー名
バッチ・キューを作成するためには,/BATCH 修飾子を指定する必要がある。 ノード名:: には,キューを実行するノード名を指定すること。 |
非自動起動キューは,次のいずれかの方法で起動しなければなりません。
INITIALIZE/QUEUE/START/ON[/修飾子,...] キュー名 |
START/QUEUE[/修飾子,...] キュー名 |
それぞれの非自動起動キューに対して,スタートアップ・コマンド・プロシージャでキューの名前を指定する START/QUEUE コマンドを指定しなければならない。
この節では汎用キューの作成と起動の方法について説明します。
14.4.3.1 汎用キューの作成
汎用キーを作成するには,次の表に示すように, INITIALIZE/QUEUE コマンドに /GENERIC 修飾子を指定します。
キューの種類 | コマンド |
---|---|
出力キュー | INITIALIZE/QUEUE /GENERIC[=(キュー名[,...])] キュー名
/GENERIC 修飾子はキューが汎用キューであることを指定する。 最初の キュー名に対しては,汎用キューがジョブを送信する送信先の実行キューを指定する。 2 番目の キュー名に対しては,出力が送信される汎用キューを指定する。 |
バッチ・キュー | INITIALIZE/QUEUE/BATCH /GENERIC[=(キュー名[,...]) キュー名
バッチ・キューを作成するには,/BATCH 修飾子を指定しなければならない。 キュー名に対しては,汎用キューがジョブを送信する送信先の実行キューを指定する。実行キューはバッチ・キューでなければならない。 |
上記の INITIALIZE/QUEUE コマンドの中のジョブを送る実行キュー・リストは省略することもできます。その場合は,INITIALIZE/QUEUE,START/QUEUE, SET QUEUE のいずれかのコマンドに /ENABLE_GENERIC 修飾子を指定することによって,汎用キューからジョブを受け取る実行キューを有効にします。ただし通常は,この方法はおすすめできません。システムの構成が単純な場合のみ,この方法を使用してください。
次の例では,汎用キュー (LN03_PRINT) を作成します。このコマンドには, LN03_PRINT がジョブを送信する送信先の実行キューが指定されています。
$ INITIALIZE/QUEUE/GENERIC=(LN03_1,LN03_2,LN03_3) LN03_PRINT |
汎用キューは,次のいずれかの方法で起動しなければなりません。
INITIALIZE/QUEUE/START/GENERIC(=キュー名[,...])[/修飾子, ...] キュー名 |
START/QUEUE[/修飾子,...] キュー名 |
フォーム,特性,キューに関する情報はキュー・データベースに格納されます。この理由から,ノードや OpenVMS Cluster システムが再ブートするたびに,フォーム,キュー,特性を作成する必要はありません。しかし,ノードを再ブートするたびに,非自動起動実行キューを起動し,自動起動機能を有効に設定しなければなりません。そのために,コマンド・プロシージャを作成します。
システム構成が単純な場合,一般にこのようなコマンドは,汎用的なサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャ SYSTARTUP_VMS.COM に登録する方法もあります。ただし大量のコマンドが必要になる場合は,コマンド・プロシージャ・ファイルを別に作成し,それを SYSTARTUP_VMS.COM から実行するようにしてください。
ノードがシャットダウンされると,汎用キューは自動的に停止されます。したがって,スタートアップ・コマンドプロシージャに汎用キューの起動コマンドを入れる必要はありません。
14.6 キュー・オプションの使用
次の表は,キューに対して使用できるオプションを示しています。
オプション | キューの種類 | 参照箇所 |
---|---|---|
キュー・アクセス制御オプション | バッチと出力 | 第 14.6.1 項 |
ジョブ保持オプション | バッチと出力 | 第 14.6.2 項 |
キュー特性オプション | バッチと出力 | 第 14.6.3 項 |
バッチ処理オプション | バッチ | 第 14.6.4 項 |
ジョブ・スケジューリング・オプション | 出力 | 第 14.6.5 項 |
バナー・ページ・オプション | 出力 | 第 14.6.6 項 |
フォーム・オプション | 出力 | 第 14.6.7 項 |
ページあふれ制御オプションと行あふれ制御オプション | 出力 | 第 14.6.7.8 項 |
初期改ページの抑制 | 出力 | 第 14.6.7.9 項 |
装置制御ライブラリ・オプション | 出力 | 第 14.6.8 項 |
表 14-1 は,キュー・オプションを指定するために使用できる修飾子と,各オプションを指定できるキューのタイプを示しています。
修飾子 | キュー ・タイプ |
説明 | 参照箇所 |
---|---|---|---|
/AUTOSTART_ON | バッチと出力 | 自動起動型実行キューを作成して,キューが動作可能なノードを (出力キューの場合は装置も)指定する。 | 第 14.4.1 項 |
/BASE_PRIORITY | バッチと出力 | ジョブ・スケジューリング優先順位と異なる基本プロセス優先順位を指定する。 バッチ・キューの場合は,キューのジョブを実行するプロセスの基本優先順位,出力キューの場合は,シンビオント・プロセスの基本優先順位を指定する。 | 第 14.6.4.1 項 |
/BLOCK_LIMIT | 出力 | 出力実行キューで処理可能なプリント・ジョブのサイズを制限する。 | 第 14.6.5.1 項 |
/CHARACTERISTIC
/CHARACTERISTICS |
バッチと出力 | キューの特性を指定する。 | 第 14.6.3 項 |
/CPUDEFAULT | バッチ | キューから実行されるバッチ・ジョブに対する省略時の CPU 時間割り当ての基本値を定義する。 | 第 14.6.4 項 |
/CPUMAXIMUM | バッチ | キューから実行されるバッチ・ジョブに対する最大 CPU 時間制限を定義する。 | 第 14.6.4 項 |
/DEFAULT | 出力 | PRINT コマンドのいくつかのオプションに対する省略時の値を設定する。この修飾子を使用してキューのオプションを設定しておくと,ユーザが PRINT コマンドでオプションを指定する必要がなくなる。ただし,ここで設定した省略時の値は PRINT コマンドで変更可能。設定可能な省略時のオプションは次のとおり。 | |
BURST | 第 14.6.6 項 | ||
FEED | 第 14.6.7.8 項 | ||
FLAG | 第 14.6.6 項 | ||
FORM | 第 14.6.7 項 | ||
TRAILER | 第 14.6.6 項 | ||
/DESCRIPTION | バッチと出力 | キューに関する情報をユーザに提供する文字列を定義する。 | |
/DEVICE | 出力 | 出力実行キューのタイプを指定する。指定可能なキーワードは次のとおり。
PRINTER (省略時の設定) TERMINAL SERVER
|
第 14.7.1.1 項 |
/DISABLE_SWAPPING | バッチ | キューから実行するバッチ・ジョブをスワップ・イン,スワップ・アウトするかどうか指定する。 | 第 14.6.4 項 |
/FORM_MOUNTED | 出力 | 出力実行キューに対するマウント・フォームを指定する。 | 第 14.6.7 項 |
/GENERIC | バッチと出力 | 汎用キューを作成し,それがジョブを送り込む実行キュー名を指定する。 | 第 14.4.3.1 項 |
/JOB_LIMIT | バッチ | バッチ・キューから同時並行で実行可能なバッチ・ジョブ数を指定する。 | 第 14.6.4 項 |
/LIBRARY | 出力 | 装置制御ライブラリのファイル名を指定する。 | 第 14.6.8 項 |
/NAME_OF_MANAGER | バッチと出力 | キューと関係のあるキュー・マネージャ名を指定する。 | 第 13.8 節 |
/NO_INITIAL_FF | 出力 | 出力実行キューの識別子を指定し,出力実行キューに送られる初期改ページを抑制する。 | 第 14.6.7.9 項 |
/ON | バッチと出力 | 非自動起動型実行キューを作成して,キューが動作可能なノードを (出力キューの場合は装置も) 指定する。 | 第 14.4.2.1 項 |
/OWNER_UIC | バッチと出力 | キューに対する UIC (利用者識別コード) を指定する。 | 第 14.6.1.2 項 |
/PROCESSOR | 出力 | 出力実行キューで使用するシンビオントを指定する。省略時の設定は,標準オペレーティング・システムの標準プリント・シンビオント PRTSMB。 | 第 14.4.1 項 |
/PROTECTION | バッチと出力 | キューの保護コードを指定する。 | 第 14.6.1.2 項 |
/RECORD_BLOCKING | 出力 | 出力装置に出力レコードを転送するときに,シンビオントによるレコード連結またはブロック化を許可するかどうか指定する。 | 第 14.4.1 項 |
/RETAIN | バッチと出力 | ジョブの実行後もキューにジョブを保持する。 | 第 14.6.2 項 |
/SCHEDULE | 出力 | キューに保留中のジョブのスケジューリングを,ジョブの大きさに基づいて行うかどうか指定する。 | 第 14.6.5 項 |
/SEPARATE | 出力 | 出力実行キューに対するジョブ区切りまたはジョブ再設定オプションを指定する。ここで指定したオプションは,PRINT コマンドで変更可能。設定可能なオプションは次のとおり。 | |
BURST | 第 14.6.6 項 | ||
FLAG | 第 14.6.6 項 | ||
RESET | 第 14.6.8 項 | ||
TRAILER | 第 14.6.6 項 | ||
/WSDEFAULT | バッチと出力 | バッチ・キューの場合は,そこから実行されるバッチ・ジョブに対するワーキング・セット・サイズ,出力キューの場合は,シンビオント・プロセスに対するワーキング・セット・サイズを指定する。
この修飾子を使って値を設定した場合,キューにジョブを登録したユーザの UAF に定義されている値は無効になる。 |
第 14.6.4 項 |
/WSEXTENT | バッチと出力 | バッチ・キューの場合は,そこから実行されるバッチ・ジョブに対するワーキング・セット超過値,出力キューの場合は,シンビオント・プロセスに対するワーキング・セット超過値を指定する。
この修飾子を使って値を設定した場合,キューにジョブを登録したユーザの UAF に定義されている値は無効になる。 |
第 14.6.4 項 |
/WSQUOTA | バッチと出力 | バッチ・キューの場合は,そこから実行されるバッチ・ジョブに対するワーキング・セット・クォータ,出力キューの場合は,シンビオント・プロセスに対するワーキング・セット・クォータを指定する。
この修飾子を使って値を設定した場合,キューにジョブを登録したユーザの UAF に定義されている値は無効になる。 |
第 14.6.4 項 |
キューは永続的に機密保護管理をするオブジェクトです。キューはキューのセキュリティ・プロファイルとともにシステム・キュー・データベースに格納されます。
ファイルやディレクトリ同様,キューに対するアクセスを, UIC または ACL に基づく保護機構を使って制御することができます。
システムの機密保護を確立する方法については,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。
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