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DCL の SHOW QUEUE コマンドを使用して,キューの状態を表示し,監視することができます。次の形式で SHOW QUEUE コマンドを入力します。
SHOW QUEUE [/ 修飾子 ,...] [ キュー名 ] |
修飾子とキュー名のどちらも省略された場合,システムは,そこに存在するすべてのキューと,コマンド実行者が所有するすべてのジョブの状態を表示します。修飾子には,キューのタイプや表示する情報量を指定することができます。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/BY_JOB_STATUS
[= キーワード・リスト] |
指定された状態のジョブを保持しているキューを表示する。指定可能なキーワードは次のとおり。
EXECUTING キーワードが省略された場合,省略時の設定ではすべての状態のキューが表示される。ジョブ状態については, 表 14-6 を参照。 |
/BATCH | バッチ実行キューの状態を表示する。 |
/DEVICE[=
キーワード
・リスト ] |
出力実行キューを表示する。次のキーワードを指定することによって,表示する実行キューのタイプが選択可能。
PRINTER キーワードが省略された場合は,すべてのタイプの出力キューが表示される。 |
/GENERIC | 汎用キューの状態を表示する。 |
修飾子 | 説明 |
---|---|
/ALL_JOBS | 選択されたキューのすべてのジョブに関する情報を表示する。 |
/BRIEF | キューのジョブに関する情報を簡単なリスト形式で表示する。この形式は SHOW QUEUE コマンドの省略時の表示形式。 |
/FILES | 各ジョブに関係するファイルのリストも表示する。 |
/FULL | キューとジョブに関するすべての情報とともに,キューに設定されている ACL も表示する。 |
/SUMMARY | 動作中と保留中,保持中,保持,そして指定時刻解放ジョブの合計を表示する。ジョブ自体は表示されない。 |
いくつかの修飾子を組み合せることによって,表示するキューをもっと細かく指示することもできます。
SHOW QUEUE コマンドによって返されるキュー状態は, 表 14-5 に示すとおりです。
キュー状態 | 説明 |
---|---|
Aligning | キュー・マネージャが START/QUEUE/ALIGN コマンドを処理中である。 |
Autostart inactive | 停止しており,アクティブにする必要がある ( 第 14.8.4 項 を参照)。 |
Available | 少なくとも 1 つのジョブを処理中であるが,さらに同時に処理可能。 |
Busy | ジョブの処理中のため,これ以上ジョブは処理不可能。 |
Closed | クローズされており,オープンするまでジョブを受け付けられない ( 第 14.7.1.4 項 を参照)。 |
Device unavailable | 割り当てられている装置は使用不可。 |
Idle | ジョブ処理を行っておらず,処理可能な状態。 |
Paused | キュー・マネージャが STOP/QUEUE コマンドを処理中。 |
Pausing | キュー・マネージャが STOP/QUEUE コマンドを処理中。 |
Remote | 割り当てられている物理装置がローカル・システムに接続されていない。 |
Resuming | キュー・マネージャが休止中の START/QUEUE コマンドを処理中。 |
Server | キュー処理はサーバ・シンビオントに切り換え可能。 |
Stalled | 装置関連の問題でシンビオント処理が一時的に停止中。 |
Starting | 起動されたが,シンビオント・プロセスがアクティブではない。 |
Stopped | 停止中であり,起動されるまで処理は行われない。 |
Stop pending | 現在のジョブが実行終了すると,停止状態になる。 |
Stopping | 停止処理中。 |
システムで使用可能なフォームや特性を確認したい場合は,それぞれ DCL の SHOW QUEUE/FORM と SHOW QUEUE/CHARACTERISTIC コマンドを使用します。
コマンド・プロシージャで F$GETQUI レキシカル関数を使用すると,表示するキュー情報をさらに細かく指定することができます。F$GETQUI 関数は $GETQUI システム・サービスを起動し,キュー・データベースに保持されている情報を返します。
F$GETQUI レキシカル関数を使用して情報を得ることが可能なオブジェクトのタイプは次のとおりです。
特性
フォーム
キュー
キューに登録されているジョブ
キューに登録されているジョブのファイル
たとえば,すべてのプリンタ・キューにおける保留状態のジョブの総ブロック数を表示するコマンド・プロシージャを作成することができます。ジョブ情報やファイル情報を得るためには,ジョブに対する読み込みアクセス権,SYSPRV 権,OPER 権のいずれかを所有している必要があります。
F$GETQUI レキシカル関数が起動するシステム・サービス ($GETQUI) については,『OpenVMS System Services Reference Manual』を参照してください。
$ SHOW QUEUE/SUMMARY/DEVICE=(PRINTER,TERMINAL) Printer queue HERA_LPA0, busy, on HERA::LPA0, mounted form DEFAULT <Printer queue on node HERA for a line printer> Job summary: 1 executing Printer queue HERA_LPB0, busy, on HERA::LPB0, mounted form DEFAULT <Printer queue on node HERA for a line printer> Job summary: 1 executing Generic printer queue CLUSTER_PRINT <Generic printer queue for LPA0: and LPB0:> Job summary: 1 holding Terminal queue LQ_PRINT, stopped, on HERA::TXA7:, <Letter quality printer in Bob's office> mounted form PORTRAIT_INDENTED (stock=DEFAULT) Job summary: 2 pending (445 blocks), 1 holding |
$ SHOW QUEUE/FULL/ALL/BY_JOB_STATUS=EXECUTING Batch queue HERA_BATCH, available, on HERA:: /AUTOSTART_ON=(HERA::) /BASE_PRIORITY=3 /JOB_LIMIT=25 /OWNER=[SYSTEM] /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:R) Entry Jobname Username Status ----- ------- -------- ------ 700 VUE SMITH Executing Submitted 25-FEB-2000 14:46 /KEEP /NOLOG /NOPRINT /PRIORITY=100 File: _$333$DISK1:[SMITH.COM]VUE.COM;19 (executing) Batch queue ZZ_BATCH, available, on ZZ:: /AUTOSTART_ON=(ZZ::) /BASE_PRIORITY=3 /JOB_LIMIT=25 /OWNER=[SYSTEM] /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:R) Entry Jobname Username Status ----- ------- -------- ------ 874 PIPE FITZGERALD Executing Submitted 26-FEB-2000 11:25 /KEEP /NOTIFY /NOPRINT /PRIORITY=100 /RESTART=CLUSTER_BATCH /RETAIN=UNTIL="0 01:00" File: _$333$DISK1:[FITZGERALD]PIPE.COM;2 (executing) Server queue NM$QUE01, available, on HERA::, mounted form DEFAULT /BASE_PRIORITY=4 /DEFAULT=(FEED,FORM=DEFAULT) /OWNER=[DOC,SMITH] /PROCESSOR=NM$DAEMON /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:R) /RETAIN=ERROR Entry Jobname Username Blocks Status ----- ------- -------- ------ ------ 236 NM ROSENBERG 12 Processing Submitted 23-FEB-2000 08:42 /FORM=DEFAULT /PRIORITY=100 File: _$5$DISK3:[FOLK$.NM]NM$J1991072308340647.WRK;1 |
INITIALIZE/QUEUE,START/QUEUE,SET QUEUE のいずれかのコマンドを使用して,キュー・オプションを変更することができます。このとき,キュー・データベースのキュー情報は,変更に合わせて更新されます。 3 つのコマンドのうち,SET QUEUE コマンドを停止中のキューに対して使用することはできません。
SET QUEUE コマンドを使用すると,キューを停止させることなく,多くのキュー・オプションを変更することができます。動作中のバッチ・キュー SYS$BATCH を変更するコマンドの例を次に示します。
$ SET QUEUE/JOB_LIMIT=4/DISABLE_SWAPPING SYS$BATCH |
このコマンドでは,キューのジョブ制限を変更し,SYS$BATCH で処理されるすべてのジョブについてスワッピングを禁止しています。これ以外のキュー・オプションが変更されることはありません。変更したオプションが現在実行中のジョブに作用することはありませんが,以降のジョブはすべて,新しいオプションを有効にした状態で実行されます。
SET QUEUE コマンドで変更不可能なキュー・オプションは,次の手順で変更することができます。
既存のキューを初期設定することによって,キューに現在存在するジョブが削除されることはありません。INITIALIZE/QUEUE コマンドによって新たに設定したキュー・オプションは,キューで待ち状態になっているすべてのジョブ,あるいは以降キューに登録されたすべてのジョブに作用します。
バッチ・キューと出力キューに使用可能なオプションについては, 表 14-1 を参照してください。
14.7.1.3 キューの一時停止
DCL コマンド STOP/QUEUE を(修飾子を何も指定せずに)使用すると,キューに登録されているすべての現在のジョブの実行を一時的に停止させ,キューを一時停止状態にすることができます。 出力キューの場合は,一時停止させることによって,プリント・ジョブの配置コマンドや位置調整コマンドを,プリント・シンビオントに対して発行することが可能です。 SET/QUEUE コマンドによるプリント・ジョブの制御については, 第 14.7.2.7 項 で詳しく説明します。
一時停止させたキューの実行を再開する場合は,DCL の START/QUEUE コマンドを入力します。
14.7.1.4 キューのクローズ
プリンタの修理などの理由でキューが長い時間使用不能になる場合は, SET QUEUE,INITIALIZE/QUEUE,START/QUEUE のいずれかのコマンドに /CLOSE 修飾子を指定すると,新しいジョブがキューに登録されるのを防ぐことができます。 すなわち,/CLOSE 修飾子は,ユーザが PRINT コマンドや SUBMIT コマンドでキューにジョブを登録するのを禁止します。ユーザがジョブをプリントしようとする,またはクローズされたキューにジョブを登録しようとすると,ジョブが拒否され,ユーザはキューがクローズされている旨の通知を受けます。
$ PRINT/QUE=$PRINTER_1 REPORT.TXT; %PRINT-F-CREJOB, error creating job -JBC-E-QUE_CLOSED, queue closed, jobs not accepted |
キューに現在あるジョブが影響を受けることはありません。
キューが使用可能になったら,/OPEN 修飾子を使用してキューをオープンし,ジョブのキュー登録を可能にします。
14.7.1.5 キューの停止
キューを停止させたい場合は,次のいずれかのコマンドを使用します。
第 14.7.1.6 項 で説明するように,これらのコマンドは,自動起動キューに対してキューの自動起動を非アクティブ化します。停止中の非自動起動キューを再起動,または非アクティブ化されている自動起動キューのアクティブ化には START/QUEUE コマンドを入力してください。
14.7.1.6 自動起動型キューの起動禁止
自動起動型キューが存在するシステムで STOP/QUEUE/NEXT または STOP/QUEUE/RESET コマンドを実行すると, START/QUEUE コマンドを入力するまでキューが停止し,自動起動機能が非アクティブになります。
14.7.1.7 ノードの自動起動の禁止
DISABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドは,ノードに対して次のことを行うようキュー・マネージャに指示します。
省略時の設定では,DISABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドは,このコマンドが入力されたノードでのみ有効です。別のノードで自動起動機能を禁止するには,/ON_NODE 修飾子を指定します。
DISABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドは,ノードをシャットダウンする前に使用します。詳細は 第 14.7.1.9 項 を参照してください。
14.7.1.8 ノードのすべてのキューの停止
キュー・マネージャを停止させずにノードのすべてのキューを停止したい場合は,DCL の STOP/QUEUES/ON_NODE コマンドを使用します。省略時の設定ではこのコマンドは,それが入力されたノードにしか作用しません。別のノードのキューを停止させたい場合は,次に示すように,/ON_NODE 修飾子の後に停止したいノード名を指定します。
STOP/QUEUES/ON_NODE=ノード名 |
STOP/QUEUES/ON_NODE コマンドが入力されると,非自動起動型キューと,フェイルオーバ・リストのない自動起動型キューが停止します。そしてフェイルオーバ・リストを指定して作成または起動された自動起動型キューは,そのリストに登録されていて,自動起動機能が有効なノードのうちの次に使用可能なノードにフェイルオーバします。
自動起動型キューで現在実行中のジョブを最後まで実行させたい場合は,DISABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドを入力して,ジョブの終了を待ち,それから STOP/QUEUES/ON_NODE コマンドを入力してください。詳細は 第 14.7.1.9 項 を参照してください。
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