Compq OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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省略時の設定では,サーバ・ポートに対するアクセスはキューに登録されます。

/SERVICE=サービス名

次のいずれかを指定します。

ターミナル・サーバ・ポートが提供する遠隔サービスの名前を指定するには,/NODE 修飾子と /SERVICE 修飾子を使用します。サービスに対応する特定のポートを指定するには, /NODE,/PORT,/SERVICE の修飾子を使用します。これらの名前が分からない場合は,ターミナル・サーバ管理者に尋ねてください。

遠隔の専用ポートで提供するサービスを特定のアプリケーション・プログラムとして命名する場合には,/DEDICATED 修飾子と /SERVICE 修飾子を使用します。このサービスは,CREATE SERVICE コマンドで作成されたサービスでなければなりません。1 つの専用ポートに設定できるサービスは 1 つだけですが,複数のポートに同じサービスを設定することはできます。


説明

SET PORT コマンドは,使用中のローカル・ノード上のアプリケーション・ポートを,ターミナル・サーバ上のポートまたはサービスに対応づけます。

ポートを作成するには,次のいずれかの方法を使用します。

アプリケーション・ポートをターミナル・サーバ上のサービスに対応づけると,そのサービスが示すすべてのポート (プリンタなど) に対するアクセスが許可されます。例 1,2 を参照してください。アプリケーション・ポートは,CREATE PORT/APPLICATION コマンドで作成されていなければなりません。

SET PORT コマンドは,ローカル・ノード上の専用ポートを遠隔ノードが提供するアプリケーション・サービスに対応づけることもできます。このアプリケーション・サービスは,すでに存在していなければなりません。例の 3 番を参照してください。ローカル・ノード上の専用ポートに遠隔ノードが提供するサービスを対応づけるためには,/DEDICATED 修飾子と /SERVICE 修飾子を使用しなければなりません。

さらに,SET PORT コマンドは,使用中のローカル・ノード上のアプリケーション・ポートを,LAT 遠隔サービス・ノード上の 1 つまたは複数の専用ポートに対応するアプリケーション・サービスに対応づけることもできます。このアプリケーション・サービスは,ターミナル・サーバのユーザ,または発信接続をサポートするノードのユーザに提供されます。例 4 を参照してください。専用ポートは,CREATE PORT/DEDICATED コマンドで作成していなければなりません。

/LIMITED 修飾子を使用して,制限ポートとしてポートを作成することもできます。


次の SET PORT コマンドの例で行った変更内容を出力する場合には, SHOW PORT コマンドの使用例を参照してください。

#1

LATCP>  SET PORT LTA22: /APPLICATION /NODE=TS33EW /PORT=LN02

ターミナル・サーバ TS33EW 上のポート LN02 に対応するアプリケーション・ポートとして LTA22: を設定しています。 LTA22: というポートは,サーバ上の 1 つのプリンタに対応づけられています。次の例では,ターミナル・サーバ上の複数のプリンタにポートを対応づけています (サービス名 PRINTER に複数のプリンタが割り当てられている) 。

#2

LATCP>  SET PORT LTA19: /APPLICATION /NODE=TLAT1 /SERVICE=PRINTER /QUEUED

ローカル論理ポートをターミナル・サーバ上のサービス (複数のプリンタ) に対応づける例です。アプリケーション・ポート LTA19: を,ターミナル・サーバ TLAT1 上のサービス PRINTER に対応づけています。サービス PRINTER は,TLAT1 上の 1 つまたは複数のポートに対応づけることができます。/QUEUED 修飾子が指定されているので,サービス PRINTER を提供するサーバは,このサービスを提供するすべてのポートが使用中であるとき,遠隔接続要求をキューに登録できます。印刷キューの設定方法については,『Compaq OpenVMS システム管理者マニュアル』の印刷処理の項を参照してください。

#3

LATCP>  SET PORT LTA21: /DEDICATED /SERVICE=GRAPHICS

ローカル・サービス・ノード上のアプリケーション・ポート LTA21: が,ターミナル・サーバのユーザ,または発信接続をサポートするノードのユーザに対し,サービス GRAPHICS を提供しています。 GRAPHICS は,ユーティリティまたはアプリケーション・プログラムです。

#4

LATCP>  SET PORT MAIL_PORT /SERVICE=MAIL/NODE=RMNODE

論理名が MAIL_PORT のポートを,遠隔ノード RMNODE 上の専用サービス MAIL に対応づけています。論理名 MAIL_PORT のポートは,CREATE PORT コマンドで作成されています。CREATE PORT コマンドの使用例 3 を参照してください。 DCL の ASSIGN コマンドや DEFINE コマンドで作成された論理名である可能性もあります。 SET PORT ポート名 /DEDICATED/SERVICE=MAIL コマンドで,ノード RMNODE 上のポートをサービス MAIL 専用としなければなりません。

#5

$ LCP :== $LATCP
$ LCP CREATE SERVICE/LIMITED ONLY_ONE
$ LCP CREATE PORT/LIMITED LTA1234:
$ LCP SET PORT LTA1234: /SERVICE=ONLY_ONE

制限されたサービスを作成し,このサービスの使用中にシステムにログインできるユーザを 1 人に制限しています。ターミナル・サーバのプロンプト (Local>) からサービス ONLY_ONE に接続すると,ポート LTA1234 が割り当てられ,ユーザ名の入力を求められます。LTA1234 にユーザがログインしているときに同じサービスに接続しようとすると, "service in use" メッセージを受信します。

SET SERVICE

ローカル・ノードで提供するサービスの特性を動的に変更します。このコマンドを使用するためには,OPER 特権が必要です。

形式

SET SERVICE [サービス名]


パラメータ

サービス名

変更する特性を持つサービスを指定します。省略時のサービス名は, SET NODE コマンドで定義したローカル・ノードの名前です。

修飾子

/APPLICATION

サービスをアプリケーション・サービスとして設定します。アプリケーション・サービスは,サービス・ノード上のすべての資源ではなく,特定のアプリケーションだけを提供します。このサービスに専用ポートを定義するには,CREATE PORT コマンドと SET PORT コマンドを使用します。

/CONNECTIONS

/NOCONNECTIONS

OpenVMS システムによって提供されるサービスが,着信接続を受け入れるかどうかを指定します。/NOCONNECTIONS 修飾子を使用して,着信接続を禁止すると,ユーザはこのサービスに接続することができず,エラー・メッセージ "service is disabled." を受信します。

省略時には,サービスは着信接続を受け入れます (/CONNECTIONS)。

/IDENTIFICATION[="識別文字列"]

ノードを識別する文字列を指定します。サービス・ノードでは,識別文字列がサービス通知に含まれます。サービス・ノードは,SET NODE コマンドで設定した時間間隔でそのサービス内容を通知します。LATCP の SHOW NODE コマンドまたは DECserver の SHOW NODE コマンドを入力すると,この識別文字列も表示されます。

省略時の識別文字列は,SYS$ANNOUNCE を変換したものです。 VMS サービス・ノードは,SET NODE コマンドで設定した時間間隔でそのサービス内容を通知します。

識別文字列は,64 文字以内の ASCII 文字です (SYS$ANNOUNCE が 65 文字以上の場合は,最初の 64 文字に切り捨てられます)。文字列を引用符 (" ") で囲んでください。

/LIMITED

サービスが制限されたサービスであることを指定し,制限された特性が割り当てられ,この制限されたサービスに関連付けられた (マップされた) 装置を使用します。この修飾子は, SET PORT /LIMITED コマンドと組み合わせて使用します (例2を参照してください)。

/LOG

/NOLOG (省略時の設定)

コマンドが実行されたことを確認するメッセージを表示するかどうかを指定します。省略時の設定では,メッセージは表示されません。

/QUEUED

/NOQUEUED

ローカルに提供される制限された (/LIMITED) サービスまたはアプリケーション (/DEDICATED) サービスが,すべてのポートが使用されているときにキュー登録された接続を受け入れる (省略時) かどうかを指定します。/NOQUEUED を指定すると,すべてのポートが使用されている場合には,着信接続は拒否されます。

/STATIC_RATING=レーティング

/NOSTATIC_RATING

動的サービス・レーティングを許可または禁止します。動的サービス・レーティングとは,サービスを提供するノードの全体的処理レベル,メモリ容量にもとづき,サービスの可用性を LAT アルゴリズムが動的に算出することです。複数のサービス・ノードで提供されるサービスへの接続をターミナル・サーバやノードが要求するとき,要求元ノードは,サービス・レーティングが最も高い,すなわち最も好ましいサービス・ノードを選択します。この選択処理を, 負荷分散と呼びます。

動的サービス・レーティングは省略時値であり,LAT ネットワークの効率的な負荷分散を実現します。しかし,必要に応じて /STATIC_RATING 修飾子を使用することにより,動的サービス・レーティングは禁止され,静的 (固定) レーティングを指定できます。静的レーティングの値は,動的レーティングを再び有効にするまで変更されません。

静的レーティングを使用するのは,他のユーザがローカル・ノードを使用できる率を一時的に調整するためです。静的レーティングの範囲は, 0 から 255 までです。ローカル・サービス・ノードの使用率を下げるには小さな値を,使用率を上げるには大きな値を指定します。

省略時の設定では,動的サービス・レーティングが使用されます。

制限されたサービスおよびアプリケーション・サービスは動的に計算されたサービス・レーティングにのみ依存するわけではありません。これらのサービスにいくつのポートを使用できるかに応じて動的レーティングが計算されます。例えば,制限されたサービスで 50% のポートを使用できる場合,動的サービス・レーティングの半分が 105 に加えられます。ポートを使用できる場合は,レーティングは常に 105 よりも大きくなります。

制限されたサービスまたはアプリケーション・サービスのすべてのポートが使用されている場合,レーティングは動的レーティングおよびローカル・ノードの空きキュー・スロットの数によって異なります。この場合,レーティングは常に 90 よりも小さくなります。

このレーティング・プロシージャは,ターミナル・サーバのサービスおよびサービスが提供する使用可能ポートのレーティング・アルゴリズムに従っています。同時に,ノードの使用可能性 (動的レーティングの計算に使用される要素) も考慮されます。

使用するシステムのライセンスのユニット数が限られている場合 (ログインの制限の設定に関係なく特定数のユーザしかシステムにログインできない),すべての OpenVMS ライセンス・ユニットが使用されると,動的レーティングは 0 になります。OpenVMS のライセンス・ユニットがすべて使用されているためにログインできなくなると,すべてのノードのサービス・レーティングは最小値になります。

ユーザのログインまたはログアウト時に LAT ソフトウェアがサービス通知メッセージを送信します。これによって,システムは,ログインまたはログアウト操作によるサービス・レーティングの変化に関する情報をより迅速に提供することができます。


説明

SET SERVICE コマンドは,ユーザが作成したサービスの特性を動的に変更します。サービスは,CREATE SERVICE コマンドで対話形式で作成したり,サービスを作成するプログラムを実行することで作成することができます。

#1

LATCP>  SET SERVICE SALES /IDENT="SALES FORCE TIMESHARING SERVICES"   

SALES というサービスに対して,新しい識別文字列 "SALES FORCE TIMESHARING SERVICES" を指定しています。この文字列は,サービス・ノードが送出するマルチキャスト・メッセージにおいて,サービス SALES とともに通知されます。

#2

$ LCP :== $LATCP
$ LCP SET SERVICE/LIMITED ONLY_ONE
$ LCP CREATE PORT/LIMITED LTA1234:
$ LCP SET PORT LTA1234: /SERVICE=ONLY_ONE

制限されたサービスを作成し,このサービスの使用中にシステムにログインできるユーザを 1 人に制限しています。ターミナル・サーバのプロンプト (Local>) からサービス ONLY_ONE に接続すると,ポート LTA1234 が割り当てられ,ユーザ名の入力を求められます。LTA1234 にユーザがログインしているときに同じサービスに接続しようとすると, "service in use" メッセージを受信します。

SHOW LINK

ローカル・ノード上のリンクの状態と LAT 特性を表示します。

形式

SHOW LINK [リンク名]


パラメータ

リンク名

LAT データ・リンクの名前を指定します。リンク名は,16 文字以内の ASCII 文字です。

リンク名を指定しない場合,ノードに現在定義されているすべてのリンクの情報が表示されます。


修飾子

/BRIEF

リンクの装置名と状態を表示します。省略時の表示です。

/COUNTERS

リンクの装置カウンタを表示します。表示される数字は,カウンタを最後に再設定したとき,すなわちノードを最初に起動したときや ZERO COUNTERS コマンドを使用した時点以降に記録された値です。

この修飾子は,/BRIEF 修飾子や /FULL 修飾子と併用しないようにしてください。

次の表は,CSMA/CD (carrier sense, multiple access with collision detect) リンクと FDDI (Fiber Distributed Data Interface) リンクに共通のカウンタを示しています。

カウンタ 説明
Messages received リンクを通して受信したメッセージの総数
Multicast messages received リンクを通して受信したマルチキャスト・メッセージの総数
Bytes received リンクを通して受信した情報の総バイト数
Multicast bytes received リンクを通して受信したマルチキャストの総バイト数
System buffer unavailable 着信フレームにシステム・バッファを使用できなかった総回数
Unrecognized destination プロトコルが許可されている着信先がないためフレームが破棄された総回数。物理アドレスだけに対して受信したフレームの数も含まれる
Messages sent リンクを通して送信したメッセージの総数
Multicast messages sent リンクを通して送信したマルチキャスト・メッセージの総数
Bytes sent リンクを通して送信した情報の総バイト数
Multicast bytes sent リンクを通して送信したマルチキャスト・メッセージの総バイト数
User buffer unavailable すべてのフィルタを通過した着信フレームにユーザ・バッファを使用できなかった総回数
Data overrun ローカル・ノードの入力バッファがいっぱいだったためにリンクの装置上で消失した総バイト数。 0 以外の値の場合,回線にノイズがある,装置が不良である,システムの負荷が高い,システムの調整が充分でない (資源が充分でない),LAN の別の装置にハードウェア問題がある,のいずれかである

次の表は,CSMA/CD リンクと FDDI リンクに共通な受信エラーを示しています。SHOW LINK/COUNTERS コマンドで表示されるこれらのエラーでは,エラーが発生したことをフラグで表します。

フラグ 説明
Block check error 受信したパッケージの CRC エラー
Framing error 受信したフレームが正しく終了していない
Frame too long 受信したフレームが長さ上限より長い
Frame status error FDDI ローカル・ステーションが検出したリングの CRC エラー (FDDI 固有)
Frame length error フレームが短すぎる (FDDI 固有)

次の表は,CSMA/CD リンクと FDDI リンクに共通の送信エラーを示しています。SHOW LINK/COUNTERS コマンドは,エラーをフラグで示します。

フラグ 説明
Excessive collisions 衝突上限の 16 に到達したため送信できなかったフレーム数 (CSMA/CD 固有)
Carrier check failures トランシーバに問題があるか,ケーブルが短絡している
Short circuit ケーブルが短絡している
Open circuit ケーブルが遮断されている
Frame too long フレームが長すぎる。リンクを使用している受け口の 1 つに送信障害がある
Remote failure to defer 遠隔ステーションがフレーム送信を延期できなかった。ネットワークの設定が正しくない可能性がある
Transmit underrun フレームの送信が遅すぎる。ハードウェア・コントローラにエラーがある
Transmit failure フレームを送信できなかった

次の表は,CSMA/CD 固有のリンク・カウンタを示しています。

表 13-1 CSMA/CD カウンタ
カウンタ 説明
Transmit CDC failure キャリア検出チェック・エラーの総数。つまり,ローカル・ノードが送信を開始した時点で別のイーサネット・ステーションがすでに送信中であったことをローカル・ノードが検出できなかった回数
送信されるメッセージ: Single collision ---最初の試みで通常の衝突が発生し,2 回目の試みでフレームが正常送信された総回数

Multiple collision---通常の衝突が発生した後の 3 回目以降の試みでフレームが正常送信された総回数

Initially deferred---最初の試みでフレーム送信が延期された総回数。衝突がないときのイーサネットにおける送信権の争奪程度確認に使用する

次の表は,FDDI 固有のリンク・カウンタを示しています。

カウンタ 説明
Ring initializations initiated リンクがリングの再初期化を起動した総回数
Ring initializations received 別のリンクがリングの再初期化を起動した総回数
Directed beacons received リンクが有向ビーコン・プロセスを検出した回数。有向ビーコン・プロセスの呼び出しがカウントされるのは,1 度だけである
Connections completed 集信機にステーションが正常接続した回数
Duplicate tokens detected リンク上で重複トークンが検出された回数
Ring purge errors リング・パージ状態にある間に,リング・パージャがトークンを受信した回数
LCT rejects リンク信頼テスト結果が不良である。ステーションと集信機との交信に問題がある
Elasticity buffer errors 伸縮性バッファ機能エラー。送信クロックがあるリング上のステーションにトレランスがない
MAC error count Media Access Control (MAC) がフレームの E インジケータを R から S に変更した回数
Traces initiated リンクが PC トレース・プロセスを起動した回数
Traces received PC トレース・プロセスの実行がリンクに対して要求された回数
Ring beacons initiated リンクがリング・ビーコン・プロセスを起動した回数
Link errors Link Error Monitor (LEM) が受信メッセージにエラーを検出した回数。回数が少ない場合,正常である
Duplicate address test failures リンク・アドレスが重複した回数
FCI strip errors Frame Content Independent Strip 処理がトークンの受信によって終了した回数
LEM rejects LEM エラーが過剰となった回数
MAC frame count リンクが認識したトークン以外のフレームの総数
MAC lost count トークン以外のフレームが異常終了した総回数

/FULL

リンクの装置名,状態,データ・リンク・アドレスを表示し, DECnet アドレスが許可されているかどうかを示します。

説明

リンクを指定した場合は指定したリンク,指定しない場合はすべてのリンクについて,情報を表示します。修飾子を使用することにより,リンクの装置名,状態,LAT データ・リンク・アドレス,DECnet アドレス,カウンタを表示できます。

#1

LATCP> SHOW LINK/FULL NETWORK_A

NETWORK_A というリンクに関する情報を表示しています。


Link Name:     NETWORK_A               Datalink Address:  08-00-2B-10-12-E3 
Device Name:   _ESA7:                  DECnet Address:    Disabled 
Link State:    On 

NETWORK_A リンクの装置名とそのハードウェア・アドレスを表示しています。リンクは On 状態にあります。


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