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次の一覧は,個々のバッファだけに有効な省略時の設定を示しています。
FIND や MOVE BY LINE などのコマンドは,カーソルを右下方向に移動する。逆方向 (左上方向) に変更することもできる。
入力した文字は現在の位置に挿入され,既存のテキストは右に移動する。上書モードに変更することもできる。
作成したバッファを変更 (編集) できる。バッファを変更不可能にすることもできる。
変更を加えた場合,終了時にバッファを書き出す (セーブする)。バッファを読み込み専用に設定することもできる。
すべてのテキスト・バッファに対してバッファ・ジャーナリングを有効にする。
左端の桁が設定される。Return キーを押したときや FILL コマンドを使用したとき,またはテキストが自動改行されたとき,新しい行はバッファの左マージンから始まる。
作成したパラグラフや FILL コマンドで書式を変更したパラグラフが,インデントなしにバッファの現在の左マージンから始まる。
省略時の右マージンは,ターミナルに設定された幅より 1 桁少ない位置になる。幅が 80 桁のとき,省略時の右マージンは 79 桁目になる。 FILL コマンドを使用するか,行末で入力を行った場合,バッファの右マージンでテキストが自動改行される。
タブ・ストップが 8 桁ごとの 9,17,25,33,41 の各桁に設定される。別の間隔でタブ・ストップを設定することもできる。
行末でテキストを入力すると,Return キーを押したり FILL コマンドを使用しなくても,バッファの右マージンでテキストが自動改行される。
コマンドの再呼び出しなど,EVE コマンド行に編集を加えるような場合,省略時の方向が逆になり,カーソルは固定されます。文字セル・ターミナルの省略時のモードは,ターミナルの設定と一致します。
省略時の設定を調べるには,SHOW DEFAULTS BUFFER コマンドを使用します。編集中のバッファの設定を調べるには,SHOW コマンドを使用します。
EVE の設定や属性は,セクション・ファイルにセーブしたり, EVE が作成したコードとして DECTPU コマンド・ファイルにセーブしたりできます。マージンやタブ・ストップなどその他の属性は,初期化ファイルに設定できます。
初期化ファイルを使用して EVE を起動する場合,マージン,タブ・ストップ,および他のバッファ固有の設定に関する初期化ファイル内のコマンドは, Main バッファ (または最初のバッファ) と $DEFAULTS$ という名前の EVE システム・バッファに適用されます。 $DEFAULTS$ バッファはテンプレート・バッファです。 GET FILE コマンドなどを使用してバッファを作成するとき, $DEFAULTS$ バッファの設定値が使用されるため,新しいバッファはどれも同じ設定を持つようになります。したがって,初期化ファイルに SET RIGHT MARGIN 70 コマンドがあると,作成するバッファはどれもこの右マージンを持つようになります。
次に示すのは,サンプルの EVE 初期化ファイルで,編集環境を設定するコマンドとキーを定義するコマンドが含まれています。
! MYINIT.EVE initialization file ! SET LEFT MARGIN 5 SET PARAGRAPH INDENT 4 SET RIGHT MARGIN 70 SET TABS EVERY 10 SET SCROLL MARGINS 9% 9% SET FIND WHITESPACE ! Key definitions SET KEYPAD EDT DEFINE KEY= F20 SHOW BUFFERS DEFINE KEY= Ctrl/P PAGINATE DEFINE KEY= GOLD-G GET FILE DEFINE KEY= KP7 WPS GOLD R |
属性はグローバルな設定です。この設定の一部を将来別の編集セッションでも使用する場合に備えて,その設定をセクション・ファイルや DECTPU コマンド・ファイルにセーブしておくことができます。 表 A-1 はセーブできる設定を示しています。
コマンド | 省略時の設定 |
---|---|
SET BOX [NO]PAD | SET BOX PAD |
SET BOX [NO]SELECT | SET BOX NOSELECT |
SET [NO]CLIPBOARD | SET NOCLIPBOARD |
SET CURSOR
|
SET CURSOR FREE |
SET [NO]DEFAULT COMMAND FILE | SET NODEFAULT COMMAND FILE |
SET [NO]DEFAULT SECTION FILE | SET NODEFAULT SECTION FILE |
SET FIND CASE [NO]EXACT | SET FIND CASE NOEXACT |
SET [NO]EXIT ATTRIBUTE CHECK | SET EXIT ATTRIBUTE CHECK |
SET [NO]SECTION FILE PROMPTING | SET SECTION FILE PROMPTING |
SET [NO]PENDING DELETE | SET NOPENDING DELETE |
SET TABS
|
SET TABS INSERT |
SET TABS [IN]VISIBLE | SET TABS INVISIBLE |
EVE の初期化ファイルにこれらの設定に関するコマンドが含まれている場合,その設定をセクション・ファイルまたはコマンド・ファイルにセーブした後,それらのコマンド行を削除することができます。
その他のグローバルな設定 (スクロール・マージンやワイルドカードの種類など) やバッファの設定 (マージンやタブ・ストップなど) はセーブされません。通常,これらの設定のためには初期化ファイルを使用します。
A.3.3.1 属性をセーブするEVE コマンド
次の一覧は,追加または変更された,属性のセーブに関するコマンドの概要を示しています。
属性をセクション・ファイルまたはコマンド・ファイルにセーブする。 EVE プロンプトへの応答または他の EVE コマンドで行われた設定によって,どちらのファイルにセーブするかが決まる。セクション・ファイルにセーブする場合は,SAVE EXTENDED EVE と同じ。コマンド・ファイルにセーブする場合,特別にマークされた DECTPU 文ブロックが属性設定とメニュー定義について作成される。この文ブロックによりコマンド・ファイルが作成されるか,既存のコマンド・ファイルが更新される。
EVE の省略時の属性をセクション・ファイルまたはコマンド・ファイルにセーブする。セクション・ファイルやコマンド・ファイルを標準のEVE 設定やメニュー定義に戻したい場合に役立つ ( 付録 A.3.8 項 を参照)。
セクション・ファイルを作成し,そのファイルの中に属性,キー定義,メニュー定義,コンパイルされたプロシージャ,および DECTPU 文を使って設定されたグローバル変数などのその他の拡張をセーブする。コマンド行にセクション・ファイルを指定しないと,指定するようプロンプトが表示されるか,省略時のセクション・ファイルが使用される (省略時のファイルを設定した場合)。
バッファ・モードが上書モードでないかぎり,ボックス編集でパディングと上書きができなくなる。
ボックス形式の選択,カット,ペーストができなくなる。省略時の設定である。
バッファ・モードには関係なく,ボックス編集でパディングと上書きができる。省略時の設定である。
ボックス形式の選択,カット,ペーストができる。
属性をセーブするコマンド・ファイルを決定する。スタートアップ時に実行されるコマンド・ファイルを決定するものではない。
属性をセーブするセクション・ファイルを決定する。スタートアップ時に実行されるセクション・ファイルを決定するものではない。
属性の変更後に終了または取り消し終了する場合,変更内容をセーブするかどうかが尋ねられる。省略時の設定である。
属性をセーブするとき,省略時のコマンド・ファイルは,現在のディレクトリ内にある TPU$COMMAND.TPUか,またはスタートアップ時に実行されたコマンド・ファイルになる ( 付録 A.3.6 項 を参照)。省略時の設定である。
属性をセーブするとき,作成するセクション・ファイルの名前が尋ねられる (セクション・ファイルを求めるプロンプトなしが設定されていない場合)。省略時の設定である。
属性のチェックを行わない主に終了処理や取り消し終了処理にかかる時間が短くなり,処理が単純になる。このコマンドを実行した編集セッションには適用されない。この設定をセーブしたセクション・ファイルまたはコマンド・ファイルを使用する編集セッションにだけ適用される。
属性をセーブするとき,セクション・ファイルを求めるプロンプトを表示しない。主に省略時のセクション・ファイルやコマンド・ファイルに属性をセーブするときの終了処理にかかる時間が短くなり,処理が単純になる。
属性をセーブするとき,セクション・ファイルの名前を求めるプロンプトを表示する。省略時の設定である。
編集セッションでは, SAVE ATTRIBUTES コマンドまたはSAVE EXTENDED EVE コマンドを使用するか,終了または取り消し終了の一部として,属性をセーブすることができます。省略時の設定では,属性を変更してそれをセーブしない場合, EVE の終了時に次のようなプロンプトが表示されます。
Command: SET CURSOR BOUND Command: SET FIND CASE EXACT Command: SET TABS VISIBLE . . . Command: EXIT Attributes were changed. Save them? [YES] |
変更内容をセーブしたい場合は,Return キーを押します。終了処理の前に SAVE ATTRIBUTES コマンドが実行され,変更内容がセーブされます。変更内容をセーブしたくない場合は,No と入力して Return キーを押します。そのまま終了処理が行われます。
終了処理にかかる時間を短くして処理を単純にするために,このプロンプトを表示しない場合は, SET NOEXIT ATTRIBUTE CHECK コマンドを使用します。ただし,このコマンドは現在の編集セッションに対しては適用されません。終了時のチェックはそれ自体がグローバル設定であり,セクション・ファイルまたはコマンド・ファイルにセーブできるものだからです。設定をセーブした後,そのセクション・ファイルまたはコマンド・ファイルを使用する以降の編集セッションにその設定が適用されます。
A.3.4 セクション・ファイルへの属性のセーブ
通常,属性はセクション・ファイルにセーブします。セクション・ファイルはバイナリ形式で,属性,キー定義 (学習シーケンスを含む),メニュー定義,コンパイルされたプロシージャ,およびエディタへのその他の拡張をセーブします。これには使用中のセクション・ファイルにセーブされているものも含まれます。実際上,セクション・ファイルは EVE のカスタマイズ・バージョンといえます。セクション・ファイルはバイナリ形式なので,スタートアップ時に敏速に実行されます。
セクション・ファイルを作成するには, SAVE EXTENDED EVE コマンド (EVE の前のバージョンのコマンドと同じ) または SAVE ATTRIBUTES コマンドを使用します。 SAVE EXTENDED EVE を使用する場合,コマンド行でセクション・ファイルを指定するか, EVE にセクション・ファイル名のプロンプトを表示させることができます。 SAVE ATTRIBUTES を使用する場合,セクション・ファイル名はプロンプトに対する応答として指定します。
セクション・ファイルへのセーブを高速化するために,省略時のセクション・ファイルを設定し,セクション・ファイル名のプロンプトを表示しないようにすることができます。省略時のセクション・ファイルとは,属性をセーブするたびにファイルを指定しなくても属性がセーブされるセクション・ファイルです。
たとえば,次のコマンドは,現在のディレクトリにあるMYSEC.TPU$SECTION というセクション・ファイルに,属性とその他のカスタマイズ内容をセーブします。
Command: SAVE ATTRIBUTES Save attributes in a section file [YES]? Return File to save in: mysec DISK$1:[USER]MYSEC.TPU$SECTION;1 created |
次の表は,省略時のセクション・ファイルとセクション・ファイル・プロンプトの設定の影響を示しています。
コマンドの設定 | SAVE ATTRIBUTES の効果 |
---|---|
SET DEFAULT SECTION FILE
SET SECTION FILE PROMPTING |
属性をセーブするとき,セクション・ファイルにセーブするかどうかが尋ねられる。 Yes を指定すると (省略時の応答),省略時のセクション・ファイルにセーブされる。 No を指定すると,コマンド・ファイルにセーブするかどうかが尋ねられる。 |
SET DEFAULT SECTION FILE
SET NOSECTION FILE PROMPTING |
属性をセーブするとき,プロンプトを表示せずに省略時のセクション・ファイルにセーブされる。 |
SET NODEFAULT SECTION FILE
SET SECTION FILE PROMPTING |
属性をセーブするとき,セクション・ファイルにセーブするかどうかが尋ねられる。 Yes を指定すると,セクション・ファイル名の入力を求めるプロンプトが表示される。 No を指定すると,コマンド・ファイルにセーブするかどうかが尋ねられる。省略時の設定である。 |
SET NODEFAULT SECTION FILE
SET NOSECTION FILE PROMPTING |
属性をセーブするとき,コマンド・ファイルにセーブするかどうかが尋ねられる ( 付録 A.3.6 項 を参照)。 |
通常,SET DEFAULT SECTION FILE を使用する場合,将来の編集セッションのスタートアップ時に使用するセクション・ファイルを指定します。このコマンドは,エディタの起動時に実行されるセクション・ファイルを決定するものではなく,属性やその他のカスタマイズ内容をセーブするセクション・ファイルを指定するものです。
セクション・ファイルは,セーブするキー定義やメニュー定義,およびプロシージャによっては,かなり大きくなる場合があります。ディスク領域が限られている場合は,ディスク領域をそれほど必要としないコマンド・ファイルにセーブするとよいでしょう。セクション・ファイルの作成と使用についての詳しい説明は, EVE オンライン・ヘルプの「Section Files」というトピックを参照してください。
A.3.6 コマンド・ファイルへの属性のセーブ
コマンド・ファイルには,スタートアップ時にコンパイルされ実行される DECTPU のプロシージャと文が含まれます。実際上,コマンド・ファイルは EVE を拡張するための一連のプログラムであるといえます。バッチ編集のためにコマンド・ファイルを使用することもできます。コマンド・ファイルを使用すると,セクション・ファイルを使用した場合に比べてスタートアップ時の処理速度は遅くなります。どの程度遅くなるかは,コンパイルされるプロシージャや実行される文の数によって異なります。ただし,コマンド・ファイルが必要とするディスク領域は,セクション・ファイルよりも少なくなります。また,コマンド・ファイルは編集したり,プリントすることができます。コマンド・ファイルを編集した場合,編集セッションの間に EXTEND コマンドを使用してプロシージャをコンパイルし直すことができます。コマンド・ファイルの省略時のファイル・タイプは .TPU です。
SAVE ATTRIBUTES コマンドを使用する場合,または終了時や取り消し終了時に属性をセーブする場合,コマンド・ファイルの自動作成や自動更新を行うことができます。特別にマークされた DECTPU 文ブロックが設定やメニュー定義について作成されます。自分自身のプロシージャおよびキー定義を持つコマンド・ファイルを作成した場合は,属性設定のブロックをコマンド・ファイルに追加することができます。
例 A-1 は,EVE が生成したコードの例を示しています。
例 A-1 コマンド・ファイルに属性をセーブするために EVE が生成したコード |
---|
! EVE-generated code begin ! EVE attributes begin eve$set_find_case_sensitivity (FALSE); eve_set_box_noselect; eve_set_box_pad; eve_set_cursor_bound; eve_set_nodefault_command_file; eve_set_nodefault_section_file; eve_set_exit_attribute_check; eve_set_pending_delete; eve_set_nosection_file_prompting; eve_set_tabs ('INSERT'); eve_set_tabs ('VISIBLE'); ! EVE attributes end ! EVE-generated code end |
コマンド・ファイルに属性をセーブするには,次のように SAVE ATTRIBUTES コマンドを使用します。
Command: SAVE ATTRIBUTES Save attributes in a section file [YES]? no Save attributes in a command file [YES]? Return Enter file name [TPU$COMMAND.TPU] MYCOM 14 lines written to file DISK$1:[USER]MYCOM.TPU;1 |
コマンド・ファイル名の入力を求めるプロンプトには,省略時のコマンド・ファイルが大括弧で囲まれて表示されます。この省略時のファイルは,プロンプトに対してファイル名を入力せずに Return キーを押した場合に使用されます。この省略時のファイルは次のいずれかです。
自分に合った省略時のコマンド・ファイルを設定できます。省略時のコマンド・ファイルとは,属性をセーブするたびにファイルを指定しなくても EVE が作成または更新するコマンド・ファイルを指します。たとえば,次のコマンドは,省略時のコマンド・ファイルとして現在のディレクトリにある MYCOM を設定します。
Command: SET DEFAULT COMMAND FILE MYCOM |
セクション・ファイルではなくコマンド・ファイルにセーブしたい場合, SET NOSECTION FILE PROMPTING コマンドも使用するようにします。すると,属性をセーブするときに,コマンド・ファイルにセーブするかどうかについてだけが尋ねられます。つまり,セクション・ファイルにセーブするかどうかについては尋ねられません。
通常は,SET DEFAULT COMMAND FILE を使用する場合,将来の編集セッションのスタートアップ時に使用するコマンド・ファイルを指定します。このコマンドは,EVE の起動時に実行されるコマンド・ファイルを決定するものではなく,属性やメニュー定義をセーブするコマンド・ファイルを指定するものです。
コマンド・ファイルの作成および使用についての詳しい説明は, EVE オンライン・ヘルプの「Command Files」というトピックを参照してください。
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