日本語 Compaq OpenVMS VAX
オペレーティング・システム
V7.3 インストレーション・ガイド


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1.4 必要なハードウェアの最小構成

日本語 Compaq OpenVMS VAX V 7.3 は,VAX アーキテクチャの各機種で動作します(一部の機種を除く)。また,日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 が動作するためには以下の環境が必要です。

詳細は『日本語 Compaq OpenVMS オペレーティング・システム V7.3 ソフトウェア仕様書』 (SPD) を参照してください。

1.5 必要なソフトウェア

1.5.1 標準版 Compaq OpenVMS VAX V 7.3

日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 をインストールするためには,標準版 Compaq OpenVMS VAXが V 7.3 であることが必要です。インストレーションの方法については『OpenVMS VAX Version 7.3 Upgrade and Installation Manual』を参照してください。

1.5.2 XPG4 ロケール・データ・ファイル

標準版 Compaq OpenVMS VAX V 7.3 のインストール後, XPG4 ロケール・データ・ファイル・キットのインストレーションが必要です。ロケール・データ・ファイルは,V6.2 から標準版 OpenVMS VAX で提供されるようになった, XPG4 ランタイム・ライブラリおよびユーテリティで使用されるもので,独立したキットで提供されています。

キット名は VMSI18N073 です。このキットは CD-ROM の場合は標準版 Compaq OpenVMS VAX & Alpha V 7.3 Associated Layered Products CD-ROM および日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 CD-ROM の両方に含まれています。

VMSINSTAL を起動すると,VMSINSTAL の初期メッセージが表示された後,各国語サポートに関する4 つの質問が表示されます。このうち,日本語サポートについて "YES" と入力してください。日本語サポート以外のインストレーションは必須ではありませんので,"NO" を入力します。実際の質問は次のとおりです。


 
        * Do you want European and US support [YES]? 
        * Do you want Chinese support [YES]? 
        * Do you want Japanese support [YES]? 
        * Do you want Korean support [YES]? 
        * Do you want Thai support [YES]? 
        * Do you want the Unicode converters [YES]? 
 

日本語サポートのみを選択した場合,インストール時に必要なディスク容量は約 10,000ブロックです。

注意

日本語サポート以外のインストールは,日本語 Compaq OpenVMS VAX V 7.3 をインストールするための必須インストールではありません。また,US サポートは,標準版 Compaq OpenVMS VAX V 7.3 のインストレーションにより提供されています。もし,全ての質問に対して"YES" と答えた場合,システム・ディスク上で約 80,000 ブロックの容量を占めますのでご注意ください。

インストレーションの例を 付録 B に示しますので,参照してください。

1.6 インストレーションに必要な時間

日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 すべてをインストールするためには ( VAXstation 4000-60 で TK50 を使用した場合),約 40 分かかります。

1.7 インストレーションに必要な特権

インストレーションには,次の特権が必要です。

なお,VMSINSTAL はインストレーション開始のときに BYPASS 特権をはずしますので注意してください。

1.8 必要なディスク容量

日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 をインストールするために必要なディスク容量は,次の表のとおりです。

必要とするディスク容量のサイズは,インストールするモジュールを選択することによって,次の表より小さくなります。

必要なシステム・ディスクのサイズ
  インストール時 インストール後
必須セーブセットのみ 約 18,000 ブロック 約 16,000 ブロック
必須+ユーティリティセーブセット 約 44,000 ブロック 約 36,000 ブロック
必須+ユーティリティ+
オプショナルセーブセット
約 50,000 ブロック 約 42,000 ブロック
必須+ユーティリティ+
オプショナル+DECwindowsサポート
約 77,000 ブロック 約69,000 ブロック

現在の空きブロック数は,次のようにしてみることができます。


     $ SHOW DEVICE device-name 

値が十分でないときは,不必要なファイルを消すなどの処置をとってください。日本語 Compaq OpenVMS VAX ファイルの削除については,本書の 第 6 章 ,ならびに 付録 E を参照してください。

1.9 必要なシステム・パラメータ

日本語システムのユーティリティは,インストレーション後に次表の値のグローバル・ページ ,グローバル・セクション を必要とします。

ユーティリティとイメージ グローバル・ページ グローバル・セクション
CMGR    
  CMGRSHR.EXE   114  3
  CMGRDISPSHR.EXE    88  3
JMAIL    
  JMAIL.EXE   224  3
  JMAILSHR.EXE   118  1
  JMAILSHRP.EXE   122  3
  JMAILMSG.EXE    26  1
日本語共有イメージ    
  JSYSHR.EXE   340  5
  JSYSHRP.EXE    16  4
日本語画面管理ライブラリ    
  JSY$SMGSHR.EXE   396  2
JTPU共有イメージ    
  JTPUMSG.EXE   120  1
  JTPUSHR.EXE   536  2
  JTPU$CCTSHR.EXE   132  2
  JTPU$DECWSHR.EXE   198  2
KANJIGEN    
  KANJIGEN.EXE    46  3
KINQUIRE    
  KINQ.EXE     8  1
SORT, MERGE    
  SORTDTYPE.EXE    28  2
  SORJPNDICT.EXE    84  2
IMLIB    
  IM$SHR.EXE    82  3
  IM$MESSAGE.EXE     8  1
TYPE    
  TYPE.EXE    20  1
  JSY$UTIL$SHARE.EXE     4  1
  CLIUTLMSG.EXE   212  1
FIP    
  FIP.EXE   174  2
  FIP$CONTROL.EXE     6  1
  FIPSHR.EXE    60  4
  IM$HMCISVECSHR.EXE    10  2
  IM$ARKSHR.EXE    20  3
  IM$HMJSYVECSHR.EXE    28  2
  IM$CIS_TRANSPORT_DECNET.EXE     4  1
  IM$CIS_TRANSPORT_LOCAL.EXE     4  1
  IM$CICSHR.EXE     4  1
  IM$HMSHR.EXE   136  3
  IM$KKCSHR.EXE    20  3
  FIPMSG.EXE    18  1
XTPU    
  JEVE$SECTION_V3.XTPU$SECTION  2,672  1
  XTPU.EXE     4  1
  XTPU$CCTSHR.EXE   138  1
  XTPU$CSSHR_JA_JP.EXE   156  1
  XTPU$MOTIFSHR.EXE   226  1
  XTPUSHR.EXE   760  1
  XTPUMSG.EXE   148  1
 
  合計 7,510 78

日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 のインストレーション・プロシージャは,最低限必要なグローバル・ページ,グローバル・セクションの空きをそれぞれ 8,500 ページ,79 セクションとしています。現在のシステムの設定がこの値に満たない場合,またシステムのDCLTABLES.EXE が 1,000 ページ以上あるような場合,インストレーションは失敗します。

現在のシステムで使用可能なグローバル・ページとグローバル・セクションの空きは,次のようにして調べることができます。


     $ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLPAGES") 
     $ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLSECTS") 

インストレーション中には,DCLTABLES.EXE などの再インストールが行なわれるために,上の表の合計値よりさらに大きなグローバル・ページ,グローバル・セクション空きが必要となります。

グローバル・ページ ,グローバル・セクション の値は,次のようにして変更することができます。

  1. SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT に追加

    次の行をSYS$SYSTEM:MODPARAMS.DATに加えてください。


         GBLPAGES = <グローバル・ページの値> 
         GBLSECTIONS = <グローバル・セクションの値> 
    


    あるいは次の行でもかまいません。


         ADD_GBLPAGES = <追加するグローバル・ページの値> 
         ADD_GBLSECTIONS = <追加するグローバル・セクションの値> 
    


  2. AUTOGENをかける

    次のように AUTOGEN を実行してください。


         $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA REBOOT NOFEEDBACK 
    

    システムがシャット・ダウンされリブートされます。グローバル・ページとグローバル・セクションの数は,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT に書かれた数に変更になります。

1.10 システム・ディスクのバックアップ

インストレーションの最初に,システム・ディスクをバックアップしたかどうかを尋ねてきます。インストレーション中に問題が発生したときのために,システム・ディスクのバックアップをとっておくことをお勧めします。

バックアップ実行の詳細については,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

1.11 日本語 Compaq OpenVMS VAX V 7.3 より前のバージョンからのアップグレード

日本語 Compaq OpenVMS VAX V6.1,V6.2,V7.0,V7.1またはV7.2 から日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 にアップグレードする場合は,必ず以下の手順で行うようにしてください。

  1. 日本語 Compaq DECwindows Motif のバージョンアップ

    日本語 Compaq DECwindows Motif を実行していない場合

    ワークステーションで日本語 Compaq DECwindows Motif を実行していない場合は,この作業は必要ありませんので 3 の作業へ進んでください。

    日本語 Compaq OpenVMS V7.3 でサポートされる日本語 Compaq DECwindows Motif のバージョンは V1.2-4 以上です。V1.2-4 より前のバージョンをお使いの場合は,あらかじめ V1.2-4 以上へのアップグレードを行ってください。

    なお日本語 Compaq OpenVMS 7.3 の CD-ROM には日本語 Compaq DECwindows Motif V1.2-6 が含まれていますので,V1.2-6 へのアップグレードをお勧めします。

  2. 日本語 Compaq DECwindows Motif 言語設定の変更

    ワークステーションで日本語 Compaq DECwindows Motif を実行しており,SYSTEM アカウントのセッション・マネージャの言語設定が「日本語」になっている場合は「US English」に変更してください。

  3. SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM の編集

    SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COMをエディタで編集して,日本語 Compaq OpenVMS 関係の初期化処理を行っている箇所 ( たとえば JSY$STARTUP.COM, KANJIUP.COM を呼び出している部分や漢字プリンタの装置 ddcu を割り当てている部分)を,次のようにコメント・アウトしてください。


     
            $! @SYS$STARTUP:JSY$STARTUP 
            $! ASSIGN ddcu: JSY$PRINT 
            $! @JSY$SYSTEM:KANJIUP 
     
    

  4. システム設定の変更

    日本語 Compaq OpenVMS VAX を標準版 Compaq OpenVMS VAX にもどすためには, SYSGEN パラメータの TTY_CLASS を TT にするなどいくつかの設定の変更が必要となります。この作業を行うために以下のコマンド・プロシージャを実行してください。


     
            $ @JSY$SYSTEM:JSY$RESETPARAMS.COM 
     
    

    AUTOGEN が実行されシステムは自動的にシャット・ダウンされます。これで標準版 Compaq OpenVMS VAX V 7.3 へのアップグレードが可能な状態になっています。

  5. 標準版 Compaq OpenVMS VAX V 7.3 へのアップグレード

    標準版 Compaq OpenVMS VAX V 7.3 のキットを用いて,標準版 Compaq OpenVMS VAX のアップグレードを行ってください。アップグレードの方法については『 Compaq OpenVMS VAX Version 7.3 Upgrade and Installation Manual 』を参照してください。

  6. XPG4 ロケール・データ・ファイル・キットのインストール

    ロケール・データ・ファイル・キット VMSI18N073 のインストレーションを行ってください。インストレーションの手順は 第 1.5.2 項 を参照してください。

  7. 日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 のインストール

    日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 のインストレーションを行ってください。以後の作業については, 第 2 章 "日本語インストレーション" およびそれ以降の章を参照してください。


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