日本語 Compaq OpenVMS VAX オペレーティング・システム

日本語 Compaq OpenVMS VAX
オペレーティング・システム

V7.3 インストレーション・ガイド

AA-PQE5H-TE


2001 年 7 月

本書は,日本語 Compaq OpenVMS VAX オペレーティング・システム V7.3 をインストールする方法について説明します。日本語 Compaq OpenVMS VAX オペレーティング・システム V7.3 をインストールする前に,必ず本書をお読みください。

改訂/更新情報: 新規マニュアルです。
ソフトウェア・バージョン: 日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3


コンパックコンピュータ株式会社


© 2001 Compaq Computer Corporation

本書の著作権はコンパックコンピュータ株式会社が保有しており,本書中の解説および図,表はコンパックの文書による許可なしに,その全体または一部を,いかなる場合にも再版あるいは複製することを禁じます。

また,本書に記載されている事項は,予告なく変更されることがありますので,あらかじめご承知おきください。万一,本書の記述に誤りがあった場合でも,コンパックは一切その責任を負いかねます。

本書で解説するソフトウェア(対象ソフトウェア)は,所定のライセンス契約が締結された場合に限り,その使用あるいは複製が許可されます。

コンパックは,コンパックまたはコンパックの指定する会社から納入された機器以外の機器で対象ソフトウェアを使用した場合,その性能あるいは信頼性について一切責任を負いかねます。

以下は,米国 Compaq Computer Corporation の商標です。

COMPAQ,VAX,VMS および Compaq ロゴ。

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まえがき

本書の目的

本書は,日本語 Compaq OpenVMS VAX オペレーティング・システム V7.3 をインストールする方法について解説します。標準版 Compaq OpenVMS のインストレーションについては関連資料を参照してください。

対象読者

本書は,システム管理者を対象としています。日本語 Compaq OpenVMS VAX オペレーティング・システム V7.3 をインストールする前に,必ず本書をお読みください。

本書の構成

本書は6つの章と5つの付録で構成されています。

第 1 章 日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 インストレーション・キットの構成,インストレーションに必要な資源など,日本語 Compaq OpenVMS VAX をインストールする前の準備について説明します。
第 2 章 日本語 Compaq OpenVMS VAX をインストールする手順について説明します。
第 3 章 日本語 Compaq OpenVMS VAX が正しくインストールされたかどうかを検証する方法(IVP)について説明します。
第 4 章 日本語 Compaq OpenVMS VAX のインストレーション後に行う作業について説明します。
第 5 章 日本語 Compaq OpenVMS VAX のインストレーションで発生する可能性のあるエラーと,それに対する処置について説明します。
第 6 章 日本語 Compaq OpenVMS VAX のテーラリング・ユーティリティについて説明します。
付録 A 典型的な日本語 Compaq OpenVMS VAX のインストレーション例について説明します。
付録 B XPG4 ロケール・データ・ファイルのインストレーション例について説明します。
付録 C 日本語 Compaq OpenVMS VAX インストレーション検証プロシージャの出力例を示します。
付録 D 日本語 Compaq OpenVMS VAX が提供するファイル一覧を示します。
付録 E 日本語 Compaq OpenVMS VAX のテーラリング・ユーティリティの出力例を示します。

関連資料

本書で使用する表記法

本書では,日本語 Compaq OpenVMS VAX は日本語 Compaq OpenVMS VAX オペレーティング・システムを指します。

また,日本語 Compaq DECwindows および日本語 Compaq DECwindows Motif はすべて日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS ソフトウェアを意味します。

また,本書では次の表記法も使用しています。

表記法 意味
Ctrl/x Ctrl/x という表記は, Ctrl キーを押しながら別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押すことを示します。
PF1 x PF1 x という表記は,PF1 に定義されたキーを押してから,別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押すことを示します。
[Return] 例の中で,キー名が四角で囲まれている場合には,キーボード上でそのキーを押すことを示します。テキストの中では,キー名は四角で囲まれていません。

HTML 形式のドキュメントでは,キー名は四角ではなく,括弧で囲まれています。

... 例の中の水平方向の反復記号は,次のいずれかを示します。

  • 文中のオプションの引数が省略されている。

  • 前出の 1 つまたは複数の項目を繰り返すことができる。

  • パラメータや値などの情報をさらに入力できる。

.
.
.
垂直方向の反復記号は,コードの例やコマンド形式の中の項目が省略されていることを示します。このように項目が省略されるのは,その項目が説明している内容にとって重要ではないからです。
( ) コマンドの形式の説明において,括弧は,複数のオプションを選択した場合に,選択したオプションを括弧で囲まなければならないことを示しています。
[ ] コマンドの形式の説明において,大括弧で囲まれた要素は任意のオプションです。オプションをすべて選択しても,いずれか1つを選択しても,あるいは1つも選択しなくても構いません。ただし,OpenVMS ファイル指定のディレクトリ名の構文や,割り当て文の部分文字列指定の構文の中では,大括弧に囲まれた要素は省略できません。
[|] コマンド形式の説明では,括弧内の要素を分けている垂直棒線はオプションを 1 つまたは複数選択するか,または何も選択しないことを意味します。
{ } コマンドの形式の説明において,中括弧で囲まれた要素は必須オプションです。いずれか1のオプションを指定しなければなりません。
太字 太字のテキストは,新しい用語,引数,属性,条件を示しています。
italic text イタリック体のテキストは,重要な情報を示します。また,システム・メッセージ (たとえば内部エラーnumber),コマンド・ライン(たとえば /PRODUCER=name),コマンド・パラメータ(たとえばdevice-name) などの変数を示す場合にも使用されます。
UPPERCASE TEXT 英大文字のテキストは,コマンド,ルーチン名,ファイル名,ファイル保護コード名,システム特権の短縮形を示します。
Monospace type モノスペース・タイプの文字は,コード例および会話型の画面表示を示します。

C プログラミング言語では,テキスト中のモノスペース・タイプの文字は,キーワード,別々にコンパイルされた外部関数およびファイルの名前,構文の要約,または例に示される変数または識別子への参照などを示します。

- コマンド形式の記述の最後,コマンド・ライン,コード・ラインにおいて,ハイフンは,要求に対する引数がその後の行に続くことを示します。
数字 特に明記しない限り,本文中の数字はすべて10 進数です。 10 進数以外 (2 進数,8 進数,16 進数) は,その旨を明記してあります。


第 1 章
インストール前の準備

この章では,日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 のインストレーションをする前の準備について説明します。

1.1 ディストリビューション・キット

日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 オペレーティング・システムで提供されるキットはイニシャル・キット であり,標準版 Compaq OpenVMS VAX V 7.3 を日本語化するためのモジュールのみを含んでいます。次のユーザは,このキットを使用してください。

1.2 日本語 Compaq OpenVMS VAX の構成

日本語 Compaq OpenVMS VAX は,標準版 Compaq OpenVMS と同様に,一部のシステムのみをインストールして使用できるように,以下の4個のセーブセット から構成されています。

個々のセーブセットはさらに,数個の機能あるいはユーティリティからなるテーラリング・クラスで構成されており,ユーザはテーラリングするかどうかを選択できます。

ただし,通常の場合,すべてのセーブセットは無条件にインストールされます。システム・ディスクに必要なディスク・スペースがない場合,または明示的にセーブセットを指定した場合に,個々のセーブセットを選択し,インストールします。しかし,その場合にも必須セーブセットは必ず選択されます。もし,必須セーブセット以外のファイルで不要なものがある場合は,インストール後にテーラリング・ユーティリティを使用してファイルを削除(テーラ・オフ)してください。テーラリング・ユーティリティの使用法については,本書の 第 6 章 を参照してください。

それぞれのセーブセットをインストールすることで使用できる機能を,以下に示します。個々の機能の詳細は,各ユーティリティの利用者の手引きを参照してください。

1.2.1 必須セーブセット

  1. 日本語スタートアップ・プロシージャ

    日本語 Compaq OpenVMS VAX の初期設定を行うプロシージャ群です。

  2. 日本語ライブラリ

    日本語文字列操作ルーチンや日本語汎用ライブラリ,かな漢字変換ライブラリ,日本語画面制御ライブラリ(SMG),ユーザ・キー定義ライブラリ(IMLIB),日本語 COBOL ランタイム・ライブラリなどのプログラム開発用の各種ライブラリです。

  3. KANJIGEN(漢字端末設定ユーティリティ)

    漢字ビデオ・ターミナルや漢字プリンタなどの属性の表示および設定を行うユーティリティです。

  4. DEC XTPU

    DECTPU に日本語処理機能を追加したもので,日本語 EVE エディタが標準で用意されています。

  5. テーラリング・ユーティリティ

    日本語 Compaq OpenVMS VAX のファイルの部分的な追加,削除を行います。

1.2.2 ユーティリティ・セーブセット

  1. 日本語ユーティリティ

    日本語メール・ユーティリティなどの,以下のユーティリティが含まれます。

    KCODE 漢字コード変換
    KCONVERT DEC漢字コード変換
    KINQUIRE ローマ字・かな漢字変換型 INQUIRE コマンド
    JDICEDIT 辞書編集ユーティリティ
    JMAIL 日本語メール・ユーティリティ
    SORT,MERGE 日本語ソート・日本語マージ

  2. フォント管理ユーティリティ

    ユーザ定義文字の管理及びユーザ定義文字のプリンタでの印字などをサポートするユーティリティが含まれています。

    Kanji font database 漢字フォント・データ
    Kanji utility Help 漢字ユーティリティのHELP
    Kanji print symbiont 漢字プリンタ用プリント・シンビオント
    Kanji terminal driver 漢字端末用ドライバ
    CMGR ユーザ定義文字管理ユーティリティ

  3. FIP(日本語入力プロセス)

    日本語 Compaq OpenVMS VAX 上の端末(VT284,VT382など)上で動いているアプリケーションに,日本語を入力するためのフロントエンド・システムです。

  4. プログラミング・サポート

    日本語ライブラリを使用したプログラム用のインクルード・ファイルなどが含まれています。

  5. 日本語システムのヘルプ

  6. 翻訳ヘルプ/メッセージ

1.2.3 オプショナル・セーブセット

日本語 Compaq OpenVMS VAX の付加的機能を提供します。

IVP インストレーションの検証プロシージャ
サンプル・プログラム 日本語ユーティリティ,DEC XTPU などのプログラム例
古いファイル JTPU の共有イメージなど

1.2.4 日本語 Compaq DECwindows サポート セーブセット

日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS が使用するフォント・ファイル,キーマップ・ファイルなどを提供します。標準版 Compaq OpenVMS で DECwindows ファイルをインストールしている場合にのみ必要となります。

キーマップ・ファイル 日本語キーボードに対応したキーマップ・ファイル
フォント別名ファイル 指定されたファイルがない場合に使用する別名フォントを記述するファイルの例
75dpi フォント 75dpi の日本語フォント
100dpi フォント 100dpi の日本語フォント

1.3 OpenVMS ライセンス・マネジメント・ファシリティ

新規に日本語 Compaq OpenVMS VAX を使用するユーザは,日本語 Compaq OpenVMS VAX をインストールする際に,必ずソフトウェア・ライセンスを登録しなければなりません。ライセンスを登録するための情報は,日本語 Compaq OpenVMS VAX と一緒に出荷される,プロダクト・オーソライゼーション・キー (PAK) に含まれています。PAK はライセンス情報が記載されている用紙です。

日本語 Compaq OpenVMS VAX のライセンスは,インストレーションの前でも後でも登録できますが,インストレーションの前に行うことをお勧めします。日本語 Compaq OpenVMS VAX ではインストレーション中にライセンスを登録し,キーをロードしたかどうかを確認するようになっています。ライセンスの登録とキーのロードを行っていない場合は,インストレーションを行うことはできますが,日本語 Compaq OpenVMS VAX を使用したり,IVP を実行したりすることはできません。ライセンスを登録し,キーをロードして初めて,日本語 Compaq OpenVMS VAX を使用したり, IVP を実行したりすることができます。

ライセンスを登録する方法には次の2つがあります。

  1. コマンド・プロシージャ SYS$UPDATE:VMSLICENSE.COM を使用する。

  2. DCL コマンド LICENSE REGISTER を使用する。

詳細は『OpenVMS License Management Utility Manual』を参照してください。


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