日本語 Compaq OpenVMS VAX
オペレーティング・システム
V7.3 インストレーション・ガイド


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第 3 章
インストレーションの検証

この章では,インストレーションの検証について説明します。

3.1 日本語 Compaq OpenVMS インストレーション検証プロシージャ

日本語 Compaq OpenVMS インストレーション・キットには,日本語 Compaq OpenVMS が正しくインストールされたかどうか確認するための,インストレーション検証プロシージャ(IVP) が含まれています。インストレーション検証プロシージャ(JSY$IVP.COM) は,SYS$TEST に置かれます。ただし,これは日本語 Compaq OpenVMS オプショナル・セーブセットをインストールしている場合に限ります。

インストレーション検証プロシージャは,日本語 Compaq OpenVMS の主な 14 個のユーティリティについてのテストから構成されており,このコマンド・プロシージャが正常終了した場合は,日本語 Compaq OpenVMS が正しくインストールされたことを示します。

日本語 Compaq OpenVMS のインストレーション時にIVP の実行を指定すると, VMSINSTAL は,日本語 Compaq OpenVMS の各ユーティリティがインストールされた後に,インストレーション検証プロシージャを起動します。

また,日本語 Compaq OpenVMS のインストレーション後に PAK を登録しロードした後に,単独でインストレーション検証プロシージャを実行することもできます。その場合には,


     $ @SYS$TEST:JSY$IVP.COM 

と入力してインストレーション検証プロシージャを起動します。ただし,この場合には,SYSPRV 特権が必要です。

次のような場合には,インストレーション検証プロシージャを実行してください。

インストレーション検証プロシージャは,日本語 Compaq OpenVMS の 14 個のユーティリティが,それぞれインストールされているかどうかを判断し,インストールされていたならば,そのユーティリティについてのテストを実行します。

各ユーティリティそれぞれについてのテストが終了した時点で,そのユーティリティに問題が発見された場合,エラー・メッセージが出力されます。そして,14 個のテストすべてが終了した後に,日本語 Compaq OpenVMS のインストレーションが成功したかどうかのメッセージが出力されます。エラー・メッセージはJSY$TEST:ERROR.DAT にも出力されます。

すべてのユーティリティについてのテストの実行ではなく,1つのユーティリティについてだけテストを実行することができます。その場合には,


     $ @JSY$TEST:IVP_SETUP.COM [ユーティリティ・テスト名] 

と入力してください。たとえば,JSORTユーティリティの場合には,次のようになります。


     $ @JSY$TEST:IVP_SETUP.COM IVP_JSORT 

上記の @SYS$TEST:JSY$IVP.COM は,これらのユーティリティ単独のテストを次の順番に実行しています。


     IVP_CMGR
     IVP_FIP
     IVP_JCOBOL
     IVP_JDICEDIT
     IVP_JMAIL
     IVP_JSORT
     IVP_KANJIGEN
     IVP_KCODE
     IVP_KCONVERT
     IVP_KINQUIRE
     IVP_NCOBOL
     IVP_TMH
     IVP_XTPU
     IVP_JSNA

ただし,テストはインストールされているユーティリティについてだけ実行されます。 IVP が正しく実行されるためには,ファイル F_[ IVP 名].DAT が JSY$TEST に存在していなければなりません。もし,それがないとエラー・メッセージが出力されます。また,ファイル F_NECESSARY.DAT も存在しなければなりません。

IVP を途中で止めたいときは [Ctrl/Y] を押してください。

インストレーション検証プロシージャが,正常に終了した場合の出力メッセージについては, 付録 C を参照してください。

現在使用中の日本語 Compaq OpenVMS VAX システムが,日本語オプショナル・セーブセット( 第 1.2.3 項 を参照)をインストールしていないときには,まず,日本語テーラリング・ユーティリティで,インストレーション検証プロシージャのテーラ・クラスをテーラ・オン指定し,システム・ディスクに追加してから実行する必要があります。詳しくは 第 6 章 を参照してください。

なお,インストレーション検証プロシージャは,日本語 Compaq OpenVMS VAX ライセンスが登録されていないと,インストール終了時には実行されません。


第 4 章
インストレーション後の作業

この章では,日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 をインストールした後に行う作業について説明します。

4.1 イニシャル・インストール後の作業

日本語 Compaq OpenVMS VAX を初めてシステムにインストールした場合は,インストール後に次の作業を行ってください。なお,日本語 Compaq OpenVMS VAX V6.1,V6.2,V7.0,V7.1 または V7.2 からアップグレードを行った場合は, 第 4.2 節 "アップグレード後の作業" をご覧ください。

4.1.1 日本語 Compaq OpenVMS スタートアップ

日本語 Compaq OpenVMS を使用する前に,論理名やノウン・イメージなどの初期化が必要です。標準版 Compaq OpenVMS を立ち上げたときに,日本語 Compaq OpenVMS も自動的に初期化されるように以下の作業をしてください。 OpenVMS クラスタ・システムの場合は,各ノードごとに行ってください。

  1. SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM に次のように 日本語 Compaq OpenVMS スタ−トアップ・プロシージャを実行する行を追加してください。


         $ @SYS$STARTUP:JSY$STARTUP.COM 
     
    


    なおJSY$STARTUP.COM は,テンプレート・ファイル
    JSY$STARTUP.TEMPLATEも提供されていますので,それを使って独自のスタートアップ・プロシージャを作ることも可能です。

  2. 漢字プリンタを使用するときは,次のコマンドを SYS$MANAGER:JSY$SETUP_PRINT.COM に追加してください。


         $ ASSIGN/SYSTEM ddcu: JSY$PRINT 
    


    ここで,ddcu: は漢字プリンタの装置名です。また,JSY$SETUP_PRINT を実行するために,次の1行を SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM の,JSY$STARTUP,STARTNET,LAT$STARTUP の後ろに追加してください。


         $ @SYS$MANAGER:JSY$SETUP_PRINT.COM 
    

  3. システムの省略時のロケールを設定する時は,次のコマンドを
    SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM に追加してください。


     
            $ DEFINE/SYSTEM/EXEC SYS$LANG "ja_JP.sdeckanji" 
     
    


    この例では省略時のロケールを ja_JP.sdeckanji に設定しています。設定可能な日本語ロケールは次の4つのいずれかです。

    ja_JP.deckanji
    ja_JP.sdeckanji
    ja_JP.eucJP
    ja_JP.sjis

  4. システムをリブートしてください。日本語 Compaq OpenVMS VAX V 7.3 がスタートします。 OpenVMS クラスタ・システムで,ライセンスがロードされていないために日本語 Compaq OpenVMS が実行できないときは,LICENSE LOAD コマンドでライセンスをロードしてください。
    詳細は,『 Compaq OpenVMS License Management Utility Manual 』を参照してください。

4.1.2 漢字ターミナルの設定

実際に日本語ユーティリティを使用する前に,漢字ターミナルの設定を行わなければなりません。

詳細は,『日本語 Compaq OpenVMS 概説書』を参照してください。

4.2 アップグレード後の作業

日本語 Compaq OpenVMS VAX V6.1,V6.2,V7.0,V7.1 または V7.2 から日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 にアップグレードを行った場合には,以下の作業を行ってください。

  1. アップグレード前にコメント・アウトした SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM の中の日本語 Compaq OpenVMS 関係の初期化処理を行っている箇所(たとえば JSY$STARTUP.COM,KANJIUP.COM を呼び出している部分や漢字プリンタの装置 ddcu を割り当てている部分)をもとにもどし,システムのブート時に日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 が起動するようにしてください。


     
            $ @SYS$STARTUP:JSY$STARTUP 
            $ ASSIGN ddcu: JSY$PRINT 
            $ @JSY$SYSTEM:KANJIUP 
     
    

  2. システムの省略時のロケールを設定する時は,次のコマンドを
    SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM に追加してください。


     
            $ DEFINE/SYSTEM/EXEC SYS$LANG "ja_JP.sdeckanji" 
     
    


    この例では省略時のロケールを ja_JP.sdeckanji に設定しています。
    設定可能な日本語ロケールは次の4つのいずれかです。

    ja_JP.deckanji
    ja_JP.sdeckanji
    ja_JP.eucJP
    ja_JP.sjis

  3. ワークステーションで日本語DECwindows Motif を実行していて,日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 へのアップグレード前に SYSTEM アカウントのセッション・マネージャの言語設定を「日本語」から「US English」に変更した場合は,「日本語」に戻してください。

  4. システム・パラメータを日本語 Compaq OpenVMS 用に変えるために,次のコマンド・プロシージャを実行してください。システムは AUTOGEN をかけられシャット・ダウンされます。


         $ @JSY$SYSTEM:JSY$SETPARAMS.COM 
    


    なお OpenVMS クラスタ・システムのノードで,JSY$SYSTEM がまだ定義されていない場合,この前に次のコマンドを入力して定義してください。


         $ @SYS$STARTUP:JSY$STARTUP 
    


    このとき,日本語システムのスタートアップが完全に行われないというメッセージが表示されますが,無視してください。

  5. システムをリブートしてください。システムの設定が変更され,日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 がスタートします。

4.3 問題点の通知

本ソフトウェアについては,弊社所定のソフトウェア保証基準に定められた保証が提供されますので,その内容にしたがった処置を取ってください。

なお,ご不明な点につきましては,弊社の各支店/営業所にお問い合わせください。


第 5 章
エラー・リカバリ

この章では,日本語 OpenVMS VAX V7.3 をインストールする際にエラーがでた場合と,その対処方法について説明します。

5.1 インストレーション・エラー

インストレーション中に出るエラーには,次のようなものがあります。

エラー, %JVMS-E-BADVMS, OpenVMS/Japanese VAX Version 7.3 requires OpenVMS VAX Version 7.3


対処方法: 標準版 Compaq OpenVMS VAX のバージョンが 7.3 ではないので,標準版 Compaq OpenVMS VAX V 7.3 のキットを使用して,標準版 Compaq OpenVMS VAX V 7.3 をインストールします。

エラー,%JVMS-E-NOLOCALE, Japanese locale data files are not installed on this system.
%JVMS-E-NOLOCALE, You must install VMSI18N073 kit first.


対処方法: ロケール・データ・ファイル・キット VMSI18N073 がインストールされていない,または VMSI18N073 インストール時に日本語サポートが選択されていません。 VMSI18N073 キットから日本語サポートをインストールしてから,日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 本体をインストールします。

エラー, %JVMS-E-BADCONFIG, this system is not configured to install OpenVMS/Japanese


(1): 現在のシステム・ディスクのフリー・ブロック数が,日本語 Compaq OpenVMS V7.3 必須セーブセットのサイズ,すなわちアップグレードに必要な最低限のフリーブロック数に満たない場合には,次のメッセージを表示します。


You must have 16500 free blocks to perform this upgrade. 
 
     This system is not configured correctly.  Please read the 
     OpenVMS/Japanese VAX V7.3 installation guide for preparing your 
     system for an upgrade. 


対処方法: システム・ディスクのスペースが足りないので,不必要なファイルを消去するなどの処置をしてください。詳細は, 第 1.8 節 を参照してください。


(2): 選択したファイル・サイズが,システム・ディスクのフリー・ブロック数を超えてしまうときは,次のメッセージが表示されます。そのときはもう1度ファイルを選択し直すか,ファイルの選択をやめる必要があります。


     *****  Insufficient disk space  ***** 
 
         Space remaining:  xxx blocks 
 
     Please select new options 

注意

ここでは,xxx は負の整数になります。

ファイルの選択をしていないのに上記のメッセージが表示される場合には,次のメッセージが出力されます。


Disk does not contain enough free blocks to install the minimum 
required files. 
Please contact your DIGITAL representative. 


対処方法: システム・ディスクのスペースが足りないので,不必要なファイルを消去するなどの処置をしてください。詳細は, 第 1.8 節 を参照してください。


(3): 日本語 Compaq OpenVMS VAX V7.3 をインストールするために必要なグローバル・ページ,またはグローバル・セクションが不足している場合には,次のメッセージを表示します。


You must have  8500 global pages, and 75 global sections to perform 
this upgrade.                           
 
This system is not configured correctly.  Please read the 
OpenVMS/Japanese VAX V7.3 installation guide for preparing your 
system for an upgrade. 


対処方法: 本書 第 1.9 節 を参照してください。

警告, %JVMS-W-INVTTY, terminal class driver is not TTDRIVER-JVMS-W-INVTTY, this may cause some unexpected errors


対処方法: ターミナル・ドライバが標準の TTDRIVER でないため,インストレーションを継続した場合に,予期しないエラーを生じる可能性があります。安全のためインストレーションを中断し,システム・パラメータの TTY_CLASSNAME を "TT" に設定し直した後,システムをリブートしてください。

5.2 検証エラー

日本語 Compaq OpenVMS のインストレーション検証時のエラーには,以下のようなものがあります。

エラー,%DCL-E-OPENIN, error opening SYS$TEST:[directory]JSY$IVP.COM; as input
-RMS-F-DEV, error in device name or inappropriate device type for operation


対処方法: 論理名 JSY$TEST が定義されていないので,日本語 Compaq OpenVMS のスタートアップ・プロシージャ SYS$STARTUP:JSY$STARTUP.COM を実行し,JSY$TEST に, SYS$COMMON:[SYSTEST.JSY] を割り当ててください。

詳細は, 第 4 章 を参照してください。

エラー, %RMS-E-PRV, insufficient privilege on file protect violation


対処方法: SYSPRV 特権がプロセスについていないので,以下のようにしてこの特権を付けるか,特権を持ったアカウント(SYSTEM など)から実行してください。


     $ SET PROCESS/PRIVILEGE=SYSPRV 


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