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以下に,このバージョンの日本語 TCP/IP Services の NTP のいくつかの変更点を示します。
TCPIP$NTP_LOG_LEVEL |
28 Jan 14:00:48 offset: 0.012843 sec freq: -3.186 ppm poll: 64 sec |
$ NTPDATE:==$TCIPIP$NTPDATE $ NTPDATE FRED Socket bind error. Verify that the NTP server (TCPIP$NTP) is not running on this host. %SYSTEM-F-DUPLNAM, duplicate name |
これらのメッセージに加えて,NTP ログ・ファイル名が変更されています。 NTP メッセージのログは次のファイルに記録されるようになりました。
TCPIP$NTP_RUN.LOG |
これまでのバージョンの日本語 TCP/IP Services の下で DHCP を使用しているユーザは,現在のリリースで以下の変更が加えられたことに注意してください。
$ DEFINE /SYSTEM TCPIP$DHCP_LOG "file name" |
TCPIP$DHCP_LOG 論理名を定義すると,DHCP はつねに 2 つのログ・ファイルを生成します。1 つは初期化の際のメッセージを含んでいる TCPIP$DHCP_RUN.LOG で,もう 1 つは DHCP の運用中のメッセージを含んでいるユーザ指定のファイルです。
DHCP サーバが OpenVMS クラスタ内の複数のノード上で実行されているとき,これらのノードが同じシステム・ディスク (SYS$SYSDEVICE) を共有し, TCPIP$DHCP_LOG 論理名が定義されていない場合には,各ノードにどのバージョンの TCPIP$DHCP_RUN.LOG ファイルが関連付けられているのかを判断するのが難しいことがあります。どのノードがファイルを生成したのかを調べるには,ファイルそのものをオープンしなくてはなりません。
TCPIP$DHCP_LOG 論理名を使用すると,この問題を解決することができます。次に例を示します。
$ DEFINE /SYSTEM TCPIP$DHCP_LOG - $_"TCPIP$DHCP_SERVER_''F$GETSYI("NODENAME")'.LOG" |
論理名をこのように定義しておけば,結果として得られるログ・ファイル名には生成元のノード名が反映されます。たとえば,ノード MOE は,ログ・ファイル TCPIP$DHCP_SERVER_MOE.LOG を生成します。
$ LIBRARY/EXTRACT=SERVER_PCY SYS$LIBRARY:TCPIP$TEMPLATES.TLB- _$/OUT=SERVER.PCY |
新しい SERVER.PCY ファイルを抽出しなかった場合,DHCP サーバはこれまでと同じように下位互換性を持って動作を続けます。ファイル中のいくつかのコメントは無効になります。
BIND サーバと BIND リゾルバを使用している場合には,日本語 TCP/IP Services V5.1 の以下の変更点に注意してください。
1.2.10.1 編集可能なネットワーク・サービス・データベース
このバージョンの日本語 TCP/IP Services は,ネットワーク・サービス・データベース TCPIP$ETC:SERVICES.DAT の編集可能なテキスト・バージョンを提供しています。このデータベースは UNIX の /etc/servicesファイルと同じ書式を持っています。TCPIP$CONFIG.COM を使って BIND リゾルバをコンフィギュレーションすると,テンプレート・ファイル TCPIP$ETC:SERVICES.DAT が作成されます。
TCPIP$ETC:SERVICES.DAT ファイルの使用をサポートするために, DECC RTL には以下のルーチンが定義されています。
getservbyname()および getservbyport()関数は,最初に従来の (RMS がインデックス付けした) サービス・データベースを検索します。そこに要求されたサービスが見つからなければ TCPIP$ETC:SERVICES.DAT を検索した後に,呼び出し側アプリケーション・プログラムにエラーが返されます。
TCPIP 管理コマンドの SET SERVICE と SHOW SERVICE は,このファイルに作用せず,従来の (RMS がインデックス付けした) サービス・データベースにのみ影響を与えます。 |
BIND ドメイン・データベースで WKS レコードを使用しており,同時に動的更新を有効にしている場合,WKS レコードはデータベース・ファイルが BIND サーバによって自動的にディスクに書き込まれる際に切り捨てられることがあります。これを避けるには, TCPIP$ETC:SERVICES.DAT に指定されたサービスを定義します。たとえば,WKS レコードが次のようになっているとします。
wkstest IN WKS 1.2.3.4 tcp ( telnet smtp ) |
データベースがディスクに書き込まれると,これは次のように切り捨てられます。
wkstest IN WKS 1.2.3.4 tcp |
この場合には,TCPIP$ETC:TCPIP$SERVICES.DAT に以下のエントリを追加します。
telnet 23/tcp [telnet_alias] smtp 25/tcp [mail_alias] |
TELNET 別名はオプションです。 |
動的更新をマージしない (ディスクに書き込まない) という省略時の動作が変更されています。本リリースよりも前のリリースでは,ユーザは,動的更新を毎時間 domain.DB ファイルにマージするためには,論理名 TCPIP$BIND_SERVER_MERGE_DYNAMIC_UPDATES を定義しなくてはなりませんでした。現在では,この操作は省略時の設定として実行されます。この動作を無効にするには,次の論理名を定義します。
TCPIP$BIND_DONT_MERGE_DYNAMIC_UPDATES |
本リリースでは,SMTP に以下の変更が加えられています。
TCPIP> SET CONFIG SMTP/GATE=ALT=IP-address |
IP-address は,コンフィギュレーションされた代替ゲートウェイの IP アドレスです。この構文はホスト名を指定した場合とは異なる処理をされます。ホスト名が指定されると,SMTP はそれを解決するために MX レコードの検索を実行します。しかし,IP アドレスが指定された場合には,MX レコードの検索は実行されません。アドレスはそのままの形で使用され, SMTP はメールが代替ゲートウェイを通して経路選択を行う必要があるたびに,指定されたアドレスに接続します。
$ DEFINE TCPIP$SMTP_USE_VERBATIM_TO 1 |
この論理名が定義されたら,OpenVMS メール・メッセージを次のようにして送信することができます。
$ MAIL Z.Z/SUB=TEST - $_SMTP%"""/name=karen/fax=95924121/<default@warpig.cxo.dec.com>""" |
論理名が定義されているので,メール・メッセージには次の To:ヘッダが適用されます。
To: /name=karen/fax=95924121/<default@warpig.cxo.dec.com> |
論理名が定義されていなければ,SMTP サーバは次の To:ヘッダを適用します。
To: default@warpig.cxo.dec.com |
この機能を使用する際には,以下の制限と制約に注意してください。
|
以下の変更は,TCP/IP Services から受け取るメッセージの改善を反映しています。
TCPIP$_NOINET, Network is down |
以下のソケット・ルーチンが変更されています。
これらのルーチンは,ERRNO を,TCP/IP Services ソフトウェアが起動されていないことを示す ENETDOWN に設定します。
既存のコードとの互換性を保つために,ソケット・ルーチンは ERRNO を
__ERRNO_MAXよりも小さい値に設定しなくてはなりません。 VAXC$ERRNO を,アプリケーションが使用する TCPIP$_NOINET 値に設定すると, ERRNO は EVMSERR に設定され,必要な値の範囲を逸脱し, UNIX から移植されたコードの動作がおかしくなります。
$ TELNET JUNK %TELNET-E-IVHOST, Invalid or unknown host junk -TCPIP-E-HOST_NOT_FOUND, no such host is known $ |
この例は,問題がネットワーク・サービスの一時的な障害ではなく,コマンド行に入力されたホスト名にあることを示す第 2 のメッセージ ("no such host is known") を示しています。
%TCPIP-I-INFO, TCP/IP Services startup beginning at 18-MAY-1999 18:39:10.40 %TCPIP-S-STARTDONE, TCP/IP Services startup completed at 18-MAY-1999 18:39:10:48 |
さらに,SYS$STARTUP:TCPIP$SYSTARTUP.COM が実行されるときには,次のメッセージが表示されます。
%TCPIP-I-INFO, executing site-specific startup SYS$STARTUP:TCPIP$SYSTARTUP.COM |
これらのメッセージは,システム起動時に起きた問題が TCPIP$STARTUP.COM によるものかどうか判断するのに役立ちます。
1.2.13 VAX システム上での割り込みスタック・ページの調整
このバージョンの TCP/IP Services では, VAX システム上でネットワークを起動する前に, SYSGEN パラメータ INTSTKPAGES の値を少なくとも 12 にまで増やす必要があります。
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