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フォントがタイプ・ファミリで指定されているときには,文字サイズ変更命令GSM (Graphic Size Modification)を用いて,いわゆる横倍角,縦倍角,4倍角文字 (縦横倍角)が出力できます。
GSMでは文字の高さと幅の2つのパラメータを指定できますが,どちらのパラメー タも,現在有効なフォントのタイプ・サイズを基準にして,拡大率を百分率で指定します。指定された大きさに該当するフォントが存在しない場合,その大きさよりも小さくて最も近いフォントを選びます。このとき,既存のフォントの高さや幅を 2倍に拡大すると目的のサイズに近いフォントが得られる場合,GSMは倍角文字を 生成します。以下に例を示します。
CSI 200 ; 100 SP B |
9/11 3/11 2/0 4/2 |
DEC BUILTIN1ファミリで,10ポイント・フォントが現在有効なとき,上記の GSM 命令に続くテキストは10ポイント・フォントが縦に2倍に拡大されたものになります。DEC BUILTIN1 ファミリの10ポイント・フォントでは,10, 10.3, 12, 15cpi (文字/インチ)といった複数のフォントが存在しますが,10cpiが,10ポイントの場合の文字幅100%を意味します。
CSI 100 ; 200 SP B |
同じくDEC BUILTIN1ファミリで,10ポイント・フォントが現在有効なとき,上記のGSM命令に続くテキストは10ポイント10cpiフォントが横に2倍に拡大されたものになります。すなわち,5cpiになります。
CSI 100 ; 140 SP B |
同じくDEC BUILTIN1ファミリで,10ポイント・フォントが現在有効なとき,上記のGSM命令に続くテキストは10ポイント15cpiフォントが横に2倍に拡大されたものになります。10cpiを100%の文字間隔とすると,ここで指定した文字幅パラメータ140%という値は約7.1cpiになり,このようなフォントは存在しません。そこで7.1cpiより文字幅が小さくて最も近いフォントを探しますが,15cpiフォントの横倍角が7.5cpiですので,このフォントが選ばれます。
CSI 200 ; 200 SP B |
縦も横も2倍に拡大されたものを4倍角といいます。DEC BUILTIN1ファミリで, 10ポイント・フォントが現在有効なとき,上記のGSM命令に続くテキストは10ポイント10cpiフォントが縦横に2倍に拡大されたものになります。
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フォントがタイプ・ファミリで指定されていて,文字ピッチが現在有効なフォントの本来の文字ピッチから決まるのではない時,すなわち文字ピッチが明示的に指定されている時,DEC漢字(2バイト文字セット)は常に1バイト文字セットの半分の文字ピッチで,すなわち倍の文字間隔で出力されます。これがいわゆる全角/半角の文字関係です。
さらに,既存の漢字プリンタとの互換性のために,文字ピッチ指定命令,DECSHORP (Set Horizontal Pitch)に6.38cpiが追加されました。
CSI Ps w |
9/11 7/7 |
Ps | cpi |
---|---|
0 | 現在有効なフォントの文字ピッチ |
1 | 10文字/インチ |
2 | 12文字/インチ |
3 | 13.2文字/インチ |
4 | 16.5文字/インチ |
5 | 5文字/インチ |
6 | 6文字/インチ |
7 | 6.6文字/インチ |
8 | 8.25文字/インチ |
9 | 15文字/インチ |
10 | 12.77文字/インチ |
11 | 17.1文字/インチ,または6.38文字/インチ |
12 | 8.55文字/インチ |
13 | 18.0文字/インチ |
14 | 9.0文字/インチ |
15 | 10.3文字/インチ |
16 | 6.38文字/インチ |
Psが11のとき,ANSIデータ・タイプでは17.1cpiに,KANJI,KANJI78, LA_KANJIデータ・タイプでは6.38cpiになります。これは漢字LN03等との互換性を維持するための処理です。将来,Psの11はどのデータ・タイプでもすべて 17.1cpiとして解釈されるようになる予定です。6.38cpiを使う場合は, Psを16にしてください。
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文字属性指定命令,SGR(Select Graphic Rendition)に反転,網掛けが追加されました。
CSI Ps ; ...;Ps m |
9/11 3/11 6/13 |
Ps | 文字属性 |
---|---|
0 | すべての属性解除 |
1 | 太字(ボールド) |
2 | 細字 |
3 | 斜体(イタリック) |
4 | 下線(アンダーライン) |
?4 | スーパースクリプト(上付き) |
?5 | サブスクリプト(下付き) |
?6 | 上線(オーバーライン) |
7 | 白黒反転 |
?7 | 網掛け |
9 | 消去線(ストライクスルー) |
10から19 | フォント選択 |
21 | 二重下線 |
22 | 太字/細字解除 |
23 | 斜体解除 |
24 | 下線/二重下線解除 |
?24 | スーパースクリプト/サブスクリプト解除 |
?26 | 上線解除 |
27 | 白黒反転解除 |
29 | 消去線解除 |
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漢字縦書き指定命令,DECKVPM(Kanji Vertical Printing Mode)を用いて,DEC 漢字(2バイト文字)を縦書きにすることができます。この命令を生成した次のページから縦書きになります。縦書きの解除は,縦書き解除命令によって行います。縦書きの解除も,命令を生成した次のページから有効になります。
この命令では,印字方向と印字開始位置の両方が変更されるので,ページのオリエンテーションは変化しません。 図 2-1 を参照してください。
CSI
9/11 |
?
3/15 |
7
3/7 |
5
3/5 |
h
6/8 |
縦書き指定 |
CSI
9/11 |
?
3/15 |
7
3/7 |
5
3/5 |
1
6/12 |
縦書き解除 |
図 2-1 DECKVPMによる縦書き(1)
フォーム・オーバーレイとは,あらかじめ見出しや罫線などのフォーム・データをトランスレータに登録し,後で入力したデータを重ねて印刷する機能です。フォームの登録および設定は,以下のシーケンスを使用します。
フォーム・データには,見出しなどに使用する文字の他,直線(DECVEC)や印刷位置設定(VPAなど)のシーケンスを含めることができます。ただし,フォームに重ねて印刷するデータと区別するために,フォーム・データはシクセル形式で登録します。フォーム・データは,ジョブごとに最高16ページまで登録して使用することができます。 DECLKFおよび,DECKSPPのシーケンスを以下に示します。
DCS Pn1;Pn2;Pn3"p D....D ST
Pn1: ページ番号(省略時0)
0 = ページ番号1 1-16 = ページ番号1-16
Pn2: フォーム・データ削除(省略時0)
0 = 登録済みのフォーム・データを全て削除 1 = 登録するページのフォーム・データのみ削除 (ロックされているデータは,削除することができない)
Pn3: フォーム・データ ロック(省略時0)
0 = ロックする(以後発行するDECLKFを無視する) 1 = ロックしない
D....D: フォーム・データ(シクセル形式)
CSI Ps'v
Ps: 設定パラメータ(省略時0)
0 = フォーム・オーバーレイを解除 1-16 = ページ番号Psのフォーム・データを使用してオーバーレイ
を行う
|
DECの他の漢字プリンタと同様に,ユーザ定義文字を印字することができます。以下に, VMSとULTRIXでのユーザ定義文字の利用方法を示します。
日本語VMSではユーザ定義文字の作成,管理のために,FEDITユーティリティを提供していますが,日本語VMS V5.5ではさらにCHARACTER_MANAGERユーティリティV2.0 (以下 CMGRユーティリティと記述します)も提供されるようになりました。このため,テキスト・トランスレータは,DEC拡張漢字領域の文字コードに遭遇した場合,そのときのシステム環境によって,以下のような動作を行います。
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