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PRINTコマンドの/SETUP修飾子を指定することで,プリント・ジョブにセットアップ・ モジュールを含めることができます。次の例では,600 dpiの解像度を指定するセットアップ・ モジュールを使用しています。
$ PRINT/QUEUE=LPS32$2SIDES/SETUP=RES_600X600 IMAGE.PSフォーム(第8章を参照)を使用することで, プリント・ ジョブに暗黙のうちにセットアップ・モジュールを含めることもできます。
SYS$LIBRARY:DCPS$DEVCTL.TLB
セットアップ・モジュールの一覧を表示するには,次のコマンドを使用します。
$ LIBRARY/LIST SYS$LIBRARY:DCPS$DEVCTL.TLB次の例のようなセットアップ・モジュールの一覧が表示されます。
DCW1000_DISPLAY DCW1000_ENHANCED DCW1000_HIGHRES LPS$$APPLE360_INITPSDEVICE LPS$$APPLE360_SETINPUTTRAY RES_1200X1200 RES_1200X600
いくつかのセットアップ・モジュールは特定のプリンタ専用に作成されています。 これらのセットアップ・モジュールは,そのファイル名にプリンタ名が含まれています。 たとえば,セットアップ・モジュールのDL3500_RET_DARK は,DEClaser 3500プリンタ用です。
$ DIRECTORY SYS$LIBRARY:*.TLB
$ LIBRARY/EXTRACT=(DI_ON)/OUT=MYSETUP SYS$LIBRARY:DCPS$DEVCTL.TLB
$ TYPE MYSETUP.TXTこのセットアップ・モジュールDI_ONはDECimageを有効とするもので,次の命令を含んでいます。
%! % ~~~~~~~~~~ DI_on ~~~~~~~~~~ statusdict begin false setDECimage end systemdict /languagelevel known {languagelevel} {1} ifelse 2 ge {currentpagedevice /Install get exec} if statusdict begin true setDECimage end % ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
注意
注意:
セットアップ・モジュールを登録するライブラリを作成するには,次のコマンドを使用します。
$ LIBRARY/CREATE/TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]library-name.TLBライブラリの名前としてlibrary-nameを指定してください。
次のコマンドは固有のPostScriptセットアップ・モジュールを登録するために,PS1 という新しいPostScript装置制御ライブラリを作成します。
$ LIBRARY/CREATE/TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PS1.TLB詳細は,『OpenVMS Librarian Utility Manual』を参照してください。
$ LIBRARY/INSERT SYS$LIBRARY:library-name.TLB module-nameこのコマンドに次の情報を指定してください。
library-name | ライブラリの名前 |
module-name | セットアップ・モジュールの名前 |
次のコマンドは,CONFIDENTIAL.PSというPostScriptセットアップ・モジュールをPS1.TLB というPostScript装置制御ライブラリに登録し,セットアップ・ モジュールの名前をCONFIDENTIALとして指定します。
$ LIBRARY/INSERT SYS$LIBRARY:PS1.TLB CONFIDENTIAL.PS次のコマンドは,A4_PAGE.TXTというANSIセットアップ・モジュールをANSI1.TLB というANSI装置制御ライブラリに登録し,セットアップ・モジュールの名前をA4_PAGE に設定します。
$ LIBRARY/INSERT SYS$LIBRARY:ANSI1.TLB A4_PAGE.TXT
例 7-1に,装置制御ライブラリの検索リストを示します。
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE/NOLOG DCPS_LIB - DCPS$DEVCTL,- "PS1/DATA_TYPE=POSTSCRIPT",- "ANSI1/DATA_TYPE=ANSI",- PS2例 7-1では,ソフトウェアは次の動作をします。
コマンド行 | 例 |
---|---|
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE/NOLOG - logical-name - search-list |
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE/NOLOG DCPS_LIB - DCPS$DEVCTL,- "PS1/DATA_TYPE=POSTSCRIPT",- "ANSI1/DATA_TYPE=ANSI",- PS2 |
コマンド行には,次の情報を記述します。
logical-name:
ライブラリ名のリストに展開される論理名を使用します。この論理名は実行キューの定義( パラメータp3)にも指定しなければなりません。
search-list:
検索するライブラリのリストを追加します。ライブラリを追加する場合は, 次のガイドラインを使用してください。
ライブラリ検索リストにDCPS$DEVCTLが含まれていない場合,シンビオントが停止して次のエラー・ メッセージが通知されます。
REQMODNOTFOUND, Required device control module module-name not found
ANSIジョブの省略時の設定をPostScriptにする場合は,PostScript装置制御ライブラリをANSI ライブラリの前に登録します。ANSIジョブの省略時の設定をANSI にする場合は,ANSIライブラリをPostScriptライブラリの前に登録します。
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE DCPS_LIB - DCPS$DEVCTL, - "ANSI/DATA_TYPE=ANSI", - "PS/DATA_TYPE=POSTSCRIPT"
カスタム・セットアップ・モジュールを追加する場合には,新しいライブラリを作成し, そのライブラリをライブラリ検索リストで参照するようにしてください。 このようにすれば,プリンティング・ソフトウェアをアップグレードする際に, カスタム・セットアップ・モジュールを保存することができます。
DECprintプリンティング・サービスまたはPrintServer クライアント・ソフトウェアのアップグレード
DECprintプリンティング・サービス・ソフトウェアまたはPrintServerクライアント・ ソフトウェアは固有の装置制御ライブラリ(CPS$DEVCTL.TLB およびLPS$DEVCTL.TLB)を持っています。DECprint Supervisorにアップグレードした場合は,CPS$ およびLPS$ 装置制御ライブラリは使用されなくなります。これらのライブラリのいずれかにカスタム・ セットアップ・モジュールが含まれている場合は, 必要なモジユールを新しいライブラリに登録し,装置制御ライブラリ検索リストにそのライブラリを指定してください。
/SETUP修飾子を使用してプリント・ジョブにANSIセットアップ・モジュールを指定するには, 次のコマンド形式を使用してください。
$ PRINT/QUEUE=queue-name/SETUP=your-module-name print-file.TXT間違ったコマンドを入力した場合,ファイルが印刷されるまでその間違いは検出されません。 ソフトウェアが直ちに間違いを検出できるようにするには, フォームにセットアップ・モジュールを含めるようにします。その命令については, 第8章を参照してください。
一般ユーザが頻繁にセットアップ・モジュールにアクセスする場合は,セットアップ・ モジュールを特定のキューに対応させることにより,そのキューに登録されたすべてのプリント・ ジョブが自動的にそのセットアップ・モジュールを使用して出力されるようにすることができます。 その命令については, 第8章を参照してください。
すべてのプリント・ジョブについてPostScriptコードをダウンロードすると, 印刷性能に悪い影響を与える可能性があります。この問題を解消するために, プリンタに常駐するモジュールをロードしておくことができます。
デスクトップ・プリンタにはLPS$PERSISTENT_RESOURCESモジュールが永続的にロードされます。 永続的なPostScriptモジュールを作成するには,次の手順にしたがってください。
$ LIBRARY/CREATE/TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]library-name.TLB
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE/NOLOG DCPS_LIB DCPS$DEVCTL, "library-name/DATA=POST"
$ LIBRARY/CREATE/TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PCL_LIB $ LIBRARY/CREATE/TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PRO_LIB $ LIBRARY/CREATE/TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PS_LIB
DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE/NOLOG DCPS_LIB DCPS$DEVCTL, "PCL_LIB/DATA=PCL", "PRO_LIB/DATA=PRO", PS_LIB)PostScript装置制御ライブラリ(PS_LIB)は検索リストの最後に登録されなければなりません。
<ESC>!`1P<ESC>(11U<ESC>!`0P<ESC> はエスケープ文字(10進数の27)と置き換えます。
<ESC>`<ETX><NUL><CR>R<ETX>
$ LIBRARY/INSERT/TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PCL_LIB DEF_CHAR_SET.PCL $ LIBRARY/INSERT/TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PRO_LIB DEF_CHAR_SET.PRO $ LIBRARY/INSERT/TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PS_LIB DEF_CHAR_SET.PS
$ DEFINE/FORM DEF_CHAR_SET form_number - /SETUP=DEF_CHAR_SET/STOCK=DEFAULTキューに対するこの変更を永続的なものとするために,DCPS$STARTUP.COM ファイルの実行キュー定義にこのフォームを指定します。
セットアップ・モジュール | 説明 |
---|---|
RES_300X300 | 横300 dpi,縦300 dpi |
RES_600X300 | 横600 dpi,縦300 dpi |
RES_600X600 | 横600 dpi,縦600 dpi (省略時の設定) |
RES_1200X600 | 横1200 dpi,縦600 dpi |
RES_1200X1200 | 横1200 dpi,縦1200 dpi |
次のセットアップ・モジュールは現在のパラメータ値はそのままの状態で, DECimageをonあるいはoffに切り替えます。別のDECimageセットアップ・ モジュールを使用している場合は, このモジュールを使用する必要はありません。DECimage セットアップ・モジュールは,現在のプリント・ジョブに対してDECimage を自動的に起動します。
セットアップ・モジュール | 説明 |
---|---|
DI_ON | DECimageをONに切り替えます |
DI_OFF | DECimageをOFFに切り替えます |
次のセットアップ・モジュールは,2つのDECimageパラメータを同時に調整します。
セットアップ・モジュール | 説明 |
---|---|
DI_HICONTRAST | Punch0 = 0.2, Punch1 = 0.8 |
DI_LOCONTRAST | Punch0 = -.1, Punch1 = 1.1 |
DI_BRIGHTER | Punch0 = -.2, Punch1 = 0.8 |
DI_DARKER | Punch0 = 0.2, Punch1 = 1.2 |
DI_NORMAL | Punch0 = 0,Punch1 = 1 |
次のセットアップ・モジュールのいずれかを指定した場合,特定のパラメータ以外のすべてのパラメータは, 省略時の設定値あるいは別のセットアップ・ モジュールで最後に修正された値のままの状態となります。このセットアップ・ モジュールは順序に影響されません。したがって,PRINTコマンド行にどの順序で指定してもかまいません。
セットアップ・モジュール | 説明 |
---|---|
DI_PUNCH0_0 | Punch0 = 0 |
DI_PUNCH0_0P1 | Punch0 = 0.1 |
DI_PUNCH0_0P2 | Punch0 = 0.2 |
DI_PUNCH0_M0P1 | Punch0 = -.1 |
DI_PUNCH0_M0P2 | Punch0 = -.2 |
DI_PUNCH1_1 | Punch1 = 1 |
DI_PUNCH1_0P8 | Punch1 = 0.8 |
DI_PUNCH1_0P9 | Punch1 = 0.9 |
DI_PUNCH1_1P1 | Punch1 = 1.1 |
DI_PUNCH1_1P2 | Punch1 = 1.2 |
DI_SHARP_0P5 | Sharpness = 0.5 |
DI_SHARP_1 | Sharpness = 1.0 |
DI_SHARP_1P5 | Sharpness = 1.5 |
DI_SHARP_2 | Sharpness = 2.0 |
DI_SHARP_2P5 | Sharpness = 2.5 |
次の例では,鮮明度を増し,グレイ・レベルにシフトさせています。
$ PRINT/NOTIFY/QUEUE=queue/SETUP=(DI_SHARP_2,DI_DARKER) filename
この機能はANSIファイルに対してのみ使用でき,弊社のANSIプリンタに印刷するためにフォント・ カートリッジを必要とする文書をサポートしています。 これらのプリンタの場合と同様に,文書には適切なフォントを選択するエスケープ・ シーケンスが含まれていなくてはなりません。
1つあるいは複数の省略時のソフト・フォント・モジュールをプリント・ キューに対応付けることによって, パラメータをPRINTコマンド行に指定する必要がなくなります。 たとえば,CGTRIUM24_ISO1をキューの省略時のソフト・フォント・ モジュールとして設定するには,DCPS$STARTUP.COMに次の行を指定します。
FONTS_USED=CGTRIUM24_ISO1(実行キュー定義のp4あるいはジェネリック・キュー定義の p3にこの行を追加します。) ユーザにとって便利なように,ソフト・フォント・モジュールを組み合わせて指定できますが, その場合には,より多くのディスク空間が必要となり, ロード時間も長くなります。たとえば,ユーザが3つのすべてのDEC Multinational CG Timesソフト・フォント・モジュールをロードしなければならない場合には, 次のコマンド・シーケンスを使用して新しいモジュールを作成します。
$ LIBRARY SYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLB/EXTRACT=CGTIMES8-10-12_MCS $ LIBRARY SYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLB/EXTRACT=CGTIMES14-18_MCS $ LIBRARY SYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLB/EXTRACT=CGTIMES24_MCS $ COPY CGTIMES8-10-12_MCS.TXT,CGTIMES14-18_MCS.TXT,- CGTIMES24_MCS.TXT ALLCGTIMES_MCS.TXT $ LIBRARY/INSERT SYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLB ALLCGTIMES_MCS.TXTこのようにしておけば,ユーザはプリント・パラメータFONTS_ USED=ALLCGTIMES_MCSを使用して,新しいモジュールを指定することができます。
キャッシュ機能はLPS$$で始まる名前を持つモジュールを,最初に要求された場合だけ読み込まれるようにします。 このモジュールはシンビオントのキャッシュに置かれます。 キューをリセットするかシステムを再起動するまでは, 以降のジョブはこのモジュールに迅速にアクセスすることができます。 これにより主要な装置制御ライブラリへのアクセスを最小にし,CPU時間を節約し, ディスクの動作を軽減させることができます。
省略時の設定では,装置制御ライブラリのキャッシュ機能は無効となっています。 特定のキューに対して装置制御ライブラリのキャッシュ機能を有効とするには, そのプリント・キューを起動する前に次のコマンドを実行してください。
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE DCPS$queuename_DEVCTL_CACHE 1装置制御ライブラリ・モジュールをキャッシングすることにより,シンビオントが消費するCPU 時間を17%軽減することができます。シンビオントでのI/O 処理も,50%軽減されます。
システム論理名DCPS$DEVCTL_CACHE (キュー名指定なし)を定義することで, そのシステム上のすべてのDCPSプリント実行キューに対して装置制御ライブラリのキャッシュ機能を有効とすることができます。
DCPSソフトウェアが識別できない製品名を持つプリンタをDCPSソフトウェアで使用し, システムにDCPS-Openライセンスがロードされている場合は,製品名は省略時の"UNRECOGNIZED" となり,DCPSソフトウェアはその名前に対応した装置制御モジュールをダウンロードします。 この構成はサポートされていませんが, その装置に印刷するだけであればUNRECOGNIZEDに対応したモジュールで十分な場合があります。
必要に応じてシステム管理者は,サポートされていないプリンタの特性に影響を与えることなく, 対応する装置制御モジュールを修正することができます。LPS$$UNRECOGNIZED モジュール内のコメントの記述に従い,PostScriptについての知識およびプリンタの仕様を使用し, 類似したプリンタがある場合はその装置制御モジュールを調べることにより, システム管理者はそのプリンタの給紙および用紙サイズ選択を動作させることができます。
DCPSで識別されないプリンタあるいは弊社のプリンタ以外のプリンタを使用するには, 正しいDCPS-Openライセンスが必要です。
装置制御モジュールは,次の装置制御ライブラリに置かれています。
SYS$COMMON:[SYSLIB]DCPS$DEVCTL.TLB識別されないプリンタに対応した装置制御モジュールは次のとおりです。
LPS$$UNRECOGNIZED_INITPSDEVICE LPS$$UNRECOGNIZED_SETCONTEXT LPS$$UNRECOGNIZED_SETINPUTTRAY LPS$$UNRECOGNIZED_SETOUTPUTTRAY特定のプリンタ用にこれらのモジュールを修正した場合は,常にユーザ固有の装置制御ライブラリに修正したモジュールを登録しなければなりません( 第7.4節を参照)。