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A プリンティング・システム管理コマンド

標準のOpenVMS DCLコマンドを使用して,DECprint Supervisorのキュー, ジョブ,関連するシステム資源を管理することができます。


注意
管理コマンドはそのコマンドを実行したシステムだけに影響を与えます。 ネットワーク・プリンタは,独自のキュー, ジョブ,フォーム等を持つその他のシステムに対しても同様のサービスを提供することができます。

A.1 管理コマンドの概要

表 A-1は,プリント・ キューを管理するために使用するコマンドの概要を示しています。 これらのコマンドについての詳しい説明は『OpenVMS DCL Dictionary』を参照してください。

表 A-1 キュー管理コマンド

コマンド 機能
ASSIGN/MERGE ジョブを1つのキューから削除し,別の既存のキューに移動します。
ASSIGN/QUEUE 論理キューを実行キューに割り当てます。
DEASSIGN/QUEUE 論理キューの割り当てを解除し,論理キューを停止します。
DEFINE/CHARACTERISTIC キュー属性名と番号を定義します。
DEFINE/FORM プリンタ・フォーム名,番号,および属性を定義します。
DELETE/CHARACTERISTIC キュー属性の定義を削除します。
DELETE/ENTRY 1つ以上のジョブ・エントリをキューから削除します。
DELETE/FORM フォームの定義を削除します。
DELETE/QUEUE キューを削除します。
INITIALIZE/QUEUE このコマンドをDECprint Supervisorソフトウェアに対して使用することは望ましくありません。
SET ENTRY キューに登録されていて,まだ実行されていないジョブの属性を変更または削除します。
SET QUEUE キューの状態と属性を変更します。
SET QUEUE/ENTRY このコマンドは同じ機能を実行するSET ENTRYコマンドに変更されました。 今後はSET ENTRYコマンドを使用することが望ましいです。
SET QUEUE/RETAIN プリント・ジョブが正常終了したか,またはエラーによって終了した後, プリント・ジョブを削除しません。
SHOW ENTRY プリント・ジョブに関する情報を表示します。
SHOW QUEUE キューとジョブに関する情報を表示します。
SHOW QUEUE/CHARACTERISTICS キューで使用できるキュー属性名と番号に関する情報を表示します。
SHOW QUEUE/FORM システムで定義されているフォームの名前と番号を表示します。
START/QUEUE キューを起動または再起動します。
START/QUEUE/MANAGER システム・キュー・マネージャを起動し,キュー・ファイルをオープンします。
STOP/QUEUE 実行キューを一時停止します。
STOP/QUEUE/ABORT 実行中のプリント・ジョブを停止させますが,キューは停止しません。
STOP/QUEUE/MANAGER システム・キュー・マネージャを停止し,ジョブ・キュー・ファイルをクローズします。
STOP/QUEUE/NEXT 現在のジョブの印刷が終了した後,キューを停止させます。
STOP/QUEUE/REQUEUE 実行中のプリント・ジョブを停止し, そのジョブを指定されたキューに移動しますが,キューは停止しません。
STOP/QUEUE/RESET キューをただちに停止し,制御をシステムに戻します。

A.2 DCPSでのSET PRINTERコマンドの使用

PostScriptプリンタはDECprint Supervisorソフトウェアによって制御されるため,DCLのSET PRINTER コマンドはDECprint Supervisor環境では意味がありません。 DECprint Supervisorを使用する場合のプリント・ジョブ属性は, 他の手段で設定および表示されます。

DECprint Supervisorのプリント・ジョブ属性は次の要素によって決定されます。

  1. ジョブ・データに組み込まれているパラメータ

  2. PRINTコマンドの/PARAMETERS修飾子に指定したパラメータ

  3. DEFINE/FORM修飾子

  4. PrintServerプリンタの場合には,PrintServer構成データベースに登録されている省略時のパラメータ

  5. DCPS$STARTUP.COMファイルに定義されている省略時のキュー・パラメータ
ここに示した項目1,2,3は,処理するジョブの種類に応じて,PostScript インタプリタまたはデータ構文トランスレータによって制御されます。項目4 は,『DEC PrintServer Supporting Host Software for OpenVMS Management Guide』で説明するPrintServerサーバ管理インタフェースによって制御されます。

表 A-2は,SET PRINTERコマンドの修飾子とDECprint Supervisor プリンティング・システムでの対応する制御機能を示しています。

表 A-2 DECprint Supervisorキューに対応するSET PRINTER の修飾子

SET PRINTERの修飾子 対応する制御機能
/CR キャリッジ・リターン文字の挿入は現在のデータ・タイプ・トランスレータによって制御されます。
/FALLBACK DECマルチナショナル文字の変換は現在のフォントによって制御されます。 文字が指定されたフォントに存在しない場合には,フォント・エラー文字が印刷されます。
/FF 機械的なフォーム・フィードは現在のデータ・タイプ・トランスレータまたはPostScriptインタプリタによって制御されます。
/LOWERCASE DECprint Supervisorプリンタは小文字プリンタであると解釈されます。 したがって,小文字を大文字に変換する処理は実行されません。
/PAGE 各ページに印刷される行数はテキスト・トランスレータによって制御されます(ANSI/KANJI/KANJI78/LA_KANJIファイルの場合のみ)。 この属性はDEFINE/FORMによって設定できます。
/PASSALL システムが特殊文字を解釈するか, 8ビットのバイナリ・データとして転送するのかは, 現在のデータ・タイプ・トランスレータによって制御されます。
/PRINTALL プリンタが特殊文字を解釈するのか, 8ビットの対応するバイナリとして印刷するのかは, 現在のデータ・タイプ・トランスレータによって制御されます。
/TRUNCATE /WIDTH修飾子によって設定されている行の長さをこえるデータを切り捨てるかどうかは, フォーム定義または現在のデータ・タイプ・トランスレータによって制御されます。
/WIDTH 現在インストールされている媒体の各行に印刷できる文字数はフォーム定義によって制御されるか, または現在のデータ・タイプ・トランスレータと現在のフォントの組み合わせによって制御されます。
/WRAP プリンタが行末に到達したときにキャリッジ・リターン/ライン・フィードを生成するかどうかは, フォーム定義または現在のデータ・タイプ・トランスレータによって制御されます。


注意
すべてのデータ・タイプ・トランスレータが同じ方法でここに示した機能を実現しているわけではありません。 各トランスレータ固有の情報については,適切なトランスレータの参照マニュアルを参照してください。


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