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この章では,特定のプリンタでDCPSを使用する場合の,一般的なユーザ情報を提供します。 プリンタ固有の情報についての詳細は, 『日本語DECprint Supervisor for OpenVMSシステム・マネージャーズ・ガイド』および 『日本語DECprint Supervisor Version 1.6 for OpenVMSリリース・ノート』を参照してください。
DIGITAL Colorwriter LSR 2000+プリンタは,DIGITAL Colorwriter LSR 2000のアップグレード機種です。DCPSドキュメントのDIGITAL Colorwriter LSR 2000についての記述は,DIGITAL Colorwriter LSR 2000+プリンタについても適用されます。
プリンタでサポートされていても,現在給紙トレイに装着されていない用紙サイズを指定した場合, プリンタは指定した用紙サイズを装着するよう要求します。 別のプリンタの場合は,SIZNOTAVLエラーを表示して要求を拒否します。
Colorwriter LSR 2000プリンタの制限により,DCPSでは用紙サイズと給紙トレイの両方を指定することはできません。 両方を指定しようとした場合,NOSHEETANDTRAY エラーが表示されます。いずれか一方だけであれば指定することができます。
Colorwriter LSR 2000プリンタの上部マージンの最小値は0.5インチです。 このため,A4サイズの用紙に省略時のフォント・サイズで表示する場合に必要な66 行よりも短い行に印刷領域を制限します。各ページの先頭行が印刷領域からはずれることを避けるために,ANSI トランスレータは通常の出力を64 行に制限します。
DCPS-Plusライセンスを持っている場合は,(NUMBER_UP=1)あるいは(LAYUP=COLORWRITER-2000-FULL-PAGE) パラメータを指定することにより,66 行を出力することができます。これらのパラメータにより,DCPSはイメージを縮小して印刷領域に収まるようにします。
次の表に示すセットアップ・モジュールを使用することにより,各種プリンタの属性をユーザのプリント・ ジョブ用に変更することができます。
セットアップ・モジュール | 説明 |
---|---|
DCW1000_STANDARD | 300 x 300 dpi,2 ppmの最速印刷 |
DCW1000_ENHANCED | 300 x 300 dpi,ディザ拡張,1.5 ppm |
DCW1000_HIGHRES | 300 x 600 dpi,ディザ拡張,1 ppm |
DCW1000_VIVDBLUE | 紫よりも青 |
DCW1000_DISPLAY | 写真輝度,モニタ表示のシミュレーション |
DCW1000_SIMPRESS | 新聞印刷シミュレーション |
DCW1000_NOCORECT | 色補正なし,省略時の設定 |
たとえば,次のコマンドでは,300 x 600 DPIで鮮明な青色を印刷します。
$ PRINT/NOTIFY/SETUP=(DCW1000_VIVDBLUE,DCW1000_HIGRES) filename
DEClaser 1152プリンタに印刷中のジョブを削除した場合に,次のすべての条件が存在すると, その次のジョブがハングします。
次のジョブは印刷されず,"Printing"状態でキューに残り,キューは"Stalled" 状態となります。この問題は,プリンタがAppleTalk接続がレディ状態となる前にAppleTalk 接続を受け付けたためです。ハングしたジョブは一度削除した後に, 再度登録しなければなりません。ジョブを削除するために, 最大90秒かかります。
この節で説明されるモジュールは,DEClaser 3500プリンタのみに適用されます。 これらのモジュールは,解像度を拡張したり,トナー節約モードを有効にしたり,DECimage-Lite イメージ拡張技術のバージョンをプリンタにダウンロードするものです。
解像度の拡張用のセットアップ・モジュールは,テキストおよびグラフィックスの両方についてスムージング処理を行います。 スムージングのレベルは,DARK セットアップ・モジュールで増加させ,LIGHTセットアップ・ モジュールで減少させます。DARK設定は細い線をやや太くしますが, 望ましいものでない可能性があります。プリンタの工場出荷時の設定は, mediumです。
トナー節約モード用のセットアップ・モジュールDL3500_TSAVERは,すべての文字をアウトラインで印刷し, 同様にグラフィックスの暗い部分もアウトラインで印刷します。 この機能は文書のドラフトの印刷に有用であり, ページの解像度をmediumとします。
DECimage-Lite用のセットアップ・モジュールは,次の5つの異なるコントラスト( パンチ)を提供します。
DL3500_DI_HC | コントラストを20%だけ増加させます |
DL3500_DI_LC | コントラストを20%だけ減少させます |
DL3500_DI_BRIGHTER | 輝度を10%だけ増加させます |
DL3500_DI_DARKER | 輝度を10%だけ減少させます |
DL3500_DI_FLAT | グレイ・レベルの調整なしで,特別なハーフトーンを適用します。 |
注意:
次の例は,特定のプリント・ジョブに対して暗さを強調するものです。
$ PRINT/SETUP=(DL3500_RET_DARK) filename
[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]にあるファイルの例を使用することにより, DEClaser 3500プリンタでFAXメッセージを送信することができます。また, これらのファイルをドライバ開発者およびエンド・ユーザに自由に配布することも可能です。 これらのファイルは,DEClaser 3500をFAX送信機として使用するアプリケーションを持たないOpenVMS ,UNIX,DOSの各オペレーティング・ システム上でも使用することができます。Microsoft Windows 3.1およびMacintoshシステムについては,FAX送信用のドライバが利用可能であり, 上記のファイルの代わりにそのドライバを使用しなければなりません。
DEClaser 3500プリンタからFAX送信する実際のPostScriptファイルあるいはテキスト・ ファイルの前にこれらのヘッダ・ファイルを送信し, 各アプリケーションに応じてヘッダ・ファイルを変更するようにします。 各ファイルには多くのコメント行が含まれており,それらのファイルの編集法および使用法についての情報を含んでいます。 さらに,[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]FAX_3500_PRINTME.PS ファイルは,ヘッダ・ ファイルの使用法を説明しています。
DEClaser 3500のファックス・オプションを使用すると,すでにサポートされているPostScript およびテキスト・ファイルだけでなくANSI文書をファックス送信することができます。 印字可能なASCII文字列だけで構成された文書は,SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]FAX_3500_PRINTME.PS に記述されている命令に従うテキスト・ ファイルとして送信することができます。 あるいは,次に説明するANSI文書として送信することができます。 タブ,改行,その他の制御文字,ANSIエスケープ・シーケンスを含む文書は, 次に示す命令を使用して送信しなければなりません。
ANSI文書をファックス送信するには,最初にOpenVMS特権ユーザがファックス受信者に関する情報を含むファックス設定モジュールを作成する必要があります。 設定モジュールが作成されると,PRINT/SETUPコマンドを使用してANSI 文書を受信者に送信することができます。
$ LIBRARY /CREATE /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]library_name
ここでlibrary_nameは,ライブラリとして選択する名前です。
DCPS_LIBの定義を変更した場合,ファックス送信に使用しているDCPS キューを一度停止した後に,再度起動する必要があります。
$ LIBRARY /INSERT /TEXT - _$ SYS$COMMON:[SYSLIB]library_name fax_settings_file
ここで,fax_settings_fileはファックス情報を含むファイルです。
以上の設定が完了すると,次のコマンドを使用してANSI文書をファックス送信することができます。
$ PRINT /PARAMETERS=DATA_TYPE=ANSI - _$ /SETUP=fax_settings_module fax_file
ここで,fax_settings_moduleはシステム管理者が作成した設定モジュールで, fax_fileはファックス送信しようとしているANSI文書です。
次のページ保護セットアップ・モジュールは,出力されるページのビットマップを調整します。
セットアップ・モジュール | 説明 |
---|---|
DL5100_PAGEPROT_ON | フル・ページ・ビットマップ |
DL5100_PAGEPROT_OFF | 部分ページ・ビットマップおよびバンディング |
フル・ページ・ビットマップの使用はページ保護と呼び,この場合には, ページが印刷できないほど複雑になる可能性はほとんどありません。しかし, メモリ容量が少ない場合には,要求された解像度を実現できない可能性があります。
ページ保護設定は解像度設定より優先順位が高くなります。メモリ容量の不足により2 つのグループで矛盾が発生する場合には,要求されたぺージ保護モードの方が優先されます。 これらのモジュールを使用する場合に, PRINTコマンド・ラインに/NOTIFYスイッチを追加すると,プリンタから通知されるメッセージを見ることができます。 モジュールは次のとおりである。
これらのモジュールをPRINTコマンド・ラインに指定する順序に,特に制限はありません。
%%[ ConfigInfo: Insufficient printer resources. Resolution set to [300 300] - Page-Protection ON ]%%
次は,600 DPIで印刷し,ページ保護を有効とする例です。
$ PRINT/NOTIFY/SETUP=(DL5100_PAGEPROT_ON,RES_600X600) filename
LocalTalkポートを経由してネイティブPCLインタプリタを使用したPCLファイルを印刷する場合,PCL ジョブの最後で次のエラーが発生する可能性があります。
%DCPS-W-UNDEF, undefined: Name not known - offending command is <1B>E<1B> %DCPS-E-FLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored
ファイル全体は印刷されますが,プリンタがハングしている可能性があります。
フロント・パネルにPS Localtalk
と表示している場合は,
ハングしていることを示します。通常の操作に復帰するには,プリンタのフロント・
パネルのReset
を押してください。
DIGITAL Laser Printer LN15+プリンタは,DIGITAL Laser Printer LN15 のアップグレード機種です。DCPSドキュメントのDIGITAL Laser Printer LN15についての記述は,DIGITAL Laser Printer LN15+についても適用されます。
DCPSジョブが出力待ちである場合,LN15+に現在出力中のジョブからUSERDATA メッセージが表示されます。たとえば出力時に/NOTIFY修飾子を指定した場合は, このようなメッセージは画面に表示されます。ジョブには影響しないため, このメッセージは無視してください。
オプションの下段トレイに上段トレイとは異なるサイズの用紙が装着されていた場合, 下段トレイに出力しようとすると,不正な出力となるか, あるいはエラー・メッセージが表示されます。INPUT_TRAY=BOTTOMおよびPAGE_SIZE あるいはSHEET_SIZEのいずれかのパラメータを使用して,入力トレイおよび用紙サイズの両方を指定した場合,SIZNOTRAY エラーが発生します。 用紙サイズを指定しないでINPUT_TRAY=BOTTOMを指定した場合は, 不正な位置に出力されたり,一部が欠けて出力されます。この問題の回避策は, 用紙サイズだけを指定して下段トレイを選択することです。
不正なジョブ・パラメータを指定した場合,あるいはジョブでPostScritp エラーが発生した場合,ジョブが完了しない可能性があります。これは, LN15+プリンタがDCPSに対して常にエラー・メッセージを送信しているわけではないためです。DELETE/ENTRY コマンドを使用してキューからそのジョブを削除し, プリンタが別のジョブからも使用できるようにします。 また,プリンタが"PS Error 19"を表示している場合は,プリンタのCONTINUE ボタンを押して出力を再開させる必要があります。プリンタのPostScript タイムアウト値を0に設定しておくと,プリンタのボタンを押す必要がありません。
/NOTIFY修飾子を指定して出力中に,障害が発生したジョブは,障害メッセージを通知しない可能性があります。 そのようなエラーが発生した場合には,DCPS エラー・ページが出力されます。
DIGITAL Laser Printer LN17+psはDIGITAL LN17psプリンタのアップグレード機種です。DIGITAL LN17ps プリンタについてのDCPSドキュメントの記述は,DIGITAL Laser Printer LN17+ps に対しても適用されます。
LNC02プリンタの制限により,ジョブ・トレーラ・ページおよびOpenVMSアカウンティング・ ファイルで通知される用紙数は正しくありません。現在のところ対処法は報告されていません。 ただし,LNC02にはプリンタの使用状況を追跡するために使用することができるアカウンティング機能を持っています。
Hewlett-Packard LaserJet IIID,LaserJet IIISi LaserJet 4M, LaserJet 4ML,LaserJet 4MX,LaserJet 4SiMXプリンタは,その他のプリンタよりも少々小さな印刷領域を持っています。 その結果,1ページ毎に66 行を使用するANSIテキスト・ファイルを印刷する場合,66行目の最後の3 ポイントが印刷されません。
DCPS-Plusライセンスを持っている場合,レイアップ・オプションを使用することでこの制限に対処することができます。1 つの対処法は,次のオプションを持つレイアップ定義ファイルを作成して使用することです。
noborders margins = 0, 3, 0, 0
あるいは,これらをオプションをコマンド行に直接入力することもできます。
$ PRINT/PARAMETERS=(LAYUP="(NOBORDERS;MARGINS=0,3,0,0)")
LaserJet 5MプリンタにもANSIテキストの66行目に同様の制限がありますが, 最後のマージンを3ポイントではなく11ポイントを指定しなければなりません。
4MVプリンタは,JIS B5およびISO B5用紙サイズの両方をサポートします。 このプリンタでは,JISサイズは用紙として認識され, ISOサイズは封筒として認識されます。 DCPSでは,B5用紙サイズを指定するオプションは1つしかありません。 DCPSは,2つのB5サイズを次のように処理します。
パラメータ | 構成 | 結果 |
---|---|---|
SHEET_SIZE=B5 | トレイxxxにISOが装着されている | トレイxxxの用紙にISOイメージ領域のページが出力される |
SHEET_SIZE=B5 | トレイxxxにJISが装着されている | DCPSは"B5 medium not loaded in printer_name"というメッセージを通知する |
INPUT_TRAY=xxx, SHEET_SIZE=B5 (xxxはMANUAL_FEED) | トレイxxxにISOあるいはJISが装着されている | B5の種類に関わらず,トレイxxxの用紙にISOイメージ領域のページが出力される |
INPUT_TRAY=xxx, SHEET_SIZE=B5 (xxxはMANUAL_FEED以外の任意のもの) | トレイxxxにISOあるいはJISが装着されている | トレイxxxの用紙にB5の種類に応じた正しいイメージ領域のページが出力される |
5SiMXプリンタは,JIS B5およびISO B5用紙サイズの両方をサポートします。DCPS は第19.10.1項で説明しているように2 つのB5サイズを処理します。
DCPSはHewlett-Packard 5SiMXプリンタのオプション・メールボックス・ ビンに1から8までの番号を付けます。この番号はビン側面のプラスチックに刻印された番号と一致します。5SiMX コンソールでは,同一のビンを2から9 の番号に対応付けします。
Optra Rt+プリンタは,JIS B5およびISO B5用紙サイズの両方をサポートします。DCPS は第19.10.1項で説明しているように2 つのB5サイズを処理します。