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B PRINTコマンド修飾子

DECprint Supervisorにより, OpenVMSのPRINTコマンドを使用してPostScriptプリンタにファイルを印刷することができます。 この付録では,PRINTコマンド修飾子について説明します。

表 B-1は,PRINTコマンドの修飾子を示しており, 各修飾子の機能も説明しています。

いくつかの修飾子はテキスト・ファイルを対象にしたプリント・ジョブにのみ適用されます。 テキスト以外のファイルを印刷するためのPRINTコマンド行にこの種の修飾子を指定した場合には, その修飾子は無視されますが, ファイルは印刷されます。

表 B-1 PRINTコマンドの修飾子

修飾子 説明
/[NO]AFTER 指定した時刻までプリント・ジョブがキュー内で保留されることを示します。
/[NO]BACKUP 最後のバックアップ日時をもとに,印刷するファイルを選択します。
/[NO]BEFORE ファイル選択修飾子(/BACKUP,/CREATED,/EXPIRED, または/MODIFIED)に対して日時を指定し, 指定した日時より前の日付のファイルを選択します。
/[NO]BURST ファイル・バースト・ページを制御します。
/[NO]BY_OWNER ユーザ識別コード(UIC)をもとに,印刷するファイルを選択します。
/CHARACTERISTICS プリント・ジョブに対してプリント属性を指定します。
/[NO]CONFIRM プリント・ジョブ内の各ファイルに対して確認のためのプロンプトを表示します。
/COPIES プリント・ジョブまたはファイルを印刷する部数を指定します。
/[NO]CREATED ファイル作成日時をもとに,印刷するファイルを選択します。
/[NO]DELETE プリント・ジョブを処理した後,プリント・ファイルを自動的に削除します。
/[NO]EXCLUDE 1つ以上のファイルをプリント・ジョブから除外します。
/[NO]EXPIRED ファイルの満了日時をもとに,印刷するファイルを選択します。
/[NO]FEED ページの最後にフォーム・フィード文字を挿入するかどうかを制御します。
/[NO]FLAG ファイル・フラグ・ページを制御します。
/FORM プリント・ジョブに適用される属性を持つフォーム・タイプを指定します。
/[NO]HEADER 印刷した各ページの先頭にヘッダ行を印刷します。
/[NO]HOLD SET ENTRY/RELEASEによって保留を解除するまで, プリント・ジョブを保留します。
/[NO]IDENTIFY プリント・ジョブがキューに登録されたときに, プリント・キューとプリント・ジョブ番号をターミナルに表示します。
/JOB_COUNT ジョブを印刷する回数を指定します。
/[NO]LOWERCASE 小文字プリント機能を持つプリンタで印刷することを指定します。
/[NO]MODIFIED ファイルの最終変更日時をもとに,印刷するファイルを選択します。
/NAME プリント・ジョブ名を指定します。
/NOTE ジョブ・セパレータ・ページに印刷するメッセージを指定します。
/[NO]NOTIFY プリント・ジョブの開始時と終了時, およびプリンタ・エラーの発生時にメッセージをターミナルに送信します。
/OPERATOR プリント・ジョブが開始されるときに指定されたメッセージをオペレータに送信します。
/PAGES プリント・ジョブ内で印刷するページの範囲を指定します。
/PARAMETERS プリント・ジョブを制御するために1つ以上のPRINTパラメータを指定します。
/[NO]PASSALL DECprint Supervisorによる出力のフォーマッティングを実行しないかどうかを指定します。
/PRIORITY プリント・ジョブの優先順位を指定します。
/QUEUE プリント・ジョブを登録するプリント・キューを指定します。
/REMOTE ネットワーク内のリモート・ノードにプリント・ジョブを作成します。
/[NO]RESTART 中断された後,プリント・ジョブを再起動することを許可します。
/RETAIN ジョブをキューに保持する条件を指定します。
/SETUP プリント・ジョブの印刷を制御するためにセットアップ・モジュールを指定します。
/SINCE ファイル選択修飾子(/BACKUP,/CREATED,/EXPIRED, または/MODIFIED)に対して日時を指定し, 指定した日時の後の日付のファイルを選択します。
/[NO]SPACE タブルスペース出力を制御します。
/[NO]TRAILER ファイル・トレーラ・ページを制御します。
/USER プリント・ジョブに対してユーザ名を指定します。

各修飾子については,この後のページで例とともに詳しく説明します。

/AFTER=time
/NOAFTER (省略時の設定)
プリント・ジョブの保留を解除し,印刷しなければならない時刻を指定します。 この修飾子を指定しなかった場合には,プリント・ジョブはただちに印刷されるか, またはプリンタが使用可能な状態になったときにただちに印刷されます。

たとえば,次のプリント・ジョブは午後6時00分以降に開始されます。

     $ PRINT/AFTER=18:00 FARM.DAT
/BACKUP
/NOBACKUP (省略時の設定)
ファイルの最終バックアップ日時をもとに,印刷するファイルを選択します。 この修飾子は/BEFOREまたは/SINCE修飾子と組み合わせて使用し, バックアップ時刻を指定します。他のファイル選択修飾子としては/CREATED ,/EXPIRED,および/MODIFIEDがあります。/BEFOREまたは/SINCE だけを使用し,ファイル選択修飾子を指定しなかった場合には,ファイルの作成日時が使用されます。

たとえば,次のプリント・ジョブには,GROTONという名前のファイルのうち, バックアップ日時が1998年10月20日以前のファイルだけが含まれます。

     $ PRINT/BACKUP/BEFORE=20-OCT-1998 GROTON.*
/BEFORE=time
/NOBEFORE (省略時の設定)
ファイルの作成日時,バックアップ日時,満了日時,または変更日時が, 指定した日時より前のファイルを印刷します。時刻のかわりにキーワード(TODAY ,TOMORROW,またはYESTERDAY)を入力できます。この修飾子は次のいずれかの修飾子と組み合わせて使用し, ファイル選択モードを変更します。

/BACKUP 最終バックアップ日時をもとにファイルを選択する。
/CREATED ファイルの作成日時をもとにファイルを選択する(ファイル選択修飾子を指定しなかった場合には, これが省略時の設定である)。
/EXPIRED ファイルの満了日時をもとにファイルを選択する。
/MODIFIED ファイルの最終変更日時をもとにファイルを選択する。

/BEFORE修飾子を指定しなった場合には,ファイルの作成日時,バックアップ日時, 変更日時,または満了日時とは無関係に,指定したファイルが印刷されます。

たとえば,GROTONという名前のファイルのうち,1998年10月23日以前に作成されたファイルだけを印刷するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/CREATED/BEFORE=23-OCT-1998 GROTON.*
/BURST[=keyword]
/NOBURST (省略時の設定)
各ファイルの各コピーの前にファイル・バースト・ページを印刷することを指定します。 各ファイルの前にバースト・ページを印刷する場合はキーワードとしてALL を指定し,各ファイルの最初のコピーの前にだけバースト・ ページを印刷する場合は,キーワードとしてONEを指定します。 この修飾子はジョブ・バースト・ページには影響しません。ジョブ・セパレータ・ ページについての詳しい説明は『日本語DECprint Supervisor for OpenVMSシステム・ マネージャーズ・ガイド』を参照してください。

たとえば,GROTON.DATの前にバースト・ページを印刷し,FARM.DATの前にはバースト・ ページを印刷しない場合には,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT GROTON.DAT/BURST FARM.DAT
/BY_OWNER=uic
/NOBY_OWNER (省略時の設定)
指定したUIC (ユーザ識別コード)を持つファイルだけを印刷します。 省略時の設定では,ファイルはUICとは無関係に印刷されます。

たとえば,UICが[MACDONALD]であり,名前がFARM.DATというファイルを印刷するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/BY_OWNER=[MACDONALD] FARM.DAT
/CHARACTERISTICS=characteristic
指定した属性が定義されているプリンタでファイルを印刷します。プリント・ キューの属性を表示するには,SHOW QUEUE/FULLコマンドを使用します。

たとえば,REDINKという属性が定義されているプリンタでFARM.DATを印刷するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/CHARACTERISTICS=REDINK FARM.DAT
/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)
各ファイルに対して確認のためのプロンプトを表示します。このプロンプトに対してYes またはNoと応答することにより,そのファイルの印刷を許可または禁止できます。 この修飾子を指定しなかった場合には,要求した各ファイルの印刷を確認するプロンプトは出力されません。

たとえば,GROTONという名前のファイルを印刷するときに,各ファイルごとに印刷を確認する場合には, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/CONFIRM GROTON.*
     PRINT DISK:[MACDONALD]GROTON.TXT.3 ? [NO]Y
/COPIES=n
1つのファイルを複数部数印刷することができます。ファイル指定の前にこの修飾子を指定した場合には, 各ファイルが n 回ずつ印刷されます。 複数のファイルを含むプリント・ジョブで1つのファイルだけを2 部以上印刷する場合には,ファイル指定の後にこの修飾子を指定してください。 この修飾子を指定しなかった場合には,各ファイルは1部ずつ印刷されます。

たとえば,FARM.DATとGROTON.DATをそれぞれ2部ずつ印刷するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/COPIES=2 FARM.DAT,GROTON.DAT

DECprint Supervisorのもとで, プリント・ジョブで/COPIES修飾子を使用した場合,ファイルの変換が必要なときは, 要求されたファイルの各コピーに対してファイルを変換し, PostScript形式でファイルを送信しなければなりません。この処理を実行すると, コンピュータ・システムの負荷が増大し,プリント・ジョブの印刷速度が遅くなる可能性があります。

複数の部数または複数のファイルを印刷するときにこの問題が発生した場合には, 各コピーまたは各ファイルに対して別々のPRINTコマンドを使用し, プリント・ジョブをそれぞれ作成してください。

/CREATED
/NOCREATED (省略時の設定)
ファイルの作成日時をもとに,印刷するファイルを選択します。この修飾子は/BEFORE または/SINCE修飾子と組み合わせて使用し,時刻を指定します。 他のファイル選択修飾子としては/BACKUP,/EXPIRED,および/MODIFIED があります。/BEFOREまたは/SINCEだけを指定し,ファイル選択修飾子を指定しなかった場合には, ファイルの作成日時が使用されます。

たとえば,FARMという名前のファイルのうち,1998年10月4日以降に作成されたファイルだけを印刷するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/CREATED/AFTER=4-OCT-1998 FARM.*
/DELETE
/NODELETE (省略時の設定)
プリント・ファイルを印刷した後,システムがそのファイルを削除するかどうかを指定します。 この修飾子を指定しなかった場合には,省略時の動作は/NODELETE になります。

たとえば,印刷の後にFARM.DATファイルを削除するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/DELETE FARM.DAT

注意

DECprint Supervisorソフトウェアを使用するときに/DELETE 修飾子を指定した場合には,プリント・ジョブが正常終了したかどうかとは無関係に, ジョブ・コントローラは常に要求されたファイルを削除します。 たとえば,次の例では,ユーザが誤ったSHEET_SIZEパラメータ(GREEN)を入力したために, プリント・ジョブは印刷されません。ファイルは印刷されませんが, ジョブ・コントローラはファイルを削除します。
     $ PRINT/DELETE/PARAMETERS=(SHEET_SIZE=GREEN) GROTON.TXT
/DELETE修飾子の使用にはご注意ください。


/EXCLUDE=file-spec
/NOEXCLUDE (省略時の設定)
プリント・ジョブから除外するファイルを指定します(つまり,ファイル指定と一致するファイルは印刷されません) 。この修飾子は,ファイル指定でワイルドカードを使用するときに役立ちます。 この修飾子を指定しなかった場合には, ファイル指定と一致するすべてのファイルが印刷されます。

たとえば,FARM.DATを除き,FARMという名前のすべてのファイルを印刷するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/EXCLUDE=FARM.DAT FARM.*
/EXPIRED
/NOEXPIRED (省略時の設定)
ファイルの満了日時をもとに,印刷するファイルを選択します。この修飾子は/BEFORE または/SINCE修飾子と組み合わせて使用し,時刻を指定します。 他のファイル選択修飾子としては,/BACKUP,/CREATED,および/MODIFIED があります。/BEFOREまたは/SINCEだけを指定し,ファイル選択修飾子を指定しなかった場合には, ファイルの作成日時が使用されます。

たとえば,GROTONという名前のファイルのうち,2000年1月10日以前に満了するファイルを印刷するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/EXPIRED/BEFORE=10-JAN-2000 GROTON.*
/FEED
/NOFEED (省略時の設定)
下マージンに到達したときに,データ・ストリームにフォーム・フィード文字を挿入するかどうかを制御します。 プリント・ジョブにフォーム・ フィード文字を挿入しないことを指定する場合は,/NOFEEDを使用してください。 この修飾子を指定しなかった場合には,省略時の動作は/FEED です。

たとえば,FARM.DATを印刷するときに,各ページの最後にフォーム・フィード文字を挿入するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/FEED FARM.DAT
/FLAG[=keyword]
/NOFLAG (省略時の設定)
ファイルの前にファイル・フラグ・ページを印刷するかどうかを制御します。 プリント・ジョブの各ファイルの各コピーの前にファイル・フラグ・ ページを印刷する場合は,キーワードとしてALLを指定し,プリント・ ジョブの各ファイルの最初のコピーの前にだけファイル・フラグ・ ページを印刷する場合は,ONEを指定します。この修飾子を省略した場合には, システム管理者がキューに対して設定した動作が実行されます(この修飾子はジョブ・ フラグ・ページには影響しません。ジョブ・セパレータ・ ページについての詳しい説明は『日本語DECprint Supervisor for OpenVMSシステム・ マネージャーズ・ガイド』を参照してください)。

たとえば,プリント・ジョブ内の各ファイルの前にフラグ・ページを印刷するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/FLAG=ALL FARM.DAT,GROTON.DAT
/FORM=form-name
第14章で説明したように, 特定のフォーム属性が設定されたフォームがプリント・ ジョブで必要であることを指定します。 システム管理者がすでに定義しているフォーム名だけを指定できます。

フォームにとって必要なストック・タイプがプリント・キューのFORM_ MOUNTEDによって指定されたフォームと一致しない場合には,プリント・ ジョブは待ち状態に設定されます。プリンタに必要なストックがセットされ, キューのフォームがFORM_MOUNTEDによる指定と一致するものに変更されたときに, 待ち状態が解除されます。

たとえば,フォーム・タイプSHORT$REPORTを使用してGROTON.RPTを印刷するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/FORM=SHORT$REPORT GROTON.RPT
/HEADER
/NOHEADER (省略時の設定)
各ページの区切り目にヘッダ行,ファイル名,ページ番号,およびファイル作成日を印刷します。

ヘッダ情報は自動的には挿入されません。出力にヘッダ情報を印刷するには,/HEADER を指定しなければなりません。/NOHEADER修飾子を指定すれば, ヘッダ行の挿入を禁止できます。

たとえば,FARM.DATを印刷するときにヘッダ行を印刷するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/HEADER FARM.DAT
/HOLD
/NOHOLD (省略時の設定)
プリント・ジョブをただちに開始するのか,またはSET ENTRY /RELEASEコマンドによってジョブの保留が解除されるまで保留状態に設定するのかを指定します。 この修飾子を指定しなかった場合には,プリント・ ジョブただちに処理されます。

SET ENTRY/RELEASEコマンドによってジョブの保留が解除されるまでプリント・ ジョブを保留するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/HOLD FARM.DAT
/IDENTIFY
/NOIDENTIFY (省略時の設定)
プリント・ジョブがキューに登録されるときに,プリント・キューとプリント・ ジョブのエントリ番号を表示するかどうかを指定します。省略時の設定は/IDENTIFY です。

たとえば,FARM.DATを印刷するときに,プリント・キューとプリント・ジョブ・ エントリ番号を表示しないことを指定するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/NOIDENTIFY FARM.DAT
/JOB_COUNT=n
ジョブを n 回ずつ印刷します。 n の値は1〜255です。 この修飾子を指定しなかった場合には,プリント・ジョブは1回だけ印刷されます。 複数のファイルを含むプリント・ジョブで特定のファイルを2 部以上印刷することを指定するには,/COPIES修飾子を使用します。

たとえば,FARM.DATを印刷した後,GROTON.DATを3回印刷するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/JOB_COUNT=3 FARM.DAT,GROTON.DAT

DECprint Supervisorを使用するプリント・ ジョブで/JOB_COUNTを指定した場合,変換が必要なときは,ソフトウェアは要求されたファイルの各コピーに対してファイルを変換し, PostScript形式でファイルを送信しなければなりません。この処理を実行すると, コンピュータ・システムの負荷が増大し,プリント・ジョブの印刷速度が遅くなる可能性があります。

/LOWERCASE
/NOLOWERCASE (省略時の設定)
プリント・ジョブで小文字の印刷が必要であることを指定します。この修飾子はPostScript プリンタには適用されません。プリント要求にこの修飾子を指定した場合には, この修飾子は無視されますが,プリント・ジョブは印刷されます。

/MODIFIED
/NOMODIFIED (省略時の設定)
ファイルの最終変更日時をもとに,印刷するファイルを選択します。 この修飾子は/BEFOREまたは/SINCE修飾子と組み合わせて使用し,時刻を指定します。 他のファイル選択修飾子としては/BACKUP,/CREATED,および/EXPIRED があります。/BEFOREまたは/SINCEだけを指定し,ファイル選択修飾子を指定しなかった場合には, ファイルの作成日時が使用されます。

たとえば,GROTONという名前のファイルのうち,1998年10月19日以降に変更されたすべてのファイルを印刷するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/MODIFIED/AFTER=19-OCT-1998 GROTON.*
/NAME=job-name
プリント・ジョブの名前を指定します。この名前はジョブ・セパレータ・ ページに印刷されます。ジョブ名は最大39文字の英数字です。省略時のジョブ名はプリント・ ジョブの最初のファイルの名前です。

たとえば,AG_DATAというジョブ名を使用してFARM.DATを印刷するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/NAME=AG_DATA FARM.DAT
/NOTE=string
ジョブ・セパレータ・ページに印刷される最大255文字のメッセージ文字列を指定します。

たとえば,セパレータ・ページに配布場所を指定するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/NOTE="SEND TO SECOND FLOOR, BIN 7" FARM.DAT
/NOTIFY
/NONOTIFY (省略時の設定)
ジョブが開始および終了されるときに,そのことを通知し,印刷中に発生したエラーや,PostScript オペレータから戻されたメッセージ( printpstack=,および == )などをユーザに通知します。

/NOTIFY修飾子を指定しなかった場合には,これらのプリント・ジョブ・ メッセージは表示されません。

たとえば,プリント・ジョブの状態を通知することを要求するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/NOTIFY FARM.DAT,GROTON.DAT

プリント・ジョブをリモート・プリンタのキューに登録するためにDistributed Queuing Service (DQS) ソフトウェアを使用する場合には,/NOTIFY 修飾子によって戻されるジョブの開始メッセージと終了メッセージは, 実際の印刷開始時刻および終了時刻を表現しない可能性があります。DQS では,プリンタ・エラー・メッセージやプリンタからの他のメッセージはユーザ・ ターミナルに表示されません。

/OPERATOR=string
プリント・ジョブが開始されるときにオペレータに送信されるメッセージ文字列を指定します。 メッセージは最大255文字の長さです。メッセージ文字列は引用符で囲んでください。

たとえば,オペレータのターミナルに配布場所を送信するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/OPERATOR="FARM.DAT TO JONES" FARM.DAT
/PAGES=lowlim,uplim
DECprint Supervisorソフトウェアはこの修飾子を無視します。 第2.7 節で説明したPAGE_LIMITパラメータを使用してください。PostScript プリンタに対するPRINTコマンドに/PAGES修飾子を指定した場合には, この修飾子は無視されますが,プリント・ジョブは印刷されます。

/PARAMETERS=parameter
DECprint Supervisorの印刷機能の値を指定します。 パラメータは付録 C に示すとおりです。

たとえば,用紙の両面に印刷するためにSIDESパラメータを指定するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/PARAMETERS=SIDES=2 GROTON.DAT
/PASSALL
/NOPASSALL (省略時の設定)
プリンタの処理全体でプリント・ジョブの元の属性をそのまま維持し,/HEADER ,マージン処理,およびタブのエミュレーションを禁止します( 第7章を参照)。ただし,/PASSALL修飾子は, システム管理者がDEFINE/FORM/SETUPを使用して指定した操作を禁止しません。 プリント・ジョブでフォーム定義を使用する場合には,そのフォーム・ タイプに対応するフォーム属性が有効になります(詳しくは第14章を参照してください)。

たとえば,特殊処理を実行せずにFARM.DATファイルを印刷するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/PASSALL FARM.DAT
/PRIORITY=n
プリント・ジョブに割り当てる優先順位を指定します。この修飾子を使用すれば, プリント・ジョブを特定の順序で印刷できます。nの値は0 〜255です。この優先順位をMAXQUEPRIのシステム値より高く設定するには, オペレータ(OPER)特権が必要です。

たとえば,FARM.DATをGROTON.DATより低い優先順位で印刷し,GROTONが最初に印刷されるようにするには, 次に示すように2つのPRINTコマンドを入力します。

     $ PRINT/PRIORITY=1 FARM.DAT
     $ PRINT/PRIORITY=2 GROTON.DAT
/QUEUE=queue-name
ジョブを印刷するために使用するプリント・キューを指定します。 queue-name に対して実行キューの名前またはジェネリック・ キューの名前を指定します。この修飾子を指定しなかった場合には, プリント・ジョブはシステム管理者が定義した省略時のSYS$PRINTキューに登録されます。

システムに定義されているプリント・キューを表示するには,SHOW QUEUE コマンドを使用します。第3.2節を参照してください。

たとえば,PS$DUPLEXというキューに対応するプリンタでFARM.DATを印刷するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/QUEUE=PS$DUPLEX FARM.DAT
/REMOTE
リモート・プリント要求を別のシステムで開始します。

この修飾子を指定する場合には,印刷するファイルはリモート・ノードに存在しなければなりません。 また,プリント要求のファイル指定にホスト・ ノード名を指定しなければなりません。ファイルは他のシステムの省略時のプリント・ キュー(SYS$PRINT)に登録され,そのシステムに対して定義されているプリンタ属性を使用します。/REMOTE 修飾子を使用する場合には,/QUEUE 修飾子と/PARAMETERS修飾子は無視されます。

たとえば,AGRO::ノードのプリンタでGROTON.DATを印刷するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/REMOTE AGRO::[MACDONALD]GROTON.DAT
/RESTART
/NORESTART (省略時の設定)
プリンタで紙づまりが発生したり,プリンタが停止したときに,プリント・ ジョブを自動的に再起動することを要求します。

複数のファイルまたは複数のコピーを印刷するプリント・ジョブで,1つのファイルから次のファイルにPostScript パラメータを渡さなければならない場合には, このようなプリント・ジョブは正しく再起動できません( 詳しくは第2.5節を参照)。

次の場合には,プリント・ジョブに対して/RESTARTを指定することはできません。

  • PostScript状態を再設定しない複数のPostScriptファイルの印刷を要求する場合

  • PostScript状態を再設定しないPostScriptファイルを2部以上印刷する場合

  • 次のいずれかのパラメータを指定する場合

    • /PARAMETERS=LAYUP_DEFINITION

    • /PARAMETERS=NUMBER_UP

    再起動されたプリント・ジョブに対するこれらのパラメータについての詳しい説明は, 第13章第2.6節を参照してください。

たとえば,ANSI$PSPRINTというプリント・キューでFARM.DATを印刷するためのプリント・ ジョブを確実に再起動するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/RESTART/QUEUE=ANSI$PSPRINT FARM.DAT
/RETAIN=オプション
ジョブをキューに保持する条件を指定します。ジョブがキューに保持された場合, ジョブ終了後にSHOW QUEUEコマンドを用いてジョブの状態を確認することができます。 ジョブ保持を指定しなかった場合,ジョブ終了後にジョブの記録はキューに残りません。

ジョブ保持の指定には次のオプションを使用します。

ALWAYS ジョブの終了状態に関わらずジョブをキューに保持します。
DEFAULT キューの保持ポリシに従ってキューにジョブを保持します。
ERROR ジョブが正常に終了しなかった場合のみ, キューにジョブを保持します。
UNTIL=time-value ジョブの終了状態に関わらず, 指定された時間の間ジョブをキューに保持します。

/SETUP=module
指定されたセットアップ・モジュールを(キューの装置制御ライブラリから) プリント・ジョブに挿入します。システム管理者はセットアップ・ モジュールを装置制御ライブラリに追加したり,既存のセットアップ・ モジュールを変更できます。

キューの装置制御ライブラリから1つ以上のセットアップ・モジュール名を指定します。 複数のモジュール名を指定する場合には,各モジュール名をカンマで区切り, 全体を括弧で囲んでください。

たとえば,FARM.RPTを印刷するためのプリント・ジョブに4UP_GRIDと4UP_WIDE というPostScriptモジュールを追加するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/SETUP=(4UP_GRID,4UP_WIDE) FARM.RPT
/SINCE=time
/NOSINCE (省略時の設定)
指定された日時以降の日付のファイルを選択し,そのファイルを印刷します。 時刻のかわりにキーワードとしてTODAY,TOMORROW,およびYESTERDAY を使用できます。

この修飾子は次のいずれかの修飾子と組み合わせて使用し,ファイル選択モードを変更します。

/BACKUP 最終バックアップ日時をもとにファイルを選択する
/CREATED 作成日時をもとにファイルを選択する(ファイル選択修飾子を指定しなかった場合には, これが省略時の設定である)
/EXPIRED ファイルの満了日時をもとにファイルを選択する
/MODIFIED ファイルの最終変更日時をもとにファイルを選択する

たとえば,GROTONという名前のファイルのうち,1998年10月1日以降に変更されたファイルだけを印刷するには, 次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/MODIFIED/SINCE=01-OCT-1998 GROTON.*

/SINCE修飾子を指定しなかった場合には,ファイルの作成日時,バックアップ日時, 変更日時,または満了日時とは無関係に,指定されたファイルが印刷されます。

/SPACE
/NOSPACE (省略時の設定)
シングル・スペースまたはダブル・スペース(各テキスト行の間に1行のブランク行を出力する形式) で印刷を要求します。ダブル・スペース出力が必要な場合は/SPACE を使用します。シングル・スペース出力が必要な場合は/NOSPACE を使用します。

たとえば,ダブル・スペースでFARM.DATを印刷するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/SPACE FARM.DAT
/TRAILER=keyword
/NOTRAILER (省略時の設定)
各ファイルの最後にファイル・トレーラ・ページを印刷するかどうかを指定します。 この修飾子はPRINTコマンドとファイル指定の間に指定してください。 各ファイルの各コピーの後にトレーラ・ページを印刷する場合は, キーワードとしてALLを指定し,プリント・ジョブ内の各ファイルの最後のコピーの後にだけトレーラ・ ページを印刷する場合は,ONEを指定します。 この修飾子を指定しなかった場合には,プリント・キューの省略時の動作が実行されます。

この修飾子はジョブ・トレーラ・ページの出力に影響しません。ジョブ・ セパレータ・ページについての詳しい説明は,『日本語DECprint Supervisor for OpenVMSシステム・マネージャーズ・ガイド』を参照してください。

たとえば,GROTONというプリント・ジョブ内のすべてのファイルに対してトレーラ・ ページを印刷するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/TRAILER=ALL GROTON.*
/USER=user-name
他のユーザのジョブを印刷することを許可します。他のユーザのジョブを印刷するには,CMKRNL 特権とファイルに対するR (読み込み)アクセス権が必要です。 この修飾子を指定しなかった場合には,印刷を要求したユーザのユーザ名を持つファイルだけが印刷されます。

たとえば,JONESというユーザのFARM.DATという名前のファイルを印刷するには, 次のコマンドを入力します。

     $ PRINT/USER=JONES FARM.DAT


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