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4 Character Manager (CMGR)ユーティリティ

この章では,Character Manager (CMGR)ユーティリティについて説明します。


4.1 概要

Character Manager (CMGR)ユーティレイティは,システム・フォント・ データベースの管理およびプリローディング用ファイルの作成を行います。


4.2 起動方法

CMGRユーティリティは,DCLコマンドのCHARACTER_MANAGERによって起動され, "CMGR>"というプロンプトがディスプレイに表示されます。このプロンプトに対して, ユーザはCMGRコマンドを入力することにより,様々な機能を実行できます。また, CMGRコマンドはDCLレベルからも起動でき,その場合には,先頭に CHARACTER_MANAGERというDCLコマンドを指定します。

ただし,EDITコマンドによるフォント・エディタの起動は, 日本語DECwindowsの日本語ターミナル・エミュレータを通じてはできません。


4.3 ファイル形式

この節では,CMGRのファイル形式について説明します。 図 4-1はフォント・システムの概略を示しています。

図 4-1 フォント・システム概略図 :(クリックで表示)


4.3.1  システム・キャラクタ・マスタ・インデックス・ファイル

システム・キャラクタ・マスタ・インデックス・ファイル JSY$CHARACTER_MASTER_INDEX.DATは,可変長レコードの順編成テキスト・ ファイルであり,日本語OpenVMSのシステム・ディレクトリ (JSY$SYSTEM)に登録されています。このファイルは, CMGR$MASTERというエグゼクティブ・モードのシステム論理名によって参照されます。 このファイルは,それぞれのデータベースのシステム・キャラクタ・インデックス・ ファイルとキャラクタ・セット・インフォメーション・ファイルに対するポインタ として使用されます。また,フォント・システムのカントリ・インフォメーション・ ファイルに対するポインタとしても使用されます。

これはフォント・システムで使用されるシステム・ファイルであり, ユーザやシステム管理者はこのファイルを変更してはいけません。


4.3.2 カントリ・インフォメーション・ファイル

カントリ・インフォメーション・ファイルJSY$JAPAN_SPECIFIC.DATは, 可変長レコードの順編成テキスト・ファイルであり, 日本語OpenVMSのシステム・ディレクトリ(JSY$SYSTEM)に登録されます。

これはフォント・システムで使用されるシステム・ファイルであり, ユーザとシステム管理者はこのファイルを変更してはいけません。


4.3.3 キャラクタ・セット・インフォメーション・ファイル

キャラクタ・セット・インフォメーション・ファイル JSY$DECKANJI_CODE_ INFO.DATは,可変長レコードの順編成テキスト・ファイルであり, 日本語OpenVMSのシステム・ディレクトリ(JSY$SYSTEM)に登録されます。

これはフォント・システムで使用されるシステム・ファイルであり, ユーザとシステム管理者はこのファイルを変更してはいけません。


4.3.4 システム・キャラクタ・インデックス・ファイル

システム・キャラクタ・インデックス・ファイルは,可変長レコードの順編成テキスト・ ファイルであり,日本語OpenVMSのシステム・ディレクトリ(JSY$SYSTEM) に登録されます。ファイル名はJSY$xxx_CHARACTER_INDEX.DATという形式です。 ここで,xxxはデータベース名を示します。ただし, JSY$CHARACTER_INDEX.DATという名前は省略時のデータベースに対して使用されます。

このファイルは,特定の文字コード範囲とフォント・サイズに対して, システム・フォント・データベース・ファイルを示すポインタとして使用されます。 CMGR$DATABASE_NAMEという論理名は,オペレータのプロセスで現在参照されている システム・キャラクタ・インデックス・ファイルを示すために使用されます。

これはフォント・システムで使用されるシステム・ファイルであり, ユーザとシステム管理者はこのファイルを変更してはいけません。


4.3.5 システム・フォント・データベース

システム・フォント・データベースは, 固定長レコードの複数の索引順編成ファイルで構成され, 日本語OpenVMSのシステム・ディレクトリ(JSY$SYSTEM)に登録されます。 システム・フォント・データベースは,24×24,32×32,40×40などのフォント・ サイズと,ユーザ定義文字やJIS X 0208第2水準漢字などの文字範囲の両方によって, 複数のファイルに分類されます。24×24,32×32,および40×40ドットのフォント・ サイズに対するシステム・フォント・データベース・ファイルには, ロード可能なフォーマットで文字パターンが格納されます。

フォント・サイズと文字範囲の両方の基準によって,システム・フォント・ データベース・ファイルを区別するために,これらのファイルには JSY$xxx_nnXnn_yyy.GDBという形式の名前が付けられます。ここで, "xxx"はデータベース名であり,"nn"はファイル内のユーザ定義文字のフォント・ サイズを示し,"yyy"は文字の範囲を示します。たとえば, JSY$GOTHIC_24X24_USER.GDBは,フォント・サイズが24×24ドットであり, データベース名が GOTHICであるユーザ定義文字のフォント・データベース・ファイルです。


4.3.6 プリロード・ファイル

プリロード・ファイルはユーザ・ファイルであり, ユーザ定義文字のロード可能シーケンスが格納されます。 これは可変長レコードの順編成ファイルです。プリロード・ファイルには, 異なるフォント・サイズのロード可能シーケンスを格納できます。 ユーザ定義文字の文字パターンは,このファイルに対してDCLコマンドの TYPEを実行することにより漢字ターミナルの,また, PRINTを実行することによりプリンタのフォントRAMにロードできます。 出力先装置のフォント・サイズと一致しないシーケンスは無視され, 破棄されます。このファイルの省略時のファイル拡張は".PRE"です。


4.4 CMGRコマンド

この節では,Character Manager (CMGR)バージョン2.0でサポートされる CMGRのコマンドについて説明します。

表 4-1にCMGRのコマンドをまとめます。

表 4-1 Character Manager (CMGR)のコマンドの一覧

Character Manager
(CMGR)コマンド
 説明
CONVERT DATABASE フォント・データベース・フォーマットを変換する
CONVERT FONT_FILE フォント・ファイルをプリロード・ファイルに変換する
CONVERT FONT_SIZE プリロード・ファイル内の文字パターンのサイズを変換する
COPY データベース内の文字パターンをコピーする
EDIT 文字パターンを編集する
EXIT Character Manager (CMGR)を終了する
EXTRACT CODE 指定された文字コードに対するプリロード・ファイルを作成する
EXTRACT REFERENCE 指定されたテキスト・ ファイル内のユーザ定義文字に対してプリロード・ファイルを作成する
HELP ヘルプ・テキストを表示する
REMOVE 文字パターンをデータベースから削除する
SET DATABASE 指定されたデータベースへのアクセスを設定する
SHOW BITMAP 文字パターンをビットマップ形式で表示する
SHOW DATABASE データベース名を表示する
SHOW CHARACTER_SET 文字コード情報を表示する
SHOW TABLE 文字コード・テーブルを表示する
SHOW VERSION Character Manager (CMGR)のソフトウェア・バージョンを表示する
UPDATE 文字パターンをデータベースに登録する

次にCMGRのコマンドについて詳しく説明します。


CONVERT DATABASE (VAXのみ)

Character Manager (CMGR)のもとで使用するために, システム・フォント・データベースを,Character Manager (CMGR) 以前のファイル・フォーマットから新しいファイル・フォーマットに変換します。


注意
このコマンドは,日本語OpenVMS VAX 上でのフォント・ データベースの互換性を維持するためのもので, 日本語OpenVMS Alpha上では使用できません。

形式

    CONVERT DATABASE

   コマンド修飾子        省略時設定

   /CONFIRM              /CONFIRM
   /LOG                  /LOG

制限事項

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権が必要です。この特権がない場合には, エラー・メッセージが表示され,CONVERT DATABASEコマンドは無視されます。

コマンド修飾子

/CONFIRM
/NOCONFIRM

文字コードの文字パターンが, 新しいシステム・フォント・データベースにすでに登録されているときに, CONVERT DATABASEコマンドが確認を要求するかどうかを制御します。 CONVERT DATABASEコマンドが2回以上実行された場合に, 確認メッセージが表示される可能性があります。

肯定応答はYES,TRUE,および1です。否定応答はNO,FALSE,0および [Return] キーです。QUITまたは [Ctrl/Z] を入力すると,CONVERT DATABASEコマンドはその時点で処理を停止します。 ALLを入力した場合には,CONVERT DATABASEコマンドは処理を継続し,その後, プロンプトを表示しません。

ユーザが操作の実行を確認した場合には,CONVERT DATABASEコマンドは 新しいシステム・フォント・データベース内の文字パターンの上に古い システム・フォント・データベースのパターンを重ね書きします。

省略時の設定では,/CONFIRMが指定されているものと解釈されます。

/LOG
/NOLOG

文字パターンを変換する文字コードを, CONVERT DATABASEコマンドが表示するかどうかを制御します。 /LOG修飾子を指定した場合には, CONVERT DATABASEコマンドは変換された文字パターンの総数も表示します。

省略時の設定では,/LOGが指定されているものと解釈されます。

説明

日本語VAX/VMS V5.5より前のシステム・フォント・データベースは, 日本語システム・ディレクトリ(JSY$SYSTEM)に登録されている2つのファイル (FONT.DATとFONT1.DAT)で構成されていましたが, 日本語VAX/VMS V5.5からの新しいシステム・フォント・ データベースは複数のファイルで構成されています。これらのファイルの名前は, JSY$SYSTEM:JSY$xxx_ nnXnn_yyy.GDBという形式です。ここでxxxはデータベース名を示し, nnはフォント・サイズを示し,yyyは文字コード・クラスを示します。

CONVERT DATABASEコマンドはFONT1.DATから文字パターン・データを読み込み, それを新しいデータ・フォーマットに変換し, 変換したデータを新しいシステム・フォント・データベース・ファイルに出力します。 新しいファイルのファイル名は,コード範囲とフォント・サイズによって システム・キャラクタ・インデックス・ファイルに定義されています。 変換後のデータが格納されるデータベースの名前は SET DATABASE コマンドによって選択できます。

このコマンドは,日本語VAX/VMS V5.5より前のシステムを日本語OpenVMS VAX V6.0 へアップグレードした際に,システム管理者が実行しなければなりません。 このコマンドを使用してシステム・フォント・データベースを変換した後, システム管理者がこのコマンドを再度使用する必要はありません。

このコマンドを2回以上実行する場合には, 新しいシステム・フォント・データベースに格納されている文字パターンの上に, FONT1.DATに格納されていた文字パターンが重ね書きされる可能性があります。

  1. $ CHARACTER_MANAGER CONVERT DATABASE
    %CMGR-I-READFIL, Reading file, JSY$SYSTEM:FONT1.DAT
    %CMGR-S-FONTCONVTD, Font Data of A121 is converted
    %CMGR-S-FONTCONVTD, Font Data of A122 is converted
    %CMGR-S-FONTCONVTD, Font Data of A221 is converted
    %CMGR-S-FONTCONVTD, Font Data of A222 is converted
    %CMGR-S-FONTCONVTD, Font Data of A223 is converted
    %CMGR-S-FONTCONVTD, Font Data of A224 is converted
    %CMGR-I-FDBCONVEND, Total 6 patterns converted to CMGR_DEFAULT Database
    
    CONVERT DATABASEコマンドは,古いシステム・フォント・データベース(FONT.DATと FONT1.DAT)を新しいシステム・フォント・データベース(JSY$GLYPH_nnXnn_ yyy.GDB) に変換します。この例では,6つの文字パターンが変換され, CMGR_DEFAULTという名前の新しいシステム・フォント・データベースに登録されます。


CONVERT FONT_FILE

フォント・ファイル内の文字パターンが,CMGRユーティリティで使用できるように, フォント・ファイルをプリロード・ファイルに変換します。

形式

    CONVERT FONT_FILE   input-file[,...] output-file

   コマンド修飾子        省略時設定

   /LOG                  /LOG

パラメータ

input-file[,...]

特定のフォント・サイズの文字パターン・シーケンスが, ビットマップ形式で格納されている,1つ以上のプリロード・ファイルを指定します。

ファイル指定において,ワイルドカードが使用できます。

output- file

変換後の文字パターンを出力する,プリロード・ファイルを指定します。

コマンド修飾子

/LOG
/NOLOG

文字パターンを変換した文字コードのコード指定を, CONVERT FONT_ FILEコマンドが表示するかどうかを制御します。 /LOG修飾子を指定した場合には, CONVERT FONT _FILEコマンドは変換した文字の総数も表示します。

省略時の設定では,/LOGが指定されているものと解釈されます。

説明

CONVERT FONT_FILEコマンドは, 入力ファイルからビットマップ形式の文字パターンのデータを読み込み, それらを新しいデータ形式に変換して, 変換後のデータを指定されたプリロード・ファイルに出力します。

旧来のフォント・エディタであるFEDITユーティリティは, ビットマップ形式で文字パターンを格納したフォント・ファイルを作成しますが, CMGRユーティリティの,EDITコマンドはプリロード・ファイルを作成し, フォント・ファイルの文字パターンのデータ形式はサポートしません。したがって, フォント・ファイルを持つユーザは,文字パターンのデータ形式を変換するために CONVERT FONT_FILEコマンドを使用してください。

  1. $ CHARACTER_MANAGER CONVERT FONT_FILE FONT.FNT PRELOAD.PRE
    %CMGR-I-READFIL, Reading file DISK$:[DIRE]FONT.FNT;1
    %CMGR-S-FONCONV, Font pattern of size 24x24 for code A121 converted
    %CMGR-S-FONCONV, Font pattern of size 24x24 for code A122 converted
    %CMGR-S-FONCONV, Font pattern of size 24x24 for code A123 converted
    %CMGR-I-FONWRTN, 3 font patterns written to file DISK$:[DIRE]PRELOAD.PRE;1
    
    この例では,CONVERT FONT_FILEコマンドは,FONT.FNT内の24×24ドット・サイズの 3つの文字パターンを変換します。変換後の文字パターンはPRELOAD.PREに出力されます。


CONVERT FONT_SIZE

プリロード・ファイル内のロード可能な文字パターンのフォント・サイズを, 別のフォント・サイズに変換し,変換後のパターンのロード可能シーケンスを, ファイルに出力します。

形式

    CONVERT FONT_SIZE   input-file[,...] output-file

   コマンド修飾子        省略時設定

   /SIZE=font-size       /SIZE=24
   /LOG                  /LOG

パラメータ

input-file[,...]

特定のフォント・サイズのロード可能な文字パターン・ シーケンスが格納されている,1つ以上のプリロード・ファイルを指定します。

複数の入力ファイルを指定する場合には,各ファイル指定をコンマ(,)で区切ります。 この記号は,指定されたファイル内のすべてのロード可能シーケンスが, /SIZE修飾子に指定されたフォント・サイズに変換されることを示します。

入力ファイル指定では,ワイルドカードを使用できます。

output- file

変換後のロード可能シーケンスを出力する,出力ファイルを指定します。

コマンド修飾子

/SIZE=font-size

変換するフォント・サイズを選択します。指定できる値は24,32, 40のいずれかです。24,32,および40という値はそれぞれ,出力フォント・サイズが 24×24ドット,32×32ドット,および40×40ドットであることを示します。

この修飾子を指定しなかった場合には,/SIZE=24であるものと解釈されます。

/LOG
/NOLOG

文字パターンを変換した文字コードのコード指定を, CONVERT FONT_ SIZEコマンドが表示するかどうかを制御します。 /LOG修飾子を指定した場合には, CONVERT FONT_SIZEコマンドは変換した文字の総数も表示します。

省略時の設定では,/LOGが指定されているものと解釈されます。

説明

CONVERT FONT_SIZEコマンドは, 入力ファイル内のロード可能な文字パターン・シーケンスのフォント・ サイズを変換し,変換後のロード可能シーケンスをファイルに出力します。

/SIZE修飾子に指定された,フォント・サイズのロード可能シーケンスが, すでに入力ファイルに格納されている場合には, CONVERT FONT_SIZEコマンドはそのシーケンスを, 指定された出力ファイルに単にコピーします。

複数の入力ファイルを指定したときに, 1つの文字コードに対して複数のロード可能シーケンスが存在する場合には, 最後に検出された最も近いフォント・サイズのロード可能シーケンスが変換されます。

  1. $ CHARACTER_MANAGER CONVERT FONT_SIZE /SIZE=32 FONT24.PRE FONT32.PRE
    %CMGR-I-READFIL, Reading file DISK$:[DIRE]FONT24.PRE;1
    %CMGR-S-FONTCONVTD, Font Data of A121 is converted
    %CMGR-S-FONTCONVTD, Font Data of A122 is converted
    %CMGR-I-GLYLPHOUT, 2 patterns written in DISK$:[DIRE]FONT32.PRE
    
    この例では,CONVERT FONT_SIZEコマンドは,FONT24.PRE内のA121と A122という文字コードのロード可能文字パターンを, 32×32ドット・サイズのパターンに変換します。変換後のパターンは, FONT32.PREに出力されます。


COPY

システム・データベース内の指定した文字コードの文字パターンを, 別の文字コードの文字パターンとしてコピーし,登録します。

形式

    COPY   input-code[,...] output-code[,...]

   コマンド修飾子        省略時設定

   /CONFIRM[=condition]  /CONFIRM=ALL
   /LOG                  /LOG
   /SIZE=(font-size[,...]/SIZE=ALL

制限事項

COPYコマンドを使用するには,SYSPRV特権が必要です。この特権がない場合には, エラー・メッセージが表示され,COPYコマンドは無視されます。

複数のシステム・フォント・データベースを持つ環境のもとで, 2つのデータベースの間で実行されるコピー操作は,サポートされません。 2つのデータベース間でのコピー操作には,EXTRACT CODEとSET DATABASE, UPDATEの各コマンドを使用してください。

パラメータ

input-code[,...]

文字パターンのコピー元の文字コードを,16進数で指定します。 複数の文字コードを指定する場合には,各文字コードをコンマ(,)で区切ります。 コード範囲によって入力文字コードを指定する場合には,各指定をハイフン(-) で区切ります。この記号は, 2つの文字コードによって指定される範囲内のすべての文字コードに対して COPYコマンドが実行されることを示します。この場合,最初の文字コードは 2番目の文字コードより小さい値でなければなりません。

アスタリスク(*)を単独で使用すれば,すべてのユーザ定義文字コードを指定できます。

output-code[,...]

文字パターンのコピー先の文字コードを,16進数で指定します。

複数の文字コードを指定する場合には,各文字コードをコンマ(,)で区切ります。 コード範囲によって出力文字コードを指定する場合には,各指定をハイフン(-) で区切ります。この記号は, 2つの文字コードによって指定される範囲内のすべての文字コードに対して COPYコマンドが実行されることを示します。この場合,最初の文字コードは 2番目の文字コードより小さい値でなければなりません。

アスタリスク(*)を単独で使用すれば,すべてのユーザ定義文字コードを指定できます。

入力コード範囲が出力コード範囲より大きい場合には,指定された文字のうち, 出力コードの数をこえる文字の文字パターンはコピーされません。 入力コード範囲が出力コード範囲より小さい場合には, 入力コードの数をこえる文字コードに対するコピー指定は無視されます。

コマンド修飾子

/CONFIRM[=condition]
/NOCONFIRM

特定の状況のもとで,コピー操作を確認するかどうかを選択します。 キーワードとしてALLまたはCONFLICTを指定できます。

CONFLICTキーワードは, 文字パターンの定義がコピー先文字コードに対してすでに存在する場合, 確認を要求することを示します。ALLキーワードを指定した場合には, COPYコマンドはコピーするすべての文字コードに対して確認を要求します。

肯定応答はYES,TRUE,および1です。否定応答はNO,FALSE,0および [Return] キーです。QUITまたは [Ctrl/Z] を入力すると,COPYコマンドの処理はその時点で停止します。ALLと入力した場合には, COPYコマンドは処理を継続し,その後,プロンプトを表示しません。

この修飾子を指定しなかった場合や,キーワードを指定しなかった場合には, /CONFIRM= ALLが指定されているものと解釈されます。

/LOG
/NOLOG

COPYコマンドがコピーする各文字コードの文字コード指定を, 表示するかどうかを制御します。/LOG修飾子を指定した場合には, COPYコマンドは新しく作成した文字の総数も表示します。

この修飾子を指定しなかった場合には,/LOGが指定されているものと解釈されます。

/SIZE=(font-size[,...])

COPYコマンドによって, コピーされる文字パターンのフォント・サイズを指定します。

フォント・サイズとして指定できるのは24,32,および40の組み合わせか, またはALLキーワードです。24,32,および40という値はそれぞれ,24×24ドット, 32×32ドット,および40×40ドットで構成される文字パターンを示します。 ALLキーワードは, すべてのフォント・サイズの文字パターンをコピーすることを示します。

この修飾子にフォント・サイズを1つだけしか指定しない場合には, 括弧は省略可能です。

この修飾子を指定しなかった場合には,/SIZE=ALLが指定されているものと解釈され, すべてのフォント・サイズの文字パターンがシステム・フォント・ データベースにコピーされます。

説明

COPYコマンドは,システム・フォント・データベースに登録されている ユーザ定義文字の文字パターンをコピーします。文字パターンは 1つのデータベース内でだけコピーできます。つまり, SET DATABASEコマンドで選択したデータベース内でだけコピーできます。

このコマンドを使用すれば,システム管理者は 異なるユーザ定義文字コードに対して同じ文字パターンを登録できます。

SYSPRV特権を持つユーザはこのコマンドを使用できますが, 一般ユーザは使用できません。

  1. $ CHARACTER_MANAGER COPY/SIZE=(24,32)/NOCONFIRM A121-A123,A232 B121-B124
    %CMGR-I-CPGFONT, Copying font pattern of size 24x24 in CMGR_DEFAULT database ...
    %CMGR-I-FONTCPD, Font pattern of size 24x24 copied from code A121 to code B121
    %CMGR-I-FONTCPD, Font pattern of size 24x24 copied from code A122 to code B122
    %CMGR-I-FONTCPD, Font pattern of size 24x24 copied from code A123 to code B123
    %CMGR-I-FONTCPD, Font pattern of size 24x24 copied from code A232 to code B124
    %CMGR-I-CPGFONT, Copying font pattern of size 32x32 in CMGR_DEFAULT database ...
    %CMGR-I-FONTCPD, Font pattern of size 32x32 copied from code A121 to code B121
    %CMGR-I-FONTCPD, Font pattern of size 32x32 copied from code A122 to code B122
    %CMGR-I-FONTCPD, Font pattern of size 32x32 copied from code A123 to code B123
    %CMGR-I-FONTCPD, Font pattern of size 32x32 copied from code A232 to code B124
    %CMGR-I-DBUPD, CMGR_DEFAULT System Database Updated
    $
    
    このCOPYコマンドは,文字コードがA121,A122,A123,およびA232である 4つの文字パターンをそれぞれ,文字コードB121,B122,B123,B124にコピーします。 コピー操作は,フォント・サイズが24×24および 32×32ドットの文字パターンに対して実行されますが, 40×40ドットの文字パターンに対しては実行されません。


EDIT

フォント・エディタを起動し,プリロード・ファイルに文字パターンを作成したり, 既存の文字パターンを変更します。

形式

    EDIT   input-file

   コマンド修飾子        省略時設定

   /LOAD_GLYPH           /LOAD_GLYPH
   /LOG                  /LOG
   /SIZE=(font-size[,...]/SIZE=ALL

制限事項

書き込みアクセス権を持たないファイルを編集した場合には,編集結果は, SYS$SCRATCHという論理名で定義されているデバイス・ディレクトリ内のファイルに 出力されます。

日本語DECwindowsの日本語ターミナル・エミュレータ上では, EDITコマンドは使用できません。

パラメータ

input-file

編集の対象となる入力ファイル名を指定します。 ファイル・タイプを指定しなかった場合には, 省略時のファイル・タイプとして".PRE"が使用されます。

ファイル指定ではワイルドカードを使用できます。このとき, 一致するファイルを検索できない場合や,複数のファイルが一致する場合には, エラー・メッセージが表示され,EDITコマンドは無視されます。

コマンド修飾子

/LOAD_GLYPH
/NOLOAD_GLYPH

EDITコマンドが文字パターンを表示するために, DRCSをロードするかどうかを指定します。DRCSがロードされ, ディスプレイ・ターミナルに格納された後は,漢字ターミナルをリセットするか, または電源を切断するまで,DRCSはクリアされません。したがって, 2回目以降にフォント・エディタを起動する場合には, /NOLOAD_GLYPH修飾子を使用すれば,起動速度を向上できます。

省略時の設定では,/LOAD_GLYPHが指定されているものと解釈されます。

/LOG
/NOLOG

フォント・エディタが編集セッションで中に情報メッセージを 表示するかどうかを制御します。

省略時の設定では,/LOGが指定されているものと解釈されます。

/SIZE=(font-size[,...])

文字パターンを編集する文字のフォント・サイズを指定します。

指定できる値は24,32,および40の組み合わせであるか,またはALLキーワードです。 24,32,および40という値はそれぞれ,文字パターンが24×24ドット, 32×32ドット,および40×40ドットで構成されることを示します。 1つのフォント・サイズだけしか指定しない場合には,括弧は省略できます。

ALLキーワードは,EDITコマンドがすべてのフォント・サイズ(24×24,32×32, および40×40)を取り扱うことができることを示します。/SIZE=ALLは, /SIZE=(24,32,40)と同じです。

この修飾子を指定しなかった場合には, /SIZE=ALLが指定されているものと解釈されます。

説明

EDITコマンドは,ユーザ定義文字の文字パターンを作成または変更するために, フォント・エディタを起動します。フォント編集の結果は, 起動時に指定したプリロード・ファイルに出力されます。

プリロード・ファイルの内容は, UPDATEコマンドを使用してフォント・データベースに登録できます。

何らかの理由で,編集結果を指定されたファイルに出力できない場合には, 結果は論理名SYS$SCRATCHで示されるデバイス上で, 出力先として指定されたファイル名を持つファイルに出力されます。

フォント・エディタの使用

データ・ファイル入出力:
フォント・エディタを起動すると,プリロード・ファイルが読み込まれます (ファイルが存在する場合)。フォント・エディタはファイルの内容をメモリに格納し, その後,フォント編集操作をメモリ内で実行します。

フォント編集スクリーン:
フォント・エディタがデータ・ファイルを読み込んだ後, ビットマップ・スクリーンが表示されます。 このスクリーンで文字パターンを編集します。ユーザは [Enter] キーを押すことにより文字コードを指定し,その文字パターンを編集します。 文字コードを指定した後,ユーザは編集ファンクション・キーを使用することにより, その文字コードの文字パターンを編集できます。編集ファンクション・ キーについての詳しい説明は,この後の節を参照してください。

図 4-2はフォント編集ディスプレイの例を示しています。

図 4-2 EDITコマンドの編集スクリーン :(クリックで表示)


EDITバッファとUSEバッファ:

文字パターンを編集するためのバッファとして,EDITバッファとUSEバッファの 2つのバッファがあります。EDITバッファは,指定された文字コードの文字パターンを, 作成/変更するために使用されます。USEバッファは,文字パターンの作成/変更で, 別のユーザ定義文字の文字パターンの一部を利用するときに使用します。 USEバッファ内では,大部分の編集キー機能は使用できません。

フォント編集の終了:

フォント編集中に [Ctrl/Z] を押すと, フォント・エディタはメモリに格納されている文字パターンをファイルに出力し, フォント・エディタを終了します。フォント編集中に [Ctrl/C] を押した場合には,フォント・エディタは, 編集結果を保存せずにフォント・エディタを終了してもかまわないかどうかの 確認を要求し,ユーザが肯定応答を入力した場合には, フォント・エディタは編集結果をデータ・ファイルに保存せずに終了します。

ファンクション・キー

文字パターンを編集するために, フォント・エディタはキーパッドに対して一部の編集機能を定義しています。 ユーザはこれらの編集キー機能を使用して文字パターンを編集できます。

アプリケーション・キーパッド・キー:

EDITコマンドは表 4-2に示すように, アプリケーション・キーパッド・キーに対して編集機能を定義しています。

表 4-2 EDITコマンドでのアプリケーション・キーパッドの定義 :(クリックで表示)


表 4-3 EDITコマンドの編集キーパッド・キーと
ファンクション・キーパッド・キーのキー定義
:(クリックで表示)


メイン・キーパッド・キー:

EDITコマンドは,表 4-4に示すように, メイン・キーパッド・キーに対しても機能を定義しています。

表 4-4 EDITコマンドのメイン・キーパッド・キーのキー定義 :(クリックで表示)


  1. $ CHARACTER_MANAGER EDIT/SIZE=24 FONTDATA
    %CMGR-I-READFIL, Reading file DISK$:[DIRE]FONTDATA.PRE
    %CMGR-I-LOADFONT, Loading DRCS to your terminal, please wait...
    
    この例では,EDITコマンドはフォント編集セッションを起動します。 FONTDATA.PREというプリロード・ファイルは現在のディレクトリに登録されています。 オペレータが編集できる文字パターンのサイズは24×24ドット・サイズのみです。


EXIT

Character Managerの使用を終了します。

形式

    EXIT

   コマンド修飾子        省略時設定

   なし                  なし

説明

EXITコマンドは,Character Manager (CMGR)セッションを終了し,制御を DCLレベルに戻します。EXITコマンドのかわりに [Ctrl/Z] を押すこともできます。

  1. CMGR> EXIT
    $
    
    EXITコマンドは,Character Manager(CMGR)セッションを終了します。


EXTRACT CODE

指定された文字コードの, ロード可能な文字パターン・シーケンスを格納したプリロード・ファイルを作成します。

形式

    EXTRACT CODE   character-code[,...] output-file

   コマンド修飾子        省略時設定

   /ENTRY_LIMIT          なし
       =number-of-characters
   /JIS2                 なし
   /LOG                  /LOG
   /SIZE=(font-size[,...]/SIZE=ALL

パラメータ

character-code[,...]

プリロード・ファイルを作成する1つ以上の文字コードを16進数で指定します。

複数の文字コードを指定する場合には,各文字コードはコンマ(,)で区切ります。 コード範囲によって文字コードを指定する場合には,文字コードをハイフン(-) で区切ります。この記号は, コード範囲内に含まれるすべての文字コードのロード可能シーケンスを, ファイルに出力することを示します。

アスタリスク(*)を単独で使用すれば, 対応する文字コード領域内のすべての文字コードを指定できます。

output-file

出力ファイルを指定します。ファイル・タイプを省略した場合には, ".PRE"が使用されます。

コマンド修飾子

/ENTRY_LIMIT=number-of-characters

ファイルに出力されるデータの最大数を指定します。

コマンド・パラメータに指定された文字コードの数がこの修飾子に指定された値と 同じでない場合には,小さい方の値が使用されます。

フォントRAMに格納できるロード可能シーケンスの数は, 漢字ターミナルおよびプリンタのモデルに応じて異なります。 各装置のユーザ・マニュアルを参照し,フォントRAMのサイズを確認してください。

/JIS2

JIS X 0208第2水準漢字の文字パターンをフォントROM に持たないターミナル用に, JIS X 0208第2水準漢字のロード可能シーケンスを含んだプリロード・ファイル を作成するために用います。

この修飾子は,24×24ドットサイズの文字パターンにのみ有効です。

この修飾子を指定しなかった場合,JIS X 0208第2水準漢字のロード可能シーケンスは, プリロード・ファイルに出力できません。

/LOG
/NOLOG

EXTRACT CODEコード・コマンドが, 情報メッセージを表示するかどうかを制御します。

省略時の設定では,/LOGが指定されているものと解釈されます。

/SIZE=(font-size[,...])

ロード可能シーケンスを取り出したい文字の, フォント・サイズを選択します。指定できる値は24,32,および 40の任意の組み合わせであるか,またはALLキーワードです。フォント・サイズを 1つだけ指定する場合には,括弧は省略できます。

24,32,および40という値はそれぞれ,24×24ドット,32×32ドット,および 40×40ドットのロード可能シーケンスを取り出すことを示します。ALLキーワードは, EXTRACT CODEコマンドが,すべてのフォント・サイズ(24×24,32×32,および40×40) のロード可能シーケンスを取り出し, それをプリロード・ファイルに出力することを示します。

この修飾子を指定しなかった場合には, /SIZE=ALLが指定されているものと解釈されます。

説明

EXTRACT CODEコマンドは, 指定された文字コードのロード可能な文字パターン・シーケンスを システム・フォント・データベースから取り出します。

  1. $ CHARACTER_MANAGER EXTRACT CODE/SIZE=32/FULL A121 PRELOAD_A121
    %CMGR-I-XTGFONT, Extracting font pattern of size 32x32 from GOTHIC database ...
    %CMGR-I-FONTXTD, Font pattern of size 32x32 for code A121 extracted
    %CMGR-I-TOTFONTXTD, A total of 1 font of size 32x32 extracted to
    DISK$:[DIRE]PRELOAD_A121.PRE;1
    $
    
    この例では,EXTRACT CODEコマンドは, PRELOAD_A121.PREというプリロード・ファイルを作成します。 プリロード・ファイルには,文字コードA121の 32×32ドット・サイズの文字パターンが格納されます。データは,現在設定されている GOTHICというシステム・フォント・データベースから取り出されます。


EXTRACT REFERENCE

指定されたテキスト・ファイル内のユーザ定義文字に対して, プリロード・ファイルを作成します。

形式

    EXTRACT REFERENCE   text-file[,...] preload-file

   コマンド修飾子        省略時設定

   /ENTRY_LIMIT          なし
       =number-of-characters
   /JIS2                 なし
   /LOG                  /LOG
   /SIZE=(font-size[,...]/SIZE=ALL

プロンプト

      Text file:  text-file[,...]
      Output file:preload-file

パラメータ

text-file[,...]

プリロード・ファイルを作成する,1つ以上のテキスト・ファイルを指定します。 複数のテキスト・ファイルを指定する場合には,各ファイル指定をコンマ(,) で区切ります。

入力ファイル指定では,ワイルドカードを使用できます。

preload- file

ロード可能文字シーケンスを取り出した後, それを出力するプリロード・ファイルを指定します。

出力ファイル指定では,ワイルドカードは使用できません。

コマンド修飾子

/ENTRY_LIMIT=number-of-characters

プリロード・ファイルに出力される文字パターンの, ロード可能シーケンスの最大数を指定します。

フォントRAMに格納できるロード可能シーケンスの数は, 漢字ターミナルおよびプリンタのモデルに応じて異なります。 各装置のユーザ・マニュアルを参照し,フォントRAMのサイズを確認してください。

/JIS2

テキスト・ファイル中にあるJIS X 0208第2水準漢字に対しても, その文字パターンのロード可能シーケンスを出力することを指定します。

この修飾子は,24×24ドットサイズの文字パターンにのみ有効です。

この修飾子が指定されなかった場合には,EXTRACT REFERENCEコマンドは, JIS X 0208第2水準漢字に対してのロード可能シーケンスを出力しません。

/LOG
/NOLOG

EXTRACT REFERENCEコマンドが,情報メッセージを表示するかどうかを制御します。

省略時の設定では,/LOGが指定されているものと解釈されます。

/SIZE=(font-size[,...])

文字パターンのロード可能シーケンスを取り出す文字の, フォント・サイズを選択します。指定できる値は24,32,および 40の任意の組み合わせであるか,またはALLキーワードです。フォント・サイズを 1つだけ指定する場合には,括弧は省略できます。

24,32,および40という値はそれぞれ,24×24ドット,32×32ドット,および 40×40ドットのロード可能シーケンスを取り出すことを示します。ALLキーワードは, EXTRACT REFERENCEコマンドがすべてのフォント・サイズ(24×24,32×32,および 40×40)のロード可能シーケンスを取り出し, それらをプリロード・ファイルに出力することを指定します。

この修飾子を指定しなかった場合には, /SIZE=ALLが指定されているものと解釈されます。

説明

EXTRACT REFERENCEコマンドは, 指定されたテキスト・ファイルからユーザ定義文字を検索し, 検索されたユーザ定義文字の文字パターンのロード可能シーケンスをシステム・ フォント・データベースから取り出し,それらを新しく作成されたプリロード・ ファイルに出力します。

文字パターンのロード可能シーケンスは,検索された回数の小さい順に格納されます。 つまり,検索された回数が最も多いユーザ定義文字のロード可能シーケンスは, プリロード・ファイルの最後に格納されます。

テキスト・ファイル内のユーザ定義文字の文字パターンを,システム・フォント・ データベースから検索できない場合には, EXTRACT REFERENCEコマンドは警告メッセージを表示します。

  1. $ CHARACTER_MANAGER EXTRACT REFERENCE/SIZE=ALL WEEKLY.TXT WKLY.PRE
    %CMGR-I-XTGFONT, Extracting font pattern of size 24x24 from CMGR DEFAULT database
    %CMGR-I-FONTXTD, Font pattern of size 24x24 for code A77E extracted
    %CMGR-I-FONTXTD, Font pattern of size 24x24 for code A221 extracted
    %CMGR-I-XTGFONT, Extracting font pattern of size 32x32 from CMGR DEFAULT database
    %CMGR-I-FONTXTD, Font pattern of size 32x32 for code A77E extracted
    %CMGR-I-FONTXTD, Font pattern of size 32x32 for code A221 extracted
    %CMGR-I-XTGFONT, Extracting font pattern of size 40x40 from CMGR DEFAULT database
    %CMGR-I-FONTXTD, Font pattern of size 40x40 for code A77E extracted
    %CMGR-I-FONTXTD, Font pattern of size 40x40 for code A221 extracted
    %CMGR-I-TOTFONTXTD, A total of 2 font of size 24x24 extracted to file
    DISK$:[DIRE]WKLY.PRE;1
    %CMGR-I-TOTFONTXTD, A total of 2 font of size 32x32 extracted to file
    DISK$:[DIRE]WKLY.PRE;1
    %CMGR-I-TOTFONTXTD, A total of 2 font of size 40x40 extracted to file
    DISK$:[DIRE]WKLY.PRE;1
    $
    
    この例では,EXTRACT REFERENCEコマンドは WEEKLY.TXTというテキスト・ファイルからユーザ定義文字を検索し, 検索したユーザ定義文字に対してWKLY.PREというプリロード・ファイルを作成します。 文字パターンのロード可能シーケンスは,現在参照されている CMGR_DEFAULTというシステム・フォント・データベースから取り出されます。 プリロード・ファイルには,すべてのサイズ(24×24,32×32,および40×40ドット) の,ロード可能文字パターンが格納されます。


HELP

Character Manager (CMGR)のコマンドに関するヘルプ・テキストと, Character Manager (CMGR)に関連するトピックを表示します。

形式

    HELP   [topic]

   コマンド修飾子        省略時設定

   なし                  なし

パラメータ

[topic]

Character Manager (CMGR)に関連する項目,またはCharacter Manager (CMGR)コマンドの中から,ヘルプ情報が必要な項目またはコマンドを指定します。 HELPコマンドでは,パラメータに修飾子を指定できます。

説明

HELPコマンドはCharacter Manager (CMGR)に関する情報を漢字ターミナルに表示します。 トピック・パラメータを指定すれば,そのトピックに関するヘルプ・テキストを 表示できます。トピック・パラメータを指定しなかった場合には, 参照できる情報のリストが表示され,HELPコマンドは, トピックを選択するように要求するプロンプトを表示します。

  1. $ CHARACTER_MANAGER HELP COPY
    
    この例では,HELPコマンドはCOPYコマンドに関するヘルプ・テキストを表示します。


REMOVE

ユーザ定義文字の文字パターンを,システム・フォント・データベースから削除します。

形式

    REMOVE    character-code[,...]

   コマンド修飾子        省略時設定

   /CONFIRM              /CONFIRM
   /LOG                  /LOG
   /SIZE=(font-size[,...]/SIZE=ALL

制限事項

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権が必要です。この特権がない場合には, エラー・メッセージが表示されます。この場合には,REMOVEコマンドは無視され, システム・フォント・データベースは変更されません。

パラメータ

character-code[,...]

削除操作の対象となる文字コードを,16進数で指定します。この文字コードの 文字パターンが,システム・フォント・データベースから削除されます。

複数の文字の属性を削除する場合には,各文字コードをコンマ(,)で区切ります。 コード範囲によって文字コードを指定する場合には,文字コードをハイフン(-) で区切ります。この記号は,2つの文字コードによって定義される 範囲内のすべての文字コードの属性を削除することを示します。

アスタリスク(*)を単独で使用すれば, 対応する文字コード領域内のすべての文字コードを指定できます。

コマンド修飾子

/CONFIRM
/NOCONFIRM

削除操作を確認するかどうかを選択します。

/CONFIRMを指定した場合には,REMOVEコマンドはシステム・フォント・ データベースから削除されるすべての文字コードに対して,確認を要求します。

肯定応答はYES,TRUE,および1です。否定応答はNO,FALSE,0および [Return] キーです。QUITまたは [Ctrl/Z] を入力すると,REMOVEコマンドの処理はその時点で停止されます。ALLと入力すると, REMOVEコマンドの処理は継続され,その後プロンプトは表示されません。

/NOCONFIRMを指定した場合には,REMOVEコマンドは確認プロンプトを表示せずに, 文字パターンを削除します。

この修飾子を指定しなかった場合には,/CONFIRMが指定されているものと解釈されます。

/LOG
/NOLOG

REMOVEコマンドが,削除される各文字コードの文字コード指定を, 表示するかどうかを制御します。/LOG修飾子を使用した場合には,REMOVEコマンドは, 削除した文字の総数も表示します。

この修飾子を指定しなかった場合には,/LOGが指定されているものと解釈されます。

/SIZE=(font-size[,...])

REMOVEコマンドによって文字パターンを削除する文字の, フォント・サイズを指定します。

フォント・サイズとして指定できる値は,24,32,および 40の任意の組み合わせであるか,またはALLキーワードです。24,32,および 40という値はそれぞれ,文字パターンが24×24ドット,32×32ドット,および 40×40ドットであることを示します。

この修飾子にフォント・サイズを1つだけ指定する場合には,括弧は省略できます。

この修飾子を指定しなかった場合には,/SIZE=ALLが指定されているものと解釈され, すべてのフォント・サイズの文字パターンがシステム・フォント・データベース から削除されます。

説明

REMOVEコマンドは,文字パターンをシステム・フォント・データベースから削除します。

指定した文字コードの文字パターンが, システム・フォント・データベースに登録されていない場合には, REMOVEコマンドはエラー・メッセージを表示し, システム・フォント・データベースは変更されません。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権が必要です。

  1. $ CHARACTER_MANAGER REMOVE /SIZE=(24,32)/FULL A121,A123
    %CMGR-I-RMGFONT, Removing font pattern of size 24x24 from GOTHIC database
    Remove font pattern of size 24x24 for code A121 ? [N]: Y
    %CMGR-I-FONTRMD, Font pattern of size 24x24 for code A121 removed
    Remove font pattern of size 24x24 for code A123 ? [N]: Y
    %CMGR-I-FONTRMD, Font pattern of size 24x24 for code A123 removed
    %CMGR-I-RMGFONT, Removing font pattern of size 32x32 from GOTHIC database
    Remove font pattern of size 32x32 for code A121 ? [N]: Y
    %CMGR-I-FONTRMD, Font pattern of size 32x32 for code A121 removed
    Remove font pattern of size 32x32 for code A123 ? [N]: Y
    %CMGR-I-FONTRMD, Font pattern of size 32x32 for code A123 removed
    $
    
    この例では,REMOVEコマンドは2つのユーザ定義文字(16進数でA121とA123)の文字パターンを, GOTHICというシステム・フォント・データベースからそれぞれ削除します。 24×24および32×32ドット・サイズの文字パターンは削除されますが,40×40ドット・ サイズの文字パターンはシステム・フォント・データベースにそのまま残されます。


SET DATABASE

指定したデータベースに対するアクセスを設定します。この後実行される Character Manager (CMGR)のコマンドは, このコマンドによって設定されたデータベースを自動的に参照します。

形式

    SET DATABASE   [database-name]

   コマンド修飾子        省略時設定

   /DEFAULT              なし
   /LOG                  /LOG

制限事項

データベース名パラメータと /DEFAULT修飾子を, 同時に指定することはできません。

パラメータ

[database-name]

アクセスするデータベースの名前を指定します。

コマンド修飾子

/DEFAULT

プロセス論理名CMGR$DATABASE_NAMEの割り当てを解除し,この後実行される Character Manager (CMGR)のコマンドが上位レベルの論理名テーブル内の, CMGR$DATABASE_NAMEという論理名によって示される省略時のデータベースを, 自動的に参照するようにします。

データベース名パラメータを,この修飾子と組み合わせて指定することはできません。

/LOG
/NOLOG

SET DATABASEコマンドが,データベース名を表示するかどうかを制御します。

この修飾子を指定しなかった場合には,/LOGが指定されているものと解釈されます。

説明

SET DATABASEコマンドを使用すれば, 指定したデータベースをアクセスできるようになります。この後実行される Character Manager (CMGR)のコマンドは, 指定されたデータベースを自動的に参照します。

設定されているデータベース名は,SHOW DATABASEコマンドを使用して確認できます。

  1. $ CHARACTER_MANAGER SET DATABASE GOTHIC
    %CMGR-I-DBSET, Database set to GOTHIC
    $
    
    この例では,SET DATABASEコマンドは,現在のデータベースとして, GOTHICデータベースを設定し,この後実行されるCharacter Manager (CMGR)のコマンドによって,このデータベースがアクセスされるようにします。
  2. $ CHARACTER_MANAGER SET DATABASE/DEFAULT
    %CMGR-I-DBSET, Database set to CMGR_DEFAULT
    $
    
    この例では,SET DATABASEコマンドは,CMGR_DEFAULTデータベースがこの後実行される Character Manager (CMGR)のコマンドによって,アクセスされるように設定します。


SHOW BITMAP

ユーザ定義文字の文字パターンを表示します。 文字パターンはシステム・フォント・データベースまたは プリロード・ファイルから取り出され,ビットマップ形式で表示されます。

形式

    SHOW BITMAP   character-code[,...]

   コマンド修飾子        省略時設定

   /BACKGROUND           /BACKGROUND
   /OUTPUT=output-file   /OUTPUT=SYS$OUTPUT
   /SIZE=(font-size[,...]/SIZE=ALL
   /SYSTEM               /SYSTEM
   /USER=input-file      なし
   /WIDTH=display-width  /WIDTH=132

パラメータ

character-code[,...]

文字パターンを表示したい,1つ以上の文字コードを16進数で指定します。

1つ以上の文字コードの文字パターンを表示する場合には,各文字コードをコンマ(,) で区切ります。コード範囲によって文字コードを指定する場合には, 2つの文字コードをハイフン(-)で区切ります。この記号は, 2つの文字コードの間に含まれるすべての文字パターンが表示されることを示します。

アスタリスク(*)を単独で使用すれば,すべてのユーザ定義文字コードを指定できます。

コマンド修飾子

/BACKGROUND
/NOBACKGROUND

ビットマップ形式で表示される文字パターンの,背景を指定します。 /NOBACKGROUND修飾子を指定した場合には,文字パターンのビットマップはアットマーク (@)によって表示され,背景には何も表示されません。/BACKGROUND 修飾子を使用した場合には,ビットマップの背景はピリオド(.)で塗りつぶされます。

省略時の設定では,/BACKGROUNDが指定されているものと解釈されます。

/OUTPUT=output-file

SHOW BITMAPコマンドが, ビットマップ表示をデータ・ファイルに出力するかどうかを制御します。 /OUTPUT修飾子にファイル名を指定した場合には,SHOW BITMAP コマンドはそのファイルを作成し,文字パターンをそのファイルに出力します。

省略時の設定では,SHOW BITMAPコマンドは,文字パターンを,論理名 SYS$OUTPUTとして定義されている装置に出力します。

/SIZE=(font- size[,...])

文字パターンを表示する文字のフォント・サイズを指定します。

フォント・サイズとして指定できる値は24,32,および40の任意の組み合わせであるか, またはALLキーワードです。/SIZE=ALLは,/SIZE=(24,32,40) と指定するのと同じです。24,32,および40という値はそれぞれ,文字パターンが 24×24ドット,32×32ドット,および40×40ドットで構成されることを示します。

/SIZE修飾子に複数のフォント・サイズを指定した場合には, 文字パターンは文字コードの順ではなく,フォント・サイズの順に表示されます。 つまり,1つのフォント・サイズのすべての出力が終了した後, 別のフォント・サイズの出力が開始されます。

この修飾子を指定しなかった場合には,/SIZE=ALLが指定されているものと解釈され, すべてのフォント・サイズの文字パターンがビットマップ形式で表示されます。

/SYSTEM

SHOW BITMAPコマンドが, システム・フォント・データベースを取り扱うことを指定します。

/SYSTEM修飾子と /USER修飾子を,同時に指定することはできません。 /SYSTEM修飾子と /USER修飾子をどちらも指定しなかった場合には, SHOW BITMAPコマンドは /SYSTEM修飾子が指定されているものと解釈します。

/USER=input-file

SHOW BITMAPコマンドがユーザ・ファイル,つまり, プリロード・ファイルを取り扱うことを指定します。 この修飾子には入力ファイルを指定しなければなりません。

ファイル指定ではワイルドカードを使用できます。 ファイル・タイプを省略した場合には,".PRE"が使用されます。

/SYSTEM修飾子と /USER修飾子を同時に指定することはできません。 /SYSTEM修飾子と /USER修飾子をどちらも指定しなかった場合には, SHOW BITMAPコマンドは /SYSTEM修飾子が指定されているものと解釈します。

/WIDTH=display-width

このコマンドの出力の幅を指定します。表示幅に対して指定できる値は, 80と132のいずれかです。

省略時の設定では,/WIDTH=132が指定されているものと解釈されます。

説明

SHOW BITMAPコマンドは,文字パターンをビットマップ形式で表示します。

/USER修飾子を入力ファイル名と組み合わせて指定した場合には, SHOW BITMAPコマンドは文字パターンを指定されたプリロード・ファイルから取り出します。 この場合,複数の文字コード・パラメータを指定すると,文字パターンは, 対応するデータ・ファイルに格納されている順に表示されます。

/SYSTEM修飾子を指定した場合には, SHOW BITMAPコマンドは文字パターンをシステム・フォント・データベースから取り出します。 この場合,複数の文字コード・パラメータを指定した場合には,文字パターンは, 文字コードをコマンド行に指定した順に表示されます。

/SIZE修飾子に複数のフォント・サイズを指定した場合には, ビットマップ・パターンはフォント・サイズの順に表示されます。つまり, 1つのフォント・サイズのすべてのビットマップ・パターンを表示した後, 別のフォント・サイズのビットマップ・パターンが表示されます。

  1. $ CHARACTER_MANAGER SHOW BITMAP/SIZE=32/NOBACKGROUND/USER=[DIRE]FONT B021,B023
    %CMGR-I-READFIL, ファイル DISK$:[DIRE]FONT.PRE;1 を読み込みます。
    
    この例では,SHOW BITMAPコマンドは,文字コードが16進数のB021, B023であるユーザ定義文字の文字パターンを,ビットマップ形式で表示します。 文字パターンは [DIRE] ディレクトリ内の FONT.PREというプリロード・ファイルから取り出され,そのフォント・サイズは 32×32ドットです。

    図 4-3は上記のコマンドの結果を示しています。

    図 4-3 例1のコマンドによって表示されたビットマップ形式の文字パターン :(クリックで表示)


  2. $ CHARACTER_MANAGER SHOW BITMAP/SIZE=ALL/NOBACKGROUND/SYSTEM A371
    
    この例では,SHOW BITMAPコマンドは,文字コードが16進数の A371である文字の文字パターンを,ビットマップ形式で表示します。 文字パターンはシステム・フォント・データベースから取り出され, フォント・サイズは24×24,32×32,および40×40ドットです。

    図 4-4図 4-5図 4-6は上記のコマンドの結果を示しています。

    図 4-4  例2のコマンドによって表示されたビットマップ形式の文字パターン- (24×24) :(クリックで表示)

    図 4-5  例2のコマンドによって表示されたビットマップ形式の文字パターン- (32×32) :(クリックで表示)

    図 4-6  例2のコマンドによって表示されたビットマップ形式の文字パターン- (40×40) :(クリックで表示)


SHOW CHARACTER_SET

現在参照されているデータベースの,コードセット情報を表示します。

形式

    SHOW CHARACTER_SET

   コマンド修飾子        省略時設定

   なし                  なし

説明

SHOW CHARACTER_SETコマンドは, 現在参照されているデータベースのコードセット情報を表示します。 このコマンドを使用すれば,参照されているデータベースに格納されている標準文字, DEC予約文字,およびユーザ定義文字の文字コード範囲を確認できます。

  1. $  CHARACTER_MANAGER SHOW CHARACTER_SET
    
     DEC Kanji Character Set
    
       Code range   Quadrant Section range Character class
     ----- --- ----- -----
       A1A1 - A8FE     LR        1 - 8     JIS Character
       A9A1 - AFFE     LR        9 - 15    JIS Reserved Character
       B0A1 - CFFE     LR       16 - 47    JIS Character
       D0A1 - F4FE     LR       48 - 84    JIS-2 Character
       F5A1 - FEFE     LR       85 - 94    JIS Reserved Character
       A121 - BF7E     LL        1 - 31    User-Defined Character
       C021 - FE7E     LL       32 - 94    DEC Reserved User-Defined Character
    
    $
    
    この例では,SHOW CHARACTER_SETコマンドは, 現在参照されているデータベースのコードセット情報,つまり, DEC漢字コードセットの情報を表示します。


SHOW DATABASE

現在参照されているデータベース, または現在使用可能なデータベースの名前を表示します。

形式

    SHOW DATABASE

   コマンド修飾子        省略時設定

   /ALL                  なし

コマンド修飾子

/ALL

SHOW DATABASEコマンドが, 使用可能なデータベースのリストを表示することを指定します。 現在参照されているデータベースには,先頭に"->"が表示されます。

説明

SHOW DATABASEコマンドは,現在参照されているデータベースまたはフォント・ システムで参照可能なデータベースの名前を表示します。

/ALL修飾子を指定した場合には,SHOW DATABASEコマンドは, その時点で参照できるデータベースのリストを表示します。 /ALL修飾子を指定しなかった場合には, SHOW DATABASEコマンドは現在参照されているデータベースを表示します。

  1. $ CHARACTER_MANAGER SHOW DATABASE
    %CMGR-I-DATABASE, Database is GOTHIC
    $
    
    この例では,SHOW DATABASEコマンドは現在参照されているデータベースを表示します。 この例では,ユーザはGOTHICデータベースを参照しています。
  2. $ CHARACTER_MANAGER SHOW DATABASE/ALL
    
        Database Name
        ------
        CMGR_DEFAULT
      ->GOTHIC
    
    $
    
    この例では,SHOW DATABASEコマンドは, フォント・システムで使用できるデータベースの名前を表示します。 この例では,ユーザはGOTHICデータベースを参照しています。


SHOW TABLE

文字コード・テーブルを表示します。

形式

    SHOW TABLE   [section-number[,...]]

   コマンド修飾子        省略時設定

   /OUTPUT=output-file   /OUTPUT=SYS$OUTPUT
   /SIZE=(font-size[,...]/SIZE=ALL
   /SYSTEM               /SYSTEM
   /USER=input-file      なし

   位置修飾子            省略時設定

   /QUADRANT=quadrant    /QUADRANT=LL

パラメータ

[section-number[,...]]

文字コード・テーブルの中で表示したい,1つ以上の区番号を指定します。 区番号は1〜94の範囲です。

文字コード・テーブルの中で,複数の区番号を表示する場合には,各区番号をコンマ (,)で区切ります。区を範囲によって指定する場合には,2つの区番号をハイフン(-) で区切ります。この記号は,2つの区番号の間に含まれる, すべての文字コードのリストを作成することを示します。この場合,最初の区番号は, 2番目の区番号より小さい値でなければなりません。

アスタリスク(*)を単独で使用すれば, 対応する象限内のすべての区番号を指定できます。

コマンド修飾子

/OUTPUT=output-file

SHOW TABLEコマンドが, 指定されたデータ・ファイルに文字コード・テーブルを出力するかどうかを制御します。 /OUTPUT修飾子にファイル名を指定した場合には, SHOW TABLEコマンドはそのファイルを作成し, 文字コード・テーブルをそのファイルに出力します。

省略時の設定では,SHOW TABLEコマンドは論理名 SYS$OUTPUTとして定義されている装置に,文字コード・テーブルを出力します。

/SIZE=(font- size[,...])

文字コード・テーブルを表示する対象となるフォント・サイズを指定します。

フォント・サイズとして指定できる値は,24,32,および 40の任意の組み合わせであるか,またはALLキーワードです。/SIZE=ALLは /SIZE=(24,32,40)と指定するのと同じです。24,32,および 40という値はそれぞれ,文字パターンが24×24ドット,32×32ドット,および 40×40ドットで構成されることを示します。

この修飾子を指定しなかった場合には,/SIZE=ALLが指定されているものと解釈され, すべてのフォント・サイズの情報が表示されます。

/SYSTEM

SHOW TABLEコマンドがシステム・フォント・データベースについて, 文字コード・テーブルを作成することを指定します。

/SYSTEM修飾子と /USER修飾子を,同時に指定することはできません。 /SYSTEM修飾子と /USER修飾子をどちらも指定しなかった場合には, SHOW TABLEコマンドは /SYSTEM修飾子が指定されているものと解釈します。

/USER=input-file

SHOW TABLEコマンドがユーザ・ファイル,つまり, プリロード・ファイルについて文字コード・テーブルを作成することを指定します。 この修飾子には,入力ファイルを指定しなければなりません。

ファイル指定では,ワイルドカードを使用できます。 ファイル・タイプを省略した場合には,".PRE"が使われます。

/SYSTEM修飾子と /USER修飾子を,同時に指定することはできません。 /SYSTEM修飾子と /USER修飾子をどちらも指定しなかった場合には, SHOW TABLEコマンドは,/SYSTEM修飾子が指定されているものと解釈します。

位置修飾子

/QUADRANT=quadrant 指定した区番号が含まれる,2バイト文字平面上での象限を指定します。

キーワードとしてLL,LOWER_LEFT,LR,LOWER_RIGHTのいずれかを指定できます。 LLキーワードとLOWER_LEFTキーワード,およびLRキーワードと LOWER_RIGHTキーワードはそれぞれ同じです。LLキーワードは 2バイト文字平面上での左下の象限を示し,LRキーワードは右下の象限を示します。

/USER修飾子と同時に指定することはできません。

省略時の設定では,/QUADRANT=LLが指定されているものと解釈されます。

説明

SHOW TABLEコマンドは,システム・データベースに格納されている文字コードのテーブル, またはユーザのデータ・ファイルに登録されている, 文字コードのテーブルを表示します。/USER修飾子を指定した場合には, 区番号のパラメータを指定できません。

/USER修飾子に入力ファイルを指定した場合には,SHOW TABLEコマンドは, 文字コード・テーブルを作成するためにプリロード・ファイルを読み込みます。 この場合,出力される文字コード・テーブルには, プリロード・ファイル内のすべての文字コードが表示されます。 /SYSTEM修飾子を指定した場合には,SHOW TABLEコマンドは, 文字コード・テーブルを作成するために, システム・フォント・データベースを読み込みます。 この場合,指定された区内のすべての文字コードが,出力で使用されます。

/SYSTEMを指定した場合には, 文字コード・テーブルはパラメータに指定された区番号によって作成されます。 つまり,指定された区内のすべての文字コードが,出力で使用されます。 /USERを指定した場合には,ユーザ・ファイルに対して作成される文字コード・ テーブルは,区番号によってではなく,文字コード自体によって左右されます。 つまり,ある文字コードの文字パターンを, ユーザのデータ・ファイルから検索できない場合には,その文字コードのエントリは, 文字コード・テーブルに含まれません。

SHOW TABLEコマンドは,文字コード・テーブル内の文字コードだけを使用します。 したがって,テーブル内のユーザ定義文字の文字パターンは,システム・フォント・ データベースまたはプリロード・ファイル内の文字パターンを, 必ずしも反映するわけではありません。文字パターンが, すでに出力装置のフォントRAMに格納されている場合には, フォントRAM内のパターンが文字コード・テーブルで使用されます。 システム・フォント・データベースまたは指定したプリロード・ファイル内の文字パターンを, 必ず表示したい場合には,その前にフォントRAMに格納されている文字パターンを, 更新するかまたはリセットしなければなりません。

  1. $ CHARACTER_MANAGER SHOW TABLE/SIZE=(24,40)/SYSTEM 1
    
    この例では,SHOW TABLEコマンドは,システム・フォント・データベース内の象限 LLの第1区に登録されている,24×24ドットと40×40ドットのフォント・サイズの 文字コード・テーブルを作成します。

    図 4-7図 4-8は, 上記のコマンドで作成された文字コード・テーブルの例を示しています。 登録されていないユーザ定義文字に対しては,何も表示されません。

    図 4-7  例1のコマンドで作成された文字コード・テーブル(その1) :(クリックで表示)

    図 4-8  例1のコマンドで作成された文字コード・テーブル(その2) :(クリックで表示)

  2. $ CHARACTER_MANAGER SHOW TABLE/USER=[DIRE]FONT
    
    %CMGR-I-READFIL,ファイル DISK$:[DIRE]FONT.PRE;1 を読み
    込みます。
    
    この例では,SHOW TABLEコマンドは, [DIRE]FONT.PREのすべての文字コードに対して文字コード・テーブルを作成します。

    図 4-9は,上記のコマンドの結果を示しています。 テーブル内のハイフンは,対応する属性が, プリロード・ファイルに格納されていないことを示しています。

    図 4-9  例2のコマンドによって作成された文字コード・テーブル :(クリックで表示)


SHOW VERSION

Character Manager (CMGR)のソフトウェア・バージョンを表示します。

形式

    SHOW VERSION

   コマンド修飾子        省略時設定

   なし                  なし

説明

SHOW VERSIONコマンドは,現在使用しているCharacter Manager (CMGR)のバージョンを表示します。

  1. $  CHARACTER_MANAGER SHOW VERSION
    %CMGR-I-VERSION, CMGR Version V2.0
    $
    
    この例では,SHOW VERSIONコマンドは,Character Manager (CMGR)ソフトウェアのバージョン2.0を現在使用していることを示します。


UPDATE

プリロード・ファイルから,文字パターンをシステム・データベースに登録します。

形式

    UPDATE   input-file[,...]

   コマンド修飾子        省略時設定

   /CONFIRM[=condition]  /CONFIRM=ALL
   /LOG                  /LOG
   /SIZE=(font-size[,...]/SIZE=ALL

制限事項

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権が必要です。この特権がない場合には, エラー・メッセージが表示され,UPDATEコマンドは無視されます。

パラメータ

input-file[,...]

UPDATEコマンドがシステム・データベース内のレコードを更新するために 使用するデータ・ファイルを指定します。

入力ファイル指定では,ワイルドカードを使用できます。 ファイル・タイプを指定しなかった場合には, ".PRE"が使用されます。

コマンド修飾子

/CONFIRM[=condition]
/NOCONFIRM

特定の状況のもとで登録操作を確認するかどうかを選択します。 指定できるキーワードはALLとCONFLICTです。

肯定応答はYES,TRUE,および1です。否定応答はNO,FALSE,0および [Return] キーです。QUITまたは [Ctrl/Z] を入力すると,UPDATEコマンドの処理はその時点で停止されます。ALLと入力すると, UPDATEコマンドの処理は継続され,その後,プロンプトは表示されません。

CONFLICTキーワードは,文字コードの文字パターンが, システム・フォント・データベースにすでに登録されている場合にだけ, 確認を要求することを示します。ALLキーワードを指定した場合には,UPDATEコマンドは, プリロード・ファイルから登録されるすべての文字コードに対して確認を要求します。

/CONFIRM修飾子を指定しなかった場合や, この修飾子にキーワードを指定しなかった場合には, /CONFIRM=ALLが指定されているものと解釈されます。

/LOG
/NOLOG

UPDATEコマンドが登録される各文字の文字コード指定を, 表示するかどうかを制御します。/LOG修飾子を指定した場合には, UPDATEコマンドは登録した文字の総数も表示します。

省略時の設定では,/LOG修飾子が指定されているものと解釈されます。

/SIZE=(font-size[,...])

UPDATEコマンドがシステム・フォント・データベースに登録するフォント・ サイズを指定します。

フォント・サイズとして指定できる値は,24,32,および40の任意の組み合わせであるか, またはALLキーワードです。/SIZE=ALLは /SIZE=(24,32,40) と指定するのと同じです。

/SIZE修飾子にフォント・サイズを1つだけ指定した場合には,指定したフォント・ サイズの文字パターンだけがプリロード・ファイルからシステム・フォント・ データベースに登録されます。この場合,他のフォント・サイズの文字パターンは, それがプリロード・ファイルに格納されている場合でも登録されません。

この修飾子を指定しなかった場合には,/SIZE=ALLが指定されているものと解釈され, プリロード・ファイルに格納されているすべての文字パターンが登録されます。

説明

UPDATEコマンドは,プリロード・ファイルから文字パターンをシステム・フォント・ データベースに登録します。

  1. $ CHARACTER_MANAGER UPDATE/CONFIRM=ALL/FULL PRELOAD
    CMGR-I-UPGFONT, Updating font pattern of GOTHIC database from file
                                                        DISK$:[DIRE]PRELOAD.PRE ...
    %CMGR-I-FONTEXIST, Font pattern of size 24x24 for code A124 already exist
    Update font pattern of size 24x24 for code A124 ? [N]: N
    %CMGR-I-FONTEXIST, Font pattern of size 32x32 for code A124 already exist
    Update font pattern of size 32x32 for code A124 ? [N]: N
    %CMGR-I-FONTEXIST, Font pattern of size 40x40 for code A124 already exist
    Update font pattern of size 40x40 for code A124 ? [N]: N
    Update font pattern of size 24x24 for code A125 ? [N]: Y
    %CMGR-I-FONTUPD, Font pattern of size 24x24 for code A125 updated
    Update font pattern of size 32x32 for code A125 ? [N]: Y
    %CMGR-I-FONTUPD, Font pattern of size 32x32 for code A125 updated
    Update font pattern of size 40x40 for code A125 ? [N]: Y
    %CMGR-I-FONTUPD, Font pattern of size 40x40 for code A125 updated
    %CMGR-I-DBUPD, GOTHIC System Database Updated
    $
    
    この例では,UPDATEコマンドは, PRELOAD.PREというプリロード・ファイル内のすべてのロード可能な文字パターン・ シーケンスを読み込み,それをGOTHICというシステム・フォント・データベースに 登録します。処理されるすべての文字コードに対して,確認が要求されます。


4.5 JIS X 0208-1983第2水準漢字文字セット

初期型のVT280シリーズ漢字ディスプレイ・ターミナルには, JIS X 0208-1983第2水準漢字に対するフォントROMが装備されていません。 この漢字ターミナルをサポートするために,EXTRACT CODEコマンドと EXTRACT REFERENCEコマンドで,/JIS2修飾子が提供されています。 この修飾子を使用すれば, JIS X 0208-1983第2水準漢字文字のロード可能シーケンスを取り扱うことができます。


4.6 複数のデータベース

Character Manager (CMGR)のバージョン2.0では,2つのデータベースが提供されます。 これらのデータベースの名前はCMGR_DEFAULTとGOTHICです。 CMGR_DEFAULTデータベースは, CMGR$DATABASE_NAMEという論理名が定義されていない時に, 省略時のデータベースとして使用されます。


4.7 制限事項

以下のような場合には,Character Manager (CMGR)の動作は保証されません。

また,CMGRは,Super DEC漢字文字セットには対応していません。従来の DEC漢字文字セットのみサポートしています。


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