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この章では,AlphaServer 8200でOpenVMS Galaxyコンピューティング環境を構築する方法について説明します。 第6 章で説明しているAlphaServer 8400の手順と異なる手順を中心に説明しています。
可能な構成は次の1つだけです。
構成に必要なハードウェアを入手した後,第6 章の第6.2.1項から第6.2.4 項までの手順に従い,その後,この節の手順に従ってハードウェアを組み立てます。
プラグインEISA装置はパーティション0でのみ構成できます。EISA装置を取り付けた後,EISA Configuration Utility (ECU) を実行するように要求するメッセージがコンソールから出力されます。
次の説明に従ってECUを実行します。
P08>>> SET ARC_ENABLE ON P08>>> INITIALIZE P08>>> RUNECU
ECUには2つのバージョンがあり,1つはグラフィックス端末で実行され, もう1つはキャラクタ・セル端末で実行されます。どちらのバージョンもフロッピィに格納されており, コンソールはどちらのバージョンを実行するかを判断します。OpenVMS Galaxy システムの場合,プライマリ・コンソールは常にキャラクタ・ セル端末を装備したシリアル装置です。
ECUを実行しないと,OpenVMSは次のメッセージを表示します。
%SYSTEM-I-NOCONFIGDATA, IRQ Configuration data for EISA slot xxx was not found, please run the ECU and reboot.
このメッセージを無視すると,システムはブートされますが,プラグインEISA 装置は無視されます。
これまでの説明に従ってOpenVMS Galaxyハードウェアを構成し,設定した後, 次の手順を実行してOpenVMS Galaxyインスタンスをインストールし, ブートします。
インスタンスごとにシステム・ディスクを使用するのか,または クラスタ全体で共通のディスクで使用するのかを判断します。
OpenVMSバージョン7.1-2より以前のバージョンを稼動しているクラスタ・ メンバのうち,Galaxyインスタンスと同じVMS$OBJECTS.DATを共用するクラスタ・ メンバの場合は,新しいSECURITY.EXEが必要です(詳細については, 第1.8節を参照)。
OpenVMS Galaxyソフトウェアを実行するのに,特別なインストール手順は必要ありません。Galaxy 機能は基本オペレーティング・システムに組み込まれており, この章で説明するコンソール・コマンドとシステム・パラメータ値を使用して, 有効または無効に設定できます。
OpenVMS Alphaオペレーティング・システムのインストールの詳細については, 『OpenVMS Alpha Version 7.2 Upgrade and Installation Manual』を参照してください。
第4.1節を参照してください。
AlphaServer 8200でOpenVMS Galaxy環境を構築するには,各プロセッサ・ モジュールでファームウェアのアップグレードが必要です。これらのモジュールをGalaxy 以外の構成で再び使用する場合は,以前のファームウェアを再インストールする必要があります。 現在のファームウェアCDは必ず保管しておいてください。
使用する予定のすべてのプロセッサ・モジュールを取り付け,同時に更新しておけば, 作業時間を短縮できます。AlphaServer 8200では,すべてのプロセッサ・ ボードで同じファームウェアを使用しなければなりません。 後でボードをアップグレードしなければならない場合は,次の操作が必要です。
ファームウェアをアップグレードするには,システムの電源をオンにし, 非Galaxyモードで稼動します(つまり,lp_countコンソール環境変数を設定している場合,0 に設定する必要があります)。
コンソール環境変数を設定するには,次のコマンドを使用します。
P08>>> SET LP_COUNT 0 P08>>> INIT
ファームウェアをアップグレードするには,OpenVMSバージョン7.2-1 CD- ROMパッケージに含まれているAlpha Systems Firmware Update Version 5.4 CD-ROMを使用します。ファームウェアをインストールする前にパッケージに含まれているリリース・ ノートを必ずお読みください。
すべてのプロセッサ・モジュールでファームウェアをアップグレードした後, 次の例に示すように,Galaxy固有の環境変数を作成できます。この例では,2 つのインスタンス,4つのCPU,1 GBのOpenVMS Galaxyコンピューティング環境を構成しているものと仮定しています。
P08>>> create -nv lp_count 2 P08>>> create -nv lp_cpu_mask0 100 P08>>> create -nv lp_cpu_mask1 e00 P08>>> create -nv lp_io_mask0 100 P08>>> create -nv lp_io_mask1 80 P08>>> create -nv lp_mem_size0 10000000 P08>>> create -nv lp_mem_size1 10000000 P08>>> create -nv lp_shared_mem_size 20000000 P08>>> init
これらの変数を作成した後,コンソールSETコマンドを使用して,変数を操作することができます。 これらの変数はプロセッサ0でのみ作成する必要があります。
ここでは各環境変数について詳しく説明します。
この変数が0に設定されていると,システムは従来のSMP構成だけをブートします。Galaxy コンソール・モードはOFFになります。
この変数が0以外の値に設定されている場合は,Galaxy機能が使用され, Galaxy変数が解釈されます。lp_countの正確な値は,コンソールが認識するGalaxy パーティションの数を表します。
このビット・マスクは,指定されたGalaxyパーティション番号にどのCPU を最初に割り当てるかを指定します。AlphaServer 8200コンソールは,パーティション内の最初の偶数番号のCPU をイニシャル・インスタンスとしてCPU 08 で始まるプライマリCPUとして選択します。リソースを割り当てる場合は, このことに注意してください(つまり,奇数番号だけのCPUをパーティションに割り当てないでください) 。
これらの変数は,スロット番号によってIOモジュールを各インスタンスに割り当てます。
AlphaServer 8200の場合,ここに示した割り当てだけが有効です。
これらの変数は,指定されたインスタンスに対して特定の容量のプライベート・ メモリを割り当てます。システム内のメモリ容量と各インスタンスにとって必要な割り当てをもとに, 適切な値を使用してこれらの変数を作成することが必要です。 一般的な値については,表 B-1を参照してください。
また,この後の共用メモリ変数も参照してください。
この変数は,共用メモリとして使用するメモリを割り当てます。一般的な値については, 付録 Bを参照してください。
使用する共用メモリの容量だけを定義でき,他のlp_mem_size変数は未定義のままにしておくことができます。 このようにすると,コンソールは上位アドレス空間から共用メモリを割り当て,lp_count 変数によって指定された数のパーティションに対して, 残りのメモリを等しく分割します。
また,lp_mem_size 変数を使用して特定のパーティションにメモリを明示的に割り当て, 他のパーティションのメモリ割り当てを未定義のままにした場合も, コンソールはメモリ・フラグメントを,明示的にメモリが割り当てられたパーティションおよび共用メモリに対して割り当て, 残りのメモリを分割して, 明示的にメモリが割り当てられていない残りのパーティションに割り当てます。
初期インストールの後や,システム・クラッシュやオペレータによって要求された再ブートの後, システムを再ブートしなければならない場合は, AUTOGENが正しく再ブートされるように,ブートの前に各Galaxyコンソールでこれらの変数を設定する必要があります。
P08>>> SHOW LP* lp_count 2 lp_shared_mem_size 20000000 (512 MB) lp_mem_size0 10000000 (256 MB) lp_mem_size1 10000000 (256 MB) lp_cpu_mask0 100 (CPU 0) lp_cpu_mask1 e00 (CPUs 1-3) lp_io_mask0 100 (I/O module in slot 8) lp_io_mask1 80 (I/O module in slot 7) P08>>>
KFE72-DAがWindows-NT用に構成されていた場合は,おそらくビデオ・ボードを検出しようとしますが, 検出できないときはハングします。OpenVMS Galaxyを構成する場合,このような状況が一般的に発生します。操作モードを設定するには, コンソール・コマンドを使用します。
P08>>> SET CONSOLE SERIAL
セカンダリ・コンソールを初期化する前に,プライマリ・コンソールに対してこのコマンドを実行すると, 設定はセカンダリ・コンソール・ハードウェアに伝達されます。
イーサネット・ポートを使用する場合は,使用するメディアの種類と接続をコンソールに通知しなければなりません。 つまり,AUI,UDP,ツイスト・ ペアのいずれを使用するのかを指定する必要があります。コンソールとオペレーティング・ システムはどのメディアを使用するかを判断しますが, 次のコマンドを使用すれば,特定のメディア・タイプを割り当てることができます。
P08>>> SHOW NETWORK P08>>> SET EWA0_MODE TWISTED
最初のコマンドは,使用可能なネットワーク装置の一覧を表示します。2 番目のコマンドは,指定された装置(この例ではEWA0)に対してデフォルト・ メディア・タイプを設定します。これはセカンダリ・コンソールを初期化する前に, すべてのイーサネット装置に対して実行しなければなりません。
コンソール・モードとネットワーク・メディア・タイプ(使用する場合)を設定した後, システムを再初期化して,現在の設定を保存します。Galaxy パーティションをすでに定義している場合は,ここで初期化することができます。Galaxy パーティションをまだ定義していない場合は,初期化は後で実行しなければなりません。
システムを初期化できる場合は,次のコマンドを入力します。
P08>>> INIT
プライマリ・コンソールからの応答として,通常の電源投入時の自己診断テスト(POST) レポートが出力されます。これには最大2分かかる可能性があります。Galaxy パーティションを適切に定義した場合は,プライマリ・ パーティションに関連するI/O装置だけが表示されます。
パーティションが定義されていることを確認するには,次のコマンドを入力します。
P08>>> SHOW DEVICE or P08>>> SHOW NETWORK
セカンダリ・コンソールを初期化するには,次のコマンドを入力します。
P08>>> LPINIT
コンソールに次の情報が表示されます。
Partition 0: Primary CPU = 0 Partition 1: Primary CPU = 2 Partition 0: Memory Base = 000000000 Size = 010000000 Partition 1: Memory Base = 010000000 Size = 010000000 Shared Memory Base = 020000000 Size = 010000000 LP Configuration Tree = 12c000 starting cpu 1 in Partition 1 at address 01000c001 starting cpu 2 in Partition 1 at address 01000c001 starting cpu 3 in Partition 1 at address 01000c001 P08>>>
このコマンドはプライマリGalaxyコンソールから入力しなければなりません。Galaxy パーティションが正しく定義されており,ハードウェア・ リソースが正しく構成されている場合は,プライマリ・コンソールは各セカンダリ・ パーティションに割り当てられているプロセッサを起動するはずです。 セカンダリ・コンソールは約2分以内に初期化されます。
1つ以上のコンソールの初期化が失敗した場合は,ハードウェアの取り付け,Galaxy パーティションの定義,ハードウェアの割り当てを二重にチェックする必要があります。
OpenVMSコンソールの制限事項とヒントの詳細については,第10章を参照してください。
Galaxyファームウェアを正しくインストールし,コンソールを構成した後, 次の方法で初期Galaxy環境をブートできます。
各Galaxyインスタンスに対して,次の操作を実行します。
P08>>> B -FL 0,1 DKA100 // or whatever your boot device is. SYSBOOT> SET GALAXY 1 SYSBOOT> CONTINUE
構成はこれで終了です。これでOpenVMS Galaxyが構築されました。
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