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OpenVMSのBACKUPユーティリティを使用して,ファイル,ディレクトリ, またはディスクのコピーを作成しておくことによって,データの消失や破損に備えることができます。 ディスク・ドライブの障害などの問題が発生した場合は, 作成したコピーを復元して,最小限の損失で作業を再開することができます。
本章では,次の作業について説明します。
作業 | 参照箇所 |
---|---|
バックアップ方法の定式化 | 第10.3 節 |
効率的なバックアップのためのプロセス・ クォータの設定 | 第10.7節 |
ディスクとテープの使用 | 第10.8節 |
BACKUPセーブ・セットの内容の表示 | 第10.10節 |
ユーザ・ディスクとボリューム・シャドウ・セットのバックアップ | 第10.15節 |
ユーザ・ディスクとボリューム・シャドウ・セットの復元 | 第10.16節 |
システム・ディスクのバックアップと復元 | 第10.17節 |
データの整合性チェック | 第10.18 節 |
問題が発生したときの対処 | 第10.19節 |
さらに,次の項目について説明します。
項目 | 参照箇所 |
---|---|
バックアップのタイプ | 第10.2 節 |
BACKUPコマンド行 | 第10.4.1項 |
The Backup Manager | 第10.4.2項 |
セーブ・セット | 第10.5節 |
BACKUPのファイル形式 | 第10.6節 |
ボリュームの初期化 | 第10.8.1 項 |
OPCOMとボリューム | 第10.9節 |
マルチボリュームBACKUP 処理 | 第10.11 節 |
BACKUPによるテープ・ラベル処理 | 第10.12節 |
スタンドアロンBACKUP (VAXのみ) | 第10.17.2項 |
BACKUPをデータ消失の防止手段として有効に活用するためには,定期的に大切なデータのバックアップを取り, 必要な場合にそのデータを復元する方法を理解しておく必要があります。
システム管理者は,自分のファイル,ディレクトリ,ディスクばかりでなく, システム・ディスクのバックアップも取ってください。スタンドアロン型のワークステーションを使用している場合, 自分のシステム・ディスクのバックアップを取るのは, たいていシステム管理者一人の仕事です。 ご使用のシステムが大規模なクラスタ型コンピュータ・システムのメンバの場合は, たいていオペレータかシステム管理者がシステム・ディスクのバックアップを取ります。
システム・ディスクのバックアップを取る方法には,次の2種類があります。
BACKUPでイメージ・バックアップを行うと,ディスクのフラグメンテーションが解消します。 このフラグメンテーションは,ディスクにファイルを作成したり, ディスク・ファイルを大きくしたりしていくにつれて,発生する現象です。 連続するブロックにファイルを書き込むことが不可能な場合, ファイル・システムはファイルをフラグメンテーションして書き込みます。 このため,最終的にディスクのフラグメンテーションはひどくなり, システム性能が低下することになります。
フラグメンテーションを解消したい場合は,ディスクのイメージ・バックアップを取り, そのバックアップ・コピーを復元してください。イメージ・ バックアップの復元では,BACKUPはディスク上にファイルを連続して書き込みます。 もう1つ,/SAVE_SET修飾子を使わずに,ディスク間でイメージ・ バックアップを取る方法もあります。これは,機能的にはシステム・ ディスク全体のコピーを作成するのと同じことであり,ファイルが連続して書き込まれます。
バックアップ操作には,次の表に示すいくつかのタイプがあります。
操作 | 説明 |
---|---|
ファイル操作 | ファイルやディレクトリを個別に処理する。 第10.13節を参照。 |
選択的操作 | バージョン番号,ファイル・タイプ,UIC,作成日時,満了日,変更日などの基準に従い,
選択的にファイルやボリュームを処理する。
このバックアップでは,ワイルドカード文字と入力ファイル選択修飾子(/BACKUP, /BEFORE, /BY_OWNER [/OWNER_UIC], /CREATED, /EXCLUDE, /EXPIRED, /MODIFIED, /SINCEなど)を利用する。詳細は第10.13節を参照。 |
物理操作 | ファイル構造を無視し, 論理ブロック単位でボリューム全体をコピー,セーブ,復元,比較する。 |
イメージ操作 | 入力ディスクのすべてのファイルを処理する。このイメージ操作には,
次の4つの種類がある。
イメージ・コピーやイメージ・バックアップ機能は入力ボリュームのすべてのファイルを処理するため, ファイル選択修飾子を使用することはできない。 ただし,イメージ・セーブ・セットからのファイルやディレクトリの復元では, 選択的な操作を行うことができる。 |
追加型操作 | 追加型操作には,次の2つの種類がある。
|
2種類のBACKUP操作である,ファイル操作とイメージ操作は,ODS-5ファイル名からODS-2 ファイル名への変換をサポートします。詳細については, 第8.5.5.3項を参照してください。
バックアップ方法の定式化は,サイトの具体的な要件や,様々なバックアップのタイプの長所や短所を念頭に置いて行ってください。 また,次の要因を考慮することも忘れないでください。
たとえばスタンドアロン型のワークステーションでは,たいていの場合, 夜間のイメージ・バックアップが最適なバックアップ方法です。
また別の環境では,イメージ・バックアップと追加型バックアップを組み合せた方法も考えられます。 たとえば,常に会話型ユーザがログインしている環境( 第10.15.1項参照)では,イメージ・ バックアップを毎日行うのは困難です。そのため,イメージ・バックアップを毎週行って, 追加型バックアップを毎晩行うという方法がよいかもしれません。
イメージ・バックアップと追加型バックアップの比較を 表 10-1 に示します。
バックアップ 形態 | 長所 | 短所 |
---|---|---|
イメージ | 追加型バックアップより短時間の復元が可能。 ディスク全体のバックアップが可能。 | 追加型バックアップより使用する空間が多く, 時間が長くかかる。システム性能やオープンしているファイルに影響するため, 会話型ユーザのログインがないことが前提になる( 第10.15.1項参照)。 |
追加型 | 時間と使用空間が少なくてすむ。 | ファイルの復元が難しい。定期的なイメージ・バックアップと組み合わせる必要がある。 |
最初にイメージ・バックアップが行われていない場合には, 追加型バックアップで必要以上にファイルを保存して, 確実に追加型の復元ができるようにします。
%ANALDISK-W-ALLOCCLR, blocks incorrectly marked allocated LBN 97 to 105, RVN 1
これは,別名ファイルのエントリが独立(1次)ファイルのエントリとして復元されている場合に, BACKUP/IMAGE による復元操作を実行しようとしたときに起こることがあります。 1 次ファイルでは同じファイル・ ヘッダが使用されますが別のデータ記憶ブロックが割り当てられるため,1 次ファイルも復元されます。
ただし,エラー・メッセージは表示されますが,BACKUP にエラーはなく,データも失われないことに注意してください。
次の条件のいずれかが成立する場合,バックアップ中にテープまたはディスクを交換する必要はありません。
上記の場合は,夜間,または会話型ユーザのログインが最も少ないと思われる時間に, バッチ・ジョブでバックアップを行うことができます。第10.15.7項では, バッチ・ジョブで実行可能なコマンド・ プロシージャ例をいくつか紹介します。
OpenVMSのBACKUPユーティリティには,次の2つのインタフェースが使用できます。
DCLのコマンド行インタフェースのコマンド。
会話型の画面用インタフェース。
バックアップを行うためには,入力側にバックアップ対象,出力側にセーブ・ セットまたはファイルの書き込み先を指定する必要があります。 BACKUPでは修飾子を使用することができ,それら修飾子は,コマンド行での位置によってその働きが変わります。BACKUP の形式は次のとおりです。
BACKUP/修飾子 入力指定/修飾子 出力指定/修飾子
表 10-2は,コマンド行上での位置別にBACKUP コマンド修飾子を定義したものです。
種類 | 位置 | 働き |
---|---|---|
コマンド修飾子 | コマンド行上の任意の場所 | 入力指定と出力指定の両方に作用 |
入力指定修飾子 | 入力指定の直後 | 入力指定にのみ作用 |
出力指定修飾子 | 出力指定の直後 | 出力指定にのみ作用 |
BACKUPを使用するにあたっては,コマンド行の間違った位置に修飾子を指定することのないように注意してください。BACKUP コマンド行については, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』にさらに詳しい説明があります。
OpenVMSではバージョン7.2からExtended File Specificationsがサポートされており,BACKUP ユーティリティは拡張文字セットのファイル名を処理できます。 含まれている文字は次の形式です:
拡張文字セットについて詳しくは『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。
ファイルに基づくBACKUP操作では,次のように相対入力ファイル・バージョンを指定できます。
$ BACKUP FILE.DAT;-2 SAVED_FILE.DAT
この例では,入力ファイル名の最新のバージョンから数えて2バージョン古いバージョンを選択し, 別のファイル名を割り当てています。
BACKUPユーティリティは,相対ファイル・バージョンの指定記法として, 最も古いバージョンを表わす-0を使用できません。代わりに-0は指定したファイルの最新バージョンを選択したとみなされます。
Backup Managerは,直感的でタスク指向のセルフ・ドキュメント方式でBACKUP の機能を提供する, OpenVMSのBACKUPユーティリティへの画面用インタフェースです。 Backup Manager が,バックアップのプロセスを通じてガイドするので, バックアップ操作が簡単になります。Backup Manager を使用しても,BACKUPコマンド行を使用しても,実際のパフォーマンスには差がありません。
Backup Managerの動作環境は次の通りです。
Backup Managerインタフェースは,OpenVMS Screen Managementランタイム・ ライブラリ(RTL)ルーチンに対応します。
Backup Managerは次のようなバックアップの操作を実行できます。
Backup Managerでは,次の3種類のオンライン支援が使用できます。
PF2かHelpキーを押すと,表示カーソルが現在置かれているオブジェクトのヘルプを得ることができる。
表示カーソルが現在置かれているフィールドについてのオンライン"ヒント" によって,入力するよう指示される。
プルダウン・ヘルプ・メニュー・バーの項目を選択して,Backup Managerのさまざまなトピックについての包括的なヘルプを得ることができる。
Backup Managerを起動するには,DCLのプロンプトで次のコマンドを入力します。
$ RUN SYS$SYSTEM:BACKUP$MANAGER
操作を開始すると,BACKUPユーティリティからの出力が自動的に表示されます。 いつでも出力を中断して(Ctrl/P),スクロールすることができます。 また,Ctrl/Tで状態を表示したり,Ctrl/Cで現在のBACKUP操作を停止したりすることもできます。
BACKUPコマンドを使用してファイルをテープにセーブした場合,それらファイルはセーブ・ セットと呼ばれる特殊なファイルに書き込まれます。またセーブ・ セットは,/SAVE_SET修飾子を使ってディスクに作成することもできます。 セーブ・セットは,それが置かれている媒体に従って分類されており, 表 10-3は,セーブ・セットの保管に使用可能な媒体をまとめたものです。
媒体 | 参照箇所 |
---|---|
磁気テープ | 第10.5.1 項 |
Files-11ディスク | 第10.5.2項 |
遠隔ノードのFiles-11ディスク( ネットワーク・セーブ・セット) | 第10.5.3項 |
順編成ディスク・セーブ・セット | 第10.5.4項 |
BACKUPセーブ・セットの保管媒体として最もよく使用される媒体は,磁気テープです。 ディスク媒体より価格が安く,コンパクトで,保管が容易です。 データの保存や復元を行うときに複数のテープを使用することができます。 つまり,バックアップ中,テープが終端に達したらテープを巻き取り, 次のテープに入れ換えてから,処理を継続することができます。
BACKUPは,あらゆる磁気テープ・ファイルをBACKUPセーブ・セットと見なします。 また,BACKUPコマンド行の入力側と出力側の両方にセーブ・セットを指定することはできません。 したがって,磁気テープ間でBACKUP操作は行えないことになります。
磁気テープ・セーブ・セットのディスクへのコピーには,BACKUPコマンドを使用してください。 ただし,/INTERCHANGE修飾子を使用して作成した磁気テープ・ セーブ・セットは,DCLのCOPYコマンドを使用できます。
磁気テープ・セーブ・セット指定の長さは,次に示すように区切り文字のピリオド(.) とファイル・タイプを含めて17文字までです。
WKLY27JAN1998.BCK
テープからデータを復元するとき,入力側の磁気テープのセーブ・セット名が省略された場合,BACKUP はテープの次のセーブ・セットを復元します。 ただし,入力セーブ・セット修飾子に/REWINDが指定された場合は, テープを巻き戻し,先頭のセーブ・セットを読み取ります。
Files-11ディスクにセーブ・セットを書き込む場合は,出力セーブ・セット修飾子として/SAVE_SET を指定する必要があります。この修飾子は,ファイルのコピーではなくセーブ・ セットを作成するよう,出力ボリュームに指示します。 また,ディスクはFiles-11ボリュームとしてマウントし, ボリューム・セットの場合はすべてのボリュームをマウントしておく必要があります。
BACKUPは,Files-11セーブ・セットをFiles-11または順編成ディスクのどちらの形式のセーブ・ セットとしても読み取ることができます。
Files-11ディスクに保管されたセーブ・セットは標準のOpenVMSファイルであり, コピーや名前変更,削除,バックアップを行うことができます。
セーブ・セット指定に遠隔ノードのノード名を指定することによって,そのノードに接続されているFiles-11 ディスクにセーブ・セットを作成したり, ディスクのセーブ・セット(ネットワーク・セーブ・セット)を読み取ったりすることができます。 遠隔ノードとは,ネットワークを介して, 使用中のノード(ホスト・ノード)からアクセス可能なノードです。 ネットワーク・セーブ・セットは,遠隔ノードの公用アクセス可能なディスク, すなわち,/SYSTEMか/GROUP,/CLUSTER修飾子を使用して遠隔ノードからマウントしたディスクに存在する必要があります。
遠隔ノードのボリューム保護とファイル保護の設定によっては,ネットワーク・ セーブ・セット指定にアクセス制御文字列を指定しなければならないことがあります。 そうしたアクセス制御文字列は,次の形式でユーザ名とパスワードから構成します。
遠隔ノード名"ユーザ名 パスワード"::装置名:[ディレクトリ]
次は,遠隔ノードのDOUBLEにネットワーク・セーブ・セットを作成している例です。
$ BACKUP _FROM: [MY_DIR] _TO: DOUBLE"username password"::DBA0:SAVEIT.BCK/SAVE_SET
代理ネットワーク・アクセスのときのように,遠隔ノードへのアクセスに権限が必要ない場合は, アクセス制御文字列を省略してください。 アクセス制御文字列と代理ネットワーク・アクセスについては,『DECnet for OpenVMS Networking Manual』で詳しく説明しています。
順編成ディスク・セーブ・セットでは,Files-11ディスク・ボリュームを, 磁気テープ・ボリュームのように順に処理することができます。順編成ディスク・ セーブ・セットを使用する第1の利点は,マルチボリューム・ セーブ・セットを構成するボリュームを一度に1つずつマウントできることです。 これは,大容量の固定ディスク装置と小容量の着脱式ディスク装置があるだけで, テープ・ドライブが搭載されていないシステムで特に有効です。
順編成ディスクの1つが一杯になると,BACKUPは次のディスクをマウントするよう求めます。 データの保存や復元で複数のディスクを使用することができます。 つまり,ディスクを入れ換えながら処理を継続することができるのです。
マルチボリューム順編成ディスク・セーブ・セットを読み書きするためには,LOG_IO 特権かPHY_IO特権が必要です。
順編成ディスク・セーブ・セットを作成する場合は,まず,DCLのMOUNT /FOREIGNコマンドを使用して,セーブ・セットの最初のボリュームをマウントしてください。 これにより,ディスクはフォーリン・ボリュームとしてマウントされますが,BACKUP はFiles-11構造を使ってディスクを管理します。
順編成ディスクに保存を行う場合は,出力セーブ・セット修飾子/SAVE_SET を使用しなければなりません。また順編成ディスクからの復元 の場合は,入力セーブ・セット修飾子/SAVE_SETを使用しなければなりません。/SAVE_SET 修飾子が省略された場合,BACKUPは次のエラー・ メッセージを出します。
%BACKUP-F-IMGFILSPE, /IMAGE specification must only have device name
順編成ディスク・セーブ・セットにディレクトリ名を指定する必要はありません。 順編成ディスク・セーブ・セットは,必ずマスタ・ファイル・ディレクトリ [000000]に書き込まれます。マスタ・ファイル・ディレクトリ以外のディレクトリが指定された場合, 保存操作ではその指定は無視されます。 また,復元または一覧出力操作では,ファイルが見つからないというエラー・ メッセージが表示されます。
省略時の設定でBACKUPは最初の順編成ディスク・ボリュームを初期化せず, 継続順編成ディスク・ボリュームだけ初期化します。このため,最初の順編成ディスク・ ボリュームに/INITIALIZE修飾子を指定しない場合は, 次のことに注意する必要があります。
順編成ディスク・セーブ・セットに使用するボリュームは,セーブ・セット専用にしてください。 一般のファイル用に使用していたボリュームを順編成ディスク・ ボリュームとして使用するためには,初期化を行う必要があります。1 つの順編成ディスクに書き込み可能なセーブ・セット数は最大で12 個です。1つのディスクに12個を超えるセーブ・セットを作成したい場合は,Files-11 ディスク・セーブ・セットを使用してください。
BACKUPは,順編成ディスク・セーブ・セットを順編成ディスクまたはFiles-11 のどちらの形式のセーブ・セットとしても読み取ることができます。
VAXシステムにおいて,BACKUPがディスクあるいは磁気テープに保存可能なファイルとディレクトリの形式は,Files-11 構造のレベル1とレベル2ディスク形式のものです。 その逆の復元も,Files-11構造のレベル1と2ディスクの両方に対して行うことができます。
VAXシステムでAlphaシステム・ディスクのイメージ・バックアップを行うと, 復元操作によりAlphaシステムが正常にブートされます。
Alphaシステムにおいては,BACKUPはFiles-11構造のレベル2またはレベル5 のファイルとディレクトリをディスクと磁気テープのいずれにも保存できます。 必要な場合,BACKUPを使用して,保存されたファイルとディレクトリをFiles-11 構造のレベル2またはレベル5ディスクへ復元も行えます。
ISO 9660形式の媒体上のファイルのバックアップを行うことはできませんが,ISO 9660 形式の媒体に格納されたセーブ・セットを復元することはできます。
Files-11ディスク構造についての詳細は,第8.1.1.2 項を参照してください。ISO 9660装置についての詳細は,第7.2.2項を参照してください。
バックアップを行うプロセス,すなわち,BACKUPコマンドを入力するか, バックアップ・コマンド・プロシージャをキュー登録するプロセスに対するプロセス・ クォータを正しく設定することによって,バックアップ効率を最適化することができます。 これは,ストリーミング・テープ装置を使用する場合, 特に大切です。
プロセス・クォータによって効率的なバックアップを実現する手順を次に示します。
$ SET DEFAULT SYS$SYSTEM $ RUN AUTHORIZE UAF> SHOW SYSTEM
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> PARAMETERS SHOW WSMAX %SYSMAN-I-USEACTNOD, a USE ACTIVE has been defaulted on node DIEM Node DIEM: Parameters in use: ACTIVE Parameter Name Current Default Minimum Maximum Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- WSMAX 2600 1024 60 100000 Pages SYSMAN> PARAMETERS SHOW CHANNELCNT Parameter Name Current Default Minimum Maximum Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- CHANNELCNT 127 127 21 2047 Channels SYSMAN> EXIT $
WSMAXとCHANNELCNTの値は"Current"という欄に示され,それぞれ2600 と127である。これらの値を使用して,適切なプロセス・クォータを設定する。
プロセス・クォータ | 最適値 |
---|---|
WSQUOTA | システム・ パラメータWSMAXに等しい値 |
WSEXTENT | WSQUOTAに等しい値 |
PGFLQUOTA | WSEXTENTに等しいか,大きい値 |
FILLM | システム・ パラメータCHANNELCNTより小さい値 |
DIOLM | 4096か,FILLM値の3倍のどちらか大きい方 |
ASTLM | 4096 か,DIOLM値より100大きな値か,FILLM値の3倍のうちの一番大きな値 |
BIOLM | FILLMに等しい値 |
BYTLM | 次の式の結果に等しいか, 大きい値: (256 * FILLM) + (6 * DIOLM) |
ENQLM | FILLMより大きい値 |
表 10-5は,たいていのシステム構成で使用可能な, 具体的なプロセス・クォータのリストである。ディスクのフラグメンテーションがひどかったり, システムの使用が激しいときにバックアップを行ったりする場合は, WSQUOTA とFILLM値を小さくする。
プロセス・クォータ | 推奨値 |
---|---|
WSQUOTA | 16384 |
WSEXTENT | WSQUOTAに等しいか, 大きい値 |
PGFLQUOTA | 32768 |
FILLM | 128 |
DIOLM | 4096 |
ASTLM | 4096 |
BIOLM | 128 |
BYTLM | 65536 |
ENQLM | 256 |
次に,AUTHORIZEユーティリティを起動して, SYSTEMアカウントのプロセス・ クォータを設定するときに使用するコマンドを,順を追って紹介します。 実際の操作で別のアカウントからバックアップを行う場合は,そのアカウントのプロセス・ クォータを確認してください。
$ SET DEFAULT SYS$SYSTEM $ RUN AUTHORIZE UAF> SHOW SYSTEM Username: SYSTEM Owner: SYSTEM MANAGER Account: SYSTEM UIC: [1,4] ([SYSTEM]) CLI: DCL Tables: DCLTABLES Default: SYS$SYSROOT:[SYSMGR] . . . Maxjobs: 0 Fillm: 40 Bytlm: 32768 Maxacctjobs: 0 Shrfillm: 0 Pbytlm: 0 Maxdetach: 0 BIOlm: 18 JTquota: 1024 Prclm: 10 DIOlm: 18 WSdef: 256 Prio: 4 ASTlm: 24 WSquo: 512 Queprio: 0 TQElm: 20 WSextent: 2048 CPU: (none) Enqlm: 200 Pgflquo: 20480 . . . UAF> EXIT %UAF-I-NOMODS, no modifications made to system authorization file %UAF-I-NAFNOMODS, no modifications made to network authorization file %UAF-I-RDBNOMODS, no modifications made to rights database $
この例では,SYSTEMは次のクォータ値を持つ。
WSQUOTA | 512 |
WSEXTENT | 2048 |
PGFLQUOTA | 20480 |
FILLM | 40 |
DIOLM | 18 |
ASTLM | 24 |
BIOLM | 18 |
BYTLM | 32768 |
ENQLM | 200 |
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> PARAMETERS SHOW WSMAX %SYSMAN-I-USEACTNOD, a USE ACTIVE has been defaulted on node DIEM Node DIEM: Parameters in use: ACTIVE Parameter Name Current Default Minimum Maximum Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- WSMAX 2600 1024 60 100000 Pages SYSMAN> PARAMETERS SHOW CHANNELCNT Parameter Name Current Default Minimum Maximum Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- CHANNELCNT 127 127 21 2047 Channels SYSMAN> EXIT $
WSMAXとCHANNELCNTの値は"Current"という欄に示され,それぞれ2600 と127である。
$ SET DEFAULT SYS$SYSTEM $ RUN AUTHORIZE UAF> MODIFY SYSTEM/WSQUOTA=2600 UAF> MODIFY SYSTEM/WSEXTENT=2600 UAF> MODIFY SYSTEM/DIOLM=4096 UAF> MODIFY SYSTEM/ASTLM=4096 UAF> MODIFY SYSTEM/BIOLM=40 UAF> MODIFY SYSTEM/BYTLM=34816 UAF> EXIT
バックアップ操作では,たいてい,ディスク・ボリュームとテープ・ボリュームの両方を使用することになります。 バックアップでボリュームを使用する前に通常行う作業は次の4 つです。
これらの作業全般の内容は,すでに第8章で説明したとおりです。 本章では,特にBACKUPとの関連でこれらの作業について説明します。 本章で取り上げるディスク操作はすべてディスケットにも適用されます。
ボリュームの初期化では,次のことを行います。
次の条件を満たす場合は,BACKUPで使用するボリュームを初期化する必要があります。
ボリュームを初期化する方法は,表 10-6 に示す3 つです。
方法 | 参照箇所 |
---|---|
バックアップの前にDCLのINITIALIZEコマンドを使用する | 第8.3節 |
BACKUPコマンド行で/REWIND修飾子を使用する(テープのみ) | 第10.8.1.2項 |
BACKUPコマンド行で/INITIALIZE修飾子を使用する( ディスクのみ) | 第10.8.1.3 項 |
INITIALIZEコマンドを使用してから,バックアップを行うという方法の代わりに,BACKUP コマンドで,一度にテープの初期化とバックアップを行うことができます。
BACKUPコマンドでテープ・ボリュームを初期化する場合は,出力指定に/REWIND と/LABEL修飾子を追加します。/REWIND修飾子はボリュームを巻き戻して, 初期化します。/LABEL修飾子には,ボリューム・ラベルを指定することができます。
磁気テープのボリューム・ラベルには,任意のANSI "a"文字で最大6文字を指定することができます。ANSI "a" 文字とは,数字と英大文字,そして次の英数字以外の文字です。
! " % ' ( ) * + , _ . / : ; < = > ?
英数字以外の文字を使用する場合は,ボリューム・ラベルを二重引用符で囲まなければなりません。
ボリュームに含まれるデータの内容に合せて,ボリューム・ラベルを指定してください。 次に,ラベルの推奨例をいくつか紹介します。
ラベル | バックアップ形態 | 満了日 |
---|---|---|
DLY101 | 毎日,グループ1,ボリューム番号1 | 7日後満了 |
DLY102 | 毎日, グループ1,ボリューム番号2 | 7日後満了 |
WKY101 | 毎週,グループ1 ,ボリューム番号1 | 4週間後満了 |
WKY201 | 毎週,グループ2,ボリューム番号1 | 4週間後満了 |
MTH101 | 毎月,グループ1,ボリューム番号1 | 12ヶ月後満了 |
YRY101 | 毎年,グループ1,ボリューム番号1 | 5年後満了 |
初期化をするにあたっては,次のことに留意してください。
%INIT-F-FILNOTEXP, file is not expired
このメッセージが出されたボリュームを初期化するためには,ボリュームに対するVOLPRO 特権か書き込みアクセスを有しているか,あるいはボリュームの所有者である必要がある。 いずれかの条件を満たす場合は,DCL のINITIALIZE /OVERRIDE=EXPIRATIONコマンドを使用して, テープを初期化することができる。
またこれ以外に,/IGNORE=LABEL_PROCESSING修飾子を指定したBACKUP コマンド行を入力し直すという方法もある。詳細は『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照すること。
$ BACKUP [ACCOUNTS.JUNE] MUA0:JUNE.BCK/REWIND/LABEL=MTH101
INITIALIZEコマンドを使用してから,バックアップを行うという方法の代わりに,BACKUP コマンドで,一度にディスクの初期化とバックアップを行うことができます。
バックアップでディスクを初期化する方法は次の2通りあります。
$ BACKUP/IMAGE DUA1: DUA2:
初期化を終えると,BACKUPはDUA1:の内容をDUA2:にコピーし,効率良くDUA2 の既存ファイルを消去する。DUA2:のファイルは連続して書き込まれるので, ディスクのフラグメンテーションが解消される。
$ BACKUP/IMAGE DUA1: DUA2:/NOINITIALIZE
DUA1:の内容がDUA2:にイメージ・コピーされ,DUA2の既存ファイルが効率良く消去される。
$ MOUNT/FOREIGN DJA2: %MOUNT-I-MOUNTED, USER1 mounted on _DJA2: $ BACKUP/IMAGE DUA1: DJA2:DAILY.SAV/INITIALIZE
初期化を終えると,BACKUPはDUA1:のイメージ・バックアップを順編成ディスク・ セーブ・セットDUA2:[000000]DAILY.SAVに作成する。使用可能な未使用空間よりセーブ・ セットが大きい場合は,次のボリュームを求めるプロンプトを出し, ボリュームがセットされると,初期化を行って, 新しいボリュームのマスタ・ファイル・ディレクトリ [000000]にセーブ・セットの残り部分を書き込む。セーブ・セットについては, 第10.5節,/INITIALIZE修飾子については, 『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照すること。
ボリュームをマウントするということは,そのボリュームをシステムから使用できるようにすることです。 バックアップの場合,BACKUPは自動的にテープをマウントします。 ディスクの方は,その大部分がシステム起動時にマウントされます。 この節では,明示的にボリュームをマウントする方法について説明します。
セーブ・セットをディスクに書き込む場合は,標準のFiles-11または順編成ディスクのどちらの形式でセーブ・ セットを書き込むのか決めてください。
SHOW DEVICE装置名
MOUNT [/FOREIGN] 装置名 [ボリューム・ラベル] [論理名]
装置名 | マウントするボリュームがセットされている装置名。 |
ボリューム・ ラベル | INITIALIZEコマンドでボリュームに設定した英数字からなる識別コード。 ディスク・ボリューム・ラベルの最大の長さは12 文字,磁気テープ・ボリューム・ラベルの最大の長さは6 文字。/FOREIGN修飾子を使用する場合,このパラメータを指定する必要はない。 |
論理名 | ボリュームに対応付ける1文字から255文字の英数字からなる名前( 省略可)。 |
$ SHOW DEVICE MU Device Device Error Volume Free Trans Mnt Name Status Count Label Blocks Count Cnt DAD$MUA6: Online 0 MOM$MUA6: Online 0 FRED$MUA6: Online 0 $ MOUNT/FOREIGN FRED$MUA6: TEST DRIVE1 %MOUNT-I-MOUNTED, TEST mounted on _FRED$MUA6:
FRED$MUA6:にテープ・ボリュームをマウントし,論理名としてDRIVE1を設定しています。
/RELEASE_TAPE修飾子の指定がない場合,BACKUPがバックアップ対象の最後のボリュームをディスマウントすることはありません。 したがって,ボリュームに対する操作を終えたら, ディスマウントを行う必要があります。
次の形式でDISMOUNTコマンドを使用します。
DISMOUNT 装置名
次は,MUB6:装置からテープをディスマウントしている例です。
$ DISMOUNT MUB6:
このDISMOUNTコマンドはMUB6のテープをディスマウントして,アンロードします。 アンロードされたテープは装置から取り出すことができます。テープをディスマウントするだけで, アンロードしたくない場合は,次のコマンドを入力してください。
$ DISMOUNT/NOUNLOAD MUB6:
スタンドアロン型のワークステーションを使用しているか,設備的にディスクやテープ装置へのアクセスが簡単な場合, たいてい,システム管理者は自分で自分のボリュームをマウントし, 初期化することができます。しかしながら, サイトによっては,オペレータが代わってそれらの作業を行うところもあります。 使用したい装置のある場所が離れた場所にあったり, あるいはボリュームを操作するのに必要な特権がない場合は,オペレータの支援が必要です。
オペレータと交信する必要があるサイトでは,サイト別プロシージャの内容についてオペレータに問い合わせてください。 システムのカスタマイズ方法によって, オペレータ通信マネージャ(OPCOM)が必要になることがあります。OPCOM は,オペレータ支援を要請することを可能にするシステム・ プロセスです。またOPCOMには,オペレータが要請に応答する機能も用意されています。
自分の代わりにオペレータにテープをマウントしてもらいたい場合は, OPCOMを使用してオペレータにテープのマウントを要請します。
オペレータにテープのマウントを要求する場合は,REQUESTS/REPLYまたはREQUEST/TO コマンドを使用します。
オペレータ支援を要求したのだが,オペレータがいないという場合は,次のメッセージが表示されます。
%MOUNT-I-NOOPR, no operator available to service request
このメッセージは,オペレータによってオペレータ・ターミナル機能が無効にされていることを意味します。 要求を強制終了する場合は,Ctrl/Zを押します。
BACKUPやMOUNTコマンドでは,/[NO]ASSIST修飾子を使用することができます。
OPER特権がある場合,要求者は別のターミナル・ウィンドウを使って次のコマンドを入力することにより, その要求に応答することができる。
$ REPLY/ENABLE=TAPES $ REPLY/TO=identification-number "message text"
$ REQUEST/REPLY "Is anyone using drive MUA12?" %OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting...12:21:12.46 %OPCOM-S-OPREPLY, PLEASE DIRECT YOUR REQUEST TO THE TAPE OPERATOR 2-APR-1998 12:26:13.12. request 2 completed by operator OPA0 $
/REPLY修飾子は,オペレータが応答するときに要求を特定できるよう, 要求にユニークな番号(この例では2)を割り当てる。この場合,オペレータからの応答があるまで, 次のコマンドを入力することはできない。
$ REQUEST/TO=TAPES "Is anyone using drive MUA12?" %OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting...12:40:11.32 %OPCOM-S-OPREPLY, I'M DONE GO AHEAD 2-APR-1998 12:45:26.18. request 5 completed by operator OPA0 $
BACKUPでは,セーブ・セットとそこに含まれるファイル情報を取得して, ターミナルに表示したり,ファイルに出力したりすることができます。
BACKUPはそれ自身にのみ解釈可能な形式でセーブ・セットを書き込むため, セーブ・セットを復元せずにセーブ・セットの内容を確認する方法は, 一覧出力しかありません。一覧出力機能は,他のBACKUP機能と組み合せることができます。
省略時の設定では,セーブ・セットの一覧には,各ファイルの実際のブロック数をはじめとして,DCL のDIRECTORY/DATE/SIZEコマンドで提供されるのと類似したセーブ・ セットのファイル情報が含まれます。
またBACKUPの一覧出力では,BACKUPジャーナル・ファイルの内容を一覧出力することもできます。BACKUP ジャーナル・ファイルは,修飾子/JOURNAL[= ファイル指定 ]を使用して保存を行ったときに作成されるファイルであり,BACKUP 保存に関するディスク記録と,保存ファイルに関するファイル指定情報が含まれます。BACKUP ジャーナル・ファイルの作成と一覧出力についての詳細は, 第10.13.4 項を参照してください。
BACKUPセーブ・セットの内容を一覧出力する手順は次のとおりです。
磁気テープ上のセーブ・セットの内容の一覧をリストする場合には, セーブ・セット名を指定する必要はない。単にBACKUP/LISTコマンドに, テープがセットされている装置の装置名を指定すればよい。 BACKUPは磁気テープ上の次のセーブ・セット読み取り,そのセーブ・ セットの最後になると,処理を中止する。コマンドに/REWIND修飾子がないかぎり,BACKUP が自動的にテープの始まりマーカーまでテープを巻き戻すことはないので, 次のセーブ・セットを調べたい場合, BACKUP/LISTコマンドを繰り返せばよい。テープに次のセーブ・セットがない場合,BACKUP は次のエラー・メッセージを出す。
%BACKUP-F-OPENIN, error opening MUA0:[000000].; as input -SYSTEM-W-NOSUCHFILE, no such file
$ BACKUP/LIST MIA0:2MAR1555.BCK/REWIND Listing of save set(s) Save set: 2MAR1555.BCK Written by: POLYANNA UIC: [000200,000207] Date: 21-MAY-1998 09:36:14.68 Command: BACKUP/LOG [USER.SAVE] MIA0:2MAR555.BCK/REWIND/LABEL=WKY201 Operating system: OpenVMS Alpha Version 7.2 BACKUP version: 7.2 CPU ID register: 08000000 Node name: _SUZI:: Written on: _MIA0: Block size: 8192 Group size: 10 Buffer count: 3 [USER.SAVE]ANOTHER.DAT;1 1 18-MAY-1998 14:10 [USER.SAVE]LAST.DAT;1 1 18-MAY-1998 14:11 [USER.SAVE]THAT.DAT;1 7 18-MAY-1998 14:10 [USER.SAVE]THIS.DAT;2 1 18-MAY-1998 13:44 Total of 4 files, 10 blocks End of save set
$ BACKUP/LIST MIA0:*.*/REWIND
$ BACKUP/LIST=MYBACK.DAT [PRAMS] MTA0:2MAR1555.BCK/LABEL=DLY201
BACKUPはボリューム・ラベルがDLY201か調べ,ディレクトリ[PRAMS]の内容を2MAR1555.BCK というセーブ・セットにコピーする。そして修飾子LIST があるので,保存しながら,MYBACK.DATファイルにセーブ・セット情報を書き出す。
BACKUPでデータを保存すると,セーブ・セットが複数のボリュームにまたがり, マルチボリュームのセーブ・セットになることがあります。そうした場合,BACKUP は最初のボリュームに書き込めるだけのデータを書き込み, 続いて,そのボリュームをディスマウントします。この後,BACKUPが行う処理は,BACKUP コマンド行に複数の装置が指定されているかどうか, あるいはテープ・ローダが使用されているかどうかによって異なります。
%BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 %BACKUP-I-READYWRITE, mount volume DAILY02 on MUA0: for writing Respond with YES when ready:
%BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 %MOUNT-I-OPRQST, Please mount volume DAILY02 in device MUA0: BACKUP requests: Saveset DAILY.SAV, Volume number 02, write ENABLED
2本目のボリュームがセットされて,ロード状態になるか,またはオペレータによってマウント要求の満たされると,BACKUP はそのボリュームに残りのデータを書き込む。
%BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2
%BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 . . .
マルチボリューム・セーブ・セット処理の場合,/REWIND修飾子の指定がないかぎり,BACKUP が先頭ボリュームを初期化することはありません。ただし, 以降のボリュームについては,初期化を行い,次のようにしてそのボリューム・ ラベルを決定します。
間違ったテープを初期化したり,間違ったテープに書き込みを行ったりすることのないよう,BACKUP はコマンド行に指定されたラベルと, 実際に装置にセットされているテープのラベルを比較します。こうしたBACKUP のテープ・ラベル処理とラベル不一致時の処理については,第10.12節で詳しく説明します。
ローダを持つ装置を使用したとき,あるいはスタッカまたはローダが空になった場合,MOUNT ユーティリティはバックアップ中に継続磁気テープ・ ボリュームにVOLINVメッセージを表示します。次の例は,表示の例です。
%MOUNT-I-MOUNTED, ABCD03 mounted on _$4$MUA3: (HSC70) %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 4 %MOUNT-F-VOLINV, volume is not software enabled %BACKUP-I-READYWRITE, mount volume 4 on _$4$MUA3: for writing Enter "YES" when ready: yes %MOUNT-I-MOUNTED, ABCD04 mounted on _$4$MUA3: (HSC70)
一旦装置がオンライン状態に戻されるか,媒体が準備完了すると,バックアップ・ セッションは期待される通りに動作を継続あるいは終了します。 この問題は将来のリリースで対処予定です。
テープをマウントしたら,BACKUPは,書き込みを行う前にテープのボリューム・ ヘッダ・レコードの情報を処理します。このときBACKUPが行う処理は具体的には次のとおりです。
ラベルが一致し,正しいアクセス権をもっていて,かつテープが満了している場合,BACKUP は指示された処理を行います。
このとき/LABEL修飾子で複数のラベルが指定されており,/EXACT_ORDER修飾子を指定しなかった場合は, 指定ラベルと一致するテープのボリューム・ ラベルが1つでもあれば,処理は成功します。たとえば,テープのボリューム・ ラベルがMA1686であったとすると,/LABEL修飾子は次のようであれば問題ありません。
/LABEL=(MA1684,MA1685,MA1686)
ボリューム・ラベルに一致するものがない場合,BACKUPは次のエラー・メッセージを表示します。
%MOUNT-I-MOUNTED, DKA0 mounted on _SODAK$MUA0: %BACKUP-W-MOUNTERR, volume 1 on _SODAK$MUA0 was not mounted because its label does not match the one requested %BACKUP-W-EXLABEER, volume label processing failed because volume MB1684 is out of order, Volume label MA1684 was expected specify option (QUIT, NEW tape, OVERWRITE tape, USE loaded tape) BACKUP>
オプションの指定によっては,バックアップを強制終了(QUIT),現在のテープをディスマウントして, 新しいテープをマウントしたり(NEW),またテープのデータを書き換えたり(OVERWRITE) ,ロードされているテープを使用したり(USE) することができます。
/LABEL修飾子で複数のラベルを指定し,/EXACT_ORDER修飾子も指定した場合は,BACKUP はロードされたテープのラベルと/LABEL修飾子で指定した最初のラベルを比較します。 ラベルが一致した場合は,BACKUPは処理を開始し, 一致しなかった場合は,前記のメッセージを表示します。
使用するテープのボリューム・ラベルがコマンド行の対応するラベルと一致する場合は, 操作が完了する,またはボリューム・ラベルをすべて使用するまで,BACKUP は処理を続行します。コマンド行で十分なラベルを指定しなかったために操作が完了できなかった場合, またはロードされたテープのラベルがANSI ラベルではなかった場合は,BACKUPはドライブ内のテープに対してラベルを入力するよう要求します。
未使用テープを使用する,または既存のテープを書き換える場合は, /IGNORE=LABEL_PROCESSING修飾子を使用してください。この修飾子は,保存のときBACKUP がANSIラベル以外のテープを検出したときに出力する前記メッセージの出力を禁止します。
/EXACT_ORDER修飾子,/IGNORE修飾子,および/LABEL修飾子についての詳細は, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照してください。
この節では,ファイルのコピーと,ファイルとディレクトリのバックアップ, ファイルの比較,BACKUPジャーナル・ファイルの作成と一覧出力について説明します。
BACKUPを使用して,ファイルをコピーすることができます。BACKUPコマンドのコピー機能はバージョン番号や作成日, 変更日,保護コードなどのファイル情報を変更しない点が,DCL のCOPYコマンドとは異なります。ただし, 省略時の設定では,コピー先ファイルの所有者UICはカレント・プロセスのUIC になります。また,DCLコマンドのCOPYと異なり,BACKUPは,ディレクトリ構造を変更することなくディレクトリ・ ツリー全体をコピーすることもできます。
ファイルのコピーを作成する場合は,次の形式でBACKUPコマンドを使用します。
BACKUP 入力指定 出力指定
$ BACKUP EMPLOYEES.DAT USER1:[BATES.TEST]EMPLOYEES.DAT
$ BACKUP USER1:[BATES...] USER2:[BATES...]
USER2:ディスクにBATESディレクトリ構造を再作成している。
$ BACKUP [LYKINS...]*.*;* [OWLCR...]*.*;*
BACKUPを使用した処理で最もよく使われる処理の1つは,セーブ・セットへのファイルの保存です。 セーブ・セットには種類がいくつかあります。 詳細は第10.5節を参照してください。
ファイルまたはディレクトリをバックアップする場合は,次の形式でBACKUP コマンドを使用します。
BACKUP 入力指定 出力指定[/SAVE_SET] [/LABEL=ラベル]
入力指定にはバックアップしたいファイル,出力指定には出力先の装置とセーブ・ セット名を指定します。
ディスクにデータを保存する場合は,出力セーブ・セット修飾子/SAVE_ SETを使用してください。この修飾子を省略すると,BACKUPのセーブ・セットが作成されず, 標準のファイル形式でファイルのコピーが行われます。 テープにデータを保存する場合は,/SAVE_SET修飾子を指定する必要はありません。BACKUP は磁気テープ・ファイルを必ずセーブ・セットとして取り扱います。 使用するテープのラベルを指定したい場合は,/LABEL修飾子を使用します。
$ ALLOCATE MUA0: TAPE1【1】 %DCL-I-ALLOC, MUA0: allocated $ INITIALIZE TAPE1 DLY101【2】 $ BACKUP/LOG EMPLOYEES.DAT MUA0:EMPL_MAY91.BCK/LABEL=DLY101【3】 %MOUNT-I-MOUNTED, BACKUP mounted on _MUA0: BACKUP-S-COPIED, copied DUA0:[SCHULT]EMPLOYEES.DAT;32 $
この例の番号を振ったコマンドはそれぞれ次のことを行う。
$ BACKUP [LYKINS...] TAPE:NOV13SAVE.BCK/LABEL=NOV13
$ BACKUP _From: DUA0:[MGR]EMPLOYEES.DAT,USER1:[RECORDS]DOOHAN.DAT,EVANS.DAT _To: MUA1:MONTHLY_AUG.BCK/LABEL=TAPE1
$ BACKUP _From: DUA0:[000000]*.* _To: MTA1:BACKUP.BCK,MTA2:
MTA1:のテープの空間を使い切った場合,BACKUPは,MTA2に初期化されていないテープがセットされているか, あるいはラベルBACK02で初期化されたテープがセットされているものとして,MTA2 のテープにセーブ・ セットの残りの部分を書き込む。
$ BACKUP STRATCOL1.DAT DUA1:STRATDAT1.BCK/SAVE_SET
遠隔ノード名"ユーザ名 パスワード"::装置名:[ディレクトリ]
次はネットワーク・セーブ・セットの作成例である。
$ BACKUP From: STRATCOL1.DAT To: NIMBL"ROGERS SANFRANCISCO"::WORK1:[ROGERS]STRATDAT1.BCK/SAVE_SET
$ MOUNT/FOREIGN DUA0: $ BACKUP [] DUA0:NOV12SAVE.BCK/SAVE_SET
$ BACKUP [REPORTS...] MIA11:REPORT.BCK/REWIND/IGNORE=LABEL_PROCESSING
/REWIND修飾子はテープを巻き戻して,初期化する。また, /IGNORE=LABEL_PROCESSING修飾子が指定されているため,BACKUP はテープの既存のラベル情報をすべて無視する。/LABEL修飾子がないので,BACKUP はセーブ・セット名の先頭6文字(REPORT)をテープ・ラベルにする。
$ MOUNT DUA1: PAYROLL %MOUNT-I-MOUNTED, PAYROLL mounted on _DUA1: $ MOUNT DUA21: DISK21 %MOUNT-I-MOUNTED, DISK21 mounted on _DUA21: $ BACKUP From: DUA1:[PAYROLL] To: DUA21:[PAYROLL_BACKUPS]PAY22MAY1998.SAV/SAVE_SET
[PAYROLL]ディレクトリのすべての内容がディスクDUA21:に収まらなかった場合, バックアップは失敗する。
$ MOUNT DUA1: PAYROLL %MOUNT-I-MOUNTED, PAYROLL mounted on _DUA1: $ MOUNT/FOREIGN DJA21: %MOUNT-I-MOUNTED, WEEKLY mounted on _DJA21: $ BACKUP From: DUA1:[PAYROLL] To: DJA21:[PAYROLL_BACKUPS]PAY22MAY1998.SAV/SAVE_SET
[PAYROLL]ディレクトリのすべての内容がDJA21:ディスクに入り切らなかった場合,BACKUP は装置のテープを入れ換えるよう促す。Files-11 セーブ・セットと順編成ディスク・セーブ・セットについては,第10.5節を参照すること。
BACKUPには,セーブ・セットとディスク・ファイルを比較したり,ディスク・ ファイル同士を比較したりする機能もあります。コピー,保存,または復元の後で, ファイルまたはボリュームの整合性をチェックしたい場合は, 比較機能を使用してください。たとえば,セーブ・セットを元のファイルと比較したり, ファイルやボリュームのコピーを元のファイルと比較したりすることができます。
BACKUPを使用して比較を行うには,次の2つの方法があります。
%BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
2つのディスクを作成するときに,追加型バックアップを行い,一方のディスクから他方のディスクにファイルを復元して同一ファイルにした場合は, イメージ比較が正常に機能しないことがある。これは, BACKUPによって,追加型復元されたファイルが追加型保存されたファイルと同じFID になることが保証されないからである。このことは,復元コマンドに修飾子の/OVERLAY や, /NEW_VERSION,/REPLACEを使用しても同じである。
$ BACKUP/COMPARE MTA0:2MAR1555.BCK [LYKINS]
$ BACKUP/COMPARE UPLIFT.EXE;3 UPLIFT.EXE;4 %BACKUP-E-VERIFYERR, verification error for block 16 of WRKD$:[LYKINS]UPLIFT.EXE;4
$ BACKUP/IMAGE/COMPARE DBA1: DBA2:
$ MOUNT/FOREIGN DBA2: $ BACKUP/PHYSICAL/COMPARE MIA0:PHYSBACK.BCK DBA2:
$ BACKUP/VERIFY/LOG FRED.DAT [FRIENDS]OLDFRED.DAT %BACKUP-S-CREATED, created DISK$:[FRIENDS]OLDFRED.DAT;3 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$:[FRIENDS]OLDFRED.DAT;3
BACKUPを使用した処理の記録を取っておきたい場合は,ジャーナル・ファイルを作成します。BACKUP ジャーナル・ファイルには,BACKUPの保存や, 個々の処理で保存されたファイル指定情報が含まれます。
ジャーナル・ファイルを作成する場合は,BACKUPの保存で/JOURNAL[= ファイル指定]修飾子を使用します。
またBACKUPジャーナル・ファイルの内容の一覧を取りたい場合は,次の形式でBACKUP コマンドを入力します。
BACKUP/LIST[=ファイル指定]/JOURNAL[=ファイル指定]
BACKUP/LIST/JOURNALコマンドに入力指定や出力指定を行うことはできません。/LIST コマンド修飾子のファイル指定が省略された場合,BACKUPはターミナルに出力を行います。 また,/JOURNALコマンド修飾子のファイル指定が省略された場合は, 省略時のBACKUPジャーナル・ファイル名のSYS$DISK:[]BACKUP.BJL が使用されます。
BACKUPジャーナル・ファイルの作成と一覧出力については,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』の/JOURNAL修飾子を参照してください。
ここでは,BACKUPジャーナル・ファイルを作成して,その内容を一覧出力する例を紹介します。
$ BACKUP/JOURNAL/LOG/IMAGE DRA2: MIA0:3OCT.FUL %BACKUP-S-COPIED, copied DRA2:[COLLINS]ALPHA.DAT;4 %BACKUP-S-COPIED, copied DRA2:[COLLINS]EDTINI.EDT;5 . . . %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 %BACKUP-I-READYWRITE, mount volume 2 on _MIA0: for writing Press return when ready: <Return> %BACKUP-S-COPIED, copied DRA2:[LANE]MAIL.MAI;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DRA2:[LANE]MEMO.RNO;5 . . . $ BACKUP/JOURNAL/LIST Listing of BACKUP journal Journal file _DB2:[SYSMGR]BACKUP.BJL;1 on 3-OCT-1998 00:40:56.36 Save set 3OCT.FUL created on 3-OCT-1998 00:40:56.36 Volume number 1, volume label 3OCT01 [COLLINS]ALPHA.DAT;4 [COLLINS]EDTINI.EDT;5 [COLLINS]LOGIN.COM;46 [COLLINS]LOGIN.COM;45 [COLLINS]MAIL.MAI;1 [COLLINS]MAR.DIR;1 [COLLINS.MAR]GETJPI.EXE;9 [COLLINS.MAR]GETJPI.LIS;14 . . [LANE]LES.MAI;1 . . Save set 3OCT.FUL created on 3-OCT-1998 00:40:56.36 Volume number 2, volume label 3OCT02 [LANE]MAIL.MAI;1 [LANE]MEMO.RNO;5 [LANE]MEMO.RNO;4 . . [WALTERS.VI]KD.RNO;52 End of BACKUP journal
BACKUPの復元機能は,セーブ・セットを読み取り,それを元の状態に戻します。 復元を行うことによって,重要なファイルを削除したり,ディスクのすべての内容を壊したりといったことがよくあります。 したがって,操作は十分注意して行ってください。BACKUP は,復元したセーブ・セットの内容を指定された場所に書き込みます。
ディスク全体の復元については,後述の第10.16 節で説明します。
ファイルを復元する場合は,次の形式でBACKUPコマンドを使用します。
BACKUP セーブ・セット指定[/SAVE_SET] -
/SELECT=[ディレクトリ...]
出力指定:[ディレクトリ...]
セーブ・セットがディスクまたはディスケット上にある場合は,/SAVE_ SET修飾子を使用してください。/SELECT修飾子には,復元したいファイルを具体的に指定します。
セーブ・セットが複数の磁気テープまたは順編成ディスク・ボリュームにまたがる場合は, セーブ・セットの任意のボリュームから復元および比較を始めることができます。 ただし,/IMAGE修飾子を使用してセーブ・セットを復元する場合は, 必ず最初のボリュームから処理を始めます。これは, イメージ復元がすべてのファイルをボリュームまたはボリューム・セットに復元するためです。 イメージ復元か比較を行うときに,セーブ・セットの最初のボリューム以外のテープを指定すると, 次のメッセージが表示されます。
%BACKUP-W-NOT1STVOL, tape 'name' is not the start of a save set
/LOG修飾子を指定すると,ファイルの復元の進行状況を監視することができます。 大きなセーブ・セットから少量のファイルだけ復元したい場合は, 目的のファイルの復元を終えた時点でCtrl/Yを押し,処理を終了してください。
$ BACKUP _From: MUA0:NIGHTLY.BCK/SELECT=[WORK.SEPT]INVOICES.DAT _To: USER1:[WORK.SEPT]INVOICES.DAT
$ BACKUP/LOG _From: MUA0:NIGHTLY.BCK/SELECT=[WORK.SEPT]INVOICES*.* _To: USER1:[WORK.SEPT]INVOICES*.* %BACKUP-S-CREATED, created USER1:[WORK.SEPT]INVOICES_01.TXT;1 %BACKUP-S-CREATED, created USER1:[WORK.SEPT]INVOICES_02.TXT;1 %BACKUP-S-CREATED, created USER1:[WORK.SEPT]INVOICES_03.TXT;1 %BACKUP-S-CREATED, created USER1:[WORK.SEPT]INVOICES_04.TXT;1 %BACKUP-S-CREATED, created USER1:[WORK.SEPT]INVOICES_05.TXT;1 %BACKUP-S-CREATED, created USER1:[WORK.SEPT]INVOICES_06.TXT;1 . . .
/LOG修飾子が指定されているため,復元したファイルのファイル指定情報が表示される。
$ BACKUP TAPE:NOV12SAVE.BCK [LYKINS...]
$ BACKUP _From: MIA0:NOV2SAVE.BCK/SELECT=[LYKINS.GLENDO]STRAT1.DAT;5 _To: STRAT1.DAT;5 $ DIRECTORY STRAT1.DAT Directory [LYKINS.GLENDO] STRAT1.DAT;5 Total of 1 file. $
$ SET DEFAULT [REPORTS] $ DIRECTORY *.DIR Directory USER3:[REPORTS] INTERNAL.DIR 2 PUBLIC.DIR 5 SUMMARIES.DIR 1 TEST.DIR 3 WEEKLY.DIR 2 Total of 5 files, 13 blocks. $
これらのディレクトリとサブディレクトリのバックアップ・セーブ・ セットを作成していた場合は,次のコマンドを使用して,それらを復元することができる。
$ BACKUP MUA0:MAY-10.BCK/SELECT=[REPORTS...] USER3:[REPORTS...]
すなわち, このコマンドは,[REPORTS]ディレクトリとそのサブディレクトリの[.INTERNAL] ,[.PUBLIC],[.SUMMARIES],[.TEST],[.WEEKLY]のすべてのファイルを復元する。
$ BACKUP TAPE:NOV12SAVE.BCK/REWIND [*...]
/REWIND修飾子は,復元を行う前にテープの始まりまでテープを巻き戻すようBACKUP に指示する修飾子である。これにより,セーブ・セットが現在のテープ位置より前に位置していても, 正しい復元が可能になる。
BACKUPは,最高32レベルの深さのディレクトリ構造にあるファイルにアクセスできます。BACKUP は,以前は深いディレクトリ(9レベル以上)にあったBACKUP のセーブ・セット内で,ファイルを選択することもできます。ただしODS-S ディスク上では,最高8レベルの深さのディレクトリから,ファイルを復元できます。 次の例では,深さ12レベルの深いディレクトリ構造を復元します。
$ BACKUP MTA1:T.BCK/SAV/SELECT=[A.B.C.D.E.F.G.H.I.J.K.L]*.* - DISK:[DIR]*.*;*
この節では,ディスクとテープに対する追加型バックアップとイメージ・ バックアップについて説明します。
また,VAXシステム上で大規模な ユーザ・ディスクのバックアップを行うと,BACKUPにページングが必要となり, そのために操作が失敗する場合があります。このような事態が生じた場合は, オンラインのBACKUPを使用してVAXユーザ・ディスクのバックアップを行ってください。
ユーザ・ディスクのバックアップは,ログインしている会話型ユーザが存在せず, かつアプリケーションが動作していない状態で行うようにしてください。 これは,保存中にオープンしているファイルを見つけると, エラー・メッセージが出され,そのファイルのコピーが行われなくなる ためです。また,BACKUPはディレクトリを検索しますから,ファイルの作成や削除などのディレクトリ操作が行われていると, ファイルがバックアップ対象から除外されることがあります。
最初にイメージ・バックアップが行われていない場合には, 追加型バックアップで必要以上にファイルを保存して, 確実に追加型の復元ができるようにします。
後述の第10.18.3項で説明するように, /IGONRE=INTERLOCK修飾子を指定することによって,オープンしているファイルを保存するようBACKUP に指示することができます。ただし,アプリケーションが書き込みを行っていた場合, このようにして保存したファイルには矛盾するデータが含まれることがあります。BACKUP は,次のいずれかの場合にメッセージを表示します。
ただし,BACKUPのファイル読み取り終了時に,遠隔ノードでファイルが書き込みのためにアクセスされた場合には, メッセージは表示されません。 これは,BACKUPがそのアクセスを検出できないからです。
指定されたバージョンのファイルが既に存在していたら,BACKUPは次のエラー・ メッセージを表示します。
RMS-E-FEX, file already exists, not superseded
ユーザがログインしている場合は,ディスクのバックアップを行う旨を各ユーザに通知してください。OPER 特権を持っている場合は,次のようにREPLY/ALL コマンドを使用して,一度にすべてのユーザに通知することができます。
$ REPLY/ALL "System Backup About to Begin -- Open Files Will Not Be Backed Up"
このコマンドが入力されると,システムの各会話型ターミナルには次のメッセージが表示されます。
Reply received on MYNODE from user SYSTEM at VTA28: 23:35:11 System Backup About to Begin -- Open Files Will Not Be Backed Up
第10.2節で説明したように,ディスクのイメージ・ バックアップでは,そのディスクのすべてのファイルの論理的なコピーが作成されます。 このバックアップは,ファイルがオープンしているときの問題を考慮して, システムに会話型ユーザが存在しない状態で行ってください( 第10.15.1項参照)。また,システムの性能に影響することがありますから, バックアップは,システムが最も空いているときに行うのが最適です。 いくつかのプロセス・パラメータとシステム・ パラメータに適切な値を設定することにより,バックアップを効率良く行うことができます( 第10.7節参照)。
テープにイメージ・バックアップを行う場合は,次の形式でBACKUPコマンドを使用します。
BACKUP/IMAGE [/RECORD] 入力装置-
出力指定[/LABEL=ラベル] [/REWIND]
/IMAGE修飾子は,このバックアップがイメージ・バックアップであることを示します。/RECORD 修飾子は任意であり,指定された場合は,バックアップした各ファイルのファイル・ ヘッダ・レコードにそのときの日時を記録します。 将来,追加型バックアップを行う場合は,必ずこの/RECORD修飾子を指定してください。 入力装置には,バックアップするディスクの装置を指定します。 ファイルは指定しないでください。/REWIND修飾子は任意であり, テープを初期化する場合は指定します。/LABEL修飾子は, テープのラベルを指定するときに使用します。
$ INITIALIZE MKB100: WKLY【1】 $ MOUNT DKA100: DISK$1【2】 %MOUNT-I-MOUNTED, DISK$1 mounted on _DKA100: $ BACKUP/IMAGE/RECORD/VERIFY _From: DKA100: _To: MKB100:FULL02.SAV/LABEL=WKLY【3】 %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
この例の番号を振ったコマンドはそれぞれ次のことを行う。
$ ALLOCATE MUA0:,MUA1:,MUA2:【1】 %DCL-I-ALLOC, MUA0: allocated %DCL-I-ALLOC, MUA1: allocated %DCL-I-ALLOC, MUA2: allocated $ BACKUP/IMAGE/RECORD/NOASSIST/RELEASE_TAPE _From: DKA100: _To: MUA0:FULL02.SAV,MUA1,MUA2/LABEL=MNTH【2】 %MOUNT-I-MOUNTED, MNTH mounted on _MUA0: %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 %MOUNT-I-MOUNTED, MNTH02 mounted on _MUA1: %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 3 %MOUNT-I-MOUNTED, MNTH03 mounted on _MUA2: $
この例の番号を振ったコマンドはそれぞれ次のことを行う。
/RELEASE_TAPE修飾子は,セーブ・セットの書き込みを終えた出力テープ装置をディスマウントして, アンロードするよう指示する。/RECORD 修飾子が指定されているので,バックアップした各ファイルのファイル・ ヘッダ・レコードにはそのときの日時が記録される。
第10.2節で説明したように,ディスクのイメージ・ バックアップでは,そのディスクのすべてのファイルの論理的なコピーが作成されます。 このバックアップは,ファイルがオープンしているときの問題を考えて, システムに会話型ユーザが存在しない状態で行ってください( 第10.15.1項参照)。また,システムの性能に影響することがあるため, バックアップは,システムが最も空いているときに行うのが最適です。 いくつかのプロセス・パラメータとシステム・ パラメータに適切な値を設定することにより,バックアップを効率良く行うことができます( 第10.7節参照)。
ディスクにイメージ・バックアップを行う場合は,次の形式でBACKUPコマンドを使用します。
BACKUP/IMAGE/RECORD 入力装置 出力指定/SAVE_SET
/IMAGE修飾子は,このバックアップがイメージ・バックアップであることを示します。/RECORD 修飾子は,バックアップした各ファイルのファイル・ ヘッダ・レコードにそのときの日時を記録します。将来,追加型バックアップを行う場合は, 必ずこの/RECORD修飾子を指定してください。/SAVE_SET 修飾子は,セーブ・セットをディスクに作成することを示します。
$ MOUNT DUA1: USER1 %MOUNT-I-MOUNTED, USER1 mounted on _DUA1: $ MOUNT DUA2: USER2 %MOUNT-I-MOUNTED, USER2 mounted on _DUA2: $ BACKUP/IMAGE/RECORD _From: DUA1: _To: DUA2:[USER.BACKUPS]USER1.SAV/SAVE_SET
$ BACKUP/IMAGE/RECORD _From: DUA0: _To: DUB24:[USER.BACKUPS]USER1.SAV,DUB25/SAVE_SET
第10.2節で説明したように,ディスクの追加型バックアップでは, 前回/RECORD修飾子を用いて行われたイメージまたは追加型バックアップ以降に作成または変更されたファイルのコピーしか作成されません。
テープに追加型バックアップを行う手順は次のとおりです。
$ DIRECTORY/FULL LOGIN.COM Directory WORK204:[HIGGINS] LOGIN.COM;31 File ID: (23788,1,0) Size: 7/9 Owner: [ACC,HIGGINS] Created: 30-APR-1998 14:37:33.98 Revised: 30-APR-1998 14:37:34.44 (1) Expires: <None specified> Backup: 30-APR-1998 20:20:57.37 File organization: Sequential File attributes: Allocation: 9, Extend: 0, Global buffer count: 0, No version limit Record format: Variable length, maximum 94 bytes Record attributes: Carriage return carriage control RMS attributes: None Journaling enabled: None File protection: System:RWED, Owner:RWED, Group:RE, World: Access Cntrl List: None Total of 1 file, 7/9 blocks.
上記の"Backup"フィールドに示されているのが,前回/RECORD修飾子を使用して行ったバックアップの日付である。 この例では,1998年4月30 日の20:20:57.37に行われたことが分かる。
BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP 入力指定-
出力指定[
/LABEL=ラベル] [/REWIND]
/RECORD修飾子は,バックアップした各ファイルのファイル・ヘッダ・ レコードにそのときの日時を記録する。将来,追加型バックアップを行う場合は, 必ずこの/RECORD修飾子を指定すること。/SINCE=BACKUP 修飾子は,前回/RECORD修飾子を使用して行ったバックアップ以降の日付のファイルをバックアップすることを指示する。/REWIND 修飾子は任意であり, テープを初期化する場合に指定する。/LABEL修飾子は,テープのラベルを指定するときに使用する。
次は追加型バックアップを行うBACKUPコマンドの例であり,前回のBACKUP/RECORD コマンド以降に変更されたDRA1:のすべてのファイルを20APR1998.SAV というセーブ・セットに保存します。
$ BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP/RELEASE_TAPE From: DRA1:[000000...] To: MIA0:20APR1998.SAV/LABEL=20JUNE
/LABEL修飾子は,テープのボリューム・ラベルを示します。イメージ・ バックアップではなく,追加型バックアップであるため, DRA1:[000000 . . . ]を明示的に使用して,DRA1のすべてのファイルをバックアップ対象にすることを指示する必要があります。/SINCE=BACKUP 修飾子は,前回/RECORD修飾子を使用して行ったバックアップ以降に作成または変更されたすべてのファイルを保存しなさいという指示です。/RELEASE_TAPE 修飾子は,BACKUPがセーブ・セットを書き込んだ後, /RECORD修飾子の処理を行う前に出力テープ装置をディスマウントして, アンロードします。
第10.2節で説明したように,ディスクの追加型バックアップでは, 前回/RECORD修飾子を用いて行われたイメージまたは追加型バックアップ以降に作成または変更されたファイルのコピーしか作成されません。
ディスクに追加型バックアップを行う手順は次のとおりです。
$ DIRECTORY/FULL LOGIN.COM Directory WORK204:[HIGGINS] LOGIN.COM;31 File ID: (23788,1,0) Size: 7/9 Owner: [ACC,HIGGINS] Created: 30-APR-1998 14:37:33.98 Revised: 30-APR-1998 14:37:34.44 (1) Expires: <None specified> Backup: 30-APR-1998 20:20:57.37 File organization: Sequential File attributes: Allocation: 9, Extend: 0, Global buffer count: 0, No version limit Record format: Variable length, maximum 94 bytes Record attributes: Carriage return carriage control RMS attributes: None Journaling enabled: None File protection: System:RWED, Owner:RWED, Group:RE, World: Access Cntrl List: None Total of 1 file, 7/9 blocks. $
上記の"Backup"フィールドに示されているのが,前回/RECORD修飾子を使用して行ったバックアップの日付である。 この例では,1998年4月30 日の20:20:57.37に行われたことが分かる。
BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP 入力指定-
出力指定/SAVE_
SET
/RECORD修飾子は,バックアップした各ファイルのファイル・ヘッダ・ レコードにそのときの日時を記録する。追加型バックアップの第1 ステップはイメージ・バックアップである(第10.15.2 項参照)。将来,追加型バックアップを行う場合は,イメージ・ バックアップを行うときに必ずこの/RECORD修飾子を指定すること。/SINCE=BACKUP 修飾子は,前回/RECORD修飾子を使用して行ったバックアップ以降の日付のファイルをバックアップすることを指示する。/SAVE_SET 修飾子は,セーブ・セットをディスクに作成することを指示する。
$ MOUNT DUA55: DISK1 %MOUNT-I-MOUNTED, DISK1 mounted on _DUA55: $ MOUNT/FOREIGN DJC12: %MOUNT-I-MOUNTED, DISK2 mounted on _DJC12: $ BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP _From: DUA55:[000000...] _To: DJC12:USER1.SAV/SAVE_SET
$ MOUNT DUA0: USER1 %MOUNT-I-MOUNTED, USER1 mounted on _DUA0: $ MOUNT/FOREIGN DUB24: %MOUNT-I-MOUNTED, DISK2 mounted on _DUB24: $ MOUNT/FOREIGN DUB25: %MOUNT-I-MOUNTED, DISK3 mounted on _DUB25: $ BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP _From: DUA0:[000000...] _To: DUB24:USER1.SAV,DUB25/SAVE_SET
PATHWORKS for OpenVMS Macintoshサーバの追加型バックアップ操作と, OpenVMSの追加型バックアップ操作には互換性がありません。これが原因でBACKUP は,(サブディレクトリとそのファイルまでを含めた)ディスクやディレクトリ構造の全体がセーブされることがあります。
BACKUPユーティリティでは,ファイル・ヘッダ内のBackup Dateフィールドに示された日付以降にディレクトリ・ ファイルが変更されているかどうかを検出できます。 ディレクトリ・ファイルが変更されている場合は,そのディレクトリのサブディレクトリとファイルが後の復元操作に備えてすべてセーブされます。
OpenVMSシステムでは,ディレクトリ・ファイルの変更日付のアップデートは, 通常は行われません。ただし,名前変更でディレクトリ・ファイルの位置を変えた場合などには, アップデートが行われることがあります。 これとは対照的に,PATHWORKS Macintoshサーバでは,Macintoshユーザのディレクトリ・ ファイルの変更日付が保持されます。つまり,各ディレクトリ変更, ファイル作成,およびファイル削除について変更日付のアップデートが行われます。
このことが原因となって, Macintoshユーザに対するファイルのサービスに PATHWORKS が使用されている場合に,ディスクの追加型バックアップを行うと, 前回の追加型バックアップ操作以降に作成または変更されたユーザ・ ファイルだけでなく,ディスク全体あるいはディレクトリ全体が (その下のサブディレクトリやファイルを含めて) セーブされることになります。
不必要に保存しないようにするには,次のいずれかの方法をとります:
保存操作では,BACKUPの修飾子である/NOINCREMENTALを使って,変更されたディレクトリの下にあるファイルとサブディレクトリの すべての 保存を回避することができる(ただし,いくつかのファイルは保存される) 。この修飾子は,すべてのデータの保存をしたくないことが確定的なときにだけ使用すること。
6.2よりも前のバージョンのOpenVMSでは,省略時の設定で,変更されたディレクトリの下にあるファイルやサブディレクトリの保存は行わなかった。OpenVMS バージョン7.0と7.1では,正常な復元を保証するために, 変更されたディレクトリの下にあるすべてのファイルとサブディレクトリをシステムが保存した。 しかしながら,この動作は,後の復元操作では必要にならないファイルやサブディレクトリを保存してしまうことにもなった。/NOINCREMENTAL 修飾子を使用すると,保存されるファイル・ データの量をさらに制御できるようになる。
$ BACKUP/RECORD/IGNORE=(INTERLOCK) - _$ disk:[000000...]*.DIR;* - _$ NLA0:DUMMY.BCK/SAVE/NOCRC/GROUP_SIZE=0 $ $ BACKUP/VERIFY/FAST/RECORD/IGNORE=(INTERLOCK) - _$ /NOASSIST/COMMENT="Incremental backup of DISK:" - _$ disk:[000000...]*.*;*/SINCE=BACKUP - _$ tape:incr.bck/LABEL=incr/SAVE
この例では,最初のBACKUPコマンドでダミーのバックアップ操作を実行し,2 番目のBACKUPコマンドで実際の追加型バックアップを実行しています。 最初のコマンドでは,すべてのディレクトリ・ファイルについてBackup Date フィールドがアップデートされます。空の出力装置NLA0:[000000...] を指定しているため,セーブ・セット・ファイルに書き込まれることはありません。 この操作のファイル情報については, 何も保持する必要はないため,/NOCRC修飾子および/GROUP_SIZE=0 修飾子を指定して CRCおよびXORのブロック演算を回避しています。
スタンドアロン型のワークステーションでは,たいていシステム管理者がユーザ・ ディスクのファイルのバックアップを行います。 第10.15.7.1項,第10.15.7.2項, および第10.15.7.3項では, それぞれワークステーション上でユーザ・ ディスクのイメージ・バックアップ,追加型バックアップ, 会話型バックアップを行うためのコマンド・プロシージャを紹介します。
またSYS$EXAMPLESディレクトリには,BACKUPコマンド・プロシージャの設計に役立つ2 つのテンプレート・コマンド・プロシージャが用意されています。 それらコマンド・プロシージャの名前は,BACKUSER.COMとRESTUSER.COM です。
コマンド・プロシージャの使い方がわからない場合は,『OpenVMSユーザーズ・ マニュアル』を参照してください。
ここでは,毎晩イメージ・バックアップを行うコマンド・プロシージャを紹介します。MUA0 の磁気テープの,FULL_BACKUP.SAVEというセーブ・セットにDUA2: ディスクのすべてのファイルをバックアップします。このプロシージャは,MicroVAX システムやワークステーションでのファイルのバックアップに特に有用です。
夜間のイメージ・バックアップ用コマンド・プロシージャを使用する手順は次のとおりです。
$! $! Resubmit this procedure -- $ SUBMIT/AFTER="TOMORROW+2:0" SYS$MANAGER:SYSTEM_BACKUP $! $ ON ERROR THEN GOTO FAILURE $ SET PROCESS/PRIVILEGES=ALL $! $ REPLY/ALL - "Full Backup About to Begin. Open Files Will Not Be Saved" $! $ BACKUP /IMAGE DUA2: MUA0:FULL_BACKUP.SAV /REWIND /IGNORE=LABEL_PROCESSING $ DISMOUNT MUA0: $ EXIT $! $FAILURE: $ WRITE SYS$OUTPUT "---> Backup failed" $ WRITE SYS$OUTPUT "" $ DISMOUNT MUA0: $ EXIT
. . . $! $ BACKUP/IMAGE WORK_DISK MIA0:WORK_BACK.SAV/REWIND $ BACKUP/IMAGE PAYROLL_DISK MIA0:PAYROLL_BACK.SAV $! . . .
後日,追加型バックアップを行う場合は,必ずBACKUPコマンド行に/RECORD 修飾子を指定すること。
SUBMIT/NOPRINT/AFTER="TOMORROW+2:0"/QUEUE=キュー名-
SYS$MANAGER:SYSTEM_BACKUP
キュー登録後にプロシージャの実行を中止する場合は,DELETE/ENTRYコマンドを使用します。 エントリ番号が判らない場合は,次の例に示すようにSHOW ENTRY コマンドで調べることができます。
$ SHOW ENTRY Entry Jobname Username Blocks Status ----- ------- -------- ------ ------ 14 SYS_BACKUP TPROULX Holding until 19-APR-1998 02:00 On generic batch queue CLUSTER_BATCH $ DELETE/entry=14
コマンド・プロシージャを使用して,毎晩ディスクの追加型バックアップを行うことができます。 次のいずれかの条件を満たす場合は,夜間の追加型バックアップと毎週のイメージ・ バックアップを行う方が好都合です。
金曜の夜以外の毎晩11:00に,追加型バックアップを行いたいと仮定します。 金曜の夜は,イメージ・バックアップを行うものとします。この後の手順で紹介するコマンド・ プロシージャは,金曜の夜を除く毎晩,3つのディスクの追加型バックアップを行い, 自動的に自身を再キュー登録します。
夜間の追加型バックアップ用コマンド・プロシージャを使用する手順は次のとおりです。
$! $! Resubmit this procedure -- $ SUBMIT/AFTER="TOMORROW+23:0" SYS$MANAGER:INCREMENTAL_BACKUP $! $ TODAY = f$cvtime("today",,"weekday") $ IF TODAY .EQS. "Friday" THEN GOTO DONE $! $ ON ERROR THEN GOTO FAILURE $ SET PROC/PRIV=(OPER,BYPASS) $! $ REPLY/ALL - "Incremental Backup About to Begin. Open Files Will Not Be Saved" $! $ BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP DRA0:[000000...] - MIA0:INCREMENT1.SAV /LABEL=INC1 $ BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP DRA1:[000000...] - MIA1:INCREMENT2.SAV /LABEL=INC2 $ BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP DRA2:[000000...] - MIA2:INCREMENT3.SAV /LABEL=INC3 $ DISMOUNT MIA0: $ DISMOUNT MIA1: $ DISMOUNT MIA2: $ EXIT $! $FAILURE: $ WRITE SYS$OUTPUT "---> Backup failed" $ WRITE SYS$OUTPUT "" $ DISMOUNT MIA0: $ DISMOUNT MIA1: $ DISMOUNT MIA2: $ EXIT
この例では,金曜日には追加型バックアップを行わない。金曜日は, イメージ・バックアップ(完全バックアップ)を行う。
$ SUBMIT/AFTER=23 SYS$MANAGER:INCREMENTAL_BACKUP
ここでは,会話形式で磁気テープにディスクをバックアップするためのコマンド・ プロシージャを紹介します。
会話型コマンド・プロシージャを使用する手順は次のとおりです。
$ ! Command procedure DAILYBACK.COM $ ! $ ! Execute this command procedure interactively $ ! by entering the command @[directory]DAILYBACK $ ! at the DCL prompt. $ ! $ ! The BACKUP command in this procedure contains the $ ! output save-set qualifier /REWIND. Therefore, this $ ! command procedure always initializes the output tape. $ ! $ ON ERROR THEN GOTO FAILURE $ INQUIRE DRIVE "Enter the drive name (without a colon)" $ ALLOCATE 'DRIVE' $ INQUIRE SAVESET_SPEC "Enter the save-set specifier" $ INQUIRE LBL "Enter the tape label" $ INQUIRE EXP "Enter the tape expiration date" $ BACKUP/NOASSIST/RECORD/IGNORE=INTERLOCK/SINCE=BACKUP - [...] 'DRIVE':'SAVESET_SPEC'/REWIND/LABEL='LBL'/TAPE_EXPIRATION='EXP' $ DISMOUNT 'DRIVE' $ EXIT $! $FAILURE: $ WRITE SYS$OUTPUT "---> Backup failed" $ WRITE SYS$OUTPUT "" $ DISMOUNT 'DRIVE' $ EXIT
テープが満了していない,またはラベルが一致しない場合,コマンド・ プロシージャは終了する。テープが満了し,かつラベルが一致する場合は, 指定された満了日をヘッダ・レコードに書き込んで,テープを初期化する。 テープの初期化を終えると,BACKUPが,現在の省略時のディレクトリ・ ツリー内にあって,前回の保存以降に作成または変更されたすべてのファイルを指定された名前のセーブ・ セットに保存する。
ボリューム・シャドウイング機能は,同一データのコピーを複数のディスク・ ボリュームに作成して管理します。システムでボリューム・シャドウイング機能を使用している場合は, 個々のディスク・ボリューム(シャドウ・ セット・メンバ)を統合し,1つのシャドウ・セットを形成することができます。 このときボリューム・シャドウイング機能は,シャドウ・セットの各メンバにデータのコピーを作成します。 シャドウ・セットに含める各ディスクについて, ディスクごとにライセンスが取得できます。このオプションは, 少数のディスクしかシャドウイングしないようなクラスタで効果的です。 ただし,シャドウイングを行うディスクが多い大規模なシステムでは, 従来の容量ごと(CPUごと)のライセンスの方が適切な場合があります。
シャドウ・セットに含めることができるディスク数の制限を表 10-7 に示します。
シャドウ・セットのタイプ | サポートされるセット |
---|---|
単一メンバ | セット数無限 |
複数メンバ | 2 メンバ・セットおよび3メンバ・セット,または両方でディスク総数400 |
これらの制限はクラスタごとに適用されます。たとえば,合計400のディスクは, 各クラスタにおいて,2メンバ・シャドウ・セット200または,3 メンバ・シャドウ・セット133に構成することができます。1つのクラスタに単一メンバ,2 メンバ,3メンバのシャドウ・セットが混在している場合には, 最高400のディスクを2メンバと3メンバのシャドウ・セットに入れることができます。
RAIDレベル1 (シャドウイング)のファームウェアのインプリメンテーションでは, 単一のSWXCR-xxコントローラにローカルで接続されているSCSI ディスクを使用して,シャドウ・セットを作成することができます。StorageWorks RAID Array 210 Subsystem (SWXCR-EA またはSWXCR-EB EISA Backplane RAIDのコントローラ)とStorageWorks PCI Backplane RAIDコントローラ(SWXCR-PAまたはSWXCR-PB)は,独自のファームウェアでRAID レベル0,1,5を実現します。
このようなコントローラに接続されているSCSIディスクも,OpenVMSでホスト・ ベースのボリューム・シャドウイングで作成されたシャドウ・セットに入れることができます。 たとえば,ホスト・ベースのボリューム・シャドウイングでは, クラスタ内に配置されている別個のSWXCR-xx RAIDコントローラに接続されている2つの同様のディスクを含むRAID1シャドウ・ セットを作成することができます。OpenVMSでボリューム・シャドウイングを行うシステムに接続すれば,SCSI ディスクをシャドウ・セットとして構成できます。
電源が落とされているか,ポーリングに応答しない状態の直接接続されているSCSI 装置の場合,装置をシャドウ・セットから取り外すには,1分近く時間がかかることがあります。 その他の状況では,ほぼSHADOW_MBR_TMO パラメータで指定された秒数だけかかります。
ボリューム・シャドウイングは,装置上でジオメトリと最大論理ブロック数(LBN) をチェックします。これによって,RZ28やRZ28Bのような装置が, 同じシャドウ・セット中で動作できます。装置IDが異なっていても,同様のコントローラ( たとえば2台のHSJコントローラ)上で構成されていれば, ジオメトリや最大LBNは一致します。
個々のユーザは,1つの仮想ユニットとして作成されたシャドウ・セットにアクセスすることができます。 たとえば,DUA1:,DUA2:,DUA3:という3 つのディスクをまとめて,DSA1という1つの仮想ユニットを作成したと仮定します。 この場合,ユーザはシャドウ・セットのメンバに直接アクセスすることはできません。 メンバを操作する場合は,仮想ユニット(DSA1:) にアクセスします。
ボリューム・シャドウイング機能はシャドウ・セットの各ボリュームにデータの複製を作成するため, シャドウ・セットのバックアップには特別な注意が必要です。 ここでは,シャドウ・セットをバックアップする 1つの方法として,BACKUP ユーティリティを使用する方法を簡単に紹介します。
ここでは,BACKUPを使用してシャドウ・セットをバックアップする手順の要約を示します。 詳しい手順については,『Volume Shadowing for OpenVMS』を参照してください。
ホスト・ベースのシャドウ・セットで,StorageWorks RAID Array 110 Subsystemにディスクをマウントするには,MOUNTコマンドに/OVERRIDE=NO_FORCED_ERROR 修飾子を指定します。
StorageWorks RAID Array 110 Subsystemは,SCSIでFORCED ERROR機能を実現するのに必要なREAD/WRITE LONG SCSI コマンドをサポートしません。 FORCED ERROR機能がなければ,シャドウイング・ドライバでチェック内容を上書きしなければなりません。
支援型マージはミニマージとも呼ばれ,シャドウ・セットがOpenVMS Alphaノードや同じクラスタ内の他のタイプのノードにマウントされると, 使用禁止になります。支援型マージを再び使用可能にするには,シャドウ・ セットをマウントする全OpenVMS Clusterノードに,CSCPAT (TIMA) キットをインストールします。
ミニマージが使用禁止になっても,シャドウイングは正常に機能し続けます。 ただし,マージ処理が必要な場合は,常に完全なマージが行われます。 完全なマージは,ミニマージよりかなり時間がかかります。CSCPAT (TIMA)キットのインストールをおすすめします。
ディスク装置が故障して,ディスクの内容が壊れた場合などは,バックアップ・ コピーを使用してディスク全体を復元することができます。ときどき保存したイメージ・ バックアップを復元することにより,ディスクのフラグメンテーションを防ぐこともできます。
ディスクを復元する方法は,最後に行ったバックアップがイメージ・バックアップ( 完全バックアップ)か,追加型バックアップのどちらであるかによって異なります。 次の第10.16.1項では, イメージ・バックアップの場合のディスクの復元方法について,また 第10.16.2項では,追加型バックアップの場合のディスクの復元方法について説明します。
この節では,最後に行ったバックアップが/IMAGE修飾子を使用したイメージ・ バックアップの場合の,ディスクのすべての内容の復元手順を紹介します( 第10.15.2項参照)。
イメージ・バックアップを復元する手順は次のとおりです。
$ DIRECTORY BACKUP_DISK:[BACKUPS] Directory SYS$SYSDEVICE:[BACKUPS] 19APRIL1998.SAV;1 Total of 1 file.
この例では,セーブ・セット名は19APRIL1998.SAVである。
$ BACKUP/LIST/REWIND MIA1: Listing of save set(s) Save set: 19APRIL1998.SAV Written by: SYSTEM UIC: [000001,000004] Date: 19-APR-1998 22:03:03.63 . . .
この例では,セーブ・セット名は19APRIL1998.SAVである。
BACKUP/IMAGE 装置:セーブ・セット指定[/SAVE_SET] -
出力装置
ディスクまたはディスケット・セーブ・セットの場合は,セーブ・セット指定( 装置:セーブ・セット指定)の直後に/SAVE_SET修飾子を指定する必要がある。
ここでは,次のことを前提にイメージ・バックアップを復元する例を紹介します。
$ MOUNT/FOREIGN DRA2:【1】 %MOUNT-I-MOUNTED, DISK1 mounted on _DRA2: $ BACKUP/IMAGE MIA1:FULL_BACKUP.SAV/REWIND DRA2:【2】 $ DISMOUNT/NOUNLOAD DRA2:【3】
この例の番号を振ったコマンドはそれぞれ次のことを行います。
/IMAGE修飾子があると,元のディスクの論理的な複製が作成されて,ディレクトリ構造全体が復元され, ファイルがそれぞれのディレクトリに書き込まれる。
イメージ・バックアップの後に追加型バックアップを行ったときのファイルの復元は,2 段階に分かれます。第1段階は,最後に行ったイメージ・バックアップの復元です。 その後で,最新のものから始めて,順次各追加型バックアップの復元を行います。
アクセス可能なディレクトリ構造のレベルについては,第10.14.1項を参照してください。
追加型バックアップを復元する手順は次のとおりです。最初の数ステップは, イメージ・バックアップの復元手順と同じです。
$ DIRECTORY BACKUP_DISK:[BACKUPS] Directory SYS$SYSDEVICE:[BACKUPS] 19APRIL1998.SAV;1 Total of 1 file.
この例では,セーブ・セット名は19APRIL1998.SAVである。
$ BACKUP/LIST/REWIND MIA0: Listing of save set(s) Save set: 19APRIL1998.SAV Written by: SYSTEM UIC: [000001,000004] Date: 19-APR-1998 22:03:03.63 . . .
この例では,セーブ・セット名は19APRIL1998.SAVである。
BACKUP/IMAGE 装置:セーブ・セット指定[/SAVE_SET] 出力装置
/IMAGE修飾子は,行おうとしているバックアップがイメージ・バックアップであることを示す。 ディスクまたはディスケット・セーブ・ セットの場合は,セーブ・セット指定(装置:セーブ・セット指定 )の直後に/SAVE_SET修飾子を指定する必要がある。
MOUNT 装置名:ボリューム・ラベル
装置名には,マウントするボリュームがセットされている装置の名前を指定する。 ボリューム・ラベルは,INITIALIZEコマンドでボリュームに割り当てた,1 文字から6文字の長さの英数字からなる識別名である。
BACKUP/INCREMENTAL セーブ・セット指定[/SAVE_SET] - 出力装置
ディスクまたはディスケット・セーブ・セットの場合は,セーブ・セット指定の後に必ず/SAVE_SET 修飾子を指定すること。
最後のイメージ・バックアップ以降に行ったすべての追加型バックアップを処理し終えるまで, 新しいものから古いものの順に追加型バックアップの復元を行う。 追加型バックアップが複数のボリュームにまたがる場合は,BACKUP からプロンプトが表示されるので,その都度, 次のボリュームをセットする必要がある。
復元は,最も古い追加型バックアップの復元を終えた時点で終了する。
ここでは,次のことを前提に,一連の追加型バックアップが行われたディスク全体を復元する例を紹介します。
$ MOUNT/FOREIGN DUA2:【1】 %MOUNT-I-MOUNTED, WORK_B mounted on _DUA2: $ BACKUP/IMAGE DUA3:WORK_BACKUP.SAV/SAVE_SET DUA2:【2】 $ DISMOUNT/NOUNLOAD DUA2:【3】 $ MOUNT DUA2: WORK_B 【4】 %MOUNT-I-MOUNTED, WORK_B mounted on _DUA2: $ BACKUP/INCREMENTAL DUA3:WORK_18_JAN.SAV/SAVE_SET DUA2:【5】 $ BACKUP/INCREMENTAL DUA3:WORK_17_JAN.SAV/SAVE_SET DUA2:【6】 $ BACKUP/INCREMENTAL DUA3:WORK_16_JAN.SAV/SAVE_SET DUA2:【7】
この例の番号を振ったコマンドはそれぞれ次のことを行います。
ファイルを復元する最も効率的な方法は,発生の逆順に追加型バックアップを復元する方法である。 最も古い追加型バックアップの復元を終えた時点で, 復元は終了する。
BACKUPは,ターゲット・ディスクとセーブ・セットの内容を検査して,セーブ・ セットのどの項目を無視し,ターゲット・ディスクのどの項目を削除するか決定します。BACKUP が,ターゲット・ディスクからディレクトリやその他のファイルを削除しようとして, 特権エラーを検出すると, BACKUPは,そのファイルの保護を変更してファイルを削除します。
BACKUPは,変更されたディレクトリ・ファイルを検出すると,その後で, 名称変更されたディレクトリを適切に復元できるように,そのディレクトリとサブディレクトリの内容を保存します。
BACKUPは,ディレクトリのレベルごとに,ターゲット・ディスクのディレクトリ構造をアルファベット順に処理します。 このためBACKUPは,ターゲット・ ディスクに追加型セーブ・セットを正しく復元できないような状況が生じることがあります。 たとえば,ターゲット・ディスク上の元のディレクトリやその内容を削除しなければ, ターゲット・ディスクには,新たに「名称変更」されたディレクトリとその内容を入れるのに十分なスペースがない場合もあります。
ディスク・スペースが不十分なために追加型の復元ができない場合には, (他の操作を行う前に)もう一度追加型のセーブ・セットを適用する,という解決方法もあります。 これにより,最初の追加型の復元が継続され,ディレクトリとその内容が削除されて, ターゲット・ディスクの使用可能スペースが増加します。 セーブ・セットからファイルを選択して復元するという方法もあります。
BACKUPは,別名ファイルや同義語ファイルのエントリの複数処理を指定しない, 追加型の復元処理(/NOALIAS)で,別名ファイルや同義語ファイルのエントリを復元しようとします。 別名ファイルのエントリが適切に復元できない場合,BACKUP はエラー・メッセージを表示して,別名ファイルのエントリ, その1次ファイル,失敗の原因を示す2次状態を表示します。
/LOG修飾子を指定すると,別名ファイルのエントリが正しく復元されたときに,BACKUP はメッセージを表示します。
/VERIFY修飾子を指定すると,BACKUPはチェック・パスの間に別名ファイルのエントリを復元しようとします。 指定しない場合には,別名ファイルのエントリの復元は, 通常のファイル復元と同時に行なわれます。これは,BACKUP は,1次ファイルを全部復元してから,これらのファイルを参照する別名ファイルのエントリを復元しようとするからです。
ボリューム・シャドウイング機能は,シャドウ・セットを構成する各ディスクに同一データの複製を作成するため, シャドウ・セットの復元には特別な注意が必要です。 シャドウ・セットの復元方法については,『Volume Shadowing for OpenVMS』を参照してください。
次のような条件の下では,システム・ディスクのバックアップが非常に大切です。
OpenVMS AlphaまたはVAXオペレーティング・システムのディストリビューション・ コンパクト・ディスクにアクセスできる場合は,そのディスクのメニュー・ システムを使用して,システムをバックアップしてください。 メニュー・システムの使用についての詳細は,第10.17.1項を参照してください。
OpenVMS VAXオペレーティング・システムのディストリビューション・コンパクト・ ディスクにアクセスできない場合は,スタンドアロンBACKUP を使用して,システム・ディスクのバックアップと復元を行ってください。 スタンドアロンBACKUPについての詳細は第10.17.2 項を参照してください。
OpenVMS AlphaまたはVAXオペレーティング・システムのディストリビューション・ コンパクト・ディスクにアクセスできる場合には,この項で説明するメニュー・ システムを使用して,システム・ディスクとユーザ・ディスクのバックアップまたは復元を行います。
オペレーティング・システムが実行中であれば,SYSTEMアカウントにログインする。 次のコマンドを入力してReturnキーを押す。
$ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN
質問に応答する。自動システム・ブートを実行するかどうかをプロシージャが問い合わせてきたら,NO と答える(Returnキーを押す)。プロシージャが終了すると, 次のメッセージが表示される。
SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE
VAXシステムの場合,次のメッセージも表示される。
USE CONSOLE TO HALT SYSTEM
このメッセージが表示されたらシステムを停止する。
システム・ディスクのバックアップ・コピーを作成する場合には,第10.17.3項を参照してください。
システム・ディスクを復元するには,第10.17.4項を参照してください。
次に,OpenVMS VAXシステムにおけるメニュー方式のプロシージャの起動方法の例を示します。
>>> B/R5:10000100 ESA0 Bootfile: ISL_SVAX_071 -ESA0 Network Initial System Load Function Version 1.1 FUNCTION FUNCTION ID 1 - Display Menu 2 - Help 3 - Choose Service 4 - Select Options 5 - Stop Enter a function ID value: 3 OPTION OPTION ID 1 - Find Services 2 - Enter known Service Name Enter an Option ID value: 2 Enter a Known Service Name: VMS071 OpenVMS VAX Version 7.2 Major version id = 1 Minor version id = 0 %SYSINIT-E, error opening page file, status = 0000025C %SYSINIT-E, error opening swap file, status = 0000025C %SYSINIT, primary PAGEFILE.SYS not found; system initialization continuing %SYSINIT, no dump file - error log buffers not saved %SYSINIT-E, error mounting system device, status = 00000F64 $! Copyright (c) 1998 Compaq Computer Corporation. All rights reserved. $set noverify Copyright 0 (c) 1998 Compaq Computer Corporation. All rights reserved. Installing required known files... Configuring devices... **************************************************************** The menu can be used to execute DCL commands and procedures for various "standalone" tasks, such as backing up the system disk. Please choose one of the following: 1) Execute DCL commands and procedures 2) Shut down this system Enter CHOICE or "?" to repeat menu: (1/2/?)) 1 WARNING -- The normal VMS startup procedure has not executed. Some commands and utilities will not work as documented. Enter DCL commands -- Enter "LOGOUT" when done. When you enter "LOGOUT" a logout message will be displayed, and you will be returned to the menu. $$$
BACKUPユーティリティは,オープンされたファイル(会計情報ファイルやオペレータ・ ログ・ファイルなど)はコピーしません。したがって,スタンドアロンBACKUP (VAX のみ)または構成が許せば,メニュー・システムを使用してシステム・ ディスクのバックアップを取る必要があります。オペレーティング・ システムがシャットダウン中でも,メイン・メモリにスタンドアロンBACKUP をブートし,BACKUPコマンド修飾子のサブセットを使用すれば, システム・ディスクの全ファイルの完全なバックアップをとることができます。 スタンドアロンBACKUPは,OpenVMS VAXのみを対象としています。 また,インストールおよびシステム・ディスクのバックアップと復元についてサポートしています。 スタンドアロンBACKUPで使用できる修飾子の一覧を 表 10-8に示します。
タイプ | 修飾子 | 省略時の値 |
---|---|---|
コマンド修飾子 | /BRIEF | /BRIEF |
/COMPARE | なし | |
/FULL | /BRIEF | |
/IMAGE | /IMAGE | |
/[NO]INITIALIZE | 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照 | |
/LIST [=ファイル指定] | 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照 | |
/[NO]LOG | /NOLOG | |
/PHYSICAL | なし | |
/RECORD | なし | |
/[NO]TRUNCATE | /NOTRUNCATE | |
/VERIFY | なし | |
/VOLUME=n | なし | |
入力セーブ セット修飾子 | /[NO]CRC | /CRC |
/[NO]REWIND | /NOREWIND | |
/SAVE_SET | なし | |
出力セーブ セット修飾子 | /BLOCK_SIZE=n | 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・ マニュアル』を参照 |
/BY_OWNER=uic | 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・ マニュアル』を参照 | |
/COMMENT=文字列 | なし | |
/[NO]CRC | /CRC | |
/DENSITY=n | 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照 | |
/[NO]EXACT_ORDER | /NOEXACT_ORDER | |
/GROUP_SIZE=n | /GROUP_SIZE=10 | |
/LABEL=(文字列[,...]) | 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照 | |
/PROTECTION [=(コード)] |
『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照 | |
/[NO]REWIND | /NOREWIND | |
/SAVE_ SET | なし | |
/TAPE_EXPIRATION | Today |
スタンドアロンBACKUPコットはOpenVMSディストリビューション・キットに入っていますが, システム・ディスクあるいはユーザ・ディスクに作成した方がブート時間が短縮できます。 各種媒体にスタンドアロンBACKUPを作成し, それらを使用する方法については,ご使用のコンピュータのインストールおよびアップグレードの手引書を参照してください。
以降の項では,ディスクまたはテープにスタンドアロンBACKUPを作成し, そのBACKUPを使用してシステム・ディスクのバックアップをとる方法を説明します。
スタンドアロンBACKUPは,テープではなく,ディスクに置いたほうが高速に立ち上がるので, ディスクに作成することをおすすめします。
スタンドアロンBACKUPは,システム・ディスクまたはユーザ・ディスクのどちらにでも作成することができます。 ユーザ・ディスクに作成した場合, ディスクの占有空間量はシステム・ディスクのときより大きくなります。 これは,システムのブートに必要なファイルがユーザ・ディスクにないためです。
スタンドアロンBACKUPの作成には,SYS$UPDATE:STABACKIT.COMコマンド・ プロシージャを使用します。このプロシージャは,必要ならばターゲット装置に指定されたディレクトリを新たに作成し, スタンドアロンBACKUPをブートするためのファイルをそのディレクトリにコピーします。 コピー先のディレクトリは, システム・ディスクであれば[SYSE],ユーザ・ディスクであれば[SYS0] です。
ディスクにスタンドアロンBACKUPを作成する手順は次のとおりです。
$ @SYS$UPDATE:STABACKIT Enter the name of the device on which to build the kit:
Enter the name of the device on which to build the kit: SYS$SYSDEVICE:
The kit is complete.
RF73ディスク(クラスタ・サイズ4ブロックのディスク)からRF74ディスク( クラスタ・サイズ7ブロックのディスク)へイメージ・バックアップを実行する場合,Backup ユーティリティはコピーして書き込むファイル用の領域を割り当てる際にファイル・ サイズを確認しません。したがって,ファイルが初期化時に設定されたCLUSTER_SIZE 属性の値よりも大きなサイズの割り当てを持っていた場合, 実際のファイル・サイズがクラスタ・サイズより小さい場合にもBACKUP はクラスタ1つ分余計のブロックをファイルに割り当てます。 たとえば,イメージ・バックアップ時に,実際のファイル・ サイズが6ブロックであるのに,8ブロックが割り当てられるような場合がこれに相当します( この場合,コピー終了後にDIRECTORY/SIZE=ALLコマンドを実行すると, 画面には6/8と表示されます)。実際のサイズはクラスタ・ サイズよりも小さくなります。
具体的には次のファイルは,イメージ・システム・ディスクに使用ブロック数6 ブロック,割り当てブロック数14ブロック(6/14)でコピーされます。
この誤った割り当てサイズにより,スタンドアロンBACKUPはブートされたイメージ・ ディスクで障害を発生します。
この問題を解決するには,上記2つのファイルをイメージ・バックアップ後に次のコマンドを使用して同じディレクトリに再びコピーします( このコマンドでは正しい割り当てサイズを指定しています):
$ COPY/ALLOCATION=7 SYS$COMMON:[SYS$LDR]LIDRIVER.EXE $ COPY/ALLOCATION=7 SYS$COMMON:[SYS$LDR]LPDRIVER.EXE
ディスクからスタンドアロンBACKUPをブートする手順を,次に示します。
オペレーティング・システムが停止していない場合は,SYSTEMアカウントにログインし, 次のコマンドを入力してReturnを押す。
$ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN
質問に答えていき,自動システム・ブートを行うか質問があったら, Returnを押してNOを選択する。処理が終わると,プロシージャは次のメッセージを表示する。
SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE -- USE CONSOLE TO HALT SYSTEM
たとえば,MicroVAX 3100コンピュータを使用している場合は,次のコマンドを使用してスタンドアロンBACKUP をブートする。
>>> B/n0000000 device-name
たとえば,ディスクの装置名がDKA400:,スタンドアロンBACKUPを作成したディレクトリが[SYSE] ディレクトリの場合は,次のコマンドを入力します。
>>> B/E0000000 DKA400
装置名については,第7.1節を参照すること。
VAX/VMS Version Vn.n Major version id = 01 Minor version id = 00
PLEASE ENTER DATE AND TIME (DD-MMM-YYYY HH:MM) 19-JAN-1998 15:00
Available device MKA500: device type TK50 Available device DKA100: device type RRD40 . . .
一覧にローカル・デバイスがすべて列挙されているか調べ,すべて列挙されていない場合は, すべての装置がシステムに正しく接続されているか調べる。 詳細は,ご使用のハードウェアのマニュアルを参照すること。
%BACKUP-I-IDENT, Standalone BACKUP V7.2; the date is 19-APR-1998 15:00 $
システム・ディスクのバックアップ・コピーを作成したい場合は,第10.17.3項を参照すること。
システム・ディスクの復元については,第10.17.4項で説明する。
テープ・カートリッジ・ディストリビューション・キットを持つVAXシステムの場合は, ディストリビューション・キットで提供されるテープ・カートリッジにスタンドアロンBACKUP が含まれています。この後に紹介する手順は, スタンドアロンBACKUPのコピーが破損した場合,または予備のコピーを作成する必要がある場合に使用してください。
テープ・カートリッジにスタンドアロンBACKUPを作成する手順は,次のとおりです
$ @SYS$UPDATE:STABACKIT
Enter the name of the device on which to build the kit: MUA0
Please place the scratch tape cartridge in drive _MUA0: This volume will receive the volume label SYSTEM. Enter "YES" when ready:
Ending time 19-MAY-1998 16:44:29.90 Starting time 19-MAY-1998 16:30:39.05 The Kit is complete. $
テープ・カートリッジにスタンドアロンBACKUPを作成していて,ディスク装置の故障などでスタンドアロンBACKUP の入ったディスクが使用不能になった場合は, 代わりにテープ・カートリッジのスタンドアロンBACKUPを使用することができます。 テープ・カートリッジからのスタンドアロンBACKUP のブートに要する時間は,約20分です。
テープ・カートリッジからスタンドアロンBACKUPをブートする手順は,次のとおりです。
オペレーティング・システムが停止していない場合は,SYSTEMアカウントにログインし, 次のコマンドを入力して,Returnを押す。
$ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN
質問に答えていき,自動システム・ブートを行うか質問があったら, Returnを押してNOを選択する。処理が終わると,プロシージャは次のメッセージを表示する。
SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE -- USE CONSOLE TO HALT SYSTEM
>>> BOOT MUA0
VAX/VMS Version V7.2 Major version id = 1 Minor version id = 0
PLEASE ENTER DATE AND TIME (DD-MMM-YYYY HH:MM) 19-MAY-1998 15:00
Available device DUA0: device type Generic_DU Available device MUA0: device type TK50
%BACKUP-I-IDENT, standalone BACKUP V7.2; the date is 19-MAY-1998 15:50 $
システム・ディスクのバックアップ・コピーを作成したい場合は,第10.17.3項を参照すること。
システム・ディスクの復元については,第10.17.4項を参照すること。
システム・ディスクのバックアップを行う場合には,BACKUPコマンドの/IMAGE と/PHYSICAL修飾子の機能について理解してから,スタンドアロンBACKUP を行います。
修飾子 | 機能 |
---|---|
/IMAGE | 機能的にはシステム・ディスク全体と等価のコピーを作成する。 復元すると,イメージ・バックアップのファイルがシステム・ ディスクに連続して書き込まれるので,ディスクのフラグメンテーションの解消にもなる。 |
/PHYSICAL | ファイル構造を無視し,論理ブロック単位でシステム・ ディスク全体をコピー,保存,復元,比較する。 |
BACKUPユーティリティの修飾子についての詳細は,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照してください。
システム・ディスクをテープにイメージ・バックアップする手順は,次のとおりです。
BACKUP/IMAGE/VERIFY 入力指定: - 出力指定:セーブ・セット.BCK/REWIND/LABEL=ラベル
こうした構文規則に従ったBACKUPコマンドの例を次に示す。
$ BACKUP/IMAGE/VERIFY DUA1: MUA0:DEC_31_BACKUP.BCK/REWIND/LABEL=WKY101
%BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
%BACKUP-I-RESUME, Resuming operation on volume 2 %BACKUP-I-READYWRITE, Mount volume 2 on _MUA0: for writing Enter "YES" when ready.
これらのメッセージが出されない場合は,ステップ9に進む。これらのメッセージを受け取った場合は, 次の操作を行う。
%BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
この後,マウント要求が出されたら,その都度,aからeのステップを繰り返す。
%BACKUP-I-PROCDONE, Operation completed. Processing finished at 19-MAY-1998 15:30. If you do not want to perform another standalone BACKUP operation, use the console to halt the system. If you do want to perform another standalone BACKUP operation, ensure the standalone application volume is online and ready. Enter "YES" to continue:
ステップ11に進む。
何らかの問題が発生して,システム・ディスクのブートが不可能になった場合は, バックアップ・コピーを使用してシステム・ディスクを復元することができます。
テープからシステム・ディスクを復元する手順は次のとおりです。
クラスタ・サイズを変更する場合は,新しいクラスタ・ サイズで初期化したディスクにシステム・ディスクを再度バックアップする必要があります。 ディスクの初期化については第8.3節,BACKUP コマンドの修飾子については『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』をそれぞれ参照してください。
BACKUP/IMAGE/VERIFY - 入力指定:セーブ・セット.BCK/REWIND 出力指定:
こうした構文規則に従ったBACKUPコマンドの例を次に示す。
$ BACKUP/IMAGE/VERIFY MUA0:DEC_31_BACKUP.BCK/REWIND DUA0:
%BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
%BACKUP-I-RESUME, Resuming operation on volume 2 %BACKUP-I-READYREAD, Mount volume 2 on MUA0: for reading Enter "YES" when ready.
これらのメッセージが出されない場合は,ステップ7に進む。これらのメッセージを受け取った場合は, 次の操作を行う。
%BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
この後,マウント要求が出されたら,その都度,aからcのステップを繰り返す。
%BACKUP-I-PROCDONE, Operation completed. Processing finished at 19-MAY-1998 15:30. If you do not want to perform another standalone BACKUP operation, use the console to halt the system. If you do want to perform another standalone BACKUP operation, ensure the standalone application volume is online and ready. Enter "YES" to continue:
ステップ9に進む。
/SAVE_SET修飾子を使わずに,ディスク間のイメージ・バックアップを行うことによって, ディスクのフラグメンテーションを解消することができます。 このバックアップでは,ファイルが連続して書き込まれ,機能的にシステム・ ディスク全体と等価のコピーが作成されます。
システム・ディスクをディスク間でイメージ・バックアップする手順は, 次のとおりです。
BACKUP/IMAGE/VERIFY 入力指定: 出力指定:
こうした構文規則に従ったBACKUPコマンドの例を次に示す。
$ BACKUP/IMAGE/VERIFY DUA0: DUA1:
%BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
%BACKUP-I-PROCDONE, Operation completed. Processing finished at 19-MAY-1998 15:30. If you do not want to perform another standalone BACKUP operation, use the console to halt the system. If you do want to perform another standalone BACKUP operation, ensure the standalone application volume is online and ready. Enter "YES" to continue:
ステップ8に進む。
VAXシステムの場合,システム・ディスクをInfoServerテープにバックアップして,InfoServer テープからシステム・ディスクを復元することができます。
例 10-1は,システム・ディスクをInfoServerテープにバックアップする手順を示しています。
>>> B/R5:10000100 ESA0 Bootfile: ISL_SVAX_061 -ESA0 Network Initial System Load Function Version 1.1 FUNCTION FUNCTION ID 1 - Display Menu 2 - Help 3 - Choose Service 4 - Select Options 5 - Stop Enter a function ID value: 3 OPTION OPTION ID 1 - Find Services 2 - Enter known Service Name Enter an Option ID value: 2 Enter a Known Service Name: VMS062 OpenVMS VAX Version 7.1 Major version id = 2 Minor version id = 0 %SYSINIT-E, error opening page file, status = 0000025C %SYSINIT-E, error opening swap file, status = 0000025C %SYSINIT, primary PAGEFILE.SYS not found; system initialization continuing %SYSINIT, no dump file - error log buffers not saved %SYSINIT-E, error mounting system device, status = 00000F64 $! Copyright (c) 1998 Compaq Computer Corporation. All rights reserved. $set noverify Copyright 0 (c) 1998 Compaq Computer Corporation. All rights reserved. Installing required known files... Configuring devices... **************************************************************** The menu can be used to execute DCL commands and procedures for various "standalone" tasks, such as backing up the system disk. Please choose one of the following: 1) Execute DCL commands and procedures 2) Shut down this system Enter CHOICE or "?" to repeat menu: (1/2/?)) 1 WARNING -- The normal VMS startup procedure has not executed. Some commands and utilities will not work as documented. Enter DCL commands -- Enter "LOGOUT" when done. When you enter "LOGOUT" a logout message will be displayed, and you will be returned to the menu. $$$ MCR ESS$LADCP SHOW SERVICE/TAPE $$$ MCR ESS$LADCP BIND/WRITE/TAPE TZL04_TAPE $$$ MOUNT/FOREIGN MADn $$$ BACKUP/IMAGE DKA100: MADn:SYS_DISK.BCK/SAVE_SET . . . $$$ LOGOUT Process SYSTEM_1 logged out at 2-FEB-1998 23:35:17.52 **************************************************************** The menu can be used to execute DCL commands and procedures for various "standalone" tasks, such as backing up the system disk. Please choose one of the following: 1) Execute DCL commands and procedures 2) Shut down this system Enter CHOICE or "?" to repeat menu: (1/2/?)
BACKUPには,作成したバックアップ・コピーの整合性をチェックするための修飾子がいくつか用意されています。 元のディスクとバックアップの整合を確実に行いたい場合は, それらの修飾子を使用してください。この節では, データの整合性を高める方法について説明します。紹介する修飾子のさらに詳しい内容については, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。
/CRC修飾子は,ソフトウェアによる巡回冗長性検査(CRC)を有効にします。 省略時の設定では,検査は有効(オン)です。検査を無効にするためには,/NOCRC を指定する必要があります。検査を無効にすると,処理時間が短くなりますが, データ・エラーが起きる危険性が増します。
出力セーブ・セットに/CRC修飾子が指定された場合は,出力セーブ・セットのブロックにCRC 検査コードが書き込まれます。
入力セーブ・セットに/CRC修飾子が指定された場合は,入力セーブ・セットにCRC 情報が書き込まれます。
できるだけCRC検査を行うようにしてください。処理時間が長くなりますが, データの整合性は向上します。
/GROUP_SIZE修飾子は出力セーブ・セット修飾子であり,この修飾子があると,BACKUP は出力セーブ・セットに冗長データを書き込みます。そして, この冗長データがあると,BACKUPは復元中の読み取りエラーの訂正を試みます。 次の例に示すように,/GROUP_SIZE修飾子には,冗長情報を書き込むブロック間隔を指定してください。
$ BACKUP/IMAGE/RECORD _From: DKA100: _To: MKB100:BACKUP.SAV/LABEL=WKY101/GROUP_SIZE=20
このコマンドは,保存データの20ブロックおきに回復ブロックを追加します。 これによりBACKUPは,保存データの20ブロック単位で壊れたデータ・ ブロックを復元することができます。/GROUP_SIZE修飾子の省略時の値は10 ブロックです。
この修飾子を使用すると,セーブ・セットが大きくなり,処理時間が長くなりますが,/GROUP_SIZE 修飾子を使用してデータの整合性を向上させてください。
システムのバックアップは,会話型ユーザのログインがない状態で行ってください。 これは,保存中にオープンしているファイルがある場合, BACKUPはエラー・メッセージを出すだけで,オープンしているファイルのコピーを 行わないためです。
オープンしているファイルを保存したい場合は,BACKUPコマンド行に/IGNORE=INTERLOCK 修飾子を指定します。この修飾子を使用すると,オープンしているファイルのバックアップ時点の内容が保存されます。
/IGNORE=INTERLOCK修飾子は,常時オープンしていて,通常の方法ではバックアップを取られることがないファイルが存在する場合に有効です。 ただし, アプリケーション・トランザクション・ファイルやメモリにキャッシュされているデータ・ ファイルなど,アプリケーションが常にオープンしているファイルに書き込みを行う場合には, 矛盾したデータを保存する可能性があることを忘れないでください。 また,BACKUPはディレクトリを検索するため, ファイルの作成や削除などのディレクトリ操作が行われていると, ファイルがバックアップ対象から除外されることがあります。一般的には, システムのバックアップは,オープンしているファイルが最も少ないときに行うのが最適です。
さらに,/IGNORE=INTERLOCK修飾子を使用して,オープンしているファイルのバックアップを取ると, それ以降の追加型バックアップに影響が出ることがあります。 たとえばBACKUP/IMAGE/RECORD/IGNORE=INTERLOCKコマンドを使用して, オープンしているファイルのバックアップを取った仮定とします。 このファイルのバックアップ日付フィールドは,ファイルがクローズされないかぎり更新されません。 以降の追加型バックアップでファイルがオープンしたままになっていると, バックアップ日付が最後のイメージ・ バックアップの日付と異なり,最新ではないため,バックアップにファイルが取り込まれないことになります。
/LOG修飾子は,バックアップで処理されたファイルのファイル指定情報を表示したい場合に使用します。 たとえば,あるディレクトリのファイルをコピーするとき,/LOG 修飾子を使用すると,コピーしたファイルのファイル指定情報が表示されます。 次に例を示します。
$ BACKUP/LOG _From: WORK3:[OCONNELL]*.* _To: WORK1:[OCONNELL.SCRATCH]*.* %BACKUP-S-CREDIR, created WORK1:[OCONNELL.SCRATCH.COM] %BACKUP-S-CREATED, created WORK1:[OCONNELL.SCRATCH]DECW$MAIL.DAT;2 %BACKUP-S-CREATED, created WORK1:[OCONNELL.SCRATCH]DECW$SM.LOG;42 %BACKUP-S-CREATED, created WORK1:[OCONNELL.SCRATCH]DECW$SM.LOG;41 . . .
保存,復元,またはコピーを行った後で入力側と出力側の内容を比較したい場合は,/VERIFY 修飾子を使用してください。検証パスに入るとき, BACKUPは次のメッセージを表示します。
%BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
入力と出力ファイルとの間に相違があると,BACKUPはエラー・メッセージを表示します。
できるだけ/VERIFY修飾子を使用するようにしてください。処理時間は長くなりますが, データの整合性は向上します。
/VERIFY修飾子を使用したセーブ・セットの2度バックアップ
この節で説明されている問題はTZ87とTZ88,TZ89テープ・ドライブに関しての問題です。 テープ装置を/FOREIGN修飾子を指定してマウントし,セーブ・ セットにファイルを2度バックアップすると,第2のセーブ・ セットは次のエラーを表示します。
BACKUP /BLOCKSIZE=の値 | 最低限の総ファイル数 |
---|---|
4000 | 6300[1]ブロック |
3580 | 5400[1]ブロック |
[1]最も近い100単位の数までまるめた数値 |
次のエラー・メッセージに類似したメッセージが表示されます。
%BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass %BACKUP-E-READERR, error reading MKB300:[]SET.SAV; -SYSTEM-W-DATAOVERUN, data overrun %BACKUP-E-INVBLKSIZE, invalid block size in save set %BACKUP-E-INVRECSIZ, invalid record size in save set %BACKUP-F-READERRS, excessive error rate reading MKB300:[]SET.SAV; -SYSTEM-W-DATAOVERUN, data overrun
この節では,BACKUPの使用中によく見られるエラーと,そうしたエラーからの回復方法を説明します。
バックアップ中にハードウェアまたは媒体関係の致命的なエラーを検出したり, データの信頼性を損なうと見なされる数のエラーを検出したりした場合,BACKUP は次の情報メッセージとプロンプトを表示します。
%BACKUP-I-SPECIFY, specify option (CONTINUE, RESTART, QUIT) BACKUP>
選択可能なオプションとその制約,使用結果を 表 10-9 に示します。
オプション | 制約 | 結果 |
---|---|---|
CONTINUE | データの信頼性について妥協することがある。 元のエラー位置からテープの位置が変わっておらず, かつエラーによってデータが失われていないと思われる場合にのみ使用すること。 | 可能な場合, BACKUPはエラーを無視して,処理を継続する。 |
RESTART | 出力ボリュームが先頭ボリュームの場合, 意味なし。 | BACKUPは装置にセットされているテープをアンロードして, 別のボリュームをセットするよう促す。 テープがセットされると,元のテープがマウントされた箇所から保存を再開する。 |
QUIT | なし | BACKUPは処理を終了する。コマンドを再度入力することができる。 |
次は,一例として, VOL3に多数のメディア・エラーが検出されたときに発生するイベントを, 発生順にまとめたものです。オプションは, RESTARTを選んだものと仮定します。
%BACKUP-F-WRITEERRS, excessive error rate writing VOL3 %BACKUP-I-SPECIFY, specify option (CONTINUE, RESTART, QUIT) BACKUP>
指定したもとのと異なるラベルのテープを使用するように指示した場合, BACKUPは次のメッセージを表示します。
%MOUNT-I-MOUNTED, DKA0 mounted on _SODAK$MUA0: %BACKUP-W-MOUNTERR, volume 1 on _SODAK$MUA0 was not mounted because its label does not match the one requested %BACKUP-W-EXLABEER, volume label processing failed because volume TAPE4 is out of order, Volume label TAPE1 was expected specify option (QUIT, NEW tape, OVERWRITE tape, USE loaded tape) BACKUP>
このメッセージは,保存中にBACKUPがANSIラベル以外のテープを検出したときに出されるメッセージです。 ここで選択可能なオプションは,バックアップを強制終了するか(QUIT) ,古いテープをディスマウントして新しいテープをマウントするか(NEW) ,テープのデータを書き換えるか(OVERWRITE) ,またはセットされているテープを使用する(USE)のいずれかです。
もともと書き換えるつもりの空のテープを使用する場合は, /IGNORE=LABEL_PROCESSING修飾子を使用してください。/IGNORE=LABEL_ PROCESSING修飾子を指定すると,前記のメッセージが出力されません。
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