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システムをインストールまたはアップグレードすると,システム・ パラメータの値はコンパックの提供するコマンド・プロシージャSYS$UPDATE:AUTOGEN.COM (AUTOGEN) によって自動的に設定されます。 定期的にAUTOGENを使用し,ハードウェア構成とシステムの作業負荷に合わせて, システム・パラメータの値を調整してください。
本章では,次の作業について説明します。
作業 | 参照箇所 |
---|---|
AUTOGENで使用するためのカスタマイズ済みパラメータ設定の変換 | 第14.3 節 |
AUTOGENによるシステム・ パラメータ値の変更(標準的な方法) | 第14.5節 |
MODPARAMS.DATによるAUTOGENパラメータ設定の制御 | 第14.5.1項 |
AUTOGENレポートの自動化 | 第14.6節 |
SYSMANによるシステム・ パラメータの管理 | 第14.7 節 |
SYSGENによるシステム・パラメータの管理 | 第14.8 節 |
会話型ブートによるシステム・ パラメータの管理 | 第14.9 節 |
さらに,次の項目について説明します。
項目 | 参照箇所 |
---|---|
システム・パラメータ | 第14.1節 |
システム・パラメータの省略時の値, 現在値,アクティブ値 | 第14.1.1項 |
ページとページレット | 第14.1.2項 |
システム・パラメータ値の標準的な変更方法 | 第14.2節 |
AUTOGEN.COMコマンド・ プロシージャ | 第14.4節 |
AUTOGENフィードバック | 第14.4.1 項 |
AUTOGENフィードバック・レポート(AGEN$PARAMS.REPORT) | 第14.4.2項 |
AUTOGENのフェーズ | 第14.4.3項 |
AUTOGENパラメータ・ファイル(MODPARAMS.DAT) | 第14.4.4項 |
システムがどのように機能するかは,システム・パラメータ の値によって制御されます。システム・パラメータは,広範囲のシステム機能を制御します。 次に,システム・パラメータで制御できる機能の一部を紹介します。
『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』では,システム・パラメータの一覧を示し, 各パラメータについて説明しています。
ディストリビューション・キットで提供されるシステム・パラメータの 省略時の値は,どんな構成でもブートするように設定されています。 システムをインストールまたはアップグレードすると, SYS$UPDATE:AUTOGEN.COMコマンド・プロシージャが実行され,システム構成の評価と主な作業負荷の予想を行い, 必要に応じてシステム・パラメータの値を調整します。
各システム・パラメータには,許容値の範囲を定義する最大値と最小値が設定されています。
各システム・パラメータのタイプは,次の1つまたは複数になります。
タイプ | 説明 |
---|---|
ダイナミック | ダイナミック・システム・パラメータの値は, メモリ内のアクティブ値を変更することによりシステムの稼働中に変更できる。 これに対してダイナミック・パラメータ以外のパラメータの値を変更する場合, パラメータ・ファイルに格納されている現在値を変更した後, システムを再ブートして変更した値を有効にしなければならない。 アクティブ値と現在値についての詳細は,第14.1.1項を参照。 |
汎用 | 汎用パラメータの値は,ブート時におけるデータ構造の作成と初期化に影響する。 |
メジャー | メジャー・ パラメータは変更する必要性が最も高い。 |
特殊 | 特殊パラメータは,コンパックで使用するためだけに用意される。 これらのパラメータは,コンパックのエンジニアから指示があった場合, またはコンパック製品のインストレーション・ ガイドまたはリリース・ノートに示されている場合にのみ変更する。 |
システム・パラメータは,その機能別に次のカテゴリに分けることができます。
カテゴリ | 機能 |
---|---|
ACP | ファイル・システム・キャッシュおよびFiles-11 XQP ( 拡張QIOプロシージャ),すなわち補助制御プロセス(ACP) に関連するパラメータ。[1] |
クラスタ | VAXclusterまたはOpenVMS Cluster操作を制御するパラメータ。 |
ジョブ | ジョブを制御するパラメータ。 |
LGI | ログイン・セキュリティを制御するパラメータ。 |
マルチプロセッシング | 対称型マルチプロセッシングに関連するパラメータ。 |
PQL | プロセス作成上の制限とクォータに関連するパラメータ。 |
RMS | OpenVMSレコード管理サービス(RMS) に関連するパラメータ。 |
SCS | システム通信サービス(SCS)とポート・ ドライバの操作を制御するパラメータ。SCS操作に影響するパラメータの先頭にはSCS という文字列が付けられる。 |
SYS | システム操作全体に影響するパラメータ。 |
TTY | ターミナルの動作に関連するパラメータ。 |
ユーザ定義 | 次のパラメータはユーザが定義できる。
USERD1 (ダイナミック・パラメータ) USERD2 (ダイナミック・パラメータ) USER3 USER4 |
[1] ACPパラメータの多くは,Files-11ディスク構造レベル1ディスクがマウントされている場合, あるいはマウント・コマンドでACPが特に要求された場合にだけ適用できる。 バージョン4.0より前のオペレーティング・ システムでは,ファイルのオープンやクローズ,ウィンドウ切り替えといった, ファイル操作は補助制御プロセス(ACP)という別のプロセスが行う。 バージョン4.0では,XQP (拡張QIOプロシージャ)が導入され, これらの操作はシステム上の各プロセスが行うようになった。互換性のため, パラメータの名前は変更されていない。 |
システムの各システム・パラメータは,次の4種類の値をとります。
値の種類 | 説明 |
---|---|
省略時の値 | システムにあらかじめ設定されている値で, サポートされるどの構成でもブートできるように設定されている。 |
現在値 | ディスク上の省略時のパラメータ・ファイルに格納され,
システムのブート時に使用される値。
VAXシステムの省略時のパラメータ・ファイルはVAXVMSSYS.PAR 。 Alphaシステムの省略時のパラメータ・ファイルはALPHAVMSSYS.PAR 。 |
アクティブ値 | メモリに格納され,システムの稼働中に使用される値。 システムの稼働中に変更できるアクティブ値は,カテゴリがダイナミック・ システム・パラメータであるシステム・パラメータの値に限られる。 |
他のパラメータ・ファイルに格納されている値 | 現在値を格納する省略時のパラメータ・ ファイル以外にも,特別な目的のパラメータ・ファイルを作成できる。 |
ブート時,システムは現在値をメモリに読み込み,アクティブ値を作成します。 変更がない限り,アクティブ値と現在値は同じです。
AUTOGENコマンド・プロシージャのSETPARAMフェーズを実行すると,現在値が変更されます。
SYSMANユーティリティとSYSGENユーティリティにより,現在値 とアクティブ値の両方を表示または変更できます。表示したり変更したい値を指定するには,USE コマンドおよびWRITEコマンドを使用します。
SYSMANによるパラメータの管理についての詳細は,第14.7節を参照してください。SYSGEN によるパラメータの管理についての詳細は, 第14.8 節を参照してください。
VAXシステムでは,オペレーティング・システムはページと呼ばれる単位を使って, プロセスに対するメモリの割り当てや割り当て解除を行います。VAX システムのページ・サイズは512バイトです。システム・ パラメータのいくつかはページ単位で割り当てられます。
Alphaシステムでは,システム・パラメータのいくつかはページ単位で割り当てられますが, ページレット単位で割り当てられるシステム・ パラメータもあります。
Alphaシステムのページ・サイズは,8 Kバイト(KB) (8192バイト),16 KB,32KB,64KBのいずれかです。ページレットとは,512バイトのメモリ単位です。Alpha システムの1ページレットはVAXの1ページと同じサイズです。 また,ページ・サイズが8 KBのAlphaコンピュータでは,16 Alphaページレットが1 Alpha ページと等しくなります。
パラメータ値,特にメモリ管理に関連するパラメータを調べる場合には, 各パラメータに必要な割り当て単位に注意してください。第14.7.2項と第14.8.2 項では,パラメータ値とその割り当て単位を表示する方法が説明されています。
システム・パラメータの多くは,他のパラメータやシステムの性能に影響します。 したがって,システム・パラメータを管理するときにはコマンド・ プロシージャSYS$UPDATE:AUTOGEN.COM (AUTOGEN)を使用してください。AUTOGEN については,第14.4節を参照してください。
またシステム・パラメータの管理は,SYSMANユーティリティやSYSGENユーティリティを使って行うこともできます。 パラメータ値の変更にこれらのユーティリティを使用するのは一般的ではありません。 しかし,次の場合には使用できます。
カスタマイズ済みのパラメータ設定をMODPARAMS.DAT に追加してなく,SYSMANまたはSYSGEN を使用してパラメータを変更しようとする場合は,AUTOGENを実行する前に 第14.3節の指示にしたがってください。
システムのチューニングには,できるだけAUTOGENコマンド・プロシージャを使用するようにしてください。 システム管理ユーティリティ(SYSMAN) またはシステム生成ユーティリティ(SYSGEN)を使用してシステム・パラメータ値を変更し, その変更内容をAUTOGENパラメータ・ファイルMODPARAMS.DAT に保存しなかった場合,これらの変更内容は次にAUTOGENを実行したときに上書きされます。
以前に,SYSMANまたはSYSGENを使ってパラメータ値を変更した場合は, AUTOGENで使用できるように,次の手順でパラメータ設定を変更します。 この手順に従うと,AUTOGENを実行してもその設定が維持されるように, カスタマイズ済みパラメータ設定をMODPARAMS.DATに追加することができます。
この作業を行う場合は,その前に第14.4節を参照して,AUTOGEN ,フィードバック,AUTOGENパラメータ・ファイルMODPARAMS.DAT について理解しておいてください。
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> PARAMETERS USE ACTIVE SYSMAN> PARAMETERS WRITE SYS$SYSTEM:ノード名_PARAMS_CURRENT.PAR
SYSMAN> PARAMETERS SHOW/ALL/OUTPUT=ノード名_PARAMS.OLD SYSMAN> PARAMETERS SHOW/SPECIAL/OUTPUT=ノード 名_PARAMS_SPECIAL.OLD SYSMAN> EXIT $ APPEND ノード名_PARAMS_SPECIAL.OLD ノード名_PARAMS.OLD
このファイルは,ステップ6で使用する。
値の指定は,明示的に行うのではなく,MIN_パラメータ名,MAX_パラメータ名,ADD_ パラメータ名のいずれかの形式を使用してシンボルを定義する。 次に例を示す。
$ EDIT SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT
SCSNODE = "MYNODE" ! Not calculated by AUTOGEN SCSSYSTEMID = 10001 ! Not calculated by AUTOGEN MIN_GBLPAGES = 10000 ! Needed for MCS, BLISS32, and ADA MIN_GBLSECTIONS = 600 ! Needed for MCS, BLISS32, and ADA
MODPARAMS.DATに加えた変更内容を分かりやすく示すために,各行にコメントを追加する。 コメントの先頭には感嘆符(!)を付ける。MODPARAMS.DAT にシンボルを定義する方法については,第14.5.1項を参照。
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN SAVPARAMS SETPARAMS FEEDBACK
SAVPARAMSフェーズでは,稼働中のシステムに対する資源使用量についてのフィードバック情報を収集する。 この情報はAUTOGEN が使用する。このコマンドにより作成されるSYS$SYSTEM:AGEN$PARAMS.REPORT というフィードバック・レポートからピーク時の資源使用量を知ることができる。
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA SETPARAMS FEEDBACK
GETDATAフェーズから起動すると,AUTOGENは現在のフィードバックを収集しない。
$@SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA SETPARAMS CHECK_FEEDBACK
フィードバックが有効かどうかをAUTOGENに判断させるには, CHECK_FEEDBACKを使用する。
SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT SYSMAN> PARAMETERS SHOW /ALL /OUTPUT=ノード名_PARAMS.NEW SYSMAN> PARAMETERS SHOW /SPECIAL /OUTPUT=ノード 名_PARAMS_SPECIAL.NEW SYSMAN> EXIT $ APPEND ノード名_PARAMS_SPECIAL.NEW; ノード名_PARAMS.NEW
$ DIFFERENCES/PARALLEL/OUTPUT=ノード名_PARAMS.DIF/MATCH=5 - _$ ノード名_PARAMS.OLD ノード名_PARAMS.NEW
MIN_GBLPAGES = 10000
ステップ3でMODPARAMS.DATにパラメータ値を指定したのに,そのパラメータが変更されていない場合は, 次の事柄をチェックする。
ほとんどのパラメータは,新しい値の方が古い値よりも大きければ, AUTOGENによる設定を受け入れる。新しい値の方が古い値よりも小さい場合は,AUTOGEN の実行時にその資源を使用できなかったため,古い値を残しておくようにする。
たとえば,SYSMANを使って,レイヤード製品に合うようにGBLPAGESを10,000 に増やしたのに,その変更内容をMODPARAMS.DATに保存しなかった場合,AUTOGEN はシステムが必要とするのは5,000グローバル・ページだけであると算出する。 この場合,AUTOGENの実行後再ブートすると, レイヤード製品の一部がインストールされずに,システム・メッセージGPTFULL (global page table full) が表示されて,さらにGBLPAGES が必要であることが示される。
必要ならば,MODPARAMS.DATにさらに変更を加え,AUTOGENを再度実行し, 上述したようにその変更内容をチェックする。通常,AUTOGENのチェックに2 回パスすれば,このパラメータ値が確定し,再ブートすることができる。
システムがブートしない場合は,会話型ブートを行い,ステップ1で作成したバックアップ・ パラメータ・ファイルを使用する。
SYSBOOT> USE SYS$SYSTEM:ノード名_PARAMS_CURRENT.PAR SYSBOOT> CONTINUE
CONTINUEコマンドを入力すると,AUTOGENの実行前に保存したパラメータ値でシステムがブートされる。
システムのブート後,古いパラメータ値が必要になった場合は,次のコマンドを使用する。
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> PARAMETERS USE SYS$SYSTEM:ノード名_PARAMS_CURRENT.PAR SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT SYSMAN> EXIT
AUTOGENコマンド・プロシージャSYS$UPDATE:AUTOGEN.COMは,ディストリビューション・ キットで提供されます。AUTOGENは,システムのインストールまたはアップグレード時に自動的に実行され, システム・パラメータを適切な値に設定します。 また,システム・パラメータの値を再設定したり, ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを変更したりする場合にも,AUTOGEN を使用してください。新しい値は, システムのブート後,有効になります。
AUTOGENは特定の重要なシステム・パラメータのみを算出します。AUTOGEN により算出されるシステム・パラメータの表が『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』のAUTOGENの節にありますので参照してください。
AUTOGENは次の場合に実行してください。
AUTOGENはフェーズ単位で実行されます。AUTOGENをどのフェーズで実行させるかによって, 次の動作の一部またはすべてが行われます。
AUTOGENを起動するには,DCLプロンプトに次の形式でコマンドを入力します。
@SYS$UPDATE:AUTOGEN [開始フェーズ] [終了フェーズ] [実行モード]
開始フェーズ | AUTOGENの実行が開始されるフェーズ。 第14.4.3項にAUTOGEN フェーズのリストを示す。 |
終了フェーズ | AUTOGENの実行が完了するフェーズ。第14.4.3項にAUTOGENフェーズのリストを示す。 |
実行モード | 次のいずれか
|
AUTOGENの起動と,指定できるコマンド行パラメータについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』のAUTOGENの節を参照してください。
表 14-1に,AUTOGENの動作を制御する方法を要約します。
制御内容 | 使用する方法 |
---|---|
AUTOGENを実行させるための操作 | AUTOGENの起動時に開始フェーズと終了フェーズを指定する。 |
AUTOGENによるパラメータ値の設定 | AUTOGENパラメータ・ファイルMODPARAMS.DAT
に値を指定する。
使用しているハードウェア構成に関してAUTOGENが正しい計算を行っているかどうか,AUTOGEN による計算結果を定期的に調べ,システム・パラメータ値が作業負荷の必要条件を確実に満たすようにする。 値が適切でない場合は,MODPARAMS.DAT に必要な値を指定することにより調整する。 MODPARAMS.DATについての詳細は,第14.4.4 項を参照。 |
AUTOGENによるフィードバック情報の使用 | AUTOGENの起動時に実行モードを指定する。
AUTOGENにより,稼働システムから収集した動的フィードバックを利用して, システムの性能を向上させることができる場合が多いが, フィードバック情報は無効な場合や不適切な場合もある。詳細は第14.4.1項を参照。 |
AUTOGENフィードバックを利用すると,パラメータ値やシステム・ファイルのサイズを変更する回数が少なくてすみます。 フィードバックにより, AUTOGENは実際の作業負荷に基づいて,オペレーティング・システムのサイジングを自動的に行います。 サイジングとは,システム資源( メモリおよびディスク空間)の割り当てを実際の作業負荷の必要条件に一致させることです。
フィードバックとは,オペレーティング・システム・エグゼクティブによって連続的に収集された, 作業負荷を処理するためにシステムが使用するさまざまな資源に関する情報のことです。 この情報は例外イベントが発生したときに収集されるため, 収集作業はシステム性能に影響しません。AUTOGEN をフィードバック・モードで実行すると, AUTOGENはこの情報を分析し,関連するすべてのパラメータ値を調整します。
AUTOGENフィードバックは,次の資源に影響を与えます。影響を受けるシステム・ パラメータについては,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・ マニュアル』のAUTOGEN の節を参照してください。
フィードバックは,AUTOGENのSAVPARAMSフェーズで収集され, SYS$SYSTEM:AGEN$FEEDBACK.DATファイルに書き込まれます。このファイルはその後,GETDATA フェーズに読み込まれます。AUTOGENのフェーズについての詳細は, 第14.4.3項を参照してください。
フィードバックが有効なのは,それがシステムの正常な作業負荷を反映している場合だけです。 このため,AUTOGENはフィードバックに対していくつかの基本的なチェックを行い, 次のいずれかの条件に一致した場合には警告メッセージを出します。
システムを変更した場合(たとえばハードウェアのアップグレード,ユーザ数の変更, オプション製品のインストールを行った場合)には,しばらく新しいシステム環境で操作してから, 再度AUTOGENをSAVPARAMSフェーズから実行してください。
VAXシステムでは,フィードバックに必要な最小稼働時間を時間単位で指定するために, 論理名AGEN$FEEDBACK_REQ_TIMEを定義できます。詳細は第14.5.2項を参照してください。
AUTOGENを実行すると,フィードバックが使用されているかどうかが次のように表示されます。
Feedback information was collected on 21-JAN-1998 14:00:08.53 Old values below are the parameter values at the time of collection. The feedback data is based on 21 hours of up time. Feedback information will be used in the subsequent calculations
AUTOGENによって算出されたシステム・パラメータの値とシステム・ ファイルのサイズを使用するかどうか判断する必要があります。判断のための手助けとして,AUTOGEN は次の情報を含むレポート・ファイル(SYS$SYSTEM:AGEN$PARAMS.REPORT) を生成します。
例 14-1は,VAXシステムのAUTOGENフィードバック・ レポートの例です。Alphaシステムについては,フィードバック・ レポートは似ていますが,この例とは同一ではありません。
情報メッセージの表示を禁止するには,AGEN$REPORT_NO_INFORMATIONALS 論理名をTRUEに定義します。メッセージは,AGEN$REPORT_NO_ INFORMATIONALSの値に関係なく,SYS$SYSTEM:AGEN$PARAMS.REPORTに入力されます。
フィードバック・レポートには,MODPARAMS.DATのDCL文が含まれます。これらのDCL 文は,システム・パラメータやADD_,MAX_,またはMIN_拡張への単純な割り当てではありません。 これらの文をレポートから除去するには,MODPARAMS.DAT の各文の先頭にドル記号($)を付けます。
AUTOGEN Parameter Calculation Report on node: NODE22 This information was generated at 23-APR-1998 01:45:47.87 AUTOGEN was run from GETDATA to TESTFILES using FEEDBACK ** No changes will be done by AUTOGEN ** The values given in this report are what AUTOGEN would have set the parameters to. Processing Parameter Data files ------------------------------- ** WARNING ** - The system was up for less than 24 hours when the feedback information was recorded. This could result in feedback information that does not accurately reflect your typical work load. Including parameters from: SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT The following was detected within MODPARAMS.DAT Please review immediately. ** INFORMATIONAL ** - Multiple MIN values found for MIN_CHANNELCNT. Using MODPARAMS value (550) which is superseding OpenVMS value (255) ** INFORMATIONAL ** - Multiple MIN values found for MIN_SWPOUTPGCNT. Using MODPARAMS value (1000) which is superseding OpenVMS value (500) ** INFORMATIONAL ** - Multiple MIN values found for MIN_PQL_DWSEXTENT. Using MODPARAMS value (11000) which is superseding OpenVMS value (1024) ** INFORMATIONAL ** - Multiple MIN values found for MIN_PQL_MWSEXTENT. Using MODPARAMS value (11000) which is superseding OpenVMS value (1024) Feedback information was collected on 22-APR-1998 14:00:07.70 Old values below are the parameter values at the time of collection. The feedback data is based on 13 hours of up time. Feedback information will be used in the subsequent calculations Parameter information follows: ------------------------------ MAXPROCESSCNT parameter information: Feedback information. Old value was 100, New value is 80 Maximum Observed Processes: 52 Information on VMS executable image Processing: Processing SYS$MANAGER:VMS$IMAGES_MASTER.DAT GBLPAGFIL parameter information: Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 1024. The new value is 6024. GBLPAGFIL has been increased by 5000. GBLPAGFIL is not allowed to be less than 6024. GBLPAGES parameter information: Feedback information. Old value was 43300, New value is 50000 Peak used GBLPAGES: 36622 Global buffer requirements: 6024 GBLSECTIONS parameter information: Feedback information. Old value was 400, New value is 400 Peak used GBLSECTIONS: 294 Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 350. The new value is 400. GBLSECTIONS is not allowed to be less than 400. LOCKIDTBL parameter information: Feedback information. Old value was 2943, New value is 3071 Current number of locks: 1853 Peak number of locks: 3200 LOCKIDTBL_MAX parameter information: Feedback information. Old value was 65535, New value is 65535 RESHASHTBL parameter information: Feedback information. Old value was 1024, New value is 1024 Current number of resources: 957 MSCP_LOAD parameter information: Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 1. The new value is 0. MSCP_LOAD has been disabled by a hard-coded value of 0. MSCP_BUFFER parameter information: Feedback information. Old value was 128, New value is 128 MSCP server I/O rate: 0 I/Os per 10 sec. I/Os that waited for buffer space: 0 I/Os that fragmented into multiple transfers: 0 SCSCONNCNT parameter information: Feedback information. Old value was 5, New value is 5 Peak number of nodes: 1 Number of CDT allocation failures: 0 SCSRESPCNT parameter information: Feedback information. Old value was 300, New value is 300 RDT stall count: 0 SCSBUFFCNT parameter information: Feedback information. Old value was 512, New value is 512 CIBDT stall count: 0 NPAGEDYN parameter information: Feedback information. Old value was 686592, New value is 783360 Maximum observed non-paged pool size: 815616 bytes. Non-paged pool request rate: 47 requests per 10 sec. LNMSHASHTBL parameter information: Feedback information. Old value was 1024, New value is 1024 Current number of shareable logical names: 1194 ACP_DIRCACHE parameter information: Feedback information. Old value was 88, New value is 88 Hit percentage: 99% Attempt rate: 0 attempts per 10 sec. ACP_DINDXCACHE parameter information: Feedback information. Old value was 25, New value is 25 Hit percentage: 97% Attempt rate: 1 attempts per 10 sec. ACP_HDRCACHE parameter information: Feedback information. Old value was 88, New value is 106 Hit percentage: 98% Attempt rate: 17 attempts per 10 sec. ACP_MAPCACHE parameter information: Feedback information. Old value was 8, New value is 8 Hit percentage: 2% Attempt rate: 4 attempts per 10 sec. PAGEDYN parameter information: Feedback information. Old value was 521728, New value is 542208 Current paged pool usage: 304160 bytes. Paged pool request rate: 1 requests per 10 sec. PFRATL parameter information: Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 0. The new value is 1. PFRATL has been disabled by a hard-coded value of 1. WSDEC parameter information: Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 35. The new value is 19. WSDEC has been disabled by a hard-coded value of 19. MPW_LOLIMIT parameter information: Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 120. The new value is 2100. MPW_LOLIMIT is not allowed to be less than 2100. MPW_HILIMIT parameter information: Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 1310. The new value is 4500. MPW_HILIMIT is not allowed to be less than 4500. LONGWAIT parameter information: Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 30. The new value is 10. LONGWAIT has been disabled by a hard-coded value of 10. WSMAX parameter information: Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 8200. The new value is 12000. WSMAX is not allowed to be less than 12000. PQL_DWSEXTENT parameter information: Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 400. The new value is 11000. PQL_DWSEXTENT is not allowed to be less than 11000. PQL_DWSEXTENT parameter information: Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 400. The new value is 11000. PQL_DWSEXTENT is not allowed to be less than 11000. PQL_MWSEXTENT parameter information: Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 2048. The new value is 11000. PQL_MWSEXTENT is not allowed to be less than 11000. VAXCLUSTER parameter information: Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 1. The new value is 0. VAXCLUSTER has been disabled by a hard-coded value of 0. Page, Swap, and Dump file calculations Page and Swap file calculations. PAGEFILE1_SIZE parameter information: Feedback information. Old value was 45200, New value is 50500 Maximum observed usage: 25265 PAGEFILE1_SIZE will be modified to hold 50500 blocks PAGEFILE2_SIZE parameter information: Feedback information. Old value was 154000, New value is 194400 Maximum observed usage: 97175 PAGEFILE2_SIZE will be modified to hold 194400 blocks ** WARNING ** - The disk on which PAGEFILE2 resides would be over 95% full if it were modified to hold 194400 blocks. NODE22$DKA300:[SYSTEM_FILES]PAGEFILE.SYS will not be modified. NODE22$DKA300:[SYSTEM_FILES]PAGEFILE.SYS will remain at 154002 blocks. SWAPFILE1_SIZE parameter information: Feedback information. Old value was 15000, New value is 15000 Maximum observed usage: 14280 Override Information - parameter calculation has been overridden. The calculated value was 21400. The new value is 15000. SWAPFILE1_SIZE is not allowed to exceed 15000. SWAPFILE1 will not be modified. SWAPFILE2_SIZE parameter information: Feedback information. Old value was 50000, New value is 26300 Maximum observed usage: 1680 SWAPFILE2_SIZE will be modified to hold 26300 blocks ** WARNING ** - The disk on which SWAPFILE2 resides would be over 95% full if it were modified to hold 26300 blocks. NODE22$DKA300:[SYSTEM_FILES]SWAPFILE.SYS will not be modified. NODE22$DKA300:[SYSTEM_FILES]SWAPFILE.SYS will remain at 50001 blocks. Dumpfile calculations: No dump file modifications would have been made. Dumpfile will remain at 34116 blocks.
AUTOGENの起動時には,AUTOGENに実行させる開始フェーズと終了フェーズを指定します。AUTOGEN は,指定された開始フェーズから終了フェーズまで, すべてのフェーズを実行します。開始フェーズと終了フェーズを指定すると,AUTOGEN は表 14-2に示す順序で各フェーズを実行します。
フェーズ | 説明 |
---|---|
SAVPARAMS | 稼働システムの動的フィードバックを保存する。 |
GETDATA | AUTOGEN の計算で使用するすべてのデータを収集する。 |
GENPARAMS | 新しいシステム・パラメータを生成し, インストールされたイメージ・リストを作成する。 |
TESTFILES | AUTOGENが算出したページ・ファイル, スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを表示する。 このフェーズを開始フェーズにはできない。 |
GENFILES | 必要に応じて新しいページ・ファイル,スワップ・ ファイル,ダンプ・ファイルを生成する。開始フェーズにはできない。 |
SETPARAMS | SYSMANを実行し,
省略時のパラメータ・ファイルでの新しいシステム・パラメータの設定,
オリジナルのパラメータの保存,新しいパラメータ・ファイルAUTOGEN.PAR
の生成を行う。
VAXシステムの場合,省略時のパラメータ・ファイルはVAXVMSSYS.PAR。オリジナルのパラメータはVAXVMSSYS.OLD に保存される。 Alphaシステムの場合,省略時のパラメータ・ファイルはALPHAVMSSYS.PAR 。オリジナルのパラメータはALPHAVMSSYS.OLDに保存される。 |
SHUTDOWN | システムを手動で再ブートできる状態にする。 |
REBOOT | 自動的にシステムをシャットダウンし,再ブートする。 |
HELP | 画面にヘルプ情報を表示する。 |
AUTOGENの各フェーズと各フェーズで影響を受けるファイルについての詳細は『OpenVMS システム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』のAUTOGENの節を参照してください。
AUTOGENは,GETDATAフェーズ中,MODPARAMS.DATという名前のパラメータ・ ファイルを読み込みます。このファイルにコマンドを追加すれば, AUTOGENが設定するシステム・パラメータ値とファイル・サイズを制御できます。MODPARAMS.DAT を使用すれば,次のことができます。
操作 | 参照箇所 |
---|---|
数値システム・パラメータの値を大きくする | 第14.5.1.1項 |
数値システム・ パラメータの最小値を設定する | 第14.5.1.2項 |
数値システム・パラメータの最大値を設定する | 第14.5.1.3 項 |
システム・パラメータの絶対値を指定する | 第14.5.1.4 項 |
外部のパラメータ・ ファイルを取り込む | 第14.5.3 項 |
システム・ファイル(ページ・ ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイル)のサイズを指定する | 第15.15.1.2 項 |
+VAXclusterノードの数を定義する | 第14.5.1.5 項 |
+イーサネット・アダプタの数を定義する | 第14.5.1.6 項 |
+メモリを追加する前にパラメータ値を設定する | 第14.5.1.7項 |
省略時の代替スタートアップ・ コマンド・プロシージャを指定する | 第4.5.2項 |
+ VAXのみ |
MODPARAMS.DATに加えた変更内容を分かりやすく示すために,各行にコメントを追加します。 コメントの先頭には感嘆符(!)を付けます。
次にMODPARAMS.DATファイルの例を示します。
! ! ***************** A Sample MODPARAMS.DAT for Node NODE22 *************** ! ! MODPARAMS.DAT for "NODE22" ! REVISED: 04/29/96 -CHG- Upped GBLPAGES to account for ADA. ! SCSNODE = "NODE22" ! This is not calculated by AUTOGEN. SCSSYSTEMID = 19577 ! This is not calculated by AUTOGEN. TTY_DEFCHAR2 = %X0D34 ! This is not calculated by AUTOGEN. ADD_ACP_DIRCACHE= 150 ! Hit rate was only 65% on directory cache. MIN_PAGEDYN = 500000 ! PAGEDYN must be at least 1/2 Mbyte to ! account for a large number of logical names. ! MAX_PAGEFILE1_SIZE = 15000 ! Maximum size for primary page. MAX_SWAPFILE = 5000 ! Maximum size for swap file space. MAX_DUMPFILE = 32768 ! Maximum size for dump file space. ADD_GBLPAGES = 425+507+157 ! Account for MCS, BLISS32 and ADA. ADD_GBLSECTIONS = 4 + 5 + 2 ! Account for MCS, BLISS32 and ADA. VIRTUALPAGECNT = 144264 ! So that we can read MONSTR's 68Mb dumps. ! ! end of MODPARAMS.DAT for NODE22
システム・パラメータを変更する場合には,できるだけ次に示すように, AUTOGENを2段階に分けて実行してください。
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN SAVPARAMS TESTFILES
このコマンドを実行すると,AUTOGENは次の作業を行う。
計算の元となるデータ(PARAMS.DAT),計算結果(SETPARAMS.DAT),および生成されたレポート(AGEN$PARAMS.REPORT) を調べる。
パラメータの設定内容に満足できない場合には,MODPARAMS.DAT を編集してパラメータ値を変更する。編集方法については,第14.5.1項を参照。 パラメータ値を変更したら, ファイル・サイズを変更したい場合,第15.15節を参照してサイズを変更するその後,GETDATA フェーズからAUTOGENを実行する。
SETPARAMS.DATの内容に満足した場合には,ステップ2に進む。
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GENPARAMS REBOOT
このAUTOGENコマンドは,SYSMANを実行して新しいシステム・パラメータ値を更新し, 再ブート時にそれらのパラメータを使用してシステムをブートする。 この方法では,システム・ファイルは変更されない点に注意。
AGEN$PARAMS.REPORTファイルおよびSETPARAMS.DATファイルを調べた結果, ハードウェア構成データを修正したり,AUTOGENが選択したシステム・ パラメータ値を変更することになった場合は,この項で説明しているように,MODPARAMS.DAT ファイルを編集してパラメータ値を指定してください。
MODPARAMS.DATファイルを使ってページ・ファイル,スワップ・ファイル, ダンプ・ファイルのサイズを制御する方法については,第15.15.1.2項を参照してください。
MODPARAMS.DATファイル中で,次の形式でシンボルを定義すると,パラメータ値を制御することができます。
制御方法 | シンボルの形式 | 参照箇所 |
---|---|---|
指定された量だけ値を大きくする | ADD_* | 第14.5.1.1 項 |
最小値を指定する | MIN_* | 第14.5.1.2項 |
最大値を指定する | MAX_ * | 第14.5.1.3項 |
絶対値を指定する | パラメータ名 | 第14.5.1.4項 |
MODPARAMS.DATを使ってシンボルを定義する場合には,次のことを確認してください。
値が無効でもその行が無視されることはありません。AUTOGEN は指定された値の使用を試みます。
シンボルが指定されている行に等号記号(=) 以外のDCLの命令文が含まれていると, そのシンボルはチェックされません。たとえば,DCLのIF文がある行に指定されているシンボル名は, 有効かどうかはチェックされません。その場合,AUTOGEN はAGEN$PARAMS.REPORTに警告メッセージを書き込みます。
MODPARAMS.DATに加えた変更内容を分かりやすく示すために,ファイルを変更するたびに必ず各行にコメントを追加します。 コメントの先頭には感嘆符(!) を付けます。
ADD_接頭辞を使って数値パラメータの値を大きくします。新しい値はGENPARAMS フェーズの以降のAUTOGEN計算によって更新されます。次に, ADD_接頭辞の使用例を示します。
ADD_GBLPAGES=500 ADD_NPAGEDYN=10000
AUTOGENが計算するパラメータの場合は,AUTOGENの計算結果に加算されます。AUTOGEN が計算しないパラメータの場合には,現在値ではなく,省略時の値に加算されます。 なお,AUTOGENにより影響を受けるパラメータの表が『OpenVMS システム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』のAUTOGENの節にありますので参照してください。
通常,フィードバック機構によって計算されたパラメータを変更するときに,ADD_ 接頭辞を使用することはありません。 それは,フィードバックの結果が作業負荷を正確に反映しなければならないためです。 もし,フィードバックでADD_接頭辞を使用する場合は, AUTOGENがSETPARAMSフェーズ以降まで実行されても,AUTOGENは値を一度しか加算しない点に注意してください。AUTOGEN の計算値より上に最小値を設定したい場合には,MIN_ 接頭辞を使用します。
AUTOGENによる設定値が指定した値より小さくならないようにするためには,MIN_ 接頭辞を使用します。MIN_は,AUTOGENが設定できるパラメータの最小値を示します。 最小値を400,000に設定する例を次に示します。
MIN_PAGEDYN = 400000
AUTOGENが,指定した値より大きな値にパラメータを設定しないようにするためには,MAX_ 接頭辞を使用します。MAX_は,AUTOGENによって設定できるパラメータの最大値を示します。 最大値を400,000に設定する例を次に示します。
MAX_PAGEDYN = 400000
この方法は,AUTOGENが計算しないパラメータの値を指定する場合に使用します。AUTOGEN の計算で変更されるシステム・パラメータの表が『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』のAUTOGENの節にありますので参照してください。
パラメータの絶対値を指定するためには,MODPARAMS.DATに次の形式で代入文を追加します。
パラメータ名 = パラメータ値 ! comment
たとえば,次のコマンドはノード名BIGVAXをSCSNODEパラメータに代入します。
SCSNODE = "BIGVAX" ! the node name
VAXcluster環境では,NUM_NODESシンボルを使用して,VAXclusterのメンバが一時的に変化してもAUTOGEN によるVAXclusterに関連するパラメータの値の計算に影響しないようにすることができます。 具体的には, MODPARAMS.DATでNUM_NODESシンボルを定義して,VAXclusterで稼働させるノードの数を指定します。AUTOGEN はこの値を使用して,VAXclusterノードの数に影響されるパラメータを設定します。 たとえば,MODPARAMS.DAT に次の行を追加します。
NUM_NODES = 30
VAXcluster環境では,NUM_ETHERADAPTシンボルをMODPARAMS.DATに定義して,VAXcluster 内のイーサネット・アダプタの合計数を指定します。たとえば,MODPARAMS.DAT に次の行を追加します。
NUM_ETHERADAPT = 40
VAXシステムでは,大容量のメモリ(512 MB以上)を追加することにより, システム・ハードウェアをアップグレードしようとする場合,システム・ パラメータを追加分のメモリに適するようあらかじめ設定しておくようにします。 システム・パラメータをあらかじめ設定しておくことにより,不適切なパラメータ値を指定することで発生するメモリのアップグレードに関する問題を, 最小限に抑えることができます。
次の手順を実行してください。
MEMSIZE =アップグレード後のメモリの総ページ数
次に例を示す。
MEMSIZE = 2048 * 1024 ! (2048 page per MB * 1GB of memory)
DECnetの存在(または不在)に関するAUTOGENの観測を上書きするには, MODPARAMS.DATのパラメータLOAD_DECNET_IMAGESをTRUE (またはFALSE)に設定します。 同期ネットワーク・ハードウェアがないシステムにおいて非同期DECnet を実行したい場合には,設定値を制御すると役に立ちます。
物理メモリが多くないOpenVMSシステムのために,AUTOGENはNPAGEDYNが物理メモリの10% を越えた時,あるいはNPAGEVIRが物理メモリの33%を越えた時に,
AUTOGENは計算値を,NPAGEDYNは物理メモリの20 %にNPAGEVIRは物理メモリの50 % に制限しています。これらの計算値は物理メモリが16MB以下のほとんどのシステムで妥当な値です。 システムでこれ以上大きな値を設定する必要がある場合, MODPARAMS.DAT に書き込むことによってAUTOGENの計算値を上書きすることができます。
VAXシステムでは,システムの稼働時間がシステムの正常な作業負荷を十分に反映していなければ,AUTOGEN フィードバックは有効ではありません。 省略時の設定では,AUTOGENはデータが作成されてから24時間より多く経過しないとフィードバックを使用しません。VAX システムでは,論理名AGEN$FEEDBACK_REQ_TIME を定義することにより,省略時の設定と異なる最小稼働時間( データの生成後,フィードバックに利用できない期間)を時間単位で指定できます。
たとえば,論理名を次のように定義した場合,AUTOGENはデータが生成されてから19 時間より多く経過しないとフィードバック・データを使用しません。
$ DEFINE/SYSTEM AGEN$FEEDBACK_REQ_TIME 19
システムが起動するたびにこの論理名を定義するためには,このコマンドをSYLOGICALS.COM に追加します。
外部のパラメータ・ファイルをMODPARAMS.DATに取り込むことができます。 たとえば,あるシステム・パラメータを VAXclusterまたはOpenVMS Cluster環境内のすべてのノードと同じ値に設定すると同時に,他のシステム・ パラメータをノード固有の値にしたいことがあります。そのような場合は, クラスタ共通の値を別のファイルで指定し,クラスタ内の各システムのMODPARAMS.DAT にそのファイルを取り込むようにします。
パラメータ・ファイルを取り込むためには,MODPARAMS.DAT,あるいはMODPARAMS.DAT に取り込まれる任意のパラメータ・ファイルに次の形式でコマンドを追加します。
AGEN$INCLUDE_PARAMS 完全なディレクトリ指定:ファイル名
CLUSTERPARAMS.DATという名前のクラスタ共通のパラメータ・ファイルを取り込む場合には, まず,次の名前の共通のパラメータ・ファイルを作成します。
次に,各クラスタのシステム固有のディレクトリのMODPARAMS.DATファイルに次の行を追加します。
AGEN$INCLUDE_PARAMS SYS$COMMON:[SYSEXE]CLUSTERPARAMS.DAT
MODPARAMS.DATの内容は,DCL文として評価されます。したがって,シンボルにシステム・ パラメータではない名前(たとえば,他の値に基づくスクラッチ変数または条件付き割り当て) を割り当てることができます。通常, そのような割り当てはすべてAGEN$PARAMS.REPORTにログが取られ,ログが取られた多くの文によって必要のない大きなファイルが作成されていきます。
このような割り当てすべてにドル記号($)を接頭辞として付けることにより,AGEN$PARAMS.REPORT にログを取られたくない割り当てを指定することができます。 AUTOGEN は, MODPARAMS.DATの中のドル記号で始まるレコードを検出すると, 既知のシステム・パラメータのリストをチェックしないで,AGEN$PARAMS.REPORT にこのレコードのログを取りません。
バッチ・モードのコマンド・プロシージャを作成して,AUTOGENを定期的に自動実行させ, その結果得られるフィードバック・レポートを適切なMail アカウントに送信しておくようにしてください。例 14-2 は,このようなコマンド・プロシージャの例です。
例 14-2に示したコマンド・プロシージャは, AUTOGENを2段階に分けて実行します。第1段階では,AUTOGENを作業負荷がピークになる時間帯に実行し, 現実的なシステムの作業負荷のデータを収集します。 この段階ではシステムの性能が低下することはありません。第2 段階では,AUTOGENをシステムの作業負荷が軽い時間帯に実行し,第1段階で収集したデータを解釈します。
このプロシージャで,ファイルAGEN$PARAMS.REPORTに含まれている結果のレポートがSYSTEM アカウントに送信されます。このレポートを定期的に検討し, システムの負荷が変更されているかどうかを調べてください。
例 14-2に,コマンド・プロシージャの例を示します。 このプロシージャを参考にして,使用中のシステム構成に合ったコマンド・ プロシージャを作成してください。
$ BEGIN$: ! ++++++++++ AGEN_BATCH.COM ++++++++++ $ on warning then goto error$ $ on control_y then goto error$ $! $! Setup process $! $! Set process information $ set process/priv=all/name="AUTOGEN Batch" $! Keep log files to a reasonable amount $ purge/keep=5 AGEN_Batch.log $ time = f$time() ! Fetch current time $ hour = f$integer(f$cvtime(time,,"hour")) ! Get hour $ today = f$cvtime(time,,"WEEKDAY") ! Get Day of the week $ if f$integer(f$cvtime(time,,"minute")) .ge. 30 then hour = hour + 1 $! $! Start of working day... $! $ 1AM$: $ if hour .le. 2 $ then $ next_time = "today+0-14" $ gosub submit$ ! Resubmit yourself $ set noon $! $! Run AUTOGEN to TESTFILES using the parameter values collected earlier $! in the day (i.e., yesterday at 2:00pm) $ if today .eqs. "Tuesday" .OR. today .eqs. "Thursday" .OR. - today .eqs. "Saturday" $ then $ @sys$update:autogen GETDATA TESTFILES feedback 【2】 $ mail/sub="AUTOGEN Feedback Report for system-name" - sys$system:agen$params.report system 【3】 $ ! Clean up $ purge/keep=7 sys$system:agen$feedback.report 【4】 $ purge/keep=7 sys$system:agen$feedback.dat $ purge/keep=7 sys$system:params.dat $ purge/keep=7 sys$system:autogen.par $ purge/keep=7 sys$system:setparams.dat $ purge/keep=7 sys$system:agen$addhistory.tmp $ purge/keep=7 sys$system:agen$addhistory.dat $ endif $ goto end$ $ endif $! $ 2PM$: $ if hour .le. 15 $ then $ next_time = "today+0-17" $ gosub submit$ $ if today .eqs. "Monday" .OR. today .eqs. "Wednesday" .OR. - today .eqs. "Friday" $ then $ @sys$update:autogen SAVPARAMS SAVPARAMS feedback 【1】 $ endif $ goto end$ $ endif $! $ 5PM$: $ if hour .le. 18 $ then $ next_time = "tomorrow+0-1" $ gosub submit$ $ endif $! $! End of working day... $! $ END$: ! ---------- BATCH.COM ---------- $ exit $!++ $! Subroutines $!-- $! $ SUBMIT$: $ submit/name="AGEN_Batch"/restart/noprint - 【5】 /log=AGEN_batch.log - /queue=sys$batch/after="''next_time'" sys$system:AGEN_batch.com $ return $!++ $! Error handler $!-- $ ERROR$: $ mail/sub="AGEN_BATCH.COM - Procedure failed." _nl: system $ goto end$
次に,このコマンド・プロシージャで実行されるタスクを説明します。
第14.6節で説明したコマンド・ プロシージャのレポートにおいて,AUTOGEN の計算結果が現在値と異なっている場合には, 次に示すいずれかの方法で,AUTOGENの設定内容を修正してください。
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA REBOOT FEEDBACK
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA SETPARAMS FEEDBACK
新しいパラメータは,システムのブート後,有効になる。
システム管理ユーティリティ(SYSMAN)を使用すると,1つのシステムだけではなく, クラスタ全体,あるいはノードの任意のグループに対応するシステム・ パラメータを調べたり,変更することができます。SYSMANで利用できるPARAMETERS コマンドは,OpenVMSのシステム生成ユーティリティ(SYSGEN) のパラメータ設定機能を持っています。
次に,SYSMANユーティリティを使ってシステム・パラメータを管理できる作業を示します。
作業 | 参照箇所 |
---|---|
パラメータ値の表示 | 第14.7.2 項 |
パラメータ・ファイル内の現在値の変更 | 第14.7.3 項 |
稼働中のシステムのアクティブ値の変更 [1] | 第14.7.4 項 |
[1]ダイナミック・システム・パラメータだけに適用 |
表 14-3に,SYSMANが提供するコマンドと機能を示します。
コマンド | 機能 |
---|---|
PARAMETERS SHOW | パラメータ値を表示する。 |
PARAMETERS USE | パラメータのセットを, メモリまたはディスクから調査または変更のための一時作業領域に読み込む。 ファイル名,または追加パラメータACTIVE かCURRENTが必要。 |
PARAMETERS SET | パラメータ値を変更する。変更内容は作業領域内でのみ有効。 変更内容をより永久的なものにするためには,PARAMETERS WRITEコマンドが必要。 |
PARAMETERS WRITE | 作業領域の内容をメモリまたはディスクに書き込む。 ファイル名,または追加パラメータACTIVEかCURRENTが必要。 |
一時作業領域についての詳細は,第14.7.1項を参照してください。
第14.1.1項で説明しているように, システム・ パラメータの値にはいくつかの種類があります。簡単にまとめると 現在値とは,ディスク上の省略時のパラメータ・ファイルに格納されている値のことです。 アクティブ値とは,メモリ内に格納され, システムの稼働中に使用される値のことです。これらの値のほかにも,SYSMAN はディスク上の独自の作業領域にパラメータ値を一時的に書き込みます。 この値を一時値と呼びます。図 14-2は, この3種類の値と,SYSMANコマンドがそれらの値にどう影響するかを示しています。 次に,図中の動作を説明します。
セッション中にパラメータ値を表示または変更する場合,通常のセッションでは次の手順に従ってください。
システム・パラメータについての詳細は,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照してください。
SYSMANのPARAMETERS SHOWコマンドを使用すると,クラスタ内のすべてのノードのパラメータ値を表示することができます。
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> PARAMETERS SHOW/LGI Parameters in use: Active Parameter Name Current Default Min. Max. Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- LGI_BRK_TERM 0 1 0 1 Boolean D LGI_BRK_DISUSER 0 0 0 1 Boolean D LGI_PWD_TMO 30 30 0 255 Seconds D LGI_RETRY_LIM 3 3 0 255 Tries D LGI_RETRY_TMO 20 20 0 255 Seconds D LGI_BRK_LIM 5 5 0 255 Failures D LGI_BRK_TMO 300 300 0 -1 Seconds D LGI_HID_TIM 300 300 0 -1 Seconds D
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER %SYSMAN-I-ENV, Current command environment: Clusterwide on local cluster Username MORIN will be used on nonlocal nodes SYSMAN> PARAMETERS SHOW LGI_BRK_TMO Node NODE21: Parameters in use: ACTIVE Parameter Name Current Default Minimum Maximum Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- LGI_BRK_TMO 600 300 0 -1 Seconds D Node NODE22: Parameters in use: ACTIVE Parameter Name Current Default Minimum Maximum Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- LGI_BRK_TMO 600 300 0 -1 Seconds D
SYSMANのPARAMETERS WRITEコマンドを使用すると,システム・パラメータ値およびシステム固有のスタートアップ・ コマンド・プロシージャを,ユーザが選択したパラメータ・ ファイル,ディスク上の現在のシステム・パラメータ・ ファイルに書き込むことができます。
DCLのSET MESSAGEコマンドを使ってシステム・メッセージの形式を変更していない限り,PARAMETERS WRITE CURRENT コマンドを実行すると,メッセージがOPCOM に送信され,イベントが記録されます。
SYSMAN> PARAMETERS WRITE SYS$SYSTEM:NEWPARAM
SYSMAN> PARAMETERS SET LGI_BRK_TMO 300 SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT
SYSMANのPARAMETERS SETコマンド,PARAMETERS WRITEコマンド,およびPARAMETERS USE コマンドを使用すると,アクティブ・パラメータ値を変更できます。
アクティブ値を変更するとメモリ上の値が変更されるため,ただちにダイナミック・ パラメータに影響します。ダイナミック・パラメータについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照してください。 また,SYSMANのPARAMETERS SHOW/DYNAMICコマンドを使っても調べることができます。 ダイナミック・パラメータ以外のパラメータ値は,システムの稼働中には変更できません。
アクティブ値を変更しても,ディスク上のシステム・パラメータ・ファイルには影響はありません。 次回のシステム・ブート時には,以前の現在値がアクティブ値として使用されるためです。
新しいアクティブ・パラメータ値を設定し,その値を以降のブート操作で使用する場合には,PARAMETERS WRITE CURRENT コマンドを使って,新しい値を現在のパラメータ・ ファイルに書き込みます。次の例を参照してください。
SYSMAN> PARAMETERS SET LGI_BRK_TMO 300 SYSMAN> PARAMETERS WRITE ACTIVE SYSMAN> PARAMETERS SHOW LGI_BRK_TMO Node NODE21: Parameters in use: ACTIVE Parameter Name Current Default Minimum Maximum Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- LGI_BRK_TMO 300 300 0 -1 Seconds D Node NODE22: Parameters in use: ACTIVE Parameter Name Current Default Minimum Maximum Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- LGI_BRK_TMO 300 300 0 -1 Seconds D
SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT SYSMAN> PARAMETERS SHOW LGI_BRK_TMO Node NODE21: Parameters in use: CURRENT Parameter Name Current Default Minimum Maximum Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- LGI_BRK_TMO 600 300 0 -1 Seconds D Node NODE22: Parameters in use: CURRENT Parameter Name Current Default Minimum Maximum Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- LGI_BRK_TMO 600 300 0 -1 Seconds D
SYSMAN> PARAMETERS WRITE ACTIVE SYSMAN> PARAMETERS USE ACTIVE SYSMAN> PARAMETERS SHOW LGI_BRK_TMO Node NODE21: Parameters in use: ACTIVE Parameter Name Current Default Minimum Maximum Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- LGI_BRK_TMO 600 300 0 -1 Seconds D Node NODE22: Parameters in use: ACTIVE Parameter Name Current Default Minimum Maximum Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- LGI_BRK_TMO 600 300 0 -1 Seconds D
次に,SYSGENユーティリティを使ってシステム・パラメータを管理できる作業を示します。 ただし,この方法はなくべく使用しないでください。
作業 | 参照箇所 |
---|---|
パラメータ値の表示 | 第14.8.2 項 |
省略時のパラメータ・ファイル内の現在値の変更 | 第14.8.3 項 |
稼働中のシステムのアクティブ値の変更 [1] | 第14.8.4 項 |
新しいパラメータ・ファイルの作成 | 第14.8.5 項 |
[1]ダイナミック・システム・パラメータのみ。 |
SYSGENでシステム・パラメータを管理するときに使用するコマンドを,表 14-4 に示します。SYSGENコマンドについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』のSYSGENの節を参照してください。
コマンド | 機能 |
---|---|
SHOW | パラメータ値を表示する。 |
USE | メモリまたはディスクから,調査または変更のために一時作業領域に値を読み込む。 |
SET | パラメータ値を変更する。変更内容は作業領域のみで有効。 変更内容をより永久的なものにするためには,WRITEコマンドが必要。 |
WRITE | 作業領域の内容をメモリまたはディスクに書き込む。 |
一時作業領域についての詳細は,第14.8.1 項を参照してください。
第14.1.1項で説明しているように, システム・ パラメータの値にはいくつかの種類があります。簡単にまとめると, 現在値とは,ディスク上の省略時のパラメータ・ ファイルに格納されている値のことです。アクティブ値とは, メモリ内に格納され,システムの稼働中に使用される値のことです。 これらの値のほかにも,SYSGENはディスク上の独自の作業領域にパラメータ値を一時的に書き込みます。 この値を一時値と呼びます。図 14-3 は,この3種類の値と,SYSGENコマンドがそれらの値にどう影響するかを示しています。
パラメータ値を表示または変更する場合,通常のセッションでは次の手順に従います。
システム・パラメータについての詳細は,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照してください。
システム・パラメータの値を表示するときには,次の手順に従います。
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
表示対象 | 入力するコマンド |
---|---|
アクティブ値 | USE ACTIVE |
現在値 | USE CURRENT |
他のパラメータ・ファイルの値 | USEファイル指定 |
ファイル指定には,表示したい値が含まれているパラメータ・ ファイルの名前を指定する。たとえば,USE SYS$SYSTEM:ALTPARAMS.DAT。 |
SHOW [/修飾子] [パラメータ名]
特定のタイプのパラメータを表示する場合には,修飾子を指定する。 例を示す。
表示対象となるグループ | 入力するコマンド |
---|---|
WSMAXパラメータ | SHOW WSMAX |
すべてのダイナミック・ パラメータ | SHOW/DYNAMIC |
TTYカテゴリのすべてのパラメータ | SHOW/TTY |
すべてのパラメータ | SHOW/ALL |
SYSGEN SHOWコマンドと修飾子についての詳細は,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』のSYSGENの節を参照してください。
ここでは,SYSGENを使ってすべてのTTYシステム・パラメータの現在値を表示します。
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN SYSGEN> USE CURRENT SYSGEN> SHOW/TTY
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN SYSGEN> USE CURRENT SYSGEN> SHOW/TTY
Parameters in use: Current【1】 Parameter Name Current Default Min. Max. Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 TTY_SCANDELTA 10000000 10000000 100000 -1 100Ns TTY_DIALTYPE 0 0 0 255 Bit-Encode TTY_SPEED 15 15 1 16 Special TTY_RSPEED 0 0 0 16 Special TTY_PARITY 24 24 0 255 Special TTY_BUF 80 80 0 65535 Characters TTY_DEFCHAR 402657952 402657952 0 -1 Bit-Encode TTY_DEFCHAR2 135178 4098 0 -1 Bit-Encode TTY_TYPAHDSZ 78 78 0 -1 Bytes TTY_ALTYPAHD 2048 200 0 32767 Bytes TTY_ALTALARM 750 64 0 -1 Bytes TTY_DMASIZE 64 64 0 -1 Bytes D 【8】 TTY_CLASSNAME "TTY" "TTY" "AA" "ZZ" Ascii TTY_SILOTIME 8 8 0 255 Ms TTY_TIMEOUT 3600 900 0 -1 Seconds D TTY_AUTOCHAR 7 7 0 255 Character D SYSGEN>
SYSGENは,次の情報を表示します。
このカラムの見出しは,パラメータの現在値を表示する場合にも, アクティブ値を表示する場合にも,常に"Current"である。この場合の"Current" は,USEコマンドで指定される,このパラメータの現在使用されている値を指すのであって,WRITE CURRENT コマンドによってディスクに格納されたパラメータの現在値を指すのではない。
AUTOGENを使用できない場合には,システム管理ユーティリティ(SYSMAN) を使用してください。詳細は第14.7節を参照してください。
省略時のシステム・パラメータ・ファイルの現在値の変更は,実行中のシステムのアクティブ値には, すぐには反映されません。次回のシステム・ ブート時に,新しい値で初期化されます。
VAXシステム・パラメータ・ファイルのTTY_TIMEOUTパラメータの値を変更します。
$ SET DEFAULT SYS$SYSTEM $ RUN SYSGEN SYSGEN> USE CURRENT SYSGEN> SET TTY_TIMEOUT 3600 SYSGEN> WRITE CURRENT %OPCOM, 15-APR-1998 16:04:06.30, message from user SYSTEM %SYSGEN-I-WRITECUR, CURRENT system parameters modified by process ID 00160030 into file VAXVMSSYS.PAR SYSGEN> EXIT
アクティブ値を変更すると,ダイナミック・パラメータにすぐに影響を与え, メモリ内にある値が変更されます。ダイナミック・パラメータについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照してください。 また,SYSGENのSHOW/DYNAMICコマンドを使ってもダイナミック・パラメータであるか調べることができます。 ダイナミック・パラメータ以外の値をシステムの稼働中に変更することはできません。
アクティブ値を変更しても,ディスク上のシステム・パラメータの現在値には影響を与えません。 次回のシステム・ブート時に,それまでの現在値がアクティブ値として設定されます。
パラメータの新しいアクティブ値を設定し(WRITE ACTIVEと入力) ,以降のブート時に新しい値を使用する場合には,第14.8.3項で説明しているように,WRITE CURRENT コマンドを使用して,ディスク上の現在のパラメータ・ ファイルに新しい値を書き込む必要があります。また,パラメータがダイナミック・ パラメータでない場合には,WRITE CURRENTコマンドを入力して, システムを再ブートする必要があります。
SYSGENを使ってアクティブ・パラメータを変更すると,DCLのSET MESSAGE コマンドを使ってシステム・メッセージの形式を変更していない限り,オペレータ通信マネージャ(OPCOM) により,そのメッセージがオペレータ・ ログとオペレータ・コンソールに書き込まれます。
$ SET DEFAULT SYS$SYSTEM $ RUN SYSGEN SYSGEN> SET PFCDEFAULT 127 SYSGEN> WRITE ACTIVE %OPCOM, 15-APR-1998 16:04:06.30, message from user SYSTEM %SYSGEN-I-WRITEACT, ACTIVE system parameters modified by process ID 00160030 SYSGEN> EXIT
$ SET DEFAULT SYS$SYSTEM $ RUN SYSGEN SYSGEN> SET PFCDEFAULT 127 SYSGEN> WRITE ACTIVE %OPCOM, 15-APR-1998 16:04:06.30, message from user SYSTEM %SYSGEN-I-WRITEACT, ACTIVE system parameters modified by process ID 00160030 SYSGEN> WRITE CURRENT %OPCOM, 15-APR-1998 16:04:06.30, message from user SYSTEM %SYSGEN-I-WRITECUR, CURRENT system parameters modified by process ID 00160030 into file ALPHAVMSSYS.PAR SYSGEN> EXIT
パラメータ・ファイルを新しく作成しても,稼働中のシステムには影響を与えません。 しかし,それ以降の会話型ブート操作で,アクティブなシステムを新しいファイルの値で初期化することができます。
$ SET DEFAULT SYS$SYSTEM $ RUN SYSGEN
USE ファイル指定
ファイル指定には,ベースとなる既存のパラメータ・ファイルを指定する。 このファイルの値を変更して,新しいパラメータ・ファイルを作成できる。
SET パラメータ名 値
パラメータ名には,値を変更するパラメータの名前を指定する。値には, そのパラメータの新しい値を指定する。
WRITE ファイル指定
ファイル指定には,作成するパラメータ・ファイルの名前を指定する。
$ SET DEFAULT SYS$SYSTEM $ RUN SYSGEN SYSGEN> USE SYS$MANAGER:PARAMS.PAR SYSGEN> SET TTY_TIMEOUT 3600 SYSGEN> WRITE SYS$MANAGER:PARAMS.PAR SYSGEN> EXIT
$ SET DEFAULT SYS$SYSTEM $ RUN SYSGEN SYSGEN> USE SYS$MANAGER:PARAMS.PAR SYSGEN> SET TTY_TIMEOUT 1000 SYSGEN> WRITE OURSITE.PAR SYSGEN> EXIT
会話型ブートを使用するのは,他に影響を与えないシステム・ パラメータを一時的に変更する場合か,緊急の場合だけに限定してください。 たとえば,システムのアップグレード時などに,会話型ブートを使用して, 簡易スタートアップを使用するようにSTARTUP_P1を変更します。
値を変更し,変更した値をAUTOGENパラメータ・ファイルMODPARAMS.DAT に追加しない場合,AUTOGENの次回の実行時にその値は上書きされるということを覚えておいてください。
会話型ブート操作によって,システム・ブートの前にアクティブ・パラメータを変更できます。 次の方法があります。
作業内容 | 参照箇所 |
---|---|
個々のパラメータのアクティブ値を変更する。 | 第4.2.1項 |
省略時のパラメータ・ ファイル以外のパラメータ・ファイルの値を使って, アクティブ値を初期化する。 | 第4.2.2項 |
省略時の値を使ってアクティブ値を初期化しなおす。 | 第4.4.1 項 |
会話型ブートの最後に,省略時のパラメータ・ファイルが変更され,各パラメータの新しいアクティブ値が格納されます。
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