[ 前のページ ]
[ 次のページ ]
[ 目次 ]
[ 索引 ]
[ DOC Home ]
本章では,LANソフトウェアの動作について説明するとともに,LANソフトウェアを管理するためにシステム上で実行する作業について説明します。
本章では次の作業について説明します。
作業 | 参照箇所 |
---|---|
LANACP LANサーバ・プロセスの実行 | 第22.3.1項 |
LANCP の起動と実行 | 第22.4.1 項 |
LAN装置の管理 | 第22.5節 |
LANデバイス・データベースの管理 | 第22.6節 |
LANノード・データベースの管理 | 第22.7節 |
DECnet MOPからLAN MOPへの移行 | 第22.8.2項 |
CLUSTER_CONFIG_LAN.COMおよびLAN MOP | 第22.8.3項 |
MOPダウンライン・ロード・サービスの管理 | 第22.9節 |
MOPコンソール・キャリアの始動 | 第22.9.8項 |
MOPトリガ・ブートの要求 | 第22.9.9項 |
さらに,次の項目について説明します。
項目 | 参照箇所 |
---|---|
ローカル・ エリア・ネットワーク | 第22.1節 |
LANACP LANサーバ・ プロセス | 第22.3 節 |
LANCPユーティリティ | 第22.4節 |
MOPダウンライン・ロード・サービス | 第22.8節 |
ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)は,部屋,建物,あるいは建物群( たとえば大学)のような限られた範囲内において,情報処理装置を接続するための, 通信チャネルを提供します。LAN内のノードは,次のタイプのデータ転送媒体によってリンクすることができます。
イーサネットLANには,次の3種類がある。
この3種類のイーサネットは,どれも,CSMA/CDプロトコル,同一のフレーム形式, 同一のフレーム・サイズを用いている。
LANコントローラは,追加の外部ハードウェアとともに,イーサネット, FDDI,トークン・リング,ATMまたはClassical IP (RFC 1577)を介したLAN エミュレーションの仕様をインプリメントする装置です。LANコントローラとローカル・ システムでノードを構成します。LANコントローラはシステム・ バスを介してローカル・システムと通信します。また通信媒体を介して, イーサネット,FDDI,トークン・リング,またはATMを介したLAN エミュレーションの仕様をインプリメントする遠隔システムと通信します。( イーサネットの仕様については『The Ethernet-Data Link Layer and Physical Layer Specification』に記述されています。FDDIの仕様はANSI から入手可能です。トークン・リングの仕様はIEEEから入手可能です。ATM を介したLANエミュレーションの仕様はATM Forumから入手可能です。)
アプリケーション・プログラムは,LANドライバのQIOインタフェースを使って,LAN 上の他のノードとの間で入出力処理を実行します。QI0インタフェースについての詳細は, 『OpenVMS I/O User's Reference Manual』を参照してください。
表 22-1に,LAN媒体のタイプの相違を要約します。
媒体 | 速度 | 最大フレーム・ サイズ | 最大ケーブル長+ |
---|---|---|---|
イーサネット802.3 | 10Mbps | 1518バイト | 2.8 km |
高速イーサネット802.3u | 100Mbps | 1518バイト | 100Base-TX-100 m 100Base-FX-412 m (半二重) - 2000 m (全二重) |
ギガビット・イーサネット802.3z | 1000Mbps | 1518バイト | 1000Base-SX光ファイバ- 550 m 1000Base-LX光ファイバ-5 km 1000Base-CX銅線シールド-25 m 1000BaseT銅線UTP-100 m |
FDDI | 100Mbps | 4495バイト | 100 km |
トークン・リング802.5 | 4または16 Mbps | 4462バイト | 300 m |
ATMを介したLAN エミュレーション | 155Mbps | 1516, 4544,9234のいずれか | 制限なし |
+大規模ネットワークは,ハブ,ブリッジ,スイッチによって構築できる。 |
イーサネットは,各システムや装置を1本の回線で接続するケーブルです。 オフィスまたはパーソナル・コンピュータやワークステーションが設置されている場所では, 通常,ThinWireイーサネットまたは非シールド・ ツイストペア・ケーブル接続が使用されます。
個々のシステムは,イーサネットに直接接続するか,またはDELNIなどのローカル・ エリア相互接続装置を経由してイーサネットにアクセスすることができます。 DELNI は集信装置の働きをして,システムをまとめます。 ハブ,リピータ,スイッチなどの同様の装置でも接続ができます。
FDDIはツリー・トポロジのデュアル・リングを使用します。一方のリングを1 次リング,他方をバックアップとして使用し,柔軟性,管理の容易さ, 可用性を高めるために,ツリー構造を採用しています。
FDDIネットワークとイーサネット・ネットワークを組み合わせると, 1つの拡張LAN を形成できます。こうすることにより,FDDIに接続されたシステム上で実行されるアプリケーションを, イーサネットに接続されたシステムで実行されるアプリケーションに接続できます。
FDDI集信装置は,VAXやAlphaノード,またはFDDIとイーサネット間のブリッジのようなFDDI 装置を,FDDI LANに接続することができます。
トークン・リング・コントローラは,シールドまたは非シールドのツイストペア・ ワイヤを使って,リングにアクセスします。ブリッジで直接接続されたトークン・ リングLANを他のタイプのLANに接続するのは難しいので, 注意してください。ただし,他のLANへのルーティング・プロトコルは簡単に動作します。
ATMを介したLANエミュレーションは,セル交換に基づいた光ファイバ・ ネットワークから構成されます。コンパックのATMネットワークは,データ転送にはAAL5 接続用サーバを使用します。 ATMを介したLANエミュレーションについては, コンパックではLANエミュレーション・クライアント(LEC) だけをインプリメントしており, LANエミュレーション・サーバ(LES) はインプリメントしていません。 LANエミュレーション・サーバは, 他のファシリティ(たとえばGIGAswitch/ATM)により提供されなければなりません。 コンパックがサポートしているのは,ATMアダプタ1つにつき1 つの LANエミュレーション・クライアントです。
Classical IP (CLIP)は,イーサネット・インタフェース(802.3)と同じ意味を持つ新しいデータリンク・ レベル装置インプリメントします。このイーサネット・ インタフェースは, ATMネットワークを介して802.3 (IEEE イーサネット)フレームを送信するときに TCP/IPプロトコルにより使用されます。 OpenVMS Alpha バージョン7.2がATMを介してIPデータグラムを交換する場合, RFC1577 (ATM を介したClassical IP)に基づいたモデルに従います。
LAN上のノードは,一意のアドレスで識別されます。使用するアドレスによって, メッセージをLAN上の1つ,数個,またはすべてのノードに同時に送信することができます。
適用の際,IEEEはアドレス・ブロックをLANノードの製作者に割り当てます。 したがって,どのメーカも固有のアドレス・セットを持っています。 通常,割り当てられた物理アドレス・ブロックのうちの1アドレスが,永久に各コントローラ( 通常は読み込み専用メモリ)に対応付けられます。このアドレスは, コントローラのハードウェア・アドレスと呼ばれます。各コントローラには固有のハードウェア・ アドレスがあります。
LANアドレスは長さが48ビットです。LANアドレスは,6対の16進数字(6バイト) をハイフンで区切って表現します(たとえばAA-01-23-45-67-FF)。バイトは転送される順に, 左から右に表示されます。各バイト中のビットは右から左に転送されます。 この例では,バイトAAが最初に転送され,バイトFF が最後に転送されます。
LANアドレスは,アドレスの最初のバイトの最下位ビット(このビットが最初に転送される) の値によって,単一ノードの物理アドレス,またはマルチキャスト・ アドレスになります。ノード・アドレスの2つのタイプは次のとおりです。
トークン・リング・デバイスは,IEEE 802規格のマルチキャスト・アドレスをサポートせず, 機能アドレスをサポートする。機能アドレスとは, ローカルに管理されるグループ・アドレスであり,31の値が可能。 各機能アドレスは,アドレスの3番目から6番目のバイトに1ビットを設定し, バイト1と2は03-00 (ビットの逆形式ではC0:00)である。 マルチキャスト・アドレスを機能アドレスに変換するには,SET DEVICE/MAPコマンドを使用する。
ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)ソフトウェアには,OpenVMS LANドライバ・ システム・ソフトウェアと共に動作する次の2つのシステム管理ツールが含まれています。
LANシステム管理ツールは次のことを行います。
表 22-2は,LAN管理ソフトウェアと, OpenVMS AlphaおよびOpenVMS VAXを実行するシステムでサポートされる機能についての説明です。
ユーティリティ | 説明 | OpenVMS のサポート | |||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
LANACP (LAN補助制御プログラム) | MOPダウンライン・ロード・サービスの提供を主な機能とするサーバ・ プロセスとして実行される。 LAN運用時デバイス・ データベースおよびLAN運用時ノード・データベースの保守も行う。 | LANACPユーティリティは,OpenVMSバージョン7.0以降と同じ機能を提供する。 | |||||||||||||||
LANCP (LAN制御プログラム) | システム管理者がLANソフトウェアのパラメータを制御して, LAN
ソフトウェアから情報を得られるようにする。
LANCPユーティリティで次のことができる。
| OpenVMS Alphaバージョン6.1には初期にインプリメントされた LANCP
は含まれるが,MOP関連機能は含まれない。
OpenVMSバージョン6.2 (VAXおよびAlpha)には,MOP関連機能が含まれ,その機能の一部をVAX システムに対して拡張している。次の表はVAXおよびAlpha システム上でサポートされている LANユーティリティ機能を示す。
|
LANACP LANサーバ・プロセスを実行して,次の処理を行うことができます。
LANCPユーティリティを使用すると, LANACPプロセスに対して命令を出すことができます。
LANACPに関連する主な3つのファイルは次のとおりです。
LANACPユーティリティ・プログラム。
LANACPサーバ・プロセスを起動する。
このファイルは,システムのスタートアップ時に LANACPを自動的に起動できるエントリを含む。
さらに,LANACP LANサーバ・プロセスには関連する4つのシステム論理名があり, これについては表 22-3で説明します。
コンポーネント | 説明 |
---|---|
LAN$DLL | ダウンライン・ロード・ファイルの位置を定義する。 ファイル位置はロード要求では指定されず, LAN運用時ノード・ データベースにも明示的に提供されていない。省略時にはSYS$SYSROOT:[MOM$SYSTEM] と定義される。 |
LAN$NODE_DATABASE | LANパーマネント・ノード・データベースの位置を定義する。 省略時にはSYS$COMMON:[SYSEXE]LAN$NODE_ DATABASE.DATと定義される。 |
LAN$DEVICE_ DATABASE | LANパーマネント・デバイス・データベースの位置を定義する。 省略時にはSYS$SPECIFIC:[SYSEXE]LAN$DEVICE_ DATABASE.DATと定義される。 |
LAN$ACP | LANACP LANサーバ・プロセスのログ・ファイルの位置を定義する。 このログ・ファイルには,LANパーマネント・デバイス・ データベースおよびノード・データベースの変更や,ロード要求, ロード状態情報を記述するエントリが含まれる。省略時にはSYS$MANAGER:LAN$ACP.LOG と定義される。 |
LANACP LANサーバ・プロセスを開始するには,DCLプロンプトに対して@SYS$STARTUP:LAN$STARTUP とタイプします。
LANACP LANサーバ・プロセスを終了するには,LANCPユーティリティ・プロンプトで SET ACP/STOP コマンドを入力します。
LANCPユーティリティでは,LANパラメータを設定して,表示することができます。 第22.4.1項でLANCPユーティリティの起動方法について説明します。 表 22-4は,LAN機能の説明と, その機能の実行に役立つLANCPコマンドについての参照箇所を示しています。
作業 | 参照箇所 |
---|---|
LAN装置の管理 | 第22.5節 |
LANデバイス・データベースの管理 | 第22.6 節 |
LANノード・データベースの管理 | 第22.7 節 |
MOPダウンライン・ロード・サービスの管理 | 第22.9 節 |
MOPコンソール・キャリア接続の起動 | 第22.9.8 項 |
MOPトリガ・ブート要求の送信 | 第22.9.9 項 |
表 22-5は,LANCPユーティリティ(SYS$SYSTEM:LANCP.EXE) の起動方法と実行方法について説明しています。
コマンド | 例 |
---|---|
RUN コマンドの使用 | DCLコマンド・プロンプトに対して,次のように入力する。
$ RUN SYS$SYSTEM:LANCP これでLANCPユーティリティからLANCPプロンプトが表示されるので, LANCPコマンドを入力できる。 |
LANCPをフォーリン・ コマンドとして定義 | DCLプロンプトに対して,またはスタートアップ・
コマンド・ファイルかログイン・コマンド・ファイルに,
次のように入力する。
$ LANCP :== $SYS$SYSTEM:LANCP これで,DCLプロンプトからコマンドLANCPを入力してユーティリティを起動し, LANCP コマンドを入力できるようになる。 LANCPコマンドを入力する場合には,次の点に注意する。
|
MCRコマンドの使用 | DCLコマンド・
プロンプトに対して,次のように入力する。
$ MCR LANCP MCR LANCPコマンドを入力する場合には,次の点に注意する。
|
LANCP>プロンプトに対してLANCPコマンドを入力できます。
LANCPユーティリティについての情報を得るには, LANCP>プロンプトでHELP コマンドを入力します。
LANCPユーティリティを終了するには, LANCP>プロンプトでEXITコマンドを入力するか,Ctrl/Z を押します。
コマンド | 機能 |
---|---|
@ (実行プロシージャ) | コマンド・プロシージャを実行する。 |
CLEAR DEVICE | LAN運用時デバイス・ データベースから装置を削除する。 |
CLEAR DLL | 全ノードおよび装置で,MOP ダウンライン・ロード・カウンタをクリアする。 |
CLEAR MOPDLL | CLEAR DLLコマンドと同じ。 |
CLEAR NODE | LAN 運用時ノード・データベースからノードを削除する。 |
CONNECT NODE | MOPコンソール・キャリア・ プロトコルを使用して管理インタフェースをインプリメントする, ターミナル・サーバなどのLAN装置に接続する。 |
CONVERT DEVICE_DATABASE | デバイス・データベースをLANCP で要求される現在の形式に変換する。 |
CONVERT NODE_DATABASE | ノード・データベースをLANCP で要求される現在の形式に変換する。 |
DEFINE DEVICE | 装置をLANパーマネント・ デバイス・データベースに入力するか,既存のエントリを変更する。 |
DEFINE NODE | ノードをLAN パーマネント・ノード・データベースに入力するか,既存のエントリを変更する。 |
EXIT | LANCP の実行を終了し,制御をDCLコマンド・レベルに戻す。 |
HELP | LANCPユーティリティに関するオンライン・ ヘルプを提供する。 |
LIST DEVICE | LANパーマネント・デバイス・データベースの情報を表示する。 |
LIST NODE | LAN パーマネント・ノード・データベースの情報を表示する。 |
PURGE DEVICE | 装置をLANパーマネント・ デバイス・データベースから削除する。 |
PURGE NODE | ノードをLANパーマネント・ノード・ データベースから削除する。 |
SET ACP | LANACP LANサーバ・プロセスの操作を変更する。 |
SET DEVICE | LAN 運用時デバイス・データベースと装置自体にある装置特性を変更する。 |
SET NODE | ノードをLAN 運用時ノード・データベースに入力するか,既存のエントリを変更する。 |
SHOW CONFIGURATION | システム上のLAN装置の一覧を表示する。 |
SHOW DEVICE | LAN運用時デバイス・データベースの情報を表示する。 |
SHOW DLL | MOPダウンライン・ロード・サービスの現在の状態を表示する。 |
SHOW LOG | 最近のダウンライン・ ロード・アクティビティを表示する。 |
SHOW MOPDLL | SHOW DLLコマンドと同じ。 |
SHOW NODE | LAN運用時ノード・ データベースの情報を表示する。 |
SPAWN | 現在のプロセスのサブプロセスを作成する。 |
TRIGGER NODE | 遠隔ノードに対して再ブート要求を出す。 |
UPDATE DEVICE++ | 装置のファームウェア・イメージを更新する。 |
++ Alphaのみ |
LANCPコマンドと修飾子についての詳細は,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル(上巻)』を参照してください。
SPAWNコマンドを使用すると,現在のプロセスのサブプロセスを作成できます。SPAWN コマンドは,サブプロセスのコンテキストを現在のプロセスからコピーします。 これにより,LANCPを一時的に終了しても,再開時にLANCP を再起動する必要はありません。
SPAWNコマンドの形式は次のとおりです。
SPAWN [コマンド文字列]
LANCPユーティリティを設定して,LANCP内でコマンド・ファイルからコマンドを実行できます。LANCP ユーティリティは,コマンド・ファイルを頭に@ の付くファイル名として認識します。省略時のファイル名の拡張子は.COM です。
LAN装置の管理には,装置の特性の表示と,デバイス・パラメータの設定が含まれます。LANCP ユーティリティを使用して,表 22-7 に示す LAN装置のタイプに対してパラメータを設定することができます。
LAN | 装置例 | 説明 |
---|---|---|
イーサネット | DE425, DE434, DE435, DE436, DE500, DECchip 21040, DEMNA | 媒体のタイプ(接続ケーブルのタイプ)
および接続速度(イーサネットまたはFastEthernet)
の選択を可能にする。
全二重操作(同様の装置間または装置とスイッチ間のポイント・ツー・ ポイント操作)を可能にする。 |
FDDI | DEFTA, DEFPA, DEFAA, DEFEA, DEMFA | 全二重操作を可能にする。 |
トークン・ リング++ | DETRA, DW300, DW110, TC4048 | トークン・リング・パラメータの設定,およびソース・ルーティングと機能アドレス・ マッピングの定義を可能にする。 |
全タイプ | 任意 | 受信バッファ数などの汎用パラメータの設定を可能にする。 |
ATM++ | ATMWORKS 350, ATMWORKS 351, ATMWORKS 750 | ATMworks 350および351はPCIベースのシステムをサポートする。 ATMworks 750 はTURBOchannelシステムをサポートする。 |
++ Alphaのみ |
システム上のLAN装置を表示するには,次の形式でSHOW CONFIGURATIONコマンドを入力します。
SHOW CONFIGURATION
LANCP> SHOW CONFIGURATION LAN Configuration: Device Medium Default LAN Address Version ------ ------ ------------------- ------- EWA0 CSMA/CD 08-00-2B-E4-00-BF 02000023 EWB0 CSMA/CD 08-00-2B-92-A4-0D 02000023 IRA0 Token Ring 00-00-93-58-5D-32 20000223
この例は,3つのLAN装置,つまり,2つのDE435と1つのDETRAを持つノードで SHOW CONFIGURATION コマンドを入力したときの出力を示します。
バージョンは,装置固有の実際のバージョンを示します。この例では, PCIバスの2つの装置で,実際のバージョンは下位バイトに示されています(DE435 アダプタでは2.3)。読み取り可能なバージョンを持たない装置は, バージョン・ゼロと示されます。
装置の特定ハードウェアまたはファームウェアで返されるバージョンの相互関係を調べるには, 装置付属のマニュアルを参照してください。
(運用時デバイス・データベース内の) LAN装置についての情報を表示するには, 次の形式でSHOW DEVICEコマンドを入力します。
SHOW DEVICE 装置名 [/修飾子,...]
表 22-8に,SHOW DEVICE コマンドの修飾子を簡単に説明します。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/ALL | 装置名が一致するすべての装置を表示する。 |
/CHARACTERISTICS | /PARAMETERS修飾子と同じ。 |
/DLL | ダウンライン・ロード特性を表示する。 |
/COUNTERS | デバイス・カウンタを表示する。 |
/MAP | 機能アドレス・ マッピング・テーブルの現在の構成を表示する。 |
/MOPDLL | /DLL修飾子と同じ。 |
/OUTPUT++ | 指定されたファイル名に出力する。 |
/PARAMETERS | 装置について状態と関連情報を表示する。 |
/REVISION | アダプタの現在のファームウェア・リビジョンを表示する( 可能な場合)。 |
/SR_ENTRY | 現在のソース・ルーティング・キャッシュ・テーブルの内容を表示する。 |
++ Alphaのみ |
LANCP> SHOW DEVICE/COUNTERS EXA0 Device Counters EXA0: Value Counter ----- ------- 259225 Seconds since last zeroed 5890496 Data blocks received 4801439 Multicast blocks received 131074 Receive failure 764348985 Bytes received 543019961 Multicast bytes received 3 Data overrun 1533610 Data blocks sent 115568 Multicast packets transmitted 122578 Blocks sent, multiple collisions 86000 Blocks sent, single collision 189039 Blocks sent, initially deferred 198120720 Bytes sent 13232578 Multicast bytes transmitted 7274529 Send failure 0 Collision detect check failure 0 Unrecognized frame destination 0 System buffer unavailable 0 User buffer unavailable
このSHOW DEVICEコマンドは,イーサネット・デバイスEXA0のカウンタを表示する。
LANCP> SHOW DEVICE/MAP ICA0 Multicast to Functional Address Mapping ICA0: Multicast address Functional Address Bit-Reversed ----------------- ------------------ ------------ 09-00-2B-00-00-04 03-00-00-00-02-00 C0:00:00:00:40:00 09-00-2B-00-00-05 03-00-00-00-01-00 C0:00:00:00:80:00 CF-00-00-00-00-00 03-00-00-08-00-00 C0:00:00:10:00:00 AB-00-00-01-00-00 03-00-02-00-00-00 C0:00:40:00:00:00 AB-00-00-02-00-00 03-00-04-00-00-00 C0:00:20:00:00:00 AB-00-00-03-00-00 03-00-08-00-00-00 C0:00:10:00:00:00 09-00-2B-02-00-00 03-00-08-00-00-00 C0:00:10:00:00:00 09-00-2B-02-01-0A 03-00-08-00-00-00 C0:00:10:00:00:00 AB-00-00-04-00-00 03-00-10-00-00-00 C0:00:08:00:00:00 09-00-2B-02-01-0B 03-00-10-00-00-00 C0:00:08:00:00:00 09-00-2B-00-00-07 03-00-20-00-00-00 C0:00:04:00:00:00 09-00-2B-00-00-0F 03-00-40-00-00-00 C0:00:02:00:00:00 09-00-2B-02-01-04 03-00-80-00-00-00 C0:00:01:00:00:00 09-00-2B-02-01-07 03-00-00-02-00-00 C0:00:00:40:00:00 09-00-2B-04-00-00 03-00-00-04-00-00 C0:00:00:20:00:00 09-00-2B-02-01-00 03-00-00-00-08-00 C0:00:00:00:10:00 09-00-2B-02-01-01 03-00-00-00-10-00 C0:00:00:00:08:00 09-00-2B-02-01-02 03-00-00-00-20-00 C0:00:00:00:04:00 03-00-00-00-00-01 03-00-00-00-00-01 C0:00:00:00:00:80 03-00-02-00-00-00 03-00-02-00-00-00 C0:00:40:00:00:00
このSHOW DEVICEコマンドは,トークン・リング・デバイスICA0のマッピング情報を表示する。
LANCP> SHOW DEVICE/PARAM IRA0 Device Parameters IRA0: Value Parameter ----- --------- Normal Controller mode External Internal loopback mode 00-00-93-58-5D-32 Hardware LAN address Token Ring Communication medium Enabled Functional address mode No Full duplex enable No Full duplex operational 16 Line speed (megabits/second) 16 Mbps Ring speed STP Line media Enabled Early token release Disabled Monitor contender 200 SR cache entries 2 SR discovery timer 60 SR Aging Timer Enabled Source routing 3 Authorized access priority AA-00-04-00-92-FF Upstream neighbor 0 Ring number
このSHOW DEVICEコマンドは,トークン・リング・デバイスIRA0の状態とパラメータ情報を表示する。
LANCP> SHOW DEVICE/REVISION FXA0 Device revision FXA0: 05140823
このSHOW DEVICEコマンドはFDDI装置FXA0のリビジョン情報を表示する。
LANCP> SHOW DEVICE/SR_ENTRY ICA0 Source Routing Cache Table ICA0: LAN address State XmtTmo RcvTmo StaleTmo DiscvTmo ----------------- ----- -------- -------- -------- -------- AA-00-04-00-92-FF LOCAL 00000028 00000028 00000245 00000000
このSHOW DEVICEコマンドは,トークン・リング・デバイスICA0のソース・ ルーティング・エントリ情報を表示する。
LAN装置はすべて,パラメータの集まりで特徴付けられます。パラメータは, 装置が接続されている媒体のLAN装置の操作特性を定義します。
LAN装置のパラメータを直接設定するには,LANCP>プロンプトでSET DEVICEコマンドを入力します。LANCPユーティリティは,LANACPサーバ・ プロセスにこのコマンドを発行し,LANCPサーバ・プロセスは適切なQIO を発行してドライバ特性を設定します。
SET DEVICEコマンドの形式は次のとおりです。
SET DEVICE 装置名 [/修飾子,...]
表 22-9に,LAN装置に直接適用されるSET DEVICE コマンドの修飾子を簡単に説明します。
修飾子 | 説明 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
/AGING_TIMER=値 | ソース・ルーティング・キャッシュ・ エントリが無効とされるまでの秒数を設定する。 | ||||||||
/ALL | 全LAN装置のデータを設定する。 | ||||||||
/ATMADDRESS=LES++ | Alphaシステムで,ATMのための LANエミュレーション・サーバ(LES)
アドレスを設定する。通常このアドレスはユーザ指定のアドレスではなく,
この修飾子も特定のアドレスが必要になった場合のみ使用する。省略時の設定では,
アドレスはLESの構成サーバからソフトウェアにより決定される。
/ATMADDRESS=LES修飾子は次の形式で使用する。 SET DEVICE/ATMADDRESS = ([NO]LES= ATM サーバ) | ||||||||
/ATMADDRESS=ARP++ | Alpha
システムで,ATMのためのアドレス解決プロトコル(ARP)サーバ・アドレスを設定する。
ローカル・ホストがARPサーバでない場合は, LISを使用可能にする前にこの修飾子を指定する。
/ATMADDRESS=ARP修飾子は次の形式で使用する。 SET DEVICE/ATMADDRESS = (ARP=atm_arp_server) | ||||||||
/CACHE_ENTRIES =値 | ソース・ルーティング・アドレス・エントリのキャッシュ用のエントリ数を設定する。 | ||||||||
/CLIP ++ | Alphaシステムで,Classical Internet Protocol (CLIP)修飾子により,TCP/IP
プロトコルを使用して装置を設定する。TCP/IPプロトコルはネットワークを1
つまたは複数の論理IPサブネット(LIS)として構成する。これにより,ATM
ネットワークを介してイーサネット・フレームを送信できるようになる。/CLIP = ENABLE
コマンドを使用すると,LANCPの初期化時にシステムがLIS
に参加できるようになる。/CLIP = DISABLEコマンドを使用すると,
クライアントは論理IPサブネットではなくなる。
LISではサーバが必要になるが,サーバは1つのサブネットにつき1つだけになる。 サブネット間の通信は,ルータ経由でのみ可能になる。またクライアントは1 つのATMアダプタにつき1つだけ対応することになる。 /CLIP修飾子の形式は,標準のインターネット・ドット表記法で次のようになる。 SET DEVICE/CLIP =(ip_subnet=a.b.c.d, ip_address=a.b.c.d, parent=device, name="ip subnet name", enable, disable type = client|server) /CLIPの形式の意味を次に示す。
/CLIPのキーワードとその意味を次に示す。
| ||||||||
/CONTENDER | リングに加わるときに,装置がモニタ・コンテンション・ プロセスに加わることを指定する。 | ||||||||
/DISCOVERY_TIMER =値 | ソース・ルーティング・ ルート発見プロセスを実行しているときの,遠隔ノードからの応答待ち時間を秒数で設定する。 | ||||||||
/DLL=許可オプション, 排他オプション, サイズ・オプション, 既知クライアント専用オプション | 装置に対して,MOPダウンライン・ロード・サービス設定を提供する。
この修飾子で,次のものを指定できる。
| ||||||||
/EARLY | 装置上でEarly Token Releaseを使用可能にする。 | ||||||||
/ELAN++ | Alphaシステムで,LANエミュレーションを設定する。
/ELAN修飾子は,enableとdisableのいずれかの値をとる。キーワードSTARTUP
とともに/ELAN=ENABLEを指定すると, LANCPが開始するときにLANエミュレーションがロードされる。/ELAN=DISABLE
では,ENABLEの場合と同じパラメータを使用できる。
/ELAN修飾子は次の形式で使用する。
SET DEVICE/ELAN =(parent=parent device, name="ELAN NAME to join", size=1516 type=CSMACD Enable, Disable, description = "description string,") /ELANの形式の意味は次のとおり。
/ELANで使用されるキーワードと意味は次のとおり。
| ||||||||
/FULL_DUPLEX | LAN装置の全二重操作を可能にする。 | ||||||||
/MAP=(MULTICAST_ADDRESS=アドレス, FUNCTIONAL_ADDRESS=アドレス) | 機能アドレス・マッピング・ エントリを定義する。 | ||||||||
/MAX_ BUFFERS=値 | LAN装置に対してLANドライバが割り当てて使用する最大受信バッファ数を設定する。 | ||||||||
/MEDIA=値 |
| ||||||||
/MIN_BUFFERS=値 | LAN 装置に対してLANドライバが割り当てて使用する最小受信バッファ数を設定する。 | ||||||||
/PERMANENT_DATABASE (SETコマンドのみ) | LAN運用時デバイス・データベースにある装置エントリを, パーマネント・データベースに現在設定してあるデータに更新する。 | ||||||||
/PVC(vci[,...])++ |
Alphaシステムでは,パーマネント仮想チャネル(PVC)を定義する。これは省略可能な修飾子である。
PVCのリストは,CLIPクライアントでの使用のために定義される。このコマンドを使用した後でCLIP クライアントを有効にすること。使用する予定のスイッチでは,PVC は手動で設定する必要がある。 vciは,使用される予定のPVC (パーマネント仮想接続) のVCI (仮想チャネルID)である。 | ||||||||
/NOPVC=(vci[,...])++ | Alphaシステムでは,パーマネント仮想チャネル(PVC) は設定しない。 | ||||||||
/RING_PURGER++ | FDDI装置のリングのパージ処理を有効にする。 | ||||||||
/SOURCE_ROUTING++ | トークン・リング・デバイス上でのソース・ルーティングを可能にする。 | ||||||||
/SPEED=値 | 複数の速度をサポートしている場合に,LAN の速度を設定する。 | ||||||||
/SR_ENTRY= (LAN_ADDRESS=アドレス, RI=ルーティング情報) | 特定のノードに対して, 特定のソース経由のルートを静的に定義する。 | ||||||||
/TOKEN_ROTATION++ | FDDIリングに対して要求されたトークン・ ローテーション時間を設定する。 | ||||||||
/TOKEN_TIMEOUT++ | FDDIリングに対して制限のあるトークン・ タイムアウト時間を設定する。 | ||||||||
/TRANSMIT_TIMEOUT++ | FDDI装置に対して有効な転送時間を設定する。 | ||||||||
/UPDATE++ | 現在,LANデバイス・データベースのいずれにも入っていないLAN装置をLAN デバイス・データベースに追加する。DEFINE DEVICEコマンドはパーマネント・ データベースに適用される。これに対して,SET DEVICE コマンドは運用時データベースに適用される。 | ||||||||
/VOLATILE_DATABASE (DEFINEコマンドのみ) | LANパーマネント・ デバイス・データベースにある装置エントリを,運用時データベースに現在設定してあるデータに更新する。 | ||||||||
++ Alphaのみ |
LANCP>SET DEV CLA/CLIP=CREATE LANCP>SET DEV CLA/CLIP=(TYPE=CLIENT,PARENT=HWA) LANCP>SET DEV CLA/CLIP=(IP_ADDR_132.1.1.20,IP_SUB=255.255.255.0) LANCP>SET DEV CLA/PVC=100 LANCP>SET DEV CLA/CLIP=ENABLE
CLIPクライアントがPVC 100を使って作成された。ATM ARPサーバはPVC のあるクライアントでは必須ではないことに注意。
LANCP> SET DEVICE/CONTENDER/MEDIA=UTP/NOEARLY/SOURCE ICA0
このコマンドで,モニタのコンテンション,UTPケーブル・メディア, ソース・ルーティングが使用可能になり,トークン・リング・デバイスICA0 の Early Token Releaseが使用不能になる。
LANCP> SET DEVICE/MEDIA=TWIST EWB0
このコマンドは,媒体のタイプを2番目のTulipイーサネット・デバイスのツイストペアに設定する。
LANCP> SET DEVICE/ALL/MIN_BUFFERS=12
このコマンドは,全LAN装置の受信バッファ数を12以上に設定する。
LANCP> DEFINE DEVICE EXA0/MOPDLL=(ENABLE,EXCLUSIVE)
このコマンドはLAN装置EXA0を定義して,排他的モードでLANACP MOPダウンライン・ ロード・サービスを許可する。 KNOWNCLIENTSONLYおよびSIZE 特性の設定値は変更されない。デバイス・エントリがLANパーマネント・ デバイス・データベースに現在存在しない場合には,この設定値が省略時の値に設定される。
LANCP> DEFINE DEVICE/ALL/MOPDLL=NOEXCLUSIVE
このコマンドは,LANパーマネント・デバイス・データベースに定義されている全装置に対して, 非排他的モードのLANACP MOPダウンライン・ ロード・サービスを設定する。
LANCP> SET DEVICE EXA0/MOPDLL=(ENABLE,NOEXCLUSIVE) LANCP> SET DEVICE FXA0/MOPDLL=(ENABLE,EXCL,KNOWN)
このコマンドは次の状態のLANACP MOPダウンライン・ロード・サービスを許可する。
LAN装置は,EEPROMまたはFLASH ROMにファームウェア・イメージを含んでおり, これはLANCPユーティリティで更新できます。DEMNA,DEMFA, DEFAA,DEFTA,DEFEA,DEFPAなどの装置を更新できます。
Alphaシステムで装置上のファームウェアを更新するときは,次の形式を使用してUPDATE DEVICE コマンドを入力します。
UPDATE DEVICE 装置名 [/修飾子,...]
表 22-10は,UPDATE DEVICE コマンドの修飾子についての簡単な説明です。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/FILE=ファイル名 | 装置にロードするファイルの名前を指定する。 |
/RESET | ファームウェアの更新の終了時に,装置が新しいイメージで開始するかどうかを指定する。 |
LANCP> UPDATE DEVICE FAA0/FILE=DKA0:[FW]FBUS_MAIN.SYS
このコマンドは,DKA0:[FW]にあるファームウェア・イメージFBUS_ MAIN.SYSで, FDDI装置FAA0を更新します。装置は,ファームウェアの更新が終了し, 装置が再設定された後に,新しいイメージを使って開始します。
LANの運用時およびパーマネント・デバイス・データベースには,システムに存在するLAN 装置ごとに1つのエントリがあります。 LAN運用時デバイス・ データベースの各エントリは,装置情報およびMOPダウンライン・ロード・ カウンタ情報を含みます。 LANパーマネント・デバイス・データベースの各エントリに含まれる装置情報は, LANACP LAN サーバ・プロセスの起動時に運用時データベースを作成するのに使用されます。
通常,各データベースは同じ装置を含んでいます。ただし,パーマネント・ データベースには,システムにまだ構成されていない,またはインストールされていない装置のエントリが含まれる場合があります。 LANACP LANサーバ・プロセスは,運用時デバイス・データベースを管理します。 LANCPユーティリティは,パーマネント・デバイス・データベースを管理します。 どちらのデータベースもLANCPユーティリティ・コマンドで操作できますが, 次に示すように,操作できる内容はユーザ特権によって異なります。
以降の各項では,LANパーマネント・デバイス・データベースおよび運用時デバイス・ データベースへの装置の入力と削除の方法,およびMOPダウンライン・ ロード・サービスの許可と禁止の設定方法について説明します。
LANパーマネント・デバイス・データベースの情報を表示するには,LIST DEVICEコマンドを次の形式で入力します。
LIST DEVICE 装置名 [/修飾子,...]
LAN運用時デバイス・データベースの情報を表示するには,SHOW DEVICEコマンドを次の形式で入力します。
SHOW DEVICE 装置名 [/修飾子,...]
表 22-11に,LIST DEVICE修飾子とSHOW DEVICE 修飾子について簡単に説明します。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/ALL | 装置名が一致するすべての装置をリスト,または表示します。 |
/CHARACTERISTICS | /PARAMETER修飾子と同じ。 |
/COUNTERS+ | デバイス・カウンタを表示する。 |
/DLL | ダウンライン・ ロード特性をリスト,または表示します。 |
/MAP | 機能アドレス・マッピング・テーブルの現在の構成を表示する。 |
/MOPDLL | DLLと同じ。 |
/PARAMETERS | 装置についての状態および関連情報を表示する。 |
/OUTPUT=ファイル名 | 指定されたファイルを作成し, そのファイルに出力する。 |
/REVISION+ | アダプタの現在のファームウェア・リビジョンを表示する( 可能な場合)。 |
/SR_ ENTRY | 現在のソース・ルーティング・キャッシュ・ テーブルの内容を表示する。 |
+ SHOW DEVICEのみ ++ Alphaのみ |
LANパーマネント・デバイス・データベースに装置を入力したり,既存のエントリを変更するには, 次の形式でDEFINE DEVICEコマンドを入力します。
DEFINE DEVICE 装置名 [/修飾子,...]
LAN運用時デバイス・データベースに装置を入力したり,既存のエントリを変更するには, 次の形式でSET DEVICEコマンドを入力します。
SET DEVICE 装置名 [/修飾子,...]
LANパーマネント・デバイス・データベースから装置を削除するには,次の形式でPURGE DEVICE コマンドを入力します。
PURGE DEVICE 装置名 [/ALL]
LAN運用時デバイス・データベースから装置を削除するには,次の形式でCLEAR DEVICE コマンドを入力します。
CLEAR DEVICE 装置名 [/ALL]
PURGE DEVICEコマンドとCLEAR DEVICEコマンドの場合,/ALL修飾子を指定すると,LAN パーマネント・デバイス・データベース内のすべてのLAN装置が削除されます。
LANCP> PURGE DEVICE/ALL
このコマンドは,LANパーマネント・デバイス・データベースから全装置を削除します。
LANCP> CLEAR DEVICE EXA0
このコマンドは,LAN運用時デバイス・データベースから装置EXA0を削除します。
LAN運用時ノード・データベースおよびパーマネント・ノード・データベースには, 定義された各LANノードに対して1つのエントリがあります。 LAN運用時ノード・データベースの各エントリは,ノード情報とMOPダウンライン・ ロード・カウンタ情報を含みます。LANパーマネント・ノード・ データベースの各エントリに含まれるノード情報は,LANACP LANサーバ・ プロセスの開始時に,運用時データベースを作成するのに使用されます。
通常,各データベースは同じノードを含んでいます。LANACP LANサーバ・ プロセスは運用時ノード・データベースを管理します。LANCPユーティリティはパーマネント・ ノード・データベースを管理します。どちらのデータベースもLANCP ユーティリティ・コマンドで操作できます。ただし次に示すように, 操作できる内容はユーザ特権によって異なります。
以降の各項では,LANパーマネント・ノード・データベースおよび運用時ノード・ データベースへのノードの入力と削除の方法について説明します。
LANパーマネント・ノード・データベースの情報を表示するには,次の形式でLIST NODE コマンドを入力します。
LIST NODE ノード名 [/ALL]
LAN運用時ノード・データベースの情報を表示するには,次の形式でSHOW NODEコマンドを入力します。
SHOW NODE ノード名 [/ALL]
LIST NODEコマンドとSHOW NODEコマンドの場合,/ALL修飾子を指定すると,LAN パーマネント・ノード・データベースまたは運用時ノード・データベースの全ノードの情報が表示されます。
LANパーマネント・ノード・データベースにノードを入力したり,既存のエントリを変更するには, 次の形式でDEFINE NODEコマンドを入力します。
DEFINE NODE ノード名 [/修飾子,...]
LAN運用時ノード・データベースにノードを入力したり,既存のエントリを変更するには, 次の形式でSET NODEコマンドを入力します。
SET NODE ノード名 [/修飾子,...]
表 22-12で,DEFINE NODEおよびSET NODEコマンド修飾子について簡単に説明します。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/ADDRESS=ノード・アドレス | LANアドレスをノード名に対応付ける。 |
/ALL | LANパーマネント・ノード・データベースまたは運用時ノード・ データベースの全ノードに対してデータを定義する。 |
/BOOT_TYPE=VAX_SATELLITE| ALPHA_SATELLITE|OTHER | ダウンライン・ロード要求に必要な処理のタイプを指定する。 |
/FILE=ファイル指定 | ダウンライン・ロード要求にファイル名が含まれない場合, 提供するファイル名を指定する。 |
/PERMANENT_DATABASE (SETコマンドのみ) | LAN運用時ノード・データベース内のノード・ エントリを,パーマネント・データベースに現在設定されているデータで更新する。 |
/ROOT=ディレクトリ指定 | ファイル名に関連するディレクトリ指定を指定する。 |
/SIZE=値 | 各ダウンライン・ロード・メッセージのファイル・データ部分のサイズをバイト数で指定する。 |
/V3 | このノードからのMOPバージョン3のブート要求に限って応答することを, サーバに対して設定する。 |
/VOLATILE_ DATABASE (DEFINEコマンドのみ) | LANパーマネント・ノード・データベース内のノード・ エントリを,運用時データベースに現在設定されているデータで更新する。 |
DEFINE NODE GALAXY/ADDRESS=08-00-2B-11-22-33 - /FILE=NISCS_LOAD.EXE - /ROOT=$64$DIA14:<SYS10.> - /BOOT_TYPE=VAX_SATELLITE
このコマンドは,LANパーマネント・ノード・データベース内のノードGALAXY を,OpenVMS ClusterシステムのVAXサテライトとしてブートすることを設定する。
NISCS_LOAD.EXEファイルは実際には$64$DIA14:<SYS10.SYSCOMMON.SYSLIB> にある。 <SYSCOMMON.SYSLIB>はLANACP LANサーバ・プロセスによって提供され, ルート定義には含まれない。
DEFINE NODE ZAPNOT/ADDRESS=08-00-2B-11-22-33 - /FILE=APB.EXE - /ROOT=$64$DIA14:<SYS10.> - /BOOT_TYPE=ALPHA_SATELLITE
このコマンドは,ノードZAPNOTをOpenVMS Clusterシステムの Alphaサテライトとしてブートすることを設定する。
APB.EXEファイルは実際には $64$DIA14:<SYS10.SYSCOMMON.SYSEXE>にある。 <SYSCOMMON.SYSEXE> はLANACP LANサーバ・プロセスによって提供され, ルート定義には含まれない。
SET NODE CALPAL/ADDRESS=08-00-2B-11-22-33 - /FILE=APB_061.EXE
このコマンドは,ノードCALPALを,InfoServerイメージのブート用に設定する。 また,ノードCALPALから受信したロード要求にファイル名がない場合, ロードされるファイルを定義する。
ファイルにディレクトリ指定が含まれないため,論理名LAN$DLLでファイルの位置が定義される。 ファイル名の使用,または/ROOT修飾子の使用によって, ディレクトリ指定を指定することができる。
ブート・コマンドの中で明示的にファイル名を指定すると,ノード・ データベース・エントリに指定されるファイル名が上書きされることに注意。
LANパーマネント・ノード・データベースからノードを削除するには,次の形式でPURGE NODE コマンドを入力します。
PURGE NODE ノード名 [/ALL]
LAN運用時ノード・データベースからノードを削除するには,次の形式でCLEAR NODE コマンドを入力します。
CLEAR NODE ノード名 [/ALL]
PURGE NODEコマンドとCLEAR NODEコマンドの場合,/ALL修飾子を指定すると,LAN パーマネント・ノード・データベースまたは運用時ノード・データベースの全LAN ノードを削除します。
LANCPおよびLANACPでは,数多くのユーティリティとスタートアップ・コマンド・ ファイルを備えており,MOPダウンライン・ロード・サービスに必要な機能を実現します。 これらのユーティリティとファイルは,クラスタ・ サテライト,ターミナル・サーバ,コンソール更新イメージやシステム・ ソフトウェア更新イメージ(Inforserverロードの場合)などの,特殊イメージのダウンライン・ ロードを求めるシステムをロードします。
LAN MOP環境は,DECnetで提供される機能に類似した機能を実現します。 この結果,システム管理者は,DECnet MOPとLAN MOPのいずれかの機能を選択できます。OpenVMS Cluster システムの場合,LAN MOPを選択すると, DECnetを使用せずにクラスタを操作することができます。
LAN MOPは,次の状態でDECnet MOPと共存できます。
たとえば,DECnet MOPサービスがLAN上のあるシステムで許可されており,LAN MOP は他のシステム上で許可されている状態がこれに相当する。
たとえば,DECnet MOPサービスが,システム上で使用できるLAN装置のサブセット上で許可されており, 残りの装置上のLAN MOPが許可されている状態がこれに相当する。
たとえば,DECnet MOPとLAN MOPの両方が許可されているが,LAN MOP が対応するノードが限られている状態がこれに相当する。これによってDECnet MOP は,残りのノードに対応できるようになる。
LAN MOPへ移行するには,次の手順を実行します。
MCR LANCP DEFINE DEVICE/UPDATE
MCR LANCP DEFINE DEVICE 装置名/MOPDLL=ENABLE
DECnet MOPに永久的に戻すには,次の手順に従ってください。
MCR LANCP SET DEVICE 装置名/MOPDLL=DISABLE
MCR LANCP DEFINE DEVICE 装置名/MOPDLL=DISABLE
サテライトのLAN MOPブートを行う上で,LANCPを簡単に使用できることを目的として, クラスタ管理コマンド・プロシージャが提供されています。 このコマンド・プロシージャがCLUSTER_CONFIG_LAN.COMで,SYS$MANAGER 内にあり,OpenVMS Clusterシステムの構成および再構成を行うためにクラスタ管理者が使用するCLUSTER_CONFIG.COM と,まったく同じ目的を持ちます。 この2つのプロシージャは同じ機能を実行しますが,CLUSTER_ CONFIG.COMがダウンライン・ロードにDECnet MOPを使用するのに対して, CLUSTER_CONFIG_LAN.COMはLAN MOPを使用して,DECnetを使用しません。 このため,新たなノードを追加した場合,CLUSTER_CONFIG_LAN.COMがノードのDECnet ノード名とアドレスを求めることはありません。代わりに, SCSノード名とSCSノードID番号を求めます。
便宜上,CLUSTER_CONFIG.COMをこれまで通り実行することもできます。 CLUSTER_CONFIG.COMを実行すると,LANACPのMOPブートが実行されているかどうかをチェックします。 また,DECnetが実行されているかどうかについてもチェックします。LANACP が実行されていて,DECnetが実行されていない場合,CLUSTER_CONFIG.COM はCLUSTER_CONFIG_LAN.COMにディスパッチします。 また,CLUSTER_CONFIG.COMが,LANACPとDECnetの両方とも実行されていることを検出すると,LAN MOP が使用されているかどうか,およびCLUSTER_CONFIG_LAN.COM をユーザに対して呼び出すかどうかについて,ユーザに問い合わせてきます。
MOPダウンライン・ロード・サービスを許可し,ノードZAPNOTを定義するための,LANCP ユーティリティに対するコマンドの実行方法を次に示します。
set acp/opcom set device eza0/mopdll=enable set node ZAPNOT/addr=08-00-2B-33-FB-F2/file=APB.EXE- /root=$64$DIA24:<SYS11.>/boot=Alpha
次に,LANACP LANサーバ・プロセスを起動したときに表示されるOPCOMメッセージを示します。
%%%%%%%%%%% OPCOM 10-JUN-1998 06:47:35.18 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on GALAXY LANACP MOP Downline Load Service Found LAN device EZA0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1C %%%%%%%%%%% OPCOM 10-JUN-1998 06:47:35.25 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on GALAXY LANACP MOP Downline Load Service Found LAN device EZB0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1D %%%%%%%%%%% OPCOM 10-JUN-1998 06:47:54.80 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on GALAXY LANACP MOP V3 Downline Load Service Volunteered to load request on EZA0 from ZAPNOT Requested file: $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE %%%%%%%%%%% OPCOM 10-JUN-1998 06:48:02.38 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on GALAXY LANACP MOP V3 Downline Load Service Load succeeded for ZAPNOT on EZA0 System image, $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE (Alpha image)
LAN$ACP.LOGファイルの内容を次に示します。
10-JUN-1998 06:47:35.02 Found LAN device EZA0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1C 10-JUN-1998 06:47:35.18 Found LAN device EZB0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1D 10-JUN-1998 06:47:35.25 LANACP initialization complete 10-JUN-1998 06:47:45.39 Enabled LAN device EZA0 for MOP downline load service in exclusive mode 10-JUN-1998 06:47:54.70 Volunteered to load request on EZA0 from ZAPNOT Requested file: $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE 10-JUN-1998 06:48:02.23 Load succeeded for ZAPNOT on EZA0 MOP V3 format, System image, $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE Packets: 2063 sent, 2063 received Bytes: 519416 sent, 4126 received, 507038 loaded Elapsed time: 00:00:07.42, 68276 bytes/second
LANの機能拡張によって,OpenVMS Clusterシステム内でのクロス・アーキテクチャ・ ブートが可能になりました。VAXブート・ノードは,Alphaサテライトに対してブート・ サービスを提供することができ,Alphaブート・ ノードはVAXサテライトに対してブート・サービスを提供することができます。 なお,各アーキテクチャとも,インストールおよび更新に使用するシステム・ ディスクを持つ必要があることに注意してください。
LANACP LANサーバ・プロセスは,LAN運用時ノード・データベースおよびデバイス・ データベースを保守します。LANCPユーティリティには,次の機能を持つコマンドが用意されています。
カウンタおよび状態情報は,ノードおよび装置ごとに保守されます。カウンタ情報には, 送受信されたバイトおよびパケット数,送信エラー,プロトコル違反やタイムアウトなどの論理エラー, ロード要求数が含まれます。 状態情報には,最終ロード時刻および最終ロード状態が含まれます。
MOPダウンライン・ロード・サービスを許可するには,次の形式でSET DEVICEコマンドを入力します。
SET DEVICE 装置名/DLL=ENABLE
このコマンドでは,装置名パラメータで LANコントローラの装置名を指定します。
このコマンドについての詳細は,第22.6.2項を参照してください。
MOPダウンライン・ロード・サービスを禁止するには,次の形式でSET DEVICEコマンドを入力します。
SET DEVICE 装置名/DLL=DISABLE
このコマンドでは,装置名パラメータで LANコントローラの装置名を指定します。
このコマンドについての詳細は,第22.6.2項を参照してください。
MOPダウンライン・ロード状態を表示するには,次の形式でSHOW DLLコマンドを入力します。
SHOW DLL
次の例は,特定のノードについてのカウンタ情報を示しています。
LAN MOP DLL Status: EXA enabled in exclusive mode for known nodes only, data size 1482 bytes FXA disabled #Loads Packets Bytes Last load time Last loaded ------ ------- ----- -------------------- ----------------- EXA 5 1675 4400620 10-JUN-1998 10:27.51 GALAXY FXA 0 0 0
このノードにはEXA (DEMNA)およびFXA (DEMFA)という 2つのLAN装置があります。MOP ダウンライン・ロード・サービスは,EXA上で排他的モードで許可されます。
LANACPノード・データベースで定義されているノードに限って,要求が応答されます。 ロード・メッセージ内のイメージ・データのサイズは1482バイトです。5 つのダウンライン・ロードがあり,最後のダウンライン・ロードは, ノードGALAXY上で10:27に起こりました。最終的に,FXAに対してダウンライン・ ロードは記録されません。これは,ダウンライン・ロード・ サービスが現在禁止されているためです。
LAN$ACP.LOGファイルに記録されている最新のダウンライン・ロード処理を表示するには, 次の形式でSHOW LOGコマンドを入力します。
SHOW LOG
LANパーマネント・ノード・データベース内のノードについて,MOPダウンライン・ ロード情報を表示するには,次の形式でLIST NODEコマンドを入力します。
LIST NODE ノード名 [/修飾子,...]
LAN運用時ノード・データベース内のノードについて,MOPダウンライン・ ロード状態とカウンタ情報を表示するには,次の形式でSHOW NODEコマンドを入力します。
SHOW NODE ノード名 [/修飾子,...]
表 22-13に,LIST NODE およびSHOW NODEコマンド修飾子について簡単に説明します。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/ALL | データベース内の全ノードについて情報を表示する。 |
/OUTPUT= ファイル名 | 指定されたファイルに対して,出力が行われることを指示する。 ファイル名拡張子が.comである場合,出力は,DEFINE NODE またはSET NODEコマンドのリスト形式になる。作成されたコマンド・ ファイルは,LANノード・データベースを作成するのに使用できる。 |
/TOTAL (SHOW NODEコマンドのみ) | カウンタ合計だけを表示する。 |
次の例は,3つのノード(GALAXY,ZAPNOT,CALPAL)が定義されているローカル・ ノードで発行されたコマンドからの出力を示します。CALPALは2つのロード要求を出しています。
Node Listing: GALAXY (08-00-2B-2C-51-28): MOP DLL: Load file: APB.EXE Load root: $64$DIA24:<SYS11.> Boot type: Alpha satellite ZAPNOT (08-00-2B-18-7E-33): MOP DLL: Load file: NISCS_LOAD.EXE Load root: LAVC$SYSDEVICE:<SYS10.> Boot type: VAX satellite CALPAL (08-00-2B-08-9F-4C): MOP DLL: Load file: READ_ADDR.SYS Last file: LAN$DLL:APB_X5WN.SYS Boot type: Other 2 loads requested, 1 volunteered 1 succeeded, 0 failed Last request was for a system image, in MOP V4 format Last load initiated 10-jun-1998 09:11:17 on EXA0 for 00:00:06.65 527665 bytes, 4161 packets, 0 transmit failures Unnamed (00-00-00-00-00-00): Totals: Requests received 2 Requests volunteered 1 Successful loads 1 Failed loads 0 Packets sent 2080 Packets received 2081 Bytes sent 523481 Bytes received 4184 Last load CALPAL at 10-jun-1998 09:11:17.29
全ノードおよび装置でMOPダウンライン・ロード・カウンタをクリアするには, 次の形式でCLEAR DLLコマンドを入力します。
CLEAR DLL
省略時の設定では,OPCOMメッセージが許可されています。メッセージは, 装置状態が変化したとき,ロード要求を受信したとき,およびロードが完了したとき,LANACP LAN サーバ・プロセスによって生成されます。これらのメッセージは, オペレータのコンソールに表示され,LANACPによって作成されるログ・ ファイル SYS$MANAGER:LAN$ACP.LOGに書き込まれます。
OPCOMメッセージを許可するには,次の形式でSET ACP/OPCOMコマンドを入力します。
SET ACP/OPCOM
ロード要求についてLANACP LANサーバ・プロセスが出力するエラー・データでは, ロードの失敗の理由が十分に判断できない場合,サーバ・プロセスに対して, トレース・データの記録を指示することができます。データは, サーバによって行われる送受信ごとの,送受信パケット情報で構成され, ロードのたびにログ・ファイルに書き込まれます。ログ・ファイル名は SYS$MANAGER:LAN$ nodename.LOGです。全パケット・データ,または各パケットの先頭の32 バイトだけ,のいずれかを記録できます。
一般的なロードの流れを次に示します。
クラスタ・サテライト・ロードの場合,最後のMemory Loadメッセージには, クラスタ・パラメータが含まれます。このメッセージ,および最後のLoad with Transfer Address メッセージは,部分的なトレース・エコーだけが許可されている場合であっても, すべて表示されます。
パケット・データの部分トレースを許可するには,次の形式でSET ACP /ECHOコマンドを入力します。
SET ACP/ECHO
パケット・データの完全トレースを許可するには,/FULL修飾子を追加します。
SET ACP/ECHO/FULL
コンソール・キャリアは,MOPコンソール・キャリア・プロトコルを使用して管理インタフェースを実現している, ターミナル・サーバなどのLAN 装置に接続するメカニズムを備えています。LANCPユーティリティは,この機能をCONNECT NODE コマンドの形式で提供します。
コマンド形式は次のとおりです。
CONNECT NODE ノード指定 [/修飾子,...]
表 22-14に,CONNECT NODE コマンド修飾子について, 簡単に説明します。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/DEVICE=装置名 | 接続に使用するLANコントローラの装置名を指定する。 |
/DISCONNECT=切断文字 | 遠隔ノードとの接続終了に使用できる文字を指定する。 |
/PASSWORD=16桁の16進数 | 接続を開始するときに使用されるパスワードを指定する。 |
/V3または/V4 | それぞれMOP バージョン3またはバージョン4で書式化されたメッセージを使用して接続を行うように指定する。 |
CONNECT NODE GALAXY/DEVICE=EWA0
このコマンドは,イーサネットの装置EWA0を使用して,ノードGALAXY へのコンソール・キャリア接続を試みる。
CONNECT NODE 08-00-2B-11-22-33/DEVICE=EWA0/PASSWORD=0123456789ABCDEF
このコマンドは,イーサネット・デバイスEWA0を使用し,パスワードを指定して, 任意のノード・アドレスへのコンソール・キャリア接続を試みる。
システムによっては,MOP遠隔ブート要求を認識して,応答します。これらのシステムは通常, 不要なブート要求によってシステムの再ブートが起動されるのを防ぐために, パスワードまたは他のメカニズムを必要とします。LANCP ユーティリティは,この機能をTRIGGER NODEコマンドの形式で実現しています。
LANシステムの再ブートを要求するには,次の形式でTRIGGER NODEコマンドを入力します。
TRIGGER NODE ノード指定 [/修飾子,...]
表 22-15に,TRIGGER NODE コマンド修飾子について簡単に説明します。
修飾子 | 定義 |
---|---|
/DEVICE=装置名 | ブート・メッセージを送信するのに使用するLAN コントローラの装置名を指定する。 |
/PASSWORD=16桁の16進数 | 接続を開始するときに使用されるパスワードを指定する。 |
MOPバージョン3または4を送信するための形式の指定に代わって,LANCPユーティリティは, ターゲット・ノードに対して,各形式でメッセージを1 つ送信します。
次の例は,TRIGGER NODEコマンドの使い方を示しています。
TRIGGER NODE GALAXY/DEVICE=EWA0
このコマンドは,イーサネット・デバイスEWA0を使用して,ノードGALAXY に対して,MOPトリガ・ブート・メッセージを送信します。
TRIGGER NODE 08-00-2B-11-22-33/DEVICE=EWA0/PASSWORD=0123456789ABCDEF
このコマンドは,イーサネット・デバイスEWA0を使用し,パスワードを指定して, 指定ノード・アドレスに対して,MOPトリガ・ブート・メッセージを送信します。
[ 前のページ ]
[ 次のページ ]
[ 目次 ]
[ 索引 ]
[ DOC Home ]